JP3127663B2 - インクジェット記録装置および記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および記録方法

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JP3127663B2
JP3127663B2 JP05139344A JP13934493A JP3127663B2 JP 3127663 B2 JP3127663 B2 JP 3127663B2 JP 05139344 A JP05139344 A JP 05139344A JP 13934493 A JP13934493 A JP 13934493A JP 3127663 B2 JP3127663 B2 JP 3127663B2
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14056Plural heating elements per ink chamber

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒーターの発熱により
発生する蒸気バブルの圧力によって、インク滴をノズル
から噴射し記録を行なうサーマルインクジェット技術に
関するものであり、特に、階調記録を行なうためのイン
クジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルインクジェットを用いて
階調記録を行なう一つの方法として、ディザ法のよう
に、ドットマトリクス内のドットの分布により階調を表
現するものである。このような方法では、解像度が低下
しないように高密度に多数のノズルを必要とするため、
それぞれに対応する駆動回路が増加するといった問題が
あった。そこで、解像度を犠牲にすることなく階調を表
現する方法として、噴射するインク滴自体の大きさを変
えることが試みられている。
【0003】インク滴量を変化させる方法として、実開
昭57−141043号公報等に示すように、ヒーター
に印加する駆動パルスの電圧値に応じてインク滴の噴射
する量を変えようとするものがある。図12は、ヒータ
ーに印加する電圧値と噴射されるインク滴量の関係を示
すグラフである。図12に示すように、印加電圧が増加
しても、ある値以上の印加電圧に対しては、インク滴量
がほとんど変化しない平坦な領域を持つため、インク滴
の噴射量の変化する範囲が狭く、十分な階調レベルが得
られないという問題があった。
【0004】このため、特開昭55−132259号公
報には、一つの流路内に複数のヒーターを有し、階調信
号に応じて複数のヒーターを選択的に駆動する方法が示
されている。また、特開昭62−261453号公報に
は、1つの流路内に複数のヒーターを直列に配置し、バ
ブルを発生するヒーターを選択して駆動し、噴射するイ
ンク滴量を変えようとする方法が記載されている。これ
らの方法は、広い範囲で噴射するインク滴を変えること
ができるが、複数のヒーターに独立に信号を印加して駆
動させるため、ヒーターの数に応じた配線や駆動回路が
必要となり、装置の大型化や作製コストが増加するとい
った問題を有している。
【0005】この問題を解決するため、複数のヒーター
を電気的に直列に接続し、印加する電圧によってバブル
を発生するヒーターを選択し、噴射するインク滴量を変
える方法も考えられる。このようにすれば、配線数や駆
動回路の増加を抑えることができるが、電圧を供給する
電極に遠いヒーターにバブルを発生させるに十分なエネ
ルギーを与えるためには、高い電圧が必要となる。この
とき、電圧を供給する電極の近傍の特定のヒーターにと
っては、過剰な電圧となるため、ヒーターの劣化をもた
らし、ヘッド寿命が短くなるという問題を有している。
【0006】また、特開昭57−89967号公報に記
載された中間調記録方法は、特性の異なるドットを形成
できる複数のノズルを設け、これらを選択的に組み合わ
せて、網点像を形成するものである。階調レベルを多く
取れる利点はあるが、この方法も高密度に多数のノズル
を配置する必要があり、記録ヘッドが大型化するととも
に、駆動回路が複雑になるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、広い範囲でインク滴量を変
調して十分な階調表現を行ない、駆動回路を増加させ
ず、しかもヘッド寿命を低下させることなく高品質の階
調記録を行なうことのできるサーマルインクジェット記
