JP3153065B2 - 半導体集積回路の電極の作製方法 - Google Patents

半導体集積回路の電極の作製方法

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JP3153065B2 JP35409493A JP35409493A JP3153065B2 JP 3153065 B2 JP3153065 B2 JP 3153065B2 JP 35409493 A JP35409493 A JP 35409493A JP 35409493 A JP35409493 A JP 35409493A JP 3153065 B2 JP3153065 B2 JP 3153065B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に半導体やアクティ
ブ型液晶電気光学装置のような微細な配線パターンを有
する複数の金属配線に対して陽極酸化を行なって、その
表面に多孔質の陽極酸化物を形成するに際し、少なくと
も1つの配線において形成される陽極酸化物の厚さを他
の配線と異ならせて電極を作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】配線の幅が数〜数十μm、配線の間隔が
数〜数百μm程度の微細な配線を、酸化の度合いを配線
毎に異ならせて多孔質の陽極酸化を行うにあたり、従来
は次のような方法が取られていた。ここでは2本の配線
の各々に形成される陽極酸化物の厚さを異ならせる従来
の方法を示す。
【0003】すなわち、図2の模式図に示すように、絶
縁性の基体1上に設けられたアルミニウムよりなる第1
の配線3と第2の配線4、および陰極電極2を水槽中の
化成溶液(陽極酸化を行なうための電解液)(図示せ
ず)中に配置する。化成溶液としては3%のシュウ酸水
溶液、硫酸水溶液等を用いる。
【0004】第1の配線3および第2の配線4に正、陰
極電極2に負の電位が印加されるように電源5を設け
る。第1の配線3および第2の配線4は、互いに独立し
て電流のオン、オフを制御するためのスイッチ6および
7を介して電源5に接続されている。
【0005】基体1と陰極電極2との距離は15〜50
mm位である。陽極酸化を行なう際には、スイッチ6ま
たは7をオンにして5〜30Vを印加する。この時の電
界強度は0.1〜2V/mmである。
【0006】ここで、第1の配線と第2の配線におい
て、例えば第1の配線に形成される陽極酸化物の2倍の
厚さの陽極酸化物を第2の配線に形成する場合、化成時
間(電圧印加時間)と形成される酸化膜の膜厚はほぼ比
例関係であるので、例えば、第1の配線3には30分、
第2の配線4には60分、スイッチを制御して一定の電
圧を印加すればよい。
【0007】3本以上の配線に対しても同様に、電圧印
加時間を変化させるだけで、2つまたは3つ以上の異な
った酸化膜厚を有する配線を得ることができる。
【0008】
【従来技術の問題点】しかしながらこのような方法で
は、陽極酸化を行う前あるいは後には確保されている配
線間の絶縁性が、陽極酸化工程中にしばしば低下して配
線間を電流がリークしてしまい、酸化膜厚を薄くするた
めにスイッチをオフにして電流が流れないようにしてい
た配線にも電流が流れてしまうために、結果として同じ
ような厚さの酸化物が形成されてしまうことがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この電流のリークは、
化成溶液中に含まれる、ゴミや微細な導電性物質、イオ
ン性物質等の不純物が、電源5によって陽極と陰極の間
に形成される電界に引き寄せられ、あるいは付着して、
極めて狭い間隔である配線3と4の間に電気的な導通状
態をつくり出し、電極間の絶縁性を低下させてしまって
いたことによると考えられる。したがってこの原因とな
る不純物を陽極酸化を行なう電極対に近づけないように
する必要があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、化成溶液中に、陽極酸化される複数の配線
が接続された陽極と該陽極に対向する陰極よりなる第1
の電極対と、化成溶液中の不純物を収集するための第2
電極対とを設け、前記陽極に接続された複数の配線のう
ち少なくとも1つの配線に対し、電圧印加時間を他の配
線と異ならせることを特徴とする半導体用電極の作製方
法である。
【0011】また本発明は、化成溶液中に、陽極酸化さ
れる複数の配線が接続された陽極と該陽極に対向する陰
極よりなる第1の電極対と、化成溶液中の不純物を収集
するための第2電極対とを設け、前記第2の電極対にお
ける電界強度は、前記第1の電極対における電界強度よ
り大きく、前記陽極に接続された複数の配線のうち少な
くとも1つの配線に対し、電圧印加時間を他の配線と異
ならせることを特徴とする半導体用電極の作製方法であ
る。
【0012】また上記構成において、第2の電極対は1
つの基体上に並べて設けられていることを特徴とする半
導体用電極の作製方法である。
【0013】また本発明は化成溶液中に、陽極酸化され
る複数の配線が接続された陽極と該陽極に対向する陰極
よりなる電極対を設け、前記陽極に接続された複数の配
線のうち少なくとも1つの配線に対し電圧印加時間を他
の配線と異ならせて陽極酸化を行うに際し、前記陽極に
対して印加する電位を間欠的に零電位または負電位とす
