JP3153613B2 - 腕時計用多針文字板の製造方法 - Google Patents

腕時計用多針文字板の製造方法

Info

Publication number
JP3153613B2
JP3153613B2 JP04752092A JP4752092A JP3153613B2 JP 3153613 B2 JP3153613 B2 JP 3153613B2 JP 04752092 A JP04752092 A JP 04752092A JP 4752092 A JP4752092 A JP 4752092A JP 3153613 B2 JP3153613 B2 JP 3153613B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dial
plating
frame ring
manufacturing
needle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04752092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07104075A (ja
Inventor
博 池淵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Yamamoto Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamamoto Manufacturing Co Ltd filed Critical Yamamoto Manufacturing Co Ltd
Priority to JP04752092A priority Critical patent/JP3153613B2/ja
Publication of JPH07104075A publication Critical patent/JPH07104075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3153613B2 publication Critical patent/JP3153613B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腕時計用多針文字板の製
造方法に係り、特に従来の文字板単体としての加工工程
を廃し、多針文字板の上板と下基盤とを別体として加
工、これに飾り部品を取付けること等による製造方法を
とり、製造方法を画期的に変革する多針文字板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の腕時計用多針文字板の製造方法
は、次の基本的工程により成っている。 (イ) 多針部の段落ち加工 (ロ) 文字板全体の表面仕上げ (ハ) 多針部段落孔部周囲の円周状ダイヤカット、もしく
は蒸着鏡面形成 (ニ) カット部分への仕上げめっき かくの如く、表面仕上げと機械加工との交互の組合せに
よる複合仕上げ工程である。従来の多針文字板の製造工
程を図9、図10を参照して、次の2つの場合について
説明する。 (A) 厚塗装の鏡面磨き仕上げ (B) 一般的塗装仕上げ
【0003】(A)厚塗装の鏡面磨き仕上げの場合 従来工程のうちサークルカット鏡面もしくは蒸着メタル
鏡面を平面図と断面図を同時に示した図9、図10を参
照して工程別に説明する。 工程番号 工程名 加 工 目 的 1) めっき 凹部形成の段挽き加工時の表面の保護として通常ニッケ ルめっきを施す。 2) 保護塗装 凹部形成の段挽き加工時の表面傷の防止のため、めっき 層上に塗装する。 3) 多針部段挽き レース等による機械加工での凹部堀込み。 4) 仕上げめっき 需要先デザインによる色仕上げのためのめっき。 5) 色塗装 需要先デザインによる色仕上げのための塗装。 6) スクリーン印刷 特定部分の色を他の部分と異なるものとするデザイン変 化に対応しての付加工程。 7) 塗装 印刷の密着性を向上させるための工程。 8) 厚塗装 透明な厚い塗装を行う。 9) 鏡面磨き 美観増加のため厚塗装の表面を精密研磨して鏡面とする 。 10) サークルカット 多針部段挽きの肩の部分をダイヤバイトにて鏡面に切削 部14の形成 する。 もしくは、 11) 蒸着鏡面部 鏡面磨きを行った塗装上に蒸着により金属鏡面を形成す 16の形成 る。 12) カット部めっき 切削加工された部分に仕上げのめっきを施す。 13) 印刷 時、分、秒の目盛印刷のほか、印刷で色、表面艶などの デコレーションを行う。 14) 文字植込み、 文字部品もしくはマーク部品等を文字板上に組み付ける かしめ 。
【0004】(B)一般的塗装仕上げの場合 従来工程のうち、サークルカット鏡面もしくは蒸着メタ
ル鏡面を平面図と断面図を同時に示した図9、図10を