録装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、インクを吐出するためのノズルと、該ノズルに連通
した流路と、該流路にインクを供給するためのインク供
給口と、前記流路内に設けられたヒーターを有し、該ヒ
ーターの発熱により発生する上記バブルの圧力によって
インク滴を前記ノズルから吐出するインクジェット記録
装置において、1つの流路内に印加エネルギーに対して
バブルを発生させるための閾値が異なる複数のヒーター
が設けられ、前記複数のヒーターは電気的に常時並列に
接続されていることを特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、インクを吐出す
るためのノズルと、該ノズルに連通した流路と、該流路
にインクを供給するためのインク供給口と、前記流路内
に設けられ印加エネルギーに対してバブルを発生させる
ための閾値が異なる複数のヒーターを有し、前記複数の
ヒーターは電気的に常時並列に接続されており、前記複
数のヒーターを印加エネルギーにより駆動して前記ヒー
ター発熱により発生する上記バブルの圧力によってイン
ク滴を前記ノズルから吐出するインクジェット記録装置
における記録方法において、記録する画像の濃度に応じ
て前記複数のヒーターを駆動する印加エネルギーを制御
し、ノズルから吐出されるインク滴の量を変化させて階
調を有する記録を行なうことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明によれば、ノズルからインク滴を噴射さ
せるためのヒーターを1つの流路内に複数設け、これら
複数のヒーターの印加エネルギーに対してバブルを発生
させるための閾値を互いに異ならせ、さらにこれら複数
のヒーターを電気的に常時並列に接続する。この並列接
続された複数のヒーターに対して、共通の駆動回路から
記録する画像の階調信号に対応する印加エネルギーを供
給する。それにより、印加エネルギーに応じて、蒸気バ
ブルを発生するヒーターを追加することができ、選択的
にバブルの体積、すなわち噴射されるインク滴の体積を
変えることができる。ヒーターは、常時並列に接続され
ているから、駆動回路や配線数を増加させずに、階調記
録を行なうことができる。
【0011】印加エネルギーに対してバブルを発生させ
るための閾値を異ならせた複数のヒーターは、ヒーター
の抵抗値やヒーターの面積などを異ならせることにより
実現することができる。ヒーターの抵抗値を変えた場合
には、各ヒーターに流れる電流が異なり、発生するジュ
ール熱が異なる。また、抵抗値が同じでもヒータの面積
を変えれば、単位面積当たりの発熱量が変わりヒーター
表面の温度上昇が変わり、バブルを発生させるための閾
値が異なる。抵抗値と面積の両方を変えることもでき
る。このように、印加エネルギーに対してバブルを発生
させるための閾値が異なるヒーターを電気的に常時並列
に接続して、電圧パルスの電圧またはパルス幅などの印
加エネルギーを選択することによって、蒸気バブルを発
生するのに十分のジュール熱を発生するヒーターからの
みバブルが発生するため、選択的にバブルの体積、すな
わち噴射されるインク滴の体積を変えることができる。
【0012】また、複数のヒーターは電気的に常時並列
に接続されているため、特定のヒーターに過剰に電圧が
印加されることはなく、また、特定のヒーターに電流が
集中することもないので、特定のヒーターが劣化しヘッ
ド寿命を短くすることや、所望の階調レベルが得られな
いといった問題はない。
【0013】
【実施例】図1は、本発明のインクジェット記録装置の
第1の実施例におけるサーマルインクジェットヘッドの
平面方向の断面図、図2はノズル側からみた正面図、図
3は各ノズルのインク流路方向の断面図である。図3に
おけるA−A’断面図を図1に、B−B’面を図2に示
している。図中、1はチャネル基板、2はヒーター基
板、3はインク室、4はインク供給口、5はノズル、6
はインク流路、7a,7bはヒーター、8は厚膜樹脂
層、9はピット、10はチャネル隔壁、11は共通電
極、12は個別電極、13はインク滴、14は記録紙で
ある。
【0014】このサーマルインクジェットヘッドは、研
磨されたSi基板上に蓄熱層としてのSiO2 膜を形成
し、その上にヒーターとなるpoly−Siを着膜し、
パターニングする。さらに配線となるAlを蒸着し、同
一流路内のヒーターが互いに並列接続されるようにパタ
ーニングする。また、ヒーターおよび配線の保護層とな
るポリイミド、SiNX 、Ta等を着膜し、パターニン
