JP3125393B2 - チタン−アルミニウム合金鋳造物の鋳造方法 - Google Patents

チタン−アルミニウム合金鋳造物の鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、チタン−アルミニウ
ム合金原料を溶解し、得られた溶融チタン−アルミニウ
ム合金を鋳型内に鋳込んで、チタン−アルミニウム合金
鋳造物を鋳造するための、チタン−アルミニウム合金鋳
造物の鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属間化合物であるチタン−アルミニウ
ム合金(チタン−アルミニウム基合金を含む、以下、同
じ)は、軽量で且つ高強度である優れた特性を有してい
る。従って、チタン−アルミニウム合金を、例えば、自
動車用ターボチャージャーのホットホイールのような高
速回転用ホイールなどの材料として使用するための研究
開発が進められている。
【0003】上記チタン−アルミニウム合金からなる材
料は、例えば、スポンジチタン、チタンスクラップ、ア
ルミニウムおよび必要に応じその他の第3元素等からな
る原料を、溶解し次いで鋳造することにより製造され
る。このようなチタン−アルミニウム合金鋳造物の鋳造
方法として、次の方法が知られている。
【0004】 消耗電極式真空アーク溶解鋳造法:上
記原料をプレスして、コンパクトと称する複数個の圧縮
体を調製し、次いで、複数個の圧縮体を相互に溶接によ
り接続して、上記原料からなる1本の消耗電極を調製す
る。このようにして調製された消耗電極を水冷銅るつぼ
内に挿入し、水冷銅るつぼ内を真空下に保ち、消耗電極
と水冷銅るつぼとの間にアークを発生させる。その結
果、アーク熱によって消耗電極の先端部は溶解し、溶融
チタン−アルミニウム合金となって水冷銅るつぼ内に溜
まる。次いで、水冷銅るつぼ内の溶融チタン−アルミニ
ウム合金を、例えばシェルモールドのような鋳型内に鋳
込んで鋳造する(以下、先行技術1という)。
【0005】 プラズマアーク溶解鋳造法:上記原料
を水冷銅るつぼ内に装入し、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気下で、プラズマアーク加熱により溶解する。このよ
うにして溶解した水冷銅るつぼ内の溶融チタン−アルミ
ニウム合金を、例えばシェルモールドのような鋳型内に
鋳込んで鋳造する(以下、先行技術2という)。
【0006】 電子ビーム溶解鋳造法:上記原料を水
冷銅るつぼ内に装入し、10-3〜10-5torrの高真空下で、
電子ビーム加熱により溶解する。このようにして溶解し
た溶融チタン−アルミニウム合金を、例えばシエルモー
ルドのような鋳型内に鋳込んで鋳造する(以下、先行技
術3という)。
【0007】 るつぼ溶解鋳造法:上記原料をCaO 系
またはMgO系の耐火物製のるつぼ内に装入し、真空また
は不活性ガス雰囲気中で、電磁誘導加熱により溶解す
る。このようにして溶解した溶融チタン−アルミニウム
合金を、例えばシエルモールドのような鋳型内に鋳込ん
で鋳造する(以下、先行技術4という)。
【0008】 インダクションスカル溶解鋳造法:上
記原料を、複数個の分割された炉壁によって構成された
銅るつぼからなるインダクションスカル溶解炉内に装入
し、不活性ガス雰囲気下で、高周波誘導加熱により溶解
し、次いで、溶解炉内において凝固させる。次いで、溶
解炉内のチタン−アルミニウム合金凝固物を、減圧下ま
たは真空下で、高周波誘導加熱により再溶解し、このよ
うにして再溶解された溶融チタン−アルミニウム合金
を、例えばシエルモールドのような鋳型内に鋳込んで鋳
造する(以下、先行技術5という)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術に
は、次のような問題がある。 先行技術1の消耗電極式真空アーク溶解鋳造法の場
合には、先ず原料をプレスして、コンパクトと称する複
