JP3136869B2 - サンドイッチ構造材 - Google Patents

サンドイッチ構造材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサンドイッチ構造材に関
し、さらに詳しくは、航空機の床材や内装材のような構
造材として好適なサンドイッチ構造材に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星や航空機のような飛翔体の分野
では、それらの構造材料を軽量化することに基づく省エ
ネルギー効果が顕著である。とくに民間航空機の場合
は、就航回数が多く、飛行距離も長いので、その構造材
料を軽量化することによって、燃費節約を図ることが追
求されている。
【0003】航空機の構造材料のうち、床材や内装材な
どは航空機の全面に使用されており、その使用面積はか
なり広く、また使用重量もかなり重くなる。上記した床
材や内装材のような構造材料としては、従来から、たと
えば、ハニカム構造体を芯材とし、その両面にガラス繊
維強化樹脂板を表皮材として接着したサンドイッチ構造
材が主として使用されてきた。
【0004】このサンドイッチ構造材の場合、とくに床
材として使用したときは、曲げ強さ、曲げ剛性、耐貫通
性、バーンスルー性などの特性に優れていることが要求
される。とりわけ、航空機の安全確保という点からいう
と、耐貫通性とバーンスルー性に優れていることが必要
とされている。たとえば、耐貫通性に劣るサンドイッチ
構造材を床材に用いた場合には、つぎのような事故を招
くこともある。
【0005】すなわち、高空を飛行中の民間航空機で
は、客室は予圧室として加圧状態にあり、客室の下部に
位置する貨物室は加圧状態になっていないので、仮に耐
貫通性があまり優れていない床材である場合には、たと
えば女性のハイヒールの踵のような鋭利な部材によって
表皮材に穴などがあくと、客室側の圧力で貨物室側の表
皮材が芯材から剥離して、床材の破壊が進んでしまう。
そして、床材の破壊が進むと、客室側の空気が貨物室側
に急激な勢いで流れ込み、床を支えている桁材も破壊さ
れて航空機全体の機能が停止するようなことも起こるか
らである。
【0006】また、バーンスルー性とは、航空機の内部
または外部で発生した火災に対し、床材や内装材が、一
定の時間、炎を遮断してその拡大を抑制する性質を示す
特性であり、通常、カバーファクターの大小で判定され
ている。ここで、カバーファクターとは、表皮材である
繊維強化樹脂板において面積S 1 の領域を設定したとき
に、その面積S1 と当該領域内に存在する強化繊維材以
外の部分が占める面積S2 とから、次式: Cf(%)=[(S1 −S2 )/S1 ]×100 に基づいて算出される値のことをいう。
【0007】たとえば、強化繊維材がたて糸とよこ糸を
製織した織物である場合、たて糸とよこ糸の交錯部に形
成される空隙部、すなわち目抜き部の面積を領域S1
で総和した値が、上記した面積S2 になる。このCf値
が大きくなると、強化繊維材における上記空隙部は少な
くなるので、その表皮材は、炎の吹き抜けに対する抵抗
が大きくなりバーンスルー性は向上する。そしてCf値
が小さい表皮材の場合は、上記空隙部が多くなってい
て、そこからの炎の吹き抜けは容易になるので、バーン
スルー性は低くなる。
【0008】ガラス繊維強化樹脂板を表皮材とする従来
のサンドイッチ構造材の場合、ガラス繊維の融点は低
く、たとえば表皮材が接炎するとガラス繊維は短時間で
溶融してしまうのでバーンスルー性は劣悪である。ま
た、ガラス繊維の比重は、約2.56と大きく、しかも弾
性率が小さいので、サンドイッチ構造材の実使用時にお
ける所定の剛性を満たすためには、表皮材の厚みを厚く
することが必要になる。しかし、表皮材の厚みを厚くす
る場合は、ガラス繊維の使用量も増量することが必要に
なるので、結果として、表皮材全体は重いものになって
しまう。
【0009】ところで、最近は、床材や内装材などとし
て用いるサンドイッチ構造材の軽量化を図るために、表
皮材である繊維強化樹脂板の強化繊維材として、炭素繊
維織物を使用することが行われている。その場合、表皮
