JP3132987B2 - 金属片の連続鋳造方法及び金属片の連続鋳造用電磁ブレーキ装置 - Google Patents

金属片の連続鋳造方法及び金属片の連続鋳造用電磁ブレーキ装置

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JP3132987B2
JP3132987B2 JP07182459A JP18245995A JP3132987B2 JP 3132987 B2 JP3132987 B2 JP 3132987B2 JP 07182459 A JP07182459 A JP 07182459A JP 18245995 A JP18245995 A JP 18245995A JP 3132987 B2 JP3132987 B2 JP 3132987B2
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一也 鶴崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属片の連続鋳造
方法及び連続鋳造用電磁ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9及び図10に、従来の金属片の連続
鋳造用電磁ブレーキ装置を示す。図9はその斜視図、図
10は図9のX−X矢示断面図を示す。この装置は、い
わゆるビレット式連続鋳造装置であって、鉛直方向に配
置され溶融金属(以下鋼を例に「溶鋼」と記す)3を溜
めるモールド1と、その外周に設けられたコア5及び直
流コイル12からなる直流電磁石及び上記溶鋼3を冷却
して得られた鋼片9を引き抜くための2基の回転ロール
10によって構成されている。上記直流電磁石は、対向
する2つの磁極7を有しており、溶鋼3に対して効果的
に強い静磁場を作用させることが可能である。
【0003】上記モールド1にノズル2から溶鋼3を供
給すると、モールド1の外周面に溶鋼3が凝固し、凝固
シェル(図示せず)が生成する。この凝固シェルは、回
転・巻取ロール10の回転に伴い、成長しながら下方向
へ導伴され、鋼片9が連続的に送り出される。
【0004】その際、モールドの外周に設けられた直流
電磁石に直流電源13から電流を供給することにより水
平方向の直流磁場が印加され、下方の溶鋼流れが抑制さ
れる。その結果、凝固シェルの成長が促進され、鋼片9
を高速で送り出すことが出来る。なお、本装置を用いた
連続鋳造方法において磁場を作用させる条件は、(1)
磁束密度2000〜4000ガウス、(2)励磁周波数
0Hz(直流)、(3)励磁電流の位相差0度である。
【0005】また、類似の構成の装置として、図11及
び図12に従来の金属片の連続鋳造用電磁攪拌装置を示
す。図11はその斜視図、図12は図10のXII−XII
矢示断面図を示す。この装置は、鉛直方向に配置され溶
鋼3を溜めるモールド1と、その外周に設けられたコア
5及び励磁コイル6から形成された6つの磁極7を有し
た2極3相の交流電磁石及び溶鋼3を冷却して得られた
鋼片9を引き抜くための2基の回転ロール10によって
構成されている。
【0006】図11及び図12に示す装置では、図9及
び図10に示した装置と同様に、鋼片9が連続的に送り
出される。その際、モールド1の外周に設けられた交流
電磁石に3相電源15から電流を供給することにより、
水平方向の回転磁場が印加され、溶鋼が攪拌される。そ
の結果、均質なシェルが成長し、高品質の鋼片9を送り
出すことが出来る。なお、本装置を用いた連続鋳造方法
において磁場を作用させる条件は、(1)磁束密度40
0〜800ガウス(10000ガウス=1ステラ)程
度、(2)励磁周波数4〜10Hz、(3)励磁電流の位
相差120度である。
【0007】さらに類似の構成として、励磁コイルに交
流電流及び直流電流を給電する交直両用の電源装置16
を備えた金属片の連続鋳造用電磁ブレーキ兼用攪拌装置
がある(例えば、特開平6−304719号公報参
照)。図13及び図14にその装置図を示す。図13は
その斜視図、図14は図13のXIV−XIV矢示断面図を
示す。この場合、電磁攪拌として使用する時は、電源装
置16から直流コイル12に交流電流を通電することに
より水平方向に回転磁場を発生させ、溶鋼3に攪拌力を
生じさせる。また、電磁ブレーキとして使用する時は、
電源装置16から直流コイル12に直流電流を通電する
