JP3152857B2 - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

Info

Publication number
JP3152857B2
JP3152857B2 JP3979095A JP3979095A JP3152857B2 JP 3152857 B2 JP3152857 B2 JP 3152857B2 JP 3979095 A JP3979095 A JP 3979095A JP 3979095 A JP3979095 A JP 3979095A JP 3152857 B2 JP3152857 B2 JP 3152857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrostatic chuck
group
resistor layer
periodic table
volume resistivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3979095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08236603A (ja
Inventor
謙治 北澤
比呂史 会田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP3979095A priority Critical patent/JP3152857B2/ja
Publication of JPH08236603A publication Critical patent/JPH08236603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3152857B2 publication Critical patent/JP3152857B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造装置等にお
いてウエハを静電的に吸着保持して処理したり、搬送す
るための静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、半導体製造用装置において、シ
リコンウエハ等の半導体を成膜やエッチングするために
はシリコンウエハの平坦度を保ちながら保持する必要が
あるが、このような保持手段としては機械式、真空吸着
式、静電吸着式が提案されている。これらの保持手段の
中で静電的にシリコンウエハを保持することのできる静
電チャックはシリコンウエハの加工を行うに際して要求
される加工面の平坦度や平向度を容易に実現することが
でき、さらにシリコンウエハを真空中で加工処理するこ
とができるため、半導体の製造に際して最も多用されて
いる。
【0003】従来の静電チャックは、電極板の上にアル
ミナ、サファイヤ等からなる絶縁層を形成したもの(特
開昭60ー261377号)、絶縁性基体の上に導電層
を形成しその上に絶縁層を形成したもの(特開平4ー3
4953号)、絶縁性基体内部に導電層を組み込んだも
の(特開昭62ー94953号)などが提案されてい
る。
【0004】近年、半導体素子の集積回路の集積度が向
上するに従い、静電チャックの精度が高度化し、さらに
耐食性、耐摩耗性、耐熱衝撃性に優れたセラミックス製
静電チャックが要求されるようになってきた。特に窒化
アルミニウムは他のセラミックス材料に比べて耐プラズ
マ性に優れていることから、これを用いた静電チャック
が検討されている。
【0005】一般に絶縁体の体積固有抵抗値は温度が上
昇するに伴い低下する傾向にある。
【0006】例えば窒化アルミニウムの場合には室温で
1016Ω−cmの抵抗値が300℃で1012Ω−cm以
下にまで減少し、残留吸着などの問題が発生して安定し
た動作を得るのは困難であり、使用温度に制限があっ
た。また、室温以下では1016Ω−cm以上の抵抗を有
するため、実用上必要とされる吸着力が得られないなど
の問題があった。
【0007】そこで、特開平2ー160444号には絶
縁層を2層以上積層するとともにそれぞれの層に対応す
る電極及び電気回路、スイッチングを設けて、室温から
400℃までの使用に耐えられるような構造が提案され
ている。また、特開平4ー300137号には静電チャ
ック内にヒータ、熱電対などの温度検出器を取付け、外
部に制御部を設けて温度変化にともなって電源部を制御
して吸着力を安定させ、使用温度範囲を広げることも提
案されている。さらに、特開平5ー315435号では
誘電体層を複数の抵抗率の異なる材質で形成し、使用温
度によって電圧印加の切り替えを行う方法が提案されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】静電チャックの表面
