JP3128196B2 - タービンブレード用超音波探傷装置 - Google Patents

タービンブレード用超音波探傷装置

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JP3128196B2
JP3128196B2 JP08000667A JP66796A JP3128196B2 JP 3128196 B2 JP3128196 B2 JP 3128196B2 JP 08000667 A JP08000667 A JP 08000667A JP 66796 A JP66796 A JP 66796A JP 3128196 B2 JP3128196 B2 JP 3128196B2
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2693Rotor or turbine parts

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に発電用タービ
ンの製造時あるいは定期点検時等において、タービンブ
レードの前縁部に接着される防食片の接着状態を超音波
探傷法によって効果的に検査することができるようにし
たタービンブレード用超音波探傷装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】発電用タービン等のタービンブレード
は、一般に鍛造材等によって構成されるが、特に作動流
体の上流側に向かう配置となる前縁部に対しては耐高熱
性・耐エロージョン性・耐食性等の要求から、ステライ
ト材等からなる防食片を溶接またはロー付け等によって
接着することが行われている。
【0003】このような防食片の接着部に接着不良や損
傷等が存在すると、運転時に破損等を生じて運転停止等
を招き、著しい損害を被るため、従来から防食片の接着
部については製造時はもとより、定期点検等の際にも欠
陥検査が行われてきた。
【0004】欠陥検査には通常、非破壊検査が採用さ
れ、例えばX線透視あるいは超音波探傷等が知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、タービンブ
レードはよく知られているように、三次元的に捩じれた
複雑な形状をしており、そのタービンブレードの前縁部
に接着される防食片も同様に湾曲している。防食片の接
着部はタービンブレードの前縁部に沿って一定幅で存在
するため、欠陥検査の際には検査用の機器を三次元的に
捩れたタービンブレードの前縁部に沿って複雑に移動さ
せなければならない。
【0006】このため、従来では非常に多くの労力を要
しており、その結果探傷精度が低下したり、作業が非能
率となる等の問題があった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、三次元的な複雑形状のタービンブレードに対し
て超音波プローブを脱落等なく安全、確実、かつ容易
に、しかも迅速に動作させることができ、超音波探傷法
を利用した探傷作業の高精度化および高能率化が図れる
タービンブレード用超音波探傷装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、前縁部が略横向きとなる配置
で固定されたタービンブレードの単体に対し、そのター
ビンブレードの前縁部と略平行な方向に往復移動する移
動機構と、この移動機構から上下方向の首振りが可能な
状態で前記タービンブレードの前縁部に向って突出し、
かつ先端が常時タービンブレード側に押圧されるアーム
と、このアームの先端に設けられ前記タービンブレード
前縁部の背側および腹側にこれらを噛み込む状態で係合
し、かつ当該前縁部に沿って転動する複数のローラと、
前記アームの先端に前記ローラと異なる位置で支持さ
れ、前記タービンブレードの前縁部に対向して進退動作
を行うとともに当該前縁部に対する上下方向の首振りが
可能な超音波プローブとを備え、前記ローラは、前記タ
ービンブレードの前縁部に転接する水平ローラと、前記
タービンブレードの前縁部付近の背側と腹側とに転接す
る一つの上ローラおよび二つの下ローラからなる垂直ロ
ーラとで組をなし、かつ前記上ローラと下ローラとは、
平面上の配置がずれており、互い違いの状態で前記ター
ビンブレードの背側と腹側とにこれらを挟持する状態で
転接し、前記超音波プローブには、少なくとも前記ター
