JP3151363B2 - トランス−2−ヘキセナール含有組成物の製造方法、及び該組成物を含有する香料組成物 - Google Patents
トランス−2−ヘキセナール含有組成物の製造方法、及び該組成物を含有する香料組成物Info
- Publication number
- JP3151363B2 JP3151363B2 JP29872294A JP29872294A JP3151363B2 JP 3151363 B2 JP3151363 B2 JP 3151363B2 JP 29872294 A JP29872294 A JP 29872294A JP 29872294 A JP29872294 A JP 29872294A JP 3151363 B2 JP3151363 B2 JP 3151363B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- trans
- hexenal
- composition
- hexenol
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、好ましいグリーンノー
トを有するトランス-2-ヘキセナール含有組成物の製造
方法、トランス-2-ヘキセナールの製造方法、及び前記
組成物を含有する香料組成物に関する。
トを有するトランス-2-ヘキセナール含有組成物の製造
方法、トランス-2-ヘキセナールの製造方法、及び前記
組成物を含有する香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】トランス-2-ヘキセナールは、非常に強
いグリーンノート〔=青臭い香気、日本香料協会編「香
りの百科」(1989年6月25日、株式会社朝倉書店発行)
xi頁に記載の「香りの質を表す用語」参照〕を有する化
合物で、アップルフレーバーやグレープフレーバーなど
に、グリーンノートを付与するための香料として広く用
いられている。香料は、その原料あるいは製法によっ
て、化学的合成品の香料(いわゆる「合成香料」)と化
学的合成品以外の香料(いわゆる「天然香料」)の二つ
に大別されており、近年、消費者は、「合成香料」を避
け「天然香料」を好む傾向にある。しかし、トランス-2
-ヘキセナールは、天然には微量にしか存在せず、天然
物から抽出したものは非常に高価であるため、ほとんど
の場合、化学的合成手段によって製造されたものが使用
されている。
いグリーンノート〔=青臭い香気、日本香料協会編「香
りの百科」(1989年6月25日、株式会社朝倉書店発行)
xi頁に記載の「香りの質を表す用語」参照〕を有する化
合物で、アップルフレーバーやグレープフレーバーなど
に、グリーンノートを付与するための香料として広く用
いられている。香料は、その原料あるいは製法によっ
て、化学的合成品の香料(いわゆる「合成香料」)と化
学的合成品以外の香料(いわゆる「天然香料」)の二つ
に大別されており、近年、消費者は、「合成香料」を避
け「天然香料」を好む傾向にある。しかし、トランス-2
-ヘキセナールは、天然には微量にしか存在せず、天然
物から抽出したものは非常に高価であるため、ほとんど
の場合、化学的合成手段によって製造されたものが使用
されている。
【0003】一方、グリーンノートを有する天然香料と
して、例えば、はっか属(Mentha)由来のミント油を蒸
留することにより得られる、炭素原子数6の非環式アル
コールを含有する組成物が使用されている。この組成物
は、主として、トランス-2-ヘキセノール30〜55重量
%、シス-3-ヘキセノール15〜50重量%及びn−ヘキサ
ノール15〜30重量%から構成され、中でもシス-3-ヘキ
セノールは優れたグリーンノートを有している。しか
し、トランス-2-ヘキセノールの香気は、グリーンノー
トとして好ましいものではないので、前記組成物をグリ
ーンノートを付与する目的で用いる場合にはトランス-2
-ヘキセノールの含有量ができるだけ少ないことが望ま
しい。
して、例えば、はっか属(Mentha)由来のミント油を蒸
留することにより得られる、炭素原子数6の非環式アル
コールを含有する組成物が使用されている。この組成物
は、主として、トランス-2-ヘキセノール30〜55重量
%、シス-3-ヘキセノール15〜50重量%及びn−ヘキサ
ノール15〜30重量%から構成され、中でもシス-3-ヘキ
セノールは優れたグリーンノートを有している。しか
し、トランス-2-ヘキセノールの香気は、グリーンノー
トとして好ましいものではないので、前記組成物をグリ
ーンノートを付与する目的で用いる場合にはトランス-2
-ヘキセノールの含有量ができるだけ少ないことが望ま
しい。
【0004】しかし、トランス-2-ヘキセノールとシス-
3-ヘキセノールとを分離するのは極めて困難であるた
め、上記組成物からトランス-2-ヘキセノールのみを分
離することも極めて困難である。また、前記組成物中の
トランス-2-ヘキセノールのみを選択的に酸化して好ま
しい香気を有するトランス-2-ヘキセナールに変換する
ことも考えられるが、そのような選択的酸化の有効な方
法は知られていない。したがって、上記のようなミント
油由来の炭素原子数6の非環式アルコール含有組成物か
ら、より好ましいグリーンノートを有する香料は得られ
ていないのが現状である。
3-ヘキセノールとを分離するのは極めて困難であるた
め、上記組成物からトランス-2-ヘキセノールのみを分
離することも極めて困難である。また、前記組成物中の
トランス-2-ヘキセノールのみを選択的に酸化して好ま
しい香気を有するトランス-2-ヘキセナールに変換する
ことも考えられるが、そのような選択的酸化の有効な方
法は知られていない。したがって、上記のようなミント
油由来の炭素原子数6の非環式アルコール含有組成物か
ら、より好ましいグリーンノートを有する香料は得られ
ていないのが現状である。
【0005】ところで、キャンディダ・ボイディニ(Ca
ndida boidinii)AOU-1株は、メタノール又はメタノー
ル及びグリセリンを含有する培地中で、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、アリルアルコールのよう
な種々の低級アルコールを酸化して、相当するアルデヒ
ドに変換することが知られている〔Yoshiki Taniら、Ag
ric.Biol.Chem., 49(9) pp.2699-2706 (1985) 及びYasu
yoshi Sakai ら、Agric.Biol.Chem., 51(9) pp.2617-26
20(1987)参照〕。キャンディダ・ボイディニAOU-1株に
よる発酵法によれば、菌体の産生する酵素の反応により
補酵素無しでアルコール類が酸化されて容易にアルデヒ
ド類が得られる。しかも、アルデヒドに酸化された段階
で反応が止まり、それ以上の酸化反応は進まないので、
アルデヒドを得る目的においては、途中で反応を止める
などの工程を要しないという利点を有する。
ndida boidinii)AOU-1株は、メタノール又はメタノー
ル及びグリセリンを含有する培地中で、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、アリルアルコールのよう
な種々の低級アルコールを酸化して、相当するアルデヒ
ドに変換することが知られている〔Yoshiki Taniら、Ag
ric.Biol.Chem., 49(9) pp.2699-2706 (1985) 及びYasu
yoshi Sakai ら、Agric.Biol.Chem., 51(9) pp.2617-26
20(1987)参照〕。キャンディダ・ボイディニAOU-1株に
よる発酵法によれば、菌体の産生する酵素の反応により
補酵素無しでアルコール類が酸化されて容易にアルデヒ
ド類が得られる。しかも、アルデヒドに酸化された段階
で反応が止まり、それ以上の酸化反応は進まないので、
アルデヒドを得る目的においては、途中で反応を止める
などの工程を要しないという利点を有する。
【0006】しかしながら、現在までの報告によると、
このキャンディダ・ボイディニAOU-1株を利用する方法
では、上記の低級アルコール以外のアルコール、たとえ
ば炭素原子数5〜8のアルコールは、まったく酸化され
ないか、酸化されてもごく微量である。また、トランス
-2-ヘキセノールのような、特定の立体配置を有するア
ルコールが選択的に酸化されるという報告は全くない。
このキャンディダ・ボイディニAOU-1株を利用する方法
では、上記の低級アルコール以外のアルコール、たとえ
ば炭素原子数5〜8のアルコールは、まったく酸化され
ないか、酸化されてもごく微量である。また、トランス
-2-ヘキセノールのような、特定の立体配置を有するア
ルコールが選択的に酸化されるという報告は全くない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、例えば、トランス-2-ヘキセノール含有組成物
中に含まれるトランス-2-ヘキセノールを選択的にトラ
ンス-2-ヘキセナールに酸化することにより、より好ま
しいグリーンノートを有する組成物を製造する方法、及
びトランス-2-ヘキセナールの製造方法、を提供するこ
とにある。また、本発明の別の課題は、より好ましいグ
リーンノートを有する香料組成物を提供することにあ
る。
課題は、例えば、トランス-2-ヘキセノール含有組成物
中に含まれるトランス-2-ヘキセノールを選択的にトラ
ンス-2-ヘキセナールに酸化することにより、より好ま
しいグリーンノートを有する組成物を製造する方法、及
びトランス-2-ヘキセナールの製造方法、を提供するこ
とにある。また、本発明の別の課題は、より好ましいグ
リーンノートを有する香料組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、従来よりメタノールなどの低級アルコ
ールを酸化して相当するアルデヒドを生産することが知
