JP3149687B2 - 耐繰返し酸化特性に優れたステンレス鋼 - Google Patents

耐繰返し酸化特性に優れたステンレス鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、火力発電用ボイラに
おける非耐圧・非冷却部材等の耐繰返し酸化特性が要求
される非耐圧部材を構成する耐熱ステンレス鋼に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年高温プラント技術の進歩に伴い、新
形式の複合発電プラント、すなわち石炭ガス化複合プラ
ント、PFBC(Pressurized Fluidized Bed Combusio
n 、即ち、加圧流動床燃焼)発電システム、トッピング
サイクル等が提案され、試験プラントの運転も行われて
いる。これらの新形式プラントにおいては、従来形式の
ボイラと異なり、蒸気加熱管以外にも高温に暴される非
冷却部材の範囲が大幅に拡大され、最高900 ℃程度で使
用可能な非冷却部材用の耐熱鋼も新たに求められてい
る。
【0003】従来、高温部材としては高温強度を主眼と
した鋼種開発がさかんに行われ、18Cr−8 Ni系ステ
ンレス鋼がチューブ材として多用されている。その主流
はJIS SUS304H(18Cr−10Ni−C) であり、更に、こ
れにTiを加えたJIS SUS321H などがあり、基本的には
長期の組織安定性があるとされている18−8 系で対応可
能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に新形式
プラントにおける非冷却部等の部位は、使用温度が高
く、圧力容器中に格納される非耐圧部材として設計され
ている場合でも使用できる鋼種が殆ど見あたらない。18
−8系耐熱鋼で解決しようとするならば、特開昭53−63
210 号公報などに開示された耐高温酸化性を改善する元
素であるAl,Siを含有させたCr−Ni系ステンレ
ス鋼の適用も考えられる。しかし、こうした鋼種は、一
定の構造強度が必要なプラント内構造部材としては、繰
返し酸化特性への対策、長時間相安定性の維持という2
点において配慮が十分とはいえない。
【0005】ここで、繰り返し酸化性とは、発電プラン
トのスタート・ストップによる熱サイクルを材料が繰り
返し受けた場合、800 〜900 ℃における高温酸化による
鋼材の減肉が促進される現象をいう。Al,Siを含有
させた従来のCr−Ni系ステンレス鋼には、この耐繰
り返し酸化性が劣るという問題がある。また、現在かか
る目的のために用いられようとしているJIS SUS310S に
代表される高価な25Cr−20Ni系のオーステナイトス
テンレス耐熱鋼は、800 〜900 ℃における200〜700 時
間の使用で容易にシグマ相を析出し、定期点検時にハン
マリングしただけでひび割れを生じることが危惧されて
いる。したがって、現在高温用材料技術においては、こ
のような耐繰返し酸化性と長時間の相安定性という2点
を同時に満足する合金設計指針の確立が強く望まれてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、実際のプラ
ント運転における材料寿命が、特に高温酸化で決定され
る場合には耐繰返し酸化特性を考慮することが必須との
考えから、経済性に優れる18Cr−8Ni系ステンレス
鋼を出発点として種々の合金を試作し、性能評価を繰返
したその結果、単純加熱時の場合と異なり、表面スケー
ル層の元素組成が耐繰返し酸化性に重要になるとの知見
を得た。すなわち、安価な耐酸化性向上元素としてはし
ばしば用いられるSiはむしろ有害で、一方Alの含有