ビンブレードの前縁部に接着される防食片上でその接着
部を探傷走査するために十分な進退動作範囲が設定され
ていることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、タービンロータに組込
まれている複数のタービンブレードのうちの一つに対
し、他のタービンブレードとの隙間を介して装着可能
で、そのタービンブレードの前縁部の離間位置を挟持し
て固定される1対の挟持部材と、これらの挟持部材に前
記タービンブレードの前縁部の捩れを吸収する継手部を
介して連結され、前記タービンブレードの前縁部に略平
行に設置されるフレームと、このフレームに案内され前
記タービンブレードの前縁部に沿って往復移動可能な移
動体と、この移動体を前記フレームに沿って移動させる
ためのハンドルと、前記移動体から上下方向の首振りが
可能な状態で前記タービンブレードの前縁部に向って突
出し、かつ先端が常時タービンブレード側に押圧される
アームと、このアームの先端に設けられ前記タービンブ
レードの前縁部の背側および腹側にこれらを噛み込む状
態で係合し、かつ当該前縁部に沿って転動する複数のロ
ーラと、前記アームの先端に前記ローラと異なる位置で
支持され、前記タービンブレードの前縁部に対向して進
退動作および当該前縁部に対する上下方向の首振りが可
能な超音波プローブとを備え、前記超音波プローブには
少なくとも前記タービンブレードの前縁部に接着される
防食片上でその接着部を探傷走査するために十分な進退
動作範囲が設定されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るタービンブレ
ード用超音波探傷装置の実施形態について、図面を参照
して説明する。
【0011】本発明の一実施形態は、タービンブレード
をタービンロータから取外した単体の状態で、かつ自動
操作によって探傷作業を行うようにしたものである。
【0012】図1は本実施形態の装置全体を概略的に示
す斜視図であり、図2は探傷機構部を示す正面図であ
り、図3は図2の要部を拡大して示す図であり、図4は
図3の左側面図であり、図5は図3の平面図である。
【0013】図1に示すように、本実施形態のタービン
ロータ用超音波探傷装置は大別して、探傷機構部1と、
これを遠隔操作およびデータ入力により探傷観察を行う
探傷装置本体部としての操作部2と、探傷結果を紙面で
表示するためのプリンタ3とからなる。これらは所定の
配線4,5で接続される。
【0014】探傷機構部1は図2〜図5にも示すよう
に、タービンブレード6を単体でその前縁部7が略横向
きとなる配置で固定する固定装置8と、この固定装置8
に固定したタービンブレード6の前縁部7と略平行な方
向に往復移動する移動機構9と、この移動機構9から上
下方向の首振りが可能な状態でタービンブレードの前縁
部に向って突出するアーム10と、このアーム10の先
端に設けられブレード6の前縁部に係合保持されて転動
する複数のローラ11と、アーム10の先端に支持され
て進退動作を行いタービンブレード6の前縁部7に接着
されるステライト材等からなる防食片12の接着部13
を探傷走査する超音波プローブ14とを備えた構成とさ
れている。
【0015】詳述すると、固定装置8はタービンブレー
ド6の長さに合せた長尺平坦な基板15と、この基板1
5を支持する複数の脚16と、基板15の長手方向両端
位置に搭載されてタービンブレード6を固定保持する一
対のブレード取付け装置17とからなっている。ブレー
ド取付け装置17はタービンブレード6を載置する載置
台18を有しており、この載置台18はボールねじ19
等を用いたハンドル操作部20によって高さ調整が可能
となっている。
【0016】移動機構9は、横向き配置で固定されるタ
ービンブレード6の前縁部7の湾曲による高さ変化の範
囲を覆う高さを有する塔状のフレーム21で構成され、
このフレーム21が、基板15上にその長手方向に沿っ
て設けた水平なガイドロッド22に案内されるととも
に、同方向に平行に配設したボールねじ23との係合に
よって駆動されるようになっている。ボールねじ23の
各端部には、これを回転駆動するためのモータ24およ
び回転量ひいてはフレーム21の移動量を検出するエン
コーダ25がそれぞれ連結されている。このフレーム2
1の移動方向がタービンブレード6の前縁部に沿う移動