られているキャンディダ・ボイディニ菌の種々の変異株
を検討した。特開昭61-67480号公報に記載されているキ
ャンディダ・ボイディニAOU-1株を親株とする変異株で
あるキャンディダ・ボイディニSA051株は、メタノール
中で培養することによってホルムアルデヒドを生産する
ことが知られているが〔Yasuyoshi Sakaiら、Agric.Bio
l.Chem.,51(8) pp.2177-2184 (1987)参照〕、本発明者
らは、このキャンディダ・ボイディニSA051株の菌体又
はその処理物が、2位の炭素に二重結合を有する炭素原
子数4〜10程度のトランス型の非環式アルコール(トラ
ンス-2-アルケノール)を酸化して相当するアルデヒド
(トランス-2-アルケナール)に変換することを見い出
した。しかも、炭素原子数が同一のアルコールの混合物
をキャンディダ・ボイディニSA051株の菌体又はその処
理物と接触させた場合、トランス-2-アルケノールの酸
化速度が他のアルコールと比べて著しく大きく、他のア
ルコールが酸化される前に、トランス-2-アルケナール
を得ることができることを見い出した。即ち、キャンデ
ィダ・ボイディニSA051株の菌体又はその処理物のその
ような特性を利用すれば、ミント油等から得られるトラ
ンス-2-ヘキセノール、シス-3-ヘキセノール、n−ヘキ
サノールなどの複数の炭素原子数6の非環式アルコール
を含有する組成物中のトランス-2-ヘキセノールを選択
的に酸化してトランス-2-ヘキセナールとし、好ましい
グリーンノートを有する組成物を得ることができること
を見い出し、本発明を完成した。
を解決するため、従来よりメタノールなどの低級アルコ
ールを酸化して相当するアルデヒドを生産することが知
られているキャンディダ・ボイディニ菌の種々の変異株
を検討した。特開昭61-67480号公報に記載されているキ
ャンディダ・ボイディニAOU-1株を親株とする変異株で
あるキャンディダ・ボイディニSA051株は、メタノール
中で培養することによってホルムアルデヒドを生産する
ことが知られているが〔Yasuyoshi Sakaiら、Agric.Bio
l.Chem.,51(8) pp.2177-2184 (1987)参照〕、本発明者
らは、このキャンディダ・ボイディニSA051株の菌体又
はその処理物が、2位の炭素に二重結合を有する炭素原
子数4〜10程度のトランス型の非環式アルコール(トラ
ンス-2-アルケノール)を酸化して相当するアルデヒド
(トランス-2-アルケナール)に変換することを見い出
した。しかも、炭素原子数が同一のアルコールの混合物
をキャンディダ・ボイディニSA051株の菌体又はその処
理物と接触させた場合、トランス-2-アルケノールの酸
化速度が他のアルコールと比べて著しく大きく、他のア
ルコールが酸化される前に、トランス-2-アルケナール
を得ることができることを見い出した。即ち、キャンデ
ィダ・ボイディニSA051株の菌体又はその処理物のその
ような特性を利用すれば、ミント油等から得られるトラ
ンス-2-ヘキセノール、シス-3-ヘキセノール、n−ヘキ
サノールなどの複数の炭素原子数6の非環式アルコール
を含有する組成物中のトランス-2-ヘキセノールを選択
的に酸化してトランス-2-ヘキセナールとし、好ましい
グリーンノートを有する組成物を得ることができること
を見い出し、本発明を完成した。
【0009】本発明は、トランス-2-ヘキセノール含有
組成物に、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidin
ii)の菌体又はその処理物を接触させて、前記トランス
-2-ヘキセノールをトランス-2-ヘキセナールに変換する
ことを特徴とする、トランス-2-ヘキセナール含有組成
物の製造方法を提供する。また、本発明は、上記組成物
の製造方法により得られたトランス-2-ヘキセナール含
有組成物からトランス-2-ヘキセナールを単離すること
を特徴とする、トランス-2-ヘキセナールの製造方法を
提供する。
組成物に、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidin
ii)の菌体又はその処理物を接触させて、前記トランス
-2-ヘキセノールをトランス-2-ヘキセナールに変換する
ことを特徴とする、トランス-2-ヘキセナール含有組成
物の製造方法を提供する。また、本発明は、上記組成物
の製造方法により得られたトランス-2-ヘキセナール含
有組成物からトランス-2-ヘキセナールを単離すること
を特徴とする、トランス-2-ヘキセナールの製造方法を
提供する。
【0010】さらに、本発明は、上記組成物の製造方法
により得られるトランス-2-ヘキセナール含有組成物を
含むことを特徴とする、香料組成物を提供する。本発明
の組成物の製造方法の出発原料であるトランス-2-ヘキ
セノール含有組成物は、トランス-2-ヘキセノールを含
むものであればいずれのものでもよいが、本発明の方法
は、出発原料がトランス-2-ヘキセノール及びそれ以外
のアルコールを含有する組成物である場合に好適であ
り、特に、トランス-2-ヘキセノール及びそれ以外の炭
素原子数6の非環式アルコール(例えば、シス-3-ヘキ
セノール、n−ヘキサノール等)を含有する組成物であ
る場合に好適である。トランス-2-ヘキセノール及びそ
れ以外の炭素原子数6の非環式アルコールを含有する組
成物の代表的な例としては、はっか属(Mentha)由来の
ミント油を蒸留することにより得られる組成物を挙げる
ことができる。また、その他に、例えば、ブドウ属(Vi
tis)の果実の精油;ミカン科(Rutaceae)の果皮を圧
搾して得られるオレンジ油、マンダリン油、ベルガモッ
ト油及びこれらの水溶性フラクション;リンゴ果汁の水
溶性フラクション;ゼラニウム(Pelargonium inquinan
s)の葉を水蒸気蒸留して得られるゼラニウム油及びこ
の水溶性フラクション;パセリ(Petroselinum sativu
m)の葉を水蒸気蒸留して得られるパセリリーフ油;マ
メ科(Legminosae)のジェネ(エニシダ、ブルームとも
言う。Cytisus scoparius又はGenistetinctoria )の花
を溶剤抽出して得られるアブソリュート;スイセン(Na
rcissusTazetta )の花を溶剤抽出して得られるアブソ
リュート等の天然物由来の組成物も挙げることができ
る。
により得られるトランス-2-ヘキセナール含有組成物を
含むことを特徴とする、香料組成物を提供する。本発明
の組成物の製造方法の出発原料であるトランス-2-ヘキ
セノール含有組成物は、トランス-2-ヘキセノールを含
むものであればいずれのものでもよいが、本発明の方法
は、出発原料がトランス-2-ヘキセノール及びそれ以外
のアルコールを含有する組成物である場合に好適であ
り、特に、トランス-2-ヘキセノール及びそれ以外の炭
素原子数6の非環式アルコール(例えば、シス-3-ヘキ
セノール、n−ヘキサノール等)を含有する組成物であ
る場合に好適である。トランス-2-ヘキセノール及びそ
れ以外の炭素原子数6の非環式アルコールを含有する組
成物の代表的な例としては、はっか属(Mentha)由来の
ミント油を蒸留することにより得られる組成物を挙げる
ことができる。また、その他に、例えば、ブドウ属(Vi
tis)の果実の精油;ミカン科(Rutaceae)の果皮を圧
搾して得られるオレンジ油、マンダリン油、ベルガモッ
ト油及びこれらの水溶性フラクション;リンゴ果汁の水
溶性フラクション;ゼラニウム(Pelargonium inquinan
s)の葉を水蒸気蒸留して得られるゼラニウム油及びこ
の水溶性フラクション;パセリ(Petroselinum sativu
m)の葉を水蒸気蒸留して得られるパセリリーフ油;マ
メ科(Legminosae)のジェネ(エニシダ、ブルームとも
言う。Cytisus scoparius又はGenistetinctoria )の花
を溶剤抽出して得られるアブソリュート;スイセン(Na
rcissusTazetta )の花を溶剤抽出して得られるアブソ
リュート等の天然物由来の組成物も挙げることができ
る。
【0011】上述のミント油を蒸留することにより得ら
れる組成物とは、ペパーミント、スペアミントなどの洋
種はっか、及び、和種はっか等のはっか属(Mentha)の
全草を、水蒸気蒸留して得られるミント油中に、約0.08
〜0.3重量%の割合で含有されるアルコール分であり、
好ましくは、ミント油(ミント油は市販品をそのまま用
いることができる。)を蒸留して最初に得られる留分
〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜18mmHg) 、ミント油に対し
て約10重量%〕を、さらに精密蒸留や、カラムクロマト
グラフィーにより精製することにより得ることができ
る。かかる組成物は、主として、炭素原子数6の非環式
アルコール、特に第一級アルコールからなり、具体的に
は、主に、トランス-2-ヘキセノール約30〜55重量%、
シス-3-ヘキセノール約15〜50重量%及びn−ヘキサノ
ール約15〜30重量%からなるが、トランス-2-ヘキセノ
ールを含有していれば、それ以外の成分及び各成分の含
有割合は特に限定されるものではない。例えば、上記成
分以外にも、シス-2-ヘキセノールやトランス-3-ヘキセ
ノールのような炭素原子数6の非環式アルコールの異性
体などの微量成分を含んでいてもよい。
れる組成物とは、ペパーミント、スペアミントなどの洋
種はっか、及び、和種はっか等のはっか属(Mentha)の
全草を、水蒸気蒸留して得られるミント油中に、約0.08
〜0.3重量%の割合で含有されるアルコール分であり、
好ましくは、ミント油(ミント油は市販品をそのまま用
いることができる。)を蒸留して最初に得られる留分
〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜18mmHg) 、ミント油に対し
