JP3144112U - シボ状外観の手拭き布製品 - Google Patents

Abstract

【課題】三重ガーゼ織物で経，緯糸両方向に適度の伸縮を有して多彩なシボ状外観をもち、柔軟かつふくよかな触感を有する手拭き布製品を提供する。
【解決手段】経糸ａに並列した綿単糸５（一部にレーヨン糸を含むこともある。）の間に適宜間隔毎に伸縮糸６を挿入して織成したガーゼ地を表面層，裏面層とし、中間層に緯糸ｂとして綿単糸５（一部、レーヨン糸を含むこともある。）の間に適宜間隔毎に伸縮糸６を挿入して織成したガーゼ地を配して三重構造に形成し、該三重構造ガーゼ織物を所要大きさの正方形状又は長方形状に成形して周縁部を縢り付け一体化すると共に、表面層に模様を施しハンカチ，タオル等の手拭き布製品とする。
【選択図】図３

Description

本考案はシボ状外観を有するハンカチ，タオル等の手拭き布製品に関するものである。

経糸と緯糸を粗く薄手に織ったガーゼ地は柔らかく、吸湿性に優れていることから従来より衛生材料や肌着として広く使用されている。また複数枚のガーゼ地を重ねた多重構造のガーゼ織物は一般のタオル地に比し嵩張りが少なく、吸湿性，触感に優れていることからハンカチ，タオル等の手拭き布製品に重用されている。（例えば特許文献１参照）
しかし、従来のガーゼ地あるいは多重ガーゼ織物は通常、経糸，緯糸に綿単糸を用いて粗めの薄手織物に形成したものであり、多重ガーゼ織物においても外観的な変化を与えるには複数の色の経糸と緯糸を用いて織成することにより縞柄あるいは格子柄を形成するにすぎなかった。これに対し、近時、多重ガーゼ織物に対し、より効果的な外観を与えるため３層構造のガーゼ織物で柄付きチリメン状外観を付与したものが提案されている。（例えば特許文献２参照）
この柄付きチリメン状３層ガーゼ織物は経糸に縮まない糸を用いたガーゼ地を表面層，裏面層とし、経糸又は／及び緯糸に縮む糸を用いたガーゼ地を中間層として中間ガーゼ地と表面ガーゼ地を絡めて表面に柄出しを行なった構造によって形成されている。

しかし、この３層ガーゼ織物は中間層の経糸又は緯糸に縮む糸を用いているため、縮む糸を用いた方向に若干の縮みがあり、チリメン状の外観を呈するが、ガーゼ織物全面としては一方向のシボが形成されるにすぎず、ハンカチあるいはタオル等に用いた場合、伸縮性及び意匠性ならびにふくよかさと触感になお、改善の余地を有していた。
特開２００４−１０７８２４号公報 実用新案登録第３１２４６２３号公報

そこで、本考案は上述の如き実状に対処し、表面層，裏面層の経糸にも若干の伸縮を与え経緯両方向の縮みの総合によるシボを形成することに着目し、伸縮糸を経糸の綿単糸間に適宜挿入し、経，緯両方向の伸縮の調整をはかってガーゼ地の特性を活かしつつ３層ガーゼ織物の外観を多彩なシボ状とし、柔軟かつふくよかな触感を有するハンカチ，タオル等の手拭き布製品提供することを目的とするものである。

即ち、上記目的に適合する本考案は、経糸に並列した綿単糸の間に適宜間隔毎に伸縮糸を挿入して織成したガーゼ地を表面層，裏面層とし、中間層に緯糸に綿単糸の間に適宜間隔毎に伸縮糸を挿入して織成したガーゼ地を配して三重構造のガーゼ織物に形成し、該三重構造ガーゼ織物を所要大きさの正方形状又は長方形状に成形して周縁部を縢り付け一体化すると共に、表面層に模様を施してなるシボ状外観の手拭き製品にある。

ここで、上記表面層，裏面層，中間層を織成する経糸，緯糸は綿単糸のみに限らず一部、レーヨン糸を併用することもある。そしてこれら各層に挿入される伸縮糸の挿入密度ならびに伸縮度は必ずしも一様であることは必要でなく、むしろ表面層，裏面層に挿入された伸縮糸の挿入密度に比し中間層の緯糸に挿入された伸縮糸の挿入密度を大きくすることが好ましく、また、中間層の緯糸に挿入された伸縮糸の伸縮度を表面層，裏面層の経糸に挿入された伸縮糸の伸縮度に比し大きくすることが好適である。

上記構成の本考案手拭き布製品によれば、三重構造のガーゼ織物の表面層，裏面層は経方向に伸縮性を有し、中間層は緯方向に伸縮性を有して夫々、経緯両方向に縮みが与えられ、従って経緯両方向の総合された複雑な縮みによるシボ状の外観が得られ、柔らかく吸湿性に優れたガーゼ織物の特性と相俟ってハンカチ，タオル等の手拭き布製品として極めて多彩な変化柄をもつ製品を提供することができる。

特に表面層，裏面層の経糸に挿入される伸縮糸と中間層の緯糸に挿入される伸縮糸の挿入密度又は／及び伸縮度を異ならしめることにより経緯両方向の縮みを調整することができ、この調整により更に複雑なシボ模様が得られ、一層の外観，触感の変化を付与することができる。