グし、ヒーター基板2が構成される。一方、もう一枚の
研磨されたSi基板に、異方性エッチングによってイン
ク流路6とインク室3、インク供給口4が形成され、チ
ャネル基板1となる。この2枚のヒーター基板2、チャ
ネル基板1を位置合わせして接着し、ダイシングによっ
て1つのプリントヘッドに分離する。このとき、インク
流路6が開口し、ノズル5が形成される。
【0015】このサーマルインクジェットヘッドは、ノ
ズル5に連通したインク流路6の底面のポリイミド層8
の凹所であるピット9にヒーター7a,7bが設けら
れ、各インク流路はチャネル隔壁10によって仕切られ
ている。インクは、インク供給口4からインク室3を通
り、各インク流路6に導かれる。ヒーター7a,7bは
共通電極11と個別電極12とによって電気的に並列に
接続され、図示しない1つの駆動回路によって駆動され
る。
【0016】インク流路6内に設けられ、電気的に並列
に接続されたヒーターは、バブルを発生するための最小
エネルギーがそれぞれ異なるように構成されている。こ
の第1の実施例では、図1に示すように、1つの流路内
のヒーターの数を2つとし、2つのヒーターの面積を互
いに異ならせた。ここでは、ヒーター7aの面積の方が
ヒーター7bの面積よりも小さくしている。2つのヒー
ターの抵抗値が同じであれば、発熱面積を異ならせるこ
とにより、同じエネルギーが投入されたときに単位面積
当たりの投入エネルギーが相違し、ヒーター表面の最高
上昇温度に差が生じる。したがって、2つのヒーター7
a,7bにおいて、バブルを生じる温度に到達するのに
必要な最小エネルギーが異なることになるため、発熱面
積が小さいヒーター7aの方がより小さなエネルギーで
バブルを発生する。
【0017】2つのヒーターは並列に接続されているた
め、特定のヒーターに過剰に電圧が印加されることはな
く、また、抵抗値も同じため、片方のヒーターに電流が
集中することもないので、直列に接続した場合のよう
に、特定のヒーターが劣化し、ヘッド寿命を短くするこ
とや、所望の階調レベルが得られないといった問題はな
い。
【0018】図4は、本発明のインクジェットヘッドに
おける印加エネルギーと噴射されるインク滴量の関係を
示すグラフである。ヒーター7aにバブルを生じさせる
最低エネルギーをE1,ヒーター7bにバブルを生じさ
せる最低エネルギーをE2とする。2つのヒーターは、
バブルを発生させるのに必要な印加エネルギーがそれぞ
れ異なるため、閾値E2より小さい範囲のエネルギーを
与えた場合には、一方のヒーター7aからのみバブルが
発生し、インク滴が噴射され、図12で説明した従来例
のものと同様に、平坦部16aを持つ依存性を示す。こ
の閾値E2を越えたエネルギーを印加した場合には、2
つのヒーター7a,7bからバブルが生じるため、一旦
インク滴量は増加し、再び平坦部16bを持つ。このよ
うに、2つの平坦部に対応するエネルギー範囲15a、
15b内の2値のエネルギーを印加することにより、2
つの異なる噴射インク滴量VOL1とVOL2を得るこ
とができ、階調表現を行なうことができる。
【0019】印加エネルギーはパルス電圧、パルス幅等
に依存する。したがって、印加エネルギーを変えるに
は、これらのファクターの少なくとも1つを変えればよ
い。
【0020】インク滴量VOL1,VOL2は、従来例
と同様、ヒーターの大きさや流路における位置、およ
び、例えば、流路幅や流路の長さ、ピットの深さ等の流
路の他のサイズで決まる。必要なインク滴量を得るため
の流路構造の決定には、従来のヘッドにおける設計方法
が利用できる。したがって、インク滴量VOL1,VO
L2は、良好な画質を得るために要求される値に、自由
に設定することが可能であり、十分な階調レベルを得る
ことができる。
【0021】この実施例では、複数のヒーターを流路方
向に配置し、バブルを発生するのに必要なエネルギーが
小さいヒーターほど、ノズルに近い場所に設けた。これ
は、最初にバブルを発生するヒーターからノズルまでの
距離を短くすることによって、インク滴量が少ない場合
に、発生したバブルによって移動するインクの運動量の
流路抵抗による損失をなるべく小さくし、噴射されるイ
ンク滴速度を低下させないためである。このようにし
て、2つのヒーターからバブルが生じたときに噴射され
る大きなインク滴との速度の差をなるべく小さくするこ
とができる。
【0022】図5は、本発明のインクジェット記録装置
の第2の実施例を示す平面方向の断面図である。図5に
示すように、バブルを発生させるために必要なエネルギ
ーが大きいヒーター7bをノズルに近く配置することも