ることを特徴とする半導体用電極の作製方法である。
【0014】すなわち、本発明の第1は、陽極に接続さ
れた半導体用電極となる複数の配線のうち少なくとも1
つの配線に対し、電圧印加時間を他の配線と異ならせて
一度の陽極酸化工程で異なる厚さの酸化膜を形成するに
際し、陽極酸化を行なう第1の電極対の他に、配線間の
絶縁性低下の原因となる化成溶液中の不純物を収集・ト
ラップするための第2の電極対を別途設けるものであ
る。
【0015】図1は本発明の構成を模式的に示したもの
である。図2と同様に、陽極酸化する配線は説明を簡単
にするため、2本で示している。
【0016】図1において、左側に示す陽極酸化をする
第1の電極対は図2と同様の構成であり、図示されてい
ない化成溶液中に、絶縁性の基体1上に設けられた陽極
電極となる第1の配線3と第2の配線4、および陰極電
極2よりなる第1の電極対を配置する。電源5、スイッ
チ6、7も図2と同様に構成されている。
【0017】図において、右側に第2の電極対8および
電源9を設け、ここで化成溶液中に含まれる不純物を収
集・トラップする。第2の電極対は効率良くトラップで
き、かつ第1の電極対における陽極酸化に対し影響を与
えない程度の位置に設ける。第2の電極対を複数設ける
ことは有効である。
【0018】その際、第1の電極対における電界強度よ
り第2の電極対における電界強度を大きく、好ましくは
第1の電極対における電界強度の2〜100倍とするこ
とでより効果的に不純物をトラップできる。
【0019】例えば、陽極酸化を行なう第1の電極対の
陽極と陰極の間の距離が15〜50mm、印加電圧が5
〜30Vであるとすると、電界強度は0.1〜2V/m
mであるので、第2の電極対による電界強度が0.2〜
200V/mm程度となるように電極間隔や印加電圧を
適当に選択すればよい。
【0020】この時第2の電極対を図3に示すように絶
縁性の同一基体上に2本あるいはそれ以上の電極対パタ
ーンを形成して構成してもよい。さらにこれを複数個設
けてもよい。
【0021】また、本発明の第2は、陽極に接続された
複数の配線のうち少なくとも1つの配線に対し、電圧印
加時間を他の配線と異ならせて一度の陽極酸化工程で異
なる厚さの酸化膜を形成するに際し、一定の直流電圧が
印加されている電極対に印加する電位を、時折0V、ま
たは陽極側を負電位とするものである。
【0022】
【作用】第1の発明において、第2の電極対を設けてこ
の電極対に電圧を印加することで、化成溶液中の不純物
が第2の電極対の電界によって第2の電極対側に引き寄
せられ、陽極酸化を行なう第1の電極対に近づく不純物
を低減することができる。
【0023】特に第2の電極対の電界強度を、第1の電
極対の電界強度の2〜100倍程度に大きくすること
で、より効率よく化成溶液中の不純物を第2の電極対ま
たはその近傍に収集、トラップできる。
【0024】また、不純物トラップ用の第2の電極対
を、基板等の同一基体上に2本あるいはそれ以上の電極
対パターンを形成してもよく、特に微細なパターンにす
ることで、電界強度を上げることが容易になる。
【0025】また、第2の発明において、陽極酸化を行
なう電極対に一定電圧の直流電圧を印加していると、次
第に電極間に不純物が集まり、第1の配線と第2の配線
とのい間の絶縁性が低下してくるが、この時、一時的に
印加電圧を0Vまたは陽極側を負電圧とし、またもとの
電圧を印加すると第1の配線と第2の配線間の絶縁性が
高まることが実験的に判明した。
【0026】これは、電圧印加により陽極酸化を行なう
電極対に接近してきた不純物が、電極間電圧を0V、ま
たは陽極側を負電位とすることにより電極対への接近が
止まる、または離れ、水流等により不純物が移動するた
めと考えられる。
【0027】したがって、陽極酸化を行なう電極対に対
し、通常の直流電圧を印加して陽極酸化を行なっている
ときに、時折、間欠的に電極間電圧を0Vまたは陽極側
を負電位とすることで、第1の配線と第2の配線との間
の絶縁性を高く保ちながら陽極酸化を行なうことができ
る。
【0028】このように、本発明により、陽極酸化を行
なう電極対への不純物の接近、付着等を防ぎ、相互が極
めて近接した複数の配線の各配線間に高い絶縁性を維持
したまま陽極酸化を行なうことができる。
【0029】したがって、微細な複数の配線に対する陽
極酸化であって、酸化の度合いを配線によって異ならせ
るために、電圧印加時間を配線によって異ならせる際に
問題となる、電圧が印加されている配線と印加されてい
ない配線との間におけるリーク電流の発生を防ぐことが
できる。
【0030】その結果、複数の配線において酸化の度合
いを確実に制御し、陽極酸化物の厚さを配線毎に異なら
せて形成することが可能となる。
【0031】第1の本発明と第2の本発明を組み合わせ
て陽極酸化を行なうことが有効であることは言うまでも
ない。
【0032】
【実施例】この実施例においては、同一基板上に複数の
薄膜トランジスタを有する半導体集積回路を設ける際
に、厚さの異なる陽極酸化物をゲート電極に形成して、
目的に応じて各薄膜トランジスタのゲート電極とソー
ス、ドレイン領域との間の高抵抗領域の幅を変化させた
例を述べる。
【0033】〔序文〕絶縁基板上、もしくは半導体基板
上であっても厚い絶縁膜によって半導体基板と隔てられ
た表面(絶縁表面)上に絶縁ゲイト型半導体装置(MI