参照して工程別に説明する。 工程番号 工程名 加 工 目 的 1) めっき 凹部形成の段挽き加工時の保護として通常ニッケルめっ きを施す。 2) 保護塗装 凹部形成の段挽き加工時の表面傷の防止のため、めっき 層上に塗装する。 3) 多針部段挽き レース等による機械加工での凹部堀込み。 4) 仕上げめっき 需要先デザインによる色仕上げのためのめっき。 5) 塗装 需要先デザインによる色または透明仕上げのための塗装 。 6) サークルカット 多針部段挽きの肩の部分をダイヤバイトにて鏡面に切削 部14の形成 する。 もしくは、 7) 蒸着鏡面部 塗装上に蒸着により金属鏡面を形成する。 16の形成 8) カット部めっき 切削加工された部分に仕上げのめっきを施す。 9) 印刷 時、分、秒の目盛印刷のほか、印刷で色、表面艶などの デコレーションを行う。 10) 文字植え込み、 文字部品、マーク部品等を文字板上に組み付ける。 かしめ
【0005】上記従来方法には次の如き多くの問題点が
あつた。 1) サークルカットの鏡面度が良好でない。 例えば文字板の固定は通常中心孔と文字板外周にあるV
型の溝(以下切り欠きと称する)との二点によって行わ
れているが、サークルカットのような機械加工の応力に
対しては十分な固定力とはなっていない。このため加工
に際し文字板が微細な振動などの動きを生じ、カットの
面に‘波打ち’を生じ、文字板の品質を低下させる。 2) サークルカットの形状、幅に制約が大きく、かつ凸
の表現ができない。例えばカットの形状は使われるバイ
トによって決まり、固定状態の余り良くない文字板を対
象とするために先端形状も切削能力を優先させた物とな
っている。同様の理由により、カットの幅も余り広くは
できない。また溝堀込みという本質から、凹の表現しか
できないという制約もある。 3) サークルカットの加工に工数がかかる。例えば文字
板一枚ずつの‘中心孔、切り欠き’による位置だし作業
のためである。 4) サークルカット部分の色は金、白のみである。例え
ばサークルカットの工程は 1)めっき 2)塗装
3)印刷 4)カット 5)カット部分へのめっき と
いう順序で行われる。従ってカット部分へのめっきは
1)めっき 2)塗装 3)印刷 という既にできあが
っている仕上げを破壊することのないよう制約を受け
る。 5) サークルカットの部分の艶の調整は困難例えばサー
クルカットの工程は 1)めっき 2)塗装 3)印刷
4)カット 5)カット部分へのめっき という順序
で行われる。従ってカット部分への艶の調整は1)めっ
き 2)塗装 3)印刷 という既にできあがっている
仕上げを破壊することのないよう制約を受ける。 6) サークルカット工程の歩留が低い。例えばサークル
カットの工程は 1)めっき 2)塗装 3)印刷
4)カット5)カット部分へのめっき という順序で行
われる。従ってカット作業に際しては1)めっき 2)
塗装 3)印刷 という既にできあがっている仕上げが
カットに際しての切り屑や、取扱いの不注意によって損
傷を受け易く歩留の低下を招く。 7) カットに使用するバイトの消耗コストが大きい。例
えば既に1)において述べたように文字板の固定は通常
中心孔と文字板外周にある切り欠きとの二点によって行
われているため、サークルカットの機械加工応力に対し
て十分な固定力とはなっていない。また、文字板の表面
には薄板材の本質としての反り、変形によるうねりがあ
り、切削応力の急激な変動が生じるなどの理由でバイト
が破損したり、文字板表面の塗料がバイトに焼き付くな
どのために切削能力の低下を来す等により消耗が激し
い。
【0006】8) 蒸着鏡面は、立体的な表現が望めな
い。例えば蒸着金属の厚さは0.1μ程しかないためで
ある。 9) 蒸着鏡面の加工には、多くの工数が掛かる。例えば
工程は 1)蒸着 2)マスキング 3)エッチング
4)マスキングの除去 となる。 10) 蒸着鏡面部分の色は金、白のみである。 11) 蒸着鏡面部分の艶の調整は困難。例えば 工程1
1)めっき 2)塗装 3)印刷 4)蒸着鏡面 工程2 1)めっき 2)塗装 3)印刷 4)厚塗装
5)厚塗装の表面精密研磨(鏡面形成) 6)蒸着鏡面 以上のような既にできあがっている表面に蒸着鏡面が製
作されるためさらに艶の調整をすることはこれらすべて
に影響を与えることになるため、不可能である。 12) 段落部加工の位置精度が悪い。例えばレース挽きの
際のチャッキングの精度に問題があり、数十μのブレが
発生する。このため、段落下部へのインディックス印刷
等の位置に見かけ上片寄りが生じ、不良につながる。 13) 段落部加工の寸法精度が悪い。12)と同様の理由に
よる。 14) 段落部加工の手番が長い 15) 段落部加工の仕上げの制約が大きい。 2色めっきの場合イ ) 段の上が金、段の下が銀、という組み合わせの場
合、工程は1)金めっき(全体) 2)段の上のマスキン
グ 3)段の下の銀めっきという工程によって作成さ
