JP3136718B2 - ポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル組成物に関
し、さらに詳しくはジビニルベンゼン・エチルビニルベ
ンゼン共重合体および酸化ジルコニウム粒子を含有して
なるポリエステル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートは優れた力学特性、化学特性を有し
ており、フィルム、繊維などの成形品として広く用いら
れている。
【0003】しかしながら、ポリエステルは成形品に加
工する際に滑り性不足のため生産性が低下するという問
題があった。このような問題を改善する方法として、従
来よりポリエステル中に不活性粒子を分散せしめ、成形
品の表面に凹凸を付与する方法が行なわれている(例え
ば、特開昭52−86471号公報、特開昭59−17
1623号公報など)。これらの方法は滑り性の問題解
決には有効であるが、成形品とした場合には耐摩耗性、
耐スクラッチ性を満足すべきレベルとすることができな
い。
【0004】成形品、例えば磁気テープ用フィルムの耐
摩耗性が低い場合、磁気テープの製造工程中にフィルム
の摩耗粉が発生しやすくなり、磁性層を塗布する工程で
塗布抜けが生じ、その結果、磁気記録の抜け(ドロップ
・アウト)などを引き起こす。また、磁気テープを使用
する際は多くの場合、記録、再生機器などと接触しなが
ら走行させるため、接触時に生じる摩耗粉が磁性体上に
付着し、記録、再生時に磁気記録の抜け(ドロップ・ア
ウト)を生じる。
【0005】また成形品、例えば磁気テープ用フィルム
の耐スクラッチ性が低い場合、磁気テープの製造工程中
で異物が発生し、容易にフィルム表面上に傷を作り、そ
の結果、磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)などを引
き起こしたり、磁気テープ高速走行使用時にフィルム表
面に容易に傷を作る。
【0006】すなわち、磁気テープ用フィルムは、その
製造工程中および磁気テープとして使用する場合のいず
れにおいても、滑り性、耐摩耗性および耐スクラッチ性
を有することが必要である。
【0007】耐摩耗性を向上させるための手法として微
細な粒子を含有させる方法があり、例えば炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、コロイド状シリカなどの不活性無機粒
子の1種または2種以上(大粒子と小粒子の組み合わ
せ)を添加したり、架橋ポリマ粒子などの有機粒子を添
加することが従来から行なわれている。しかし、フィル
ム性能に対する要求水準が高まっている現状において
は、前記した相反する特性を同時に満足するためにフィ
ルム表面に求められる性能はより高度化しており、未だ
満足な結果が得られないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記し
た従来技術の欠点を解消することにあり、特にフィルム
とした場合、滑り性、耐摩耗性、耐スクラッチ性のすべ
てに優れたポリエステル組成物を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、芳香族ジカルボン酸を主とする二官能性酸成分と少
なくとも一種のグリコール成分よりなるポリエステル
と、平均粒径0.01〜5μmのジビニルベンゼン・エ
チルビニルベンゼン共重合体粒子、および平均粒径0.