SFET)、特に半導体層(活性層)が薄膜状である半
導体装置を薄膜トランジスタ(TFT)というが、この
ような半導体装置において、通常用いられる、結晶性は
有するが単結晶でない、非単結晶半導体は単結晶半導体
に比較して特性が悪く、特に、ゲイト電極に逆電圧(す
なわち、Nチャネル型TFTの場合には負、Pチャネル
型TFTの場合には正の電圧)を印加した場合には、ソ
ース/ドレイン間のリーク電流が増加するという問題が
あった。また、かかるTFTの移動度が電圧の印加によ
って低下するという劣化の問題もあった。このような問
題を解決するためには、ソース/ドレイン領域とゲイト
電極の間に真性もしくは弱いN型やP型の高抵抗領域を
設ける必要があることが知られている。
【0034】この高抵抗領域を作製する際には、ゲイト
電極を陽極酸化、その他の方法で少なくともその側面を
酸化させ、この酸化物もしくは酸化物の跡を利用して自
己整合的にドーピングをおこなうことによって、均一な
幅の高抵抗領域を得ることができた。
【0035】しかしながら、このような高抵抗領域はソ
ース/ドレイン間に直列に挿入された抵抗としても機能
するので、例えば、高速動作が必要な場合にはかえって
不必要なものであった。特に、同一絶縁表面上に異なっ
た特性を要求されるTFTを形成する場合には問題であ
った。例えば、電気光学素子を駆動するアクティブマト
リクス回路と、その回路を駆動するためのドライバー回
路とを同一基板上に有するモノリシック回路を考えてみ
ると、アクティブマトリクス回路においては、リーク電
流が低い方が望ましいので、高抵抗領域の幅が広いTF
Tが望まれた。
【0036】しかしながら、デコーダー回路やドライバ
ー回路、さらには、CPU、メモリー回路等において
は、高速動作の必要上、高抵抗領域の幅は小さい方が望
まれた。しかしながら、同一基板上に同一プロセスで形
成されたTFTでは、高抵抗領域の幅は全て同じであ
り、上記のような回路、目的に応じて高抵抗領域の幅を
変更するということは困難であった。そのため、モノリ
シック型のアクティブマトリクス回路や、さらにそれを
発展させたモノリシック集積回路を作製することは困難
であった。本実施例は、本発明によりこのような困難を
解決し、TFTや回路の必要とする特性、信頼性に応じ
て高抵抗領域の幅を変更した半導体集積回路の作製方法
を示す。
【0037】以下に述べる実施例は、ゲイト電極の陽極
酸化工程において、TFTに応じて陽極酸化時間を変化
させることによって、得られる高抵抗領域の幅を変更す
るものである。さらには、モノリシック型アクティブマ
トリクス回路において、低オフ電流、低周波動作用のア
クティブマトリクス回路中のTFTの高抵抗領域の幅
を、大電流駆動、高周波動作用のドライバー回路、低消
費電力、高周波動作用のデコーダー回路中のTFTのも
のよりも大きくしたものである。
【0038】例えば、モノリシック型のアクティブマト
リクス回路においては、アクティブマトリクス回路中の
TFTの高抵抗領域の幅は0.4〜1μm、ドライバー
回路においては、Nチャネル型TFT(以下、NTFT
という)で、0.2〜0.3μm、Pチャネル型TFT
(以下、PTFTという)においては0〜0.2μmと
する。さらに、中央演算回路(CPU)その他の論理演
算素子/回路に用いられるデコーダーにおいても、Nチ
ャネル型TFTでは0.3〜0.4μm、Pチャネル型
TFTにおいては0〜0.2μmとする。このように、
ここで述べる実施例では、アクティブマトリクス回路の
TFTの高抵抗領域の幅は、ドライバー、デコーダーの
TFTのものよりも大きく、また、本実施例においては
本発明方法は適用されないが、Nチャネル型TFTの高
抵抗領域の幅はPチャネル型TFTのものより大きくす
るものである。
【0039】前記のようにアクティブマトリクス回路の
TFTの高抵抗領域の幅が、ドライバーやデコーダーの
TFTの幅よりも大きな理由は要求されるTFTの特性
が、前者は低リーク電流、後者は高速動作というように
互いに異なるからである。一方、同じドライバーもしく
はデコーダーにおいて、Nチャネル型TFTとPチャネ
ル型TFTとで高抵抗領域の幅を変えることは以下の理
由による。
【0040】特にNチャネル型TFTにおいて、弱いN
型の高抵抗領域を設けると、ドレイン近傍の電界を緩和
させて、ホットキャリヤ効果による劣化を抑制すること
ができる。したがって、この場合のNチャネル型TFT
の高抵抗領域は弱いN型であることが望まれる。一方、
Pチャネル型TFTにおいては、ホットキャリヤによる
劣化は少ないので、特にこのような高抵抗領域を設けな
くともよい。逆に、高抵抗領域の存在はTFTの動作速
度の低下をもたらす。Pチャネル型TFTの移動度はN
チャネル型TFTよりも劣るので可能な限り、高抵抗領
域の幅は小さい方が好ましい。その結果、上述のように
Nチャネル型TFTの高抵抗領域の幅がPチャネル型T
FTのものよりも大きくなるのである。
【0041】〔前工程〕図4および図5に本実施例の作
製工程を示す。本実施例は、モノリシック型アクティブ
マトリクス液晶ディスプレーに関するもので、図の左側
はドライバー回路の相補型TFTを、右側はアクティブ
マトリクス回路の画素制御用TFTを示している。ま
ず、基板(コーニング7059、300mm×400m
m)301上に下地酸化膜302として厚さ2000Å
の酸化珪素膜を形成した。この酸化膜の形成方法として
