JP3143628B2 - はすば歯車の成形研削方法 - Google Patents

はすば歯車の成形研削方法

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JP3143628B2 JP04215586A JP21558692A JP3143628B2 JP 3143628 B2 JP3143628 B2 JP 3143628B2 JP 04215586 A JP04215586 A JP 04215586A JP 21558692 A JP21558692 A JP 21558692A JP 3143628 B2 JP3143628 B2 JP 3143628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、はすば歯車を砥石によ
って成形研削する方法に関し、更に詳しくは適正なクラ
ウニングやレリービングが得られるようにしたはすば歯
車の成形研削方法に関する。
【0002】
【従来技術】はすば歯車の加工方式には、切削による加
工方法、鍛造による加工方法、鋳造による加工方法、等
種々のものがあるが、その中の一つに研削による加工方
法がある。この研削による加工方法は、砥石によって歯
形を研削加工するものであり、従来以下のようなはすば
歯車の研削加工方法が公知である。
【0003】図9、図10は従来公知のはすば歯車の研
削方法を示す図である。研削されるはすば歯車1はA方
向に割り出し回転されるものであり、該はすば歯車1に
砥石2を当接させて歯形3を研削するものとなってい
る。砥石2はY軸(砥石回転軸)を中心に回転し、図の
X軸方向(はすば歯車の半径方向)及びZ軸方向(歯筋
方向)に移動可能となっている。砥石2で歯形3を研削
する場合、砥石2を図のZ軸方向に移動させながらはす
ば歯車1をA方向にねじれ角分だけ回転させ、その後に
はすば歯車1を元の位置に戻し、砥石2をX軸方向に僅
かに移動させ、切り込みを与え前記砥石2を再度Z軸方
向に移動させながらはすば歯車1をA方向にねじれ角分
だけ回転させる。この作業を、順次繰り返して歯形3の
研削を行っている。一つの歯形3が研削されると、はす
ば歯車1をA方向に回転させ、隣の歯車を割出した後、
前述の作業を行って隣の歯形3の研削を行う。尚、歯形
3の研削手順は前記手順に限定されるものではなく、例
えばはすば歯車1を順次割り出し回転させて歯形の山を
全周にわたって少しづつ研削しながら徐々に深さを追い
込んでいく等、他の手順によって研削される場合もあ
る。
【0004】このようにして研削された一つの歯形3の
一例を図11に示す。この歯形3では、その肉厚Dが図
のH1、H2、H3で示す歯筋方向の等高線の全長にわ
たってそれぞれ等しい肉厚D1、D2、D3となってい
る。このように歯形3がその歯筋方向長さHに対して等
しい肉厚となっている場合、噛み合い時に偏った接触が
発生し、歯形3が破損したり、あるいは噛み合い時に騒
音が発生してしまう。
【0005】上記歯形3の破損を防止し、騒音の発生を
低減させるため、従来のはすば歯車1では歯形3にクラ
ウニングやレリービングを設けている。ここで、クラウ
ニングとは、図12に示すように歯形3の肉厚(D)が
歯形3の歯筋方向長さHの両端において薄く修正され、
歯筋方向長さHの中央に向かうにしたがって徐々に歯形
3の肉厚(D)が厚くなった形状をいうものである。
【0006】又、レリービングとは、図13に示すよう
に歯形3の肉厚(D)が歯形3の歯筋方向長さHの両端
において薄く修正され、その他の部分において等厚とな
った形状をいうものである。以下においては、クラウニ
ング及びレリービングを総称してクラウニング等と称す
ることにする。さて、従来のはすば歯車では前述のよう
なクラウニング等を形成することにより、噛み合い時の
偏った接触を防止し、歯形3の破損を防止すると同時に
噛み合いに基づく騒音を低減するものとなっていた。
【0007】上記クラウニング等を形成するための歯形
