JP3154308B2 - 穂先竿とその製造方法 - Google Patents

穂先竿とその製造方法

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JP3154308B2
JP3154308B2 JP09496693A JP9496693A JP3154308B2 JP 3154308 B2 JP3154308 B2 JP 3154308B2 JP 09496693 A JP09496693 A JP 09496693A JP 9496693 A JP9496693 A JP 9496693A JP 3154308 B2 JP3154308 B2 JP 3154308B2
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信洋 高田
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ダイワ精工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂をマトリッ
クスとした穂先竿とその穂先竿の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、釣竿の先端に配置されて使用され
る穂先竿としては、例えば、本出願人による実開昭55
−69975号公報に開示されたものがある。これは熱
硬化性樹脂を含浸した強化繊維束を加熱成形した後、研
磨加工によって中心側のソリッド芯を形成し、このソリ
ッド芯の外側に熱可塑性樹脂を厚く被覆した穂先竿であ
る。
【0003】また、繊維強化プラスチック製の釣竿は魚
信を敏感にキャッチできないことや柔軟性が大き過ぎて
腰が弱いこと等の解決のために、竹繊維を使用した釣竿
が特公昭46−40741号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、前者では
強度的に不十分であると共に、粘りのある屈撓性の良好
な穂先竿を得ることが困難であり、後者では実際の竹を
材料とするため量産性の面で問題が有り、コスト高にな
るという大きな問題が有る。その一方、竹竿や鯨穂のよ
うな粘りのある屈撓性の良好な穂先竿が望まれている。
【0005】依って本発明は、竹竿や鯨穂のような粘り
のある屈撓性が良好であって、量産性のある穂先竿とそ
の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、熱可塑性樹脂をマトリックスとし、強化繊維が軸方
向に引揃えられていると共に、より外側の層の強化繊維
比率を大きくするか、又は低弾性であって強化繊維比率
を小さくした、強化繊維を有する3層以上の複数層を有
することを特徴とする穂先竿を提供する。また、熱可塑
性樹脂繊維と強化繊維との混合比率が異なると共に、該
強化繊維が一方向に引揃えられた複数のシートを準備
し、前記比率の異なるシートを各シートの引揃え方向が
軸方向になるよう積層状に巻回した後、加熱処理して強
化繊維を熱可塑性樹脂と一体化させることを特徴とする
穂先竿の製造方法を提供する。
【0007】
【作用】熱硬化性樹脂に比べて熱可塑性樹脂は樹脂流動
性が低い。このため熱可塑性樹脂と強化繊維との混合比
率の異なる複数のシートを準備して、これを各シートの
引揃え方向が軸方向になるように積層状に巻回した後加
熱して強化繊維と熱可塑性樹脂を一体化させる際、各層
の樹脂は隣接した層にまで流れ難く、最初の強化繊維の
混合比率がほぼそのまま維持されて、半径方向において
強化繊維比率の異なる複数層が形成される。穂先竿を、
強化繊維を有する3層以上の複数層を有するようにし、
より外側の層の強化繊維比率が大きくなるか、又は低弾
性であって強化繊維比率を小さくすれば、竹竿や鯨穂に
類似した、粘りのある屈撓性の良好な穂先竿となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。図1は穂先竿10を示し、熱
可塑性樹脂をマトリックスとした強化繊維により形成さ
れている。
【0009】この強化繊維Sとしては、カーボン繊維、
ガラス繊維、アラミド繊維等の高弾性繊維が使用される
が、公知の低弾性繊維を使用しても良い。熱可塑性樹脂
としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネ
ート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリアミ
ド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレ
ン(PP)、ABS樹脂(ABS)が使用される。
【0010】図1の矢視線B−Bによる横断面拡大図を
図2に示す。その内周側から、空洞11を形成する第1
層12、その外側の第2層14、第3層16、更に第4
層18という4層から成る穂先竿10である。第1層1
2から第3層までは穂先竿の長手方向に引揃えた強化繊
維Sと熱可塑性樹脂Jとが一体的に密着混合した層であ
り、最外層の第4層18は保護用の塗膜層である。この
第1層12は強化繊維の比率が小さい層であり、第3層
16は最も強化繊維比率の大きい層であり、第2層14
は中間の比率の層である。各層12,14,16の強化
繊維Sの体積比率は夫々、10〜50%、20〜50
%、30〜60%程度の範囲であり、例えば、各層1
2,14,16の強化繊維Sの体積比率は夫々30%、
40%、50%である。
【0011】このように本発明の第1実施例の穂先竿1
0は外側程繊維比率が高く、長手方向に繊維が引揃えら
れて、竹と類似の構造を有しており、竹竿と同様に粘り
のある屈撓性の良好な穂先竿となる。
【0012】次に、第3図は本発明に係る第2実施例の
穂先竿10’の横断面図を示しており、各層20,2
2,24は長手方向に繊維が引揃えられている。最内層
である第1層20は強化繊維Sの比率が最も大きくて熱
可塑性樹脂Jの比率が小さく、その外側の第2層22は
強化繊維Sの比率が小さくて熱可塑性樹脂Jの比率が大
きい。第3層24は最も強化繊維Sの比率が小さい。し
かも第1層20、第2層22、第3層24と移るに従っ
て弾性が小さくなり、外側程伸びが大きくなるように繊
維を選定している。また、第1層20は耐つぶれ性が大
きく、第2層22と第3層24は破壊強度が高いことが
望ましい。強化繊維Sの例として第1層20、第2層2
2、第3層24は例えば、夫々、弾性率が40ton/
mm2程度の高弾性カーボン繊維、24ton/mm2
度の中弾性カーボン繊維、15ton/mm2程度の低
弾性カーボン繊維を使用し、夫々の層20、22、24
における各体積比率は、30〜60%、20〜50%、
10〜40%程度の範囲であり、例えば、50%、40
%、30%である。
【0013】従って、この第2実施例の穂先竿10’は
鯨穂のように非常によく曲がると共にまた回復し、粘り
のある調子の穂先竿となる。
【0014】次に、図4から図6を参照しながら本発明
に係る竹竿類似の穂先竿10の製造方法につき説明す
る。例えば図2の第2層14を形成するシート14’’
を示した図5と図6を参照する。シート14’’は強化
繊維Sと熱可塑性樹脂繊維J’とが縄状に混合した繊維
束140を一方向に引揃えており、この引揃えられた繊
維束140に対して横方向から熱可塑性樹脂繊維J’を
粗い織布状に通すことによってシート状を保持する。
【0015】また、繊維束140を強化繊維Sのみのも
のと熱可塑性樹脂繊維J’のみのものに形成して、それ
らを所定の混合比率に引揃えても良い。更に、強化繊維
の表面に熱可塑性樹脂をコーティングしたものや、強化
繊維の束の表面に熱可塑性樹脂をコーティングしたも
の、短い樹脂繊維を使用したもの等考えられ、本発明で
はこれらに制約は無い。
【0016】他の層12,16を形成するシートも同様
に形成して用意する。一方、空洞11を形成するための
内型26は、芯金27にシリコンチューブ等で形成され
た加圧力調整部材28を套嵌している。この加圧力調整
部材28の外側に準備した各シートを層状に巻回する。
その結果、図4に示すように内側から第1層対応部1
2’、第2層対応部14’、第3層対応部16’が形成
され、この第3層対応部16’の外側には上型30Aと
下型30Bとから成る外型30を型締めする。
【0017】この後、上記加圧力調整部材28に油圧や
空気圧によって圧力をかける。外型30にも油圧や空気
圧によって加圧力を付与する。この場合、外型30のみ
によって所定の加圧力が付与できれば、加圧力調整部材
28は必要ない。次に、熱可塑性樹脂の融点の±30℃
の範囲で加熱し、溶融した熱可塑性樹脂を強化繊維間に
行き亘らせ、強化繊維を熱可塑性樹脂で一体成形する。
この場合、樹脂は熱硬化性の樹脂と異なり熱可塑性樹脂
であるため、樹脂流動性が小さく、各層対応部12’,
14’,16’の所定の比率の熱可塑性樹脂はほとんど
そのまま夫々の層12,14,16に残る。
【0018】この加熱処理後、外型30を外し、それか
ら内型26を抜きとる。そして最後に、外皮層として塗
料を塗布した塗膜層18を形成すれば、図2の断面の穂
先竿10が形成される。図3の穂先竿10’は空洞がな
いために、内型が不要であるが、その他は上記製造方法
と基本的に同様である。
【0019】上記の製造方法の他、金型による引き抜き
成形方法もある。この方法は、予め環状に巻回形成した
穂先穂を準備し、これを加熱された金型の引き抜き用の
孔で絞るように引き抜く。その時の熱で熱可塑性樹脂繊
維が溶融して強化繊維と一体化され、その後冷却させれ
ば穂先穂が完成する。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
穂先竿によれば、特性の異なる複数層から構成されてい
るため、外側の層を高繊維比率とすれば竹竿に近い特性
の穂先竿となり、外側を低弾性な繊維で繊維比率を小さ
くすれば鯨穂に近い特性の穂先竿となり、粘りのある屈
撓性の良い穂先竿となる。また、本発明の穂先竿の製造
方法によれば、各層の熱可塑性樹脂が隣接した層に流入
することがほとんどなく、加熱処理前に積層状に巻回し
た状態の樹脂比率(繊維比率)がそのまま保持され、特
性の異なる複数層を有する穂先竿が容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る穂先竿の側面図である。
【図2】図2は図1の矢視線B−Bによる横断面図であ
る。
【図3】図3は他の穂先竿の図2と同様な横断面図であ
る。
【図4】図4は図1の穂先竿を製造する過程の断面図で
ある。
【図5】図5は穂先竿を製造する引揃えシートの部分拡
大図である。
【図6】図6は図5の引揃えシートの繊維束の拡大断面
図である。
【符号の説明】
10 穂先竿 12 第1層 14 第2層 16 第3層 26 内型 30 外型 J 熱可塑性樹脂 J’ 熱可塑性樹脂繊維 S 強化繊維

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂をマトリックスとし、強化
    繊維が軸方向に引揃えられていると共に、より外側の層
    の強化繊維比率を大きくするか、又は低弾性であって強
    化繊維比率を小さくした、強化繊維を有する3層以上の
    複数層を有することを特徴とする穂先竿。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂繊維と強化繊維との混合比
    率が異なると共に、該強化繊維が一方向に引揃えられた
    複数のシートを準備し、 前記比率の異なるシートを各シートの引揃え方向が軸方
    向になるよう積層状に巻回した後、 加熱処理して強化繊維を熱可塑性樹脂と一体化させるこ
    とを特徴とする穂先竿の製造方法。
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JP5424703B2 (ja) * 2009-04-30 2014-02-26 グローブライド株式会社 釣り用穂先竿、及び釣竿
JP5431286B2 (ja) * 2010-09-30 2014-03-05 グローブライド株式会社 釣糸ガイド及びその製造方法
JP7061787B2 (ja) * 2018-02-21 2022-05-02 株式会社ゼナック 釣竿および釣竿の製造方法

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