材のバーンスルー性を向上させるため、すなわち、炭素
繊維織物のCf値を大きくするとともに繊維強化樹脂板
の強度を高めるために、炭素繊維織物としては、通常、
細い炭素繊維糸を高密度に製織したものが使用されてい
る。
【0010】この表皮材の場合、炭素繊維は、その比重
が1.75程度であって、前記したガラス繊維に比べて軽
量である。そして、曲げ強さや曲げ剛性などの機械的特
性は、表皮材として要求される特性を充分に満たすこと
ができるので、この機械的特性との関係のみを考えれ
ば、表皮材の厚みを薄くしても不都合ではない。しかし
ながら、耐貫通性の確保という点からすると、表皮材の
厚みをあまり薄くすることはできない。したがって、結
果的には、表皮材の厚みを厚くせざるを得ないため、顕
著な軽量化は達成されていない。
【0011】また、この表皮材に火炎を当てると、炭素
繊維は存在せずマトリクス樹脂のみが存在する個所、す
なわち目抜き部から、まず、わずかではあるが、炎が吹
き抜ける。そして、時間の経過とともに、目抜き部近傍
に位置する炭素繊維の酸化消耗が進んで、当初は小さか
った吹き抜け穴が大きくなり、そこから炎は高く立ち上
がる。
【0012】しかも、強化繊維材が、上記した細い炭素
繊維糸の高密度織物である場合、その織物は単位面積当
りの目抜き部の個数が多い、すなわち、隣接する目抜き
部間の間隔が狭いので、各目抜き部から吹き抜けた炎が
短時間のうちに集合して大きな炎になり、高く立ち上が
るという事態が発生しやすい。また、複数枚の織物を互
いの繊維配向が同一方向となるように重ねてなる表皮材
や、複数枚の織物を互いの繊維配向が0°/90°と+
45°/−45°となるように重ねてなる、機械的特性
が疑似等方性の表皮材の場合であっても、元来、各織物
における目抜き部の個数は多いので、各織物を重ねたと
きに、目抜き部が重なりあう頻度と重なりあう面積も大
きくなり、前記した場合と同様に、目抜き部から吹き抜
けた小さな炎は短時間で集合して大きな炎になりやす
い。
【0013】さらに、マトリクス樹脂と複合する炭素繊
維織物が、細い炭素繊維糸を高密度に製織したものであ
ると、織物の表面が織糸の屈曲によって凹凸面になって
いるため、得られた表皮材もまた、その表面が凹凸面に
なるという問題があり、また、織糸そのものも高価であ
るため、サンドイッチ構造材それ自体も高価になるとい
う問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のサン
ドイッチ構造材における上記した問題を解決し、全体と
して軽量で、耐貫通性とバーンスルー性に優れ、表面が
平滑で、かつ、安価に製造することができるサンドイッ
チ構造材の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、芯材の両面に、強化繊維材
とマトリクス樹脂とからなる繊維強化樹脂板を接着した
構造のサンドイッチ構造材において、前記強化繊維材
は、引張弾性率が20×103kgf/mm2以上で、かつ、
破壊ひずみエネルギーが4.0mm・kgf/mm3以上である
炭素繊維からなることを特徴とするサンドイッチ構造
材が提供される。
【0016】
【実施態様】以下に、本発明のサンドイッチ構造材の例
を図面に則して詳細に説明する。図1は、サンドイッチ
構造材Aを示す一部切欠斜視図である。図において、ハ
ニカム構造体である芯材1の両面には、表皮材が接着さ
れており、各表皮材は複数枚(図1では2枚)の強化繊
維材5a,5bを積層した繊維強化樹脂板になってい
る。
【0017】芯材1は、サンドイッチ構造材全体の軽量
化を図るとともに機械的強度を確保するということから
すると、その密度は0.017〜0.17g/cm3 であるこ
とが好ましい。密度が0.017g/cm3 より小さいもの
は、その機械的強度が低くなって、得られたサンドイッ
チ構造体は座屈を起こしやすくなり、構造材の芯材とし
ての機能を充分に発揮することができず、また、0.17
g/cm3 より大きいものを用いると、全体の重量が重く
なって軽量化の意図に反するようになるからである。