できる。この実施例でもバブルを発生させるエネルギー
を異ならせるために、ヒーターのサイズを異ならせてい
る。
【0023】この場合、閾値E2を越えた範囲のエネル
ギーを与えると、まずノズルから遠いヒーターからバブ
ルが発生し、インクがノズル方向に運動を開始した後、
ノズルに向かって順次ヒーターからバブルが生じるの
で、インク流路の奥からインクが順に押し出されてゆ
き、噴射されるインク滴が大きくなる。そのため、1つ
のヒーターによりインク滴が噴射される時のインク滴量
と、2つのヒーターが順にバブルが生じ、インク滴が噴
射される時のインク滴量との差が大きくなり、より階調
差の大きな画像を得ることができる。このとき、ヒータ
ーの駆動時の電圧変化を、ステップ状に変化させず、傾
斜を有するように変化させる等により、各ヒーターから
バブルが発生するタイミングを調整することができる。
【0024】このように、複数のヒーターの配置によっ
て、違う特性を有する記録ヘッドを得ることができるの
で、用途に応じてヒーターの配置を決めればよい。すな
わち、階調表現が必要なイメージ画像が多いカラープリ
ンタには、ノズルに近いヒーターほどバブルを発生する
のに必要な最小エネルギーが小さくなるような配置にす
ることが好ましい。これにより、小さいインク滴と大き
いインク滴速度の差を小さくして、インク滴の着弾位置
を揃え、中間調であっても高画質を得ることができる。
また、単一インク滴量による文字等の出力が多く、階調
表現が少ないモノクロプリンタには、ノズルに近いヒー
ターほどバブルを発生するのに必要な最小エネルギーが
大きくなるような配置にし、インク滴量の差を大きくし
て階調差を大きくすることにより、鮮明な画像を得るこ
とができる。
【0025】図6は、本発明のインクジェット記録装置
の第3の実施例を示す平面方向の断面図である。第3の
実施例では、図6に示すように2つのヒーターの形状、
大きさ、膜厚は等しく、ヒーターの抵抗値のみを変え
た。より具体的には、ヒーターの材料であるpoly−
Si中の不純物濃度を変え、抵抗率を異ならせた。
【0026】図7は室温でのpoly−Siにおける不
純物濃度とpoly−Siの体積抵抗率の関係を示すグ
ラフである。図7に示すように、poly−Siにおけ
る不純物濃度を増加させると、体積抵抗率は低下する。
【0027】この実施例では、不純物として燐を用い、
不純物を与える方法としてイオン・インプランテーショ
ン(イオン打ち込み法)を用い、2つのヒーター領域で
インプランテーション(イオン打ち込み法)の時間を変
えることにより不純物濃度を変え、抵抗率を変えて抵抗
値を異ならせた。
【0028】図6において、例えば、ヒーター7aをヒ
ーター7bよりも不純物濃度を高くし、抵抗率を小さ
く、したがって、抵抗値を小さくすることができる。2
つのヒーターは、電気的に並列に接続されているため、
同じ電圧が印加されるが、抵抗値の小さいヒーター7a
の方が7bより電流がより多く流れる。バブルを発生さ
せるのに必要なエネルギーに到達する最小電圧、または
パルス幅はヒーター7aの方が小さくなり、第1の実施
例と同様に電圧、パルス幅でバブルの発生するヒーター
を選択することができ、インク滴量を変えることができ
る。
【0029】この実施例においても、2つのヒーターは
並列に接続されているため、特定のヒーターに過剰に電
圧が印加されることはない。また、バブルを発生させる
電圧、パルス幅の選択により、1つのヒーターのみ、あ
るいは、2つのヒーターの両方からバブルが発生するよ
うに切り替えが可能な境界を有する構成とすれば良いの
であるから、2つのヒーターの抵抗値の差は大きくする
必要がない。したがって、特定のヒーターに電流が集中
することもないので、第1の実施例と同様、特定のヒー
ターが劣化し、ヘッド寿命を短くすることや、所望の階
調レベルが得られないといった問題は起こらない。
【0030】図8は、本発明のインクジェット記録装置
の第4の実施例を示す平面方向の断面図である。この実
施例では、ヒーターの形状を変えて抵抗値を変化させて
いる。図6において、同じ体積抵抗率を有するヒーター
の長さを変え、ヒーター7aをヒーター7bよりも短く
し、抵抗値を小さくしている。2つのヒーターは、電気
的に並列に接続されているため、同じ電圧が印加される
が、抵抗値の小さいヒーター7aの方が7bより電流が
より多く流れる。バブルを発生させるのに必要なエネル
ギーに到達する最小電圧、またはパルス幅はヒーター7
aの方が小さくなり、第1の実施例と同様に電圧、パル
ス幅でバブルの発生するヒーターを選択することがで