を形成する誘電性絶縁体として、主として窒化アルミニ
ウムやアルミナなどが検討されているが、従来のこれら
の誘電性絶縁体では、室温から高温まで安定した吸着力
を得るには至っておらず、上述のように静電チャックの
構造を変えたり、電気的な制御により使用できる温度範
囲を広げようとする方法では、電気回路も複雑となり、
静電チャック自体の構造が複雑になるために製造工程が
煩雑であり、そのために製品の信頼性が低下したり、コ
ストが高くなるといった欠点があった。
【0009】また、ヒータを内蔵してその温度を検知
し、印加電圧を制御する方法においても静電チャック内
に熱電対などの温度検知器を内蔵するために検知器が故
障すると使用不可能になるという問題があり、またこの
方法においてもセラミック材料の持つ特性は本質的に変
化しないことから、その使用範囲には自ずと限界があっ
た。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記問
題点に対して静電チャックの表面を形成するセラミック
抵抗体層について特に静電チャックを構成する材料の観
点から検討を重ねた結果、所定の基体表面に窒化アルミ
ニウム結晶相を主相とするセラミック抵抗体層を形成
し、その抵抗体層中にZn、Cdなどの周期律表第2b
族元素や、S、Seなどの周期律表第6b族元素を含有
せしめ、25℃における体積固有抵抗が107 〜1013
Ω−cmの抵抗体層を形成することにより、少なくとも
0℃から300℃までの温度範囲においてその抵抗を安
定化できることを見いだし本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の静電チャックは、電極が配
設された基体の表面に、窒化アルミニウム結晶相を主体
とし、周期律表第2b族および酸素を除く第6b族元素
から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、且つ25℃
における体積固有抵抗が107 〜1013Ω−cmのセラ
ミック抵抗体層を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0012】特に、セラミック抵抗体層中へのドープ元
素が周期律表第2b族元素である場合、かかる元素を
0.01〜20原子%の割合で含有し、抵抗体層の格子
定数がドープ元素を含まない窒化アルミニウム単相の格
子定数から、a軸で0.003〜0.020Å、c軸で
0.005〜0.040Åだけシフトした値を有するも
のであり、ドープ元素が酸素以外の周期律表第6b族元
素である場合、0.01〜20原子%の割合で含有し、
該抵抗体層の格子定数がドープ元素を含まない窒化アル
ミニウム単相の格子定数から、a軸で0.004〜0.
013Å、c軸で0.005〜0.018Åだけシフト
した値を有するものである。
【0013】以下、本発明を詳述する。図1に本発明の
静電チャックの一例を示した。図1の静電チャックによ
れば、室温における体積固有抵抗が1014Ω−cm以上
の絶縁体からなる基体1の表面に電圧が印加される電極
2を有し、さらにその電極2上にセラミック抵抗体から
なる薄層3(以下、セラミック抵抗体層という。)が形
成されている。セラミック抵抗体層3は、少なくともシ
リコンウエハ4の載置面、あるいは半導体製造装置内に
露出している基体面全体に形成される。また、基体1内
には図1に示すようにヒータ5を内蔵させてもよく、さ
らには冷却媒体の流路を設けて静電チャックを冷却する
ことも可能である。また、セラミック抵抗体層3の表面
にはシリコンウエハ4の均熱性を向上するために溝6を
形成してもよい。電極2は、高周波電源に接続すること
で高周波電極として用いることができる。
【0014】本発明において、セラミック抵抗体層3
は、窒化アルミニウム結晶相を主体とし、結晶相中に周
期律表第2b族元素、あるいは酸素を除く周期律表第6
b族元素を含むものである。これらの元素は窒化アルミ
ニウム結晶中にドープされている。また、本発明におけ
るセラミック抵抗体層3は、上記元素のドープにより2
5℃における体積固有抵抗が107 〜1013Ω−cm、
特に108 〜1012Ω−cmの範囲の特性を有する。こ
の周期律表第2b族元素、または酸素以外の第6b族元
素は、窒化アルミニウムに対して導電性を付与し体積固
有抵抗を上記の範囲に制御するためのものである。
【0015】ドープ元素が、周期律表第2b族元素の場
合、0.01〜20原子%の割合で含有される。この含
有量が0.01原子%未満では体積固有抵抗値を低くす
るのに十分ではなく、また20原子%を越えると窒化ア
ルミニウムとしての特性が変化し、体積固有抵抗が10
7 Ω−cmより低くなり、静電チャックとして使用でき