数個の圧縮体を調製し、次いで、複数個の圧縮体を相互
に溶接により接続して、上記原料からなる1本の消耗電
極を調製する必要がある。従って、このような電極の調
製作業のために多くの手間を必要とし、且つ、製造コス
トが上昇する。
【0010】 先行技術2のプラズマアーク溶解鋳造
法の場合には、消耗電極式真空アーク溶解鋳造法のよう
に、消耗電極を調製する必要がなく、るつぼ内において
原料を直接溶解することができる。しかしながら、原料
の溶解および鋳造は、不活性ガス雰囲気下で行われるの
で、鋳造時に、鋳型内の溶融チタン−アルミニウム合金
中に不活性ガスが巻き込まれて鋳造物の品質が劣化し、
更に、薄肉の鋳造物を鋳造する際には、鋳型内に存在す
る不活性ガスによって、鋳型内への溶融チタン−アルミ
ニウム合金の鋳込みが困難になる問題が生ずる。
【0011】 先行技術3の電子ビーム溶解鋳造法の
場合も、るつぼ内において原料を直接溶解することがで
きる。しかしながら、原料の溶解および鋳造は、10-3
10-5torrの高真空下において行われるので、溶融チタン
−アルミニウム合金中からのアルミニウムの蒸発量が多
く、従って、鋳造物中のアルミニウム量のコントロール
が困難になる。更に、るつぼ内を高真空にする設備のた
めに、設備費が高騰する問題が生ずる。
【0012】 先行技術4のるつぼ溶解鋳造法の場合
も、るつぼ内において原料を直接溶解することができ
る。しかしながら、CaO 系またはMgO系の耐火物製のる
つぼを使用しているために、るつぼを構成する耐火物中
に含有されている酸化物と溶融チタン−アルミニウム合
金とが反応して、溶融チタン−アルミニウム合金中の酸
素量が増加する問題が生ずる。
【0013】 先行技術5のインダクションスカル溶
解鋳造法の場合も、炉内において原料を直接溶解するこ
とができる。しかしながら、酸素含有量が例えば350ppm
以下の低酸素のチタン−アルミニウム合金を鋳造する方
法は、未だ確立されていない。更に、インダクションス
カル溶解炉内において溶解し、次いで、凝固させたチタ
ン−アルミニウム合金の凝固物を、減圧下または真空下
で再溶解し鋳造する際に、溶融チタン−アルミニウム合
金中からのアルミニウムの蒸発量が多く、従って、鋳造
物中のアルミニウム量のコントロールが困難になる。
【0014】チタン−アルミニウム合金鋳造物中の酸素
量は、鋳造物の硬度および強度に大きな影響を与える。
即ち、酸素量が多くなると、チタン−アルミニウム合金
鋳造物の硬度が高くなり、そして、その破壊歪みが低下
して、鋳造物に割れが発生する等の問題が生ずる。従っ
て、チタン−アルミニウム合金鋳造物中の酸素量は、極
力低く抑えることが必要であるが、先行技術1〜5によ
っては、上記酸素量を低く抑えることができない。
【0015】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、例えば、スポンジチタン、チタンスクラッ
プ、アルミニウムおよび必要に応じその他の第3元素等
からなる原料を溶解して、所定量のチタンおよびアルミ
ニウムを含有する、低酸素の品質の優れたチタン−アル
ミニウム合金鋳造物を、低コストで鋳造するための方法
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、溶解鋳
造炉として、炉内の雰囲気圧を、大気圧から真空まで任
意に調整し得るインダクションスカル溶解炉を使用し、
所定圧の不活性ガス雰囲気下において、原料を溶解して
溶融チタン−アルミニウム合金を調製し、そして、この
溶融チタン−アルミニウム合金を鋳型内に鋳込んで、チ
タン−アルミニウム合金インゴットを鋳造し、次いで、
チタン−アルミニウム合金インゴットを、減圧下のイン
ダクションスカル溶解炉内において再溶解し、そして、
再溶解されたチタン−アルミニウム合金を鋳型内に鋳込
めば、所定量のチタンおよびアルミニウムを含有する、
低酸素の品質の優れたチタン−アルミニウム合金鋳造物