き、インク滴量を変えることができる。この実施例の場
合にも、第3の実施例と同様、抵抗値の変化は大きくな
くてよく、そのため、特定のヒーターが劣化することは
ない。
【0031】また、図8では、共通電極11をノズル側
に、ノズルの配列方向に延在させている。このように共
通電極11を配置することにより、共通電極11を全て
のヒーターに接続することができる。
【0032】図9は、本発明のインクジェット記録装置
の第5の実施例を示す平面方向の断面図である。図9に
示すように、流路方向に複数のヒーターを配置するので
はなく、流路方向に平行に配置することもできる。この
ような構成の場合にも、各ヒーターは、上述の第1乃至
第4の実施例のようにして、バブルを発生させるのに必
要な最小エネルギーを変えて形成する。これにより、電
圧やパルス幅等を制御することによって、ヒーターを選
択することができ、インク量を変えることができる。こ
の実施例においても、共通電極11を全てのヒーターに
接続している。
【0033】ヒーターの接続方法としては、上述したも
のだけでなく、例えば、多層配線を用いることによっ
て、より高密度ピッチに対応したプリントヘッドを作製
することができる。
【0034】複数のヒーター間でバブルが発生する最小
エネルギーを異ならせる手段としては、上述した方法以
外にヒーターの表面状態を異ならせることもできる。ま
た、ヒーターの膜厚や形状を変えることにより、抵抗値
を異ならせることもできる。さらに、種々の方法を組み
合わせることも可能で、複数のヒーター間でバブルの発
生する最小電圧値、パルス幅、電流の少なくとも1つが
互いに異なるように構成すれば良いことはいうまでもな
い。
【0035】本発明は、上述のようなサイドシューター
型のプリントヘッドだけでなく、ルーフシューター型の
プリントヘッドに対しても適用することができる。図1
0は、本発明のインクジェット記録装置の第6の実施例
を示す断面図、図11は、同じく平面図である。図中、
図1乃至図3と同様の部分には、同じ符号を付して説明
を省略する。21はノズル板、22は厚膜樹脂層であ
る。ノズル板21には、ノズル5となる開口が設けられ
ている。このノズル5の下部にヒーター7a,7bが設
けられている。ヒーター基板2とノズル板21の間がイ
ンク流路となる。各ノズル5の周辺には、厚膜樹脂層2
2が配置され、隣接するノズルとの間を区切っている。
【0036】この実施例においても、ヒーター7a,7
bは、バブルを発生するための最小エネルギーがそれぞ
れ異なるように構成されている。上述のように、例え
ば、電圧値やパルス幅を変えることにより、一方のヒー
ターのみ、あるいは、両方のヒーターからバブルを発生
させることができる。一方のヒーターのみからバブルが
発生した場合には、少ないインク量のインク滴が、ノズ
ル5から図中上方へ向けて吐出される。同様に、両方の
ヒーターからバブルが発生する場合には、多量のインク
滴がノズル5から上方へ吐出されることになる。このよ
うにして、階調画像を記録することができる。
【0037】図11では、各ヒーターを平行に並べて配
置したが、各ヒーターを同心円状に配置することも可能
である。この場合、各ヒーター上に発生するバブルの位
置が円の中心にそろうので、インク滴の弾道が定まり、
高画質を得ることができる。また、複数のヒーター間で
バブルが発生する最小エネルギーを異ならせる手段とし
ては、サイドシューター型のヘッドと同様、種々の手段
を用いることができる。さらに、各ヒーターを選択的に
駆動する方法や、配線の方法なども同様である。
【0038】上述の各実施例においては、1つのインク
流路に配置され、電気的に並列に接続されるヒーターの
数が2個の場合について述べたが、2個に限定されず、
3個以上配置して、より多くの階調数を得ることもでき
る。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、1つの流路内に印加エネルギーに対してバブ
ルを発生させるための閾値が異なる複数のヒーターが設
けられているとともに、複数のヒーターを電気的に常時
並列に接続し、印加する電圧パルスの電圧値パルス幅、
電流の少なくとも1つで駆動するヒーターを制御し、イ
ンク滴の量を制御するようにしたことにより、高品質な
階調表現を行なうことができる。このとき、多数のヒー
ターを並列接続し、表現できる階調数を増加させても、
複数のヒーターを共通の駆動回路で駆動するため、駆動
回路が増加することがない。また、噴射するインク滴の
量は、ヒーターの形状、数、流路形状によって広範囲に