ことにより流れに対して直角方向に直流磁場を発生さ
せ、溶鋼流にブレーキ力を生じさせる。なお、本装置を
用いた連続鋳造方法において磁場を作用させる条件は、
電磁ブレーキとして用いる場合、(1)磁束密度200
0〜4000ガウス、(2)励磁周波数0Hz(直流)、
(3)励磁電流の位相差0度である。また、電磁攪拌と
して用いる場合、(1)磁束密度400〜800ガウス
程度、(2)励磁周波数4〜10Hz、(3)励磁電流の
位相差90度である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属片の連続鋳
造用電磁ブレーキ装置(図9及び図10)において、溶
鋼には周方向の流れがないため、(1)モールド壁との
接触部から柱状結晶が成長し、鋳造された鋼片の結晶の
均質度を表す等軸晶率が小さくなり、鋼片の厚み方向に
対して炭素またはケイ素の含有率の不均一が生じると共
に、(2)局所的な結晶成長が生じやすく、鋼片の表面
にピンホールと呼ばれる小孔が多く発生するという問題
点があった。
【0009】また、従来の金属片の連続鋳造用電磁攪拌
装置(図11及び図12)において、溶鋼の中央部の磁
束はせいぜい800ガウス程度であり、磁束密度に比例
する力である流れをさえぎるブレーキ力が弱いため、
(1)溶鋼3のモールド軸方向の流れである注入時の下
方流によって溶鋼凝固シェルの局所的な浸蝕が生じると
共に、(2)前記下方流の循環流として発生する上方流
によって溶鋼中の介在物の浮上が生じ、鋼片の品質低下
を招いていた。
【0010】さらに、従来の金属片の連続鋳造用電磁ブ
レーキ兼用電磁攪拌装置(図13及び図14)におい
て、電磁ブレーキ装置として、また電磁攪拌装置として
各々独立して使用することは可能であったが、電磁ブレ
ーキと電磁攪拌を同時に作用させることが出来なかっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の金属片の連続鋳造方法は、断面正方形の冷却モール
ドを用いて金属片を連続鋳造する方法であって、溶鋼を
注入するノズルより下方位置に次の(a)〜(c)の条
件を併せ持つ磁場を作用させることを特徴とする。 (a)冷却モールドの中心部の磁束密度が2250ガウ
ス以上4150ガウス以下である。 (b)励磁周波数が次の範囲で表わされる周波数域であ
る。
【数3】 (c)溶鋼を注入するノズルより下方位置で、かつ冷却
モールドの外側位置に強磁性体からなる4つの磁極を配
置し、さらに前記磁極の外周に励磁コイルを配置してい
る電磁石を用いて、向かい合う磁極のコイルに対して電
流位相が180°異なる交流電流を、隣り合う磁極に対
して電流位相が90°異なる交流電流を通電させること
によって生じる磁場である。
【0012】上記金属片の連続鋳造方法において、モー
ルド内寸法150mm×150mmの冷却モールドを用い、
かつ次の(a),(b)の条件を併せ持つ磁場を作用さ
せることを特徴とする。 (a)冷却モールドの中心部の磁束密度が2250ガウ
ス以上2450ガウス以下である。 (b)励磁周波数が0.85〜1.89Hzの範囲である。
【0013】また一方の、本発明の金属片の連続鋳造装
置の構成は、断面正方形の冷却モールドを用いて金属片
を連続鋳造する装置であって、(a)溶鋼を注入するノ
ズルより下方位置でかつ冷却モールドの外側位置に強磁
性体からなる4つの磁極を配置すると共に、上記磁極の
外周に励磁コイルを配置してなり、(b)上記対向する
磁極のコイルに対して電流位相が180°異なる交流電
流を、隣り合う磁極に対して電流位相が90°異なる交
流電流を通電し、(c)上記冷却モールドの中心部の磁
束密度が2250ガウス以上4150ガウス以下とし、
(d)モールド内寸法が0.284m以内であり、かつ励
磁周波数が次の範囲で表わされる周波数域の電源を用い
て励磁コイルに通電することを特徴とする。
【数4】
【0014】すなわち、本発明では(a)溶鋼を注入す
るノズルより下方位置で、かつ冷却モールドの外側位置
に強磁性体からなる4つの磁極を配置し、さらに前記磁
極の外周に励磁コイルを配置し、かつ(b)向かい合う
磁極のコイルに対して電流位相が180°異なる交流電
流を、隣り合う磁極に対して電流位相が90°異なる交
流電流を通電し、その際、(c)励磁周波数が次の範囲
で表わされる周波数域の電源を用いて励磁コイルに通電