れ、逆の工程は段の下のマスキングが不可能のため、設
定できない。一方、上記工程には銀めっきに耐える強い
マスキング材が必要であるが現実には強アルカリ性であ
る銀めっきに耐える強さを持つマスキング材は存在しな
い。以上のような理由で上記の2色めっきは、製作不可
能である。ロ ) 段の上が黒ニッケル(チャコールグレー)、段の下
が金、銀等、という組み合わせの場合、工程は1)黒ニ
ッケルめっき(全体) 2)段の上のマスキング 3)段
の下の金(銀)めっきという工程によって作成され、逆
の工程は段の下のマスキングが不可能のため、設定でき
ない。一方、上記工程自体も黒ニッケルめっき(チャコ
ールグレー)などは、硫化物を含んだ材質のためめっき
の付着が良好ではない。以上のような理由で上記の2色
めっきは、製作不可能である。 2色塗装の場合 文字板の塗装は通常空気圧を利用したエアースプレー塗
装によつて行われる。こうしたスプレー法は量産方法と
しては優れた方法であるが、文字板のような小さな品物
にたいして部分的に2種類の色を塗り分けるというよう
な細かい細工は困難である。 2色印刷の場合イ ) 段の上が白色、段の下が黒色、という組み合わせの
場合、工程は1) 黒色塗装(全体) 2) 段の上に白色
印刷(2回) 黒のように濃い色の上へ明るい(淡い)色の印刷をすると
きは下に隠れる濃い色が透けて見えないようにするため
に上になる明るい色は厚く印刷することが必要となる。ロ ) 段の上が白色、段の下が黒色、という組み合わせで
厚塗装による上塗りを行うの場合、工程は1) 黒色塗装
(全体) 2) 段の上に白色印刷(2回)3) 透明厚塗
装(全体) 4) 厚塗装の表面精密研磨(鏡面形成)
【0007】かくの如く、腕時計用多針文字板の製造方
法における従来技術には幾多の問題点があった。これら
の問題点は製造方法そのものに基因するものが少くな
い。例えば文字板の固定が、1)に記載の如く、通常中心
孔と文字板外周にある切り欠きと称せられるV型の溝と
の2点によって行われるが、サークルカットの如き機械
加工の応力に対しては十分な固定力となっていないこと
が主原因となっている等によるものである。その結果文
字板の製作に多くの工数を要するのみならず、上記の如
き品質的には精度の低下の原因となっていることが判明
した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】腕時計用多針文字板の
製造方法における従来技術は上記の如く、複雑多岐であ
って非能率作業が多く、その結果加工に工数を多く要す
るのみならず、文字板の精度を低下させる等の欠点があ
る。本発明の目的は、多針文字板の製造工程における上
記従来技術の欠点を解消し、画期的能率の向上と文字板
品質の向上を実現することができる新規の製造方法を提
供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろを列記すると次の如くである。 (1) 下基盤板上に多針用板を重ねて貼り付け多針用
孔部に飾り部品を付加することによって組立てることを
特徴とする腕時計用多針文字板の製造方法。 (2) 多針用板の孔部に飾り部品を付加することによ
って組立てることを特徴とする腕時計用多針文字板の製
造方法。 (3) 前記飾り部品に枠リングを使用する上記(1)
に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。 (4) 前記飾り部品に枠リングと小径板とを使用する
上記(1)に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。 (5) 前記飾り部品に枠リング縁付きを使用する上記
(1)に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。 (6) 前記飾り部品に枠リング縁付きと小径板とを使
用する上記(1)に記載の腕時計用多針文字板の製造方
法。 (7) 前記飾り部品に枠リング底付きを使用する上記
(2)に記載の腕時計用多針文字盤の製造方法。 (8) 前記飾り部品に枠リング縁、底付きを使用する
上記(2)に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。 (9) 前記飾り部品に枠リングと小径板とを使用する
上記(2)に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。 (10) 前記飾り部品に枠リング縁付きと小径板とを使
用する上記(2)に記載の腕時計用多針文字板の製造方
法、である。
【0010】従来方法と本発明法との差異を単純に説明
すると次のとおりである。すなわち、従来法は多針文字
板を一体物として製作していたが、本発明法は水平に少
くとも2個の主要部、すなわち、下基板と多針用板に切