設定可能である。さらに、特定のヒーターに過剰な電圧
や電流が集中することがないので、ヒーターの劣化を招
きヘッド寿命を短くすることもない、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例におけるサーマルインクジェットヘッドの平面方向
の断面図である。
【図2】 図1のサーマルインクジェットヘッドのノズ
ル側からみた正面図である。
【図3】 図1のサーマルインクジェットヘッドの各ノ
ズルのインク流路方向の断面図である。
【図4】 本発明のインクジェットヘッドにおける印加
エネルギーと噴射されるインク滴量の関係を示すグラフ
である。
【図5】 本発明のインクジェット記録装置の第2の実
施例におけるサーマルインクジェットヘッドの平面方向
の断面図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録装置の第3の実
施例におけるサーマルインクジェットヘッドの平面方向
の断面図である。
【図7】 室温でのpoly−Siにおける不純物濃度
とpoly−Siの体積抵抗率の関係を示すグラフであ
る。
【図8】 本発明のインクジェット記録装置の第4の実
施例におけるサーマルインクジェットヘッドの平面方向
の断面図である。
【図9】 本発明のインクジェット記録装置の第5の実
施例におけるサーマルインクジェットヘッドの平面方向
の断面図である。
【図10】 本発明のインクジェット記録装置の第6の
実施例におけるサーマルインクジェットヘッドの断面図
である。
【図11】 図10に示したサーマルインクジェットヘ
ッドの平面方向の断面図である。
【図12】 ヒーターに印加する電圧値と噴射されるイ
ンク滴量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 チャネル基板、2 ヒーター基板、3 インク室、
4 インク供給口、5ノズル、6 インク流路、7 ヒ
ーター、8 厚膜樹脂層、9 ピット、10チャネル隔
壁、11 共通電極、12 個別電極、13 インク
滴、14 記録紙、21 ノズル板、22 厚膜樹脂
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−8395(JP,A) 特開 平1−235652(JP,A) 特開 昭63−160853(JP,A) 特開 平3−240545(JP,A) 特開 昭62−201255(JP,A) 特開 平3−146349(JP,A) 特開 平5−261925(JP,A) 特開 平5−261924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/175 B41J 2/205

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するためのノズルと、該ノ
    ズルに連通した流路と、該流路にインクを供給するため
    のインク供給口と、前記流路内に設けられたヒーターを
    有し、該ヒーターの発熱により発生する上記バブルの圧
    力によってインク滴を前記ノズルから吐出するインクジ
    ェット記録装置において、1つの流路内に印加エネルギ
    ーに対してバブルを発生させるための閾値が異なる複数
    のヒーターが設けられ、前記複数のヒーターは電気的に
    常時並列に接続されていることを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  2. 【請求項2】 インクを吐出するためのノズルと、該ノ
    ズルに連通した流路と、該流路にインクを供給するため
    のインク供給口と、前記流路内に設けられ印加エネルギ
    ーに対してバブルを発生させるための閾値が異なる複数
    のヒーターを有し、前記複数のヒーターは電気的に常時
    並列に接続されており、前記複数のヒーターを印加エネ
    ルギーにより駆動して前記ヒーター発熱により発生する
    上記バブルの圧力によってインク滴を前記ノズルから吐
    出するインクジェット記録装置における記録方法におい
    て、記録する画像の濃度に応じて前記複数のヒーターを
    駆動する印加エネルギーを制御し、ノズルから吐出され
    るインク滴の量を変化させて階調を有する記録を行なう
    ことを特徴とするインクジェット記録装置における記録
    方法。
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