は、酸素雰囲気中でのスパッタ法もしくはプラズマCV
D法で分解・堆積した膜を用いるとよい。
【0042】その後、プラズマCVD法やLPCVD法
によってアモリファスシリコン膜を300〜5000
Å、好ましくは500〜1000Å堆積し、これを、5
50〜600℃の還元雰囲気に24時間放置して、結晶
化せしめた。そして、このようにして結晶化させたシリ
コン膜をパターニングして島状活性層領域303、30
4を形成した。さらに、この上にスパッタ法によって厚
さ700〜1500Åの酸化珪素膜305を形成した。
【0043】その後、厚さ1000Å〜3μm、例え
ば、6000Åのアルミニウム(0.1〜0.3wt%
のScを含む)膜をスパッタ法によって形成した。そし
て、アルミニウム膜上にフォトレジスト(例えば、東京
応化製、OFPR800/30cp)をスピンコート法
によって形成した。
【0044】フォトレジストの形成前には、中性溶液に
よる陽極酸化法によって厚さ100〜1000Åのバリ
ア型の酸化アルミニウム膜(図示せず)をアルミニウム
表面に形成した。形成に際しては、3%の酒石酸アンモ
ニウム水溶液をエチレングリコールで1:9に希釈した
溶液にて、0.05〜0.2mA/cm2 の定電流で電
圧が10〜50V程度に到達するまで陽極酸化する。こ
の時の電圧上昇速度は1〜4V/minであり、2〜5
0分の化成となる。その後到達した電圧にて定電圧で3
0分間の陽極酸化を行なった。後の本発明による多孔質
の陽極酸化における電圧はここで用いた電圧より低くな
ることが望ましい。
【0045】このようにしておくと、フォトレジストと
の密着性が良く、また、フォトレジストからの電流のリ
ークを抑制することにより、後の陽極酸化工程におい
て、多孔質陽極酸化物を側面のみに形成するうえで有効
であった。
【0046】その後、フォトレジストとアルミニウム膜
をパターニングして、アルミニウム膜と一緒にエッチン
グし、ゲイト電極306、307、308および配線3
09を形成した。これらの配線、ゲイト電極の上には前
記のフォトレジスト201が残されており、これは後の
陽極酸化工程において陽極酸化防止のマスクとして機能
する。(図4(A))
【0047】ゲイト電極306とゲイト電極307とゲ
イト電極308は電気的に独立であり、また、ゲイト電
極308と配線309は電気的に接続されている。
【0048】〔本発明の適用(第1の発明)〕さらにこ
れに電解液中で電流を通じて陽極酸化し、厚さ3000
Å〜25μmの陽極酸化物(膜)を形成した。陽極酸化
は、3〜20%のクエン酸もしくはショウ酸、燐酸、ク
ロム酸、硫酸等の酸性水溶液を用いておこない、5〜3
0Vの一定電流をゲイト電極に印加した。このようにし
て得られた陽極酸化物は多孔質である。本実施例では3
%のシュウ酸水溶液(30℃)中で電圧を8Vとし、2
0〜140分、陽極酸化した。
【0049】ここで本発明の陽極酸化方法を用いて、形
成される陽極酸化物の厚さを陽極酸化時間によって制御
し、ゲイト電極306および307には、500〜20
00Å、例えば1000Åの薄い陽極酸化物を形成し、
ゲイト電極308と配線309には、3000〜900
0Å、例えば、5000Åの厚い陽極酸化物を形成し
た。ここでは特にゲイト電極および配線上にマスクが設
けられているため、その上面は陽極酸化されず、両側面
のみに陽極酸化物が形成される。
【0050】まず、基板301上に設けられた、第1の
配線としてのゲイト電極306および307と、第2の
配線としてのゲイト電極308とそれに接続している配
線309がそれぞれ電気的に独立させて電源に接続し
て、基板301と同じ大きさの白金またはステンレスよ
りなる陰極電極板と対向させて溶液中に配置し、第1の
電極対を設けた。基板と陰極電極板との間隔は15〜5
0mmここでは20mmとした。
【0051】一方、溶液中の不純物を収集、トラップす
るための第2の電極対を、100mm×100mm、厚
さ1mmの白金またはステンレスの基板を間隔2〜20
mmここでは4mmで対向して構成し、この第2の電極
対を第1の電極対を囲うように、基板301の前後左右
に1つずつ計4ヵ所設けた。第2の電極対として図3に
示すような、絶縁基板上に電極パターンが形成されたも
のを用いてもよい。例えばガラスなどの基板上に1〜1
00μm程度のステンレス膜を成膜、パーニングしたも
のであってもよい。
【0052】印加電圧は32Vとした。第2の電極対が
第1の電極対に近づきすぎると、両者において印加電圧
に大きな差があった場合、陽極酸化にムラが生じること
があるので電気的な影響を受けない程度に両者の距離お
よび第2の電極対間電圧を考慮する必要がある。
【0053】したがって、ここでは第1の電極対におけ
る電界強度は0.4V/mmであるのに対し、第2の電
極対における電界強度は8V/mmとし、第2の電極対
における電界強度を第1の電極対の20倍とした。
【0054】そして、まずゲイト電極306、307と
308には共に20分間電圧を印加して、ここでゲイト
電極306と307へは電流の供給を断ち、ゲイト電極
308にはさらに80分間電圧を印加し、計100分間
電圧を印加した。配線309はゲイト電極308に電気
的に接続されているので同じく100分間電圧が印加さ
れる。このとき、第1の電極対間の溶液を、攪拌または
オーバーフロー(一方から溶液を供給し、他方から排出
