JP3152255B2 - 芳香族ポリスルホン成形用組成物 - Google Patents

芳香族ポリスルホン成形用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ポリスルホンに特
定のフルオロカーボン重合体を微量含有せしめることに
より、芳香族ポリスルホンの成形性を改善することがで
きる成形用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明に
よれば、射出成形時の流動性、モールドデポジット、離
型性を改良することができる。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリスルホンは非結晶性であるた
め、等方性で成形収縮率が小さく、またガラス転移点が
高いため、高温時の強度、弾性率、耐クリープ性に優れ
る。これらの性質を活かし、高寸法精度、高耐熱性が要
求されるICトレイのような電子部材やOA、AV機器
部品として広く使用されている。しかし、精密な部品を
射出成形するようなばあい、芳香族ポリスルホンそのも
のの流動性や、成形品を金型から取り出すときの離型
性、数多く成形したときの金型汚れ(いわゆるモールド
デポジット)などという成形性がしばしば問題になり、
成形品の歩留りや生産性に大きな影響を与えている。
【0003】これに対し、芳香族ポリスルホンにフッ素
系重合体を混合すれば、自己潤滑特性が付与でき、金型
からの離型性、摺動特性が改良されることが知られてい
る。たとえば特開昭58−160353号公報には、芳
香族ポリスルホン、フッ素系重合体およびオキシベンゾ
イルポリエステルからなる組成物が、軟質金属を相手材
としたときに摩耗特性に優れた摺動材であることが記載
されている。また、ガラス繊維、ウォラストナイトなど
の繊維状強化材やタルク、ガラスビーズなどの無機充填
材を配合して成形収縮率を低減した芳香族ポリスルホン
組成物にフッ素系重合体を配合することで、金型からの
離型性を改良した例が特開昭60−23448号公報に
記載されている。さらに、芳香族ポリスルホン、フッ素
系重合体および炭素繊維とからなる組成物が、優れた摺
動特性を有することが特開昭60−38465号公報に
記載され、特開平3−252457号公報では分子末端
を安定化した特定のフッ素系重合体を配合することによ
り摺動特性、離型性が改良されることが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの先行文献中に
記載された実施例のすべてにおいて、組成物中のフッ素
系重合体としてポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)が使用されている。確かにPTFEの効果は摺動特
性の改良に有効であり同時に離型性も改善されるが、特
に摺動を目的とせず離型性改良の目的に限れば、PTF
Eのばあい所望の効果をうるためには量が多く必要とな
り、強度など他の物性へ悪影響を与えるなど必ずしも満
足できるものではない。
【0005】これに対し本発明者らは、通常使用される
PTFEよりもエチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体(ETFE)が優れた離型効果を有し、これがPT
FEを配合するよりも有利であることを見出し本発明を
完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芳香
族ポリスルホン100 重量部に対しETFE0.3 〜5重量
部とカーボン系繊維0〜25重量部が配合されてなる芳香
族ポリスルホン成形用組成物に関する。
【0007】前記特開昭60−23448号公報には、
PTFE以外のフッ素系重合体として、たとえばテトラ
フルオロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)、エチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PV
dF)が明細書中で一般的に記載されているが、その具
体的効果は明らかにされていない。特に、当業者にはE
TFE、PCTFE、PVdFが自己潤滑特性に優れた
樹脂とは通常見なされていない。
【0008】しかし、本発明者らはETFEを添加する
とPTFEよりも少量で離型性が改良され、しかも流動
性や、モールドデポジットなども改善されることを見出
したのである。
【0009】本発明で用いる芳香族ポリスルホンは、ア
リレン単位がエーテルおよびスルホン結合でつながった
線状高分子であり、UDEL(アモコ社製)、VICT
REX(ICI社製)などの商標で市販されている樹脂
である。また、ETFEはテトラフルオロエチレン−エ
チレンを基本単位とし、通常さらに含フッ素オレフィン
を2〜15重量%導入した共重合体であり、ネオフロンE
TFE(ダイキン工業(株)製)、アフロンCOP(旭
硝子(株)製)、テフゼル(デュポン社製)などの商標
で市販されているものが使用できる。これらのETFE
は297 ℃、5kgの加重で測定される10分間当りに押し出
される樹脂量(MIという)で通常1〜20の溶融流動性
を有する。
【0010】本発明において配合するETFEの量は、