て約10重量%〕を、さらに精密蒸留や、カラムクロマト
グラフィーにより精製することにより得ることができ
る。かかる組成物は、主として、炭素原子数6の非環式
アルコール、特に第一級アルコールからなり、具体的に
は、主に、トランス-2-ヘキセノール約30〜55重量%、
シス-3-ヘキセノール約15〜50重量%及びn−ヘキサノ
ール約15〜30重量%からなるが、トランス-2-ヘキセノ
ールを含有していれば、それ以外の成分及び各成分の含
有割合は特に限定されるものではない。例えば、上記成
分以外にも、シス-2-ヘキセノールやトランス-3-ヘキセ
ノールのような炭素原子数6の非環式アルコールの異性
体などの微量成分を含んでいてもよい。
【0012】本発明の製造方法で用いる微生物は、キャ
ンディダ・ボイディニに属し、トランス-2-ヘキセノー
ルを選択的に酸化するものであれば、いずれの菌株でも
よいが、例えば、キャンディダ・ボイディニSA051株が
挙げられる。このキャンディダ・ボイディニSA051株
は、前記した通り、Agric.Biol.Chem., 51(8) pp.2177-
2184 (1987)に記載されている、キャンディダ・ボイデ
ィニ菌の公知の変異株であり、京都大学農学部に保管さ
れている。尚、本発明者らは、このキャンディダ・ボイ
ディニSA051株を工業技術院生命工学工業技術研究所に
平成6年11月15日にFERM BP-4893として国際寄託した。
ンディダ・ボイディニに属し、トランス-2-ヘキセノー
ルを選択的に酸化するものであれば、いずれの菌株でも
よいが、例えば、キャンディダ・ボイディニSA051株が
挙げられる。このキャンディダ・ボイディニSA051株
は、前記した通り、Agric.Biol.Chem., 51(8) pp.2177-
2184 (1987)に記載されている、キャンディダ・ボイデ
ィニ菌の公知の変異株であり、京都大学農学部に保管さ
れている。尚、本発明者らは、このキャンディダ・ボイ
ディニSA051株を工業技術院生命工学工業技術研究所に
平成6年11月15日にFERM BP-4893として国際寄託した。
【0013】キャンディダ・ボイディニSA051株は、最
終的に、炭素源としてメタノール単独又はメタノールと
グリセリンとの混合物を含む培地を用いて培養されたも
のを用いるが、その前に前培養を行ってもよく、その場
合には、メタノール、グリセリンはもちろん、エタノー
ル、ブドウ糖、キシロース、マンニトールのような菌体
の増殖を促す物質で培養しても差し支えない。但し、メ
タノールを含有しない培地で培養した菌体、たとえばブ
ドウ糖のみを炭素源として含有する培地で培養した菌体
又はその処理物を、そのまま本発明の製造方法に用いる
と、アルコールを酸化するという性質が十分に引き出さ
れていないため、トランス-2-ヘキセノールが酸化され
難くなる場合がある。
終的に、炭素源としてメタノール単独又はメタノールと
グリセリンとの混合物を含む培地を用いて培養されたも
のを用いるが、その前に前培養を行ってもよく、その場
合には、メタノール、グリセリンはもちろん、エタノー
ル、ブドウ糖、キシロース、マンニトールのような菌体
の増殖を促す物質で培養しても差し支えない。但し、メ
タノールを含有しない培地で培養した菌体、たとえばブ
ドウ糖のみを炭素源として含有する培地で培養した菌体
又はその処理物を、そのまま本発明の製造方法に用いる
と、アルコールを酸化するという性質が十分に引き出さ
れていないため、トランス-2-ヘキセノールが酸化され
難くなる場合がある。
【0014】培養及び前培養に用いる培地には、例え
ば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アン
モニウム、尿素のような資化性無機窒素化合物;リン酸
カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸ナトリウム、
硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第二鉄、硫酸
第二鉄、塩化マンガン、硫酸マンガンのような無機塩類
やモリブデン酸ナトリウムやヨウ化カリウムのような微
量の無機塩類;エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの
ような有機塩類;銅、亜鉛、コバルトのような微量元素
の塩類;ホウ酸のような無機酸類;ビオチン、塩酸チア
ミンのようなビタミン類などの添加物を、適宜、一般的
な微生物の培養に用いられる濃度範囲で添加することが
できる。これらの添加物及び上記炭素源を水に溶解して
液体培地を調製する。尚、酵母エキス、肉エキス、コー
ンスティープリカーなどの有機物の添加は、目的とする
トランス-2-ヘキセナールを生産するためのアルコール
酸化酵素の生成が低下するため好ましくない。
ば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アン
モニウム、尿素のような資化性無機窒素化合物;リン酸
カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸ナトリウム、
硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第二鉄、硫酸
第二鉄、塩化マンガン、硫酸マンガンのような無機塩類
やモリブデン酸ナトリウムやヨウ化カリウムのような微
量の無機塩類;エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの
ような有機塩類;銅、亜鉛、コバルトのような微量元素
の塩類;ホウ酸のような無機酸類;ビオチン、塩酸チア
ミンのようなビタミン類などの添加物を、適宜、一般的
な微生物の培養に用いられる濃度範囲で添加することが
できる。これらの添加物及び上記炭素源を水に溶解して
液体培地を調製する。尚、酵母エキス、肉エキス、コー
ンスティープリカーなどの有機物の添加は、目的とする
トランス-2-ヘキセナールを生産するためのアルコール
酸化酵素の生成が低下するため好ましくない。
【0015】キャンディダ・ボイディニSA051株の培養
は、培地のpHを培養開始時は約4〜7とし、その後約4
〜6に維持し、好気的条件下、約20〜30℃の温度で、約
50〜180時間、好ましくはロータリーシェーカー、ジャ
ーファーメンターなどを用いて振とう培養又は攪拌培養
することにより行う。尚、ジャーファーメンターを用い
る場合には、あらかじめ培地にポリプロピレングリコー
ルのような消泡剤を添加しておくとよい。
は、培地のpHを培養開始時は約4〜7とし、その後約4
〜6に維持し、好気的条件下、約20〜30℃の温度で、約
50〜180時間、好ましくはロータリーシェーカー、ジャ
ーファーメンターなどを用いて振とう培養又は攪拌培養
することにより行う。尚、ジャーファーメンターを用い
る場合には、あらかじめ培地にポリプロピレングリコー
ルのような消泡剤を添加しておくとよい。
【0016】また、培養において、炭素源として添加し
たメタノール(及びグリセリン)が完全に消費される前
に、さらにメタノール(及びグリセリン)を添加すると
いう操作を繰り返すと、菌体の増殖が直線的に続き、培
養液中の乾燥菌体量を約 100g/リットルの高密度まで
増やすことが可能である。メタノール又はメタノールと
グリセリンとの混合物の添加量は、培地の全重量に対し
約 0.5〜3重量%の範囲が好ましい。
たメタノール(及びグリセリン)が完全に消費される前
に、さらにメタノール(及びグリセリン)を添加すると
いう操作を繰り返すと、菌体の増殖が直線的に続き、培
養液中の乾燥菌体量を約 100g/リットルの高密度まで
増やすことが可能である。メタノール又はメタノールと
グリセリンとの混合物の添加量は、培地の全重量に対し
約 0.5〜3重量%の範囲が好ましい。
【0017】本発明のトランス-2-ヘキセナール含有組
成物の製造方法は、上記のようにして得られたキャンデ
ィダ・ボイディニSA051株の菌体を含む培養液をそのま
ま、あるいはこの培養液から遠心分離などの手段によっ
て分離して得られる菌体又はその処理物を懸濁させた懸
濁液と、トランス-2-ヘキセノール含有組成物とを混合
して、振とう又は攪拌するなどの手段によって菌体又は
その処理物とトランス-2-ヘキセノール含有組成物とを
十分接触させることにより行われる。
成物の製造方法は、上記のようにして得られたキャンデ
ィダ・ボイディニSA051株の菌体を含む培養液をそのま
ま、あるいはこの培養液から遠心分離などの手段によっ
て分離して得られる菌体又はその処理物を懸濁させた懸
濁液と、トランス-2-ヘキセノール含有組成物とを混合
して、振とう又は攪拌するなどの手段によって菌体又は
その処理物とトランス-2-ヘキセノール含有組成物とを
十分接触させることにより行われる。
【0018】反応液中の菌体の濃度は、乾燥菌体量で約
5〜60g/リットルの範囲が好ましい。また、反応液中
のトランス-2-ヘキセノール含有組成物の濃度は、含有
されるトランス-2-ヘキセノールの濃度が約5〜150g/
リットルとなるような濃度であって、組成物全体で約10
〜300g/リットルの範囲であることが好ましい。反応
液のpHは通常6〜10の範囲であり、好ましくは7〜9の
範囲であり、そのような範囲であれば、どのような緩衝
液を用いてもよく、水酸化ナトリウムのようなアルカリ
を加えるだけでもよいが、リン酸緩衝液を用いるのが最
適である。反応温度は、通常、約4〜30℃の範囲であ
る。反応は、好気的条件で行うが、空気又は濃縮酸素の
注入によって行ってもよく、好ましくは純酸素雰囲気下
の密閉系で行うか、圧力を加えながら純酸素を注入して
行うのがよい。反応時間は、通常、約30分〜2時間の範
囲であるが、原料組成物の成分組成などによって異なる
場合もあるので、組成物中のトランス-2-ヘキセナール