して溶液を循環させる)により溶液に水流を形成するこ
とは有効である。
【0055】このようにして、ゲイト電極306および
307には1000Åの多孔質の陽極酸化物202、ゲ
イト電極308および配線309には5000Åの多孔
質の陽極酸化物203を側面に形成することができた。
(図4(B))
【0056】一方、第2の電極対を設けない以外は全く
同じ条件で陽極酸化を行なったところ、最初の20分が
経過した後はゲイト電極306および307には電流を
供給していないのにも係わらず、ゲイト電極306と3
07にもゲイト電極308と同様に5000Åの多孔質
陽極酸化物が形成されてしまい、陽極酸化の度合いを異
ならせることが出来なかった。
【0057】〔本発明の適用(第2の発明)〕この陽極
酸化工程においては、第2の電極対を設けずに、第1の
電極対間を間欠的に0電圧にするまたは陽極すなわち第
1および第2の配線を負電位としてもよい。すなわち、
まず基板301上に設けられた、第1の配線としてのゲ
イト電極306および307と、第2の配線としてのゲ
イト電極308とそれに接続している配線309がそれ
ぞれ電気的に独立させて電源に接続して、基板301と
同じ大きさのステンレスよりなる陰極電極板と対向させ
て溶液中に配置し、第1の電極対を設けた。基板と陰極
電極板との間隔は15〜50mmここでは20mmとし
た。
【0058】そして、まずゲイト電極306、307と
308には共に20分間電圧を印加して、ここでゲイト
電極306と307へは電流の供給を断ち、ゲイト電極
308にはさらに電圧の印加を続け、陽極酸化を進行さ
せる。
【0059】このとき、ゲイト電極308に印加される
電圧を、ここでは1分間の間に6秒間だけ、0Vまたは
負(マイナス)電位、たとえば−8Vとする(陰極は常
に0電位とする)。54秒間通常の電圧を印加後6秒間
0または負電位としてもよいし、9秒経過後1秒間だけ
0または負電位としてもよい。通常電圧を印加する時間
に対し、0または負電圧にする時間の割合は、1:1す
なわち交流から60:1程度が好ましい。ただし双方の
割合が近づくほど陽極酸化に必要な時間が長くなる。
【0060】88分間電圧を印加した。配線309はゲ
イト電極308に電気的に接続されているので同じく8
8分間電圧が印加された。このとき、第1の電極対間の
溶液を、攪拌またはオーバーフロー(一方から溶液を供
給し、他方から排出して溶液を循環させる)により溶液
に水流を形成することは有効である。
【0061】このようにして、ゲイト電極306および
307には1000Åの多孔質の陽極酸化物202、ゲ
イト電極308および配線309には5000Åの多孔
質の陽極酸化物203を側面に形成することができた。
(図4(B))
【0062】この方法では陽極酸化に要する時間は長く
なるが、第2の電極対を設けなくてもよくなるため、容
易に実施できるというメリットがある。もちろん第2の
電極対も設けて、より不純物を配線に近づけないように
することは有効である。
【0063】一方、間欠的な0または負電位を印加しな
い以外は全く同じ条件で陽極酸化を行なったところ、最
初の20分が経過した後はゲイト電極306および30
7には電流を供給していないのにも係わらず、ゲイト電
極306と307にもゲイト電極308と同様に500
0Åの多孔質陽極酸化物が形成されてしまい、陽極酸化
の度合いを異ならせることが出来なかった。
【0064】〔残りの工程〕次に、フォトレジストによ
るマスクを除去し、前述のバリヤ型酸化アルミニューム
を形成したのと同様の手法で、ゲイト電極に電流を印加
して陽極酸化を行いゲイト電極および配線の周囲にバリ
ヤ型陽極酸化膜を形成した。化成溶液としては他に、3
〜10%の酒石液、硼酸水溶液を含み、アンモニア水で
PH≒7にし、エチレングルコール溶液を加えたものを
用いてもよい。
【0065】また、ゲイト電極307以外の全てのゲイ
ト電極・配線に同じだけの電圧を印加した。このため、
ゲイト電極307以外の全てのゲイト電極・配線の上面
および側面にバリヤ型の陽極酸化物が形成された。本実
施例では、100Vの電圧を印加してバリヤ型陽極酸化
物の厚さは1000〜1400Åここでは1000Åと
した。(図5(A))
【0066】バリヤ型の陽極酸化物の厚さは任意である
が、あまり薄いと、後で多孔質陽極酸化物をエッチング
する際に、アルミニウムを溶出させてしまう危険がある
ので、500Å以上が好ましかった。注目すべきは、バ
リヤ型の陽極酸化物は後の工程で得られるにもかかわら
ず、多孔質の陽極酸化物の外側にバリヤ型の陽極酸化物
ができるのではなく、多孔質陽極酸化物とゲイト電極の
間にバリヤ型の陽極酸化物が形成されることである。
【0067】その後、ドライエッチング法によって酸化
珪素膜305をエッチングした。このエッチングにおい
ては、等方性エッチングのプラズマモードでも、あるい
は異方性エッチングの反応性イオンエッチングモードで
もよい。ただし、珪素と酸化珪素の選択比を十分に大き
くすることによって、活性層を深くエッチングしないよ
うにすることが重要である。例えば、エッチングガスと
してCF4 を使用すれば陽極酸化物はエッチングされ
ず、すなわち、ゲイト電極306、307、308、配
線313の下部に存在する酸化珪素膜305はエッチン
グされずに、それぞれ、ゲイト絶縁膜310、311、
