JP3135924U - 船体回動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 風下に船を押し流す抵抗力が小さく、風によって船を回動させる回動力が大きな船体回動装置を提供する。
【解決手段】船体に対して取り付けられる基礎部と、基礎部に対して取り付けられる本体部と、を備え、風を受け所定方向に該船体を回動させるための船体回動装置であって、該本体部が、第1水平面と、第1水平面よりも上方に存する第2水平面と、の間に連続して形成され、水平断面において線分に沿った翼型中心線を有する翼形を略なす翼部分を有するものである、船体回動装置である。
【選択図】 図2

Description

本考案は、船体回動装置に関し、より詳細には、風を受け所定方向に船体を回動させるために該船体に取り付けられるスパンカーと同様に用いられる船体回動装置に関する。
スパンカーは、風を受けることで風向きに対して所定の方向(通常、船首を風上に向ける方向)に船体を向けるため、船体に取り付けられてきた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、「従来より、小型漁船による釣り漁では、錨を下ろさずに、潮の流れにまかせて船を自由に漂わせながら漁をする流し釣りという手法が知られている。流し釣りでは、風向きにより船首(舳先)が風下に向けられ、潮の流れよりも早く流されてしまい、餌が浮き上がっておもうような釣りができない状態が発生することがあり、こうした場合は船を風上に戻す必要があった。この不都合を解消するためにスパンカー装置がある。公知のスパンカー装置は、小型漁船の船尾端に帆柱(スパンカ ーマスト)を立設し、該帆柱に一端を回動支持した帆桁を介してスパンカーを張り、その作用効果として船首が風上に向くようにしている。」(発明の詳細な説明中の段落番号0002〜0004)ようなスパンカーについて、「スパンカーが風を受けて船が早く流されるので、スパンカーの配向をたびたび調整し直す必要があった。この場合、公知のスパンカー装置では、帆桁の先端と船尾の左右端との間にロープを架設しており、左右のロープ長を変更して帆桁を回動(左右に旋回)させることにより、スパンカーの位置(配向)を調整していたが、手数を要し、船上を動き回ることにもなり、極めて面倒であった。」(発明の詳細な説明中の段落番号0005〜0006)という問題に鑑み、「上記課題を解消し、簡単操作でスパンカーの配向を最適調整可能で頻回な調整を含む作業性を大幅に改善可能なスパンカー調節装置、及びその主体となるスパンカー調節用動索装置を提供する」(発明の詳細な説明中の段落番号0007)ためになされたものである。具体的には、特許文献1には、「小型漁船の船尾端に搭載されるスパンカー装置において、スパンカーの配向を動索操作により可変調整するようにしたスパンカー調節装置であって、帆柱を回動軸として片持ちされた帆桁と、固定長の索条と、該索条を該帆桁の自由先端部から発して方向変換しながら繋設してゆき往還経路を形成するための複数のプーリーと、該往還経路の中程に介設され、索条をすれ違うように巻回した巻胴部を有する動索手段と、該動索手段を回転操作し、帆桁と動索手段間の双方索条長を相反的に変更することにより、帆桁を軸周りに旋回させ、かつ、スパンカーの配向を変更調整する操舵機構を具備したことを特徴とするもの」(発明の詳細な説明中の段落番号0008)が開示されている。
この特許文献1に開示されたスパンカー調節装置は、「簡単操作でスパンカーの配向を最適調整可能で頻回な調整を含む作業性を大幅に改善可能であり、流し釣りの際の操船を極めて効率よくおこなえる」(発明の詳細な説明中の段落番号0021)ようにするが、従来のスパンカーと同様、「帆柱2を回動軸として片持ちされた上下の帆桁3(31,32)間に縦帆姿勢をとるように張った」(発明の詳細な説明中の段落番号0011参照)布等により形成されたスパンカーを用い、スパンカー両面のうち風が当たる一方の面は正圧(該一方の面を押す力)を受け、他方の面は負圧(該他方の面を引く力)を受け、これら正圧と負圧とにより船を回動させる力(回動力)を生じる。この回動力は、風によって船を所定方向に向ける重要な力であるので、所定方向から船の方向がずれた角度が小さくとも大きな回動力を生じることが好ましいが、一方では、風を受けたときに風下に船を押し流す力(抵抗力)は小さい方がよい。