なくなる。この周期律表第2b族元素としては、Zn、
Cd,Hgが挙げられ、これらの中でもZnが安価で且
つ成膜の制御が容易である。
【0016】一方、ドープ元素が、酸素以外の周期律表
第6b族元素の場合、0.01〜20原子%の割合で含
有される。この含有量が0.01原子%未満では体積固
有抵抗値を低くするのに十分ではなく、また20原子%
を越えると窒化アルミニウムとしての特性が変化し、体
積固有抵抗が107 Ω−cmより低くなり、静電チャッ
クとして使用できなくなる。この周期律表第6b族元素
としては、S,Se,Teが挙げられ、これらの中でも
Sが安価で且つ成膜の制御が容易である。
【0017】なお、静電チャックとして特性の点で、こ
のセラミック抵抗体層の抵抗が1×107 Ω−cmより
小さいとリーク電流が大きくなり、1×1013Ω−cm
より大きいと吸着力が低下し残留吸着力が発生する場合
があるため、静電チャックの使用温度領域、例えば0℃
〜300℃での体積固有抵抗が1×107 Ω−cm〜1
×1013Ω−cmの範囲にあることが望ましい。本発明
の静電チャックはこの範囲内で0℃から300℃までが
ほぼ一定の体積固有抵抗値を示す。このうち、リーク電
流や電圧印加に対する応答性を考慮すれば1×108
5×1012Ω−cmが、さらに耐電圧を考慮すると1×
109 〜5×1011Ω−cmが最も望ましい。
【0018】更に、静電チャックとして安定した動作を
行なうためには、使用温度領域、例えば25℃〜300
℃の温度範囲における体積固有抵抗変化が3桁以内、好
ましくは2桁以内であるのが良い。これは、25℃にお
ける体積固有抵抗をR(25 ℃) 、300℃における体積
固有抵抗をR(300℃) とすると下記数1
【0019】
【数1】
【0020】で表される抵抗変化ΔRが3以下、特に2
以下であることを意味するものである。なお、−100
℃〜300℃においても同様の結果が期待できる。
【0021】また、本発明によれば、上記周期律表第2
b族元素や第6b族元素の添加により、主相である窒化
アルミニウム結晶相の格子定数が変化する。本発明者ら
の測定によれば、含有される元素の種類によって+側、
−側のどちらにシフトするかが変わるが、窒化アルミニ
ウム単相の格子定数(測定機器などにより変化する場合
があるが、本発明者らの測定ではa軸3.120Å,c
軸4.994Åであった。)から、第2b族元素の場
合、a軸で0.003〜0.020Å、c軸で0.00
5〜0.040Åだけシフトした値を有し、第6b族元
素の場合、a軸で0.004〜0.013Å、c軸で
0.005〜0.018Åだけシフトした値を有する。
従って、この格子定数が上記の範囲より小さいレベルで
シフトしたり、上記範囲を越えてシフトする場合には、
いずれも所望の電気特性を得ることは難しいのである。
【0022】上記のように、AlおよびN以外の元素を
含有し、上記の電気特性を有するAlN質のセラミック
抵抗体層は、気相合成法によって容易に作製することが
できる。具体的な成膜方法としては、スパッタリング、
イオンプレーティングなどの物理気相合成法(PVD
法)や、プラズマCVD、光CVD、MO(Metal
−organic)CVDなどの化学気相合成法(CV
D法)により形成することができるが、これらの中でも
CVD法がよい。
【0023】例えば、含有させる元素としてZnを選択
し、CVD法により成膜する場合には、原料ガスとして
2 ガス、NH3 ガス、Zn(CH3 2 およびAlC
3ガスを用い、これらのガスの流量比をN2 /AlC
3 =5〜70、Zn(CH3 2 /NH3 =0.00
1〜5、NH3 /AlCl3 =1〜10とし、成膜温度
を850℃以上の比較的高めに設定することにより作製
することができる。その他、周期律表第2b族元素を含
有させる場合には、上記Zn(CH3 2 の他には、Z
n(C2 5 2 、Cd(CH3 2 、Cd(C
2 5 2 、Hg(CH3 2 などを用いて同様にして
作製することができる。
【0024】また、周期律表第6b族元素を含有させる
場合、例えばS(イオウ)を含有させる場合には、原料
ガスとしてN2 ガス、NH3 ガス、H2 SおよびAlC
3ガスを用い、これらのガスの流量比をN2 /AlC
3 =5〜70、H2 S/NH3 =0.001〜5、N
3 /AlCl3 =1〜10とし、成膜温度を850℃
以上の比較的高めに設定することにより作製することが
できる。その他、周期律表第6b族元素を含有させる場
合には、上記H2 Sの他には、H2 Se、Se(C
3 2 、Se(C2 5 2 、H2 Te、Te(CH
3 2 、Te(C25 2 などが挙げられる。
【0025】一方、セラミック抵抗体層が形成される静