の生成量をサンプリングしてトランス-2-ヘキセノール
のトランス-2-ヘキセナールへの変換率を観察しながら
決定すればよい。但し、あまり長時間反応させると、他
のアルコール類も酸化され、組成物中に不要物が生じる
こともある。
5〜60g/リットルの範囲が好ましい。また、反応液中
のトランス-2-ヘキセノール含有組成物の濃度は、含有
されるトランス-2-ヘキセノールの濃度が約5〜150g/
リットルとなるような濃度であって、組成物全体で約10
〜300g/リットルの範囲であることが好ましい。反応
液のpHは通常6〜10の範囲であり、好ましくは7〜9の
範囲であり、そのような範囲であれば、どのような緩衝
液を用いてもよく、水酸化ナトリウムのようなアルカリ
を加えるだけでもよいが、リン酸緩衝液を用いるのが最
適である。反応温度は、通常、約4〜30℃の範囲であ
る。反応は、好気的条件で行うが、空気又は濃縮酸素の
注入によって行ってもよく、好ましくは純酸素雰囲気下
の密閉系で行うか、圧力を加えながら純酸素を注入して
行うのがよい。反応時間は、通常、約30分〜2時間の範
囲であるが、原料組成物の成分組成などによって異なる
場合もあるので、組成物中のトランス-2-ヘキセナール
の生成量をサンプリングしてトランス-2-ヘキセノール
のトランス-2-ヘキセナールへの変換率を観察しながら
決定すればよい。但し、あまり長時間反応させると、他
のアルコール類も酸化され、組成物中に不要物が生じる
こともある。
【0019】反応終了後、公知の手段、例えば、n−ヘ
キサンのような炭化水素類、酢酸エチルのようなエステ
ル類等の有機溶媒(有機溶媒は1種単独で、あるいは2
種以上の混合溶媒として使用することができる。)によ
り抽出して、濃縮、蒸留することにより、出発原料中の
トランス-2-ヘキセノールの大部分が選択的にトランス-
2-ヘキセナールに変換された目的の組成物を得ることが
できる。この組成物は、強く、好ましいグリーンノート
を有するので、グリーンノートを付与する目的で、香料
組成物に配合して利用することができる。特に、得られ
たトランス-2-ヘキセナール含有組成物を香料組成物に
配合して利用する場合、トランス-2-ヘキセナール含有
組成物に残留するトランス-2-ヘキセノールの含有量
は、25重量%以下であることが好ましく、さらに20重量
%以下であることが好ましい。
キサンのような炭化水素類、酢酸エチルのようなエステ
ル類等の有機溶媒(有機溶媒は1種単独で、あるいは2
種以上の混合溶媒として使用することができる。)によ
り抽出して、濃縮、蒸留することにより、出発原料中の
トランス-2-ヘキセノールの大部分が選択的にトランス-
2-ヘキセナールに変換された目的の組成物を得ることが
できる。この組成物は、強く、好ましいグリーンノート
を有するので、グリーンノートを付与する目的で、香料
組成物に配合して利用することができる。特に、得られ
たトランス-2-ヘキセナール含有組成物を香料組成物に
配合して利用する場合、トランス-2-ヘキセナール含有
組成物に残留するトランス-2-ヘキセノールの含有量
は、25重量%以下であることが好ましく、さらに20重量
%以下であることが好ましい。
【0020】さらに、本発明の製造方法により得られた
組成物を、カラムクロマトグラフィーなどの手段によっ
てアルデヒド分とアルコール分に分離すれば、アルデヒ
ド分として、純度約90〜95%のトランス-2-ヘキセナー
ルを得ることができる。これをさらに精密蒸留するなど
の手段によって微量のn−ヘキサナールを取り除けば、
さらに高純度のトランス-2-ヘキセナールを得ることが
できる。この単離されたトランス-2-ヘキセナールも香
料組成物に配合して利用することができる。
組成物を、カラムクロマトグラフィーなどの手段によっ
てアルデヒド分とアルコール分に分離すれば、アルデヒ
ド分として、純度約90〜95%のトランス-2-ヘキセナー
ルを得ることができる。これをさらに精密蒸留するなど
の手段によって微量のn−ヘキサナールを取り除けば、
さらに高純度のトランス-2-ヘキセナールを得ることが
できる。この単離されたトランス-2-ヘキセナールも香
料組成物に配合して利用することができる。
【0021】尚、本発明の製造方法により得られた組成
物から上記のようにしてアルデヒド分を除いたアルコー
ル分は、グリーンノートとしては好ましくない香気を有
するトランス-2-ヘキセノールの含有割合が低減され、
好ましい香気を有するシス-3-ヘキセノール及びn−ヘ
キサノールなどの含量割合が増大した、好ましいグリー
ンノートを有する成分である。このアルコール分も、香
料組成物に配合して利用することができる。また、この
トランス-2-ヘキセノールの含有割合が低減されたアル
コール分を、本発明の製造方法に基づき、繰り返しキャ
ンディダ・ボイディニの菌体又はその処理物と接触させ
て、該アルコール分に残存するトランス-2-ヘキセノー
ルをトランス-2-ヘキセナールに変換させ、より好まし
いグリーンノートを有する組成物とすることもできる。
物から上記のようにしてアルデヒド分を除いたアルコー
ル分は、グリーンノートとしては好ましくない香気を有
するトランス-2-ヘキセノールの含有割合が低減され、
好ましい香気を有するシス-3-ヘキセノール及びn−ヘ
キサノールなどの含量割合が増大した、好ましいグリー
ンノートを有する成分である。このアルコール分も、香
料組成物に配合して利用することができる。また、この
トランス-2-ヘキセノールの含有割合が低減されたアル
コール分を、本発明の製造方法に基づき、繰り返しキャ
ンディダ・ボイディニの菌体又はその処理物と接触させ
て、該アルコール分に残存するトランス-2-ヘキセノー
ルをトランス-2-ヘキセナールに変換させ、より好まし
いグリーンノートを有する組成物とすることもできる。
【0022】本発明の香料組成物は、上記のようにして
得られたトランス-2-ヘキセナール含有組成物を含有す
ることを特徴とする。本発明の香料組成物は、トランス
-2-ヘキセナール含有組成物をそのまま、もしくは、通
常使用される他の調合香料、すなわち合成香料、天然香
料、精油などと配合せしめることにより得られる。本発
明の香料組成物は、飲食品及び香粧品などに配合してそ
の商品価値を高めることができる。
得られたトランス-2-ヘキセナール含有組成物を含有す
ることを特徴とする。本発明の香料組成物は、トランス
-2-ヘキセナール含有組成物をそのまま、もしくは、通
常使用される他の調合香料、すなわち合成香料、天然香
料、精油などと配合せしめることにより得られる。本発
明の香料組成物は、飲食品及び香粧品などに配合してそ
の商品価値を高めることができる。
【0023】本発明の香料組成物に配合するトランス-2
-ヘキセナール含有組成物としては、トランス-2-ヘキセ
ナールの含有割合がより高く、トランス-2-ヘキセノー
ルの含有割合がより低い組成物を使用するのが好まし
く、具体的には、主な成分として、トランス-2-ヘキセ
ナールを約20〜45重量%、トランス-2-ヘキセノールを
0〜20重量%、シス-3-ヘキセノールを約15〜45重量
%、及びn−ヘキサノールを約15〜30重量%含有する組
成物を使用するのが好ましい。また、本発明の香料組成
物におけるトランス-2-ヘキセナール含有組成物の含有
割合は、約0.01〜1重量%の範囲が好ましい。
-ヘキセナール含有組成物としては、トランス-2-ヘキセ
ナールの含有割合がより高く、トランス-2-ヘキセノー
ルの含有割合がより低い組成物を使用するのが好まし
く、具体的には、主な成分として、トランス-2-ヘキセ
ナールを約20〜45重量%、トランス-2-ヘキセノールを
0〜20重量%、シス-3-ヘキセノールを約15〜45重量
%、及びn−ヘキサノールを約15〜30重量%含有する組
成物を使用するのが好ましい。また、本発明の香料組成
物におけるトランス-2-ヘキセナール含有組成物の含有
割合は、約0.01〜1重量%の範囲が好ましい。
【0024】さらに、本発明の香料組成物には、例え
ば、アップル、ストロベリー、オレンジ、グレープフル
ーツ、グレープ等の果物系香気を有するような合成香料
や天然香料;例えば、アーモンド油、ネロリ油、オリス
油、ローズ油、マンダリン油、オレンジエッセンス、グ
レープフルーツエッセンス、グレープエッセンスのよう
な精油;例えば、ジェネアブソリュート等のアブソリュ
ートやテルペンレスマンダリン油のような精油の処理
物;例えば、カストリウムチンキ、カノコソウチンキ等
のチンキやストロベリーインフュージョン等のインフュ
ージョンのような香料原料のアルコール抽出物;例え
ば、エチルアルコール、オクタナールのようなアルコー
ル類;例えば、酪酸エチル、イソ吉草酸エチルのような
エステル類;フーゼル油等を配合することができる。こ
れらの含有割合は、特に限定されるものではなく、用途
に応じて適宜変えることができる。
ば、アップル、ストロベリー、オレンジ、グレープフル
ーツ、グレープ等の果物系香気を有するような合成香料
や天然香料;例えば、アーモンド油、ネロリ油、オリス
油、ローズ油、マンダリン油、オレンジエッセンス、グ
レープフルーツエッセンス、グレープエッセンスのよう
な精油;例えば、ジェネアブソリュート等のアブソリュ
ートやテルペンレスマンダリン油のような精油の処理
物;例えば、カストリウムチンキ、カノコソウチンキ等
のチンキやストロベリーインフュージョン等のインフュ
ージョンのような香料原料のアルコール抽出物;例え
ば、エチルアルコール、オクタナールのようなアルコー
ル類;例えば、酪酸エチル、イソ吉草酸エチルのような
エステル類;フーゼル油等を配合することができる。こ
れらの含有割合は、特に限定されるものではなく、用途
に応じて適宜変えることができる。
【0025】得られた香料組成物を、飲食品、香粧品等
に配合する場合の配合量は、用途に応じて異なり、特に
限定されるものではないが、例えば、飲料に配合する場
合は、該飲料に対して香料組成物が約0.03〜1重量%の