005〜3μmの酸化ジルコニウム粒子とからなること
を特徴とするポリエステル組成物によって達成される。
【0010】本発明のポリエステルの二官能性酸成分は
芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体
を主とするものであり、具体的にはテレフタル酸、2,
6−ナフタリンジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロ
ロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、その
エステル形成性誘導体としてテレフタル酸ジメチル、
2,6−ナフタリンジカルボン酸ジメチル、1,2−ビ
ス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4−ジカルボ
ン酸ジメチルなどが挙げられ、なかでもテレフタル酸も
しくはテレフタル酸ジメチルが好ましい。
【0011】また、グリコール成分としてはエチレング
レコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、
なかでもエチレングリコールが好ましい。
【0012】これらジカルボン酸もしくはそのエステル
形成性誘導体およびグリコール成分はそれぞれ1種でも
2種以上でも用いることができ、さらにこれら以外に他
の成分を共重合成分として用いてもよい。
【0013】二官能性酸成分としてテレフタル酸または
そのエステル形成性誘導体を用い、グリコール成分とし
てエチレングリコールを用いた場合の共重合成分の具体
例としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコ
ール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、5−ナトリウムスルホレゾルシンな
どのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸
成分、トリメリット酸、ピロメリット酸など多官能ジカ
ルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などのオキ
シジカルボン酸成分などが挙げられる。
【0014】ジカルボン酸成分がジカルボン酸の場合は
グリコールとエステル化反応後、またジカルボン酸エス
テルの場合はグリコールとエステル交換反応後、高温、
減圧下にて重縮合せしめポリエステルを得る。また、プ
レポリマ自身を出発物質として重縮合させることもでき
る。
【0015】本発明に用いるジビニルベンゼン・エチル
ビニルベンゼン共重合体粒子はその組成比に特に限定は
ないが、粒子中のジビニルベンゼン単位の量がモノマー
換算で50重量%を越えた量が、特にポリエステル重合
時あるいは溶融成形時に粒子分散性が良好な54重量%
以上であるものが好ましい。例えば、市販のジビニルベ
ンゼン100%(ジビニルベンゼン以外にエチルビニル
ベンゼンと少量のジエチルベンゼンを含有)を重合し、
粒子化したものは、ジビニルベンゼンが粒子中の純分と
して54重量%以上となり好ましい。
【0016】また、本発明のジビニルベンゼン・エチル
ビニルベンゼン共重合体粒子中には他の成分を含有して
いてもよく、これらの例としてはスチレン、ポリスチレ
ン、あるいは市販ジビニルベンゼンの不純物であるジエ
チルベンゼンなどが挙げられる。
【0017】さらに、本発明に用いるジビニルベンゼン
・エチルビニルベンゼン共重合体粒子は、熱天秤による
熱分解温度(10%減量温度)が390℃以上の耐熱性
を有する粒子が好ましい。好ましくは熱分解温度が40
0℃以上、さらに好ましくは410℃以上である。熱分
解温度が390℃未満ではポリエステル重合時あるいは
溶融成形時に粒子凝集を起こすため、易滑性、耐摩耗性
が悪化する。
【0018】本発明に用いるジビニルベンゼン・エチル
ビニルベンゼン共重合体粒子は易滑性、耐摩耗性の点か
ら粒子形状が球形状で均一な粒度分布のものが好まし
い。
【0019】すなわち、体積形状係数が0.35〜π/
6のものが好ましく、さらには0.45以上のものが好
ましい。[ただし、体積形状係数fは次式で表わされ
る。f=V/D3 、ここで、Vは粒子体積(μm3 )、
Dは粒子の投影面における最大径(μm)]例えば、特
開昭55−158937号公報などに開示されている粉
砕して微粒子化する方法では、粒子形状が不定形で均一
な粒度分布のものが得られにくく、粗大粒子が存在し
て、特にフィルムに成形する場合、製膜時にフィルター
の目詰り、製品としては易滑性、耐摩耗性が損なわれる
ので好ましくない。本発明のジビニルベンゼン・エチル
ビニルベンゼン共重合体粒子は、公知の製造方法によっ
て得られるものを用いることができる。公知の製造方法
としては、以下のような例えば乳化重合による方法があ
る。 (1) ソープフリー重合法、すなわち乳化剤を使用しない
か、あるいは極めて少量の乳化剤を用いて重合する方
法。 (2) 乳化重合に先だって重合系内へ重合体粒子を添加し
ておいて乳化重合させるシード重合法。 (3) 単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内で
残りの単量体を重合させるコアーシェル重合方法。 (4) 特開昭54−97582号公報および特開昭54−
126288号公報に示されているユーゲルスタットな
どによる重合方法。 (5) (4) の方法において膨潤助剤を用いない重合方法。
【0020】本発明ではジビニルベンゼン・エチルビニ
ルベンゼン共重合体粒子とポリエステルとの親和性を向
上させるため、官能基としてカルボキシル基のアルカリ
金属塩を有するジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼ
ン共重合体粒子を用いることが好ましい。
【0021】カルボキシル基のアルカリ金属塩としては
Na塩、K塩、Li塩などが挙げられるが、なかでもカ
ルボキシル基のNa塩がより親和性が向上するので好ま
しい。
【0022】カルボキシル基のアルカリ金属塩を導入す
るための官能基を有する化学種はモノマあるいはポリマ
でもよく、特に種類に限定はない。なかでもメタクリル
酸、アクリル酸、あるいはそのポリマが好ましい。
【0023】さらに、カルボキシル基を有する化学種
は、官能基を有しない化学種あるいはカルボキシル基以
外の官能基を有する化学種が共重合されていてもよく、
その場合、耐熱性の点でスチレン系のものが好ましい。
【0024】また、カルボキシル基のアルカリ金属塩を
導入する方法に特に限定はないが、粒子の耐熱性の点か
ら一度高架橋の母体となる粒子を製造し、その母体粒子
の表面にカルボキシル基のアルカリ金属塩を導入するこ
とが好ましい。例えば、母体粒子としてジビニルベンゼ
ン・エチルビニルベンゼン共重合体において、ジビニル
ベンゼンにより高度に架橋した粒子を製造し、その後、
メタクリル酸により粒子表面にカルボキシル基を導入す
る。そして粒子製造系内をアルカリ側にすることで粒子
表面に−COONaの官能基が導入される。
【0025】このカルボキシル基のアルカリ金属塩を導
入するためのモノマあるいはポリマ量は、母体粒子に対
して0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重
量%がさらに好ましい。
【0026】本発明に用いるジビニルベンゼン・エチル
ビニルベンゼン共重合体粒子の平均粒径は0.01〜5
μmとする必要があり、より好ましくは0.05〜1.