電チャックの基体は、格別限定するものではなく、例え
ばAl2 3 、AlON、Si3 4 、AlN、ダイヤ
モンド、ムライト、ZrO2 などを主とするセラミック
材料が挙げられるが、これらの中でも半導体製造時の耐
プラズマ性に優れ、前記セラミック抵抗体層との密着性
に優れる点で窒化アルミニウムを主体とする焼結体、あ
るいは室温から800℃までの熱膨張係数が4.0〜
8.0×10-6/℃、特に4.8〜6.7×10-6/℃
のものが抵抗体膜との密着性を考慮すると望ましい。
【0026】さらに、電圧が印加される電極2は、周知
の金属材料が適用でき、例えば、W、Mo、Mo−M
n、Agのいずれでも使用可能である。また、導電性の
セラミック材料、例えばTiN、SiC、WC、カーボ
ンやSi半導体材料(n型あるいはp型)も電極材料と
して使用できる。その他、電極2が存在せず、基体自体
が電極能を有する場合もあり、その場合には基体1をS
iC、TiN、WCなどを主体とする導電性セラミック
ス、W、Moなどの金属単体およびこれらの合金、カー
ボンなどにより形成すればよい。その場合には導電性基
体そのものに直接電圧を印加することにより静電チャッ
クとして使用できる。また、絶縁性基体内にヒータを内
蔵させる場合のヒータ用材料としてはMo、W、WC、
Mo−Mn、TiC、TiNなどが用いられる。
【0027】上記のような構成からなる静電チャックに
よりシリコンウエハを静電吸着するには、電極あるいは
導電性基体におよそ0.2〜2.0kVの電圧を印加す
ることにより静電吸着を行うことができる。
【0028】
【作用】通常、窒化アルミニウムは体積固有抵抗1014
Ω−cm以上の高絶縁体であるが、その窒化アルミニウ
ム結晶中にZn、Cdなどの周期律表第2b族元素や、
S、Seなどの周期律表第6b族元素がアルミニウムや
窒素と置換すると、半導体化し、すなわち電子の過不足
がおこりこれが導電性に寄与し結晶の導電率を高める作
用となすものと考えられる。そして、25℃における体
積固有抵抗が107 〜1013Ω−cmの範囲に制御する
ことにより、静電チャックの使用条件下で優れた静電吸
着特性を得ることができる。しかも、この抵抗体層は温
度に対する抵抗変化が小さく、例えば25℃から300
℃までの温度変化に対する抵抗変化が3桁以下と小さ
い。その結果、この温度領域におけるウエハの吸着特性
が安定化し、また残留吸着力の発生しない静電チャック
が得られる。
【0029】また、本発明によれば、静電チャックとし
て格別に複雑な構造をとる必要がなく、本発明の材料を
用いることによって静電チャック自体の構造が簡単にな
り、低コストで広範囲な温度領域における使用を可能と
し、電気回路を含めて組み込まれる装置自体の簡略化も
実現でき、また静電チャックとして信頼性、長期安定性
が保証される。
【0030】
【実施例】
実施例1 窒化アルミニウム質焼結体からなる基体表面に電極とし
てMoとMnからなる合金をメタライズした後、その電
極を含む基体表面に化学気相合成法によってAlN膜を
形成した。AlN膜の成膜は、基体を外熱式によって9
00℃に加熱した炉に入れ、窒素ガスを8SLM、アン
モニアガスを1SLMに一定にし、周期律表第2b族元
素含有ガスを表1に示す流量に変化させ、炉内圧力を4
0torrとした。そして、塩化アルミニウム(AlC
4 )を0.3SLMの流量で流して反応を開始し、4
00μmの膜厚のセラミック抵抗体層を形成した。得ら
れた抵抗体層に対して、−100℃、0℃、25℃およ
び300℃における体積固有抵抗を測定した。その結果
は表1に示した。
【0031】また、得られた膜に対してX線回折測定法
でSi(SRM640b)を標準試料として角度補正を
行い、ピークトップ法により格子定数を算出し、試料N
o.1の試料の格子定数との差を表1に示した。なお、測
定面指数は(100)、(002)、(101)、(1
02)、(110)、(103)、(112)、(00
4)であった。
【0032】そして、気相成長後のセラミック抵抗体層
の表面を表面粗さRaが0.02mmとなるように研磨
した後、電極に400Vの電圧を印加した時の静電チャ
ックとしての25℃での吸着力および30分間電圧印加
し、電圧印加を停止した直後の残留吸着力の有無を真空
中で測定した。さらに、25℃から300℃までの吸着
力の変化において、その変化率が10%以内のものを
○、それ以上のものを×として評価した。これらの測定
結果は表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から明らかなように、抵抗体層
の周期律表第2b族元素量および格子定数は周期律表第
2b族元素含有ガスの流量によって変化し、周期律表第
2b族元素含有ガスを全く導入せず、酸素原子量も不純