範囲となるように配合するのが好ましい。
に配合する場合の配合量は、用途に応じて異なり、特に
限定されるものではないが、例えば、飲料に配合する場
合は、該飲料に対して香料組成物が約0.03〜1重量%の
範囲となるように配合するのが好ましい。
【0026】また、上記のようにして得られたトランス
-2-ヘキセナール含有組成物から単離したトランス-2-ヘ
キセナールも、上記のような他の調合香料等と配合して
香料組成物として利用することができる。この場合のト
ランス-2-ヘキセナールの配合割合は、香料組成物に対
して約 0.002〜0.45重量%の範囲とするのが好ましい。
-2-ヘキセナール含有組成物から単離したトランス-2-ヘ
キセナールも、上記のような他の調合香料等と配合して
香料組成物として利用することができる。この場合のト
ランス-2-ヘキセナールの配合割合は、香料組成物に対
して約 0.002〜0.45重量%の範囲とするのが好ましい。
【0027】本発明の製造方法は、トランス-2-ヘキセ
ノール以外にも、広くトランス-2-アルケノールを酸化
してトランス-2-アルケナールを製造する方法に応用す
ることが可能である。すなわち、キャンディダ・ボイデ
ィニSA051株の菌体又はその処理物と接触させることに
よって、炭素原子数4〜10程度の分岐鎖状又は直鎖状の
トランス-2-アルケノールを、相当するトランス-2-アル
ケナールに効率よく変換することが可能である。トラン
ス-2-アルケノールが、同一の炭素原子数の他のアルコ
ールとの混合物として存在する場合、混合物中のトラン
ス-2-アルケノールの酸化速度は他のアルコールと比べ
て著し大きいので、他のアルコールが酸化される前に、
トランス-2-アルケノールを選択的に酸化してトランス-
2-アルケナールを得ることができる。
ノール以外にも、広くトランス-2-アルケノールを酸化
してトランス-2-アルケナールを製造する方法に応用す
ることが可能である。すなわち、キャンディダ・ボイデ
ィニSA051株の菌体又はその処理物と接触させることに
よって、炭素原子数4〜10程度の分岐鎖状又は直鎖状の
トランス-2-アルケノールを、相当するトランス-2-アル
ケナールに効率よく変換することが可能である。トラン
ス-2-アルケノールが、同一の炭素原子数の他のアルコ
ールとの混合物として存在する場合、混合物中のトラン
ス-2-アルケノールの酸化速度は他のアルコールと比べ
て著し大きいので、他のアルコールが酸化される前に、
トランス-2-アルケノールを選択的に酸化してトランス-
2-アルケナールを得ることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例1 菌体懸濁液Iの調製 ブドウ糖20g、硫酸アンモニウム3g、リン酸二水素カ
リウム4g、硫酸マグネシウム 0.4g、塩化カルシウム
10mg、塩化マンガン2mg、硫酸亜鉛5mg、ビオチン0.05
mg及び塩酸チアミン5mgをイオン交換水1000mlに溶解
し、得られた溶液に8重量%濃度の水酸化ナトリウム水
溶液を加えてpH6.0に調整した。このようにして液体培
地を調製した。次に、容量500mlのヒダ付き坂口フラス
コに前記液体培地100mlを加えた後、該フラスコをオー
トクレーブに入れて121℃で10分間加熱して滅菌を行っ
た。続いて、前記フラスコ内の培地に、キャンディダ・
ボイディニSA051株を白金耳で2回塗布し、通気下、ロ
ータリーシェーカーを用いて回転数 140r.p.m.、28℃で
48時間振とう培養し、前培養液を得た。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例1 菌体懸濁液Iの調製 ブドウ糖20g、硫酸アンモニウム3g、リン酸二水素カ
リウム4g、硫酸マグネシウム 0.4g、塩化カルシウム
10mg、塩化マンガン2mg、硫酸亜鉛5mg、ビオチン0.05
mg及び塩酸チアミン5mgをイオン交換水1000mlに溶解
し、得られた溶液に8重量%濃度の水酸化ナトリウム水
溶液を加えてpH6.0に調整した。このようにして液体培
地を調製した。次に、容量500mlのヒダ付き坂口フラス
コに前記液体培地100mlを加えた後、該フラスコをオー
トクレーブに入れて121℃で10分間加熱して滅菌を行っ
た。続いて、前記フラスコ内の培地に、キャンディダ・
ボイディニSA051株を白金耳で2回塗布し、通気下、ロ
ータリーシェーカーを用いて回転数 140r.p.m.、28℃で
48時間振とう培養し、前培養液を得た。
【0029】次いで、ブドウ糖を除いた以外は上記液体
培地と同様の組成の液体培地を調製して上記と同様に滅
菌した後、該液体培地100ml当たりメタノール1.5mlを加
えて、これに上記前培養液5mlを添加して、ロータリー
シェーカーを用いて 140r.p.m.、28℃で65時間振とう培
養した。得られた培養液から菌体を遠心分離によって分
離し、pH7.5の0.1M(=mol/リットル)リン酸緩衝液で
洗浄した後、乾燥菌体量が60g/リットルとなるように
0.1Mリン酸緩衝液に再懸濁した。このようにして菌体懸
濁液Iが得られた。
培地と同様の組成の液体培地を調製して上記と同様に滅
菌した後、該液体培地100ml当たりメタノール1.5mlを加
えて、これに上記前培養液5mlを添加して、ロータリー
シェーカーを用いて 140r.p.m.、28℃で65時間振とう培
養した。得られた培養液から菌体を遠心分離によって分
離し、pH7.5の0.1M(=mol/リットル)リン酸緩衝液で
洗浄した後、乾燥菌体量が60g/リットルとなるように
0.1Mリン酸緩衝液に再懸濁した。このようにして菌体懸
濁液Iが得られた。
【0030】トランス-2-ヘキセノール含有組成物Iの
調製 市販のスペアミント油(A M TODD社製)を蒸留して、最
初に得られた留分〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜18mmHg)
、スペアミント油に対する割合:約10重量%〕を採取
し、該留分を再度精密蒸留〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜
18mmHg) 〕して最初の蒸留時の共沸による混入物を除去
した。続いて、固定相としてシリカゲル60(メルク社
製)を、移動相としてn−ヘキサン:酢酸エチル=98:
2の混合液を用いたカラムクロマトグラフィーにより溶
出したものを除去し、次いで、該固定相に、移動相とし
てn−ヘキサン:酢酸エチル=80:20の混合液を通して
溶出しものを分取した。分取した溶出液中のn−ヘキサ
ン及び酢酸エチルを除去することにより、精製されたト
ランス-2-ヘキセノール含有組成物Iを得た(スペアミ
ント油に対する収率:0.08%)。このトランス-2-ヘキ
セノール含有組成物Iは、トランス-2-ヘキセノール32.
6重量%、シス-3-ヘキセノール45.3重量%、n−ヘキサ
ノール16.2重量%及びその他の炭素原子数6の非環式ア
ルコール異性体を含んでいた。
調製 市販のスペアミント油(A M TODD社製)を蒸留して、最
初に得られた留分〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜18mmHg)
、スペアミント油に対する割合:約10重量%〕を採取
し、該留分を再度精密蒸留〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜
18mmHg) 〕して最初の蒸留時の共沸による混入物を除去
した。続いて、固定相としてシリカゲル60(メルク社
製)を、移動相としてn−ヘキサン:酢酸エチル=98:
2の混合液を用いたカラムクロマトグラフィーにより溶
出したものを除去し、次いで、該固定相に、移動相とし
てn−ヘキサン:酢酸エチル=80:20の混合液を通して
溶出しものを分取した。分取した溶出液中のn−ヘキサ
ン及び酢酸エチルを除去することにより、精製されたト
ランス-2-ヘキセノール含有組成物Iを得た(スペアミ
ント油に対する収率:0.08%)。このトランス-2-ヘキ
セノール含有組成物Iは、トランス-2-ヘキセノール32.
6重量%、シス-3-ヘキセノール45.3重量%、n−ヘキサ
ノール16.2重量%及びその他の炭素原子数6の非環式ア
ルコール異性体を含んでいた。
【0031】トランス-2-ヘキセナール含有組成物Iの
調製 上記菌体懸濁液I 10mlと、上記トランス-2-ヘキセノー
ル含有組成物I 0.3gとを、容量100mlの三角フラスコ
に入れ、該フラスコ内を純酸素置換して密閉した後、レ
シプロシェーカーを用いて、170r.p.m.、25℃で1時間
振とうした。
調製 上記菌体懸濁液I 10mlと、上記トランス-2-ヘキセノー
ル含有組成物I 0.3gとを、容量100mlの三角フラスコ
に入れ、該フラスコ内を純酸素置換して密閉した後、レ
シプロシェーカーを用いて、170r.p.m.、25℃で1時間
振とうした。
【0032】得られた反応液をn−ヘキサン10mlで抽出
した後、KD濃縮器及びロータリーエバポレーターを用
いてn−ヘキサンを除去した。このようにして、トラン
ス-2-ヘキセナール20.8重量%、トランス-2-ヘキセノー
ル 8.0重量%、シス-3-ヘキセノール36.3重量%、n−
ヘキサノール15.8重量%、n−ヘキサナール 1.2重量%
を含有する、トランス-2-ヘキセナール含有組成物I 0.
28g(収率93.3%)を得た。このトランス-2-ヘキセナ
ール含有組成物Iは、強く、好ましいグリーンノートを
有していた。
した後、KD濃縮器及びロータリーエバポレーターを用
いてn−ヘキサンを除去した。このようにして、トラン
ス-2-ヘキセナール20.8重量%、トランス-2-ヘキセノー
ル 8.0重量%、シス-3-ヘキセノール36.3重量%、n−
ヘキサノール15.8重量%、n−ヘキサナール 1.2重量%
を含有する、トランス-2-ヘキセナール含有組成物I 0.
