JP3128915B2 - 熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー組成物 - Google Patents

熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー組成物

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JP3128915B2 JP03355986A JP35598691A JP3128915B2 JP 3128915 B2 JP3128915 B2 JP 3128915B2 JP 03355986 A JP03355986 A JP 03355986A JP 35598691 A JP35598691 A JP 35598691A JP 3128915 B2 JP3128915 B2 JP 3128915B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08L45/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having no unsaturated aliphatic radicals in side chain, and having one or more carbon-to-carbon double bonds in a carbocyclic or in a heterocyclic ring system; Compositions of derivatives of such polymers

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク基板などの
光学材料として有用な樹脂材料に関し、さらに詳しく
は、光ディスクの情報記録膜(以下、「記録膜」と略
記)、あるいはアクリル系紫外線硬化型塗料などの塗布
膜からなる保護膜やハードコート膜(以下、これらを
「保護膜」と略記)などとの密着性に優れた熱可塑性飽
和ノルボルネン系ポリマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー
は、光ディスク基板などの光学材料として優れた特徴を
有する公知の樹脂材料である(特開昭60−26024
号公報、特開昭60−168708号公報、特開昭61
−115912号公報、特開昭61−120816号公
報、特開昭63−218727号公報、特開昭63−3
17520号公報、特開平1−132628号公報、特
開平1−168724号公報、特開平1−168725
号公報、特開平1−172422号公報、特開平3−1
4882号公報、特開平3−122137号公報な
ど)。
【0003】熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーで形
成された光学部品は、透明性、耐熱性、低吸湿性、低複
屈折性などに優れている。また、熱可塑性飽和ノルボル
ネン系ポリマーは、高流動性で、離型性が良好であるな
ど成形性にも優れている。しかしながら、熱可塑性飽和
ノルボルネン系ポリマーで形成された光ディスク基板に
記録膜を形成した後、保護膜を形成するために、アクリ
ル系紫外線硬化型塗料をコートした場合、熱可塑性飽和
ノルボルネン系ポリマー表面に対する保護膜(塗膜)の
密着性が必ずしも十分とはいえなかった。
【0004】ところで、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポ
リマーに多価アルコールの部分エステル化物を配合する
ことにより、光ディスク基板の成形性および記録膜の高
温高湿雰囲気下での密着性を改良することが提案されて
いる(特開昭63−275654号公報)。しかし、該
公報に例示されているグリセリンまたはペンタエリスリ
トールの脂肪酸エステルは、熱可塑性飽和ノルボルネン
系ポリマーに対する相溶性が不十分でブリードし易く、
ガラス転移温度も大きく低下し、また、記録膜との密着
性改善のためには添加量を多くする必要があるなどの問
題がある。さらに、光ディスクに使用するアクリル系紫
外線硬化型保護コート膜との密着性向上については、効
果は認められなかった。
【0005】一方、合成樹脂としてポリカーボネートを
用いて光ディスク基板やレンズを成形する場合におい
て、グリセリンのアルキルエーテルを配合することによ
り、成形時の離型性を改善することが提案されているが
(特開平1−315460号公報)、これは保護膜等と
の密着性を改善するものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性飽和ノルボルネン系ポリマーが有する耐熱性や透明
性を損なうことなく、光ディスクの記録膜との密着性、
およびアクリル系紫外線硬化型塗料をコートした保護膜
やハードコート膜などとの密着性に優れた樹脂組成物を
提供することにある。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の有する問題
点を克服するために鋭意研究した結果、熱可塑性飽和ノ
ルボルネン系ポリマーに多価アルコールの部分エーテル
化物を配合することにより、成形性を損なうことなく、
従来公知のグリセリンまたはペンタエリスリトールの脂
肪酸エステルの如き多価アルコールの脂肪酸エステルを
配合した場合よりも、相溶性に優れているためブリード
が抑制され、ガラス転移温度の低下が少なく、記録膜と
の密着性も少量の添加で改善効果が大きく、しかもアク
リル系紫外線硬化型塗料を塗布してなる保護膜との密着
性も改善されることを見出し、その知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーに3価以上の
多価アルコールの部分エーテル化物を配合してなること
を特徴とする熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー組成
物が提供される。