特開2004−25915号公報(発明の詳細な説明中の段落番号0002〜0008、0011、0021、要約、第1図〜第3図等)
特許文献1に開示されたような従来のスパンカーは、布やシート等のようなもので形成されており、風により正圧をうける前記一方の面は凹形状となり、負圧をうける前記他方の面は凸形状となる。かかるスパンカーに当たる風は、前記一方の面の近傍では大きなよどみを形成すると共に、前記他方の面の近傍では大きなうずを形成することから、風下に船を押し流す大きな抵抗力を生じる割に、船を回動させる回動力が小さい。このことは、風によって船を所定方向に向ける作用は小さいのに、船が風によって大きく風下に流される重大な問題を生じる。
そこで、本考案では、風下に船を押し流す抵抗力が小さく、風によって船を回動させる回動力が大きな船体回動装置を提供することを目的とする。
本考案の船体回動装置(以下、「本装置」という。)は、船体に対して取り付けられる基礎部と、基礎部に対して取り付けられる本体部と、を備え、風を受け所定方向に該船体を回動させるための船体回動装置であって、該本体部が、第1水平面と、第1水平面よりも上方に存する第2水平面と、の間に連続して形成され、水平断面において線分に沿った翼型中心線を有する翼形を略なす翼部分を有するものである、船体回動装置である。
なお、本考案において、「水平」とは、船体を水平な水面に浮かせたときの水平をいう。
本装置は、基礎部と本体部とを備える。基礎部は船体に対して取り付けられ、本体部は基礎部に対して取り付けられることで船体に対して(間接的に)取り付けられる。本体部は翼部分を有する。翼部分は、第1水平面と、第1水平面よりも上方に存する第2水平面と、の間に連続して形成される。そして、翼部分は、第1水平面と第2水平面との間に存するいずれの水平断面においても、線分に沿った翼型中心線を有する翼形(対称翼形)を略なす断面形状を有している。
こうすることで翼形(対称翼形)をなす翼部分は、風が当たったときの風下に向く抵抗力が小さく、かつ迎え角に応じて船を回動させる回動力(揚力によって生じる)を効果的に生じるので、本装置は、風を受けることで、風下に船を押し流す抵抗力が小さくかつ風によって船を所定方向に回動させる回動力が大きな船体回動装置である。
前記翼形が、翼型中心線に沿って翼形の前縁から後縁に行くにつれて翼厚が単調増加する第1部分と、該後縁側の第1部分の端部に連なり該後縁まで翼厚が単調減少する第2部分と、を含んでなるもの(以下、「両部分保有装置」という。)であってもよい。
このように前縁から後縁に行くにつれて翼厚が単調増加する第1部分と、第1部分の端部に連なり後縁まで翼厚が単調減少する第2部分と、を含むようにすることで、風の流れを円滑にし、風下に向く抵抗力を小さくかつ船の回動力を効果的に発生させることができる。
両部分保有装置の場合、前記前縁が、なめらかな曲線によって形成されるもの(以下、「前縁曲線形成装置」という。)であってもよい。
翼型中心線に沿った翼形の前縁(通常、翼型中心線が船体の船首と船尾とを向くよう前後方向に取り付けられ、該前縁が最も船首よりに存する。)は、風が最初に当たる部分であり、前縁の形状によっては風の流れが剥離したり乱れやすい。このため前縁をなめらかな曲線(尖ったところがなく、連続して微分可能)によって形成するようにすれば、流れの剥離や乱れが生じにくく、風の流れを一層円滑にし、風下に向く抵抗力を小さくかつ船の回動力を効果的に発生させることができる。
前縁曲線形成装置の場合、第1部分の外面が、楕円の周の一部又は円周の一部を略なすものであってもよい。