【0018】芯材1としては、図示したハニカム構造体
の外に、プラスチック発泡体を使用してもよい。サンド
イッチ構造材を航空機の内装材として用いる場合には、
芯材1がアルミニウムのハニカム構造体であると、芯材
1は不燃性であるので好適である。また、アラミド繊維
紙のハニカムにたとえばフェノール樹脂を含浸したハニ
カム構造体や、たとえばフェノール樹脂を発泡させたフ
ェノールフォームなどは、いずれも自己消炎性、難燃性
であるため、芯材1として好適である。
【0019】つぎに、表皮材2について説明する。表皮
材2は、強化繊維材が炭素繊維糸からなり、その強化繊
維材とマトリクス樹脂とを複合した繊維強化樹脂板であ
る。この繊維強化樹脂板を構成するマトリクス樹脂とし
ては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂のような熱硬
化性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンサ
ルフィド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテル
樹脂、ABS樹脂、アセタール樹脂のような熱可塑性樹
脂などをあげることができる。
【0020】これらマトリクス樹脂には、たとえば、リ
ン酸エステル、ハロゲン化炭化水素、酸化アンチモンや
ホウ酸亜鉛、含リンポリオール、含臭素ポリオール、四
塩化無水フタル酸、四臭化無水フタル酸のような公知の
難燃剤を配合して難燃性を付与してもよい。その場合、
マトリクス樹脂の燃焼時に、これら難燃剤から人体に有
害なガス成分を発生することもあるので、難燃剤の配合
量は適量に制限すべきである。
【0021】上記したマトリクス樹脂のうち、フェノー
ル樹脂は、難燃剤を配合しなくても優れた難燃性を備え
ており、燃焼時における発生ガス量が少なく、また、炭
化率が高いので燃焼後にあっては炭化物として残り、そ
れが炎を遮断する働きを発揮するので好適である。この
繊維強化樹脂板において、マトリクス樹脂の複合割合は
35〜65重量%になっていることが好ましい。この割
合が35重量%より少ない場合は強化繊維材の割合が6
5重量%より多くなり、また、65重量%より多い場合
は強化繊維材の割合が35重量%より少なくなり、いず
れの場合であっても、繊維と樹脂との複合化に伴う強度
向上が不充分になるからである。
【0022】つぎに、強化繊維材として用いる炭素繊維
糸としては、PAN系の炭素繊維糸や、ピッチ系の炭素
繊維糸などのいずれであってもよいが、下記の特性を有
する高靱性炭素繊維糸が使用される。すなわち、JIS
R7601に準拠して測定される引張弾性率(E:kg
f/mm 2 )が20×103 kgf/mm2 以上であり、かつ、破
壊ひずみエネルギー(W:mm・kgf/mm3 )が4.0mm・kg
f/mm3 以上の炭素繊維糸である。
【0023】なお、ここで、破壊ひずみエネルギーと
は、JIS R7601に準拠して測定したときの引張
強度(σ:kgf/mm2 )と、上記したE値とを用いて、次
式:W=σ2 /2Eに基づいて算出される値のことをい
う。Eが20×103 kgf/mm2 より小さい炭素繊維糸を
用いて表皮材を製造した場合、表皮材に適正な耐貫通性
と機械的強度付与するためには、炭素繊維糸を比較的多
量に複合することが必要となり、その結果、表皮材の重
量は重くなり、軽量化の目的に反するようになる。
【0024】また、破壊ひずみエネルギーが4.0mm・kg
f/mm3 より低い炭素繊維糸を用いて製造された表皮材に
おいては、その表皮材に外部から衝撃が加わったとき、
衝撃個所近辺の芯材の圧壊が起こるとともに、表皮材に
複合されている炭素繊維糸それ自体も切断されやすく、
そのため、低い衝撃エネルギーが加わった場合であって
も、表皮材に穴があきやすくなる。
【0025】なお、上記した炭素繊維糸としては、単糸
径が4〜10μmのマルチフィラメントが使用される。
本発明の強化繊維材の1例を、図2に斜視図として示
す。この強化繊維材Bは、よこ糸3a、たて糸3bとし
て炭素繊維扁平糸を用いて、これらを製織した織物であ
る。