物レベルの0.0001原子%の場合(試料No.1)に
は、抵抗値も室温で5.9×1015Ω−cmの高絶縁性
であったが、周期律表第2b族元素含有ガスの流量を徐
々に増加させると、室温の体積固有抵抗も低下した。し
かし、周期律表第2b族元素が20原子%を越えると
(試料No.10)体積固有抵抗が107 Ω−cmより低
くなりリーク電流が大きく吸着力の測定もできなかっ
た。なお、得られた抵抗体層はX線回折測定から(00
2)に配向するAlN膜であった。
【0035】また、試料No.4の静電チャックの体積固
有抵抗値の温度依存性の測定結果を図2に、また試料N
o.4のAlN膜を用いて図1の静電チャックを構成し、
電極に400Vの電圧を印加した時の吸着力の温度依存
性の測定結果を図3にそれぞれ示した。図2、3から明
らかなように、−100℃から300℃の全温度範囲に
おいて、体積固有抵抗値は3.5×1010〜6.0×1
10Ω・cmの範囲にあり、また吸着力は図3から明ら
かなようにこの温度域で一定であり安定した吸着性を示
した。
【0036】これに対して、AlN膜中にこれらの周期
律表第2b族元素を不純物レベルしか含まない静電チャ
ック(試料No.1)では、測定温度の25℃から300
℃への変化に伴い、体積抵抗は1015Ω−cmから10
11Ω−cmまで急激に変化した。そのため、150℃、
200℃では吸着力が安定化するまでの時間が長く、ま
た残留吸着力が観察された。また、25℃における抵抗
が1013Ω−cmを超える試料No.1、2は吸着力が低
く、試料No.10ではリーク電流が発生し、測定するこ
とができなかった。
【0037】実施例2 窒化アルミニウム質焼結体からなる基体表面に電極とし
てMoとMnからなる合金をメタライズした後、その電
極を含む基体表面に化学気相合成法によってAlN膜を
形成した。AlN膜の成膜は、基体を外熱式によって9
00℃に加熱した炉に入れ、窒素ガスを8SLM、アン
モニアガスを1SLMに一定にし、周期律表第6b族元
素含有ガスを表1に示す流量に変化させ、炉内圧力を4
0torrとした。そして、塩化アルミニウム(AlC
4 )を0.3SLMの流量で流して反応を開始し、4
00μmの膜厚のセラミック抵抗体層を形成した。得ら
れた抵抗体層に対して、−100℃、0℃、25℃およ
び300℃における体積固有抵抗を測定した。その結果
は表2に示した。
【0038】また、得られた膜に対して実施例1と同様
な方法で格子定数を算出し、試料No.1の試料の格子定
数との差を表1に示した。
【0039】そして、気相成長後のセラミック抵抗体層
の表面を表面粗さRaが0.02mmとなるように研磨
した後、実施例1と同様な方法で、残留吸着力の有無お
よび25℃から300℃における吸着力の変化を評価し
た。これらの測定結果は表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2の結果から明らかなように、抵抗体層
の周期律表第6b族元素量および格子定数は周期律表第
6b族元素含有ガスの流量によって変化し、周期律表第
2b族元素含有ガスを全く導入せず、不純物レベルの
0.0001原子%の場合(試料No.18)には、抵抗
値も室温で8.8×1015Ω−cmの高絶縁性であった
が、周期律表第6b族元素含有ガスの流量を徐々に増加
させると、室温の体積固有抵抗も低下した。しかし、周
期律表第6b族元素が20原子%を越える試料No.2
4、30は膜の剥離が発生した。これは膜内の内部応力
が大きくなったためと考えられる。また、25℃の体積
固有抵抗が1013Ω−cmより大きい試料No.19では
吸着力が小さかった。なお、得られた抵抗体層はX線回
折測定から(002)に配向するAlN膜であった。
【0042】また、試料No.23の静電チャックの体積
固有抵抗値の温度依存性の測定結果を図4に、また試料
No.23のAlN膜を用いて図1の静電チャックを構成
し、電極に400Vの電圧を印加した時の吸着力の温度
依存性の測定結果を図5にそれぞれ示した。図4、5か
ら明らかなように、−100℃から300℃の全温度範
囲において、体積固有抵抗値は2.0×1011〜2.3
×1010Ω・cmの範囲にあり、また吸着力は図5から
明らかなようにこの温度域で一定であり安定した吸着性
を示した。
【0043】これに対して、AlN膜中にこれらの周期
律表第6b族元素を不純物レベルしか含まない静電チャ
ック(試料No.18)では、測定温度の25℃から30
0℃への変化に伴い、体積抵抗は1015Ω−cmから1
11Ω−cmまで急激に変化した。そのため、150
℃、200℃では吸着力が安定化するまでの時間が長
く、また残留吸着力が観察された。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の静電チャッ