方向であり、以下この方向をX方向とし、必要に応じて
前記モータ24をX方向モータ、前記エンコーダ25を
X方向エンコーダ等と称する。
【0017】フレーム21には、垂直な複数本の支柱状
のガイドロッド26が設けられ、このガイドロッド26
に機器ホルダ27が昇降自在に取付けられている。ま
た、ガイドロッド26の下端側周囲部には圧縮コイルば
ね28が設けられ、この圧縮コイルばね28の弾性力に
よって機器ホルダ27がガイドロッド26の高さ方向略
中間位置まで上昇できる程度に上方に向って付勢されて
いる。以下この垂直方向をZ方向とし、この方向の動作
部材は必要に応じてZ方向部材等と称する。
【0018】機器ホルダ27には、タービンブレード6
の前縁部7に向って突出するアーム10が、水平なピン
29を支点として上下方向に首振り可能に保持されてい
る。このアーム10は、例えば1対の平行なロッド30
と、このロッド30の基端部を支点側にて保持する基端
ブロック31と、ロッド30の先端部に一体的に設けら
れた先端ブロック32とを有する構成とされている。そ
して、ロッド30は基端ブロック31に対し、軸方向に
沿って移動可能とされており、先端ブロック32はスプ
リング33によって先端側に付勢されている。以下この
方向をY方向とし、この方向の動作部材は必要に応じて
Y方向部材等と称する。
【0019】また、先端ブロック32には、ロッド30
と平行な延長軸心上に1本のピン34が突設されてお
り、このピン34にローラ保持ブロック35が、ピン3
4を中心として回転可能に支持されている。ローラ保持
ブロック35には、タービンブレード6の前縁部7に係
合保持されて転動する前述した複数のローラ11がX方
向に回転自在に支持されている。ローラ11は、ブレー
ド6の前縁部7に転接する水平ローラ11aと、ブレー
ド6の前縁部7付近の背側と腹側とに転接する一つの上
ローラ11bおよび二つの下ローラ11cからなる垂直
ローラとで組をなしている。上ローラ11bと下ローラ
11cとは、平面上の配置がずれており、互い違いの状
態でタービンブレード6の背側と腹側とにこれらを挟持
する状態で、脱落することなく転接するようになってい
る。
【0020】すなわち、前述した圧縮コイルばね28は
機器ホルダ27をZ方向に付勢し、この機器ホルダ27
に保持されたロッド30はY方向に移動し得るとともに
先端側にスプリング33で付勢されている。したがっ
て、一旦上ローラ11bと下ローラ11cとが互い違い
の状態でタービンブレード6の背側と腹側とを挟持する
状態になると、例えば図4の仮想線イで示す上昇位置に
アーム10が配置してそのアーム10の先端が下向きと
なった場合には、ロッド30に自重によって先端側、つ
まりY方向におけるタービンブレード6側に向う移動力
が生じるから、ローラ11がタービンブレード6に食い
付く状態となって脱落することがない。
【0021】一方、図4の仮想線ロで示す下降位置にア
ーム10が配置する場合には、アーム10の先端が上向
き、タービンブレード6の前縁部7が下向きとなるが、
この場合には、圧縮コイルばね28が縮んだ状態となっ
て弾性力が大きくなり、上向きの付勢力が高まるため、
アーム10は押上げ力を強力に受け、先端側にはやはり
タービンブレード6側に向う移動力が生じるから、ロー
ラ11がタービンブレード6に食い付く状態となって脱
落することがない。
【0022】図4に実線で示すハの位置のようにアーム
10の傾きが少ない場合には、タービンブレード6の前
縁部7は略水平状態に近く、格別の脱落作用は生じな
い。以上の機能によって、ローラ11はタービンブレー
ド6の前縁部7の三次元的形状に追随して倣い動作する
ことができ、安全かつ正確に所定の軌道に沿って移動す
るものとなる。
【0023】次に、超音波プローブ14は、アーム10
の先端にローラ11と異なる位置で支持され、タービン
ブレード6の前縁部7に対向して進退動作を行うととも
に、タービンブレード6の前縁部7に対する上下方向の
首振りが可能とされている。
【0024】すなわち、前述した先端ブロック35にブ
ラケット36を介して支持具37が連結され、この支持
具37にタービンブレード6に向かう方向、すなわちY
方向に沿って、平行な1対のガイドロッド38とラック
39とが設けられている。
【0025】ラック39には、モータ40およびY方向
エンコーダ41のギア42,43が噛合しており、この