【0009】また、本発明によれば、前記組成物を用い
た光ディスク基板、該光ディスク基板を用いた光ディス
クが提供される。以下、本発明について詳述する。
【0010】(熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー)
本発明のベースポリマーは、上記公報などで公知の熱可
塑性飽和ノルボルネン系ポリマーである。熱可塑性飽和
ノルボルネン系ポリマーとしては、(a)ノルボルネン
系モノマーの開環重合体(共重合体を含む)の水素添加
物、および(b)ノルボルネン系モノマーと、エチレン
および/またはα−オレフィンなどのオレフィン系モノ
マーとの共重合体を挙げることができ、実質的に不飽和
結合を有さないものである。
【0011】ノルボルネン系モノマーも上記公報や特開
平2−227424号公報、特開平2−276842号
公報などで公知のものであり、例えば、ノルボルネン、
メタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロ
ナフタレン、ジメタノドデカヒドロアントラセン、トリ
メタノドデカヒドロアントラセン、およびそれらの置換
体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロ
ペンタジエン、メタノオクタヒドロベンゾインデン、ジ
メタノオクタヒドロベンゾインデン、メタノデカヒドロ
ベンゾインデン、ジメタノデカヒドロベンゾインデン、
メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロ
フルオレン、およびそれらの置換体;などを挙げること
ができる。上記置換体における置換基は、従来から周知
のものであれば炭化水素基および極性基のいずれでもよ
く、例えば、アルキル基、アルキリデン基、アリール
基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル
基、ピリジル基などが例示される。ノルボルネン系モノ
マーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0012】ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水
素添加物のガラス転移温度を100℃以上とするために
は、上記モノマーの中でも四環体または五環体のものを
使用するか、あるいは、これらを主成分とし、二環体や
三環体のモノマーと併用することが好ましい。また、共
重合成分として、他のシクロオレフィン類、例えば、シ
クロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロ
ヘプテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロ
ペンタジエン等を、通常、30重量%以下の範囲で用い
ることができる。
【0013】ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、
公知の開環重合法、例えば、四ハロゲン化チタンなどの
遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物などの有機金
属および第三級アミンからなる触媒系を用いて、チタン
成分とモノマーとを逐次添加する方法で得ることができ
る。もちろん、他の触媒系で調製したものであっても使
用することができる。開環重合は、溶媒を用いなくても
可能であるが、通常は、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪
族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素等の
不活性有機溶媒中で実施される。重合温度は、−20℃
〜100℃、重合圧力は、0〜50kg/cm2の範囲
からそれぞれ選択されるのが通常である。
【0014】ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水
素添加物は、オレフィン化合物の水素化に際して使用さ
れている周知の水素添加触媒、例えば、ウィルキンソン
錯体、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケ
ルアセチルアセテート/トリイソブチルアルミニウム、
パラジウム−カーボン、ルテニウム−カーボン、ニッケ
ル−けいそう土等、を使用することにより製造される。
水素化反応は、触媒の種類により均一系または不均一系
で、通常、1〜200気圧の水素圧下、0〜250℃で
行なわれる。水素添加率は、耐熱劣化性、耐光劣化性な
どの観点から、90%以上、好ましくは95%以上、さ
らに好ましくは99%以上とすることが望ましい。
【0015】ノルボルネン系モノマーとエチレンおよび
/またはα−オレフィンとの共重合体も、公知の重合方
法により共重合して得られる。
【0016】使用されるオレフィン系モノマーとして
は、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メ
チル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、4−ビニ
ルシクロヘキセンなどのα−オレフィンを挙げることが
できる。これらのオレフィン系モノマーは、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0017】本発明の目的を損なわない範囲において、
共重合体の製造過程で、シクロオレフィンやジオレフィ
ンなどの他のモノマー成分を共重合させたものであって
も構わない。共重合体が飽和ポリマーである場合には、
そのまま使用できるが、不飽和結合を有する場合、水素
添加することが好ましい。
【0018】これらの熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリ
マーの分子量は、分子量を判断する基準として、デカリ
ンまたはクロロベンゼン中、80℃で測定した極限粘度
を用いて示すと、通常、0.3〜3.0dl/gの範
囲、好ましくは、0.4〜1.0dl/gの範囲のもの
である。
【0019】(多価アルコールの部分エーテル化物)本
発明で使用する多価アルコールの部分エーテル化物にお
ける多価アルコールは、少なくとも3個以上の水酸基を
有するもの、好ましくは3〜8個の水酸基を有するもの
である。
【0020】3価以上の多価アルコールの具体例として
は、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジグリセロール、トリグリセロ
ール、ジペンタエリスリトール、1,6,7−トリヒド
ロキシ−2,2−ジ(ヒドリキシメチル)−4−オキソ
ヘプタン、ソルビトール、2−メチル−1,6,7−ト
リヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−オキソヘプ
タン、1,5,6−トリヒドロキシ−3−オキソヘキサ
ン、などを挙げることができる。
【0021】本発明では、上記の如き多価アルコールの
アルコール性水酸基の一部をエーテル化した部分エーテ
ル化物を使用する。この部分エーテル化物は、本発明の
組成物を成形した場合のブリードの発生を抑制するた
め、通常、分子量200〜800、好ましくは250〜
650であり、エーテル化していないフリーのアルコー
ル性水酸基を一分子中に1個以上、好ましくは2〜16
個、より好ましくは2〜10個有しているものであり、
多価アルコールのアルコール性水酸基の10〜50%、
より好ましくは12〜35%がエーテル化されたもので
ある。エーテル化に用いる置換基は、必ずしも限定され
ないが、炭素数4〜100個のもので、炭素数4〜30
個のものが好ましく、炭素数8〜22個のものが特に好
ましい。好ましい具体例としては、炭素数4〜30個の
直鎖状あるいは分枝状アルキル基、アルキレン基、炭素
数6〜30個のアリール基、アリーレン基が例示され
る。炭素数が少なすぎると、揮発しやすく、成形品にブ
リードが発生しやすくなる。炭素数が多すぎると、熱可
塑性飽和ノルボルネン系ポリマーとの相溶性に劣る。
【0022】また、エーテル化には、フェノール類とア
ルデヒド類および/またはケトン類とを縮合させた化合
物、該縮合物の水素添加物、フェノール類とジオレフィ
ン類などの不飽和炭化水素とをフリーデル・クラフツ反
応により縮合させた化合物、該縮合物の水素添加物、こ
れらの2種以上の混合物などを用いてもよい。これらの
化合物では、通常、炭素数13〜100個、好ましくは
15〜75個、さらに好ましくは13〜30個のノボラ
ック型縮合残基またはそれが水素添加されたものが置換
基としてエーテル化に用いられる。これらの中でも、縮
合度が4以下のものが好ましい。縮合度が大きすぎると
相溶性が悪くなる。好ましい縮合度は、縮合物中の分子
の平均で1.5〜4.0である。この場合、エーテル化
物の分子量は、通常280〜2000、好ましくは35
0〜1500である。フェノール類としては、フェノー
ル、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、クレゾールなどが挙げられ、アルデヒド類と
しては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどが挙げられ、ケ
トン類としては、アセトン、メチル−エチル・ケトン、
メチル−イソブチル・ケトン、シクロヘキサノン、アセ
トフェノンなどが挙げられる。ジオレフィン類として
は、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン・
ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
【0023】アルキル基としては、例えば、ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2−メチル
ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基、ベンジル基、オクチル基、2−エチ
ルヘキシル基、ノミル基、デシル基、セチル基、ラウリ
ル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ア
ラキジル基、ベヘニル基、オレイル基、などが挙げられ
る。
【0024】アルキレン基としては、例えば、ブチレン
基、オクチルエチレン基、1,4−シクロヘキシレン
基、オクタメチレン基、デカメチレン基、などが挙げら
れる。アリール基としては、例えば、フェニル基、2−
メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−オクチ
ルフェニル基、4−ノニルフェニル基、4−クミルフェ
ニル基、ナフチル基、4−フェニルフェニル基、などが
挙げられる。
【0025】アリーレン基としては、例えば、1,4−
フェニレン基、4,4′−ビフェニレン基、1,4−フ
ェニレン−イソプロピリデン−1,4−フェニレン基、
1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン基、
1,4−(2′−t−ブチル−5′−メチル)フェニレ
ン−ブチリデン−1,4−(2′−メチル−5′−t−
ブチル)フェニレン基などが挙げられる。
【0026】また、フェノール類とアルデヒド類および
/またはケトン類の縮合物として、p−ノニルフェノー
ルとホルムアルデヒドの縮合体、p−オクチルフェノー
ルとホルムアルデヒドの縮合体、p−オクチルフェノー
ルとアセトンの縮合体など、フェノール類とジオレフィ
ン類の縮合物として、p−オクチルフェノールとジシク
ロペンタジエンとの縮合体など、が挙げられる。このよ
うな縮合物によるエーテル化物は、実際に縮合して製造
するほか、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂を加