芳香族ポリスルホン100 重量部に対して0.3 〜5重量部
であり、好ましくは0.5 〜3重量部である。ETFEの
量が0.3 重量部未満のばあいは離型の効果が認め難く、
5重量部を超えるばあいは、成形品の表面にETFEの
分離層が生じ外観がわるくなる。
【0011】本発明においてETFEの配合方法は特に
限定されないが、あらかじめ芳香族ポリスルホンに10重
量%程度までETFEを溶融混合したのち、これを所望
の割合まで芳香族ポリスルホンで溶融希釈することが好
ましい。
【0012】本発明におけるETFEによる離型効果
は、強度強化や導電性付与、摺動性付与の目的でカーボ
ン系の繊維または粉末をブレンドするばあい、より効果
的である。カーボン系の繊維または粉末としては、従来
より知られているものが特に限定なく使用されうるが、
たとえばPAN系、ピッチ系、レーヨン系、リグニン系
などの高モジュラスおよび低モジュラスの炭素繊維、ま
たケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネ
スブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャ
ンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラックな
どのカーボンブラック粉末、また黒鉛として土状、鱗
状、鱗片状、塊状などの天然黒鉛および人造黒鉛(石炭
コークス系、石油コークス系、ピッチ系)、さらに球状
あるいはウィスカ状のカーボン粉末などがあげられる。
【0013】カーボン系の繊維または粉末は、芳香族ポ
リスルホン100 重量部に対して25重量部以下であること
が好ましい。25重量部を超えると、成形性が低下する。
【0014】また、必要に応じてガラス繊維、セラミッ
ク繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミド繊維などの繊
維状の強化材、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレ
イ、ガラスビーズなどの無機充填材、液晶ポリマー、ポ
リイミドなどの耐熱性樹脂、着色剤などを添加してもよ
い。
【0015】
【実施例】つぎに本発明の成形用組成物を実施例に基づ
いて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限られる
ものではない。
【0016】実施例1〜4 芳香族ポリスルホン(アモコ社製UDEL P−170
0)7200gとETFE樹脂(ダイキン工業(株)製ネオ
フロンETFE EP−521)800 gを、2軸混練押
出機((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル)を用
いてシリンダー温度310 ℃で混練し、ETFE含量10重
量%の芳香族ポリスルホン組成物をえた。このマスター
バッチを用い、同じ2軸混練押出機で表1に示す配合に
なるように同じ芳香族ポリスルホンで希釈し、さらに実
施例1、3および4については同時にピッチ系カーボン
繊維(呉羽化学工業(株)製M−104T)を混合しペ
レット化した。
【0017】これらのペレットを射出成形機(日本製鋼
(株)製N−65)を用いて、シリンダー温度330 〜34
0 ℃、金型温度130 ℃でICトレイを成形し、各組成物
の離型効果を調べた。離型効果は、モールドデポジット
などのために離型効果がなくなり、取出し時に成形品が
割れてしまうまでの射出成形ショット回数(限界回数)
によって評価した。また、成形品の外観を目視で観察し
た。結果を表1に示す。
【0018】比較例1〜6 表1に示す配合の芳香族ポリスルホン成形用組成物を調
製した。比較例2および3は実施例1と同様にETFE
を溶融ブレンドし、比較例5および6は実施例1のET
FEを低分子量PTFE(ダイキン工業(株)製ルブロ
ンL−5F)に代えた他は同様の方法で配合した。
【0019】えられたペレットを用い実施例1と同様に
してICトレイを射出成形し、離型効果および外観を調
べた。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ポリスルホンの
成形性、特に成形時の流動性、モールドデポジット、離
型性を改善することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/06 C08K 3/00 - 3/04 C08L 27/12 - 27/20 C08L 23/04 - 23/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリスルホン100 重量部に対し、
    エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体0.3 〜5重
    量部とカーボン系繊維または粉末0〜25重量部が配合さ
    れてなる芳香族ポリスルホン成形用組成物。
JP12192992A 1992-05-14 1992-05-14 芳香族ポリスルホン成形用組成物 Expired - Fee Related JP3152255B2 (ja)

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