JP3129700B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを記録した記録媒体

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JP3129700B2
JP3129700B2 JP10207966A JP20796698A JP3129700B2 JP 3129700 B2 JP3129700 B2 JP 3129700B2 JP 10207966 A JP10207966 A JP 10207966A JP 20796698 A JP20796698 A JP 20796698A JP 3129700 B2 JP3129700 B2 JP 3129700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線コンピュータ
断層撮影装置(以下、X線CT(Computed Tomograph
y)装置という。)によって生成されたX線CT画像
と、磁気共鳴映像装置(以下、MRI(Magnetic Reson
ance Imaging)装置という。)によって磁気共鳴血管造
影法(以下、MRA(Magnetic Resonance Angiograph
y)法という。)により生成されたMRA画像との位置
合わせを行う画像処理装置、画像処理方法及び画像処理
プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のX線CT装置では、体外からX線
を照射し、その透過率を撮影することで高分解能で高い
コントラストをもった骨と軟部組織のスライス画像を撮
影することができる。
【0003】一方、MRI装置では、血流のある血管内
腔のように、対象とする原子核(水原子を構成する原子
核)が巨視的に動いている場合には、脳や筋肉などの通
常の組織などの静止している組織とは、まったく異なる
信号強度を示す。一般のMRIの撮影法では、高速では
無信号、低速では高い信号を示し、血流速度とパルスシ
ーケンスに依存してその信号強度は複雑に変化する。こ
の関係を巧みに利用して、血管内腔の血流のある部分の
み高い信号に描き出し、それ以外の部分を最大強度投影
(maximum intensity projection)処理などの方法を用
いて消去して得られたものがMRA画像である。すなわ
ち、MRA法とは、核磁気の共鳴を利用して高い解剖学
的精度で例えば血管などの軟部組織の3次元的な立体形
状をスライス画像(断層画像)として撮影するMRI装
置と呼ばれる撮影装置を用いた血管系の形態の画像化手
法の総称である。
【0004】MRA法には、断層面と垂直な流速成分の
上述の高い信号を対象とするタイムオブフライト法と、
断層面内をこれと平行に流れる成分の位相変化を利用し
た位相コントラスト法とがある。従来の血管撮影法のよ
うに、造影剤を血管内に注入する必要は無く。まった
く、非侵襲的に血管を描出できるという利点がある。動
脈瘤、血管奇形、血管狭窄又は閉塞などの血管病変の診
断や、手術前の病変への栄養血管の同定に有用である。
【0005】従来から提案されている、解剖学的形態情
報に基づくX線CT画像とMRA画像との間の頭部3次
元画像の自動マッチング処理では、脳、骨あるいは体表
面の輪郭情報に注目しそれ以外のデータを無視すること
で扱うデータ量を減らし、処理を高速化している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の自動マッチング処理を用いた場合、MRA画像は撮影
範囲が小さいため、データ量を減らすとマッチングに十
分な情報が得られない。また、例えば、動脈瘤の位置を
特定するには、MRA画像を用いることができるが、M
RA画像のみにおいてその位置を特定する精度は比較的
低い。さらに、例えば、人体に対して造影剤を点滴し、
X線CT装置を用いて撮像されたX線CT画像において
頭蓋骨と脳内の血管とを同時に見ることができるが、造
影剤の投与は血圧低下などの危険があり、また、アレル
ギー体質の患者などには負担が大きく、使用が制限され
るという問題点があった。
【0007】本発明の目的は以上の問題点を解決し、造
影剤を投与することなく、従来技術に比較して高い精度
で、X線CT画像とMRA画像との位置合わせを行うこ
とができ、これらの画像の合成画像を表示して、人体の
所定の位置の特定を高精度で行うことができる画像処理
装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを記録した
記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像処理装
置は、X線コンピュータ断層撮影装置によって生成され
たX線CT画像データと、磁気共鳴映像装置によって磁
気共鳴血管造影法によって生成されたMRA画像データ
との位置合わせを行う画像処理装置において、上記X線
CT画像データに基づいて、所定の濃度しきい値を用い
て2値化処理を実行することにより、軟部組織を表す第
1の2値データを生成する第1の2値化処理手段と、上
記MRA画像データに基づいて、所定の別の濃度しきい
値を用いて2値化処理を実行することにより、軟部組織
を表す第2の2値データを生成する第2の2値化処理手
段と、上記第2の2値化処理手段によって生成された第
2の2値データを所定の座標上で固定する一方、上記第
1の2値化処理手段によって生成された第1の2値デー
タを、所定の移動方法で移動したときの移動前後の第1
と第2の2値データ間の面積又は体積の誤差が小さくな
るように移動させることにより、上記X線CT画像デー
タと上記MRA画像データとの位置合わせを行う画像位
置マッチング処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】上記画像処理装置において、好ましくは、
上記X線CT画像データと上記MRA画像データとは少
なくとも3次元以上の画像データであり、上記画像位置
マッチング処理手段は、上記少なくとも3次元のうちの
各1つの軸に対して垂直な平面上での第1と第2の2値
データの面積分布の誤差が最小となるように当該軸上で
上記第1の2値データを移動させることにより上記X線
CT画像データと上記MRA画像データとの位置合わせ
を行う第1のマッチング処理手段と、移動前の上記第1
と第2の2値データの体積誤差を計算し、上記座標の各
軸に対する所定の単位の平行移動と上記座標の各軸に対
する所定の単位の回転移動とのすべての組み合わせの複
数の移動パターンで移動を行ったときの移動後の上記第
1と第2の2値データの体積誤差を計算し、上記計算さ
れた移動前の上記第1と第2の2値データの体積誤差
と、上記計算された移動後の上記第1と第2の2値デー
タの体積誤差との差が最小となる移動パターンで上記第
1の2値データを移動させることにより上記X線CT画
像データと上記MRA画像データとの位置合わせを行う
第2のマッチング処理手段とのうち少なくとも1つの手
段を備えたことを特徴とする。
【0010】上記画像処理装置において、好ましくは、
上記第1のマッチング処理手段は、上記第1と第2の2
値データの面積分布の誤差が最小となるように当該軸上
で上記第1の2値データを移動させる処理を、上記座標
の各軸に対して少なくとも2回以上行うことを特徴とす
る。
【0011】上記画像処理装置において、好ましくは、
上記第2のマッチング処理手段は、上記計算された移動
前の上記第1と第2の2値データの体積誤差が所定のし
きい値未満になり、もしくは、上記計算された移動前の
上記第1と第2の2値データの体積誤差と、上記計算さ
れた移動後の上記第1と第2の2値データの体積誤差と
の差が正となる移動パターンが存在しないときまで、上
記第1の2値データの移動による位置合わせを繰り返す
ことを特徴とする。
【0012】上記画像処理装置は、好ましくは、上記第
1と第2の2値化処理手段の前段に設けられ、上記X線
CT画像データと上記MRA画像データの各ボクセルを
統一するように上記X線CT画像データと上記MRA画
像データのうちの一方の画像データを補間して上記第1
又は第2の2値化処理手段に出力する補間手段をさらに
備えたことを特徴とする。上記画像処理装置は、好まし
くは、上記画像位置マッチング処理手段によって位置合
わせされたX線CT画像データとMRA画像データとを
合成して、合成された画像データを表示する合成表示手
段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】本発明に係る画像処理方法は、X線コンピ
ュータ断層撮影装置によって生成されたX線CT画像デ
ータと、磁気共鳴映像装置によって磁気共鳴血管造影法
によって生成されたMRA画像データとの位置合わせを
行う画像処理方法において、上記X線CT画像データに
基づいて、所定の濃度しきい値を用いて2値化処理を実
行することにより、軟部組織を表す第1の2値データを
生成する第1の2値化処理ステップと、上記MRA画像
データに基づいて、所定の別の濃度しきい値を用いて2
値化処理を実行することにより、軟部組織を表す第2の
2値データを生成する第2の2値化処理ステップと、上
記生成された第2の2値データを所定の座標上で固定す
る一方、上記生成された第1の2値データを、所定の移
動方法で移動したときの移動前後の第1と第2の2値デ
ータ間の面積又は体積の誤差が小さくなるように移動さ
せることにより、上記X線CT画像データと上記MRA
画像データとの位置合わせを行う画像位置マッチング処
理ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】上記画像処理方法において、好ましくは、
上記X線CT画像データと上記MRA画像データとは少
なくとも3次元以上の画像データであり、上記画像位置
マッチング処理ステップは、上記少なくとも3次元のう
ちの各1つの軸に対して垂直な平面上での第1と第2の
2値データの面積分布の誤差が最小となるように当該軸
上で上記第1の2値データを移動させることにより上記
X線CT画像データと上記MRA画像データとの位置合
わせを行う第1のマッチング処理ステップと、移動前の
上記第1と第2の2値データの体積誤差を計算し、上記
座標の各軸に対する所定の単位の平行移動と上記座標の
各軸に対する所定の単位の回転移動とのすべての組み合
わせの複数の移動パターンで移動を行ったときの移動後
の上記第1と第2の2値データの体積誤差を計算し、上
記計算された移動前の上記第1と第2の2値データの体
積誤差と、上記計算された移動後の上記第1と第2の2
値データの体積誤差との差が最小となる移動パターンで
上記第1の2値データを移動させることにより上記X線
CT画像データと上記MRA画像データとの位置合わせ
を行う第2のマッチング処理ステップとのうち少なくと
も1つのステップを含むことを特徴とする。
【0015】上記画像処理方法において、好ましくは、
上記第1のマッチング処理ステップは、上記第1と第2
の2値データの面積分布の誤差が最小となるように当該
軸上で上記第1の2値データを移動させる処理を、上記
座標の各軸に対して少なくとも2回以上行うことを特徴
とする。
【0016】上記画像処理方法において、好ましくは、
上記第2のマッチング処理ステップは、上記計算された
移動前の上記第1と第2の2値データの体積誤差が所定
のしきい値未満になり、もしくは、上記計算された移動
前の上記第1と第2の2値データの体積誤差と、上記計
算された移動後の上記第1と第2の2値データの体積誤
差との差が正となる移動パターンが存在しないときま
で、上記第1の2値データの移動による位置合わせを繰
り返すことを特徴とする。
【0017】上記画像処理方法は、好ましくは、上記第
1と第2の2値化処理ステップの前に実行され、上記X
線CT画像データと上記MRA画像データの各ボクセル
を統一するように上記X線CT画像データと上記MRA
画像データのうちの一方の画像データを補間する補間ス
テップをさらに含むことを特徴とする。上記画像処理方
法は、好ましくは、上記画像位置マッチング処理ステッ
プによって位置合わせされたX線CT画像データとMR
A画像データとを合成して、合成された画像データを表
示する合成表示ステップをさらに含むことを特徴とす
る。
【0018】本発明に係る画像処理プログラムを記録し
た記録媒体は、上記画像処理方法を含む画像処理プログ
ラムを記録したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0020】図1は、本発明に係る一実施形態である画
像処理装置10を備えた画像処理システムの構成を示す
ブロック図であり、図2は、図1の画像処理装置10に
よって実行される人体画像の画像処理(メインルーチ
ン)を示すフローチャートである。本実施形態の画像処
理システムは、大きく分けて、(a)人体のX線CT画
像データを生成するX線CT装置1と、(b)MRA画
像処理プログラムを含み、上記と同じ人体のMRA画像
データを生成するMRI装置2と、(c)デジタル計算
機で構成され、上記X線CT画像データと、上記MRA
画像データとに基づいて、図2に示すように、2つの第
1と第2の画像位置マッチング処理(ステップS6,S
7)を行うことにより、上記X線CT画像データと、上
記MRA画像データとの位置あわせを行い、画像位置マ
ッチング処理後の2つの画像データを合成して表示する
画像処理装置10とを備えたことを特徴としている。こ
こで、X線CT画像データとMRA画像データとの位置
あわせとは、例えば同一の人体の各画像データを用いて
すべての部位の物理的な位置を合わせるように、一方の
画像データ(本実施形態では、MRA画像データ)の座
標を固定する一方、他方の画像データ(本実施形態で
は、X線CT画像データ)を移動させる処理をいう。こ
の処理の後、移動後の各画像データを合成して合成画像
を表示するなどして、例えばX線CT画像を参照しなが
ら、MRA画像における所定の部位を特定して、例えば
手術などの処理を人体に行う。
【0021】ここで、X線CT装置1の通信インターフ
ェース1aと画像処理装置10の通信インターフェース
61との間が通信ケーブル51を介して接続され、MR
I装置2の通信インターフェース2aと画像処理装置1
0の通信インターフェース62との間が通信ケーブル5
2を介して接続される。これらの通信インターフェース
1a,2a,61,62は例えばLAN用の通信インタ
ーフェースである。そして、X線CT画像データがX線
CT装置1から画像処理装置10に送信されて画像処理
装置10で受信される一方、MRA画像データがMRI
装置2から画像処理装置10に送信されて画像処理装置
10で受信される。
【0022】本実施形態の画像処理装置10では、汎用
性、再現性に優れたマーカレスの頭部X線CT画像とM
RA画像の画像位置マッチング法(位置合わせ法)とし
て、まず双方の画像に対してx,y,z軸の各面積分布
を求め、双方の面積分布の誤差を最小にするように平行
移動を行うことで大まかな位置合わせを行い、その後、
双方の画像の立体的な重なりから体積誤差を求め、体積
誤差が最小になるように平行移動と回転移動を繰り返す
ことで3次元画像のマッチングを行うことで、処理時間
を従来技術に比較して大幅に短縮することを特徴として
いる。
【0023】ここで、MRA画像は撮影範囲が小さく体
表面などの輪郭情報だけでは十分な精度が期待できない
ので、位置あわせのための形態情報として、しきい値を
用いた2値化処理で比較的容易に抽出できる軟部組織の
立体形状を用いる。第1の画像位置マッチング処理で
は、予め双方の画像に対してx,y,z軸の各面積分布
を求め、双方の面積分布の誤差を最小にするように平行
移動を行うことで大まかな位置合わせを行う。その後、
第2の画像位置マッチング処理では、双方の画像の立体
的な重なりから体積誤差を求め、体積誤差が最小になる
ように平行移動と回転移動を繰り返すことで3次元画像
の位置マッチングを実現する。この際、移動処理を行う
のはX線CT画像とし、MRA画像は固定しておく。
【0024】まず、図1を参照して、画像処理装置10
の構成について説明する。画像処理装置10は、 (a)当該画像処理装置10の動作及び処理を演算及び
制御するCPU(中央演算処理装置)20と、 (b)オペレーションプログラムなどの基本プログラム
及びそれを実行するために必要なデータを格納するRO
M(読み出し専用メモリ)21と、 (c)CPU20のワーキングメモリとして動作し、画
像処理で必要なパラメータやデータを一時的に格納する
RAM(ランダムアクセスメモリ)22と、 (d)例えばハードディスクメモリで構成され、X線C
T装置1から受信したX線CT画像データ、MRI装置
2から受信したMRA画像データ、画像処理中の画像デ
ータ、及び画像処理後の画像データを格納する画像メモ
リ23と、 (e)例えばハードディスクメモリで構成され、CD−
ROMドライブ装置45を用いて読みこんだ図2の画像
処理のプログラムを格納するプログラムメモリ24と、 (f)X線CT装置1の通信インターフェース1aと接
続され、通信インターフェース1aとデータを送受信す
る通信インターフェース61と、 (g)MRI装置2の通信インターフェース2aと接続
され、通信インターフェース2aとデータを送受信する
通信インターフェース62と、 (h)所定のデータや指示コマンドを入力するためのキ
ーボード41に接続され、キーボード41から入力され
たデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換など
のインターフェース処理を行ってCPU20に伝送する
キーボードインターフェース31と、 (i)CRTディスプレイ43上で指示コマンドを入力
するためのマウス42に接続され、マウス42から入力
されたデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換
などのインターフェース処理を行ってCPU20に伝送
するマウスインターフェース32と、 (j)CPU20によって処理された画像データや設定
指示画面などを表示するCRTディスプレイ43に接続
され、表示すべき画像データをCRTディスプレイ43
用の画像信号に変換してCRTディスプレイ43に出力
して表示するディスプレイインターフェース33と、 (k)CPU20によって処理された画像データ及び所
定の解析結果などを印字するプリンタ44に接続され、
印字すべき印字データの所定の信号変換などを行ってプ
リンタ44に出力して印字するプリンタインターフェー
ス34と、 (l)画像処理プログラムが記憶されたCD−ROM4
5aから画像処理プログラムのプログラムデータを読み
出すCD−ROMドライブ装置45に接続され、読み出
された画像処理プログラムのプログラムデータを所定の
信号変換などを行ってプログラムメモリ24に転送する
ドライブ装置インターフェース35とを備え、これらの
回路20−24、31−35及び61、62はバス30
を介して接続される。
【0025】本実施形態では、複雑な方向性を持った血
管の撮影に適しているため頭部の血管撮影に用いられて
いる3次元タイムオブフライト(3D−TOF(3 Dime
nsion-Time of Flight))法で撮影された96枚の頭部
のMRA水平断層画像を用いる。スライス間隔は0.8
mmで、各スライス画像は220mm×220mmの範
囲を256×256画素、256階調で撮影している。
このMRA断層画像の一例を図17に示す。また、実際
の診断では、例えば、公知のファジーMRA画像処理法
を用いて、MRA原画像から血管を3次元画像として抽
出したものが用いられている。これらの画像から抽出さ
れる血管のMRA画像を図18に示す。
【0026】本実施形態では、136枚の頭部X線CT
水平断層画像を用いる。スライス間隔は1mmで、各画
像は220mm×220mmの範囲を256×256画
素、3900階調で撮影している。このX線CT断層画
像の一例を図19に示す。また、これらの画像から抽出
される頭蓋骨の画像を図20に示す。
【0027】本実施形態では、X線CT装置1によって
生成されたX線CT画像のスライス画像データがX線C
T装置1の通信インターフェース1aから通信ケーブル
51を介して画像処理装置10の通信インターフェース
61に送信されて受信された後、画像処理のために画像
メモリ23に格納される(図2のステップS1)。ま
た、MRI装置2によって生成されたMRA画像のスラ
イス画像データがMRI装置2の通信インターフェース
2aから通信ケーブル52を介して画像処理装置10の
通信インターフェース62に送信されて受信された後、
画像処理のために画像メモリ23に格納される(図2の
ステップS2)。
【0028】図9は、図1の画像処理装置10において
用いる3次元画像データの構成を示す斜視図である。X
線CT画像と、MRA画像の双方のスライス画像データ
は、図9に示すように、z軸方向に並べられ、3次元の
配列データとして画像メモリ23に格納される。ここ
で、画像データは、いわゆるグレースケールで表され
た、各測定点における所定数の階調のデータである。例
えば、点(x1,y1,z1)における濃度値(又は画素
値)は、z軸の座標値z1(すなわち、最初のz軸の座
標値を1としたとき、z1枚目)の画像データの座標
(x1,y1)の画像データを参照することにより求める
ことができる。なお、図9でのハッチング部分は、ある
座標値z1における1枚のスライス画像データを示して
いる。3次元画像データをこのように構成することで、
2つの画像間の連結関係が明確になり、3次元構造を内
部まで詳細に表現することができる。
【0029】ここで、この3次元画像データを構成する
各測定点をボクセル(Voxel)と呼ぶ。ボクセルは画素
にスライス間隔分の厚みを加えた直方体であり、3次元
データを構成する最小の単位となる。図10(a)は図
1の画像処理装置10において用いる3次元画像データ
の構成を示す斜視図であり、図10(b)は図10
(a)に図示された3次元画像データにおけるボクセル
の単位を示す斜視図である。本実施形態で用いるX線C
T画像データのボクセルは0.86×0.86×1mm
3のサイズを有する直方体であり、1つの3次元X線C
T画像データは256×256×136個のボクセルか
ら構成される。また、MRA画像データのボクセルは
0.86×0.86×0.8mm3のサイズを有する直
方体であり、1つの3次元MRA画像データは256×
256×96個のボクセルから構成される。これらの画
像データは、当該画像処理装置10によって処理すべき
入力データとして画像メモリ23に格納される。
【0030】ところで、X線CT画像はMRA画像と
は、それらのスライス間隔が異なる(X線CT画像:1
mm、MRA画像:0.8mm)ため、デジタル計算機
での処理上、2つの画像データのボクセルを統一するた
めに、本実施形態では、X線CT画像データを補間する
(図2のステップS3)。補間による画像の劣化をなる
べく少なくするために、与えられた点の区分的3次式で
補間する公知の3次スプライン補間法を用いて、X線C
T画像データをMRA画像と同じスライス間隔に再構成
する。X線CT画像データを補間することでデータ量が
増え、X線CT画像データはボクセル数256×256
×136個の3次元画像データから、256×256×
170個の3次元画像データに再構成されて、画像メモ
リ23に格納される。以後の処理では、この再構成され
たX線CT画像データが用いられる。
【0031】また、画像位置マッチング処理では、双方
の画像データに共通する形態情報が必要である。そこ
で、X線CT画像と、MRA画像の双方の画像で共通に
撮影されている組織を抽出し、画像位置マッチング用の
画像データを作成する。この処理は、図2のステップS
4及びS5における、しきい値を用いた2値化処理であ
る。
【0032】MRA法では、血管からの信号を強調する
が、血管以外からの信号を一切含まないような画像が得
られるわけではなく、MRA画像では、脳実質などの血
管以外の形状も同時に撮影されている。この血管以外の
情報を用いて、X線CT画像とのマッチング用画像を作
成する。次の表に、本発明者らによってMRI2装置を
用いてTOF法を用いて測定されたMRA画像データに
おける各組織別の画像信号値(濃度値)の一例を示す。
【0033】
【表1】MRA画像データにおける各組織別の画像信号
値の一例 ―――――――――――――― 血管 300乃至330 脂肪 180乃至200 脳実質 60乃至80 頭皮 55乃至70 骨 20乃至40 空気 5乃至10 ――――――――――――――
【0034】表1から明らかなように、MRA画像デー
タでは、空気と骨の信号値が最も低く、血管の信号値が
最も高い。脳実質など血管以外の軟部組織の信号値はこ
の中間の値であり、信号値があるしきい値より高いか低
いかで領域を分割するしきい値処理によって、空気及び
骨、血管以外の軟部組織、および血管の3つの領域が区
別可能である。すなわち、表1の例では、第1のしきい
値を200に設定することにより、血管と、血管以外の
軟部組織とを区別することができ、第2のしきい値を5
0に設定することにより空気及び骨と、血管以外の軟部
組織とを区別することができる。なお、軟部組織とは、
血管又は血管内腔、脳質、脂肪、皮膚、内臓、神経、病
巣などを含む。従って、MRA画像データの2値化処理
(図2のステップS5)では、血管以外の軟部組織の領
域の濃度値(信号値)を0(白)とし、血管並びに骨及
び空気の領域の濃度値(信号値)を1(黒)としてMR
A画像データを2値化した画像データを画像位置マッチ
ング処理用2値化画像データとして作成した後、画像メ
モリ23に格納する。
【0035】本実施形態においては、MRA画像データ
に対して上述の2つのしきい値を用いて2値化処理を行
うことにより、血管と、血管以外の軟部組織と、空気及
び骨との3つに区別しているが、本発明はこれに限ら
ず、第2のしきい値のみを用いてそれを50に設定する
ことにより空気及び骨と、血管を含む軟部組織との2つ
に区別してもよい。ここで、血管を含む軟部組織におい
て、血管が占有する面積はわずかであり、以後の画像処
理に対して与える影響はほとんど少ないからである。
【0036】また、次の表に、本発明者らによってX線
CT装置1を用いて測定されたX線CT画像データにお
ける各組織別の画像信号値(濃度値)の一例を示す。
【0037】
【表2】X線CT画像データにおける各組織別の画像信
号値の一例 ―――――――――――――― 骨 400乃至500 凝固血液 20乃至30 灰白質 16乃至20 白質 10乃至14 血液 4乃至8 水分 0 脂肪 −40乃至−60 空気 −450乃至−600 ―――――――――――――――
【0038】表2から明らかなように、X線CT画像デ
ータでは空気の信号値(濃度値)が最も低く、次いで軟
部組織、骨の順に信号値(濃度値)が高くなる。この画
像データからしきい値を用いた2値化処理により空気、
軟部組織、骨の3つの領域が区別可能である。すなわ
ち、表2の例では、第1のしきい値を300に設定し、
第2のしきい値を10に設定することにより、軟部組織
を抽出することができる。従って、X線CT画像データ
の2値化処理(図2のステップS4)では、軟部組織の
領域の濃度値(信号値)を0(白)とし、骨及び空気の
領域の濃度値(信号値)を1(黒)としてX線CT画像
データを2値化した画像データを画像位置マッチング処
理用2値化画像データとして作成した後、画像メモリ2
3に格納する。
【0039】上記2値化処理後のX線CT2値画像のス
ライス画像の一例を図21に示し、上記2値化処理後の
MRA2値画像のスライス画像の一例を図22に示す。
また、上記X線CT2値画像から抽出した軟部組織の3
次元画像の一例を図23に示し、上記MRA2値画像か
ら抽出した軟部組織の3次元画像の一例を図24に示
す。
【0040】従来技術の項で説明したように、解剖学的
形態情報に基づく頭部3次元画像の自動マッチング処理
では、脳、骨あるいは体表面の輪郭情報に注目しそれ以
外のデータを無視することで扱うデータ量を減らし、処
理を高速化している。しかしながら、MRA画像は撮影
範囲が小さいため、データ量を減らすとマッチングに十
分な情報が得られない。この問題点を解決するために、
本発明に係る実施形態では、データ量を減らさず、体積
を利用したマッチングを行う。この方法では、計算時間
が長く、双方の画像の位置や角度が大きくずれているほ
ど計算回数が多くなる。そこで計算回数短縮のために、
まず、第1の画像位置マッチング処理において、面積分
布を用いた平行移動のよる位置修正によって位置のずれ
を大まかに修正し、その後、第2の画像位置マッチング
処理において、体積を利用した細かなマッチング処理を
行う。
【0041】本実施形態の方法では、移動させる画像デ
ータはX線CT画像データに限定し、固定したMRA画
像データとの位置、角度のずれによる誤差が最小となる
ように、X線CT画像データに平行移動や回転移動を施
すことで3次元のマッチングを実現する。
【0042】まず、第1の画像位置マッチング処理につ
いて説明する。双方の画像は撮影範囲が異なるため重心
が一致せず、重心を合わせる処理では十分な位置修正が
期待できない。そこで、3次元2値画像の各スライス平
面での面積を求め、x軸、y軸、z軸方向の面積分布を
比較することで、位置修正を行う。
【0043】第1の画像位置マッチング処理では、ま
ず、MRA画像データを所定の3次元座標(x,y,
z)上で固定し、X線CT画像データとMRA画像デー
タのそれぞれの2値化処理後の2値データをそれぞれf
c(x,y,z)、fm(x,y,z)に設定して画像
メモリ23に格納する(図3のステップS11)。
【0044】第1の画像位置マッチング処理の面積分布
についてy軸を例にとり説明する。図11は、図3の第
1の画像位置マッチング処理において3次元画像データ
の2値データ(白部分)に対するy軸に垂直なスライス
平面上の面積を示す図であり、図12は、図3の第1の
画像位置マッチング処理における各画像データの2値デ
ータの面積分布と面積誤差とを表す図である。X線CT
画像データの2値データfc(x,y,z)及びMRA
画像データの2値データfm(x,y,z)に基づい
て、図11に示すようなy軸に垂直なスライス平面(z
x断面の平面)70上で白部分の画像データ(濃度値=
0)が占有する面積71を、y軸に対する積分データS
c(y),Sm(x,y,z)として次式を用いて計算
する(図4のステップS21,S22)。
【0045】
【数1】
【数2】
【0046】ここで、関数inv(・)は、引数の2値
データを反転する反転関数であって、1の2値データを
0に変換する一方、0の2値データを1に変換する。そ
して、図12に示すようなX線CT画像の2値データの
面積分布Sc(y)と、MRA画像の2値データの面積
分布Sm(y)を作成する。
【0047】次いで、この面積分布を用いた位置修正処
理では、MRA画像は固定し、X線CT画像に平行移動
による位置修正を施すものとし、ずれの移動値をΔyと
する。すなわち、y軸に対する積分データSc(y),
Sm(y)に基づいて、次式を用いて各移動値Δy(単
位はボクセルである。)に対して、2乗誤差の形式を有
する各2値データ間の誤差関数E1yの関数値を計算す
る(図4のステップS23)。
【0048】
【数3】
【0049】ここで、ずれの移動値Δyを−50≦Δy
≦50ボクセルの範囲で変化し、総当たりで誤差関数値
E1yが最小になる移動値Δyを求めて、X線CT画像
データをx軸上でその移動値Δyだけ移動して、X線C
T画像データ及びその2値データをそれぞれ移動後のデ
ータに更新して画像メモリ23に格納する(図4のステ
ップS24)。以上の処理は、図4のy軸に沿った移動
処理であるが、これと同様に、図5のx軸に沿った移動
処理及び図6のz軸に沿った移動処理を実行する。後者
の2つの処理で用いる式を以下に示す。これらの式は、
数1乃至数3から容易に導出されるものである。
【0050】
【数4】
【数5】
【数6】
【0051】
【数7】
【数8】
【数9】
【0052】これら3方向の移動処理を行うことによっ
て、X線CT画像データとその2値データに対して大ま
かな位置修正を行う。本実施形態では、3方向の移動処
理を好ましくは2回以上行う。
【0053】次いで、第2の画像位置マッチング処理に
ついて説明する。図7に示す第2の画像位置マッチング
処理では、固定したMRA画像とのずれによる体積誤差
Miが最小になるように、X線CT画像に平行移動又は
回転移動を繰り返すことで高精度の3次元画像のマッチ
ングを実現する。この処理におけるX線CT画像の基本
移動パターンは、平行移動3通り(x軸、y軸、又はz
軸方向に移動せず、又は±1ボクセルだけ平行移動す
る。)と、回転移動3通り(重心を通るx軸、y軸、又
はz軸に平行な直線を軸とした軸回転を±1度だけ行
う、又は行わない。)との合計6通りであって、6通り
の各基本移動パターンに対してそれぞれ3通りのパター
ンがあるので、それらのすべての組み合わせは36通り
となる。本処理では、この組み合わせの移動パターン
(以下、移動パターンという。)i(i=1,2,…,
6)を考え、1回のループでは、36通りの移動パター
ンのうちどれか1つだけ、移動後の体積誤差Miが最も
小さくなる移動パターンsを選び、X線CT画像データ
を移動する。もし移動前後の体積誤差の差dMi(=M
o−Mi)が所定のしきい値Moth未満となったと
き、もしくは36パターンのどの方向に移動しても体積
誤差Miが小さくならない場合は収束したと判定し、当
該第2の画像位置マッチング処理を終える。
【0054】第2の画像位置マッチング処理において3
次元の画像を移動させる概念図を図13及び図14に示
す。ここで、図13は、図3の第2の画像位置マッチン
グ処理におけるMRA画像とX線CT画像の各立方体の
重なりを示す概念図であり、図14は、図3の第2の画
像位置マッチング処理における各画像データからの軟部
組織の重なりを示す概念図である。図13及び図14に
おいて、画像のずれによる誤差は、双方の2値画像デー
タの0,1の値が一致しないボクセルの数、すなわち重
なっていない部分(図13及び図14では、ハッチング
なしの部分)の体積で表し、これを体積誤差と呼ぶ。移
動前の体積誤差Moと、各移動パターンiによる移動後
の体積誤差Miは次式で表される。
【0055】
【数10】
【数11】
【0056】ここで、EXORは排他的論理和の演算子
であり、fci(x,y,z)はX線CT画像データの
2値データfc(x,y,z)を移動パターンiで移動
させたときの2値データをいう。また、fmi(x,
y,z)はMRA画像データの2値データfm(x,
y,z)を移動パターンiで移動させたときの2値デー
タをいう。
【0057】第2の画像位置マッチング処理において
は、面積分布による位置修正を行ったX線CT画像に対
して、体積誤差によるマッチング処理を行う。移動処理
を行わないMRA画像の重心を原点とする3次元座標を
図15に示すように定義する。この座標系に配置したX
線CT画像に対し、次の移動パターンを定義する。
【0058】
【表3】 基本移動パターン ―――――――――――――――――――――――――――――――――― (1)平行移動 (a)x軸方向に+1ボクセル、0ボクセル、又は−1ボクセル (b)y軸方向に+1ボクセル、0ボクセル、又は−1ボクセル (c)z軸方向に+1ボクセル、0ボクセル、又は−1ボクセル ―――――――――――――――――――――――――――――――――― (2)回転移動 (a)x軸正方向に対して時計回りに+1度、0度、又は−1度 (b)y軸正方向に対して時計回りに+1度、0度、又は−1度 (c)z軸正方向に対して時計回りに+1度、0度、又は−1度 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0059】これら6通りの基本移動パターンのそれぞ
れに対して3通りのパターンのすべての組み合わせを考
えると、上述のように、移動パターンiは36通りにな
る。そして,移動前の体積誤差Moを数10を用いて計
算する(図7のステップS51)一方、これらのすべて
の移動パターンiに対する移動後の体積誤差Mi(i=
1,2,…,36)を計算した(図7のステップS5
2)後、各移動パターンiに対する移動前後の体積誤差
の差dMi(=Mo−Mi)を計算する(図7のステッ
プS53)。そして、移動前後の体積誤差の差dMiが
最小となるときの移動パターンsをその時点での最適な
移動パターンsとして選択する。選択された移動パター
ンsによって移動を行ったX線CT画像データの2値デ
ータについて新たな36の移動パターンの体積誤差Mi
を計算して、その時点での最適な移動パターンsを選択
することを繰り返す。そして、移動前の体積誤差Moが
所定のしきい値未満であるとき、もしくは、移動前後の
体積誤差の差dMiが前回と比べて(すなわち、移動前
後で)小さくなる移動パターンが存在しない場合、収束
したと判断し、マッチング処理を終了する。
【0060】しかしながら、画像データに対して回転移
動を行うと誤差が生じるため、位置合わせが終了するま
でにその誤差が蓄積されてしまう。そこで、本実施形態
では、各軸に対する平行移動量と軸回転移動量を移動パ
ラメータで表し、移動パターンが選択される度に移動パ
ラメータを更新することで擬似的に画像データの移動処
理を行う。次の表に移動パラメータを示し、図16に移
動パラメータの概念をそれぞれ示す。
【0061】
【表4】 移動パラメータとその説明 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 移動パラメータ 説明 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― Dx x軸方向の平行移動量 Dy y軸方向の平行移動量 Dz z軸方向の平行移動量 Sx 重心を通るx軸に平行な直線を軸とする軸回転量 Sy 重心を通るy軸に平行な直線を軸とする軸回転量 Sz 重心を通るz軸に平行な直線を軸とする軸回転量 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0062】第2の画像位置マッチング処理の実際の処
理では移動後の画像データを作成せず、移動パラメータ
を用いた公知のアフィン変換によって移動前の画像デー
タと移動後の画像データの各座標の対応が決定すること
を利用し、移動前の画像データから移動後の画像データ
の体積誤差を計算する。
【0063】図27乃至図30は、画像位置マッチング
処理の処理前後のMRA2値画像とX線CT2値画像の
位置のマッチング状態を示している。なお、X線CT2
値画像は、骨の輪郭がわかるようにエッジ処理されてい
る。これらの図からわかるように、高精度で位置のマッ
チング処理を行うことが可能であることがわかる。
【0064】最後に、画像処理装置10によって実行さ
れる人体画像の画像処理の流れについて説明する。図2
は、図1の画像処理装置10によって実行される人体画
像の画像処理(メインルーチン)を示すフローチャート
である。図2において、まず、ステップS1においてX
線CT装置1からX線CT画像データを取り込み画像メ
モリ23に格納し、次いで、ステップS2においてMR
I装置2からMRA画像データを取り込み画像メモリ2
3に格納する。次いで、ステップS3で、X線CT画像
データの補間処理を行った後、ステップS4においてX
線CT画像データのしきい値処理を実行し、ステップS
5においてMRA画像データのしきい値処理を実行す
る。さらに、ステップS6において第1の画像位置マッ
チング処理を実行し、ステップS7において第2の画像
位置マッチング処理を実行する。最後に、ステップS8
において画像処理後の画像データに基づく表示処理を実
行して、当該画像処理のメインルーチンを終了する。
【0065】図3は、図2のサブルーチンである第1の
画像位置マッチング処理(ステップS6)を示すフロー
チャートである。図3において、まず、ステップS11
においてMRA画像データを所定の3次元座標(x,
y,z)上で固定し、各データの2値化処理後の2値デ
ータをそれぞれfc(x,y,z),fm(x,y,
z)と設定する。そして、ステップS12においてy軸
に沿った移動処理を実行し、ステップS13においてx
軸に沿った移動処理を実行し、ステップS14において
z軸に沿った移動処理を実行する。さらには、これらの
3つの移動処理をステップS15,S16,S17で繰
り返して、元のメインルーチンに戻る。
【0066】図4は、図3のサブルーチンであるy軸に
沿った移動処理(ステップS12,ステップS15)を
示すフローチャートである。図4において、ステップS
21において2値データfc(x,y,z)に基づい
て、数1を用いて、y軸に対する積分データSc(y)
を計算し、ステップS22において2値データfm
(x,y,z)に基づいて、数2を用いて、y軸に対す
る積分データSm(y)を計算する。次いで、ステップ
S23で、y軸に対する積分データSc(y)、積分デ
ータSm(y)に基づいて、数3を用いて、各移動値Δ
yに対して誤差関数E1y(Δy)の関数値を計算す
る。さらに、ステップS24で、最小の関数値を求め、
そのときの移動値Δyの値だけ、X線CT画像データを
y軸上で移動して、X線CT画像データ及びその2値デ
ータをそれぞれ移動後のデータに更新する。
【0067】図5は、図3のサブルーチンであるx軸に
沿った移動処理(ステップS13,ステップS16)を
示すフローチャートである。図5において、ステップS
31において2値データfc(x,y,z)に基づい
て、数4を用いて、x軸に対する積分データSc(x)
を計算し、ステップS32において2値データfm
(x,y,z)に基づいて、数5を用いて、x軸に対す
る積分データSm(x)を計算する。次いで、ステップ
S33で、x軸に対する積分データSc(x)、積分デ
ータSm(x)に基づいて、数6を用いて、各移動値Δ
xに対して誤差関数E1x(Δx)の関数値を計算す
る。さらに、ステップS34で、最小の関数値を求め、
そのときの移動値Δxの値だけ、X線CT画像データを
x軸上で移動して、X線CT画像データ及びその2値デ
ータをそれぞれ移動後のデータに更新する。
【0068】図6は、図3のサブルーチンであるz軸に
沿った移動処理(ステップS14,ステップS17)を
示すフローチャートである。図6において、ステップS
41において2値データfc(x,y,z)に基づい
て、数7を用いて、z軸に対する積分データSc(z)
を計算し、ステップS42において2値データfm
(x,y,z)に基づいて、数8を用いて、z軸に対す
る積分データSm(z)を計算する。次いで、ステップ
S43で、z軸に対する積分データSc(z)、積分デ
ータSm(z)に基づいて、数9を用いて、各移動値Δ
zに対して誤差関数E1z(Δz)の関数値を計算す
る。さらに、ステップS44で、最小の関数値を求め、
そのときの移動値Δzの値だけ、X線CT画像データを
z軸上で移動して、X線CT画像データ及びその2値デ
ータをそれぞれ移動後のデータに更新する。
【0069】図7は、図2のサブルーチンである第2の
画像位置マッチング処理(ステップS7)を示すフロー
チャートである。まず、ステップS51において数10
を用いて、移動前の体積誤差Moを計算し、ステップS
52において数11を用いて、36通りの移動パターン
に対する移動後の体積誤差Mi(i=1,2,…,
6)を計算する。次いで、ステップS53において各
移動パターンiの移動前後の体積誤差の差dMi(=M
o−Mi)(i=1,2,…,36)を計算する。そし
て、ステップS54で、Mo<Mothであるか否かが
判断され、ステップS55で少なくとも1つのjに対し
てdMj>0であるか否かが判断される。ステップS5
4でYES又はステップS55でNOであるときは、収
束条件を満たしていると判断して、ステップS57にお
いて移動後のMRA画像データを画像処理後のMRA画
像データとして画像メモリ23に出力して格納する。一
方、ステップS54でNOであってかつステップS55
でYESのときは、収束条件を満たしていないので、ス
テップS56で、上記で得られたdMjの中でその値が
最小となるときのjの値sの移動パターンでMRA画像
データを移動させて、MRA画像データ及びその2値デ
ータをそれぞれ移動後のデータに更新した後、ステップ
S51に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0070】図8は、図2のサブルーチンである画像位
置マッチング処理後の画像データに基づく表示処理(ス
テップS8)を示すフローチャートである。図8におい
て、まず、ステップS61においてキーボード41を用
いて入力され又はマウス42を用いて指示されたユーザ
の表示要求に基づいて、3次元表示のときは、ステップ
S62で3次元表示のための画像処理を実行した後、ス
テップS63で3次元表示による合成画像の表示処理を
実行する。この3次元表示では、第2の画像位置マッチ
ング処理の処理後のX線CT画像データとMRA画像デ
ータとを、公知の方法で画像処理することにより、3次
元の斜視図で見ることができるように合成画像データが
生成されてCRTディスプレイ43に出力されて表示さ
れ、もしくは、プリンタ44に出力されて印字される。
そして、ステップS68に進む。
【0071】また、ステップS61でユーザの表示要求
が血管領域表示であるときは、ステップS64において
MRA画像データのしきい値処理を実行することによ
り、MRA画像データから血管のみの画像データを得
て、ステップS65においてMRA画像による血管領域
の表示処理を行ってステップS68に進む。
【0072】さらに、ステップS61でユーザの表示要
求が骨領域表示であるときは、ステップS66において
X線CT画像データのしきい値処理を実行することによ
り、X線CT画像データから骨のみの画像データを得
て、ステップS67においてX線CT画像による骨領域
の表示処理を行ってステップS68に進む。ステップS
68において別の表示要求があるか否かが判断され、Y
ESのときはステップS61に戻る一方、NOのときは
元のメインルーチンに戻る。
【0073】ステップS62及びS63における3次元
表示モードでは、例えば、図25及び図26に示すよう
に表示を行って、X線CT画像からの骨の部分と、MR
A画像からの血管の部分とを同時に表示することがで
き、これらの2つの画像間の位置精度は従来技術に比較
してきわめて高いものである。
【0074】<変形例>本実施形態においては、図2の
画像処理のプログラムデータをCD−ROM45aに格
納しているが、本発明はこれに限らず、CD−R、CD
−RW、DVD、MOなどの光ディスク又は光磁気ディ
スクの記録媒体、もしくは、フロッピーディスクなどの
磁気ディスクの記録媒体など種々の記録媒体に格納して
もよい。これらの記録媒体は,コンピュータで読み取り
可能な記録媒体である。また、図2の画像処理のプログ
ラムデータを予めプログラムメモリ24に格納して当該
画像処理を実行してもよい。
【0075】本実施形態においては、3次元の画像デー
タについて画像処理を行っているが、同様に、3次元を
超える次元の画像データについて同様の画像処理を行っ
ても良い。
【0076】本実施形態においては、第1と第2の画像
位置マッチング処理を行っているが、本発明はこれに限
らず、いずれか一方の画像位置マッチング処理を行うよ
うにしてもよい。
【0077】本実施形態において、図2のステップS3
で、X線CT画像データの補間処理を行っているが、X
線CT画像データのボクセルのサイズと、MRA画像デ
ータのボクセルのサイズが同一であるときは、当該補間
処理を実行しなくてもよい。
【0078】
【実施例】本実施形態の画像処理装置10を用いて、画
像処理の実験を行った。被験者3人分の画像データ(そ
れぞれA、B、Cとする。)に適用した実験結果につい
て、初期画像からの移動量を表す移動パラメータの最終
値、画像位置マッチング処理に要した時間、及びマーカ
の位置を比較することで確認したマッチング結果のずれ
を表5に示す。表5から明らかなように、3例の実験結
果について最大でも1.2mm程度のずれであることが
確認できた。このずれ量は、従来技術の項で述べた従来
例の自動マッチング処理に比較して大幅に低減された値
である。
【0079】
【表5】 画像位置マッチング処理の結果 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 画像テ゛ータ 移動パラメータの最終値 処理時間 ずれ量 Dx Dy Dz Sx Sy Sz (分) (mm) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― A 6 -17 -15 −1 1 0 10 0.0 B 10 −3 -32 -21 −1 2 50 0.8 C 8 −5 -15 -13 0 0 30 1.2 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 平均 8.0 -8.1 -20.7 -11.7 0.0 0.7 30 0.7 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0080】以上説明したように、本発明に係る実施形
態によれば、造影剤を投与することなく、従来技術に比
較して高い精度で、X線CT画像とMRA画像との位置
合わせを行うことができ、これらの画像の合成画像を表
示して、人体の所定の位置の特定を高精度でかつ高速で
行うことができる。従って、例えば、X線CT画像とM
RA画像とを合成して、くも膜下出血の原因となる動脈
瘤や脳腫瘍の位置を高精度で特定することができる。ま
た、副作用のおそれのある血管造影剤を体内に注入する
ことなく、患部と頭蓋骨との位置関係を3次元画像で割
り出すことができ、例えば、脳外科手術に活用すること
ができる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、X
線コンピュータ断層撮影装置によって生成されたX線C
T画像データと、磁気共鳴映像装置によって磁気共鳴血
管造影法によって生成されたMRA画像データとの位置
合わせを行う画像処理装置及び画像処理方法において、
上記X線CT画像データに基づいて、所定の濃度しきい
値を用いて2値化処理を実行することにより、軟部組織
を表す第1の2値データを生成し、上記MRA画像デー
タに基づいて、所定の別の濃度しきい値を用いて2値化
処理を実行することにより、軟部組織を表す第2の2値
データを生成し、上記生成された第2の2値データを所
定の座標上で固定する一方、上記生成された第1の2値
データを、所定の移動方法で移動したときの移動前後の
第1と第2の2値データ間の面積又は体積の誤差が小さ
くなるように移動させることにより、上記X線CT画像
データと上記MRA画像データとの位置合わせを行う。
【0082】従って、本発明によれば、造影剤を投与す
ることなく、従来技術に比較して高い精度で、X線CT
画像とMRA画像との位置合わせを行うことができ、こ
れらの画像の合成画像を表示して、人体の所定の位置の
特定を高精度でかつ高速で行うことができる。従って、
例えば、X線CT画像とMRA画像とを合成して、くも
膜下出血の原因となる動脈瘤や脳腫瘍の位置を高精度で
特定することができる。また、副作用のおそれのある血
管造影剤を体内に注入することなく、患部と頭蓋骨との
位置関係を3次元画像で割り出すことができ、例えば、
脳外科手術に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である画像処理装置
10を備えた画像処理システムの構成を示すブロック図
である。
【図2】 図1の画像処理装置10によって実行される
人体画像の画像処理(メインルーチン)を示すフローチ
ャートである。
【図3】 図2のサブルーチンである第1の画像位置マ
ッチング処理(ステップS6)を示すフローチャートで
ある。
【図4】 図3のサブルーチンであるy軸に沿った移動
処理(ステップS12,S15)を示すフローチャート
である。
【図5】 図3のサブルーチンであるx軸に沿った移動
処理(ステップS13,S16)を示すフローチャート
である。
【図6】 図3のサブルーチンであるz軸に沿った移動
処理(ステップS14,S17)を示すフローチャート
である。
【図7】 図2のサブルーチンである第2の画像位置マ
ッチング処理(ステップS7)を示すフローチャートで
ある。
【図8】 図2のサブルーチンである画像位置マッチン
グ処理後の画像データに基づく表示処理(ステップS
8)を示すフローチャートである。
【図9】 図1の画像処理装置10において用いる3次
元画像データの構成を示す斜視図である。
【図10】 (a)は図1の画像処理装置10において
用いる3次元画像データの構成を示す斜視図であり、
(b)は(a)に図示された3次元画像データにおける
ボクセルの単位を示す斜視図である。
【図11】 図3の第1の画像位置マッチング処理にお
いて3次元画像データの2値データ(白部分)に対する
y軸に垂直なスライス平面上の面積を示す図である。
【図12】 図3の第1の画像位置マッチング処理にお
ける各画像データの2値データの面積分布と面積誤差と
を表す図である。
【図13】 図7の第2の画像位置マッチング処理にお
けるMRA画像とX線CT画像の各2値データによる各
立方体の重なりを示す概念図である。
【図14】 図7の第2の画像位置マッチング処理にお
ける各画像データからの軟部組織の重なりを示す概念図
である。
【図15】 図7の第2の画像位置マッチング処理にお
ける画像位置マッチング用座標系を示す図である。
【図16】 図7の第2の画像位置マッチング処理にお
ける移動パラメータの概念を示す図である。
【図17】 図1の画像処理装置10の実施例における
MRA原画像の一例を示す図である。
【図18】 図1の画像処理装置10の実施例における
血管MRA画像の一例を示す図である。
【図19】 図1の画像処理装置10の実施例における
X線CT原画像の一例を示す図である。
【図20】 図1の画像処理装置10の実施例における
頭蓋骨画像の一例を示す図である。
【図21】 図1の画像処理装置10の実施例における
X線CT画像の2値化処理後のX線CT2値画像の一例
を示す図である。
【図22】 図1の画像処理装置10の実施例における
MRA画像の2値化処理後のMRA2値画像の一例を示
す図である。
【図23】 図1の画像処理装置10の実施例における
X線CT2値画像から抽出した軟部組織の一例を示す図
である。
【図24】 図1の画像処理装置10の実施例における
MRA2値画像から抽出した軟部組織の一例を示す図で
ある。
【図25】 図1の画像処理装置10の実施例における
画像位置マッチング処理後のX線CT画像とMRA画像
の画像合成結果の画像の一例を示す図である。
【図26】 図1の画像処理装置10の実施例における
画像位置マッチング処理後のX線CT画像とMRA画像
の画像合成結果の画像の一例を示す図である。
【図27】 図1の画像処理装置10の実施例における
画像位置マッチング処理前のyz断面におけるX線CT
2値画像とMRA2値画像の一例を示す図である。
【図28】 図1の画像処理装置10の実施例における
画像位置マッチング処理後のyz断面におけるX線CT
2値画像とMRA2値画像の一例を示す図である。
【図29】 図1の画像処理装置10の実施例における
画像位置マッチング処理前のzx断面におけるX線CT
2値画像とMRA2値画像の一例を示す図である。
【図30】 図1の画像処理装置10の実施例における
画像位置マッチング処理後のzx断面におけるX線CT
2値画像とMRA2値画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…X線CT装置、 1a…通信インターフェース、 2…MRI装置、 2a…通信インターフェース、 10…画像処理装置、 20…CPU、 21…ROM、 22…RAM、 23…画像メモリ、 24…プログラムメモリ、 30…バス、 31…キーボードインターフェース、 32…マウスインターフェース、 33…ディスプレイインターフェース、 34…プリンタインターフェース、 35…ドライブ装置インターフェース、 41…キーボード、 42…マウス、 43…CRTディスプレイ、 44…プリンタ、 45…CD−ROMドライブ装置、 45a…CD−ROM、 51,52…通信ケーブル、 61,62…通信インターフェース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−137231(JP,A) 特開 平8−131403(JP,A) 特開 平8−287228(JP,A) 特開 平6−83940(JP,A) 特開 平5−15525(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00 G06T 3/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線コンピュータ断層撮影装置によって
    生成されたX線CT画像データと、磁気共鳴映像装置に
    よって磁気共鳴血管造影法によって生成されたMRA画
    像データとの位置合わせを行う画像処理装置において、 上記X線CT画像データに基づいて、所定の濃度しきい
    値を用いて2値化処理を実行することにより、軟部組織
    を表す第1の2値データを生成する第1の2値化処理手
    段と、 上記MRA画像データに基づいて、所定の別の濃度しき
    い値を用いて2値化処理を実行することにより、軟部組
    織を表す第2の2値データを生成する第2の2値化処理
    手段と、 上記第2の2値化処理手段によって生成された第2の2
    値データを所定の座標上で固定する一方、上記第1の2
    値化処理手段によって生成された第1の2値データを、
    所定の移動方法で移動したときの移動前後の第1と第2
    の2値データ間の面積又は体積の誤差が小さくなるよう
    に移動させることにより、上記X線CT画像データと上
    記MRA画像データとの位置合わせを行う画像位置マッ
    チング処理手段とを備え、 上記X線CT画像データと上記MRA画像データとは少
    なくとも3次元以上の画像データであり、 上記画像位置マッチング処理手段は、 上記少なくとも3次元のうちの各1つの軸に対して垂直
    な平面上での第1と第2の2値データの面積分布の誤差
    が最小となるように当該軸上で上記第1の2値データを
    移動させることにより上記X線CT画像データと上記M
    RA画像データとの位置合わせを行う第1のマッチング
    処理手段と、 移動前の上記第1と第2の2値データの体積誤差を計算
    し、上記座標の各軸に対する所定の単位の平行移動と上
    記座標の各軸に対する所定の単位の回転移動とのすべて
    の組み合わせの複数の移動パターンで移動を行ったとき
    の移動後の上記第1と第2の2値データの体積誤差を計
    算し、上記計算された移動前の上記第1と第2の2値デ
    ータの体積誤差と、上記計算された移動後の上記第1と
    第2の2値データの体積誤差との差が最小となる移動パ
    ターンで上記第1の2値データを移動させることにより
    上記X線CT画像データと上記MRA画像データとの位
    置合わせを行う第2のマッチング処理手段とを備えたこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 上記第1のマッチング処理手段は、上記
    第1と第2の2値データの面積分布の誤差が最小となる
    ように当該軸上で上記第1の2値データを移動させる処
    理を、上記座標の各軸に対して少なくとも2回以上行う
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 上記第2のマッチング処理手段は、上記
    計算された移動前の上記第1と第2の2値データの体積
    誤差が所定のしきい値未満になり、もしくは、上記計算
    された移動前の上記第1と第2の2値データの体積誤差
    と、上記計算された移動後の上記第1と第2の2値デー
    タの体積誤差との差が正となる移動パターンが存在しな
    いときまで、上記第1の2値データの移動による位置合
    わせを繰り返すことを特徴とする請求項1記載の画像処
    理装置。
  4. 【請求項4】 上記画像処理装置は、 上記第1と第2の2値化処理手段の前段に設けられ、上
    記X線CT画像データと上記MRA画像データの各ボク
    セルを統一するように上記X線CT画像データと上記M
    RA画像データのうちの一方の画像データを補間して上
    記第1又は第2の2値化処理手段に出力する補間手段を
    さらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちの
    1つに記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 上記画像処理装置は、 上記画像位置マッチング処理手段によって位置合わせさ
    れたX線CT画像データとMRA画像データとを合成し
    て、合成された画像データを表示する合成表示手段をさ
    らに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のうちの1
    つに記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 X線コンピュータ断層撮影装置によって
    生成されたX線CT画像データと、磁気共鳴映像装置に
    よって磁気共鳴血管造影法によって生成されたMRA画
    像データとの位置合わせを行う画像処理方法において、 上記X線CT画像データに基づいて、所定の濃度しきい
    値を用いて2値化処理を実行することにより、軟部組織
    を表す第1の2値データを生成する第1の2値化処理ス
    テップと、 上記MRA画像データに基づいて、所定の別の濃度しき
    い値を用いて2値化処理を実行することにより、軟部組
    織を表す第2の2値データを生成する第2の2値化処理
    ステップと、 上記生成された第2の2値データを所定の座標上で固定
    する一方、上記生成された第1の2値データを、所定の
    移動方法で移動したときの移動前後の第1と第2の2値
    データ間の面積又は体積の誤差が小さくなるように移動
    させることにより、上記X線CT画像データと上記MR
    A画像データとの位置合わせを行う画像位置マッチング
    処理ステップとを含み、 上記X線CT画像データと上記MRA画像データとは少
    なくとも3次元以上の画像データであり、 上記画像位置マッチング処理ステップは、 上記少なくとも3次元のうちの各1つの軸に対して垂直
    な平面上での第1と第2の2値データの面積分布の誤差
    が最小となるように当該軸上で上記第1の2値データを
    移動させることにより上記X線CT画像データと上記M
    RA画像データとの位置合わせを行う第1のマッチング
    処理ステップと、 移動前の上記第1と第2の2値データの体積誤差を計算
    し、上記座標の各軸に対する所定の単位の平行移動と上
    記座標の各軸に対する所定の単位の回転移動とのすべて
    の組み合わせの複数の移動パターンで移動を行ったとき
    の移動後の上記第1と第2の2値データの体積誤差を計
    算し、上記計算された移動前の上記第1と第2の2値デ
    ータの体積誤差と、上記計算された移動後の上記第1と
    第2の2値データの体積誤差との差が最小となる移動パ
    ターンで上記第1の2値データを移動させることにより
    上記X線CT画像データと上記MRA画像データとの位
    置合わせを行う第2のマッチング処理ステップとを含む
    ことを特徴とする画像処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の画像処理方法を含む画像
    処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュー
    タで読み取り可能な画像処理プログラムを記録した記録
    媒体。
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