水分解しても得ることができる。
【0027】例えば、3価以上の多価アルコールとして
グリセロールまたはポリグリセロールを用いた場合の本
発明の多価アルコールの部分エーテル化物はいろいろあ
るが、その一部は、下記の一般式で表すことができる。
【0028】 R〔(O−CH2CH(OH)−CH2n−OH〕m 〔式中、Rは、炭素数4〜30個の直鎖状あるいは分枝
状アルキル基、アルキレン基、アリール基、アリーレン
基、ノボラック型縮合体残基、またはノボラック型縮合
体残基が水素添加されたものを示し、nおよびmは自然
数を示す。〕なお、単一成分のグリセロールまたはポリ
グリセロールの部分エーテル化物の場合は、一般式のn
は通常1〜4、好ましくは1〜3、mは通常1〜6、好
ましくは1〜4である。通常、グリセロールまたはポリ
グリセロールの部分エーテル化物は、混合物として得ら
れ、精製せずに用いるが、その場合は、用いる部分エー
テル化物全体の平均でnは通常1.0〜4.0、好まし
くは1.0〜3.0、mは通常1.0〜6.0、好まし
くは1.5〜4.0である。nまたはmが大きすぎると
熱可塑性ノルボルネン系ポリマーとの相溶性が低下す
る。
【0029】このようなグリセロールまたはポリグリセ
ロールの部分エーテル化物は、例えば、1〜4価のアル
コール類あるいは1〜4価のフェノール類とグリシドー
ルとを反応させる方法、エポキシ化合物とグリセロール
あるいはポリグリセロールを反応させる方法などにより
合成することができ、具体例として、3−(オクチルオ
キシ)−1,2−プロパンジオール、3−(デシルオキ
シ)−1,2−プロパンジオール、3−(ラウリルオキ
シ)−1,2−プロパンジオール、3−(ミリスチルオ
キシ)−1,2−プロパンジオール、3−(パルミチル
オキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(ステアリ
ルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(アラキ
ジルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(ベヘ
ニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(オレ
イルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(2−
エチルヘキシルオキシ)−1,2−プロパンジオール、
3−(2−ヘキシルデシルオキシ)−1,2−プロパン
ジオール、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオー
ル、3−(4−メチルフェニルオキシ)−1,2−プロ
パンジオール、3−(4−i−プロピルフェニルオキ
シ)−1,2−プロパンジオール、3−(4−オクチル
フェニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−
(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロパンジオ
ール、3−〔4−〔1−メチル−1−(4−ヒドロキシ
フェニル)エチル〕フェニルオキシ〕−1,2−プロパ
ンジオール、1,6−ジ(2,3−ジヒドリキシプロピ
ルオキシ)ヘキサン、1,4−ジ(2,3−ジヒドロキ
シプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ジ(2,
3−ジヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン、2,2−
ビス〔4−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)フ
ェニル〕プロパン、1−(4−ノニルフェニル)−2,
6,7−トリヒドロキシ−4−オキソヘプタン、ポリ
(オキシ−2−ヒドロキシトリメチレン)フェニルエー
テル、ポリ(オキシ−2−ヒドロキシトリメチレン)オ
クチルフェニルエーテル、ポリ(オキシ−2−ヒドロキ
シトリメチレン)ノニルフェニルエーテル、ポリ(オキ
シ−2−ヒドロキシトリメチレン)ラウリルエーテル、
ポリ(オキシ−2−ヒドロキシトリメチレン)セチルエ
ーテル、ポリ(オキシ−2−ヒドロキシトリメチレン)
ステアリルエーテル、p−ノニルフェノールとホルムア
ルデヒドの縮合体とグリシドールの反応により得られる
エーテル化合物、p−オクチルフェノールとホルムアル
デヒドの縮合体とグリシドールの反応により得られるエ
ーテル化合物、p−オクチルフェノールとジシクロペン
タジエンの縮合体とグリシドールの反応により得られる
エーテル化合物、などが挙げられる。
【0030】その他の3価以上の多価アルコールの部分
エーテル化物としては、例えば、1,6−ジヒドロキシ
−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−7−(4−ノニル
フェニルオキシ)−4−オキソヘプタン、1,6−ジヒ
ドロキシ−2−メチル−2−ヒドロキシメチル−7−
(4−ノニルフェニルオキシ)−4−オキソヘプタン、
2−ヒドロキシメチル−2−(4−ノニルフェニルオキ
シ)メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−
2−(4−ノニルフェニルオキシ)メチル−1,3−プ
ロパンジオール、2,2,6−トリ(ヒドロキシメチ
ル)−6−(4−ノニルフェニルオキシ)メチル−1,
7−ジヒドロキシ−4−オキシヘプタン、などを挙げる
ことができる。
【0031】これらの部分エーテル化物は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用するが、そ
の配合割合は、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー1
00重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好
ましくは0.1〜5重量部である。この配合量が少ない
と、アクリル系紫外線硬化型塗料を塗布した塗膜(保護
膜)などとの密着性改善効果が小さく、過度に多くなる
と、熱変形温度が著しく低下したり、機械的強度が低下
したりするため、好ましくない。
【0032】これらの部分エーテル化物は、一般的に、
熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーに混合した後、二
軸押出機などにより溶融混練するか、熱可塑性飽和ノル
ボルネン系ポリマーの溶液に添加して溶解させた後、溶
媒を留去するなどの方法で配合することができる。
【0033】本発明の樹脂組成物には、目的とするアク
リル系紫外線硬化型塗料などからなる保護膜との密着性
の改善効果を妨げない範囲で、酸化防止剤、耐光安定
剤、紫外線吸収剤、染料、難燃剤、水添石油樹脂、帯電
防止剤、耐熱安定剤、などを配合することができる。
【0034】(光ディスク)本発明の組成物は、通常の
成形法により各種の成形物に成形できるが、特に射出成
形により光ディスク基板などの透明基板を作成するのに
適している。ディスク基板の成形法は、特に限定され
ず、通常のプラスチック成形法、例えば、射出成形、押
出成形、圧縮成形等の成形法が適用できる。かくして作
成した基板上に、情報記録膜および/または光反射膜と
保護膜などを積層することにより、光ディスクを製造す
ることができる。
【0035】情報記録膜を形成する記録材料としては、
例えば、Tb−Fe系合金、Dy−Fe系合金、Cd−
Tb−Fe系合金、Cd−Tb−Dy−Fe系合金、C
d−Co系合金、Tb−Fe−Co系合金等の希土類−
遷移金属アモルファス合金;例えば、Ge−Te系合
金、Sb−Te系合金、In−Sb系合金、Ge−Sb
−Te系合金、In−Sb−Te系合金等の相変化型記
録材料;例えば、メチン・ポリメチン系、キノン系、フ
タロシアニン系、ジチオール系等の有機色素系記録材
料;例えば、Te−CS2、Pb−Te−Se、Te−
C、TeO2、Sb−Se、Bi−Te等の追記型記録
材料;などを挙げることができる。これらの記録材料
は、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、そ
の他の膜形成方法により基板上に製膜されるが、膜厚
は、通常、500〜5000オングストローム程度であ
る。
【0036】また、金、白金、アルミニウム等を光反射
膜として、CD、CD−ROM、レーザーディスク等に
用いることができる。また、光反射膜としてニッケル等
の金属を真空蒸着した膜を用いることができる。
【0037】光ディスクは、表面保護層や記録層との間
に、保護層、反射層、誘電層などを設けてもよい。これ
らの保護層等の層形成材料としては、例えば、CdS、
ZnSe、SiO2、Si、Si3N、Si34、Al
N、TiO2、TaO2、MgF2等の無機物、あるいは
紫外線硬化型塗料などの樹脂を挙げることができる。本
発明の組成物を用いて形成した基板は、従来品と比較し
て、特に、紫外線硬化型塗料などの樹脂保護膜との密着
性に優れている。光ディスクには、単板のものと、2枚
の基板を貼り合わせたものとがある。
【0038】(用 途)本発明の組成物は、通常の成形
法により各種の成形物に成形できるが、特に射出成形に
より光ディスクを始めとする、光学レンズ、光学ミラ
ー、光カード基板、透明カバー、窓材、液晶表示用基
板、透明シート、透明フィルムなどの光学部品を成形す
るのに適しており、アクリル系紫外線硬化型塗料(保護
コート剤)、ハードコート剤などの被膜との密着性の良
い成形品が得られる。これらの用途の中でも、特に、光
ディスク用途では、情報記録膜の保護コート膜としてア
クリル系紫外線硬化型塗料などにより被覆が不可欠であ
るため、特に有用である。
【0039】
【実施例】以下、本発明について、実施例、参考例およ
び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例のみに限定されるものではない。また、以下
の実施例、参考例および比較例において、特に断りのな
い限り、部および%は重量基準である。
【0040】〔参考例1〕ノニルフェノール1molに
対して、グリシドール2mol、トリエチルアミン10
-2mol加え、80℃で1時間反応させた。反応混液1
00部に対してトルエン50部を加えてポアサイズ0.
5μmのフィルターで減圧濾過し、その1リットルを1
0torr、150℃の条件下で2時間スターラーで撹
拌してトルエンとトリエチルアミンを除去し、反応物を
得た。
【0041】ガスクロマトグラフィーで分析した結果、
ノニルフェノール、グリシドールは検出限界以下であ
り、反応物は全体としてノニルフェノール1分子にグリ
シドール2分子の割合で反応しているポリ(オキシ−2
−ヒドロキシトリメチレン)ノニルフェニルエーテルH
O[CH2CH(OH)CH2O]n64919(nは
自然数であり、全分子の平均nは2)であることが確認
された。
【0042】〔実施例1〕6−エチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレンの開環重合体の水素添加物〔デカ
リン中、80℃で測定した極限粘度が0.5dl/g、
水添率99.5%以上〕100部に対して、部分エーテ
ル化物とし参考例1で得たポリ(オキシ−2−ヒドロキ
シトリメチレン)ノニルフェニルエーテル0.5部、熱
安定剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕メタン0.03部を添加し、二軸押出機(東
芝機械社製、TEM−35)を用いて230℃で混練
し、ペレットを作成した。このペレットについて、示差
走査熱量計(DSC)を用いて分析を行ない、組成物の
ガラス転移温度(Tg)を測定したところ137℃であ
った。
【0043】このペレットを、射出成形機(住友重機械
工業社製、DISC−5−MIII)により、樹脂温度
350℃、金型温度110℃の条件で射出成形を行な
い、直径130mm、厚さ1.2mmの光ディスク基板
を成形した。成形した光ディスク基板の外観を目視検査
および顕微鏡検査を行ったが、ブリードなどの異常は認
められなかった。
【0044】この光ディスク基板に、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート75部、ヘキサメチレングリコ
ールジアクリレート20部、6官能ウレタンアクリレー
ト(新中村化学社製、U−6HA)5部、ベンジルジメ
チルケタール5部からなる紫外線硬化型保護コート剤を
スピンコート法により塗布し、80W/cmの高圧水銀
灯で10cmの距離から5秒間紫外線を照射して硬化さ
せた。硬化した保護膜の表面にセロハン粘着テープ(ニ
チバン株式会社製、商品名セロテープ、CT 15M)
を貼り、引き剥したが、保護膜は剥離せず、良好な接着
性を示した。
【0045】また、成形した光ディスク基板に光反射膜
としてニッケルを真空蒸着した後、ニッケル蒸着面側
に、ニッケル蒸着膜部および非蒸着部を被覆するよう
に、前述と同様にしてアクリル系樹脂保護膜を形成し、
温度70℃、湿度90%RHの環境下で2000間保持
した。その後、光ディスクの外観を検査したが、保護膜
面およびニッケル蒸着面ともに異常は認められず、光反
射膜、およびディスク基板相互の密着性に問題はなかっ
た。また、光ディスクを温度90℃のオーブン中で10
0時間保持した後、光ディスク表面を外観検査および触
指検査したが、異常は認められず、ブリードなどは認め
られなかった。
【0046】〔比較例1〕ポリ(オキシ−2−ヒドロキ
シトリメチレン)ノニルフェニルエーテルを使用しない
こと以外は実施例1と同様にして、6−エチル−1,
4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレンの開環重合体の水素
添加物100部に対して、熱安定剤としてテトラキス
〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート〕メタン0.0
3部を添加し、ペレットを作成した。実施例1と同様に
して測定したガラス転移温度は138℃であった。
【0047】このペレットを、実施例1と同様にして射
出成形した光ディスク基板を成形した。成形した光ディ
スク基板の外観を目視検査および顕微鏡検査を行なった
が、ブリードなどの異常は認められなかった。光ディス
ク基板に、実施例1と同様にして保護コート膜を形成
し、実施例1と同様にして接着状況を調べたところ、粘
着テープに接した面の内、面積比で約90%が剥離し
た。
【0048】また、この光ディスク基板を用いて、実施
例1と同様に、保護膜を有する光ディスクを作製し耐湿
試験、耐熱試験を行った。光ディスクの外観を検査した
ところ、ブリードは認められなかったが、耐湿試験で光
反射膜面に微細なフクレが発生していた。
【0049】〔参考例2〕ノニルフェノール1molに
対するグリシドールの量を1molにするほかは参考例
1と同様にして、反応物を得、ガスクロマトグラフィー
で分析した結果、ノニルフェノール、グリシドールは検
出限界以下であり、反応物は3−(4−ノニルフェニル
オキシ)−1,2−プロパンジオールであることが確認
された。
【0050】〔実施例2〕部分エーテル化物として参考
例2で得た3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2
−プロパンジオール1部を使用する以外は実施例1と同
様にしてペレットを作成した。実施例1と同様にして測
定したガラス転移温度は135℃であった。
【0051】ついで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護コート膜を形成した。実施例1と同様
に光ディスク基板の外観検査を行なったが、ブリードな
どの異常は認められなかった。また、実施例1と同様に
保護膜の接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、
良好な接着性を示した。
【0052】〔参考例3〕ベヘニルアルコール1mol
に対してグリシドール1mol、トリエチルアミン10
-2mol加えた液を反応させる以外は参考例1と同様に
して、反応物を得、ガスクロマトグラフィーで分析した
結果、ベヘニルアルコール、グリシドールは検出限界以
下であり、反応物は全体としてベヘニルアルコール1分
子にグリシドール1分子の割合で反応している3−(ベ
ヘニルオキシ)−1,2−プロパンジオールであること
が確認された。
【0053】〔実施例3〕部分エーテル化物として参考
例3で得た3−(ベヘニルオキシ)−1,2−プロパン
ジオール1部を使用する以外は実施例1と同様にしてペ
レットを作成した。実施例1と同様にして測定したガラ
ス転移温度は134℃であった。
【0054】ついで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護コート膜を形成した。実施例1と同様
に光ディスク基板の外観検査を行なったが、ブリードな
どの異常は認められなかった。また、実施例1と同様に
保護膜の接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、
良好な接着性を示した。
【0055】〔参考例4〕ビスフェノールA1molに
対してグリシドール2mol、トリエチルアミン10-2
mol加えた液を反応させる以外は参考例1と同様にし
て、反応物を得、ガスクロマトグラフィーで分析した結
果、ビスフェノールA、グリシドールは検出限界以下で
あり、反応物は全体としてビスフェノールA1分子にグ
リシドール2分子の割合で反応している2,2−ビス
〔4−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニ
ル〕プロパンであることが確認された。
【0056】〔実施例4〕部分エーテル化物として参考
例4で得た2,2−ビス〔4−(2,3−ジヒドロキシ
プロピルオキシ)フェニル〕プロパン0.5部を使用す
る以外は実施例1と同様にしてペレットを作成した。実
施例1と同様にして測定したガラス転移温度は138℃
であった。
【0057】ついで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護コート膜を形成した。実施例1と同様
に光ディスク基板の外観検査を行なったが、ブリードな
どの異常は認められなかった。また、実施例1と同様に
保護膜の接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、
良好な接着性を示した。
【0058】〔参考例5〕ステアリルアルコール1mo
lに対してグリシドール2mol、トリエチルアミン1
-2mol加えた液を反応させる以外は参考例1と同様
にして、反応物を得、ガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、ステアリルアルコール、グリシドールは検出限
界以下であり、反応物は全体としてステアリルアルコー
ル1分子にグリシドール2分子の割合で反応しているポ
リ(オキシ−2−ヒドロキシトリメチレン)ステアリル
エーテルHO[CH2CH(OH)CH2O]nOC19
27(nは自然数であり、全分子の平均nは2)であるこ
とが確認された。
【0059】〔実施例5〕部分エーテル化物として参考
例5で得たポリ(オキシ−2−ヒドロキシトリメチレ
ン)ステアリルエーテル0.5部を使用する以外は実施
例1と同様にしてペレットを作成した。実施例1と同様
にして測定したガラス転移温度は137℃であった。
【0060】ついで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護コート膜を形成した。実施例1と同様
に光ディスク基板の外観検査を行なったが、ブリードな
どの異常は認められなかった。また、実施例1と同様に
保護膜の接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、
良好な接着性を示した。
【0061】〔比較例2〕ポリ(オキシ−2−ヒドロキ
シトリメチレン)ノニルフェニルエーテルの代わりに
2,3−ジヒドロキシプロピルステアレート1部を使用
する以外は実施例1と同様にしてペレットを作成した。
実施例1と同様にして測定したガラス転移温度は127
℃と著しく低下した。実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形し、光ディスク基板の外観検査を行なった
が、ブリードが認められた。また、実施例1と同様に保
護コート膜を形成し、保護膜の接着状況を調べたとこ
ろ、粘着テープに接した面の内、面積比で約50%が剥
離した。
【0062】さらに、この光ディスク基板を用いて、実
施例1と同様に、保護コート膜を有する光ディスクを作
製し耐湿試験を行なった。光ディスクの外観を検査した
ところ、光反射膜面に微細なフクレが発生していた。
【0063】〔参考例6〕ノニルフェノール1540
部、パラホルムアルデヒド105部をトルエン1600
部中でp−トルエンスルホン酸10部の存在下、100
℃で2時間、縮合反応させた。反応後、反応混合液に水
200部を加え、十分撹拌し、その後静置して2相に分
離した水を除去した。この洗浄操作を分離した水が中性
になるまで4回繰り返した。得られたノニルフェノール
とホルムアルデヒドの縮合体トルエン溶液を液体クロマ
トグラフィーで分析したところ、ノニルフェノール成分
の平均縮合数は2.0であった。
【0064】ノニルフェノールとホルムアルデヒドの縮
合体トルエン溶液3100部に硫酸カルシウム50部を
加えて脱水し、濾過して硫酸カルシウムを除去した後、
グリシドール610部とトリエチルアミン12部を加え
て、90℃で2時間、エーテル化反応をおこなった。反
応液をポアサイズ0.5μmのフィルターで減圧濾過し
た後、窒素を吹き込みながら、徐々に190℃まで昇温
し、トルエン、トリエチルアミン、未反応グリシドール
を除去し、反応物1510部を得た。反応物の1H−N
MRスペクトルによる分析でグリシドールの一部がポリ
グリシドールとなり、ノニルフェノール由来の繰り返し
単位1単位当りグリシドールが平均1.2分子の割合で
反応している化合物であることが確認された。
【0065】〔実施例6〕部分エーテル化物として参考
例6で得た、p−ノニルフェノールとホルムアルデヒド
の縮合物とグリシドールの反応物0.5部を使用する以
外は実施例1と同様にしてペレットを作成した。実施例
1と同様にして測定したガラス転移温度は138℃であ
った。
【0066】ついで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護コート膜を形成した。実施例1と同様
に光ディスク基板の外観検査を行ったが、ブリードなど
の異常は認められなかった。また、実施例1と同様に保
護膜の接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、良
好な接着性を示した。
【0067】〔参考例7〕パラホルムアルデヒドを14
0部とする以外は、参考例6と同様にしてノニルフェノ
ールとホルムアルデヒドの縮合体トルエン溶液を得た。
得られたノニルフェノールとホルムアルデヒドの縮合体
を液体クロマトグラフィーで分析したところ、ノニルフ
ェノール成分の平均縮合数は2.9であった。
【0068】ノニルフェノールとホルムアルデヒドの縮
合体トルエン溶液3100部とグリシドール610部を
参考例6と同様にして反応させ、反応物1490部を得
た。反応物の1H−NMRスペクトルによる分析でグリ
シドールの一部がポリグリシドールとなり、ノニルフェ
ノール由来の繰り返し単位1単位当りグリシドールが平
均1.2分子の割合で反応している化合物であることが
確認された。
【0069】〔実施例7〕部分エーテル化物として参考
例7で得た、p−ノニルフェノールとホルムアルデヒド
の縮合物とグリシドールの反応物0.4部を使用する以
外は実施例1と同様にしてペレットを作成した。実施例
1と同様にして測定したガラス転移温度は138℃であ
った。
【0070】ついで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護コート膜を形成した。実施例1と同様
に光ディスク基板の外観検査を行ったが、ブリードなど
の異常は認められなかった。また、実施例1と同様に保
護膜の接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、良
好な接着性を示した。
【0071】〔参考例8〕オクチルフェノール1440
部、パラホルムアルデヒド105部をトルエン1600
部中でp−トルエンスルホン酸10部の存在下、100
℃で2時間、縮合反応させた。反応後、反応液に水20
0部を加え、十分に撹拌し、その後静置して二層に分離
した水層を除去した。この洗浄操作を分離した水層が中
性になるまで、4回繰り返した。得られたオクチルフェ
ノールとホルムアルデヒドの縮合体トルエン溶液を液体
クロマトグラフィで分析したところ、オクチルフェノー
ル成分の平均縮合数は2.0であった。
【0072】オクチルフェノールとホルムアルデヒドの
縮合体トルエン溶液3100部に硫酸カルシウム50部
を加えて脱水し、濾過して硫酸カルシウムを除去した
後、グリシドール610部とトリエチルアミン12部を
加えて、90℃で2時間、エーテル化反応を行った。反
応液をポアサイズ0.5μmのフィルターで減圧濾過し
た後、窒素を吹き込みながら、徐々に190℃まで昇温
し、トルエン、トリエチルアミン、未反応グリシドール
を除去し、反応物1480部を得た。反応物の1H−N
MRスペクトルによる分析で、グリシドールの一部がポ
リグリシドールとなり、オクチルフェノール由来の繰り
返し単位1単位当りグリシドールが平均1.2分子の割
合で反応している化合物であることが確認された。
【0073】〔実施例8〕部分エーテル化物として参考
例8で得たオクチルフェノールとホルムアルデヒドの縮
合物とグリシドールの反応物0.5部を使用する以外は
実施例1と同様にしてペレットを作成した。実施例1と
同様にして測定したガラス転移温度は137℃であっ
た。
【0074】次いで、実施例1と同様にして光ディスク
基板を成形、保護膜を形成した。実施例1と同様に光デ
ィスク基板の外観検査を行ったが、ブリードなどの異常
は認められなかった。また、実施例1と同様に保護膜の
接着状況を調べたところ、保護膜は剥離せず、良好な接
着性を示した。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性飽和ノルボル
ネン系ポリマーが有する耐熱性や透明性を損なうことな
く、光ディスクの記録膜との密着性、およびアクリル系
紫外線硬化型塗料をコートした保護膜やハードコート膜
などとの密着性に優れた樹脂組成物が提供される。ま
た、本発明によれば、この組成物を用いた光ディスク基
板および該基板を用いた光ディスクが提供される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−315459(JP,A) 特開 昭51−123257(JP,A) 特開 昭48−42041(JP,A) 特開 昭51−77632(JP,A) 特開 昭52−78257(JP,A) 特開 昭61−98752(JP,A) 特開 昭56−20056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 65/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーに
    3価以上の多価アルコールの部分エーテル化物を配合し
    てなることを特徴とする熱可塑性飽和ノルボルネン系ポ
    リマー組成物。
  2. 【請求項2】 3価以上の多価アルコールが3〜8個の
    水酸基を有するものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 3価以上の多価アルコールの部分エーテ
    ル化物が、エーテル化に用いられる置換基の炭素数が4
    〜100個である請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 3価以上の多価アルコールの部分エーテ
    ル化物が、エーテル化に用いられる置換基の炭素数が4
    〜30個である請求項1ないし3のいずれか1項記載の
    組成物。
  5. 【請求項5】 3価以上の多価アルコールの部分エーテ
    ル化物が、フリーのアルコール性水酸基を一分子中に2
    〜16個有しているものである請求項1ないし4のいず
    れか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 3価以上の多価アルコールの部分エーテ
    ル化物が、3価以上の多価アルコールを(a)フェノー
    ル類とアルデヒド類および/またはケトン類との縮合
    物、(b)フェノール類とジオレフィン類との縮合物、
    および(c)これらの縮合物の水素添加物からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の化合物で部分エーテル化し
    たものである請求項1ないし5のいずれか1項記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    組成物で形成させた光ディスク基板。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光ディスク基板に、情報
    記録膜および/または光反射膜と保護膜が積層されてな
    る光ディスク。
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