28g(収率93.3%)を得た。このトランス-2-ヘキセナ
ール含有組成物Iは、強く、好ましいグリーンノートを
有していた。
【0033】実施例2 菌体培養液IIの調製 容量70リットルのジャーファーメンターに、ブドウ糖 1
20g、塩化アンモニウム 305.2g、リン酸二水素カリウ
ム 112.4g、硫酸マグネシウム23.6g、塩化カルシウム
2.2g、塩化第二鉄 1.5g、硫酸マンガン0.68g、エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム18g、硫酸亜鉛0.88
g、硫酸銅0.16g、塩化コバルト0.11g、モリブデン酸
ナトリウム 0.1g、ホウ酸0.16g、ヨウ化カリウム24m
g、ビオチン2mg、塩酸チアミン200mg及びポリプロピレ
ングリコール 1.6gを入れ、イオン交換水40リットルを
添加して溶解した。得られた溶液に8重量%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液を加えてpH6.0に調整した。このよ
うにして液体培地を得た。この液体培地を、121℃で10
分間加熱して滅菌を行った。続いて、前記ジャーファー
メンター内の液体培地に、該液体培地と同様の組成の液
体培地で実施例1の前培養の方法と同様の方法で前培養
したキャンディダ・ボイディニSA051株培養液800mlを添
加して、20リットル/分の通気下、200r.p.m.、28℃で
攪拌培養を行った。
20g、塩化アンモニウム 305.2g、リン酸二水素カリウ
ム 112.4g、硫酸マグネシウム23.6g、塩化カルシウム
2.2g、塩化第二鉄 1.5g、硫酸マンガン0.68g、エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム18g、硫酸亜鉛0.88
g、硫酸銅0.16g、塩化コバルト0.11g、モリブデン酸
ナトリウム 0.1g、ホウ酸0.16g、ヨウ化カリウム24m
g、ビオチン2mg、塩酸チアミン200mg及びポリプロピレ
ングリコール 1.6gを入れ、イオン交換水40リットルを
添加して溶解した。得られた溶液に8重量%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液を加えてpH6.0に調整した。このよ
うにして液体培地を得た。この液体培地を、121℃で10
分間加熱して滅菌を行った。続いて、前記ジャーファー
メンター内の液体培地に、該液体培地と同様の組成の液
体培地で実施例1の前培養の方法と同様の方法で前培養
したキャンディダ・ボイディニSA051株培養液800mlを添
加して、20リットル/分の通気下、200r.p.m.、28℃で
攪拌培養を行った。
【0034】培養開始から16時間経過後に8重量%濃度
の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5.0に調整し、次
いでメタノール400mlを添加して、pH5.0に維持しながら
培養を続けた。添加したメタノールが完全に消化する前
に、培養液に対して1.2重量%のメタノールの添加を繰
り返し、培養開始から合計して105時間培養を行ったと
ころ、培養液中の乾燥菌体量が48.2g/リットルまで増
加した。尚、メタノールの濃度と菌体量の経時変化を調
べた。その結果を、図1に示す。得られた培養液から菌
体を遠心分離によって分離し、pH7.5の 0.1Mリン酸緩
衝液で洗浄した後、乾燥菌体量が60g/リットルとなる
ように 0.1Mリン酸緩衝液に再懸濁した。このようにし
て菌体懸濁液IIが得られた。
の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5.0に調整し、次
いでメタノール400mlを添加して、pH5.0に維持しながら
培養を続けた。添加したメタノールが完全に消化する前
に、培養液に対して1.2重量%のメタノールの添加を繰
り返し、培養開始から合計して105時間培養を行ったと
ころ、培養液中の乾燥菌体量が48.2g/リットルまで増
加した。尚、メタノールの濃度と菌体量の経時変化を調
べた。その結果を、図1に示す。得られた培養液から菌
体を遠心分離によって分離し、pH7.5の 0.1Mリン酸緩
衝液で洗浄した後、乾燥菌体量が60g/リットルとなる
ように 0.1Mリン酸緩衝液に再懸濁した。このようにし
て菌体懸濁液IIが得られた。
【0035】トランス-2-ヘキセノール含有組成物IIの
調製 市販のスペアミント油(A M TODD社製)を蒸留して、最
初に得られた留分〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜18mmHg)
、スペアミント油に対する割合:約10重量%〕を採取
し、該留分を実施例1のトランス-2-ヘキセノール含有
組成物Iの調製における精製と同様の方法で精製した。
このようにして、トランス-2-ヘキセノール50.8重量
%、シス-3-ヘキセノール19.9重量%、n−ヘキサノー
ル25.8重量%、及びその他の炭素原子数6の非環式アル
コール異性体を含む、トランス-2-ヘキセノール含有組
成物IIを得た(スペアミント油に対する収率:0.08
%)。
調製 市販のスペアミント油(A M TODD社製)を蒸留して、最
初に得られた留分〔蒸留温度:70〜80℃ (13〜18mmHg)
、スペアミント油に対する割合:約10重量%〕を採取
し、該留分を実施例1のトランス-2-ヘキセノール含有
組成物Iの調製における精製と同様の方法で精製した。
このようにして、トランス-2-ヘキセノール50.8重量
%、シス-3-ヘキセノール19.9重量%、n−ヘキサノー
ル25.8重量%、及びその他の炭素原子数6の非環式アル
コール異性体を含む、トランス-2-ヘキセノール含有組
成物IIを得た(スペアミント油に対する収率:0.08
%)。
【0036】トランス-2-ヘキセナール含有組成物IIの
調製 上記菌体懸濁液II 3リットルと、上記トランス-2-ヘキ
セノール含有組成物II150gとを、容量5リットルのジ
ャーに入れ、純酸素を150ml/分の割合で供給しなが
ら、400r.p.m.、25℃で1時間攪拌した。得られた反応
液を常圧で水蒸気蒸留して留分600mlを得た。この留分
に食塩30gを加えて静置し、上層を分取した。このよう
にして、トランス-2-ヘキセナール31.5重量%、トラン
ス-2-ヘキセノール19.1重量%、シス-3-ヘキセノール1
6.3重量%、n−ヘキサノール26.0重量%、n−ヘキサ
ナール1.6重量%を含有する、トランス-2-ヘキセナール
含有組成物IIを 141g(収率94.0%)得た。このトラン
ス-2-ヘキセナール含有組成物IIは、強く、好ましいグ
リーンノートを有していた。
調製 上記菌体懸濁液II 3リットルと、上記トランス-2-ヘキ
セノール含有組成物II150gとを、容量5リットルのジ
ャーに入れ、純酸素を150ml/分の割合で供給しなが
ら、400r.p.m.、25℃で1時間攪拌した。得られた反応
液を常圧で水蒸気蒸留して留分600mlを得た。この留分
に食塩30gを加えて静置し、上層を分取した。このよう
にして、トランス-2-ヘキセナール31.5重量%、トラン
ス-2-ヘキセノール19.1重量%、シス-3-ヘキセノール1
6.3重量%、n−ヘキサノール26.0重量%、n−ヘキサ
ナール1.6重量%を含有する、トランス-2-ヘキセナール
含有組成物IIを 141g(収率94.0%)得た。このトラン
ス-2-ヘキセナール含有組成物IIは、強く、好ましいグ
リーンノートを有していた。
【0037】トランス-2-ヘキセナールの単離 固定相としてシリカゲル60(メルク社製)700gを、移
動相としてn−ヘキサン:酢酸エチル=98:2の混合液
2リットルを用いたカラムクロマトグラフィーにより、
上記トランス-2-ヘキセナール含有組成物II中に含まれ
るアルデヒド分を溶剤とともに分離した。分取したアル
デヒド分を含む溶液を蒸留することにより溶剤を除去し
たところ、トランス-2-ヘキセナール93.0重量%及びn
−ヘキサナール4.7重量%を含有するアルデヒド分45.0
g(収率30.0%)が得られた。この成分は、非常に強
く、好ましいグリーンノートを有していた。さらに、こ
の成分を精密蒸留〔蒸留温度:45〜55℃ (13〜18mmHg)
〕することにより、純度97%のトランス-2-ヘキセナー
ル40.0g(収率26.7%)を得た。
動相としてn−ヘキサン:酢酸エチル=98:2の混合液
2リットルを用いたカラムクロマトグラフィーにより、
上記トランス-2-ヘキセナール含有組成物II中に含まれ
るアルデヒド分を溶剤とともに分離した。分取したアル
デヒド分を含む溶液を蒸留することにより溶剤を除去し
たところ、トランス-2-ヘキセナール93.0重量%及びn
−ヘキサナール4.7重量%を含有するアルデヒド分45.0
g(収率30.0%)が得られた。この成分は、非常に強
く、好ましいグリーンノートを有していた。さらに、こ
の成分を精密蒸留〔蒸留温度:45〜55℃ (13〜18mmHg)
〕することにより、純度97%のトランス-2-ヘキセナー
ル40.0g(収率26.7%)を得た。
【0038】また、固定相としてシリカゲル60(メルク
社製)700gをそのまま用い、移動相として:n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=80:20の混合液2リットルを用いたカ
ラムクロマトグラフィーにより、上記のトランス-2-ヘ
キセナール含有組成物IIからアルデヒド分を除いた成分
中に含まれるアルコール分を溶剤とともに分離した。分
取したアルコール分を含む溶液を蒸留して溶剤を除去し
たところ、トランス-2-ヘキセノール30.8重量%、シス-
3-ヘキセノール26.2重量%、n−ヘキサノール42.0重量
%を含有するアルコール分85.6g(収率57.1%)を得
た。この成分は、原料のトランス-2-ヘキセノール含有
組成物IIよりも改良されたグリーンノートを有してい
た。
社製)700gをそのまま用い、移動相として:n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=80:20の混合液2リットルを用いたカ
ラムクロマトグラフィーにより、上記のトランス-2-ヘ
キセナール含有組成物IIからアルデヒド分を除いた成分
中に含まれるアルコール分を溶剤とともに分離した。分
取したアルコール分を含む溶液を蒸留して溶剤を除去し
たところ、トランス-2-ヘキセノール30.8重量%、シス-
3-ヘキセノール26.2重量%、n−ヘキサノール42.0重量
%を含有するアルコール分85.6g(収率57.1%)を得
た。この成分は、原料のトランス-2-ヘキセノール含有
組成物IIよりも改良されたグリーンノートを有してい
た。
【0039】実施例3 アップルフレーバーNo.1の調製 表1に示した処方に従って、実施例1で得たトランス-2
-ヘキセナール含有組成物Iを配合したアップルフレー
バーNo.1を調製した。アップルフレーバーNo.2の調製(参考例) 表1に示した処方に従って、実施例2で得た純度97%の
トランス-2-ヘキセナールを配合したアップルフレーバ