第1部分の外面が楕円の周の一部又は円周の一部を略なすようにすれば、前縁にて二つの流れに分割された風のいずれもが、楕円の周の一部又は円周の一部に沿って円滑に第2部分方向に流れるので、非常に流れの剥離や乱れが生じにくく、風の流れを極めて円滑にし、さらに風下に向く抵抗力を小さくかつ船の回動力を効果的に発生させることができる。
両部分保有装置の場合、第2部分の外面が、前記後縁側の第1部分の前記端部と前記後縁とを結ぶ線分に略沿ったものであってもよい。
こうすることで第2部分に該当する翼部分の外面を略平面として形成することができるので、翼部分を含む本体部を容易に形成することができる。
両部分保有装置の場合、第2部分の外面が、前記後縁側の第1部分の前記端部と前記後縁とを結ぶ内側に凹んだ曲線に略沿ったものであってもよい。
こうすることで第2部分に該当する翼部分の外面が、内側に凹んだ曲線によって形成されるので、第2部分に該当する翼部分の外面における風の流れと、後縁部分における風の流れと、を円滑にし、風下に向く抵抗力を小さくかつ船の回動力を効果的に発生させることができる。
本装置では、前記翼形が、前記後縁は尖っていると共に、前記後縁以外は線分又は滑らかな曲線(尖ったところがなく、連続して微分可能)により構成されるものであってもよい。
このようにすることで翼部分の外面が、翼部分の外面における風の流れと、後縁部分における風の流れと、を円滑にし、風下に向く抵抗力を小さくかつ船の回動力を効果的に発生させることができる。
本装置では、第1水平面から第2水平面に向けて前記前縁が、前記船体の後方に向けて傾斜しているものであってもよい。
こうすることで、船の回動力の作用点と、船の回動中心と、の水平距離を離すことで、船が回動しやすくなる。
本装置は、本装置のみとして製造や販売等がされてもよいが、船を製造や販売する段階にて本装置を船体に取り付けるようにしてもよい。
本考案の実施の形態を図面を参照して詳述するが、本考案はこれに限定されるものではない。
図1は、一実施形態の本考案の船体回動装置(本装置)11が取り付けられた船体101(一部)を示す正面図である。図2は、図1のA―A端面、B―B端面、C―C端面及びD―D端面を示す端面図である。なお、図1のA―A端面、B―B端面、C―C端面及びD―D端面のいずれの端面においても、後述する本体部31の端面形状は略相似形であり、C―C端面及びD―D端面においては、後述する基礎部21が実際には表れる(図2では、基礎部21の図示を省略している)。
本装置11は、大まかには、水平な水面201に浮かんだ船体101の後端103近傍に下端が固定された棒状の基礎部21と、基礎部21の上端側が挿入され基礎部21に固定された本体部31と、を備えてなる。
基礎部21は、繊維強化プラスチック(FRP)にて一体に形成された略直円柱形状の棒状部材により構成されており、その下端側は、船体101の後端103近傍に埋設され本装置11を船体101に充分な強度にて固定する。ここでは水平面である水面201に船体101が浮いた状態において、基礎部21の長手方向(即ち、基礎部21が構成する該略直円柱形状の軸の方向)が鉛直方向(図1中、矢印Fにて示した。矢印Fは水面201と垂直である。)になるように基礎部21は船体101に取り付けられている。
本体部31は、下端側から基礎部21の上端側が挿入され基礎部21に固定されることで、船体101に対して間接的に固定されている。本体部31も、基礎部21と同様に繊維強化プラスチック(FRP。厚み約1.8mm。)にて一体に形成されている。本体部31は、いずれの水平面における端面(A―A端面、B―B端面、C―C端面及びD―D端面のいずれも水平端面)も、図2に示すよう、線分(図2中、点線G)に沿った翼型中心線を有する翼形(対称翼であり、キャンバーが0である。)を略なしている。前述したように、A―A端面、B―B端面、C―C端面及びD―D端面のいずれも略相似形であるが、本体部31の外面33は、図3に示すように、4分の1楕円(翼型中心線G上に長軸が存する楕円であり、長軸に対する短軸の長さの比(短軸長/長軸長)=0.25)の周の半分(短軸にて2に分割されるものの片方)に沿ったA部分33a(A部分33aは、図3(a)に実線にて示された部分であり、長軸にて二つに分割される一方33a1と他方33a2とを有する。)と、A部分33a(一方33a1)の端部に一端が連なるB部分33bと、A部分33a(他方33a2)の端部に一端が連なるC部分33cと、を有してなる。A部分33aの先端(一方33a1と他方33a2とが合わさる部分)により翼の前縁35が形成されると共に、B部分33bの他端とC部分33cの他端とが合わさる部分(尖っている。)により翼の後縁37が形成されている。そして、ここではB部分33b及びC部分33cは、内側に凹んだベジエ曲線により構成されている。
このため本体部31は、いずれの水平端面においても、図2及び図3に示した如く、翼型中心線Gに沿って翼形の前縁35から後縁37に行くにつれて翼厚T(ここでは翼型中心線Gに対して垂直方向の寸法に同じ)が単調増加するA部分33aと、後縁37側のA部分33aの端部に連なり後縁37まで翼厚Tが単調減少するB部分33b及びC部分33cと、を含んでなる。
図4(a)は、水平端面(A―A端面、B―B端面、C―C端面及びD―D端面)における本体部31の外面33の寸法比率を示したものであり、図4(a)に示された形状を、翼型中心線Gの長さZに応じて適宜拡大したり縮小した形状として本体部31全体を形成している。具体的には、図4(b)に示すように翼型中心線Gの長さをZとすれば、A部分33aを形成する上記の楕円の短軸長さがYuとされ、該楕円の長軸長さの半分がXとされている。これらZ、X及びYuが図4(a)に示された比率を保つようにされるので、Z:X:Yu=80:24:12の関係を保つよう、いずれの水平端面においても本体部31の外面33形状は決定されている。例えば、A―A端面においては、Z(図1中、ZA)=45cmであるので、X=13.5cm、Yu=6.75cmであり、B―B端面では、Z(図1中、ZB)=89cmであるので、X=26.7cm、Yu=13.35cmであり、そしてC―C端面及びD―D端面はいずれも、Z(図1中、ZC=ZD)=100cmであるので、X=30cm、Yu=15cmである。なお、図5には、図1と同様の方向から本体部31を見たときの寸法を示しており、図5中の数字の単位はcmである。
そして、翼前縁35は、下方に行くにつれて船体101の前方(図1中、矢印K方向)に位置し、上方に行くにつれて船体101の後方(図1中、矢印M方向)に位置するよう、翼の前縁35が傾斜している。ここでは翼の前縁35は、線分に略沿っており、鉛直方向(図1中、矢印F)に対する角度Pは約22度になっている。なお、この角度Pは、通常、0度以上かつ70度以下であり、好ましくは5度以上、より好ましくは10度以上、最も好ましくは15度以上であり、好ましくは45度以下、より好ましくは40度以下、最も好ましくは35度以下である。また、ここでは翼型中心線Gが、船体101の前後(図1中、矢印Kと矢印M)方向に略一致するよう、船体101に本装置11が取り付けられている。
以上説明した本装置11の使用方法について簡単に説明する。図1に示したよう、水面201に浮かぶ船体101の後端103近傍に本装置11が取り付けられた船は、水面201近傍の風を受けると、風上に船首(図示せず)が向くよう(船体101の前方(図1中、矢印K)が風上に向くよう)船体101が回動する。
図6は、その作用を説明する図(図2と同様の断面を示している。例えば、A―A端面、B―B端面、C―C端面及びD―D端面)であるが、図示しない船首は、翼型中心線Gを翼の前縁35方向に延長した図6中の矢印N方向に存する。このとき翼型中心線Gを翼前縁35方向に延長した矢印N方向から風W1が吹けば、風W1と本装置11との抵抗(摩擦)によって矢印Nとは逆方向の小さな力(風下に船を押し流す抵抗力)を船体101は受けるのみであり、船体101を回動させる力は生じない。
ところが翼型中心線Gを翼前縁35方向に延長した矢印N方向とは異なる方向から風W2が吹けば、本体部31の外面33と風W2との作用により、本体部31には力S2が加わる。この力S2は船体101を図6の面においては反時計回り方向に回動させるよう作用するので、風上に船首(図示せず)が向くよう(船体101の前方(図1中の矢印K、図6中の矢印N)が風上に向くよう)船体101を回動させる(迎え角を減少させる方向に船を回動させる。)。
同様に、風W3が吹けば、本体部31の外面33と風W3との作用により、本体部31には力S3が加わる。この力S3は船体101を図6の面においては時計回り方向に回動させるよう作用するので、風上に船首(図示せず)が向くよう(船体101の前方(図1中の矢印K、図6中の矢印N)が風上に向くよう)船体101を回動させる(迎え角を減少させる方向に船を回動させる。)。
以上のようにして、本装置11は、水面201近傍の風を受けると、風上に船首(図示せず)が向くよう(船体101の前方(図1中の矢印K、図6中の矢印N)が風上に向くよう)常に船体101を回動させる(迎え角を減少させる方向に船を回動させる。)。このため本装置11が取り付けられた船体101は、船首が風上に向くことで、風上側からの投影面積を減少させ、風下に流されることを軽減し(風下に流されると、エンジンの動力により船体101の位置修正を要する。)、風による影響を減少させる。かかる本装置11が取り付けられた船体101は、いわゆる「流し釣り」を行うのに適している。
以上のような本装置11は、船体101に対して取り付けられる基礎部21と、基礎部21に対して取り付けられる本体部31と、を備え、風を受け所定方向(迎え角を減少させる方向)に該船体101を回動させるための船体回動装置であって、該本体部31が、第1水平面(ここでは例えば、D−D端面)と、第1水平面よりも上方に存する第2水平面(ここでは例えば、A−A端面)と、の間に連続して形成され、水平断面において(例えば、D−D端面からA−A端面までのいずれの水平断面においても)線分Gに沿った翼型中心線を有する翼形(ここでは翼型中心線に対して線対称となる対称翼形)を略なす翼部分(ここでは本体部31全体)を有するものである、船体回動装置である。
そして、前記翼形が、翼型中心線Gに沿って翼形の前縁35から後縁37に行くにつれて翼厚が単調増加する第1部分(A部分33aに該当する部分)と、該後縁37側の第1部分(A部分33aに該当する部分)の端部に連なり該後縁37まで翼厚が単調減少する第2部分(B部分33b及びC部分33cに該当する部分)と、を含んでなるものである。
加えて、前記前縁35が、なめらかな曲線によって形成されるものである。
第1部分(A部分33aに該当する部分)の外面が、楕円の周の一部を略なすものである。
第2部分(B部分33b及びC部分33cに該当する部分)の外面が、前記後縁37側の第1部分(A部分33aに該当する部分)の前記端部と前記後縁37とを結ぶ内側に凹んだ曲線(ここではベジエ曲線)に略沿ったものであるが、形成しやすくすることからは、前記後縁37側の第1部分(A部分33aに該当する部分)の前記端部と前記後縁37とを結ぶ線分に略沿ったものとしてもよい。
さらに、前記翼形が、前記後縁37は尖っていると共に、前記後縁37以外は滑らかな曲線により構成されるものである。
第1水平面から第2水平面に向けて前記前縁35が、前記船体101の後方(図1中、矢印M方向)に向けて傾斜しているものである。
図1には、本装置11が前記船体101に取り付けられた船の一部を示している。
このような本装置11は、特許文献1に開示されたような従来のスパンカーのように展開や収納の必要がなく、船体101に常時取り付けておくことができる。本装置11において展開や収納の必要がないことは、それに必要な機構も不要であり、これらの機構に関する保守点検も要さない。
そして、翼形(対称翼形)を略なす断面形状を有する翼部分は、風を受けたとき、風下に船を押し流す抵抗力は小さく、揚力(図6中、力S2、力S3)が大きいので迎え角が小さくても船首を風上に円滑かつ迅速に向けることができる。本装置11の翼部分は、風上の面は正圧を生じると共に、風下の面も風の流れが剥離することを防止又は減少させつつ効果的に負圧を生じることから、本装置11では抵抗力は小さくかつ回動力(風上の面の正圧と、風下の面の負圧と、に基づき生じる。)は大きくなる。これに対し、従来のスパンカーは、風下の面においては、風の流れが大きな渦を巻き流れが剥離し乱れた状態であり、回動力を生む負圧を効果的に生じることができず、該状態は抵抗力を増大する。
また、上述のように、ここでは基礎部21と本体部31とは、いずれも繊維強化プラスチック(FRP)にて形成されているが、これに限定されるものでないことは言うまでもなく、アルミニウムやジュラルミン等のような金属材料、布、樹脂材料等を用いることもできる。また、FRP、金属材料及び樹脂材料を用いれば、従来のスパンカーを形成していた帆布よりも高耐候性及び高耐紫外線とすることもできる。
船首を風上に向かせる回動力が同じ場合の抵抗力を考えると、従来のスパンカーが生じる抵抗力に比し、本装置11が生じる抵抗力は、極めて小さく(例えば、4分の1以下)なるものと考えられる。
A部分33aに該当する本体部31の翼厚をこのように大きくすることは、風の振れ(翼型中心線Gに対する方向の変化)が生じても、外面33から流れが剥離することを防止又は減少させることができる。全体のカーブを深く(曲線の曲率半径を小さくすること)していることは、風速が小さなときにも大きな揚力が得られるようにするためである。加えて、前述のようにA部分33aが4分の1楕円に沿っていることは、翼面積を確保しつつ、誘導抵抗を生じる翼端渦を減少させる。
一例の本考案の船体回動装置(本装置)が取り付けられた船体(一部)を示す正面図である。 図1のA―A端面、B―B端面、C―C端面、D―D端面を示す端面図である。 本体部の外面を示す図である。 本体部の外面の寸法を示す図である。 本体部の寸法を示す図である。 本装置の作用を説明する図である。
符号の説明
11 本装置
21 基礎部
31 本体部
33 外面
33a A部分
33a1 一方
33a2 他方
33b B部分
33c C部分
35 前縁
37 後縁
101 船体
103 後端
201 水面

Claims (9)

  1. 船体に対して取り付けられる基礎部と、基礎部に対して取り付けられる本体部と、を備え、風を受け所定方向に該船体を回動させるための船体回動装置であって、
    該本体部が、第1水平面と、第1水平面よりも上方に存する第2水平面と、の間に連続して形成され、水平断面において線分に沿った翼型中心線を有する翼形を略なす翼部分を有するものである、船体回動装置。
  2. 前記翼形が、翼型中心線に沿って翼形の前縁から後縁に行くにつれて翼厚が単調増加する第1部分と、該後縁側の第1部分の端部に連なり該後縁まで翼厚が単調減少する第2部分と、を含んでなるものである、請求項1に記載の船体回動装置。
  3. 前記前縁が、なめらかな曲線によって形成されるものである、請求項2に記載の船体回動装置。
  4. 第1部分の外面が、楕円の周の一部又は円周の一部を略なすものである、請求項3に記載の船体回動装置。
  5. 第2部分の外面が、前記後縁側の第1部分の前記端部と前記後縁とを結ぶ線分に略沿ったものである、請求項2乃至4のいずれか1に記載の船体回動装置。
  6. 第2部分の外面が、前記後縁側の第1部分の前記端部と前記後縁とを結ぶ内側に凹んだ曲線に略沿ったものである、請求項2乃至4のいずれか1に記載の船体回動装置。
  7. 前記翼形が、前記後縁は尖っていると共に、前記後縁以外は線分又は滑らかな曲線により構成されるものである、請求項1乃至6のいずれか1に記載の船体回動装置。
  8. 第1水平面から第2水平面に向けて前記前縁が、前記船体の後方に向けて傾斜しているものである、請求項1乃至7のいずれか1に記載の船体回動装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1に記載の船体回動装置が前記船体に取り付けられた船。
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