を、低コストで鋳造することができることを知見した。
【0017】 この発明は、上記知見に基づいてなされ
たものであって、この発明は、原料としての、酸素含有
量が350ppm以下の低酸素スポンジチタンを、インダクシ
ョンスカル溶解炉内において、10〜760torr の圧力の不
活性ガス雰囲気下で溶解し、次いで、前記溶解炉内の溶
融チタン中に、同じく原料としてのアルミニウムを添加
して、所定量のチタンおよびアルミニウムを含有する溶
融チタン−アルミニウム合金を調製し、このようにして
調製された前記溶融チタン−アルミニウム合金を、前記
10〜760torr の圧力の不活性ガス雰囲気下において、グ
ラファイト製、銅製または水冷銅製の鋳型内に鋳込ん
で、チタン−アルミニウム合金インゴットを鋳造し、次
いで、前記チタン−アルミニウム合金インゴットを、1
torr以下の減圧下で前記溶解炉内において再溶解し、こ
のようにして再溶解された溶融チタン−アルミニウム合
金を、前記1torr以下の減圧下で鋳型内に鋳込み、かく
して、チタン−アルミニウム合金鋳造物を鋳造すること
に特徴を有するものである。
【0018】
【作用】 この発明においては、先ず、原料としての
酸素含有量が350ppm以下の低酸素スポンジチタンを、イ
ンダクションスカル溶解炉内において、10〜760torr の
圧力の例えばアルゴンガスのような不活性ガス雰囲気下
で、高周波誘導により溶解して溶融チタンを調製する。
スポンジチタンの溶解を10torr未満の減圧下で行うと、
スポンジチタン中に含有されている塩素やマグネシウム
等の不純物が蒸発して、スピッティングが激しく発生す
る結果、鋳造歩留りが低下するが、上述したように、10
〜760torr の圧力の不活性ガス雰囲気下で溶解すること
により、上記塩素やマグネシウム等の不純物の蒸発によ
るスピッティングが発生することなく、スポンジチタン
を安定して溶解することができる。
【0019】溶解炉内の好ましいガス圧は、50〜300 to
rrである。即ち、ガス圧が50torr未満では、若干のスピ
ッティングが発生する。一方、ガス圧が 300torrを超え
てもより以上の効果はなく、コスト高となる。
【0020】 原料として、酸素含有量が350ppm以下の
低酸素スポンジチタンを使用する。酸素含有量が1,500
〜2,000 のC.P.チタン( コマーシャル ピュアーチタ
ン) では、鋳造物の酸素含有量が多くなって、低酸素の
チタン−アルミニウム合金鋳造物を製造することができ
ず、その品質が劣化する恐れが生ずる。
【0021】次いで、インダクションスカル溶解炉内の
溶融チタン中に適量のアルミニウムを添加しそしてアル
ミニウムを十分に溶解させる。このようにして得られ
た、所定量のチタンおよびアルミニウムを含有する溶融
チタン−アルミニウム合金を、10〜760torr の圧力の不
活性ガス雰囲気下で、グラファイト製鋳型内に鋳込ん
で、チタン−アルミニウム合金インゴットを調製する。
【0022】上記溶融チタン−アルミニウム合金を鋳込
む鋳型はグラファイト製であるから、鋳型と溶融チタン
−アルミニウム合金とは反応しにくく、従って、鋳込ま
れたチタン−アルミニウム合金インゴット中への酸素量
の増加は殆どない。なお、グラファイト製鋳型は、再溶
解のために溶解炉内に装入し得るような大きさのインゴ
ットが得られるような、円筒状または角筒状のものを使
用することが好ましい。また、グラファイト製鋳型の代
わりに、銅製鋳型または水冷銅製鋳型を使用してもよ
い。
【0023】上述のようにして得られたチタン−アルミ
ニウム合金インゴットを、再びインダクションスカル溶
解炉内に装入し、1torr以下の減圧下で、高周波誘導に
よりこれを再溶解する。そして、再溶解された溶融チタ
ン−アルミニウム合金を、上記1torr以下の減圧下で、
例えばシェルモールドのような所定形状の鋳型内に鋳込
む。かくして、チタン−アルミニウム合金鋳造物が鋳造
される。