ーNo.2を調製した。アップルフレーバーNo.3の調製(参考例) 表1に示した処方に従って、実施例2においてトランス
-2-ヘキセナール含有組成物IIからアルデヒド分を除く
ことにより得られたアルコール分を配合したアップルフ
レーバーNo.3を調製した。アップルフレーバーNo.4の調製(比較例) 表1に示した処方に従って、実施例2において出発原料
として用いたトランス-2-ヘキセノール含有組成物IIを
配合したアップルフレーバーを調製した。
-ヘキセナール含有組成物Iを配合したアップルフレー
バーNo.1を調製した。アップルフレーバーNo.2の調製(参考例) 表1に示した処方に従って、実施例2で得た純度97%の
トランス-2-ヘキセナールを配合したアップルフレーバ
ーNo.2を調製した。アップルフレーバーNo.3の調製(参考例) 表1に示した処方に従って、実施例2においてトランス
-2-ヘキセナール含有組成物IIからアルデヒド分を除く
ことにより得られたアルコール分を配合したアップルフ
レーバーNo.3を調製した。アップルフレーバーNo.4の調製(比較例) 表1に示した処方に従って、実施例2において出発原料
として用いたトランス-2-ヘキセノール含有組成物IIを
配合したアップルフレーバーを調製した。
【0040】
【表1】
【0041】得られたアップルフレーバーNo.1〜No.4
を、市販の無果汁アップルジュース及び10%果汁入りア
ップルジュースにそれぞれ500ppmの割合で添加して、専
門のフレバリスト(食品香料を創る者。印藤元一「香料
の実際知識」(昭和50年3月25日) 東洋経済新報社 205
頁参照)によってその香気を評価したところ、本発明の
製造方法により得られたトランス-2-ヘキセナール含有
組成物Iを配合したアップルフレーバーNo.1を添加した
アップルジュースは、いずれも、比較例の出発原料のト
ランス-2-ヘキセノール含有組成物IIを配合したアップ
ルフレーバーNo.4を添加したアップルジュースよりも、
天然のりんごの特徴が非常に顕著な香気を有していた。
また、参考例としてトランス-2-ヘキセナールを配合し
たアップルフレーバーNo.2を添加したアップルジュー
ス、及び、アルデヒド分を除いたアルコール分を配合し
たアップルフレーバーNo.3を添加したアップルジュース
も、比較例のアップルフレーバーNo.4を添加したアップ
ルジュースに比べ、天然のりんごの特徴が顕著な香気を
有していた。
を、市販の無果汁アップルジュース及び10%果汁入りア
ップルジュースにそれぞれ500ppmの割合で添加して、専
門のフレバリスト(食品香料を創る者。印藤元一「香料
の実際知識」(昭和50年3月25日) 東洋経済新報社 205
頁参照)によってその香気を評価したところ、本発明の
製造方法により得られたトランス-2-ヘキセナール含有
組成物Iを配合したアップルフレーバーNo.1を添加した
アップルジュースは、いずれも、比較例の出発原料のト
ランス-2-ヘキセノール含有組成物IIを配合したアップ
ルフレーバーNo.4を添加したアップルジュースよりも、
天然のりんごの特徴が非常に顕著な香気を有していた。
また、参考例としてトランス-2-ヘキセナールを配合し
たアップルフレーバーNo.2を添加したアップルジュー
ス、及び、アルデヒド分を除いたアルコール分を配合し
たアップルフレーバーNo.3を添加したアップルジュース
も、比較例のアップルフレーバーNo.4を添加したアップ
ルジュースに比べ、天然のりんごの特徴が顕著な香気を
有していた。
【0042】実施例4 ストロベリーフレーバーの調製 下記の処方に従って、実施例2で得たトランス-2-ヘキ
セナール含有組成物IIを配合したストロベリーフレーバ
ーを調製した。得られたストロベリーフレーバーは、天
然のストロベリー果汁の特徴が非常に顕著な香気を有し
ていた。 (処方) ストロベリーインフュージョン :99.9重量部 (ストロベリーのアルコール抽出物、高砂香料工業株式
会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
セナール含有組成物IIを配合したストロベリーフレーバ
ーを調製した。得られたストロベリーフレーバーは、天
然のストロベリー果汁の特徴が非常に顕著な香気を有し
ていた。 (処方) ストロベリーインフュージョン :99.9重量部 (ストロベリーのアルコール抽出物、高砂香料工業株式
会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
【0043】実施例5 オレンジジュース用フレーバーの調製 下記の処方に従って、実施例2で得たトランス-2-ヘキ
セナール含有組成物IIを配合したオレンジジュース用フ
レーバーを調製した。得られたオレンジジュース用フレ
ーバーは、天然のオレンジ果汁の特徴が非常に顕著な香
気を有していた。 (処方) ナチュラルオレンジエッセンス :99.9重量部 (精油、高砂香料工業株式会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
セナール含有組成物IIを配合したオレンジジュース用フ
レーバーを調製した。得られたオレンジジュース用フレ
ーバーは、天然のオレンジ果汁の特徴が非常に顕著な香
気を有していた。 (処方) ナチュラルオレンジエッセンス :99.9重量部 (精油、高砂香料工業株式会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
【0044】実施例6 グレープフルーツフレーバーの調製 下記の処方に従って、実施例2で得たトランス-2-ヘキ
セナール含有組成物IIを配合したグレープフルーツフレ
ーバーを調製した。得られたグレープフルーツフレーバ
ーは、天然のグレープフルーツ果汁の特徴が非常に顕著
な香気を有していた。 (処方) ナチュラルグレープフルーツエッセンス:99.5重量部 (精油、高砂香料工業株式会社製) ナチュラルオクタナール : 0.2重量部 (天然物由来オクタナール、高砂香料工業株式会社製) ナチュラルヌートカトン : 0.2重量部 (天然物由来ヌートカトン、高砂香料工業株式会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
セナール含有組成物IIを配合したグレープフルーツフレ
ーバーを調製した。得られたグレープフルーツフレーバ
ーは、天然のグレープフルーツ果汁の特徴が非常に顕著
な香気を有していた。 (処方) ナチュラルグレープフルーツエッセンス:99.5重量部 (精油、高砂香料工業株式会社製) ナチュラルオクタナール : 0.2重量部 (天然物由来オクタナール、高砂香料工業株式会社製) ナチュラルヌートカトン : 0.2重量部 (天然物由来ヌートカトン、高砂香料工業株式会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
【0045】実施例7 グレープフレーバーの調製 下記の処方に従って、実施例2で得たトランス-2-ヘキ
セナール含有組成物IIを配合したグレープフレーバーを
調製した。得られたグレープフレーバーは、天然のグレ
ープ果汁の特徴が非常に顕著な香気を有していた。 (処方) ナチュラルグレープエッセンス :99.3重量部 (精油、高砂香料工業株式会社製) ナチュラル酪酸エチル : 0.5重量部 (天然物由来酢酸エチル、高砂香料工業株式会社製) テルペンレスマンダリン油 : 0.1重量部 (テルペン類を除いた精油、高砂香料工業株式会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
セナール含有組成物IIを配合したグレープフレーバーを
調製した。得られたグレープフレーバーは、天然のグレ
ープ果汁の特徴が非常に顕著な香気を有していた。 (処方) ナチュラルグレープエッセンス :99.3重量部 (精油、高砂香料工業株式会社製) ナチュラル酪酸エチル : 0.5重量部 (天然物由来酢酸エチル、高砂香料工業株式会社製) テルペンレスマンダリン油 : 0.1重量部 (テルペン類を除いた精油、高砂香料工業株式会社製) トランス-2-ヘキセナール含有組成物II: 0.1重量部
【0046】参考例 トランス-2-アルケノール及びそれ以外の同一炭素原子
数のアルコール混合物を、キャンディダ・ボイディニSA
051株の菌体と接触させて、トランス-2-アルケノールの
選択的酸化を調べた。
数のアルコール混合物を、キャンディダ・ボイディニSA
051株の菌体と接触させて、トランス-2-アルケノールの
選択的酸化を調べた。
【0047】実験No.1 菌体を乾燥菌体量が33g/リットルとなるように0.1M
リン酸緩衝液に懸濁した以外は実施例1で調製した菌体
懸濁液Iと同様の方法で調製した菌体懸濁液III 3ml
と、トランス-2-ヘキセノール及びそれ以外の炭素原子
数6のアルコール混合物(トランス-2-ヘキセノール、
n−ヘキサノール、シス-2-ヘキセノール、トランス-3-
ヘキセノール及びシス-3-ヘキセノールを同重量ずつ含
有する混合物)90mgとを混合し、27℃で反応させて、そ
れぞれのアルコールに相当するアルデヒド(トランス-2
-ヘキセナール、n−ヘキサナール、シス-2-ヘキセナー
ル、トランス-3-ヘキセナール及びシス-3- ヘキセナー
ル)の反応液中の含有濃度の経時変化を調べた。その結
果を図2に示す。
リン酸緩衝液に懸濁した以外は実施例1で調製した菌体
懸濁液Iと同様の方法で調製した菌体懸濁液III 3ml
と、トランス-2-ヘキセノール及びそれ以外の炭素原子
数6のアルコール混合物(トランス-2-ヘキセノール、
n−ヘキサノール、シス-2-ヘキセノール、トランス-3-
ヘキセノール及びシス-3-ヘキセノールを同重量ずつ含
有する混合物)90mgとを混合し、27℃で反応させて、そ
れぞれのアルコールに相当するアルデヒド(トランス-2
-ヘキセナール、n−ヘキサナール、シス-2-ヘキセナー
ル、トランス-3-ヘキセナール及びシス-3- ヘキセナー
ル)の反応液中の含有濃度の経時変化を調べた。その結
果を図2に示す。
【0048】実験No.2 アルコール混合物として、トランス-2-ヘプテノール及
びそれ以外の炭素原子数7のアルコール混合物(トラン
ス-2-ヘプテノール及びn−ヘプタノールを同重量ずつ
含有する混合物)を使用した以外は実験No.1と同様の方
法で反応を行って、それぞれのアルコールに相当するア
ルデヒド(トランス-2-ヘプテナール及びn−ヘプタナ
ール)の反応液中の含有濃度の経時変化を調べた。その
結果を図3に示す。
びそれ以外の炭素原子数7のアルコール混合物(トラン
ス-2-ヘプテノール及びn−ヘプタノールを同重量ずつ
含有する混合物)を使用した以外は実験No.1と同様の方
法で反応を行って、それぞれのアルコールに相当するア
ルデヒド(トランス-2-ヘプテナール及びn−ヘプタナ
ール)の反応液中の含有濃度の経時変化を調べた。その
結果を図3に示す。
【0049】実験No.3 アルコール混合物として、トランス-2-オクテノール及
びそれ以外の炭素原子数8のアルコール混合物(トラン
ス-2-オクテノール及びn−オクタノールを同重量ずつ
含有する混合物)を使用した以外は実験No.1と同様の方
法で反応を行って、それぞれのアルコールに相当するア
ルデヒド(トランス-2-オクテナール及びn−オクタナ
ール)の反応液中の含有濃度の経時変化を調べた。その