修正工程には図14、図15で示すような修正加工方法
がある。即ち、図14に示す修正加工方法は、はすば歯
車1と砥石2を図のP1、P2で示すような軌跡でZ軸
方向に移動させ、歯筋方向両端において歯形3の谷が深
くなるように研削するものである。このように修正加工
することにより、図12、図13に示すように歯筋方向
の両端における肉厚Dを小さくすることができるものと
なる。
【0008】図15は、他の歯形3の修正加工方法を示
すものである。即ち、(a)で示すようにはすば歯車1
の歯筋方向の端部に砥石2を当接させた状態としてお
き、その状態ではすば歯車1を(b)、(c)で示すよ
うに左右に所定回転角θだけ回転させるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなはすば歯
車1のクラウニング等の加工方法には以下のような問題
点があった。即ち、クラウニング等の歯形の修正加工を
施す場合、本来歯筋方向の両端部における修正形状が同
一となっていなければならないが、前記従来のクラウニ
ング等の修正加工方法によると、歯形3の歯筋方向の両
端部における修正形状が同一形状とはならず、例えば歯
筋方向の一端部では歯先が大きく削られ、歯元の削り量
が小さくなっているのに対して、歯筋方向の他端部では
歯先が小さく削られ、歯元が大きく削られてしまう。
【0010】これを図13で示すレリービング修正加工
方法で説明すると、図16において歯形3の歯筋方向の
一端部では、その修正加工形状がG1のようになってお
り、他端部ではその修正加工形状がG2のようになって
いる。そして、歯筋方向長さHに対する肉厚Dをみる
と、修正加工形状G1の箇所では等高線H4(歯先)端
部が大きく削られ、等高線H5(歯中)端部から等高線
H6(歯元)端部へ向かうにしたがってその削り量が徐
々に小さくなっている。一方、修正加工形状G2の箇所
では等高線H4(歯先)端部が小さく削られ、等高線H
5(歯中)端部から等高線H6(歯元)端部へ向かうに
したがってその削り量が徐々に大きくなっている。この
ため、歯形3の歯筋方向両端部ではクラウニング等の形
状が異なるものとなり、歯形3に基づく前記強度上の問
題点や騒音の問題等の改善が不十分となってしまう。
【0011】そこで、本発明の目的は、前記はすば歯車
を成形研削によってクラウニング等の修正加工を施す場
合に、歯形の歯筋方向の両端部における修正加工形状を
極力同一形状に近付け、もって前記強度上の問題や騒音
の問題を解決した研削方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のことから、本発明
の特徴とするところは、砥石によってはすば歯車を成形
研削するはすば歯車の成形研削方法において、研削され
るはすば歯車のねじれ角をβとし、研削されるはすば歯
車回転軸に対する研削砥石の取り付け角をγcとし、前
記取り付け角(γc)を前記ねじれ角(β)よりも小さ
くした場合に、研削砥石がはすば歯車に接触する同時接
触線のはすば歯車の歯筋方向の広がりが最小となる研削
砥石の最適取り付け角をγcとしたとき、 γc=γc としてなることを特徴とするはすば歯車の成形研削方法
にある。
【0013】
【作用】本発明の研削方法によると、研削砥石がはすば
歯車と接触する同時接触線の歯筋方向の広がりが小さく
なる。従って、はすば歯車の歯筋方向両端付近における
同時接触線の広がりも小さくなることにより、その分だ
クラウニング等の修正加工の精度が向上するものとな
る。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。実
施例を説明する前に、本発明の理論的解明について説明
して置く。本発明者等は、前記従来公知のはすば歯車の
修正加工方法において、なぜ歯筋方向の両端部で修正形
状が異なるかを研究した結果、次のような解析結果を得
ることができた。
【0015】図1の(a)は、はすば歯車の部分拡大斜