量の増加、またはCrの増量が有効であることがわかっ
た。
【0007】さらに、表面スケール層の状態を詳細に調
査した結果、このスケールはCr,Al,Si等の酸化
物であり、これらの元素がすべて同時含有されている場
合は、環境側がCrが、材料側、即ち母相側がAlもし
くはSiが富化した酸化物となっていることが判明し
た。従って、耐繰り返し酸化性に及ぼすこれらの元素の
効果の相違はスケールの組成がもたらすもので、特にス
ケールと母相との熱膨張との差によるものと推定され
る。
【0008】例えば、SiO2 の室温から1000℃ま
での平均膨張率は0.5 ×10-6-1と低いが、Al2 3
の平均膨張率は8×10-6-1であり、通常のステンレス
鋼の値20×10-6-1に比較的近い。そのため、温度変化
時に母相と界面での熱応力に差が生じても、Al2 3
皮膜が剥離、脱落しにくいため内質保護性が維持される
というメカニズムが考えられる。
【0009】一方、長時間加熱を受けた場合の相安定性
については、主としてシグマ相等の脆い第二相の析出を
抑制する手段を種々検討した。一般にオーステナイト系
ステンレス鋼のデルタフェライト抑制、あるいはデルタ
フェライト量については、例えばde Long が1960年にMe
tal Progressにおいて提唱したような、Cr当量、Ni
当量の概念が用い得ることを見いだした。ただし、シグ
マ相析出量の予測等には上記式をそのまま転用すること
は出来なかったが、下記に示す(3)式の両辺が等しい
ときがシグマ相析出の臨界点であることを実験的に新た
に見いだした。 σ=3.6(1.5 Si+3 Al+Cr) −(0.5Mn+Ni+30C+30N) =70 −−−(3)
【0010】本発明は上述した観点に基づいてなされた
もので、経済性に優れ、長時間の組織安定性にまさる18
Cr−8Ni系のステンレス鋼をベースに、800〜900℃
での耐高温酸化性ならびに耐繰返し酸化性の優れた耐熱
鋼を提供することを目的とする。 (1)請求項1の発明は、下記の成分組成を含有する耐
繰返し酸化特性に優れたステンレス鋼(成分組成はwt
%である)である。 (a)主成分として、 C:0.12%以下、 Si:0.31〜1.0% Mn:2.0%以下、 P:0.04%以下 S:0.03%以下、 Al:0.33〜3.0%、 N:0.2%以下、 Ni:10〜33%、 Cr:14%〜28%を含有し、 残部がFeおよび不可避不純物からなり、 (b)前記成分組成が下記の(1)〜(3)式を満た
す。 R=Cr+2(Al+Si)≧20.2 −−(1) α=(1.5Si+3Al+Cr)−(0.5Mn+Ni+30C+30N)<9 −−(2) σ=3.6(1.5Si+3Al+Cr)−(0.5Mn+Ni+30C+30N)<70 −−(3)
【0011】(2)請求項2の発明は、請求項1の発明
の成分組成に、更に、Ce, Y,Laのうち一種以上を
合計含有量として0.07%以下を含有する耐繰り返し酸化
特性に優れたステンレス鋼である。
【0012】
【作用】以下、本発明に係るステンレス鋼の含有元素の
含有理由及び含有範囲を限定した理由を述べる。Cは本
発明鋼の母相の高温強さを与え、相安定性に有効な元素
であるが、0.12%を超えて含有すると、結晶粒内を縦断
する形で粗大な炭化物が析出するので、その含有量は0.
12%以下とした。
【0013】Siは脱酸に有効な元素であるため1.0 %
以下を含んでもよいが、1.0 %を超えて含有すると、表
面の酸化皮膜の母相側がSiリッチとなり、繰返し酸化
特性に有害となるので、含有量は1.0 %以下とした。
【0014】Mnは相安定性に有効な元素であるため2.