モータ40の駆動によってラック39がY方向に進退動
作できるとともに、Y方向エンコーダ41で移動量が検
出できるようになっている。
【0026】ラック39の先端にはプローブ支持ブロッ
ク44が設けられ、このプローブ支持ブロック44がガ
イドロッド38に沿ってY方向に進退できるようになっ
ており、このプローブ支持ブロック44にY方向に向か
うピン45を介して略コ字形のプローブ支持ブラケット
46が回動可能に支持されている。そして、プローブ支
持ブラケット46にX方向に沿う軸47を介して、探触
子48を有する超音波プローブ14が回動自在に支持さ
れ、これによりいわゆるジンバル機構が構成されて、超
音波プローブ14はX方向およびY方向の軸心回りに自
在に回転できるようになっている。そして、前記のモー
タ40により、超音波プローブ14には少なくともター
ビンブレード6の前縁部に接着される防食片12上で、
その接着部13を探傷走査するために十分な進退動作範
囲が設定されている。
【0027】以上の如く構成された本実施形態の超音波
探傷装置によって、タービンブレード6の防食片12の
探傷を行う場合には、まず移動機構9をタービンブレー
ド6の前縁部7に沿う所定の位置にセットして、一旦停
止させ、ローラ11および超音波プローブ14を当該位
置でタービンブレード6の前縁部7および防食片12の
接着位置に係合させた後、移動機構9をX方向に一定ス
トロークで往復移動させながら、超音波プローブ14を
Y方向に進退動作させる。
【0028】これにより超音波プローブ14を方形走査
させ、タービンロータ6への防食片12の接着部13の
探傷作業が自動的に行える。この場合、前述したよう
に、ローラ11はタービンブレード6の前縁部7に食い
込んだ状態で係合し続け、タービンブレード6の三次元
的な複雑形状に追随して倣い動作し、脱落等なく安全か
つ高精度の探傷を行うことができる。
【0029】次に、本発明の他の実施形態を図6〜図1
0を参照して説明する。
【0030】本実施形態は、タービンブレードの前縁部
に接着される防食片の接着部を、タービンロータへのタ
ービンブレード装着状態下で、超音波探傷法によって検
査するタービンブレード用超音波探傷装置についてのも
のであり、X方向走査およびY方向走査とも手動で行う
ようにしたものである。
【0031】図6は本実施形態の装置全体を概略的に示
す斜視図であり、図7は探傷機構部を示す正面図であ
り、図8は図7の平面図であり、図9は図7の右側面図
であり、図10は図7の左側面部分図である。
【0032】図6に示すように、本実施形態のタービン
ロータ用超音波探傷装置は大別して、探傷機構部51
と、これよりデータを入力して探傷観察を行う探傷装置
本体部52と、探傷結果を紙面で表示するためのプリン
タ53とからなる。これらは所定の配線54,55で接
続される。
【0033】探傷機構部51は図7〜図10にも示すよ
うに、タービンロータ50に組込まれている複数のター
ビンブレード6のうちの一つに対し、他のタービンブレ
ードとの隙間を介して装着可能で、そのタービンブレー
ド6の前縁部7の離間位置を挟持して固定される1対の
挟持部材56を有する。挟持部材56は例えば鰐口クリ
ップや、ねじ止め等のクランプ機構、あるいは嵌合構造
によるものである。
【0034】これらの挟持部材56に、タービンブレー
ド6の前縁部7の捩れを吸収する継手部57を介して、
タービンブレード6の前縁部7に略平行に設置されるフ
レーム58が連結されている。継手部57は、例えばリ
ンク機構等で構成され、回転によって捩れを吸収するも
のである。
【0035】フレーム58の上面にはラック59が形成
され、このラック59にギア60を噛合せた状態で、タ
ービンブレード6の前縁部7に沿うX方向に往復移動可
能な移動体61が、フレーム58に案内されるようにな
っている。移動体61はフレーム58の側方に平行に配
置した1対のガイドロッド62で支持されたブロック状
のもので、X方向移動が可能とされている。移動体61
には、これをフレーム58に沿って移動させるためのハ
ンドル63が設けられている。なお、ギア60にはX方
向移動量を検出するX方向エンコーダ64が連結されて
いる。
【0036】移動体61には、垂直な複数本のガイドロ
ッド65が昇降可能に設けられ、このガイドロッド65
の上端に機器ホルダ66が取付けられている。また、ガ
イドロッド65の周囲部には圧縮コイルばね67が設け