視図であり、図において上下方向(歯車の回転軸方向)
にZ軸、Z軸と直交し、歯山の歯溝中央を通る方向にX
軸(研削砥石の回転軸に直行する方向)、Z軸及びX軸
と直行する方向にY軸をとっている。このようなはすば
歯車11の歯形1の歯筋方向端部を修正加工(この場
合はクラウニング加工)するとき、その研削砥石(図示
せず)が歯形1に同時に接触する線分は図のKで表さ
れる。この同時接触線KをZY面で表すと、図1の
(b)に示すように、歯形1のインボリュート部13
では歯先に向かうにしたがってZ軸方向に膨らむ曲線
となり、隅肉部13bではZ軸方向に膨らむ凸曲線状と
なっている。今、歯形1の歯先付近で断面FGHIを
取り、歯元付近で断面F’G’H’I’を取り、それぞ
れの断面が前記同時接触線Kと交叉する点をそれぞれ
P、Qとすると、図1の(c)のようになる。図からも
分かるように、点Pと点Qはそれぞれ同時接触線上の点
であるから、点Pにおける歯形修正量εと点Qにおける
歯形修正量εとは同一量となる。ところが、点Pと点Q
とはZ軸方向にずれた位置となっているので、結果的に
は歯形1の歯筋方向一端部では歯先部分が大きく削ら
れ、歯元部分の削り量が小さくなってしまう。これとは
反対に、歯形1の他端部では歯先部分の削り量が小さ
くなり、歯元部分での削り量が大きくなってしまう。
【0016】以上のことから、好ましい同時接触線Kを
得るには、Z軸方向の広がりの小さい同時接触線Kを得
ると良いことが分かった。そこで、モジュール(m)、
歯数(z)、ねじれ角(β)の如何によって、歯形のイ
ンボリュート部13aにおいてどのような同時接触線K
となるかについて解析したところ、図2に示すようにな
った。
【0017】即ち、図2の(a)は、歯数(z)を30
とし、ねじれ角(β)を20°として、モジュール
(m)がm=2、m=6、m=10の時の同時接触線K
の歯筋方向(Z軸方向)の広がりを解析した特性曲線図
である。図からも分かるように、同時接触線Kはモジュ
ール(m)が小さいほど広がりが小さいことが分かっ
た。
【0018】又、図2の(b)は、モジュール(m)を
6とし、ねじれ角(β)を20°として、歯数(z)が
z=20、z=30、z=40の時の同時接触線Kの歯
筋方向(Z軸方向)の広がりを解析した特性曲線図であ
る。図からも分かるように、同時接触線Kは歯数(z)
が多いほど広がりが小さいことが分かった。
【0019】更に又、図2の(c)は、モジュール
(m)を6とし、歯数(z)を30として、ねじれ角
(β)がβ=30°、β=20°、β=10°の時の同
時接触線KのZ軸方向の広がりを解析した特性曲線図で
ある。図からも分かるように、同時接触線Kはねじれ角
(β)が小さいほど広がりが小さいことが分かった。
【0020】次に、砥石の諸元からみた同時接触線Kの
広がりについて解析する。図3は、砥石のピッチ円半径
(Rc)と同時接触線KのZ軸方向の広がり(L)の関
係をねじれ角(β)がβ=30°、β=10°の場合に
ついて求めた特性曲線である。図からも分かるように、
砥石のピッチ円半径(Rc)が小さいほど同時接触線K
の広がりが小さいことが分かった。
【0021】又、図4は、砥石の取り付け角(γc)と
同時接触線KのZ軸方向の広がり(L)の関係をねじれ
角(β)がβ=30°、β=10°の場合について求め
た特性曲線である。尚、この特性曲線では、モジュール
(m)をm=10とし、歯数(z)をz=20とし、砥
石のピッチ円半径(Rc)をr=100mmとしてい
る。図からも分かるように、本来砥石の取り付け角(γ
c)はねじれ角(β)と同一であるのが通常であるが、
この解析によって、実際には砥石の取り付け角(γc)
がねじれ角(β)よりも小さい方が同時接触線Kの広が
りが小さいことが分かった。この場合、砥石の取り付け
角(γc)をあまり小さくし過ぎると、干渉が生じてし
まうことも分かった。
【0022】以上のことから、砥石の取り付け角(γ
c)をねじれ角(β)に対して適当に小さく定めること
により、一層適切なクラウニング等が得られることが分
かった。そこで、実際に砥石の取り付け角(γc)の最
適値γc0を求めるにはどのようにしたら良いかを解析
した。
【0023】図5は、砥石の取り付け角(γc)をねじ
れ角(β)付近から順次小さくした場合の同時接触線K
の変化を示すものである。図5の(a)では同時接触線
KがZ軸方向に上下に広がり、その上端が歯先L1とな
り、下端が歯元L2となっている。従って、同時接触線
Kの広がりLは(L=L1−L2)となっているもので
ある。
【0024】次に、上記(a)の状態から砥石の取り付
け角(γc)を少し小さくすると、図5の(b)に示す
ように、同時接触線Kの歯元L2が折れ曲がって少し上
方に持ち上がり、同時接触線Kの全体の上端が歯先L1
となり、下端が折れ曲がり点L3となる。従って、この
ような形状の同時接触線Kでは、その広がりLは(L=
L1−L3)となる。
【0025】続いて、(b)の状態から更に砥石の取り
付け角(γc)を少し小さくすると、図5の(c)に示
すように、折れ曲がって上方に持ち上がった同時接触線
Kの歯元L2が更に上方へ移動し、同時接触線Kの全体
の上端が歯元L2となり、下端が折れ曲がり点L3とな
る。従って、このような形状の同時接触線Kの場合に
は、その広がりLは(L=L2−L3)となる。
【0026】上記同時接触線Kの広がり(L1−L
2)、(L1−L3)及び(L2−L3)のそれぞれの
値を見ると、少なくとも (L1−L2)>(L1−L3)あるいは(L2−L
3) という関係になっていることが分かる。
【0027】以上のことから、同時接触線Kの最小値を
求めるには、砥石取り付け角(γc)如何によって前記
(L1−L3)及び(L2−L3)の値がどのように変
化するかを求め、その最小値を求めると良いことが分か
る。
【0028】図6は、砥石取り付け角(γc)と前記
(L1−L3)及び(L2−L3)との関係を示す特性
線図であり、図からも分かるように、曲線(L1−L
3)と曲線(L2−L3)の交点の砥石の取り付け角度
(γc0)が同時接触線Kの最小値ということになる。
この曲線(L1−L3)と曲線(L2−L3)の交点は
換言すれば歯先と歯元のZ座標軸が同一となっているこ
とを示すものである。
【0029】以上のようなことを前提として、以下にお
いて前記同時接触線Kの広がりの値が最小値となる砥石
の取り付け角度(γc)を計算式で求める。尚、以下
の数式において、使用記号は以下のようなものである。 X:はすば歯車軸(Z軸)と研削砥石軸(ζ軸)の共通
法線方向の軸 Y:はすば歯車のX軸及びZ軸と直交する方向の軸 Z:はすば歯車の軸(回転軸) ξ:研削砥石の回転軸(ζ軸)とはすば歯車の軸(Z
軸)の共通法線方向の軸 ζ:研削砥石の軸(回転軸) η:研削砥石の回転軸(ζ軸)及びξ軸と直行する方向
の軸 Rw:はすば歯車のピッチ円半径 Rc:研削砥石のピッチ円半径 γw:はすば歯車の進み角(90°−β) β:はすば歯車のねじれ角 γc:研削砥石の取り付け角ψ :Z軸回りの回転角Γ:インボリュート部の歯元の圧力角 rg:インボリュートの基礎円半径 δ:歯溝の中心線とインボリュートの基礎円とのなす角
先ず、図7に示すようなはすば歯車の歯形3が与えられ
たとき、Γの値を変えることにより得られる歯車歯形上
の任意の点に対応する砥石刃形を決定するためのはすば
歯車のZ軸回りの回転角パラメータψは近似的に数1に
示すような式(1)で与えられる。
【0030】
【数1】
【0031】式(1)において、砥石取り付け角(γ
c)の値が小さくなっていくと、φの値が求まらなくな
る。つまり、削り過ぎや削り残しが生じる干渉という現
象を起こす。歯形のインボリュート部の歯元側にいくに
したがって干渉が起きやすいという性質があるので、イ
ンボリュート部での最歯元のΓの値を用い、式(1)の
−AC=0の条件から干渉を起こす砥石取り付け角
の限界値(γc)が数2に示すような式(2)で決ま
る。
【0032】
【数2】
【0033】既に述べたように、同時接触線Kの広がり
が最小となるときは、歯先と歯元でZ軸座標値が同じで
あるから、数3で示すような式(3)が成り立ってい
る。
【0034】
【数3】
【0035】よって、同時接触線Kの広がりが最小とな
る最適砥石取り付け角(γc0)が満たすべき式は、式
(1)と式(3)の条件から数4で示すような式(4)
の形に書換えられる。
【0036】
【数4】
【0037】この式(4)によって求まる砥石取り付け
角(γc)の最小値である最適砥石取り付け角(γ
0)は干渉を起こす砥石取り付け角(γc1)との間に
γc0≧γc1の条件を満たしていなければならず、もし
これを満たしていない場合、あるいは式(4)の解その
ものが存在しない場合、最適砥石取り付け角(γc0
はγc0=γc1となる。
【0038】上記計算式によって求めた最適砥石取り付
け角(γc0)の一例を示すと表1のようになる。
【0039】
【表1】
【0040】表1からも分かるとおり、最適砥石の取り
付け角(γc0)はねじれ角(β)の10°に対して
0.85°前後小さくなっており、モジュール(m)が
大きくなるにしたがって僅かずつ小さくなっている。
【0041】以上に説明した解析結果を使用してはすば
歯車を研削する手順について、図8を参照しながら以下
に説明する。今、歯数(z)が20、はすば歯車のねじ
れ角(β)が20°、モジュール(m)が6のはすば歯
車11を砥石12で研削せんとするものとした場合、砥
石12の最適砥石取り付け角(γc)を表1から選ん
で18.213°とする。そして、砥石12の刃形輪郭
の形状設定も該砥石12の取り付け角が18.213°
であるものとして行う。すると、同時接触線KのZ軸方
向の広がりが小さくなって、該砥石12でクラウニング
等の修正加工を行った場合に歯形13の歯筋方向の両端
部の形状が適正な形状になる。尚、砥石12の刃形輪郭
の形状設定の一般的な方法は、本出願人の発表した精密
工学会誌(平成4年4月、第58巻、第4号の628頁
〜634頁)の学術論文にて公知である。
【0042】以上説明したように、本発明に係るはすば
歯車の研削方法では、該はすば歯車のねじれ角よりも僅
かに小さい砥石取り付け角とすることにより、適正なク
ラウニング等の修正加工ができるものとなる。
【0043】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の効果を
あげると以下のとおりである。はすば歯車を研削する場
合において、砥石の歯形に対する同時接触線の歯筋方向
の広がりが小さくなるので、クラウニング、レリービン
グの修正加工を行うときに歯筋方向の両端部の形状を一
層設計形状に近付けることができるものとなり、従来の
ような形状誤差が過大となる不具合が発生しない。
【0044】また、一工程の修正加工工程だけで適正な
クラウニングや、レリービング修正加工を行うことがで
き、研削工程のスピード化が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、はすば歯車を砥石で研削する場合の同
時接触線による歯丈方向の研削量の異なりを説明する図
であり、その中で(a)ははすば歯車の一部を拡大した
斜視図であり、(b)は(a)におけるZY平面の同時
接触線を示す特性曲線であり、(c)は(a)における
FGHI断面とF′G′H′I′断面を示す図である。
【図2】図2は、はすば歯車諸元の違いによる同時接触
線の広がりの違いを説明する特性曲線であり、(a)
は、歯数(z)を30とし、ねじれ角(β)を20°と
して、モジュール(m)がm=2、m=6、m=10の
時の同時接触線Kの歯筋方向(Z軸方向)の広がりを解
析した特性曲線図であり、(b)は、モジュール(m)
を6とし、ねじれ角(β)を20°として、歯数(z)
がz=20、z=30、z=40の時の同時接触線Kの
Z軸方向の広がりを解析した特性曲線図であり、(c)
はモジュール(m)を6とし、歯数(z)を30とし
て、ねじれ角(β)がβ=30°、β=20°、β=1
0°の時の同時接触線KのZ軸方向の広がりを解析した
特性曲線図である。
【図3】図3は、砥石のピッチ円半径(Rc)と同時接
触線KのZ軸方向の広がり(L)の関係をねじれ角
(β)がβ=30°、β=10°の場合について求めた
特性曲線である。
【図4】図4は、モジュール(m)をm=10とし、歯
数(z)をz=20とし、砥石のピッチ円半径(Rc)
をRc=100mmとした場合における砥石の取り付け
角(γc)と同時接触線KのZ軸方向の広がり(L)の
関係を、ねじれ角(β)がβ=30°、β=10°につ
いて求めた特性曲線である。
【図5】図5の(a)、(b)、(c)は、砥石の取り
付け角(γc)をねじれ角(β)付近から順次小さくし
た場合の同時接触線Kの変化の概略を示すものである。
【図6】図6は、砥石取り付け角(γc)と図5の(L
1−L3)及び(L2−L3)との関係を示す特性線図
である。
【図7】図7は、計算式を得るための歯形3の輪郭を表
すΓとδを示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例を示す概略平面図で
ある。
【図9】図9は、従来公知のはすば歯車の研削方法を示
す正面図である。
【図10】図10は、研削砥石の動きを示す側面図であ
る。
【図11】図11は、従来の研削方法によって研削され
た歯形の一例を示す図である。
【図12】図12は、歯形に形成されるクラウニングを
説明する図であり、縦軸に歯形の肉厚(D)をとり、横
軸に歯形の歯筋方向長さをとり、歯筋方向の肉厚の変化
を示した特性曲線である。
【図13】図13は、歯形に形成されるレリービングを
説明する図であり、縦軸に歯形の肉厚(D)をとり、横
軸に歯形の歯筋方向長さをとり、歯筋方向の肉厚の変化
を示した特性曲線である。
【図14】図14は、従来のクラウニング等の修正加工
方法の一例を説明するための図である。
【図15】図15は、従来のクラウニング等の修正加工
方法の他の例を説明するための図である。
【図16】図16は、従来のクラウニング等の修正加工
方法によって研削された歯形形状の一例を説明するため
の図である。
【符号の説明】
11 はすば歯車 12 砥石 13 歯形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−170643(JP,A) 実公 昭61−25946(JP,Y2) 精密工学会誌,平成4年4月,第58 巻,第4号,p628−634 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23F 1/00 - 23/12 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥石によってはすば歯車を成形研削するは
    すば歯車の成形研削方法において、研削されるはすば歯
    車のねじれ角をβとし、研削されるはすば歯車回転軸に
    対する研削砥石の取り付け角をγcとし、前記取り付け
    角(γc)を前記ねじれ角(β)よりも小さくした場合
    に、研削砥石がはすば歯車に接触する同時接触線のはす
    ば歯車の歯筋方向の広がりが最小となる研削砥石の最適
    取り付け角をγc としたとき、 γc=γc としてなることを特徴とするはすば歯車の成形研削方
    法。
JP04215586A 1992-07-20 1992-07-20 はすば歯車の成形研削方法 Expired - Fee Related JP3143628B2 (ja)

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精密工学会誌,平成4年4月,第58巻,第4号,p628−634

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