0μmである。平均粒径が0.01μm未満ではフィル
ムにした場合、滑り性が低下してくる。また平均粒径が
5μmを越えるとボイドの発生、粗大突起に起因して耐
摩耗性、耐スクラッチ性が悪化する。
【0027】また、該粒子の添加量は熱可塑性ポリエス
テル100重量部に対して0.001〜10重量部が好
ましく、0.005〜5重量部がさらに好ましい。
【0028】また、平均粒径0.01〜5μmのジビニ
ルベンゼン・エチルビニルベンゼン共重合体粒子を用い
る際に、第1成分として平均粒径が0.01μm以上
0.1μm未満、好ましくは0.01μm以上0.08
μm未満、さらに好ましくは0.02μm以上0.06
μm未満のものと、第2成分として平均粒径が0.1〜
5μm、好ましくは0.1〜2μmのものとの2成分系
からなるジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼン共重
合体粒子を用いると易滑性が向上するので好ましい。
【0029】さらに、2成分からなるジビニルベンゼン
・エチルビニルベンゼン共重合体粒子をポリエステル中
に分散含有させた場合、重量平均径DW と数平均径DN
との比、DW /DN の値は1.2以上10以下が好まし
く、さらに好ましくは1.2以上5以下である。
【0030】2成分からなるジビニルベンゼン・エチル
ビニルベンゼン共重合体粒子をポリエステル中に分散含
有させる場合、2種類のジビニルベンゼン・エチルビニ
ルベンゼン共重合体粒子を別々に製造して得られた粒子
を混合してポリエステル中に分散含有させてもよいが、
作業性、コスト、表面平坦性の点から、ジビニルベンゼ
ン・エチルビニルベンゼン共重合体粒子の製造段階で2
種類の粒子を同時に製造しポリエステル中に分散含有さ
せる方が好ましい。
【0031】上記のように2成分のジビニルベンゼン・
エチルビニルベンゼン共重合体粒子を用いる場合、第2
成分としてのジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼン
共重合体粒子の添加量は、ポリエステルに対して、通常
0.0001〜10重量%、より好ましくは0.001
〜15重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%で
ある。また、第1成分としてのジビニルベンゼン・エチ
ルビニルベンゼン共重合体粒子の添加量は、第2成分の
ジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼン共重合体粒子
に対して、通常0.001〜5重量%、より好ましくは
0.01〜3重量%、さらに好ましくは0.05〜2重
量%である。
【0032】さらに、第1成分、第2成分のジビニルベ
ンゼン・エチルビニルベンゼン共重合体粒子が、ともに
官能基としてカルボキシル基のアルカリ金属塩を有して
いてもよいが、特に第2成分のジビニルベンゼン・エチ
ルビニルベンゼン共重合体粒子が、官能基としてカルボ
キシル基のアルカリ金属塩を有することが好ましい。ま
た、ジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼン共重合体
粒子の耐熱性向上あるいは屈折率のコントロールのため
に、ジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼン共重合体
粒子のまわりにSiO2 、TiO2 などの無機物を被覆
してもよい。本発明の酸化ジルコニウム粒子は、例えば
天然鉱物であるジルコサンドやバデライトから溶融によ
って不純物を飛散除去する方法(乾式方)や、アルカリ
溶融後、水洗により不純物を除去する方法(湿式方)な
どによって得られる。
【0033】本発明で使用する酸化ジルコニウムの平均
粒子径は0.005〜3μm、好ましくは、0.005
〜0.3μmである。平均粒径が0.005μmより小
さい場合、本発明の目的とする耐摩耗性、耐スクラッチ
性の効果が現われず、また3μmより大きい場合は、フ
ィルム製造時にフィルム破れが多発したり、フィルム表
面粗さが大きくなり、磁気テープとしたときの電気特性
が低下し好ましくない。