られ、この圧縮コイルばね67の弾性力によって機器ホ
ルダ66が高さ方向略中間位置まで上昇できる程度に上
方に向って付勢されている。以下この垂直方向をZ方向
とし、この方向の動作部材は必要に応じてZ方向部材等
と称する。
【0037】機器ホルダ66には、タービンブレード6
の前縁部7に向って突出するアーム68が、水平なピン
69を支点として上下方向に首振り可能に保持されてい
る。このアーム68は、例えば1対の平行なロッド70
と、このロッド70の基端部を支点側にて保持する基端
ブロック71と、ロッド70の先端部に一体的に設けら
れた先端ブロック72とを有する構成とされている。そ
して、ロッド70は基端ブロック71に対し、軸方向に
沿って移動可能とされており、先端ブロック72はスプ
リング73によって先端側に付勢されている。以下この
方向をY方向とし、この方向の動作部材は必要に応じて
Y方向部材等と称する。
【0038】また、先端ブロック72には、ロッド70
と平行な延長軸心上に1本のピン74が突設されてお
り、このピン74にローラ保持ブロック75が、ピン7
4を中心として回転可能に支持されている。ローラ保持
ブロック75には、タービンブレード6の前縁部7に係
合保持されて転動する複数のローラ91がX方向に回転
自在に支持されている。ローラ91は、ブレード6の前
縁部7に転接する水平ローラ91aと、ブレード6の前
縁部7付近の背側と腹側とに転接する一つの上ローラ9
1bおよび二つの下ローラ91cからなる垂直ローラと
で組をなしている。上ローラ91bと下ローラ91cと
は、平面上の配置がずれており、互い違いの状態でター
ビンブレード6の背側と腹側とにこれらを挟持する状態
で、脱落することなく転接するようになっている。
【0039】すなわち、前述した圧縮コイルばね67は
機器ホルダ66をZ方向に付勢し、この機器ホルダ66
に保持されたロッド70はY方向に移動し得るとともに
先端側にスプリング73で付勢されている。したがっ
て、一旦上ローラ91bと下ローラ91cとが互い違い
の状態でタービンブレード6の背側と腹側とを挟持する
状態になると、上昇位置にアーム68が配置してそのア
ーム68の先端が下向きとなった場合には、ロッド70
に自重によって先端側、つまりY方向におけるタービン
ブレード6側に向う移動力が生じるから、ローラ91が
タービンブレード6に食い付く状態となって脱落するこ
とがない。
【0040】一方、下降位置にアーム68が配置する場
合には、アーム68の先端が上向き、タービンブレード
6の前縁部7が下向きとなるが、この場合には、圧縮コ
イルばね67が縮んだ状態となって弾性力が大きくな
り、上向きの付勢力が高まるため、アーム68は押上げ
力を強力に受け、先端側にはやはりタービンブレード6
側に向う移動力が生じるから、ローラ91がタービンブ
レード6に食い付く状態となって脱落することがない。
【0041】アーム68の傾きが少ない場合には、ター
ビンブレード6の前縁部7は略水平状態に近く、格別の
脱落作用は生じない。以上の機能によって、ローラ91
はタービンブレード6の前縁部7の三次元的形状に追随
して倣い動作することができ、安全かつ正確に所定の軌
道に沿って移動するものとなる。
【0042】次に、超音波プローブ76は、アーム68
の先端にローラ91と異なる位置で支持され、タービン
ブレード6の前縁部7に対向して進退動作を行うととも
に、タービンブレード6の前縁部7に対する上下方向の
首振りが可能とされている。
【0043】すなわち、前述した先端ブロック72にブ
ラケット77を介して支持具78が連結され、この支持
具78にタービンブレード6に向かう方向、すなわちY
方向に沿って、平行な1対のガイドロッド79とラック
80とが設けられている。
【0044】ラック80にはY方向エンコーダ81のギ
ア82が噛合している。またガイドロッド79をY方向
に移動するボールねじ83が設けられ、ボールねじ83
はハンドル84によって回転駆動できるようになってい
る。このハンドル84の駆動によってガイドロッド79
がY方向に進退動作できるとともに、Y方向エンコーダ
81で移動量が検出できるようになっている。
【0045】ロッド79の先端にはプローブ支持ブロッ
ク85が設けられ、このプローブ支持ブロック85がガ
イドロッド79に沿ってY方向に進退できるようになっ
ており、このプローブ支持ブロック85にY方向に向か