312、絶縁膜313として残った。(図5(B))
【0068】その後、燐酸、酢酸、硝酸の混酸を用いて
多孔質陽極酸化物をエッチングした。そして、イオンド
ーピング法によって、TFTの活性層303、304
に、ゲイト電極部(すなわちゲイト電極とその周囲の陽
極酸化膜)およびゲイト絶縁膜をマスクとして自己整合
的に不純物を注入した。この際には、イオンの加速電圧
とドーズ量によって、不純物領域にさまざまな組み合わ
せが考えられる。例えば、加速電圧を50〜90kVと
高めに設定し、ドーズ量を1×1013〜5×1014cm
-2と低めにすれば、領域314〜316には、ほとんど
の不純物イオンは活性層を通過し、下地膜で最大の濃度
を示す。このため、領域314〜316は極めて低濃度
の不純物領域となる。一方、上にゲイト絶縁膜310〜
312の存在する領域317〜319では、ゲイト絶縁
膜によって高速のイオンが減速されて、ちょうど、不純
物濃度が最大となり、低濃度の不純物領域を形成するこ
とができる。
【0069】逆に、加速電圧を5〜30kVと低めに設
定し、ドーズ量を5×1014〜5×1015cm-2と多め
にすれば、領域314〜316には、多くの不純物イオ
ンが注入され、高濃度の不純物領域となる。一方、上に
ゲイト絶縁膜310〜312の存在する領域317〜3
19では、ゲイト絶縁膜によって低速のイオンが妨げら
れて、不純物イオンの注入量は低く、低濃度の不純物領
域を形成することができる。このように、いずれの方法
を用いても、領域317〜319は低濃度の不純物領域
となり、本実施例では、いずれの方法を採用してもよ
い。このようにして、イオンドーピングをおこない、N
型の低濃度不純物領域317、319とP型の低濃度不
純物領域318を形成した後、KrFエキシマーレーザ
ー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照射し
て、活性層中に導入された不純物イオンの活性化をおこ
なった。この工程は、RTP(ラピッド・サーマル・プ
ロセス)を用いてもよい。(図5(C))
【0070】〔本実施例に本発明を適用したことによる
効果〕この結果、各TFTで高抵抗領域(すなわち、低
濃度領域とオフセット領域)の幅が異ならせることがで
きた。すなわち、ドライバー回路のNチャネル型TFT
では、高抵抗領域の幅x1 はオフセット幅1000Åに
低濃度領域の幅1000Åを加えた2000Åであり、
同じくPチャネル型TFTにおいては、x2 は低濃度領
域の幅のみの1000Åであり、画素制御のTFTにお
いては、x3 はオフセット幅1000Åに低濃度領域の
幅5000Åを加えた6000Åであった。
【0071】〔残りの工程つづき〕さらに、全面に適当
な金属、例えば、チタン、ニッケル、モリブテン、タン
グステン、白金、パラジウム等の被膜、例えば、厚さ5
0〜500Åのチタン膜320をスパッタ法によって全
面に形成した。この結果、金属膜(ここではチタン膜)
320は高濃度(もしくは極低濃度)不純物領域314
〜316に密着して形成された。(図5(D))
【0072】そして、KrFエキシマーレーザー(波長
248nm、パルス幅20nsec)を照射して、金属
膜(ここではチタン)と活性層のシリコンを反応させ、
金属珪化物(ここでは珪化チタン)の領域330〜33
2を形成した。レーザーのエネルギー密度は200〜4
00mJ/cm2 、好ましくは250〜300mJ/c
2 が適当であった。また、レーザー照射時には基板を
200〜500℃に加熱しておくと、チタン膜の剥離を
抑制することはできた。なお、本実施例では上記の如
く、エキシマーレーザーを用いたが、他のレーザーを用
いてもよいことはいうまでもない。ただし、レーザーを
用いるにあたってはパルス状のレーザーが好ましい。連
続発振レーザーでは照射時間が長いので、熱によって被
照射物が熱によって膨張することによって剥離するよう
な危険がある。
【0073】パルスレーザーに関しては、Nd:YAG
レーザー(Qスイッチパルス発振が望ましい)のごとき
赤外光レーザーやその第2高調波のごとき可視光、Kr
F、XeCl、ArF等のエキシマーを使用する各種紫
外光レーザーが使用できるが、金属膜の上面からレーザ
ー照射をおこなう場合には金属膜に反射されないような
波長のレーザーを選択する必要がある。もっとも、金属
膜が極めて薄い場合にはほとんど問題がない。また、レ
ーザー光は、基板側から照射してもよい。この場合には
下に存在するシリコン半導体膜を透過するレーザー光を
選択する必要がある。
【0074】また、アニールは、可視光線もしくは近赤
外光の照射によるランプアニールによるものでもよい。
ランプアニールを行う場合には、被照射面表面が600
〜1000℃程度になるように、600℃の場合は数分
間、1000℃の場合は数10秒間のランプ照射を行う
ようにする。近赤外線(例えば1.2 μmの赤外線)によ
るアニールは、近赤外線が珪素半導体に選択的に吸収さ
れ、ガラス基板をそれ程加熱せず、しかも一回の照射時
間を短くすることで、ガラス基板に対する加熱を抑える
ことができる等、使用上、都合が良い。
【0075】この後、過酸化水素とアンモニアと水とを
5:2:2で混合したエッチング液で未反応のチタン膜
のエッチングした。露出した活性層と接触した部分以外
のチタン膜(例えば、ゲイト絶縁膜や陽極酸化膜上に存
在したチタン膜)はそのまま金属状態で残っているが、