0 %以下を含んでよいが、2.0 %を超えて含有すると耐
高温酸化性に有害となるので、含有量は2.0 %以下とし
た。
【0015】Pは粒界偏析して圧延時の延性を害する元
素であって、その含有量は少ないほど良い。そこで、圧
延時における延性の低下による割れを防止するため、そ
の含有量を0.04%以下とした。
【0016】SもPと同様、粒界偏析して圧延時の延性
を害する元素である。その含有量は少ないほど良い。そ
こで、圧延時における延性の低下による割れを防止する
ため、その含有量を0.03%以下とした。
【0017】NはCと同様、本発明鋼の母相の高温強さ
を与え、相安定性に有効な元素であるため、0.20%以下
を含んでもよいが、0.20%を超えて含有すると窒化物を
形成し、靱性に有害であることから、含有量は0.20%以
下とした。
【0018】Niは、安定なオーステナイト組織を得る
ために必須の元素である。含有量は、他の含有元素、特
にCrとAlとの関係から10%以上を必要とする。一
方、Niの含有量が33%を超えると、オーステナイト安
定化の効果が小さくなり、Ni量を増加してもCr等耐
高温酸化性を向上する元素の含有量を大きく増やすこと
ができなくなるため、含有量は10%以上、33%以下とし
た。
【0019】Crは高温での耐酸化性を与える基本元素
として重要である。その含有量が14%未満の場合は、耐
高温酸化性に有効なAlを含有しても800 ℃〜900 ℃に
おいて十分な耐酸化性を得ることができない。一方、28
%を超えて含有するとオーステナイト相の安定性を維持
するために、高価なNiを多量に必要とし経済性を損な
うようになり、しかも耐高温酸化性向上に対する寄与が
小さくなるため、含有量は14%以上、28%以下とした。
【0020】Alは単独では、酸化環境中でAl2 3
という非常に緻密な酸化物皮膜を形成し、Cr酸化物存
在下ではその中に複合酸化物として含まれて、酸化物の
緻密性を高める。かかる場合の表面保護性は非常に高い
ばかりでなく、繰返し熱応力に対しても剥離を起こしに
くく、優れた耐繰返し高温酸化性を与える元素である。
しかし、Alを3.0 %を超えて含有すると相安定性を維
持するのが困難となる。この知見からAlの含有量は3.
0 %以下とした。
【0021】Ce,Y,La等の希土類元素はAl2
3 酸化皮膜中に溶け込んで、その高温酸化に対する一般
的耐性を高めるので、これらのうち一種以上を含有して
もよい。含有量は、0.07%を超えて含有すると熱間延性
を害するので、合計量で0.07%以下とした。
【0022】耐高温酸化性:耐高温酸化性を決定する主
な因子は、Cr、Al、Siの合計の含有量である。耐
高温酸化性はこれらの元素の含有量よりなるR=Cr+
2(Al+Si)なる指標により表すことができ、800
℃〜900 ℃における耐酸化性はRが20.2未満では十分で
ないことを見いだした。すなわち、 R=Cr+2( Al+Si) ≧20.2 −−−(1) を満たすCr、Al、Siの含有が必要である。
【0023】熱間加工性及びオーステナイト相の安定
性:相安定性を決定する主な因子は、Cr当量とNi当
量である。 Cr当量=1.5 Si+3Al+Cr、 Ni当量=0.5 Mn+Ni+30C+30N と表すことができ、これらを用いた下記の(2)式が成
り立つとき、圧延後にフェライト相の存在がなくオース
テナイト単相組織であり、かつ鋼板側端部の割れもほと
んど無いことを見いだした。
【0024】一方、これらの式が成り立たないときに
は、鋼板側端部に著しい割れが発生するか、さらには圧
延後にフェライト相の存在が認められた。鋼板側端部の
割れは歩留まりを低下させるため、経済的に好ましくな
い。圧延後に存在するフェライト相は、800 ℃〜900 ℃
での使用中に脆いσ相に変化し、靱性を著しく低下させ
る。従って、 α=(1.5Si+3 Al+Cr) −(0.5Mn+Ni+30C+30N) <9 −−−(2) を満足する成分系とする必要がある。
【0025】圧延後にフェライト相が存在せずオーステ
ナイト単相組織の場合でも800 ℃〜900 ℃での長時間使
用により脆いσ相が生成する場合がある。このσ相生成
も上記のCr当量とNi当量の関係により表すことがで
き、これらを用いて構成した下記の(3)式が成り立つ