うピン86を介して略コ字形のプローブ支持ブラケット
87が回動可能に支持されている。そして、プローブ支
持ブラケット87にX方向に沿う軸88を介して、探触
子89を有する超音波プローブ76が回動自在に支持さ
れ、これによりいわゆるジンバル機構が構成されて、超
音波プローブ76はX方向およびY方向の軸心回りに自
在に回転できるようになっている。そして、前記のハン
ドル84により、超音波プローブ14には少なくともタ
ービンブレード6の前縁部に接着される防食片12上
で、その接着部13を探傷走査するために十分な進退動
作範囲が設定されている。
【0046】以上の如く構成された本実施形態の超音波
探傷装置によって、タービンブレードの防食片の探傷を
行う場合には、図6および図8に示すように、まず挟持
部材56によってタービンブレード6の前縁部を把持状
態とし、フレーム58をタービンブレード6の前縁部に
沿わせる。そしてフレーム58上の移動体61をタービ
ンブレード6の前縁部7に沿う所定の位置にセットし
て、一旦停止させ、ローラ91および超音波プローブ7
6を当該位置でタービンブレード6の前縁部7および防
食片接着位置に係合させた後、一方のハンドル63の操
作によって移動体61をX方向に一定ストロークで往復
移動させながら、他方のハンドル84の操作によって超
音波プローブ76をY方向に進退動作させる。
【0047】これにより超音波プローブ76を方形走査
させ、タービンブレード6への防食片12の接着部13
の探傷作業が手動によって行える。この場合、本実施形
態においても前述した一実施形態と同様に、ローラ91
はタービンブレード6の前縁部7に食い込んだ状態で係
合し続け、タービンブレード6の三次元的な複雑形状に
追随して倣い動作し、脱落等なく安全かつ高精度の探傷
を行うことができる。
【0048】
【発明の効果】以上の実施形態で詳述したように、本発
明によれば、三次元的な複雑形状のタービンブレードに
対して超音波プローブを脱落等なく安全、確実、かつ容
易に、しかも迅速に動作させることができ、超音波探傷
法を利用した探傷作業の高精度化および高能率化が図れ
る等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の装置全体を概略的に示す
斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の探傷機構部を示す正面図
である。
【図3】図2の要部を拡大して示す図である。
【図4】図3の左側面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】本発明の他の実施形態の装置全体を概略的に示
す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態の探傷機構部を示す正面
図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】図7の右側面図で、アームが上昇した状態を示
している。
【図10】図7の左側面部分図で、アームが中間高さに
ある状態を示している。
【符号の説明】
1 探傷機構部 2 操作部 3 プリンタ 4,5 配線 6 タービンブレード 7 前縁部 8 固定装置 9 移動機構 10 アーム 11 ローラ 12 防食片 13 接着部 14 超音波プローブ 15 基板 16 脚 17 ブレード取付け装置 18 載置台 19 ボールねじ 20 ハンドル操作部 21 フレーム 22 ガイドロッド 23 ボールねじ 24 モータ 25 エンコーダ 26 ガイドロッド 27 機器ホルダ 28 圧縮コイルばね 29 ピン 30 ロッド 31 基端ブロック 32 先端ブロック 33 スプリング 34 ピン 35 ローラ保持ブロック 36 ブラケット 37 支持具 38 ガイドロッド 39 ラック 40 モータ 41 エンコーダ 42,43 ギア 44 プローブ支持ブロック 45 ピン 46 プローブ支持ブラケット 47 軸 48 探触子 50 タービンロータ 51 探傷機構部 52 探傷装置本体部 53 プリンタ 54,55 配線 56 挟持部材 57 継手部 58 フレーム 59 ラック 60 ギア 61 移動体 62 ガイドロッド 63 ハンドル 64 エンコーダ 65 ガイドロッド 66 機器ホルダ 67 圧縮コイルばね 68 アーム 