このエッチングで除去できる。一方、金属珪化物である
珪化チタン330〜332はエッチングされないので、
残存させることができた。本実施例では、珪化物領域3
30〜332のシート抵抗は10〜50Ω/□となっ
た。一方、低濃度不純物領域317〜319では10〜
100kΩ/□であった。
【0076】そして、アクティブマトリクス回路のNT
FT337上に厚さ500〜3000Å、例えば、10
00Åの窒化珪素膜322を形成した。一般に窒化珪素
膜は、正孔を捕獲する性質がある。したがって、特にホ
ットキャリヤの発生しやすい用途、例えば、アクティブ
マトリクス回路のTFT等、において、ホットキャリヤ
注入によるゲイト絶縁膜のホットエレクトロンによる電
子のチャージアップを防止するうえで窒化珪素膜322
は有効であった。もっとも、PTFTの場合には、逆効
果となるので、相補型回路の存在する部分には窒化珪素
膜は形成しない方が好ましい。本実施例で、アクティブ
マトリクス回路(図の右側)だけに窒化珪素膜を残した
のは以上の理由による。
【0077】さらに、全面に層間絶縁物321として、
CVD法によって酸化珪素膜を厚さ2000Å〜1μ
m、例えば、5000Å形成した。そして、配線309
に孔324を形成し、窒化珪素膜322を露出させた。
そして、スパッタ法によってITO膜を形成し、これを
パターニング・エッチングして、画素電極323を形成
した。画素電極323は、孔324において、バリヤ型
陽極酸化物(1000Å)と窒化珪素膜(1000Å)
をはさんで配線309と静電容量を形成する。この際、
陽極酸化物も窒化珪素も誘電率が大きく、薄いので僅か
な面積で大きな容量を得ることができた。この容量は、
アクティブマトリクスの画素と対向電極とによって形成
される容量に並列に挿入される、いわゆる保持容量とし
て用いられる。すなわち、配線309は対向電極と同じ
電位に保たれる。
【0078】その後、層間絶縁物321をエッチング
し、TFTのソース/ドレインおよびゲイト電極等にコ
ンタクトホールを形成し、2000Å〜1μm、例えば
5000Åの厚さの窒化チタンとアルミニウムの多層膜
による配線・電極325〜329を形成した。(図5
(E))
【0079】〔実施例まとめ〕本実施例では、アクティ
ブマトリクス回路を構成するNTFT337、デコーダ
ー、CPU、メモリー、その他の高周波低消費電力用の
NTFT、大電力駆動のドライバー用NTFT、および
PTFTの高抵抗領域幅の値は実施例2と同じとした。
かくして、モノリシック型の電気光学装置を有する薄膜
集積回路にて、NチャネルTFTとPチャネルTFTと
で、高抵抗領域の幅を最適化することが示された。
【0080】〔今後の展望〕図6には、1枚のガラス基
板上にディスプレーから、CPU、メモリーまで搭載し
た集積回路を用いた電気光学システムののブロック図を
示す。本実施例では、このうちのアクティブマトリクス
回路とXおよびYデコーダー/ドライバーの部分のみを
主として示したにすぎないが、本実施例を発展させれ
ば、より高度な回路、システムを構成することが可能で
あることは容易に想像のつくことであろう。
【0081】ここで、入力ポートとは、外部から入力さ
れた信号を読み取り、画像用信号に変換し、補正メモリ
ーは、アクティブマトリクスパネルの特性に合わせて入
力信号等を補正するためのパネルに固有のメモリーであ
る。特に、この補正メモリーは、各画素固有の情報を不
揮発性メモリーとして融資、個別に補正するためのもの
である。すなわち、電気光学装置の画素に点欠陥のある
場合には、その点の周囲の画素にそれに合わせて補正し
た信号を送り、点欠陥をカバーし、欠陥を目立たなくす
る。または、画素が周囲の画素に比べて暗い場合には、
その画素により大きな信号を送って、周囲の画素同じ明
るさとなるようにするものである。CPUとメモリーは
通常のコンピュータのものと同様で、特にメモリーは各
画素に対応した画像メモリーをRAMとして持ってい
る。また、画像情報に応じて、基板を裏面から照射する
バックライトを変化させることもできる。
【0082】そして、これらの回路のそれぞれに適した
高抵抗領域の幅を得るために、3〜10系統の配線を形
成し、個々に陽極酸化条件を変えられるようにすればよ
い。典型的には、アクティブマトリクス回路において
は、チャネル長が10μmで、高抵抗領域の幅は0.4
〜1μm、例えば、0.6μm。ドライバーにおいて
は、Nチャネル型TFTで、チャネル長8μm、チャネ
ル幅200μmとし、高抵抗領域の幅は0.2〜0.3
μm、例えば、0.25μm。同じくPチャネル型TF
Tにおいては、チャネル長5μm、チャネル幅500μ
mとし、高抵抗領域の幅は0〜0.2μm、例えば、
0.1μm。デコーダーにおいては、Nチャネル型TF
Tで、チャネル長8μm、チャネル幅10μmとし、高
抵抗領域の幅は0.3〜0.4μm、例えば、0.35
μm。同じくPチャネル型TFTにおいては、チャネル
長5μm、チャネル幅10μmとし、高抵抗領域の幅は
0〜0.2μm、例えば、0.1μmとすればよい。さ
らに、図6における、CPU、入力ポート、補正メモリ
ー、メモリーのNTFT、PTFTは高周波動作、低消
費電力用のデコーダーと同様に高抵抗領域の幅を最適化
すればよい。かくして、電気光学装置64を絶縁表面を
有する同一基板上に形成することができた。
