JP3126848U - フェイシャルマスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】海藻抽出物からなるゼリー状(ゲル)のバイオポリマー基材によってフェイシャルマスクの本体部分を形成し、これを顔面に当てたとき目の位置に相当する2個の開口6と、口の位置に相当する開口7と、鼻の位置に相当する切目8とを設ける。前記ゼリー状の基材には、ガンマ・ポリグルタミン酸を練り込んである。その他、1,3ブチレングリコール、カラギナンヒアルロン酸ナトリウム、甘草エキス、及びサンゴ藻エキスを添加することが望ましい。更にアスコルビン酸リン酸マグネシュウム、及び香料を添加することもできる。本考案のフェイシャルマスクによれば、ガンマ・ポリグルタミン酸による優れた保湿効果によって、美白,美容が達成される。
【選択図】図1
Description
さらに、これら周知の商品を改良した技術も提案されている。
実用新案文献1として挙げた公表特許公報2005−535677号「乳化液体組成物を含有するマスク組成物」は、水不溶性の基材に、「油成分、親水性界面活性剤、増粘ポリマー、及び水溶性キャリアを含む乳化液体組成物」を含浸させたものである。
この種の従来例は一般に、不織布製の顔全体マスク1に複数の開口部2を設け、かつ、頬に相当する箇所、顎に相当する箇所、及び目や口の周辺に相当する箇所に切れ目3を設けてあり、この顔全体マスク1に薬液を含浸した構成である。
1.使用中に、含浸されている薬液がポタポタと滴り落ちる。
2.使用中に、含浸されている薬液が蒸発し易い。
3.不織布である基材自体に伸縮性が乏しく、顔面に良くフィットしない。
4.不織布である基材自体に粘着力が無く、薬液の張力で顔に張り付かせるだけであるから剥がれ易い。
という問題が有り、更に、薬液の効能にも改良の余地が有る。
上記の問題ごとに説明すると、
2′含浸されている薬液が蒸発し易いので、使用可能時間が例えば10〜15分間というように短い。従って当然に、薬液が皮膚内へ浸透する時間も短い。
3′基材自体に伸縮性が無いため、顔面にフィットしないので、先に述べた図3(従来例)のように、頬に当たる箇所や顎に当たる箇所に切目3を入れるとともに、その使用説明書に「マスクが顔面に馴染むまで静かにお待ち下さい」との注意書が付記されている。このような待ち時間は使用者にとって煩わしく、商品価値を下げる。更に、こうした注意書きを見落とすと使用中にマスクが剥がれるなどのトラブルを招く。
4′基材自体に粘着力が無くて剥がれ易いので、マスク使用中は動き回ることができない。このように行動を制限することは、使用者に対して束縛感を与えるので著しく商品価値
を下げる。
1″含浸されている薬液が使用中に滴り落ちる虞れが無く、
2″含浸されている薬液が使用中に、蒸発しにくく、
3″基材自体に伸縮性が有って、顔面に良くフィットし、
4″基材自体に適度の粘着力が有って、使用中に剥がれる虞れが無く、
5″皮膚自体が有している天然保湿因子(NMF)の働きを増強する作用を果たす、
新規なフェイシャルマスクを提供することである。
一.従来例のマスクが不織布製であったのを改良し、ゼリー状(ゲル)のシートを基材とした。
二.特に、保湿性が優れたガンマ・ポリグルタミン酸を主剤として練り込んだ。
ガンマ・ポリグルタミン酸(略称・γ−PGA)は、台湾の発酵食品メーカーである味丹が開発して2003年度バイオテクノロジー金賞を受賞している。
このガンマ・ポリグルタミン酸は卓越した保湿性を有し、かつ皮膚の角質層内に天然保湿因子(NMF)を生成させる作用が有るため、肌の栄養剤として優れている。
(注)本考案においてゼリー状であることとゲルであることとは同意である。詳しくは、
ゲルとは固体と液体とからなる2相のコロイド系である。ゼリー状とはゲルの物性を官能的に表現した語句である。
前記のシート状部材が、海藻の抽出成分から成るゲル状の物質であり、
かつ、該ゲル状の物質には、ガンマ・ポリグルタミン酸が練り込まれていることを特徴とする。
このため、マスク本体部分から薬液が滴り落ちたり薬液が乾燥したりする虞れが無い。
その上、ゼリー状(ゲル)のシートからなるマスク本体部分が自ら伸縮して顔面の凹凸に順応し、ゼリー状物質特有の粘着力によって顔面に張り付く(薬液の張力によらない)。
前記シート状の部材には、これを頬にフィットさせるための切目や、顎にフィットさせるための切目が設けられておらず、滑らかな閉曲線からなる輪郭を有していることを特徴とする。
そして、頬や顎の切目が無いから輪郭が滑らかになる。
滑らかな輪郭は意匠的観点から好適で商品価値を高めるのみでなく、切目に応力集中を生じてシートが裂けるというトラブルを招かない。
その上、ガンマ・ポリグルタミン酸が天然保湿因子(NMF)を増強して卓越した保湿性を発揮し、皮膚の健康美を輝かせる。
符号5を付して示したのはフェイシャルマスクの本体部であって、通常の成人女性の顔面を覆い得る形状寸法に形成される。
本例においては、
縦長寸法H≒170mm、
横幅寸法W≒220mm、
厚さ寸法t≒0.8mmである。
本考案を実施する場合、厚さ寸法tは0.5〜2mmの範囲内で任意に設定することができる。また、縦長寸法Hや横幅寸法Wも適宜に増減することができる。