【0026】この織物では、よこ糸3aとたて糸3bの
交錯部に目抜き部4が形成される。本発明においては、
この目抜き部4の個数が、織物1m2 当り400〜60
000個であり、かつ、前記したCf値が95%以上で
ある織物を用いることが好ましい。単位面積(1m2
当りの目抜き部4の個数が少ない織物は、隣接する目抜
き部相互間の間隔が大きいので、表皮材が接炎したとき
に、個々の目抜き部から吹き抜けた炎が集合して大きな
炎に成長するまでに要する時間は長くなり、バーンスル
ー性は向上する。
【0027】しかしながら、目抜き部4の個数が少なす
ぎると、その織物は剪断変形に対する自由度が小さくな
り、表皮材の製造時において、この織物に樹脂含浸して
なるプリプレグをたとえば曲面に沿って成形する際に、
成形体の表面に皺などが発生するようになる。このよう
なことから、織物における目抜き部4の個数は400個
/m2 以上にすることが好ましい。
【0028】また、目抜き部4の個数が多すぎる場合
は、隣接する目抜き部相互間の間隔は狭くなるため、目
抜き部を吹き抜けた炎は短時間で集合して大きな炎に成
長しやすく、表皮材のバーンスルー性は低下する。した
がって、目抜き部4の個数は60,000個/m2 以下
にすることが好ましい。さらに、用いる織物において
は、Cf値が小さい織物では、1個当りの目抜き部面積
が大きいので、その目抜き部を埋めている樹脂が燃焼し
て目抜き部から吹き抜け、大きな炎に成長する時間は短
くなる。そのため、本発明で用いる織物におけるCf値
は、95%以上になっていることが好ましい。
【0029】図2で示した炭素繊維扁平糸を製織した織
物としては、具体的には、撚りがなく、繊度3,000
〜20,000デニール、糸幅4〜16mm、糸幅/糸厚
みの比30以上の扁平糸を、糸幅の1.0〜1.3倍のピッ
チで製織してなり、目付けが100〜300g/m2
厚みが0.1〜0.4mmの織物をあげることができる。この
織物の場合、製織に用いる炭素繊維糸は、撚りがなく、
糸幅が太く、糸幅/糸厚みの比が30以上であるため、
目抜き部4の単位面積(1m2 )当りの個数を400〜
60,000個/m2 にすることができ、バーンスルー
性、耐貫通性、成形性のいずれもが良好である。
【0030】また、糸幅の1.0〜1.3倍のピッチで製織
されているので、そのCf値は95〜99.5%の範囲内
にあり、バーンスルー性に富む。さらには、この織物は
厚みが0.1〜0.4mmの扁平糸で製織されているので、織
物表面には織糸の屈曲に基づく凹凸はあまり発生しな
い。また、目付けも100〜300g/m2 と小さい。
したがって、この織物を用いて製造した表皮材は、表面
が平滑でしかも軽量である。さらに、用いる炭素繊維糸
は太いので安価に製造することができ、最終のサンドイ
ッチ構造材も安価になる。
【0031】図2で示した織物は、たとえば、つぎのよ
うにして製織することができる。すなわち、扁平糸から
なるよこ糸が巻回されているよこ糸ボビンからよこ糸を
横取り解舒し、ガイドローラによってそのよこ糸をよこ
糸供給装置位置で水平方向に位置決めするとともに、前
記よこ糸ボビンとガイドローラとの間で、たて糸に対す
る1回のよこ糸供給に必要な長さのよこ糸を保留しつ
つ、緊張下においてよこ糸を供給する。一方、扁平糸か
らなるたて糸が巻回されている複数錘のたて糸ボビンの
それぞれからたて糸を横取り解舒し、これら複数本のた
て糸を、コームを用いて、たて糸の扁平面がコームのワ
イヤ以外には接触しないようにしながら所望密度に引き
揃え、それぞれのたて糸の扁平面を水平方向に変換して
綜絖に導くことによって製織される。
【0032】このようにして製織された織物の場合は、
たて糸およびよこ糸に撚りははいらず、たて糸およびよ
こ糸の扁平状態は保持され、糸幅や糸厚みなどの糸形状
もほとんど変化しない。図1で示したサンドイッチ構造
材は、たとえば、つぎのようにして製造することができ
る。
【0033】まず、図2で示したような炭素繊維扁平糸
の織物を、マトリクス樹脂をたとえばメタノールのよう
な溶媒で希釈してなる樹脂液に浸漬して織物に樹脂含浸
を行う。ついで、織物を取り出し、溶媒を乾燥除去し