【0024】チタン−アルミニウム合金インゴットの再
溶解および溶融チタン−アルミニウム合金の鋳造は、1
torr以下、より好ましくは0.1torr 以下の減圧下で行う
ことが必要である。1torrを超えた圧力下で行うと、鋳
造時に鋳型内にガスの巻き込み等が生じ、従って、鋳造
物の品質劣化や、鋳造困難(ミスラン)等が発生しやす
くなる。
【0025】原料としてのスポンジチタンは、極めて多
孔質である。従って、インダクションスカル溶解炉内に
おいて、高周波誘導によりスポンジチタンを溶解する際
に、各スポンジチタンの内部まで渦電流が流れにくい。
その結果、スポンジチタンに対する加熱効率が悪く、そ
の溶解に長時間を要し、且つ、溶解炉内において棚吊り
等が生じやすくなる。
【0026】上述した問題を防止するために、スポンジ
チタンの溶解時に、溶解促進材として、鋳造すべきチタ
ン−アルミニウム合金鋳造物と同一成分組成の棒状また
は塊状のチタン−アルミニウム合金固形物を、スポンジ
チタンと共に溶解炉内に装入しておくことが望ましい。
このように、溶解炉内に、溶解促進材としてチタン−ア
ルミニウム合金固形物を装入しておくことによって、加
熱により先ずチタン−アルミニウム合金固形物が溶解
し、次いで、その周囲のスポンジチタンがこれに溶け込
むような形で溶解が進行する。従って、短時間で効率よ
くスポンジチタンを溶解することができる。
【0027】溶解促進材として、上述したチタン−アル
ミニウム合金固形物の代わりに、チタン固形物を使用し
てもよく、または、原料としてのアルミニウムの一部を
使用してもよい。なお、原料としてのアルミニウムの全
量を、スポンジチタンと共に最初から溶解炉内に装入す
ると、スポンジチタンおよびアルミニウムの全溶解量が
低減し、且つ、鋳造物中のアルミニウム量の調整が困難
になる問題が生ずる。従って、溶解促進材としてのアル
ミニウムは、原料としてのアルミニウムのうちの一部を
使用すべきである。なお、上述した溶解促進材の装入量
は、鋳造物の酸素含有量が上昇しない程度の量とするこ
とが必要である。
【0028】チタン−アルミニウム合金インゴットを、
溶解炉内において再溶解する際に、溶解炉内に、鋳造す
べきチタン−アルミニウム合金鋳造物と同一成分組成の
チタン−アルミニウム合金スクラップを装入してもよ
い。このようにすれば、チタン−アルミニウム合金の溶
解鋳造時に発生する多量のスクラップを再利用すること
ができ、従って、鋳造コストを低減し得る。なお、上記
スクラップの装入量は、鋳造物の酸素含有量が上昇しな
い程度の量とすることが必要である。
【0029】インダクションスカル溶解炉内において、
スポンジチタンを溶解する際に、溶解炉内に、スポンジ
チタンと共に、例えば、マンガン、クロム、シリコン、
ニオブ、バナジウム等の第3元素の1種または2種以上
を装入し、これらの第3元素をスポンジチタンと共に溶
解すれば、チタンとアルミニウムと1種または2種以上
の第3元素とからなるチタン−アルミニウム基合金鋳造
物を鋳造することができる。なお、上述した第3元素
は、スポンジチタンを溶解後、溶解炉内の溶融チタン中
に添加してもよい。
【0030】図1は、この発明の方法に使用される装置
の一例を示す概略説明図である。図1に示すように、溶
解鋳造室1内には、インダクションスカル溶解炉2と、
溶解炉2内に原料を供給するための、溶解炉2の上方に
配置された原料供給装置3と、そして、溶解炉2の下方
に配置されたグラファイト製の鋳型4とが設けられてい
る。溶解鋳造室1の側壁の所定箇所には、室1内を大気
圧から真空まで任意に調整するための、図示しない真空
排気装置に連結する排気孔5、および、室1内にアルゴ
ンガス等の不活性ガスを供給するための、図示しない不
活性ガス供給源に連結するガス供給孔6が設けられてい
る。
【0031】インダクションスカル溶解炉2は、水冷分
割銅セグメントからなるるつぼ7と、るつぼ7の外壁を
囲んで設けられた高周波誘導コイル8と、るつぼ7を冷
却する冷却水用導管9とからなっている。10は、るつぼ
7の内底面上に形成されたスカルである。
【0032】次に、この発明の方法を、図1に示した装
置および図2〜6に示した工程図に基づいて更に説明す
る。図2(a) に示すように、るつぼ7の内底面上に、鋳
造すべきチタン−アルミニウム合金鋳造物と同一成分組
成のチタン−アルミニウム合金からなるスカル10を配置
しておく。このようなスカル10が配置されたるつぼ7内
に、原料としての低酸素スポンジチタン11を装入する。
そして、溶解鋳造室1内を排気孔5を通して排気した
後、ガス供給孔6を通して溶解鋳造室1内にアルゴンガ
スを吹き込み、溶解鋳造室1内を、10〜760torr の圧力
のアルゴンガス雰囲気に保つ。このようにして、10〜76
0torr の圧力のアルゴンガス雰囲気下に保たれたインダ
クションスカル溶解炉2のるつぼ7内においてスポンジ
チタン11を溶解する。
【0033】上述したスポンジチタン11の溶解に際し、
図2(b) に示すように、溶解促進材として、鋳造すべき
チタン−アルミニウム合金鋳造物と同一成分組成の棒
状、塊状のチタン−アルミニウム合金固形物15またはチ
タン固形物を、スポンジチタン11と共にるつぼ7内に装
入し、または、図2(c) に示すように、原料としてのア
ルミニウム12の一部をスポンジチタン11と共にるつぼ7
内に装入しておけば、短時間で効率よくスポンジチタン
11を溶解することができる。また、図2(d) に示すよ
うに、スポンジチタン11と共に、例えば、マンガン、ク
ロム、シリコン、ニオブ、バナジウム等の第3元素16の
1種または2種以上を装入しておけば、チタンとアルミ
ニウムと1種または2種以上の第3元素とからなるチタ
ン−アルミニウム基合金鋳造物を鋳造することができ
る。
【0034】次いで、図3に示すように、溶解炉2の上
方に配置された原料供給装置3から、所定量のアルミニ
ウム12を、るつぼ7内の溶融チタン11a 中に投入する。
このとき、アルミニウム12が微粉であると、るつぼ7の
上部に発生した高周波磁界の磁力のためにアルミニウム
12が飛び散って、その全量をるつぼ7内に投入できない
場合が生ずる。従って、溶融チタン11a 中に投入するア
ルミニウム12は、粒径約30mm以上の粗粒であることが望
ましく、アルミニウム12が微粉の場合には、アルミニウ
ム箔12a によって所定量のアルミニウム粉を包み込み、
粒径約30mm以上の粗粒に形成した上、これを投入するこ
とが望ましい。なお、アルミニウムを投入する際に、ス
ポンジチタンを追装してもよい。
【0035】るつぼ7内において、溶融チタン11a 中に
投入されたアルミニウム12が十分に溶解し、均一な成分
の溶融チタン−アルミニウム合金となった後、図4に示
すように、るつぼ7内の溶融チタン−アルミニウム合金
13を、るつぼ7の下方に配置されたグラファイト製の円
筒状の鋳型4内に鋳込んで、チタン−アルミニウム合金
インゴットを鋳造する。
【0036】このようにして得られたチタン−アルミニ
ウム合金インゴット13a を、図5(a) に示すように、再
びるつぼ7内に装入し、溶解鋳造室1内を排気して、1
torr以下に減圧する。そして、1torr以下の減圧下にお
いて、チタン−アルミニウム合金インゴット13a を再溶
解する。再溶解する際に、図5(b) に示すように、るつ
ぼ7内に、鋳造すべきチタン−アルミニウム合金鋳造物
と同一成分組成のチタン−アルミニウム合金スクラップ
17を装入してもよい。このようにすれば、チタン−アル
ミニウム合金の溶解鋳造時に発生する多量のスクラップ
を再利用することができる。
【0037】このようにして再溶解された溶融チタン−
アルミニウム合金13を、1torr以下の減圧下において、
図6に示すように、るつぼ7の下方に配置された例えば
シェルモールド14に鋳込む。かくして、所定形状のチタ
ン−アルミニウム合金鋳造物が鋳造される。
【0038】
【実施例】次ぎに、この発明を、実施例により説明す
る。その内底面上に、鋳造すべきチタン−アルミニウム
合金鋳造物と同一成分組成のチタン−アルミニウム合金
からなるスカル10が配置された、内容積:3,000cc,出
力:300Kw のインダクションスカル溶解炉2のるつぼ7
内に、下記原料としての低酸素スポンジチタン11および
溶解促進材( チタン−アルミニウム合金固形物)15 を装
入した。 スポンジチタン: チタン含有量:99.9wt.% 酸素含有量 :0.03wt.% 装入量 :3.3Kg 溶解促進材(チタン−アルミニウム合金固形物): チタン含有量:66wt.% アルミニウム含有量:34wt.% 酸素含有量 :0.035 wt.% 装入量 :0.4Kg
【0039】溶解鋳造室1内を、200torr の圧力のアル
ゴンガス雰囲気に保ち、このような圧力のアルゴンガス
雰囲気下に保たれたインダクションスカル溶解炉2のる
つぼ7内においてスポンジチタン11を溶解した。次い
で、溶解炉2の上方に配置された原料供給装置3から、
1.7Kg の量のアルミニウム12を、るつぼ7内の溶融チタ
ン11a 中に投入した。そしてるつぼ7内において、アル
ミニウム12が十分に溶解し、均一な成分の溶融チタン−
アルミニウム合金となった後、るつぼ7内の溶融チタン
−アルミニウム合金13を、るつぼ7の下方に配置された
グラファイト製の円筒状の鋳型4内に鋳込んで、5.0kg
のチタン−アルミニウム合金インゴットを鋳造した。
【0040】鋳造されたインゴットの成分組成は、下記
表1の通りであった。
【0041】次いで、上記5.0Kg のチタン−アルミニウ
ム合金インゴットのうちの3.0 Kgのチタン−アルミニウ
ム合金インゴット13a、および、2.0Kg のチタン−アル
ミニウム合金スクラップ17をるつぼ7内に装入した。そ
して、溶解鋳造室1内を排気して0.1torrに減圧し、こ
のような減圧下において、チタン−アルミニウム合金イ
ンゴット13a を再溶解した。このとき、再溶解時のアル
ミニウムの蒸発ロスを見込み、配合値から計算して約30
Kgのアルミニウムを追加装入した。次いで、再溶解され
た溶融チタン−アルミニウム合金13を、上記減圧下にお
いて、るつぼ7の下方に配置されたシェルモールド14に
鋳込み、所定形状のチタン−アルミニウム合金鋳造物を
鋳造した。
【0042】得られた鋳造物の成分組成は、下記表2の
通りであり、所定のチタンおよびアルミニウムを含有す
る低酸素のチタン−アルミニウム合金鋳造物を鋳造する
ことができた。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の方法によ
れば、例えば、スポンジチタン、チタンスクラップ、ア
ルミニウムおよび必要に応じその他の第3元素等からな
る原料を溶解して、所定量のチタンおよびアルミニウム
を含有する、低酸素の品質の優れたチタン−アルミニウ
ム合金鋳造物を、低コストで鋳造することができる、工
業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法に使用される装置の一例を示す
概略説明図である。
【図2】この発明の方法における、るつぼ内への原料の
装入状態を示す説明図である。
【図3】この発明の方法における、るつぼ内へのアルミ
ニウムの投入状態を示す説明図である。
【図4】この発明の方法における、るつぼ内の溶融チタ
ン−アルミニウム合金の鋳型内への鋳込み状態を示す説
明図である。
【図5】この発明の方法における、るつぼ内へのチタン
−アルミニウム合金インゴットの装入状態を示す説明図
である。
【図6】この発明の方法における、るつぼ内の再溶解さ
れた溶融チタン−アルミニウム合金の鋳型内への鋳込み
状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 溶解鋳造室、 2 インダクションスカル溶解炉、 3 原料供給装置、 4 鋳型、 5 排気孔、 6 ガス供給孔、 7 るつぼ、 8 高周波誘導コイル、 9 導管、 10 スカル、 11 スポンジチタン、 11a 溶融チタン、 12 アルミニウム、 12a アルミニウム箔、 13 溶融チタン−アルミニウム合金、 13a チタン−アルミニウム合金インゴット、 14 シェルモールド、 15 溶解促進材、 16 第3元素、 17 チタン−アルミニウム合金スクラップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−31571(JP,A) 特開 平5−200529(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 21/02 B22D 23/00 C22B 9/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料としての、酸素含有量が350ppm以下
    の低酸素スポンジチタンを、インダクションスカル溶解
    炉内において、10〜760torr の圧力の不活性ガス雰囲気
    下で溶解し、次いで、前記溶解炉内の溶融チタン中に、
    同じく原料としてのアルミニウムを添加して、所定量の
    チタンおよびアルミニウムを含有する溶融チタン−アル
    ミニウム合金を調製し、このようにして調製された前記
    溶融チタン−アルミニウム合金を、前記10〜760torr の
    圧力の不活性ガス雰囲気下において、グラファイト製、
    銅製または水冷銅製の鋳型内に鋳込んで、チタン−アル
    ミニウム合金インゴットを鋳造し、次いで、前記チタン
    −アルミニウム合金インゴットを、1torr以下の減圧下
    で前記溶解炉内において再溶解し、このようにして再溶
    解された溶融チタン−アルミニウム合金を、前記1torr
    以下の減圧下で鋳型内に鋳込み、かくして、チタン−ア
    ルミニウム合金鋳造物を鋳造することを特徴とする、チ
    タン−アルミニウム合金鋳造物の鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記スポンジチタンの溶解時に、前記溶
    解炉内に、予め、溶解促進材として、鋳造すべきチタン
    −アルミニウム合金鋳造物と同一成分組成のチタン−ア
    ルミニウム合金固形物、または、チタン固形物を装入す
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記スポンジチタンの溶解時に、前記溶
    解炉内に、予め、溶解促進材として、前記原料としての
    アルミニウムの一部を装入する、請求項1または2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記スポンジチタンの溶解時における、
    前記溶解炉内の前記不活性ガス雰囲気を、50〜300torr
    の範囲内に保つ、請求項1から3の何れか1つに記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記チタン−アルミニウム合金インゴッ
    トを、前記溶解炉内において再溶解する際に、前記溶解
    炉内に、鋳造すべきチタン−アルミニウム合金鋳造物と
    同一成分組成のチタン−アルミニウム合金スクラップを
    装入する、請求項1から4の何れか1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 チタン−アルミニウム基合金を形成すべ
    き原料としての第3元素を、前記スポンジチタンの溶解
    時に、前記溶解炉内に、前記スポンジチタンと共に、ま
    たは、前記溶解炉内の溶融チタン中に添加する、請求項
    1から5の何れか1つに記載の方法。
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