クは、高い耐プラズマ性を具備するとともに、半導体製
造時に高い吸着力を有し、しかも幅広い温度範囲で安定
した吸着特性を有するもので、静電チャックとして優れ
た信頼性と長期安定性が得られるとともに、静電チャッ
クの製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックの構造を示す断面図であ
る。
【図2】実施例1の試料No.4のセラミック抵抗体層の
体積抵抗値の温度依存性を示す図である。
【図3】実施例1の試料No.4のセラミック抵抗体層を
具備する静電チャックの吸着力の温度依存性を示す図で
ある。
【図4】実施例2の試料No.23のセラミック抵抗体層
の体積抵抗値の温度依存性を示す図である。
【図5】実施例2の試料No.23のセラミック抵抗体層
を具備する静電チャックの吸着力の温度依存性を示す図
である。
【符号の説明】
1 基体 2 電極 3 セラミック抵抗体層 4 シリコンウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B23Q 3/15 H01C 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極が配設された基体の表面に、窒化アル
    ミニウム結晶相を主体とし、周期律表第2b族および酸
    素を除く第6b族元素から選ばれる少なくとも1種の元
    素を含み、且つ25℃における体積固有抵抗が107
    1013Ω−cmのセラミック抵抗体層を形成したことを
    特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】前記セラミック抵抗体層中に、酸素を除く
    周期律表第2b族元素を0.01〜20原子%の割合で
    含有し、該抵抗体層の格子定数がドープ元素を含まない
    窒化アルミニウム単相の格子定数から、a軸で0.00
    3〜0.020Å、c軸で0.005〜0.040Åだ
    けシフトした値を有する請求項1記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】前記セラミック抵抗体層中に、周期律表第
    6b族元素を0.01〜20原子%の割合で含有し、該
    抵抗体層の格子定数がドープ元素を含まない窒化アルミ
    ニウム単相の格子定数から、a軸で0.004〜0.0
    13Å、c軸で0.005〜0.018Åだけシフトし
    た値を有する請求項1記載の静電チャック。
JP3979095A 1995-02-28 1995-02-28 静電チャック Expired - Fee Related JP3152857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3979095A JP3152857B2 (ja) 1995-02-28 1995-02-28 静電チャック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3979095A JP3152857B2 (ja) 1995-02-28 1995-02-28 静電チャック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08236603A JPH08236603A (ja) 1996-09-13
JP3152857B2 true JP3152857B2 (ja) 2001-04-03

Family

ID=12562751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3979095A Expired - Fee Related JP3152857B2 (ja) 1995-02-28 1995-02-28 静電チャック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3152857B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7005671B2 (en) 2001-10-01 2006-02-28 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting device, electronic equipment, and organic polarizing film
US7465482B2 (en) 2001-10-10 2008-12-16 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Film, packaging material, container, lens, window, spectacles, recording medium, and deposition apparatus