断した形状で別個に製作し、これを重ね合わせて貼付け
して組立てる方法をとったものである。更に多針用板の
孔部には種々異なる飾り部品を目的により付加すること
によって組立てるものであって、本発明による多針文字
板の製造方法としては、これらの組合わせる態様によっ
て次の如く分類される。 (3) 飾り部品として 枠リング使用 (1) 下基板+多針用板 (4) 飾り部品として +飾り部品 (枠リング+小径板)使用 (5) 飾り部品として 枠リング縁付き使用 (6) 飾り部品として 本発明法 (枠リング縁付き+小径板)使用 (7) 飾り部品として 枠リング底付き使用 (2) 多針用板 (8) 飾り部品として +飾り部品 枠リング縁、底付き使用 (9) 飾り部品として (枠リング+小径板)使用 (10)飾り部品として (枠リング縁付き+小径板)使用
【0011】
【実施例】本発明の実施例を添付図面を参照して説明す
る。 実施例1 先ず多針文字板の上板1に例えば金めっき等のめっきを
施し、次に透明な保護塗装を施す。次に多針文字板の下
基板2に例えば銀めっきを施した後、透明な保護塗装を
施した後、時、分目盛等を印刷する。次に枠リング3を
適当な前処理を施した後めっきをする。また、めっき前
にはデザイン的必要性に応じ、梨地処理するいわゆるホ
ーニング処理を行うこともできる。上記それぞれ別個に
製作した多針文字板の上板1、下基板2とを重ねて貼り
付け、多針用孔部に枠リング3を飾り部品として付加す
る仕様をとるので、上板1、下基板2とを別個にめっ
き、塗装を施し、仕上げた後貼りあわせることにより、
従来は不可能であった如何なる仕上げの組合わせでも製
造できることが大きな特徴である。なお、孔部の周囲に
は従来よりも良好な品質の鏡面リングが、枠リング3と
して付加し得るので、そのデザイン的価値は従来品より
著しく高い。本実施例は請求項3に対応するものであ
る。
【0012】実施例2 実施例1と同様に、多針文字板上板1、下基板2とを別
個に、めっき、塗装を施し、仕上げた後貼り合わせ、更
に実施例1の枠リング3の代りに、枠リング縁付き4を
先ず必要に応じてホーニング加工した後、めっきしたも
のを飾り部品として図3に示す如く付加するものであつ
て、これによって従来不可能であった「文字板表面への
立体的表現」が可能となった。本実施例は請求項5に対
応するものである。
【0013】実施例3 実施例1と同様にして、多針文字板の上板1、下基板2
を処理して重ねて貼り付け、これに飾り部品として枠リ
ング3のほか、更に小径板5を付加する。ここで小径板
と称せられる文字板多針部段落孔部に付加する部品は、
次の各工程のいずれか1つによって製造されたものであ
る。 (a) 先ず、放射状もしくはすじ目状に目付模様を施し、
次にめっき処理し、その上に保護塗装し、更にプレス抜
加工を施したものを小径板5として使用する。 (b) 先ず材料に砂地模様もしくは彫金模様等を電鋳にて
形成し、これをめっきし、更に保護塗装し、しかる後プ
レス加工して小径板5とする。 (c) 皮もしくは貝の如き天然素材を用いるか、またはオ
パール、セラミックスの如き貴石を用い、これを前処理
したのち、着色等を施し、これをプレス抜加工等により
仕上げて小径板5とする。 図2にて示す多針文字板は、上記の如く、多針文字板の
上板1、下基板2を重ねて貼り合わせた後枠リング3お
よび(a)、(b)、(c)の何れかの工程で製造した小径板5
を飾り部品として付加し組立てたものである。下基板2
の仕上げは小径板5を付加することによって遮蔽されて
しまうが、多針用孔の一部は「小径板」無しにそのまま
下基板2の仕上げを生かすことも可能である。小径板5
を付加することにより文字板仕上げのデザインの変化が
豊富になり、例えば「放射状目付け、筋目目付け」など
の模様付けを行ったり、マスキング手法を用いての「め
っき2色」の表現も可能となる。また、天然の素材であ
る「貝、皮革、木材、紙、コルク」、さらに「金、白金
等の無垢材」、「貴石(オパール、ラピス、等)」を取り
入れることも可能となる。また種々の電鋳模様「砂地
調、彫金加工物、等」を文字板と同様に種々の仕上げに
加工し、これを一定サイズに打ち抜きプレス加工を行
い、とりつけることもできる。本実施例は請求項4に対
応するものである。
【0014】実施例4 図4で示す実施例4は、上記図2で示した実施例3にお
いて、枠リング3の代りに枠リング縁付き4を使用した
場合である。すなわち、本実施例は別個に処理した多針
文字板の上板1、下基板2を重ねて貼り付け、これに枠
リング縁付き4および実施例3の(a)、(b)、(c)のいず
れかの工程で製造した小径板5を付加したものであっ
て、小径板5を付加することによって生じ得る文字板仕
上げのデザインの多様性については実施例3に述べて効
果は本実施例でも同様である。本実施例は請求項6に対
応するものである。
【0015】実施例5 以降の実施例は、厚い文字板を使用することができない
腕時計ムーブメントに対応した製造方法であって、多針
文字板の下基板2がなく、飾り部品として底付き部品を
使用する場合である。従ってこの場合に使用する多針文
字板の上板1を特に多針文字板6と称する。先ず多針文
字板6をめっきし、保護塗装を施しその上に時、分等の
目盛を印刷する。一方、図5にて示す如き枠リング底付
き7を必要に応じてホーニング加工、めっき、保護塗装
した後、所要の印刷を施した後、多針文字板6と枠リン
グ底付き7を図5に示す如く組立てて多針文字板とする
場合であって、請求項7に対応する場合である。
【0016】実施例6 実施例5と同様に多針文字板6を処理し、図6に示す如
き枠リング縁、底付き8を必要に応じてホーニング加
工、めっき、保護塗装した後、所要の印刷を施した後、
多針文字板6と枠リング縁、底付き8を図6に示す如く
組立てて、多針文字板とするものであって、請求項8に
対応する場合である。
【0017】実施例7 実施例5と同様にめっきし、保護塗装を施し、その上に
時、分等の目盛りを印刷した多針文字板6と、実施例1
で説明した如く、必要に応じてホーニング処理した後、
めっきを施した枠リング3と、実施例3の(a)、(b)、
(c)の何れかの処理を施した小径板5とを図7に示す如
く組立てて、多針文字板を作るものであって、請求項9
に対応するものである。
【0018】実施例8 実施例5と同様にめっきし、保護塗装を施し、その上に
時、分等の目盛りを印刷した多針文字板6と、実施例7
の枠リング3の代りに枠リング縁付き4を使用し、かつ
実施例3の(a)、(b)、(c)の何れかの処理を施した小径
板5とを図8に示す如く組立てて多針文字板としたもの
であって、請求項10に対応するものである。
【0019】
【発明の効果】従来の腕時計用多針文字板の製造方法
は、その使用する材料も金属のみならず、皮、貝等の天
然材料にもおよび、またその色彩も単に金、銀のみなら
ず、極めて多彩な色彩を求められるに至り、その製造工
程も複雑多岐に亘り、大量生産方式の溢路となっていた
が、本発明による製造方法によって画期的な変革がもた
らされ、次の如き効果を挙げることができた。 (イ) 従来の凹部の形成の加工が全くなくなったので、製
造工程が単なる貼り合わせ組立て工程のみとなり、工数
が画期的に低減した。 (ロ) サークルカットの代替えとして枠リングを使用し組
立により鏡面を形成するので、従来の加工方法における
問題点は全て解決される。 (ハ) パイプ材またはロッド材を使用し自動挽きによって
カットを行うため、材料の保持が確実となったので製造
精度が著しく向上し、サークルカットの鏡面度も良好と
なった。 (ニ) パイプ材またはロッド材を使用し自動挽きによって
カットを行うため、バイトの種類、設定の自由度が大き
いので、文字板への直接のサークルカットの如く形状、
幅に制約を受けることはない。また、文字板の表面より
上方への表現(凸)となる加工(縁付き)も容易に実現す
ることが可能となり、デザインの自由度は飛躍的に拡大
した。 (ホ) サークルカットの加工の工数は、自動挽きにより格
段の減少となった。 (ヘ) 別体での加工となるためサークルカット部分の色は
金、白以外にも自由に選択が可能となった。 (ト) 別体での加工となるためサークルカット部分の艶の
調整は自由にでき、表現の幅が拡大した。 (チ) 材料歩留は自動挽きによって決定されるので、サー
クルカットに比べ大きく向上した。 (リ) 十分な固定力によって保持された材料を、切削油も
使用し、理想に近い条件においてカットするため、使用
するバイトの消耗は最小限に抑えられる。 (ヌ) バイトの設定の自由度が大きいため、蒸着鏡面の欠
点である立体的な表現が困難という点は解消された。 (ル) 加工工数は、リング加工と仕上げめっき、組立の手
間のみとなり、蒸着鏡面の加工に比較し、著しい工数の
低減が達成された。 (オ) 蒸着鏡面部分の色は金、白のみであるが、別体加工
のリングには制約はないのでデザインの多様性が増加し
た。 (ワ) 蒸着鏡面部分と異なり、艶の調整は容易である。 (カ) 段落部加工の位置精度は飛躍的に向上した。従って
印刷位置のズレ等の問題は解決された。 (ソ) 段落部加工の寸法精度も飛躍的に向上した。従って
印刷位置のズレ等の問題は解消された。 (ツ) 小径板を付加することにより、模様、色調、素材の
組合わせによるデザインの多様性が飛躍的に拡大した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による腕時計用多針文字板の製造方法の
請求項3の実施例を示す部分拡大断面図および対応する
部分拡大平面図である。
【図2】本発明による請求項4の実施例を示す部分拡大
断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図3】本発明による請求項5の実施例を示す部分拡大