69 ピン 70 ロッド 71 基端ブロック 72 先端ブロック 73 スプリング 74 ピン 75 ローラ保持ブロック 76 超音波プローブ 77 ブラケット 78 支持具 79 ガイドロッド 80 ラック 81 エンコーダ 82 ギア 83 ボールねじ 84 ハンドル 85 プローブ支持ブロック 86 ピン 87 プローブ支持ブラケット 88 軸 89 探触子 91 ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿子木 淳 長崎県長崎市飽の浦町一番一号 三菱重 工業株式会社 長崎造船所内 (72)発明者 久下 幹雄 東京都江戸川区中葛西五丁目32番8号 株式会社アスペクト内 (72)発明者 佐藤 千代治 東京都江戸川区中葛西五丁目32番8号 株式会社 アスペクト内 (72)発明者 海老海 逸朗 東京都江戸川区中葛西五丁目32番8号 株式会社 アスペクト内 (56)参考文献 特開 昭61−233360(JP,A) 実開 昭61−28056(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前縁部が略横向きとなる配置で固定され
    たタービンブレードの単体に対し、そのタービンブレー
    ドの前縁部と略平行な方向に往復移動する移動機構と、
    この移動機構から上下方向の首振りが可能な状態で前記
    タービンブレードの前縁部に向って突出し、かつ先端が
    常時タービンブレード側に押圧されるアームと、このア
    ームの先端に設けられ前記タービンブレード前縁部の背
    側および腹側にこれらを噛み込む状態で係合し、かつ当
    該前縁部に沿って転動する複数のローラと、前記アーム
    の先端に前記ローラと異なる位置で支持され、前記ター
    ビンブレードの前縁部に対向して進退動作を行うととも
    に当該前縁部に対する上下方向の首振りが可能な超音波
    プローブとを備え、前記ローラは、前記タービンブレー
    ドの前縁部に転接する水平ローラと、前記タービンブレ
    ードの前縁部付近の背側と腹側とに転接する一つの上ロ
    ーラおよび二つの下ローラからなる垂直ローラとで組を
    なし、かつ前記上ローラと下ローラとは、平面上の配置
    がずれており、互い違いの状態で前記タービンブレード
    の背側と腹側とにこれらを挟持する状態で転接し、前記
    超音波プローブには、少なくとも前記タービンブレード
    の前縁部に接着される防食片上でその接着部を探傷走査
    するために十分な進退動作範囲が設定されていることを
    特徴とするタービンブレード用超音波探傷装置。
  2. 【請求項2】 タービンロータに組込まれている複数の
    タービンブレードのうちの一つに対し、他のタービンブ
    レードとの隙間を介して装着可能で、そのタービンブレ
    ードの前縁部の離間位置を挟持して固定される1対の挟
    持部材と、これらの挟持部材に前記タービンブレードの
    前縁部の捩れを吸収する継手部を介して連結され、前記
    タービンブレードの前縁部に略平行に設置されるフレー
    ムと、このフレームに案内され前記タービンブレードの
    前縁部に沿って往復移動可能な移動体と、この移動体を
    前記フレームに沿って移動させるためのハンドルと、前
    記移動体から上下方向の首振りが可能な状態で前記ター
    ビンブレードの前縁部に向って突出し、かつ先端が常時
    タービンブレード側に押圧されるアームと、このアーム
    の先端に設けられタービンブレードの前縁部の背側およ
    び腹側にこれらを噛み込む状態で係合し、かつ当該前縁
    部に沿って転動する複数のローラと、前記アームの先端
    に前記ローラと異なる位置で支持され、前記タービンブ
    レードの前縁部に対向して進退動作および当該前縁部に
    対する上下方向の首振りが可能な超音波プローブとを備
    え、前記超音波プローブには少なくとも前記タービンブ
    レードの前縁部に接着される防食片上でその接着部を探
    傷走査するために十分な進退動作範囲が設定されている
    ことを特徴とするタービンブレード用超音波探傷装置。
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