し、かつ(d)冷却モールドの中心部の磁束密度が22
50ガウス以上4100ガウス以下となる起磁力及び磁
極間距離を有することにより、(1)溶鋼結晶の不均一
な成長を防止しつつ、介在物の浮き出しを抑制するとい
う電磁ブレーキの利点を有すると共に、(2)モールド
壁との接触部から成長する溶鋼の結晶を等軸晶化出来、
また鋼片の表面の小孔数を減少させることが出来るとい
う、電磁攪拌の利点を同時に合わせ持った、鋼片の品質
向上が図られる装置を提供するものである。
【0015】<作 用>溶鋼を注入するノズルより下方
位置でかつ冷却モールドの外側位置に、強磁性体からな
る4つの磁極を配置し、さらに前記磁極の外周に励磁コ
イルを配置した状態を考える。
【0016】(a)第1に、4つの磁極からなる構造と
することにより、従来の6つの磁極からなる構造と比較
して、同寸法のモールドの場合に1極当りの磁極断面積
を大きくすることが出来る。その結果、モールドに対し
て作用する磁束数を多くすることが出来る。
【0017】(b)第2に、向かい合う磁極に対して電
流位相が180°異なる電流を通電することにより、両
磁極は逆極性に励磁されるので、磁束は磁極間に存在す
る溶鋼を貫く形となり、溶鋼に対して高い磁束密度を得
ることが出来る。また、隣り合う磁極に対して電流位相
が90°異なる電流を通電することにより、均一な回転
磁界を得ることが出来る。特に4つの磁極からなる構造
とすることにより、従来の6つの磁極からなる構造と比
較して、通常4角柱形状であるモールドに対して対称な
磁界を形成することが出来る。
【0018】(c)第3に、起磁力及び磁極間距離を設
定し、冷却モールドの中心部の磁束密度が2250ガウ
ス以上4150ガウス以下とすることにより、磁束に垂
直な方向の流れに対し、必要な制動力を発生させること
が出来る。これは以下のことから説明される。
【0019】まず、制動力F(N/m3)は次式で求めら
れる。 F=σ・V・B2 ……(1) 但し、V:磁束に垂直な方向の流速(m/s) B:磁束密度(T) σ:電気伝導度(1/Ω・m)
【0020】上式より、制動力は磁束密度の2乗に比例
し、磁束密度が高い程、制動力が大きいことが判る。こ
の力によって初期の流速V0 が減速されてV1 になった
場合に、減速された割合((V0 −V1)/V0 )の測定
結果を図5に示す。電磁ブレーキを設置しない連続鋳造
において鋳造速度が4m/min であれば良好な鋳片が得ら
れることから、生産性から要求される鋳造速度が5m/mi
n 以上の場合に減速される割合が0.2以上であれば実用
上有用であると考えられる。冷却モールドの中心部の磁
束密度が2250ガウス以上とすることにより、磁束に
垂直な方向の流れに対し、必要な制動力を発生させるこ
とが出来る。
【0021】また、モールド内へ磁束を作用させるため
に強磁性体からなる磁極を用いているため、冷却モール
ドの中心部の磁束密度には、磁極が飽和する磁束密度値
により上限が存在する。2つの対向する矩形の磁極を用
いてその空隙に磁束を生じさせる場合、空隙の磁束密度
g (ガウス)は次式で表される。
【数5】
【0022】上式中のパーミアンスは幾何的に決定され
ており、モールド寸法100〜284mmの場合、上式の
右辺のBc の係数は0.25〜0.39程度と求められる。
通常、磁極に用いられる強磁性体の飽和磁束密度は15
000/√2 ガウス(実効値)であり、モールドによる
磁気遮蔽が無視出来るとした場合に得られる冷却モール
ドの中心部の磁束密度の最大値は、15000/√2 ×
0.58=4150ガウスとなる。特に、冷却モールドの
中心部が2250ガウス以上2450ガウス以下となる
ことが望ましい。これは以下のことから説明される。
【0023】図6に、磁束密度に対する制動力及び必要
な電力を示す。磁束密度の増加に伴い、電力は増加する
が、特に高磁束密度の場合、コアが磁気飽和の傾向を有
するため、より多くの電力が必要な特性となる。同図中
に単位電力当りの制動力を示す。本値が大きい程、効率
良く制動されることを示している。図6より、要求され
る磁束密度の範囲内でなるべく小さな磁束密度の方が効
率良く制動出来ることが判る。また、電源出力の変動に
伴い、磁束密度も変化するため、1割程度大きめに余裕
を見ておく方が望ましい。
【0024】従って、冷却モールドの中心部の磁束密度
を2250ガウス以上2450ガウス以下とすることに
より、磁束に垂直な方向の流れに対し必要な制動力を効
率良く発生させることが出来る。
【0025】(d)第4に、励磁周波数が式(6)(後
述)で表わされる周波数域の電源を用いて励磁コイルに
通電することにより、溶鋼結晶の均一化を図るために必
要かつ充分な回転流速(0.4m/sec)が得られる。これは
以下のことから説明される。
【0026】まず、図7に溶鋼の回転流速に対する生成
された鋼片の等軸晶率の測定結果を示す。図7より0.4
m/sec 以上の回転流速が生じれば、18%以上の等軸晶
率が得られ、0.5m/sec 以上の流速では飽和しているこ
とが判る。従って、溶鋼結晶の均一化を図るために必要
かつ充分な回転流速(0.4m/sec以上)が存在すること
が判る。
【0027】次に、必要かつ充分な回転流速(0.4m/se
c)を得るには、適正な励磁周波数域が存在することを示
す。回転流速は、回転磁場による電磁力と、溶鋼とモー
ルド内壁との摩擦力により決定される。回転磁場の同期
速度Vs (m/s)は次式で求められる。 Vs =π・f・D ……(3) 但し、f:周波数(Hz) D:モールド内寸法(m)
【0028】従って、溶鋼は印加される磁束密度に応じ
て磁場の回転方向と同方向に電磁力を受けるが、実際に
はすべりが存在するので、回転流速は式(2)の値より
も小さくなる。実際に、前述した適正な磁束密度225
0ガウスの場合での、励磁周波数に対する回転流速の測
定値を図8に示す。図8より、回転流速Vrot (m/s)の
励磁周波数及びモールド内寸法に対する特性は、(1)
励磁周波数の増加に伴い、回転トルクが増加するので、
回転流速が増加すること、(2)モールド内寸法の増加
に伴い、回転半径が増加するので、回転流速が増加する
ことを考慮にいれると、次の実験式で与えられる。 Vrot =(0.869・f+0.101)・D ……(4)
【0029】ここで、磁束密度2250ガウスよりも高
い磁束密度の場合、式(3)で求められる値よりも大き
な流速となる。従って、必要かつ充分な回転流速をV
eff とおくと、励磁周波数に求められる条件は、次の様
になる。
【数6】
【0030】式(5)を満足する条件として、次式で表
される周波数域を得る。
【数7】
【0031】従って、励磁周波数が式(6)の範囲で表
わされる周波数域の電源を用いて励磁コイルに通電する
ことにより、溶鋼結晶の均一化を図るために必要かつ充
分な回転流速(0.4m/sec)が得られる。
【0032】特に図8に示したモールド内寸法150mm
×150mmでの場合、励磁周波数が0.85〜1.89Hzの範
囲の電源を用いて励磁コイルに通電することにより、適
正な回転流速が得られる。
【0033】このようにして、通電溶鋼を注入するノズ
ルより下方位置で、かつ冷却モールドの外側位置に、モ
ールド軸に対して垂直方向の磁束を発生させることによ
り、(1)溶鋼のモールド軸方向の流れである注入時の
下方流、またその循環流として発生する上方流の流速を
低下させることが出来る。このため、下方流によって生
じていた溶鋼凝固シェルの局所的な浸蝕が抑制されると
共に、上方流によって生じていた溶鋼中の介在物の浮上
が抑制される。本効果は電磁ブレーキ作用として知られ
ているものである。
【0034】また、前記磁束をモールド周方向に低周期
で均一に回転させることにより、(2)周方向に溶鋼流
れが発生する。この周方向流れは溶鋼の攪拌効果をもた
らす。このため、モールド壁との接触部から成長する溶
鋼の結晶がランダムに形成されるので、得られる溶鋼の
結晶が等軸晶化し、成分的に均一な溶鋼が得られる。ま
た、前記攪拌効果により、溶鋼内部に含まれるガス成分
が均一に拡散するので、生成した鋼片の表面に発生する
小孔数が減少する。
【0035】以上に示した電磁ブレーキの効果と電磁攪
拌の効果を同時に合わせ持つことにより、鋼片の品質向
上が図られる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する実施の形
態を図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。図1及び図2は本発明における構成
例を示し、図1は全体図、図2は図1のII-II 矢示断面
図である。
【0037】図1及び図2に本実施の形態例の装置の概
略を示し、図1は斜視図及び図2は図1のII−II線
矢示断面図を示す。これらの図面に示すように、本装置
は、断面正方形の冷却モールド(銅角管)1を用いて金
属片を連続鋳造する装置であって、以下(a)〜(d)
の機構を具備するものである。 (a)溶鋼3を注入する溶鋼供給ノズル2より下方位置
でかつ冷却モールド1の外側位置に、強磁性体からなる
4つのコア5を配置すると共に、上記コア5の外周に励
磁コイル6を配置している。 (b)上記対向するコア5のコイルに対して電流位相が
180°異なる交流電流を、隣り合う磁極に対して電流
位相が90°異なる交流電流を通電する。 (c)上記冷却モールド1の中心部の磁束密度が225
0ガウス以上4150ガウス以下とする。 (d)上記冷却モールド1内寸法が、0.284m以内で
あり、かつ励磁周波数が次の範囲で表わされる周波数域
の電源を用いて励磁コイルに通電する。
【数8】
【0038】上記構成において、上記コア5は冷却モー
ルド1の各端面に対して突き出した磁極7を有し、各磁
極7には励磁コイル6が巻かれており、コア5及び励磁
コイル6は一体として電磁石として作用する。図1及び
図2に示す装置においては、4つの磁極を持つ電磁石と
なる。上記冷却モールド1を取り囲む形で冷却装置(例
えば水冷ジャケット等)4が配置され、その外側でかつ
ノズル2より下方位置にコア5が配置されている。
【0039】上記構成において、励磁コイル6に交流電
源8から交流電流を通電することにより、モールド1を
貫く形で溶鋼3に対し、水平方向の交番磁束が作用す
る。
【0040】ここで、隣り合う磁極7に通電する電流の
位相差を90°に選び、向かい合う磁極7に対して電流
位相が180°異なる電流を通電することにより、モー
ルド1及び溶鋼3を貫く形で、溶鋼中央部に回転する高
い磁束密度が作用する。
【0041】溶鋼3に対し、前記の水平方向の回転磁束
が作用すると、(1)溶鋼のモールド軸方向の流れであ
る注入時の下方流、またその循環流として発生する上方
流の流速が低下する。加えて同時に(2)周方向に溶鋼
流れが誘起され、溶鋼の攪拌効果がもたらされる。
【0042】その結果、溶鋼結晶の不均一な成長が防止
され、また介在物の浮き出しが抑制されると共に、等軸
晶率が高く、表面欠損の少ない鋼片が得られる。
【0043】また、この様な金属片の連続鋳造用電磁ブ
レーキ装置は、モールド表面に対するその4つの磁極の
位置を可変とすることにより、同一の装置で様々なモー
ルド1の寸法に対応することが可能となる。
【0044】この場合の構成例を図3及び図4に示す。
図3は全体図、図4(A)は図3のIV-IV 線矢示断面
図、図4(B)は4つの磁極(コイルと一体)をとりは
ずした場合のIV-IV 線矢示断面図である。これらの図面
に示すように、本装置は、図1及び図2に示す金属片を
連続鋳造する装置と同様な構成であるが、強磁性体から
なる4つのコア5には、冷却モールド1の各端面に対し
て移動自在な突き出した磁極7を有し、各磁極7には励
磁コイル6が巻かれており、コア5及び励磁コイル6は
一体として電磁石として作用する。図3及び図4に示す
装置においては、4つの磁極を持つ電磁石となる。上記
移動自在の磁極7には、コア抑え板14が設けられてお
り、該コア抑え板14の固定位置を変えて、モールド表
面に対するその4つの磁極7の位置を可変とすることに
より、同一の装置で様々なモールド1の寸法に対応する
ようにしている。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、1
台の装置で(1)溶鋼結晶の不均一な成長を防止しつ
つ、介在物の浮き出しを抑制するという電磁ブレーキの
利点と共に、(2)モールド壁との接触部から成長する
溶鋼の結晶を等軸晶化出来、また鋼片の表面の小孔数を
減少させることが出来るという、電磁攪拌の利点を同時
に合わせ持つことが出来、鋼片の品質向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例に係る構成図であ
る。
【図2】図1のII-II 線矢示断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態例に係る構成図であ
る。
【図4】図3のIV-IV 線矢示断面図である。
【図5】本発明に係る磁束密度に対する減速された割合
の測定例図である。
【図6】本発明に係る磁束密度に対する制動力、電力
(相対値)の図である。
【図7】本発明に係る回転流速に対する等軸晶率の図で
ある。
【図8】本発明に係る周波数に対する回転流速の図であ
る。
【図9】従来の金属片の連続鋳造用電磁ブレーキ装置の
構成例を示す図である。
【図10】図9のX−X線矢示断面図である。
【図11】従来の金属片の連続鋳造用電磁攪拌装置の構
成例を示す図である。
【図12】図11のXII−XII線矢示断面図である。
【図13】従来の金属片の連続鋳造用電磁ブレーキ兼用
電磁攪拌装置の構成例を示す図である。
【図14】図13のXIV−XIV線矢示断面図である。
【符号の説明】
1 モールド 2 溶鋼供給ノズル 3 溶鋼 4 冷却装置 5 コア 6 励磁コイル 7 磁極 8 交流電源 9 鋼片 10 回転ロール 11 磁束 12 直流コイル 13 直流電源 14 コア抑え板 15 3相電源 16 交流・直流両用電源
フロントページの続き (72)発明者 鶴崎 一也 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 中島 宏 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 角野 義輝 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (72)発明者 藤岡 宏規 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (56)参考文献 特開 平6−304719(JP,A) 特開 昭60−118359(JP,A) 特開 昭59−159256(JP,A) 特開 昭62−130752(JP,A) 特開 昭59−1056(JP,A) 特開 昭56−139264(JP,A) 特開 昭58−50157(JP,A) 特開 平8−309494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/11 B22D 11/04 311 B22D 11/115 B22D 11/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面正方形の冷却モールドを用いて金属
    片を連続鋳造する方法であって、溶鋼を注入するノズル
    より下方位置に次の条件を併せ持つ磁場を作用させるこ
    とを特徴とする金属片の連続鋳造方法。 (a)冷却モールドの中心部の磁束密度が2250ガウ
    ス以上4150ガウス以下である。 (b)励磁周波数が次の範囲で表わされる周波数域であ
    る。 【数1】 (c)溶鋼を注入するノズルより下方位置で、かつ冷却
    モールドの外側位置に強磁性体からなる4つの磁極を配
    置し、さらに前記磁極の外周に励磁コイルを配置してい
    る電磁石を用いて、向かい合う磁極のコイルに対して電
    流位相が180°異なる交流電流を、隣り合う磁極に対
    して電流位相が90°異なる交流電流を通電させること
    によって生じる磁場である。
  2. 【請求項2】 前記請求項1の鋳造方法において、モー
    ルド内寸法150mm×150mmの冷却モールドを用い、
    かつ次の条件を併せ持つ磁場を作用させることを特徴と
    する金属片の連続鋳造方法。 (a)冷却モールドの中心部の磁束密度が2250ガウ
    ス以上2450ガウス以下である。 (b)励磁周波数が0.85〜1.89Hzの範囲である。
  3. 【請求項3】 断面正方形の冷却モールドを用いて金属
    片を連続鋳造する装置であって、 (a)溶鋼を注入するノズルより下方位置でかつ冷却モ
    ールドの外側位置に強磁性体からなる4つの磁極を配置
    すると共に、上記磁極の外周に励磁コイルを配置してな
    り、 (b)上記対向する磁極のコイルに対して電流位相が1
    80°異なる交流電流を、隣り合う磁極に対して電流位
    相が90°異なる交流電流を通電し、 (c)上記冷却モールドの中心部の磁束密度が2250
    ガウス以上4150ガウス以下とし、 (d)モールド内寸法が0.284m以内であり、かつ励
    磁周波数が次の範囲で表わされる周波数域の電源を用い
    て励磁コイルに通電することを特徴とする金属片の連続
    鋳造用電磁ブレーキ装置。 【数2】
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