断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図4】本発明による請求項6の実施例を示す部分拡大
断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図5】本発明による請求項7の実施例を示す部分拡大
断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図6】本発明による請求項8の実施例を示す部分拡大
断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図7】本発明による請求項9の実施例を示す部分拡大
断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図8】本発明による請求項10の実施例を示す部分拡
大断面図および対応する部分拡大平面図である。
【図9】従来の腕時計用多針文字板の製造方法による段
挽き加工部12およびサークルカット部14を示す断面
図および対応する平面図である。
【図10】従来の腕時計用多針文字板の製造方法による
段挽き加工部12および蒸着鏡面部16を示す断面図お
よび対応する平面図である。
【符号の説明】 1 多針文字板の上板 2 多針文字板の下基板 3 枠リング 4 枠リング縁付き 5 小径板 6 多針文字板 7 枠リング底付き 8 枠リング縁、底付き 12 段挽き加工部 14 サークルカット部 16 蒸着鏡面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04B 19/00 G04B 19/06 G04B 19/10 G04B 37/22 G04B 45/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下基盤板上に多針用板を重ねて貼り付け
    多針用孔部に飾り部品を付加することによって組立てる
    ことを特徴とする腕時計用多針文字板の製造方法。
  2. 【請求項2】 多針用板の孔部に飾り部品を付加するこ
    とによって組立てることを特徴とする腕時計用多針文字
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記飾り部品に枠リングを使用する請求
    項1に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記飾り部品に枠リングと小径板とを使
    用する請求項1に記載の腕時計用多針文字板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記飾り部品に枠リング縁付きを使用す
    る請求項1に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記飾り部品に枠リング縁付きと小径板
    とを使用する請求項1に記載の腕時計用多針文字板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記飾り部品に枠リング底付きを使用す
    る請求項2に記載の腕時計用多針文字板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記飾り部品に枠リング縁、底付きを使
    用する請求項2に記載の腕時計用多針文字板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記飾り部品に枠リングと小径板とを使
    用する請求項2に記載の腕時計用多針文字板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記飾り部品に枠リング縁付きと小径
    板とを使用する請求項2に記載の腕時計用多針文字板の
    製造方法。
JP04752092A 1992-02-03 1992-02-03 腕時計用多針文字板の製造方法 Expired - Fee Related JP3153613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04752092A JP3153613B2 (ja) 1992-02-03 1992-02-03 腕時計用多針文字板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04752092A JP3153613B2 (ja) 1992-02-03 1992-02-03 腕時計用多針文字板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07104075A JPH07104075A (ja) 1995-04-21