さらに、鼻のあたまに相当する位置に、鼻に対応する切目8を設ける。
上記の鼻に対応する切目8は、フェイシャルマスク5の中央部付近に位置し、周囲の輪郭からは明確に離れている。
従来例(図3)におけるがごとく、周囲の輪郭から切り込んだ形の切れ目3が有ると、応力集中を生じて裂け易くなる。本考案においては周囲の輪郭から切り込んだ形の切目が無いので、裂けにくく、構造力学的に丈夫である。
すなわち、従来例のように不織布で作られたフェイシャルマスクには伸縮性が無いので、周囲の輪郭から切り込んだ形の切れ目3を設けないと頬や顎の曲面にフィットできなかった(詳しく観察すると、切れ目3が有っても十分にはフィットし得なかった)。
これに比して本考案のフェイシャルマスク5はゼリー状の物性を有するゲルであるから、切目が無くても頬や顎の曲面にフィットすることができる。
本実施形態においては、カラギナン,アイリッシュなど複数種類の紅藻類からの抽出物と、サンゴ藻からの抽出物とを混合して、ゼリー状(ゲル)のフェイシャルマスク5の基材を構成した。
このような海藻抽出物は、当業界において一般にバイオポリマー基材として知られている。
本考案における薬効成分の主剤であるガンマ・ポリグルタミン酸について詳しく説明すると次のとおりである。
更にガンマ線を照射すると架橋を生じて図2(B)のようなガンマ・ポリグルタミン酸(γ−PGA)になる。
図2(C)は、その化学構造式である。
このガンマ・ポリグルタミン酸は、皮膚が元来有している天然保湿因子(MNF)を増強する機能があることは広く知られていて、これをスパ(薬液浴)に用いたり、霧状にして皮膚に吹き付けるなどの工夫が為されている。しかし、フェイシャルマスクに応用することには未だ想到していなかった。
本実施形態においては上記のガンマ・ポリグルタミン酸を、開発メーカーである味丹社(台湾)から供給を受けて使用した。
ブチレングリコールは、炭素原子4個と、水素原子10個と、酸素原子2個とから成る分子量90.1の物質で、無色透明の液体である。このブチレングリコールを添加すると、ガンマ・ポリグルタミン酸と協働して保湿性が一層向上し、かつ、抗菌性を発揮する。
例えば放射性障害防止作用及び抗炎症作用は、陽焼けに因るトラブルを防止し得るので、実用的価値が高い。
さらに、一時的に皮膚を美白,美容するだけでなく、抗老化作用によって肌の若さを保つという永続的な効果を奏することの意義は多大である。
図1(A)のような外観形状を有する本実施形態のフェイシャルマスク5は1個ずつ、少なくとも片面が透明なパック包装を施して市場に供給される。
使用者が包装を開くと図1(B)のようなフェイシャルマスク5が取り出される。その左右上端部分を両手で持って顔面にあてがうと、該フェイシャルマスクがゼリー状(ゲル)であるから顔面に良くフィットする。
従来例のフェイシャルマスクは不織布に薬液を含浸させていたので、含浸液量が多いと
ポタポタと滴り落ち、含浸液量を控えると使用中に乾燥して剥がれてしまうという問題が有った。
本考案のフェイシャルマスクは、上述した従来例の不具合を一挙に解消し得たものである。
装着している間にフェイシャルマスクが剥がれたり乾燥したりする虞れは無い。
また、滑らかな輪郭を有していて、輪郭から切り込んだ形状の切目がないので、切目から裂けたりする心配が無い。
肌に対する粘着力も適度であって、使用中には剥がれないが、使用を終えた後に指先で引き剥がすと容易に剥がれ、剥がした後の感じが爽快である。従って、従来例のように薬液を拭き取ったり洗い直したりする必要が無い。すなわち、フェイシャルマスクを剥がした後、そのまま化粧水や乳液などで仕上げれば良い。
2…従来例の顔全体マスクにおける開口部
3…従来例の顔全体マスクにおける切れ目
4…グルタミン酸
5…本考案に係るフェイシャルマスク
6…本考案のフェイシャルマスクにおける目に対応する開口
7…本考案のフェイシャルマスクにおける口に対応する開口
8…本考案のフェイシャルマスクにおける鼻に対応する切目
H…縦長寸法
L…横幅寸法
t…厚さ寸法
Claims (4)
- 標準体型の女性の顔面を覆う形状寸法のシート状の部材に、左右の目に対応する一対の開口と、鼻に対応する切目と、口に対応する開口とを設けて成るフェイシャルマスクにおいて、
前記のシート状部材が、海藻の抽出成分から成るゲル状の物質を材料とし、
かつ、該ゲル状の物質がガンマ・ポリグルタミン酸を含有していることを特徴とする、フェイシャルマスク。 - 前記シート状の部材のガンマ・ポリグルタミン酸の含有率が、重量比5〜10%であることを特徴とする、請求項1に記載したフェイシャルマスク。
- 前記のシート状部材が、1,3ブチレングリコール、カラギナンヒアルロン酸ナトリウム、甘草エキス、及びサンゴ藻エキスの内、少なくとも何れか一つを含有していることを特徴とする、請求項2に記載したフェイシャルマスク。
- 前記のシート状部材には、これを頬にフィットさせるための切目や、顎にフィットさせるための切目が設けられておらず、滑らかな閉曲線からなる輪郭を有していることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載したフェイシャルマスク。
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