【0034】また、該粒子の添加量としては熱可塑性ポ
リエステル100重量部に耐して0.01〜10重量部
が好ましく、0.05〜5重量分がさらに好ましい。
【0035】本発明のジビニルベンゼン・エチルビニル
ベンゼン共重合体粒子および酸化ジルコニウム粒子は、
ポリエステルに公知の種々の方法によって添加、混合で
きる。ポリエステルの製造段階に添加してもよいし、1
軸、2軸などのエクストルーダーまたはベント機構を有
するエクストルーダーなどを用いて溶融状態にあるポリ
マに添加混合してもよい。ポリエステルの製造段階に添
加する場合は、ポリエステル重合開始前から重合反応中
の段階で添加するのが粒子分散性の点で特に好ましい。
ポリエステル組成物製造前の前駆段階または重縮合段階
における粒子の添加は、エチレングリコールのスラリー
として添加するのが好ましい。
【0036】エチレングリコールなどの分散媒への分散
法は、例えば高速分散機、サンドミル、ロールミルなど
を用いてもよい。
【0037】なお、本発明の組成物は、さらにポリエス
テルの製造時に通常用いられるリチウム、ナトリウム、
カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、アンチモ
ン、ゲルマニウム、チタンなどの化合物の金属化合物触
媒、着色防止剤としてのリン化合物、ジビニルベンゼン
・エチルビニルベンゼン共重合体粒子および酸化ジルコ
ニウム粒子以外の無機粒子および有機高分子微粒子など
も必要に応じて適宜添加できる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、得られたポリエステル組成物の各特性値測定
は次の方法に従って行なった。
【0039】A.粒子特性 (1) 粒子の粒径 平均粒径は粒子の電子顕微鏡写真によって測定した50
体積%の点にあたる粒子等価球直径により求めた。等価
球直径とは粒子と同じ体積を有する球の直径である。
【0040】また、重量平均径(DW )と数平均径(D
N )はイメージアナライザー(例えば、QTM−90
0:ケンブリッジインストラメント製)を用いて数値処
理によって個々に求め、比をとった。
【0041】(2) 粒子の熱分解温度 理学電気TAS−100にて窒素雰囲気下、昇温速度2
0℃/min での熱天秤減量曲線を測定した。10%減量
温度を熱分解温度とした。
【0042】B.ポリマ特性 (1) 固有粘度 オルトクロロフェノール中、25℃で測定した。
【0043】C.フィルム特性 (1) 表面粗さRa(μm) JIS B−0601に準じ、サーフコム表面粗さ径を
用い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25
mm、カットオフ0.08mm条件下で測定した中心線
平均粗さを採用した。
【0044】(2) 滑り性(μk ) フィルムを1/2インチにスリットし、テープ走行性試
験機TBT−300型[(株)横浜システム研究所製]
を使用し、20℃、60%RH雰囲気で走行させ、初期
のμk を下記の式より求めた。なお、ガイド径は6mmφ
であり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2
S)、巻き付け角は180°、走行速度3.3cm/秒
である。 μk =0.773log (T1 /T2 ) T1 :出側張力 T2 :入側張力 上記μk が0.35以下であるものは滑り性良好であ
る。ここで、μk が0.5より大きくなるとフィルム加
工時または製品としたときの滑り性が極端に悪くなる。
【0045】(3) 耐摩耗性 テープ走行性試験機TBT−300[(株)横浜システ
ム研究所製]を使用し、35℃、60RH雰囲気で10
0回繰り返し走行させた後、ガイド部に付着した白色の
削れ粉(白粉)を目視にて判断する。
【0046】ここで、ガイド径は80mmφであり、ガイ
ド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、巻き付け角
は180°、走行速度3.3cm/秒である。評価基準
は次のとおりである。 1級:全く付着しない 2級:わずかに付着する 3級:付着が多い 4級:全面に付着する
【0047】(4) 耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗さ:Raで0.1μm)上を走行させる(走行速度
1,000m/分、走行回数20パス、巻き付け角60
°、走行張力65g)。このときフィルムに入った傷を
顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅当た
り2本未満は1級、2本以上3本未満は2級、3本以上
10本未満は3級、10本以上は4級とした。
【0048】実施例1天然鉱物であるジルコンサンドをアルカリ溶融後、不純
物を除去して酸化ジルコニウム粒子を得た。次いで、
化ジルコニウム粒子10重量部、エチレングリコール9
0重量部を混合して常温下1時間ディゾルバで攪拌処理
し、酸化ジルコニウム粒子/エチレングリコールスラリ
ー(A)を得た。スラリーはその後、サンドミルで粒子
径の調整をした。
【0049】次に、ジメチルテレフタレート100重量
部とエチレングリコール62重量部、および0.06重
量部の酢酸マグネシウムを加えてエステル交換反応を行
なった後、さきに調製したスラリー(A)6重量部とエ
チレングリコールスラリーとして分散させた熱分解温度
405℃のジビニルベンゼン・エチルビニルベンゼン共
重合体粒子[市販のジビニルベンゼン100%(アルド
リッチ社製品番号16,909−9)(ジビニルベンゼ
ン55%、エチルビニルベンゼン40%、ジエチルビニ
ルベンゼン5%)を重合。]0.05重量部および0.
03重量部の酸化アンチモンを加え重縮合反応を行な
い、固有粘度0.600のポリエチレンテレフタレート
組成物を得た。ポリマ中の酸化ジルコニウム粒子および
ジビニルベンゼン・エチレンビニルベンゼン共重合体粒
子の平均粒径は、それぞれ0.1μm、0.6μmであ
った。
【0050】ここで得られたポリエチレンテレフタレー
ト組成物を290℃で溶融押し出しし、未延伸フィルム
を得た。さらに、これを90℃で縦および横方向へそれ
ぞれ3倍延伸して220℃で10秒間加熱処理し、厚さ
15μmのフィルムを得た。該フィルム特性を評価した
結果、滑り性、耐摩耗性、耐スクラッチ性とも良好であ
った。(表1) 実施例2〜7実施例1と同様にして得られた、 表1に示す酸化ジルコ
ニウム粒子およびジビニルベンゼン・エチルビニルベン
ゼン共重合体粒子の平均粒径や添加量を変えて、実施例
1と同様な方法でポリエステル組成物ならびに二軸延伸
フィルムを得た。
【0051】表1に評価結果を示した。得られたフィル
ムは良好な滑り性、耐摩耗性および耐スクラッチ性を有
していることがわかる。
【0052】比較例1〜6 表2に示すとおりの酸化ジルコニウム粒子またはジビニ
ルベンゼン・エチルビニルベンゼン共重合体粒子が単独
である場合、あるいは他の粒子を用いて実施例1と同様
な方法でポリエステル組成物ならびに二軸延伸フィルム
を得た。
【0053】表2に評価結果を示した。得られたフィル
ムはいずれも滑り性、耐摩耗性、耐スクラッチ性を同時
に満足させることができなかった。
【0054】
【表1】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリエステル組成物は
繊維、フィルムあるいはその他の成形品にした場合、滑
り性、耐摩耗性、耐スクラッチ性に有効に効果を発揮す
るが、特に繰り返し摩擦使用される磁気テープに好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/03

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主とする二官能性
    酸成分とグリコール成分よりなるポリエステルと、平均
    粒径0.01〜5μmのジビニルベンゼン・エチルビニ
    ルベンゼン共重合体粒子、および平均粒径0.005〜
    3μmの酸化ジルコニウム粒子とからなることを特徴と
    するポリエステル組成物。
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