て、所定量の樹脂が付着している織物プリプレグを調製
する。得られた織物プリプレグの所望枚数を積層し、そ
の上に所望形状に加工した芯材を起き、さらに、その芯
材の上に所望枚数の上記織物プリプレグを載せたのち、
全体をオートクレーブ中にセットし、所定の温度、所定
の圧力で熱圧処理することにより、マトリクス樹脂を硬
化して表皮材を形成するとともに、その表皮材と芯材と
を接着する。
【0034】上記した実施態様においては、表皮材であ
る繊維強化樹脂板における強化繊維材が炭素繊維扁平糸
の織物であるが、本発明の強化繊維材はこれに限定され
るものではなく、たとえば、前記した引張弾性率と破壊
ひずみエネルギーを有する炭素繊維糸を一方向に並行に
引き揃えた一方向材や織物であってもよい。表皮材が、
複数枚の強化繊維材を積層した繊維強化樹脂板である場
合には、表皮材における強化繊維がいずれも同一方向に
揃うように配列されていてもよく、また、各表皮材にお
ける強化繊維を、相互に、0°/90°と+45°/−
45°に配列して、表皮材全体が疑似等方性を示すよう
に積層してもよい。
【0035】その場合、図1における表皮材2における
強化繊維材5b,5bの強化繊維は、図の矢印p方向に
対し0°/90°方向に配向させ、また強化繊維材5
a,5aは、矢印p方向に対し+45°/−45°方向
に配向させたものを、芯材1に対して鏡面対称に配置す
ることが好ましい。また、図2で示した炭素繊維扁平糸
織物と通常の炭素繊維織物とを積層して表皮材にしても
よい。その場合、前者の表皮材を最外層に配置すると表
皮材全体の表面は平滑面になり、必要に応じては、そこ
に塗装を施したり、他のフィルムを貼着したりして意匠
性を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
サンドイッチ構造材は、軽量であり、耐貫通性とバーン
スルー性のいずれもが優れていて、航空機の床材や内装
材として有用である。これは、表皮材を構成する強化繊
維材として、引張弾性率が20×103 kgf/cm2 以上
で、かつ、破壊ひずみエネルギーが4.0mm・kgf/mm3
上である炭素繊維糸を用いたことがもたらす効果であ
る。とくに、強化繊維材として織物を用いたときに、そ
の織物における目抜き部の個数を400〜60,000
個/m2 とし、かつ、カバーファクター(Cf)を95
%以上にしたことがもたらす効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す一部切欠斜視図であ
る。
【図2】本発明のサンドイッチ構造材の表皮材における
強化繊維材の1例を示す炭素繊維扁平糸織物の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 ハニカム構造体(芯材) 2 表皮材 3a 炭素繊維扁平糸からなるよこ糸 3b 炭素繊維扁平糸からなるたて糸 4 目抜き部 5a,5b 強化繊維材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の両面に、強化繊維材とマトリクス
    樹脂とからなる繊維強化樹脂板を接着してなるサンドイ
    ッチ構造材において、前記強化繊維材は、引張弾性率が
    20×103kgf/mm2以上で、かつ、破壊ひずみエネル
    ギーが4.0mm・kgf/mm3以上である炭素繊維からな
    ることを特徴とするサンドイッチ構造材。
  2. 【請求項2】 前記強化繊維材は炭素繊維織物を含み、
    かつ、その炭素繊維織物は、目抜き部の個数が1m2
    り400〜60,000個であり、カバーファクターが
    95%以上である、請求項1のサンドイッチ構造材。
  3. 【請求項3】 前記芯材が、不燃性もしくは難燃性の、
    プラスチック発泡体またはハニカム構造体である、請求
    項1のサンドイッチ構造材。
  4. 【請求項4】 前記マトリクス樹脂がフェノール樹脂で
    ある、請求項1のサンドイッチ構造材。
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