【0083】本実施例においては、本発明によって2種
類の高抵抗領域の幅を、用途によって可変して得ること
ができた。電圧印加時間を制御することで陽極酸化可能
な範囲であれば何種類の幅の形成でも可能である。ま
た、この領域はチャネル形成領域と全く同じ材料、同じ
導電型であるという必要はない。すなわち、NTFTで
は、微量にN型不純物を、また、PTFTでは微量にP
型不純物を添加し、また、選択的に炭素、酸素、窒素等
を添加して高抵抗領域を形成することもホットキャリヤ
による劣化と信頼性、周波数特性、オフ電流とのトレー
ドオフを解消する上で有効である。
【0084】
【発明の効果】本発明により、陽極酸化を行なう電極対
への不純物の接近、付着等を防ぎ、相互が極めて近接し
た複数の配線の各配線間に高い絶縁性を維持したまま陽
極酸化を行なうことができるようになった。したがっ
て、微細な複数の配線に対する陽極酸化であって、酸化
の度合いを配線によって異ならせるために、電圧印加時
間を配線によって異ならせる際に問題となる、電圧が印
加されている配線と印加されていない配線との間におけ
るリーク電流の発生を防ぐことができた。その結果、複
数の配線において酸化の度合いを確実に制御し、陽極酸
化物の厚さを配線毎に異ならせて形成することが可能と
なる。
【0085】たとえば、各TFTの必要とする特性、信
頼性に応じて最適な幅の高抵抗領域を有するTFTを同
一基板上に作製することができる。その結果、従来にな
い自由度を得ることができ、より高度に集積化された回
路を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示した模式図。
【図2】 従来の構成を示した模式図。
【図3】 第2の電極対の他の構成を示す。
【図4】 実施例における半導体集積回路の作製工程を
示す。
【図5】 実施例における半導体集積回路の作製工程を
示す。
【図6】 実施例における半導体集積回路のブロック図
の例を示す。
【符号の説明】
1 基体 2 陰極電極 3 第1の配線 4 第2の配線 5,9 電源 6、7 スイッチ 8 第2の電極対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/786 (56)参考文献 特開 昭58−85149(JP,A) 特開 昭52−103336(JP,A) 特開 昭58−140131(JP,A) 特開 平5−222581(JP,A) 特開 平6−216389(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/316 C25D 11/04 H01L 21/336 H01L 29/786

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化成溶液中で、基体上に形成された複数の
    配線でなる電極と、前記基体に対向する電極とでなる
    極対の間に電圧を印加して、前記複数の配線を陽極酸化
    する半導体集積回路の電極の作製方法であって、 前記複数の配線から電位を間欠的に0Vまたは負電位
    する配線を選択して、正電位にする時間を他の配線より
    も短くすることを特徴とする半導体集積回路の電極の作
    製方法。
  2. 【請求項2】化成溶液中で、基体上に形成された複数の
    配線でなる電極と、前記基体に対向する電極とでなる第
    1の電極対の間に電圧を印加して、前記複数の配線を陽
    極酸化する半導体集積回路の電極の作製方法であって、 前記化成溶液中で、対向する2つの電極でなる第2電極
    対間に電圧を印加して、前記第2の電極対へ前記 化成溶
    液中の不純物を収集することを特徴とする半導体集積回
    路の電極の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項において、 前記複数の配線から所定の配線を選択して、正電位にす
    る時間を他の配線と異ならせることを特徴とする半導体
    集積回路の電極の作製方法。
  4. 【請求項4】化成溶液中で、基体上に形成された複数の
    配線でなる電極と、前記基体に対向する電極とでなる第
    1の電極対の間に電圧を印加して、前記複数の配線を陽
    極酸化する半導体集積回路の電極の作製方法であって、 前記複数の配線から電位を間欠的に0Vまたは負電位
    する配線を選択して、正電位にする時間を他の配線より
    も短くし、 前記化成溶液中で、対向する2つの電極でなる第2電極
    対間に電圧を印加して 、前記第2の電極対へ前記化成溶
    液中の不純物を収集 することを特徴とする半導体集積回
    路の電極の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか1項におい
    て、 前記第2の電極対間の電界強度を前記第1の電極対間の
    電界強度の2〜100倍にする ことを特徴とする半導体
    集積回路の電極の作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、 前記化成溶液は撹拌またはオーバーフローされているこ
    とを特徴とする半導体集積回路の電極の作製方法。
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