以下、更に添付図面に基づいて本考案の具体的な態様を説明する。図１は本考案の実施に係るハンカチ例であり、このハンカチは三重ガーゼ織物よりなる正方形状のハンカチ本体１の周縁部に縢り糸により縢着部２が施されると共に、本体１には印捺などにより模様３が形成されることによって作成されている。

本考案は上記ハンカチにおいて、特にハンカチ本体１を構成するガーゼ織物に特徴を有しており、図２に示す表面層Ａ，中間層Ｂ，裏面層Ｃの三重構造のガーゼ織物によって構成されている。この三重構造のガーゼ織物は図２に示す如く表面層のガーゼ地Ａ、中間層のガーゼ地Ｂ，裏面層のガーゼ地Ｃの三重構造からなり、局所的に各層のガーゼ地を経糸を絡めることによって各層間が離れないよう絡着４されている。

表面層Ａ，裏面層Ｃ，中間層Ｂの各層は図３に示すような通常、綿単糸よりなり、必要に応じ一部レーヨン糸を含む（以下、綿単糸等という）経糸ａ，緯糸ｂの平織組織によるガーゼ地によって作成され、表面層Ａ，裏面層Ｃのガーゼ地は図３（イ）に示す如く経糸ａとして並列された綿単糸等５の間に適宜間隔毎にポリウレタン弾性糸（スパンデックス），強撚糸などの伸縮糸６が挿入されて緯糸ｂをなす綿単糸等５と、平織組織に織成されている。この場合、表面層Ａ，裏面層Ｃは同組織であってもよく、また適宜、伸縮糸の挿入間隔、挿入数を変えてもよく、伸縮度合いの異なる伸縮糸を用いるようにしてもよい。

一方、中間層Ｂを構成する平織ガーゼ地は図３（ロ）に示す如く経糸ａに綿単糸等５，緯糸ｂに綿単糸等５と、該綿単糸の間に適宜間隔でポリウレタン弾性糸、強撚糸などの伸縮糸６が挿入されて平織組織に織成されている。

この中間層Ｂにおける伸縮糸６の挿入密度、即ち単位緯糸毎に挿入される伸縮糸の数は表面層Ａ，裏面層Ｃにおける伸縮糸６の挿入密度と同一であってもよいが、必らずしも同一である必要はなく、むしろ表面層Ａ，裏面層Ｃにおける伸縮糸の挿入密度に比し中間層Ｂの挿入密度を大きくすることが好適である。また、伸縮糸６の挿入される間隔も各層間で異ならせることも可能である。これら挿入態様によって経方向に比し、緯方向の収縮が大きくなり、その分、ガーゼ織物の経方向，緯方向のシボの変化が確保される。

なお、挿入密度に限らず、経緯糸における伸縮糸の伸縮度を変え、中間層Ｂにおける緯方向挿入の伸縮糸の伸縮度を表面層Ａ，裏面層Ｃにおける伸縮糸に比し大きくすることによっても同様の変化が可能である。また、表面層Ａ，裏面層Ｃにおける伸縮糸の挿入密度，伸縮度を変え、中間層における緯方向の伸縮糸の挿入密度と伸縮度を夫々、変化させることにより三重ガーゼ織物におけるシボの発生態様を調整し、外観を多様化することも可能である。

かくして得られる上記三重ガーゼ織物は上記ハンカチ例に限らず、同様にしてタオル等の手拭き布製品形状に成形することにより何れも柔らかな触感をもち、周縁部の縢着、模様形成により吸湿性に優れた製品とすることができ、ハンカチ，タオルを始め手拭き布としての効用を発揮させることができる。

本考案に係るハンカチ例を示す斜視概要図である。 図１におけるＸ−Ｘ線に沿う切断側面図である。 各層の組織概要図で、（イ）は表面層，裏面層の組織、（ロ）は中間層の組織を示す。

符号の説明

Ａ：表面層
Ｂ：中間層
Ｃ：裏面層
ａ：経糸
ｂ：緯糸
１：手拭き布本体
２：周縁部（縢着部）
３：模様
４：絡着部
５：綿単糸等
６：伸縮糸

Claims (4)

1. 経糸に並列した綿単糸の間に適宜間隔毎に伸縮糸を挿入して織成したガーゼ地を表面層，裏面層とし、中間層に緯糸に綿単糸の間に適宜間隔毎に伸縮糸を挿入して織成したガーゼ地を配して三重構造のガーゼ織物に形成し、該三重構造ガーゼ織物を所要大きさの正方形状又は長方形状に成形して周縁部を縢り付け一体化すると共に、表面層に模様を施してなることを特徴とするシボ状外観の手拭き布製品。
2. 表面層，裏面層，中間層を織成する経糸又は／及び緯糸に一部レーヨン糸を用いる請求項１記載のシボ状外観の手拭き布製品。
3. 表面層，裏面層の経糸に挿入された伸縮糸の挿入密度に比し中間層の緯糸に挿入された伸縮糸の挿入密度が大である請求項１又は２記載のシボ状外観の手拭き布製品。
4. 中間層の緯糸に挿入された伸縮糸の伸縮度が表面層，裏面層の経糸間に挿入された伸縮糸の伸縮度に比し大である請求項１又は２記載のシボ状外観の手拭き布製品。

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