ときに、長時間使用後もσ相が生成しないことを見いだ
した。すなわち、長時間使用後も良好な靱性が保たれ
る。従って、 σ=3.6(1.5 Si+3 Al+Cr) −(0.5Mn+Ni+30C+30N) <70 −−−(3) を満足する成分系とする必要がある。
【0026】この鋼は、溶鋼に所定の成分を所定量、単
体又は母合金の形で含有させることにより製造される。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。表1
から表4に検討を行った鋼の化学成分を示す。表中、N
o.1からNo. 21は、Ce,Y,Laを含有していない
本発明の成分範囲を満足する発明鋼種であり、No. 31
からNo. 45は比較鋼種である。また、表中、No. 22
からNo. 29はCe,Y,Laを含有した本発明の成分
範囲を満足する発明鋼種であり、No. 46からNo. 57
は、その比較鋼である。表中には、(1)、(2)、
(3)式でそれぞれ定義される、R,α、σの値も併せ
て示した。
【0028】
【0029】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】これらの鋼に対して、900 ℃での繰返し酸
化試験を行った結果を表5及び表6に示す。繰返し酸化
試験は、20mm×30mm×5mmの腐食試験片を用い、
ムライト管を内管とする環状炉で加熱した。湿度調整シ
ステムにより露点を30℃に加湿・調整した空気中で96時
間均熱後、側壁を水冷した冷却室に移動させて200 ℃以
下まで冷却し、これを1サイクルとして10サイクルの繰
返し加熱を行った。昇温速度、降温速度の実測値は、そ
れぞれ約130 ℃/min,150 ℃/minであった。耐
繰返し酸化性は、試験終了後の試験片をナイロンブラシ
で除塵した後、重量測定し、試験前の重量に対する酸化
減量で評価した。繰返し数(n数)は各鋼種で4とし、
平均値で評価した。個々の試験片間のばらつきはおおむ
ね20〜40%以内であった。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】耐繰返し酸化特性は、表から判るように、
発明鋼はNo. 1からNo. 21の希土類元素を含有しない
本発明の場合、及びNo. 22からNo. 29の希土類元素
を含有する発明のいずれについても、比較鋼No. 30と
して検討した汎用の18Cr−8Ni系ステンレス鋼(SU
S304H)に比べ1/2以下の腐食減量であり、良好な特性
を示していた。これは、Crの増量により酸化皮膜が安
定になり、さらに酸化皮膜中にAl、希土類元素が含ま
れることにより酸化皮膜の緻密性が増し、酸素の拡散速
度が遅くなって内部保護性が向上するためと考えられ
る。
【0036】これに対し、比較鋼No. 32、No. 50、
No. 55においては、Siの含有量が高めであって、酸
化試験の初期に比較的小さい腐食減量を示すものの、2
〜3サイクル目から酸化皮膜剥離が生じはじめ、長期的
には大きな腐食減量を示すようになるのが特徴である。
比較鋼No. 33においては、Mnを多量に含むことによ
り、耐高温酸化性が低下しており、結果として大きな腐
食減量を示している。No. 41、No. 48、No. 54は
Cr+2(Al+Si)の値が20.2に達していないこと
により、また比較鋼No. 37、No. 57はCr+2(A
l+Si)の値は20.2に達しているもののCr量の不足
により、十分な耐高温酸化性が得られていない。
【0037】次に、圧延時の熱間加工性であるが、圧延
後の板材の耳割れの有無によって加工性評価を行った結
果を表5及び表6に併せて示す。本発明鋼では1200℃加
熱し、仕上温度を900 ℃とした圧延工程において、耳割
れは発生せず、良好な圧延結果が得られた。一方、P
量、S量がそれぞれ多い比較鋼No. 34、No. 35、N
を多量に含有した比較鋼No. 39、希土類元素を過剰に
含有した比較鋼No. 47においては、板端面に著しい耳
割れを生じた。また、(2)式のα値が9以上の比較鋼
No. 40、No. 42、No. 43、No. 52、No. 53も
板端面に耳割れを生じた。
【0038】最後に、高温での使用時に問題となる特性
として、組織安定性が重要である。そこでJIS による4
号シャルピー試験片を用い、850 ℃において1000時間時
効し、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー測定値を
表5及び表6に併せて示す。発明鋼は0℃における吸収
エネルギーが30J以上と良好で、炭窒化物、金属間化合
物等の生成に起因するような靱性低下は認められない。
【0039】これに対して、比較鋼No. 31は炭化物の
過剰な析出による靱性劣化が認められた。比較鋼No. 3
6はNi量が不足のため、また比較鋼No. 38と比較鋼
No.49はそれぞれAl量とCr量が過剰のため、σ相
が析出し靱性の低下が認められた。比較鋼No. 40、N
o. 43、No. 44、No. 45、No. 46、No. 50、N
o. 51、No. 53、No. 58は、(3)式のσの値が7
0以上となっているため、長時間の熱処理によりσ値が
析出し靱性の劣化が認められた。比較鋼No. 56は(3)
式のσ値が70未満であるが、Ni量が33%を超えるよう
な多量の含有により得られた値であることからNiの効
果が十分でなく、オーステナイト相の安定性を維持する
ことができず、靱性が劣化している。
【0040】以上の実施例及び比較例から明らかなよう
に、発明鋼の成分設定によれば、高温での耐繰返し酸化
性能の向上が図れ、しかも高温使用時の組織安定性に優
れるため靱性の劣化がなく、かつ圧延製造時の熱間加工
性も優れた、耐熱性ステンレス鋼を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、800 ℃〜900 ℃での非
耐圧・非冷却部などの新形式発電プラントに特徴的な使
用条件に耐え得る耐熱性ステンレス鋼を、歩留よく製造
することができる。しかも従来の汎用性ステンレス鋼で
ある18Cr−8Ni系ステンレスより大幅に優れた耐繰
返し酸化性を有するため、プラントの短周期の立ち上
げ、シャットダウンの繰返しによく耐え、長期の使用に
対して良好な組織安定性を示す信頼性の高い部材の製造
に役立つことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−102511(JP,A) 特開 昭59−182956(JP,A) 特開 昭62−202056(JP,A) 特開 昭62−164852(JP,A) 特開 平2−25545(JP,A) 特開 昭62−164854(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分組成を含有する耐繰返し酸化
    特性に優れたステンレス鋼(成分組成はwt%であ
    る)。 (a)実質的に、 C:0.12%以下、 Si:0.31〜1.0% Mn:2.0%以下、 P:0.04%以下 S:0.03%以下、 Al:0.33〜3.0%、 N:0.2%以下、 Ni:10〜33%、 Cr:14%〜28%を含有し、 残部がFeおよび不可避不純物からなり、 (b)前記成分組成が下記の(1)〜(3)式を満た
    す。 R=Cr+2(Al+Si)≧20.2 −−(1) α=(1.5Si+3Al+Cr)−(0.5Mn+Ni+30C+30N)<9 −−(2) σ=3.6(1.5Si+3Al+Cr)−(0.5Mn+Ni+30C+30N)<70 −−(3)
  2. 【請求項2】 下記の成分組成を含有する耐繰返し酸化
    特性に優れたステンレス鋼(成分組成はwt%であ
    る)。 (a)実質的に、 C:0.12%以下、 Si:0.31〜1.0% Mn:2.0%以下、 P:0.04%以下 S:0.03%以下、 Al:0.33〜3.0%、 N:0.2%以下、 Ni:10〜33%、 Cr:14%〜28%を含有し、 Ce、Y、Laのうち1種以上を合計含有量として0.07
    %以下を含有し、 残部がFeおよび不可避不純物とからなり、 (b)前記成分組成が下記の(1)〜(3)式を満た
    す。 R=Cr+2(Al+Si)≧20.2 −−(1) α=(1.5Si+3Al+Cr)−(0.5Mn+Ni+30C+30N)<9 −−(2) σ=3.6(1.5Si+3Al+Cr)−(0.5Mn+Ni+30C+30N)<70 −−(3)
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