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6861165B2 (en) 2000-02-24 2005-03-01 Ibiden Co., Ltd. Aluminum nitride sintered compact, ceramic substrate, ceramic heater and electrostatic chuck
JP4522963B2 (ja) * 2006-03-24 2010-08-11 日本碍子株式会社 加熱装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7005671B2 (en) 2001-10-01 2006-02-28 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting device, electronic equipment, and organic polarizing film
US7800099B2 (en) 2001-10-01 2010-09-21 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting device, electronic equipment, and organic polarizing film
US7465482B2 (en) 2001-10-10 2008-12-16 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Film, packaging material, container, lens, window, spectacles, recording medium, and deposition apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08236603A (ja) 1996-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5668524A (en) Ceramic resistor and electrostatic chuck having an aluminum nitride crystal phase
US6215643B1 (en) Electrostatic chuck and production method therefor
JP4811608B2 (ja) 静電吸着機能を有するウエハ加熱装置
JPH0779122B2 (ja) ダイヤモンド・コーティングを施した静電チャック
JP3176219B2 (ja) 静電チャック
JP3152847B2 (ja) 静電チャック
EP1513191B1 (en) Heating apparatus having electrostatic adsorption function
JP2004158492A (ja) 静電吸着機能を有する加熱装置及びその製造方法
JP3152857B2 (ja) 静電チャック
JP3181006B2 (ja) 静電チャック
US6982125B2 (en) ALN material and electrostatic chuck incorporating same
JP3180998B2 (ja) 静電チャック
JP3145574B2 (ja) セラミック抵抗体
JP2756944B2 (ja) セラミックス静電チャック
JP3297571B2 (ja) 静電チャック
JP3623102B2 (ja) 静電チャック
JP3667077B2 (ja) 静電チャック
JPH09293774A (ja) 静電チャック
JP3455026B2 (ja) 静電チャック
JP3370532B2 (ja) 静電チャック
JP3273110B2 (ja) セラミック抵抗体
JPH07153820A (ja) 半導体製造用サセプタおよびその製造方法
JP3588253B2 (ja) 静電チャック
JPH0786379A (ja) 半導体製造用サセプタ
JP2001342070A (ja) セラミック抵抗体及び保持部材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090126

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100126

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees