JP3137925B2

JP3137925B2 - 針組立体

Info

Publication number: JP3137925B2
Application number: JP09157047A
Authority: JP
Inventors: サンダー・サボ
Original assignee: Becton Dickinson and Co
Current assignee: Becton Dickinson and Co
Priority date: 1996-06-13
Filing date: 1997-06-13
Publication date: 2001-02-26
Anticipated expiration: 2017-06-13
Also published as: DE69711489T2; DE69711489D1; JPH1052492A; CA2207522C; US5913846A; EP0812597A2; AU2490597A; CA2207522A1; EP0812597B1; EP0812597A3; ES2175274T3

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、針の保護遮蔽体、
より具体的には、針のハブを有し且つ注射器、針ホル
ダ、又はその他の流体処理装置にて針を使用することを
許容する遮蔽組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術】医療技術において、各種の外科的処置の
ため、先端が尖った針が使用される。先端が尖った針を
有する装置は、患者に直接、又は血管内装置に流体を投
与するために使用され、また、注射器により、或いは、
負圧管用の特殊なホルダの何れかにより、血液を吸引す
る各種の用途に使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】血液に含まれる病原体
に露呈されることは、医療分野に携わる全ての人が認識
すべき危険性である。この認識の結果、針を使用するた
めの多数の基準（プロトコル）が開発され且つ広く実施
されている。血液に含まれる病原体が伝染するという問
題点は、その針を使用する医者、看護婦、又は瀉血医の
みならず、病院内で働く全ての者にも存する。今日使用
されている針の殆どは、一回だけ使用され且つ使い捨て
型であるから、例えば、洗濯、清掃等のために病院内で
働く者は、ユーザが適正に取り扱わない針による危険に
晒される。

【０００４】使用基準は、一般に、針を使用するとき、
及び使用方法、並びにその処分方法を詳細に定めてい
る。針を対象とする多くの基準に伴う問題点は、その基
準がユーザに対してその方法にて追加的なステップを為
すことを要求することが多いことである。時間的に差し
迫り、また、単に不注意のため、使用済みの針の取り扱
いに関する特定の方法が無視されて、傷付けることがあ
る。医療装置の業界では、医者の必要性を支援し、ま
た、針による傷付けの発生を少なくするため、各種の鋭
利物の回収装置、針遮蔽装置等を製造することにより、
この問題点に対応している。

【０００５】使用済みの針に関係者が露呈される危険性
を防止するため、使用後の針を遮蔽する多数の装置が開
発されている。こうした多数の装置の一例は、ホリスタ
ー（Ｈｏｌｌｉｓｔｅｒ）及びその他の者への米国特許
第４，９８２，８４２号に記載されている。ホリスター
及びその他の者への特許には、針組立体及び注射器の注
射端部と係合する雄型及び雌型端部を有する自立型のア
ダプタが開示されている。このホリスター及びその他の
者の装置は、アダプタに取り付けられたハウジングを備
えており、該ハウジングは、針を包み込み且つ針をハウ
ジング内に保持し得るように係止するため針と整合する
位置に回動することができる。このホリスター及びその
他の者の装置は、そのアダプタが取り付けられた装置の
使用不能な容積、即ち、「デッドスペース」の容積を増
大させ、また、針ハブの突き出す距離を増大させる追加
の部品を必要とする。また、その針を所期通りに使用す
るため、斜角位置が重要であるならば、ホリスター及び
その他の者への装置は、針ハブをそのホリスター及びそ
の他の者の装置に取り付けたとき、針の先端と慎重に整
合させなければならない。

【０００６】ジャンジュア（Ｊａｎｊｕａ）及びその他
の者への米国特許第５，２０７，６５３号には、針の幅
よりも広い幅の長手方向スリットを有する針キャップが
開示されている。このジャンジュア及びその他の者への
特許によれば、この針キャップは、針及びハブ部材と回
動可能に接続され得るようにされている。また、ジャン
ジュア及びその他の者への特許には、この針キャップ
が、注射器と共に、又は流体採取管用の針ホルダと共
に、使用可能であることも開示されている。このジャン
ジュア及びその他の者への特許に開示された装置は、枢
着ピンによって針ハブ上に取り付けられるが、この装置
は、一つの面内でしか回動しないため、組み立て中、針
の先端がハブに対して正確に方向決めされない限り、い
くつか用途にて、この遮蔽体が邪魔になる可能性があ
る。

【０００７】ホリスター及びその他の者、並びにジャン
ジュア及びその他の者への特許は、医者及び関係する者
を針の突き刺しから保護すべき認識された必要性を対象
とするものである。こうした装置も、程度の差はあって
も、幾つかの問題点が存する。こうした従来の装置の多
くは、多少、複雑であり、従って、保護されない装置よ
りも著しくコスト高となる。また、こうした従来の装置
の多くは、より複雑である、即ち、一つの処置法を行う
ときの困難性を増大させる。従来の装置の一部のもの
は、一つの処置法に専用的なものであり、このため、そ
の装置を別の処置法に使用することができない。上記及
びその他の同様の理由のため、ホリスター及びその他の
者及び約９０件の特許の背景部分に開示されたその装置
の殆どは、商業的に成功していない。

【０００８】血液の吸引は、針の先端の方向が特に重要
となる一つの用途である。殆どの瀉血医は、皮膚から離
れた状態にて針の先端を斜角面と慎重に整合させ、その
針の先端の位置が正確に制御されるようにする。ジャン
ジュア及びその他の者への特許に開示された針組立体
は、遮蔽体が邪魔になるため、使用し難くなり、又は製
造中に先端を慎重に方向決めする必要性のため、より高
価となる。更に、ジャンジュア及びその他の者への特許
において、キャップを針に沿った閉じた位置にて固着す
る必要性が認識されている一方、提案された解決策の全
ては、接着剤により、又はキャップを捩ることにより、
そのキャップを固着するといった追加的なステップを必
要とする。

【０００９】多くの遮蔽された針装置が既に存在する
が、製造が容易であり、多数の流体処理装置に適用可能
であり、簡単に、しかも直感的に使用し得る、遮蔽され
た針装置が依然として求められる。更に、この針装置
は、通常の使用方法の邪魔になるものであってはならな
い。かかる装置に関して以下に説明する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の遮蔽された針組
立体は、基端と、末端と、貫通路とを有する細長い針を
備えている。本発明の針組立体は、基端と、末端と、外
面とを有する針ハブを備えている。該針の基端は、針ハ
ブに形成された軸穴内に嵌入され且つ保持され、針の末
端は針ハブから末端方向に向けて軸方向に突き出してい
る。この針ハブの基端は、針ハブを流体処理装置上に取
り外し可能に取り付け得る形態とされている。本発明の
針組立体は、開口した基端と、末端と、該末端から該開
口した基端まで伸長する細長い開口部が形成された側壁
とを有する細長い遮蔽体を備えている。この遮蔽体は、
開放位置、即ち、針が細長い開口部を貫通して伸長する
ことにより使用可能に露呈される位置と、閉じた位置、
即ち、遮蔽体が針への接触を妨害する位置と、掛止め位
置、即ち、遮蔽体が開放位置まで誤って動くのが実質的
防止される位置との間で作用可能である。この遮蔽体
は、ヒンジを有する取り付け具により針ハブに取り付け
られる。この遮蔽体は、ヒンジを中心として偏心状に回
動可能に動くことにより開放位置と閉じた位置との間を
動くことができ、また、遮蔽体が取り付け具に関して軸
方向に動くことにより、閉じた位置と掛止め位置との間
を動くことができる。

【００１１】本発明の遮蔽された針組立体は、殆どの用
途にて一般的であるように流体処理装置を片手で保持す
る一方、操作者がその遮蔽体を掛止め位置、閉じた位
置、開放位置の間で直感的に操作することを可能にする
人間工学的な設計とされている。この掛止め位置は、針
が誤って露出されるのを略防止する。この遮蔽体が掛止
めされたとき、この遮蔽体は、該遮蔽体を針ハブ及び取
り付け具に関して末端方向に動かすことにより容易に且
つ直感的に解放される。非掛止め状態となった後、本発
明の遮蔽体は、回動させることにより容易に開放したり
閉じて、針を露出させ、また覆うことができる。閉じた
位置にあるとき、遮蔽体を取り付け具に関して単に基端
方向に動かすだけで、この遮蔽体を容易に再度、掛止め
することができる。開放したとき、遮蔽体は回動可能で
あり、また、該遮蔽体は、遮蔽体がハブを中心として回
転し、特定の処置法の略邪魔とならない位置になること
を可能にする取り付け具を備えることが好ましい。本発
明の遮蔽された針組立体は、針ハブを含むため、この針
組立体は、その針組立体が使用される流体処理装置又は
その処置方法の種類に殆ど制限がない。従来の装置と異
なり、本発明の遮蔽された針組立体は、流体処理装置の
デッドスペースの容積を増すことはない。本発明の遮蔽
された針組立体は簡単であり、標準的な非遮蔽状態の針
組立体よりも部品が２つ追加されるだけであり、従っ
て、製造が容易である。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明は、多数の異なる形態にて
具体化されるが、この開示は、本発明の原理の単に一例
にしか過ぎず、本発明を記載した実施の形態にのみ限定
することを意図するものではないという理解の下で、本
発明の好適な実施の形態を図面に図示し且つこれについ
て詳細に説明する。本発明の範囲は、請求の範囲及びそ
の均等物によって判断されるべきである。

【００１３】図１乃至図１５を参照すると、注射器１２
に取り付けた状態で示した本発明の好適な針組立体１０
は、細長い針１４を備えており、該細長い針は、基端１
６と、末端１８（好ましくは、尖った先端２０を有す
る）と、斜角面２１と、貫通路２２とを有している。針
組立体１０は、基端２６と、末端２８と、外面３０とを
有する針ハブ２４を備えている。該針ハブ２４は、針の
末端１８が軸方向外方に突き出した状態にて、針の基端
１６を受け入れ且つ保持する軸方向貫通穴３２を有して
いる。好ましくは、針ハブの基端２６は、注射器のよう
な流体処理装置への針組立体の取り付けを容易にする雌
型ルア接続具３４を有している。その他の用途の場合、
基端２６は、血液採取装置等への針組立体の取り付けを
容易にする雄ねじのような取り付け具を含むことができ
る。

【００１４】針組立体１０は、開口した基端３８と、好
ましくは閉じた末端４０と、側壁４２とを有し、細長い
開口部４４が末端４０から開口した端部３８まで伸長す
る、細長い遮蔽体３６を備えている。この遮蔽体３６
は、図１に示した掛止め位置と、図２に示した非掛止め
位置と、図３及び図４に示した開放位置との間にて作用
可能である。遮蔽体３６は、ヒンジ５０により遮蔽体を
針ハブ上に保持する働きをする取り付け具４６に取り付
けられ、図１及び図２に示すように、遮蔽体が取り付け
具に関して軸方向に動くことにより、該ヒンジは、閉じ
た位置と開放した位置との間、及び掛止め位置と閉じた
位置との間にて遮蔽体が中心がずれた状態で回動するこ
とを可能にする。取り付け具４６は、針ハブ２４の少な
くとも一部を受け入れる通路４８を有している。

【００１５】ヒンジ５０は、遮蔽体の基端の開口端部３
８から基端方向に向けて軸方向に突き出した２つのアー
ム５２を有することが好ましい。該２つのアーム５２の
各々が、外方に（好ましくは垂直方向に）伸長する合い
くぎ（ｐｅｇ）５４を有し、また、取り付け具４６は、
ヒンジ５０を形成し且つ遮蔽体３６を取り付け具４６に
取り付ける合いくぎ５４を受け入れ得る寸法とされ且つ
そのように配置された一対の細長のスロット５６を有し
ている。掛止め位置と非掛止め状態の閉じた位置との間
にて、遮蔽体３６が取り付け具４６に関して軸方向に動
くことは、合いくぎ５４がスロット５６内で軸方向に動
くことで略規定される。

【００１６】棚状突起６０（取り付け具４６上で内方に
突出している）とタブ５８（遮蔽体の開口した基端３８
上で外方に突出している）とが作用可能に係合し、或い
は、非係合状態となることにより、図５乃至図８に最も
良く示すように、針組立体１０は掛止めされ、また非掛
止め状態となる。遮蔽体３６が取り付け具に関して基端
位置にあるとき、タブ５８は、図６に最も良く示すよう
に、棚状突起６０に係合し、遮蔽体３５がヒンジ５０を
中心として開放位置まで回動するのを略防止する。これ
と逆に、針組立体１０は、遮蔽体３６が取り付け具４６
に関して末端方向に動くことで、図７及び図８に最も良
く示すように、非掛止め状態とされる。細長いスロット
５６の各々が、狭小の領域により形成された保持部５７
を備えることが好ましく、この保持部は、遮蔽体の閉じ
た位置及び掛止め位置に対応する位置の間を合いくぎ５
４が動くのを感触的に示す。該保持部５７は、遮蔽体が
閉じた位置（非掛止め位置）と掛止め位置との間にて誤
って動くのを略防止する。

【００１７】図８に示すように、タブ５８は、棚状突起
６０から非係合状態となるが、該棚状態突起から完全に
末端方向の位置とはならないことが好ましい。非掛止め
位置にて、棚状態突起に対するタブのこの好適な配置位
置の結果、遮蔽体３６がヒンジ５０を中心として図８に
示した閉じた位置（非掛止め位置）と図９に示した開放
位置（針が露出した位置）との間にて回動するとき、タ
ブ５８が棚状突起の周縁に接触し且つ該棚状突起を反ら
せる（棚状突起に突き当たる）。回動動作中、タブが棚
状突起に突き当たる結果、医者が配置した位置に遮蔽体
を維持したいときに使用できる僅かな拘束力が得られ
る。

【００１８】本発明の遮蔽された針組立体１０は、細長
い開口部４４の反対側にて側壁４２の上の遮蔽体３６の
基端位置に少なくとも１つの第一の外方突出部６２を有
することが好ましく、この突出部は、医者の指を受け
て、図６及び図７に示すように、遮蔽体３６が閉じた位
置と掛止め位置との間にて動き易くする。また、この第
一の突出部６２は、図４及び図９に示すように、遮蔽体
３６が開く程度を制限する働きもする。また、該針組立
体１０は、少なくとも１つ、好ましくは２つの第二の外
方突出部６６も有している。該外方突出部６６は、遮蔽
体３６の上で基端位置に配置され、開口部４４と同一側
の遮蔽体の側部から外方に突出している。また、第二の
外方突出部６６も、医者の指を受けて、図８及び図９に
示すように、遮蔽体が閉じた位置と開放位置との間にて
動き易くし得る位置に配置されている。また、針組立体
がある面上に置かれているとき、該第二の突出部６６
は、針及び遮蔽体をその休止面から持ち上がった位置に
保つレスト部としても機能する。

【００１９】図６に示すように、本発明の針組立体１０
が取り付けられた注射器を使用する準備をするとき、医
者は、第一の突出部６２に対し末端方向に指で圧力を加
えて、遮蔽体３６を掛止め位置から図７に示した閉じた
位置まで動かす。その後、図８に示したように、第二の
突出部６６に対して指で圧力を加えると、医者は、その
手を針の末端付近に配置することなく、遮蔽体３６を図
９に示した開放位置に向けて動かすことができる。医者
がこの針により処置を完了したならば、医者は、その手
を針の末端の先端に近い位置に置くことなく、その遮蔽
体を閉じ且つ掛止めすることができ、針に触れる可能性
を著しく少なくする。この遮蔽体を閉じるためには、医
者は最初にその指の圧力を突出部６２に加えて遮蔽体を
閉じ、その後、遮蔽体を取り付け具に関して基端方向に
動かすことにより、ラッチと係合させる。この針組立体
を非掛止め状態にし、開放し、使用し、且つその後に閉
じ、また、再度掛止め状態にし得ることは、病院での薬
剤の投与に特に有用である。本発明の針組立体が取り付
けられた注射器は、患者の処置法にあった投与量にて準
備し、その後、遮蔽体３６を閉じ且つ掛止め状態にする
ことができ、注射器を充填したり、注射器を供給し、又
は患者に処置を行う者が針に触れるのを略防止すること
ができる。処置現場にて、その後、遮蔽体を容易に非掛
止め状態にし、開放し且つその処置を完了させる。次
に、同様に、医者の手を末端の先端に近接する位置に配
置せずに、遮蔽体を片手で容易に再度閉じ且つ掛止めし
て、その施設の処分基準に従って処分することができ
る。

【００２０】図１０乃至図１５は、遮蔽体、取り付け
具、ヒンジ及びラッチの詳細を示す、平面図、部分断面
図及び端面図である。図１０乃至図１５には、取り付け
具４６が末端方向に突き出す出張り部６８を備えてお
り、この出張り部は、遮蔽体が閉じた位置又は掛止め位
置にあるとき、細長い開口部４４の基端部分４５内に嵌
まることにより、取り付け具４６に対する遮蔽体３６の
取り付け箇所を補強する。該出張り部６８は、取り付け
具においてスロット５６と反対側の位置に配置されてお
り、合いくぎ５４をスロット５６から離脱させる傾向と
なる偏心動作を著しく少なくする。

【００２１】針先端の斜角位置が重要ではない用途の場
合、接着剤、機械的な押し込み嵌め、機械的なスナップ
嵌め、溶剤接着等により取り付け具４６を針ハブ２４に
固定状態に取り付けることができる。図１乃至図１５に
示した実施の形態と代替的な実施の形態が図１６に図示
されている。この実施の形態においては、針ハブ及び取
り付け具は、針１４が固定状態に取り付けられた単一の
ユニット８０として一体に形成される。接着剤、インサ
ート成形、及び針を標準的な針ハブ内に接着するのに使
用されるその他の同様の方法により、針１４を固定状態
に取り付けてユニット８０とすることができる。取り付
け具及び針ハブを単一のユニット８０として形成する結
果、組立体における部品の数を少なくすることにより製
造上の利点が得られ、また、この方法は、針の斜角面の
方向決めを必要としない用途にも同様に適している。針
の斜角面の方向が重要である用途においては、針の斜角
面２１は、ユニット８０内に固定状態に取り付けるとき
に、半径方向に方向決めすることができる。しかしなが
ら、針を半径方向において方向決めしてユニット８０内
に嵌め込むことにより、製造工程に更なる制約が課され
る。部品の数を少なくすることで得られる効率と比較し
て特定の用途についてかかる制約を評価する必要があ
る。

【００２２】製造中、針をハブに関して方向決めするこ
とを不要にするための、本発明の針組立体のより好適な
実施の形態が図１７、図１８に図示されている。このよ
り好適な実施の形態において、取り付け具４６及び通路
４８は、図１７及び図１８に示すように、協働可能な溝
及び突起を有しており、取り付け具４６は、取り付け具
４６を針ハブ２４上に保持すべく通路４８の内面７２に
形成された溝７０を有している。一例として、針ハブ２
４は、取り付け具を該針ハブ上に配置したとき、溝７０
に係合し得る位置に配置された突起２５を有している。
ハブ上の突起と協働可能な位置に配置された溝を有する
針ハブは、図面の数を少なくするため、図示していない
が、本発明の範囲に包含されるものと見なす。協働可能
な溝及び突起を使用して、取り付け具４６を針ハブ２４
上に保持したとき、突起が溝と係合する結果、取り付け
具がハブ上に保持され且つ遮蔽体をハブを中心として環
状に回転させることが可能となる。

【００２３】遮蔽体をハブを中心として回転させ得る好
ましい機能の結果、医者は、その処置に所望の斜角面の
方向となるように針を回転させ、次に、邪魔にならない
ように開放した遮蔽体を回転させることができる。この
針の斜角面を方向決めし得ることは、瀉血過程にとって
特に重要なことである。それは、殆どの瀉血過程は、針
の斜角面２１が上を向いた状態で、針を小さい角度で患
者の血管内に挿入することを要求するからである。ま
た、溝７０は、ストッパ７１を有することが好ましく、
このストッパ７１は、取り付け具がハブを中心として完
全な一回転以下の角度で回転して、針組立体１０を流体
取り扱い装置に取り付け且つ取り外すべく回転可能にね
じ込み且つねじを緩めるのを容易にすることができる。

【００２４】瀉血過程に特に適した一つの代替的な実施
の形態が図１９、図２０の２０ａ及び２０ｂに図示され
ている。この実施の形態において、図１乃至図１７に図
示した本発明の実施の形態と同様の構造及び機能を有す
る要素が使用される。従って、略同様の機能を果たす略
同様の構成要素は、図１９、図２０の２０ａ及び２０ｂ
の構成要素を識別するために接尾辞「ａ」を付した点を
除いて、図１乃至図１７の実施の形態の構成要素と同一
の番号で表示する。針組立体１０ａは、遮蔽体３６ａ
と、取り付け具４６ａとを有している。この実施の形態
において、針１４ａは、末端の先端１７を有する末端部
分１５と、針を貫通する流れを遮断する流れ制御弁１９
とを備えている。針ハブ２４ａは、ハブ２４ａを針ホル
ダ９０内に取り付ける末端の雄ねじ２６ａを有してい
る。針ホルダ９０は、針の末端部分１５上に取り付けら
れ且つ流れ制御弁１９を変位させる負圧式の血液採取管
を挿入するのに有用である。図２０の２０ａ及び２９ｂ
を参照すると、ハブ２４ａ及び取り付け具４６ａの断面
図が図示されている。図２０の２０ａにおいて、取り付
け具４６ａは、針ハブ２４ａに関して１つの位置に示し
てある一方、図２０の２０ｂにおいて、取り付け具４６
ａは、針ハブ２４ａに関して略９０°回転した状態で示
してある。図２０の２０ａ及び２０ｂにおいて、ハブ２
４ａに関する取り付け具４６ａの回転を制御するストッ
パ７１ａも図示されている。

【００２５】本発明の遮蔽体、取り付け具及び針ハブ
は、熱可塑性樹脂、鋳造用樹脂等のような高分子材料で
形成することができる。適当な熱可塑性樹脂として、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン等
が含まれるが、これらにのみ限定されるものではない。
ポリプロピレン及びポリエチレンが好適な熱可塑性樹脂
である。ある用途の場合、透明さ及び堅固さが必要とさ
れる用途には、ポリカーボネート樹脂が好ましい。この
針組立体に使用するのに適した針は、ステンレス鋼で製
造することができる。針組立体１０において、針１４は
ハブ２４に固定状態に取り付けられる。針をハブに固定
状態に取り付けるのに適した方法は、接着剤により、及
びインサート成形により、針をハブ内に取り付けること
を含むが、これにのみ限定されるものではない。針１４
は、ハブ２４内に接着剤で接着することが好ましい。

【００２６】本発明の遮蔽された針組立体は、製造及び
使用が簡単である。この針組立体は、医者がその手を針
の末端の先端付近に、又はその末端の先端を越える位置
に略配置せずに、針を再度遮蔽し、その遮蔽体を掛止め
することを可能にし、これにより、医者が使用後の針を
覆うことを忘れずに行い得るようにする。尖った針が日
常的に使用される臨床現場において、本発明の遮蔽され
た針組立体を使用することは、その針を使用する医者及
び使用後の針に触れる可能性のある関係者の双方が非遮
蔽状態の針に露呈される危険性を少なくするのに効果的
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】遮蔽体が掛止め位置にあり、注射器上に取り付
けられた本発明の遮蔽された針組立体の斜視図である。

【図２】遮蔽体が閉じた位置にあるときの図１の針組立
体の斜視図である。

【図３】遮蔽体の一部が開放したときの図１の針組立体
の斜視図である。

【図４】針が完全に露出されたときの図１の針組立体の
斜視図である。

【図５】本発明の遮蔽された針組立体の部分分解斜視図
である。

【図６】遮蔽体が掛止め位置にあるときの本発明の遮蔽
された針組立体の概略図的な側面図である。

【図７】遮蔽体が閉じた位置にあるときの、図６と同様
の本発明の遮蔽された針組立体の概略図的な側面図であ
る。

【図８】遮蔽体が閉じた位置にあり、開放位置に動かす
準備ができた、図６と同様の本発明の遮蔽された針組立
体の概略図的な側面図である。

【図９】遮蔽体が開放位置にあり、針が完全に露出され
たときの、図６と同様の本発明の遮蔽された針組立体の
概略図的な側面図である。

【図１０】図５の線１０−１０に沿った遮蔽部分の断面
図である。

【図１１】図５の線１１−１１に沿った、針、ハブ及び
取り付け具の断面図である。

【図１２】図５に示した遮蔽体の平面図である。

【図１３】図５に示した針、ハブ及び取り付け具の平面
図である。

【図１４】図５に示した遮蔽体の基端面図である。

【図１５】図５に示した針、ハブ及び取り付け具の末端
面図である。

【図１６】本発明の組立体の針、ハブ及び取り付け具の
一実施の形態の部分断面図である。

【図１７】本発明の針組立体のより好適な実施の形態の
部分分解斜視図である。

【図１８】図１７に示した本発明の針組立体の針、ハブ
及び取り付け具の部分断面図である。

【図１９】針ホルダ上に使用されるときの本発明の針、
ハブ及び取り付け具の一実施の形態の部分分解斜視図で
ある。

【図２０】２０ａは、図１９の線２０−２０に沿った本
発明のハブ部分の断面図である。２０ｂは、静止した針
の周りで約９０°回転させた図２０のハブ部分の別の図
である。

【符号の説明】

１０針組立体１２注射器１４針１６針の基端１８針の先端２０針の尖った先
端２１針の斜角面２２針の貫通路２４針ハブ２５突起２６針ハブの基端２８針ハブの末端３０針ハブの外面３２針ハブの貫通
路３４雌型ルア接続具３６遮蔽体３８遮蔽体の基端４０針組立体の末
端４２針組立体の側壁４４開口部４５開口部の基端部分４６取り付け具４８通路５０ヒンジ５２アーム５４合いくぎ５６スロット５７保持部５８保持具６０棚状突起６２第一の外方突出部６６第二の外方突
出部６８出張り部７０溝８０単一のユニット９０針ホルダ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 595117091 １ＢＥＣＴＯＮＤＲＩＶＥ，ＦＲＡＮＫＬＩＮＬＡＫＥＳ，ＮＥＷＪＥＲＳＥＹ 07417−1880，ＵＮＩＴＥＤＳＴＡＴＥＳＯＦＡＭＥＲＩＣＡ (56)参考文献特開平８−107933（ＪＰ，Ａ) 米国特許5462534（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61M 5/32

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】針組立体にして、基端と、末端と、貫通路とを有する細長い針と、基端と、末端と、外面とを有する針ハブであって、前記
針の前記末端が末端方向に向けて軸方向に突き出す状態
にて、前記針の前記基端を末端にて受け入れ且つ保持し
得るように貫通した軸方向開口部を有し、該針ハブを流
体処理装置上に解放可能に取り付ける手段を基端に備え
た針ハブと、開口した基端と、末端と、該末端から該
基端まで伸長する細長い開口部を有する側壁とを備える
遮蔽体であって、前記針が前記細長い開口部を通過する
ことにより使用可能に露出される開放位置と、当該遮蔽
体が前記針へのアクセスを略妨害する閉じた位置と、前
記遮蔽体が前記開放位置まで誤って動くのが略防止され
る掛止め位置との間にて作用可能である遮蔽体と、前記遮蔽体を前記針ハブ上に保持する取り付け具を有す
るヒンジ手段であって、前記取り付け具が、前記針ハブ
の少なくとも一部を受け入れる寸法及び形状とされた軸
方向の貫通開口部を有し、該遮蔽体は、前記取り付け具
に関して軸方向に動くことにより、前記閉じた位置と前
記掛止め位置との間を可動であり、且つ同閉じた位置に
おいて、前記ヒンジ手段を中心として回動することによ
り、前記開放位置と、前記針を覆う閉じた位置との間を
可動であり、前記ヒンジ手段が、前記遮蔽体の基端から基端方向に向
けて軸方向に突出している２つのアームを備え、該アー
ムの各々が、垂直方向に伸長する合いくぎを有し、前記
取り付け具が、前記合いくぎを受け入れる寸法及び位置
に配置された一対の細長いスロットを有し、これによ
り、枢着点を形成し且つ該遮蔽体を前記取り付け具に取
り付け、前記遮蔽体が前記取り付け具に関して軸方向に
動くことにより掛止めされ及び非掛止め状態とされ、前記取り付け具が、前記遮蔽体が前記閉じた位置から前
記掛止め位置まで基端方向に駆動されるとき、前記遮蔽
体を解放可能に掛止めする作用可能なラッチ手段を更に
備え、前記作用可能なラッチ手段が、前記遮蔽体の基端上で外
方に突出した少なくとも１つのタブと、前記取り付け具
に設けられた少なくとも１つの棚状突起とを含み、該タ
ブ及び該棚状突起が、前記遮蔽体が前記掛止め位置にあ
るとき、解放可能に係合する位置に配置され、前記遮蔽
体が前記開放位置まで回動するのを防止する働きをし、
前記タブ及び前記棚状突起が、前記遮蔽体が前記閉じた
位置にあるとき、非係合状態となる位置に配置され、こ
れにより、前記遮蔽体が前記閉じた位置と前記開放位置
との間にて回動するのを許容するようにした、針組立
体。
【請求項２】請求項１に記載の針組立体にして、前記
細長いスロットの各々が、前記遮蔽体の前記閉じた位置
及び前記掛止め位置に対応する位置にて、前記合いくぎ
を前記細長いスロット内に解放可能に保持する保持部を
有する、針組立体。
【請求項３】請求項１に記載の針組立体にして、前記
取り付け具が、前記遮蔽体が前記閉じた位置及び前記係
止位置にあるとき、前記細長い開口部の基端部分内に嵌
まり得るように配置された、末端方向に突き出す出張り
部を更に備え、該出張り部が、前記取り付け具に対する
前記遮蔽体の取り付け箇所を略補強する、針組立体。
【請求項４】請求項１に記載の針組立体にして、前記
取り付け具を前記ハブに対して保持する前記手段が、前
記取り付け具を前記針ハブに固定状態に取り付け、該保
持手段が、接着剤による接着、前記開口部と前記ハブと
の間の機械的な締まり嵌め、溶剤による接着、熱溶着及
び機械的なスナップ嵌めから成る群から選択される、針
組立体。
【請求項５】請求項１に記載の針組立体にして、前記
取り付け具を前記針ハブに保持する前記手段が、前記取
り付け具の軸方向開口部の内面に設けられた環状溝と、
前記針ハブの前記部分に設けられた外方突起であって、
前記針ハブの前記部分が前記開口部内に配置されたと
き、前記溝に係合する寸法及び配置とされた前記外方突
起とを含み、前記突起と前記溝との前記係合により、前
記取り付け具が前記ハブ上に保持され且つ前記取り付け
具が前記ハブの周りで環状に回転するのを許容するよう
にした、針組立体。
【請求項６】請求項１に記載の針組立体にして、前記
取り付け具を前記針ハブに対して保持する前記手段が、
前記針ハブの外面に形成された環状の溝と、前記取り付
け具の前記軸方向開口部の内面に設けられた突起であっ
て、前記針ハブの前記部分が前記開口部内に配置された
とき、前記溝に係合する寸法及び配置とされた前記突起
とを含み、前記突起と前記溝との前記係合により、前記
取り付け具が前記ハブ上に保持され且つ前記取り付け具
が前記ハブの周りで環状に回転するのを許容するように
した、針組立体。