結果を図4に示す。これらの実験から、いずれの場合
も、トランス-2-アルケノールが選択的に著しく早く酸
化されて、トランス-2-アルケナールが生産されること
が確認された。
びそれ以外の炭素原子数8のアルコール混合物(トラン
ス-2-オクテノール及びn−オクタノールを同重量ずつ
含有する混合物)を使用した以外は実験No.1と同様の方
法で反応を行って、それぞれのアルコールに相当するア
ルデヒド(トランス-2-オクテナール及びn−オクタナ
ール)の反応液中の含有濃度の経時変化を調べた。その
結果を図4に示す。これらの実験から、いずれの場合
も、トランス-2-アルケノールが選択的に著しく早く酸
化されて、トランス-2-アルケナールが生産されること
が確認された。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、トランス-2
-ヘキセノール含有組成物中のグリーンノートとして好
ましくない香気を有するトランス-2-ヘキセノールを選
択的に酸化して、トランス-2-ヘキセナールに変換する
ことにより、好ましいグリーンノートを有するトランス
-2-ヘキセナール含有組成物を得ることができる。ま
た、好ましいグリーンノートを有するトランス-2-ヘキ
セナールをも得ることができる。本発明の方法により得
られた組成物は、好ましいグリーンノートを有するの
で、該組成物を配合した香料組成物は、飲食品及び香粧
品などに配合してその商品価値を高めることができる。
-ヘキセノール含有組成物中のグリーンノートとして好
ましくない香気を有するトランス-2-ヘキセノールを選
択的に酸化して、トランス-2-ヘキセナールに変換する
ことにより、好ましいグリーンノートを有するトランス
-2-ヘキセナール含有組成物を得ることができる。ま
た、好ましいグリーンノートを有するトランス-2-ヘキ
セナールをも得ることができる。本発明の方法により得
られた組成物は、好ましいグリーンノートを有するの
で、該組成物を配合した香料組成物は、飲食品及び香粧
品などに配合してその商品価値を高めることができる。
【図1】実施例2における、メタノールの濃度と菌体量
の経時変化を示すグラフを表す図である。
の経時変化を示すグラフを表す図である。
【図2】アルデヒド(トランス-2-ヘキセナール等)の
反応液中の含有濃度の経時変化を示すグラフを表す図で
ある。
反応液中の含有濃度の経時変化を示すグラフを表す図で
ある。
【図3】アルデヒド(トランス-2-ヘプテナール等)の
反応液中の含有濃度の経時変化を示すグラフを表す図で
ある。
反応液中の含有濃度の経時変化を示すグラフを表す図で
ある。
【図4】アルデヒド(トランス-2-オクテナール等)の
反応液中の含有濃度の経時変化を示すグラフを表す図で
ある。
反応液中の含有濃度の経時変化を示すグラフを表す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 7/24 C11B 9/00 - 9/02 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (6)
- 【請求項1】 トランス-2-ヘキセノール含有組成物
に、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii)の
菌体又はその処理物を接触させて、前記トランス-2-ヘ
キセノールをトランス-2-ヘキセナールに変換すること
を特徴とする、トランス-2-ヘキセナール含有組成物の
製造方法。 - 【請求項2】 トランス-2-ヘキセノール含有組成物
が、トランス-2-ヘキセノール及びそれ以外の炭素原子
数6の非環式アルコールを含有するものである、請求項
1記載のトランス-2-ヘキセナール含有組成物の製造方
法。 - 【請求項3】 トランス-2-ヘキセノール含有組成物
が、ミント油を蒸留することにより得られるものであ
る、請求項1記載のトランス-2-ヘキセナール含有組成
物の製造方法。 - 【請求項4】 キャンディダ・ボイディニ(Candida bo
idinii)の菌体又はその処理物が、炭素源としてメタノ
ール又はメタノールとグリセリンとの混合物を含有する
培地中で培養されたものである、請求項1〜3のいずれ
か1項記載のトランス-2-ヘキセナール含有組成物の製
造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造
方法により得られるトランス-2-ヘキセナール含有組成
物からトランス-2-ヘキセナールを単離することを特徴
とする、トランス-2-ヘキセナールの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造
方法により得られるトランス-2-ヘキセナール含有組成
物を含むことを特徴とする、香料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29872294A JP3151363B2 (ja) | 1994-12-01 | 1994-12-01 | トランス−2−ヘキセナール含有組成物の製造方法、及び該組成物を含有する香料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29872294A JP3151363B2 (ja) | 1994-12-01 | 1994-12-01 | トランス−2−ヘキセナール含有組成物の製造方法、及び該組成物を含有する香料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08154688A JPH08154688A (ja) | 1996-06-18 |
JP3151363B2 true JP3151363B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17863437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29872294A Expired - Fee Related JP3151363B2 (ja) | 1994-12-01 | 1994-12-01 | トランス−2−ヘキセナール含有組成物の製造方法、及び該組成物を含有する香料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3151363B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4540231B2 (ja) * | 1998-10-28 | 2010-09-08 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | スクラロースを含有する組成物及びその応用 |
KR100446855B1 (ko) * | 2000-12-08 | 2004-09-04 | 주식회사 엘지생활건강 | 미백제로서 과산화물과 중조를 사용하는 치약 조성물내에서 미백제 자극을 낮추고 향미를 증진시키기 위한향료 조성물 |
JP2007070534A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Daicel Chem Ind Ltd | 酢酸セルロース組成物 |
JP2015006167A (ja) * | 2013-05-28 | 2015-01-15 | 大正製薬株式会社 | 炭酸飲料 |
-
1994
- 1994-12-01 JP JP29872294A patent/JP3151363B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08154688A (ja) | 1996-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2302182A1 (en) | Process for preparing gamma-hexalactone, products produced therefrom andorganoleptic uses of said products | |
Gatfield | Biotechnological production of natural flavor materials | |
US20110177181A1 (en) | Modified grape seed oils | |
JP3151363B2 (ja) | トランス−2−ヘキセナール含有組成物の製造方法、及び該組成物を含有する香料組成物 | |
Schindler | Terpenoids by microbial fermentation | |
US6117835A (en) | Process for preparing saturated lactones, products produced therefrom and organoleptic uses of said products | |
JP3532682B2 (ja) | 天然バニラ香料及びその製造方法 | |
CN113073005A (zh) | 一种香料香精用酒酿基香制备方法 | |
JPH02303477A (ja) | 果実酢の製造方法 | |
JP2645757B2 (ja) | γ―ドデカラクトンの製法 | |
FR2589878A1 (fr) | Procede microbiologique de preparation a partir du mout de raisin, d'une boisson aromatique a faibles teneurs en alcool et en sucre, et boisson que l'on peut obtenir selon ce procede | |
JP3564237B2 (ja) | δ−デカラクトンの製造方法 | |
JP5503631B2 (ja) | 抗酸化剤の製造方法 | |
JP3164274B2 (ja) | フルーツフレーバーの製造法 | |
JP3393613B2 (ja) | 新規酵母及びその用途 | |
JP2002000287A (ja) | 不飽和ラクトンを含有する液体組成物の製造法および不飽和ラクトンを含有する蒸留酒 | |
JP4020444B2 (ja) | γ−ラクトンを含有する液体組成物の製造方法 | |
JP4746224B2 (ja) | ヌートカトンの製造方法 | |
JP4435450B2 (ja) | もろみ酢飲料の風味改善方法 | |
FR2724666A1 (fr) | Production par bioconversion de cetone framboise | |
JP7130110B2 (ja) | セスキテルペン酸素付加体の製造方法、化合物および組成物 | |
JPH0586187B2 (ja) | ||
JPH0931071A (ja) | (r)−(−)−マッソイアラクトンの製造方法・その製造物および香料組成物 | |
JP3865324B2 (ja) | 新規酵母及びその用途 | |
JP4082917B2 (ja) | ヌートカトンの製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |