JP3128724U - ドリップチャンバ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略円筒状の中央部材(6)に上部筒体(2)と下部筒体(3)を装着し、前記中央部材(6)は、略側部に血液流入口(7)を形成し、かつ当該血液流入口(7)よりも上部の内壁に、孔(9)を形成した仕切(8)を配置したドリップチャンバ(1)。前記孔(9)は、前記仕切(8)の略中央に形成し、当該仕切(8)の下部は、当該仕切(8)外縁から前記孔(9)に向けて上方向へ傾斜する上傾斜面(8U)を形成した。
【選択図】図1
Description
しかし、血液はチャンバの略中間部から導入され、そのまま下方にゆっくりと血液出口から排出されるので、チャンバ内でほとんど攪拌されない。このため血液の滞留による凝固等が懸念される。
[1]本考案は、略円筒状の中央部材(6)に上部筒体(2)と下部筒体(3)を装着し、
前記中央部材(6)は、略側部に血液流入口(7)を形成し、かつ当該血液流入口(7)よりも上部の内壁に、孔(9)を形成した仕切(8)を配置したドリップチャンバ(1)を提供する。
[2]本考案は、前記孔(9)は、前記仕切(8)の略中央に形成し、当該仕切(8)の下部は、当該仕切(8)外縁から前記孔(9)に向けて上方向へ傾斜する上傾斜面(8U)を形成した[1]記載のドリップチャンバ(1)を提供する。
[3]本考案は、前記孔(9)は、前記仕切(8)の略中央に形成し、当該仕切(8)の上部は、当該仕切(8)外縁から前記孔(9)に向けて下方向へ傾斜する下傾斜面(8L)を形成した[1]または[2]に記載のドリップチャンバ(1)を提供する。
ドリップチャンバ1内の血液(血球、血小板)は、空気に直接触れる機会が皆無であり、攪拌も充分にされるので、血液の滞留がなくなり、滞留による血液の凝固、残血がなくなる。
血液は、上部を生理食塩水の層で覆われた状態で、血液流出口14から流出し、最後に生理食塩水が流出する。このためドリップチャンバ1内の血液(血球、血小板)は、空気に触れず速やかに回収できるので、凝固や残血もない。
図1は本考案のドリップチャンバ1の概略図、図2は中央部材6の断面図、図3(a)は中央部材6のA−A´断面図、図3(b)は中央部材6のB−B´断面図、図4は本考案のドリップチャンバ1の使用状態を示す概略図で、(a)は生理食塩水充填時、(b)は血液導入時、(c)は血液循環時、(d)は血液回収開始時、図5は図4(c)の一部拡大図である。
本考案のドリップチャンバ1は、略円筒状の中央部材6に上部筒体2と下部筒体3を装着し、前記中央部材6は、略側部に血液流入口7を形成し、かつ当該血液流入口7よりも上部の内壁に、孔9を形成した仕切8を配置している。
中央部材6は、図1から図3に例示するように、略円筒状に形成され、略側部に血液流入口7を形成し、かつ内壁に孔9を形成した仕切8を配置している。仕切8は、血液流入口7よりも上部に配置されている。
また中央部材6は、上部と下部を中間部よりも薄肉に形成し、それぞれに上部筒体2と下部筒体3の装着溝62、63を形成し、各筒体2、3を装着(係合、嵌合、圧入、挿着、挿入等)している。中間部の略側部に血液流入口7を形成している。
仕切8は、図1と図2に例示するように、略板状に形成され、略中央に孔9が形成されている。
仕切8は、血液流入口7から中央部材6内に流入した血液が、上部筒体2方向へ必要以上に上昇して、生理食塩水と混合するのを抑制するものである。
仕切8の下部は、仕切8外縁から孔9に向むけて上方向へ傾斜する上傾斜面8Uを形成している。上傾斜面8Uにより、仕切8より下部の気泡が上部へ上昇しやすくなり、仕切8より下部に位置している血液中の気泡を上部筒体2へ容易に排出することができる。
また仕切8の上部は、仕切8外縁から孔9に向むけて下方向へ傾斜する下傾斜面8Lを形成している。下傾斜面8Lにより、上部に位置している血液や生理食塩水を中央部材6、下部筒体3へスムーズに排出することができる。
上傾斜面8Uと下傾斜面8Lの傾斜(角度)は、緩やかに形成するのが好ましく、例えば10°から20°が好適である。傾斜(角度)があまり小さい(10°未満)では、前記の気泡、血液等の排出効果に乏しく、上傾斜面8Uでは、あまり大きい(20°を超える)と血液が孔9を超えて上昇しやすくなるので好ましくない。
仕切8の形態は、図1から図3に例示したものに限定されず、前記本考案の作用効果を奏することができれば、何でも良い。
血液流入口7の開口断面7Oは、図2に例示するように中央部材6の湾曲した壁面に沿って湾曲している。これにより血液流入口7から中央部材6内に導入された血液は、中央部材6の内壁面を伝って渦流を形成し、中央部材6内に充填された血液を上部から下部にかけて充分撹拌しつつ血液流出口14より流出させるので、ドリップチャンバ1内部での血液の滞留がなくなり、滞留による血液の凝固、残血がなくなる。
図2の例示では、血液流入口7は、中央部材6の両側部の辺と実質的に垂直(横方向)に形成されているが、さらに本体内の血液の撹拌効果を高めるために、下方に傾斜させて(中央部材6の両側部の辺と鋭角に)形成してもよい(図示せず)。
次にドリップチャンバ1のその他の各部材について説明する。
上部筒体2には図1に例示するように、上部キャップ4が装着され、当該上部キャップ4の上部には、圧力モニタライン13と補液ライン12が装着されている。なお必要に応じてレベル調整ライン(図示せず)、気泡除去ライン(図示せず)を装着しても良い。気泡除去ラインを装着することにより気泡を上部筒体2内から外部に排出することができる。
下部筒体3には、下部キャップ5が装着され、当該下部キャップ5の下部には、血液流出口14が形成されている。
また下部筒体3または下部キャップ5下部の内周壁には、フィルタ11が装着(係合、嵌合、圧入、挿着、挿入等)されている。
図4と図5により、本考案のドリップチャンバ1の使用方法の一例について、説明する。
[1]生理食塩水のプライミング
図4(a)に例示するように、血液流入口7よりドリップチャンバ1内に生理食塩水を充填する。ドリップチャンバ1のほぼ全体に充填するには、ドリップチャンバ1を適宜倒立させながら充填する。
[2]血液の導入
図4(b)に例示するように、血液を血液流入口7からゆっくりと(血液流速;例えば50から100ml/分)、ドリップチャンバ1内に導入する。血液はゆっくりと導入することにより、大部分が仕切8を超えて上昇しない。一部が孔9を経て仕切8より上に上昇するのみである。このように、血液は仕切8により上昇しにくいため、血液の過剰な上昇により生理食塩水と攪拌して混合するがなく、最上部の生理食塩水層を維持することができる。
[3]血液循環時
図4(c)に例示するように、血液循環時(血液流速;例えば200から300ml/分)には、常時、生理食塩水の層が最上層に位置し、その下部に血漿層ができるので、血液中の血球、血小板は空気に直接触れることがない。さらに仕切8より下部に位置する血液中の気泡は、図5に例示するように、仕切8の下傾斜面8Lに沿って、孔9を経て、上筒部2の空間内にすみやかに排出される。
血液流入口7から中央部材6内に導入された血液は、中央部材6の内壁面を伝って渦流を形成し、中央部材6内に充填された血液を上部から下部にかけて充分撹拌しつつ血液流出口14より流出させる。
以上のように、ドリップチャンバ1内の血液(血球、血小板)は、空気に直接触れる機会が皆無であり、攪拌も充分にされるので、血液の滞留がなくなり、滞留による血液の凝固、残血がなくなる。
図4(d)に例示するように圧力モニタライン13から上部筒体2内に空気を導入し、液面レベルを低下させる。図5に例示するように仕切8より上部の血液、血漿及び生理食塩水は、仕切8の上傾斜面8Uに沿って、孔9を経て、下筒部3方向へすみやかに排出される。
血液と血漿は、上部を生理食塩水の層で覆われた状態で、血液流出口14から流出し、最後に生理食塩水15が流出する。以上のように、ドリップチャンバ1内の血液(血球、血小板)は、空気に触れず速やかに回収できるので、凝固や残血もない。
2 上部筒体
3 下部筒体
4 上部キャップ
5 下部キャップ
6 中央部材
7 血液流入口
7O 開口断面
8 仕切
8U 上傾斜面
8L 下傾斜面
9 孔
11 フィルタ
12 補液ライン
13 圧力モニタライン
14 血液流出口
Claims (3)
- 略円筒状の中央部材(6)に上部筒体(2)と下部筒体(3)を装着し、
前記中央部材(6)は、略側部に血液流入口(7)を形成し、かつ当該血液流入口(7)よりも上部の内壁に、孔(9)を形成した仕切(8)を配置したことを特徴とするドリップチャンバ(1)。 - 前記孔(9)は、前記仕切(8)の略中央に形成し、当該仕切(8)の下部は、当該仕切(8)外縁から前記孔(9)に向けて上方向へ傾斜する上傾斜面(8U)を形成したことを特徴とする請求項1記載のドリップチャンバ(1)。
- 前記孔(9)は、前記仕切(8)の略中央に形成し、当該仕切(8)の上部は、当該仕切(8)外縁から前記孔(9)に向けて下方向へ傾斜する下傾斜面(8L)を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリップチャンバ(1)。
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