JP3153613B2 true JP3153613B2 (ja) 2001-04-09

Family

ID=12777393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04752092A Expired - Fee Related JP3153613B2 (ja) 1992-02-03 1992-02-03 腕時計用多針文字板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3153613B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6491931B1 (en) 1999-07-08 2002-12-10 L'ORéAL S.A. Cosmetic composition comprising fibers and a film forming polymer

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1695034B (zh) 2002-10-30 2010-11-17 三菱电机株式会社 空调装置
EP3709101A1 (fr) * 2019-03-14 2020-09-16 Omega SA Composant d'horlogerie ou de bijouterie composite avec structure ceramique et inserts
EP3709100B1 (fr) * 2019-03-14 2023-06-21 Omega SA Composant d'horlogerie ou de bijouterie composite avec protection du substrat et de son décor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6491931B1 (en) 1999-07-08 2002-12-10 L'ORéAL S.A. Cosmetic composition comprising fibers and a film forming polymer

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07104075A (ja) 1995-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104516256B (zh) 镶嵌有至少一个陶瓷装饰件的陶瓷元件
US20200293001A1 (en) Ceramic-based timepiece or jewellery component with a structured decoration
CN100553517C (zh) 在支持件中安置石块的方法
JP3153613B2 (ja) 腕時計用多針文字板の製造方法
JP3333272B2 (ja) 時計用カバーガラスの製造方法
JP3187620B2 (ja) 時計用文字板の製造方法
US5555535A (en) Watch dial
CN1263441A (zh) 饰石
US11914331B2 (en) Method for manufacturing decorative parts
TWI725747B (zh) 製造用於鐘錶或珠寶的複合組件的方法及錶
JPH06270597A (ja) 装飾体の製造方法
US20240099433A1 (en) Method for manufacturing an external component of a watch, of a fashion item or of a jewellery item
KR102362640B1 (ko) 기재 및 그 장식을 위한 보호를 갖춘 복합 타임피스 또는 보석류 구성 요소
JP2573683Y2 (ja) 時計用文字板及び時計
JPH046263A (ja) サファイヤヘの貴金属加飾方法
KR20230021046A (ko) 기계 부품을 장식하기 위한 방법
JPH07294666A (ja) 時計用文字板の製造方法
JP2003247096A (ja) 植設材の製造方法及び時計
JPH0627253A (ja) 時計用文字板
JP2022075929A (ja) 時計用文字板、時計、時計用文字板の製造方法
JPH05119163A (ja) 腕時計用文字板の製造方法
JPH03239991A (ja) 時計用文字板の製造方法
JPS58137531A (ja) 装飾部材の固定方法
JPH0743476A (ja) 時計用文字板及びその製造方法
JPH03247789A (ja) 山形微細段差模様の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees