JP3124507B2 - タンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法 - Google Patents

タンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法

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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質あるい
はペプチドの構造解析法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タンパク質あるいはペプチドのカ
ルボキシ末端(C末端)からのアミノ酸配列を決定する
ためには、図3に示すようにタンパク質あるいはペプチ
ドにカルボキシペプチダーゼを反応させ、反応液を経時
的に1部ずつ採取し、その反応液をアミノ酸分析装置で
分析して遊離されたアミノ酸を定量する方法が用いられ
てきた(日本生化学会編、生化学実験講座第1巻、タン
パク質の化学II、203-211ページ、1976年発行)。ま
た、その反応液を質量分析装置にかけてC末端側のアミ
ノ酸を失ったタンパク質あるいはペプチドの質量を測定
する方法も報告されている(A. Tsugita, R. van den Br
oek, M. Pyzybylski, FEBS. Lett. 137, 19(1982))。さ
らに、化学的な方法の1例として、図4に示すようにC
末端を無水酢酸で活性化し、トリメチルシリルイソチオ
シアネートを結合させ、塩酸で切断するという一連の操
作を繰り返すことを利用した配列分析法も報告されてい
る(D. H. Hawke, H-. W. Lahm , J. E. Shively, C. W.
Todd, Anal. Biochem. 166, 298(1987))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のカルボキシペプ
チダーゼを用いる方法は、酵素の基質特異性や活性がC
末端アミノ酸あるいはそれに隣接するアミノ酸によって
さまざまであること、さらに他のタンパク質分解酵素の
混在があることから求めている以外のペプチド結合の切
断が起き、正確な分析が困難になることがあった。また
この方法では酵素が自己消化性を持つことおよび酵素の
精製が不十分の場合があること、といった理由によって
によってアミノ酸およびペプチドが混入し汚染となるた
め微量分析には適していない。
【0004】また、他の化学的な方法等は十分には実用
化されていない。そこで本発明は、酵素を用いることな
く、タンパク質あるいはペプチドのC末端からのアミノ
酸配列を決定する化学的方法を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
の欠点を克服しC末端からのアミノ酸の配列分析を実行
するために、タンパク質あるいはペプチドに酸無水物を
作用させ、カルボキシ末端をオキサゾロンとする工程を
含むタンパク質またはペプチドのカルボキシ末端アミノ
酸を遊離させる工程と、得られたアミノ酸またはアミノ
酸誘導体を分離し同定する操作と、を組み合わせた手順
を繰り返し実行した。これにより、酵素を用いることな
く、タンパク質あるいはペプチドのC末端からのアミノ
酸配列を決定することが可能になった。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一つの実施手順として、
下記第1工程と第2工程とから構成される操作と、生成
したアミノ酸を分離し同定する操作との組み合わせを繰
り返した。 第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、酸無水物を作用させ、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ末端を保護し、C
末端のアミノ酸残基にオキサゾロンを生成させる。
【0007】第2工程 生成したカルボキシ末端がオキサゾロンとなったタンパ
ク質あるいはペプチドに酸とアルコールを作用させ、カ
ルボキシ末端アミノ酸を遊離させる。当該実施手順にお
ける別の一例として、上記の欠点を克服しC末端からの
アミノ酸の配列分析を実行するために、上記第1工程に
おいて酢酸を添加し、第1工程から第2工程までの各工
程から構成される一連の操作と、生成したアミノ酸を分
離し同定する操作との組み合わせを、繰り返し実施し
た。
【0008】本発明の別の実施手順として、下記第1工
程から第3工程までの各工程から構成される一連の操作
と、生成したアミノ酸を分離し同定する操作との組み合
わせを繰り返した。 第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、酸無水物を作用させ、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ基を保護し、C末
端のアミノ酸残基にオキサゾロンを生成させる。
【0009】第2工程 アルコールを作用させ、第1工程の反応生成物に含まれ
るオキサゾロンに、アルコリシス(エステル化)を生起
させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させる。 第3工程 アミンを作用させ、第2工程の反応生成物に含まれるエ
ステルを加水分解反応する。
【0010】当該実施手順における別の一例として、上
記第1工程において酢酸を添加し、第1工程から第3工
程までの各工程から構成される一連の操作と、生成した
アミノ酸を分離し同定する操作との組み合わせを、繰り
返し実施した。当該実施手順におけるさらに別の一例と
して、アルコールを作用させる第2工程を酸存在下で実
施し、第1工程から第3工程までの各工程から構成され
る一連の操作と、生成したアミノ酸を分離し同定する操
作との組み合わせを、繰り返し実施した。
【0011】本発明のさらに別の実施手順として、下記
第1工程から第5工程から構成される一連の操作と、生
成したアミノ酸、あるいはアミノ酸誘導体を分離し同定
する操作との組み合わせを、繰り返し実施した。 第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、酸無水物を作用させ、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ末端を保護し、C
末端のアミノ酸残基にオキサゾロンあるいは分子内酸無
水物(アスパラギン酸の場合)を生成させる。
【0012】第2工程 酸存在下でアルコールを作用させ、第1工程の反応生成
物に含まれるオキサゾロンに、アルコリシス(エステル
化)を生起させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させる
か、あるいは、分子内酸無水物をアルコリシスにより開
環させる。 第3工程 酸無水物を作用させ、第2工程の反応生成物に含まれ
る、C末端がエステル化されていないタンパク質あるい
はペプチドのC末端のアミノ酸残基にオキサゾロンを生
成させる。
【0013】第4工程 酸存在下でアルコールで作用させ、第3工程の反応生成
物に含まれるオキサゾロンに、アルコリシス(エステル
化)を生起させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させ
る。 第5工程 アミンを作用させ、第4工程の反応生成物に含まれるエ
ステルを加水分解反応する。
【0014】当該実施手順における別の一例として、上
記第1工程における酸無水物に代えて、ハロゲン化蟻酸
のエステルを用い、第1工程から第5工程から構成され
る一連の操作と、生成したアミノ酸、あるいはアミノ酸
誘導体を分離し同定する操作との組み合わせを、繰り返
し実施した。
【0015】当該実施手順におけるさらに別の一例とし
て、アルコールを作用させる第2工程および第4工程を
酸存在下で実施し、第1工程から第5工程までの各工程
から構成される一連の操作と、生成したアミノ酸、ある
いはアミノ酸誘導体を分離し同定する操作との組み合わ
せを、繰り返し実施した。
【0016】以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。 (実施例1)図1は本発明を示す工程図の一例である。 第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、一般式、CH3−(C
2)m−CO−O−CO−(CH2)n−CH3(m、n
は0以上の整数)で表される有機酸の無水物、を作用さ
せる。ここで、アミノ基が修飾されC末端アミノ酸がオ
キサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドが得ら
れる。
【0017】第2工程 次に、このアミノ基が修飾されC末端アミノ酸がオキサ
ゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドに酸とアル
コールを作用させる。ここで、アミノ基が修飾されC末
端のアミノ酸を1残基失ったタンパク質あるいはペプチ
ドと元のC末端アミノ酸との混合物が得られる。
【0018】ここで得られたアミノ酸を分離し同定する
ことによって、タンパク質あるいはペプチドのC末端の
アミノ酸を決定することが出来る。以下、アミノ基が修
飾されC末端のアミノ酸を1残基失ったタンパク質ある
いはペプチドに、第1工程および第2工程の操作と、得
られたアミノ酸を分離し同定する操作とを、繰り返し実
施することによって、タンパク質あるいはペプチドのC
末端からのアミノ酸配列を決定することができる。
【0019】(実施例2)ここでは本発明の、タンパク
質あるいはペプチドに、第1工程および第2工程の操作
と、第2工程を実施した後生成した混合物からアミノ酸
を分離し同定する操作とを、繰り返し実施することによ
ってタンパク質あるいはペプチドのC末端からのアミノ
酸配列を決定する操作手順の一例を示す。
【0020】図2は本発明の実験手順を示す反応式の一
例である。 第1工程 試料に、無水酢酸を作用させる。反応条件は下記の通り
である。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸
を1%になるように加えたもの。) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 この反応後減圧乾固し、用いた試薬と溶媒とを除去す
る。
【0021】第2工程 得られた試料に、ペンタフルオロプロピオン酸(PFP
A)とメタノールを作用させる。反応条件は下記の通り
である。 反応条件 PFPA濃度 50%(メタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 この条件下においては、PFPAとメタノールとが反応
して、エステルであるペンタフルオロプロピオン酸メチ
ルが生成する。さらに、減圧乾固し、用いた試薬と溶媒
とを除去する。
【0022】第2工程を実施後、得られた試料からアミ
ノ酸を分離し、そのアミノ酸を同定する。
【0023】以下、アミノ基が修飾されC末端のアミノ
酸を1残基失ったタンパク質あるいはペプチドに、第1
工程および第2工程の手順と、第2工程を実施して得ら
れたアミノ酸を分離し同定する操作との組み合わせを、
繰り返し実施することによって、タンパク質あるいはペ
プチドのC末端からのアミノ酸配列を決定することがで
きる。
【0024】(実施例3)ここでは本発明を説明するた
めに用いたHPLC分析の条件と、HPLCによる標準
化合物の分析結果を示す。HPLC分析の条件は下記の
通りである。
【0025】
【表1】
【0026】本条件を用いて分析した標準化合物は下記
の通りである。分析結果をそれぞれ下記の番号の図に示
した。図5にアラニルトリプトファン(Ala−Tr
p)を示す。図6にN−アセチルアラニルトリプトファ
ン(Ac―Ala−Trp)を示す。図7にN−アセチ
ルアラニルトリプトファニルメチオニルアルギニルフェ
ニルアラニン(Ac−Ala−Trp− Met−Ar
g−Phe)を示す。図8にN−アセチルアラニルトリ
プトファニルメチオニルアルギニルフェニルアラニルア
ラニン(Ac−Ala−Trp−Met−Arg−Ph
e−Ala)を示す。
【0027】図7において、 N−アセチルアラニルト
リプトファニルメチオニルアルギニルフェニルアラニン
のピークが2個観察されている。これらは互いに異性体
である。
【0028】(実施例4)ここでは第1工程の操作にお
ける条件下での、オキサゾロンの生成を示す。試料とし
て、アラニルトリプトファン(Ala−Trp)、を用
いた。オキサゾロンは水の作用によって容易に開裂する
反応を利用した。検出には高速液体クロマトグラフ(H
PLC)分析を用いた。第1工程の手順に従って得られ
た試料に水を作用させて得た反応生成物をHPLCで分
析した結果を第9図に示す。HPLC分析の条件は実施
例3に示した通りである。
【0029】HPLC分析のための試料調製手順は下記
の通りである。 試料を減圧乾固する。 0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解する。 図7との比較からわかるように、 図9においてN−ア
セチルアラニルトリプトファン(Ac―Ala−Tr
p)6、が検出されており、第1工程においてオキサゾ
ロンが生成したことがわかる。ここで、試料として用い
たアラニルトリプトファンは検出されなかった。
【0030】(実施例5)ここでは第2工程の操作にお
ける条件下での、オキサゾロン環の開裂を示す。試料と
して、 N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオ
ニルアルギニルフェニルアラニルアラニン(Ac−Al
a−Trp−Met−Arg−Phe−Ala)を用い
た。検出には、実施例4と同条件のHPLC分析を用い
た。HPLC分析のための試料調製手順は実施例4に記
した通りである。
【0031】実施例2に示した第2工程の操作を行って
得られた反応生成物を分析した結果を図10に示す。図
7との比較からわかるように、図10において 、試料
として用いたN−アセチルアラニルトリプトファニルメ
チオニルアルギニルフェニルアラニルアラニン(Ac−
Ala−Trp−Met−Arg−Phe−Ala)の
C末端アミノ酸であったアラニンを失った生成物、N−
アセチルアラニルトリプトファニルメチオニルアルギニ
ルフェニルアラニン(Ac−Ala−Trp−Met−
Arg−Phe)、符号7および符号8、が検出されて
いる。これによって、第2工程の操作における条件下で
オキサゾロン環の開裂が起き、C末端アミノ酸が遊離
し、C末端アミノ酸を失ったペプチド(アミノ末端がア
セチル化されたもの)が生成したことがわかる。このC
末端アミノ酸を同定することによって、ペプチドのC末
端が決定される。
【0032】以降、このC末端アミノ酸を失ったペプチ
ド(アミノ末端がアセチル化されたもの)に上記第1工
程と第2工程とから構成される操作と、生成したアミノ
酸を分離し同定する操作との組み合わせを、繰り返し実
施することによって、用いたタンパク質あるいはペプチ
ドのC末端からのアミノ酸配列を決定することができ
る。
【0033】以上実施例1から実施例5において述べて
きた結果をまとめると次のようになる。本発明において
は、C末端からのアミノ酸の配列分析を実行するため
に、下記第1工程と第2工程とから構成される操作と、
生成したアミノ酸を分離し同定する操作との組み合わせ
を、繰り返し実施した。
【0034】第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、酸無水物を作用させ、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ末端を保護し、C
末端のアミノ酸残基にオキサゾロンを生成させる。 第2工程 生成したカルボキシ末端がオキサゾロンとなったタンパ
ク質あるいはペプチドに酸とアルコールを作用させ、カ
ルボキシ末端アミノ酸を遊離させる。
【0035】以下、本発明における別の実施手順を詳細
に説明する。 (実施例6)図11は本発明を示す工程図の一例であ
る。 第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、一般式、CH3−(C
2)m−CO−O−CO−(CH2)n−CH3(m、n
は0以上の整数)で表される有機酸の無水物、を作用さ
せる。ここで、アミノ基が修飾されC末端アミノ酸がオ
キサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドが得ら
れる。
【0036】第2工程 次に、このアミノ基が修飾されC末端アミノ酸がオキサ
ゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドに、アルコ
ールを酸存在下で作用させる。ここで、アミノ基が修飾
されC末端のアミノ酸を失い新たに出現したC末端のア
ミノ酸のカルボキシル基がエステルとなったタンパク質
あるいはペプチドと元のC末端アミノ酸との混合物が得
られる。
【0037】第3工程 さらに、ここでアミノ基が修飾されC末端のアミノ酸を
失い新たに出現したC末端のアミノ酸のカルボキシル基
がエステルとなったタンパク質あるいはペプチドとアミ
ノ酸との混合物に、例えば、一般式、NR1R2R3、で
表されるアミンの水溶液を作用させる。ここで、アミノ
基が修飾されC末端のアミノ酸を失ったタンパク質ある
いはペプチドとアミノ酸との混合物が得られる。
【0038】上記第1工程から第3工程において得られ
たアミノ酸を分離し同定することによって、タンパク質
あるいはペプチドのC末端のアミノ酸を決定することが
出来る。以下、アミノ基が修飾されC末端のアミノ酸を
失ったタンパク質あるいはペプチドに、第1工程から第
3工程の一連の操作と、得られたアミノ酸を分離し同定
する操作とを、繰り返し実施することによって、タンパ
ク質あるいはペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決
定することができる。
【0039】(実施例7)ここでは本発明の、タンパク
質あるいはペプチドに、第1工程から第3工程の一連の
操作と、第2工程を実施した後生成した混合物からアミ
ノ酸を分離し同定する操作とを、繰り返し実施すること
によってタンパク質あるいはペプチドのC末端からのア
ミノ酸配列を決定する操作手順の一例を示す。
【0040】図12は本発明の実験手順を示す反応式の
一例である。 第1工程 試料に、無水酢酸を作用させる。反応条件の一例は下記
の通りである。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸を
1%になるように加えたもの。) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 この反応後減圧乾固し、用いた試薬と溶媒とを除去す
る。
【0041】第2工程 こうして得られた試料に、ペンタフルオロプロピオン酸
(CF3−CF2−COOH:以降PFPAと略称す
る。)存在下でメタノールを作用させる。反応条件の一
例は下記の通りである。 反応条件 PFPA濃度 10%(メタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 この反応後減圧乾固し、用いた試薬と溶媒とを除去す
る。
【0042】第3工程 こうして得られた試料に、2−ジメチルアミノエタノー
ル(以降DMAEと略称する。)を作用させる。反応条
件は下記の通りである。 反応条件 DMAE濃度 10%(水溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 この一連の操作において、第2工程を実施後、得られた
試料からアミノ酸を分離し、そのアミノ酸を同定する。
【0043】以下、アミノ基が修飾されC末端のアミノ
酸を失ったタンパク質あるいはペプチドに、第1工程か
ら第3工程の一連の手順と、第2工程を実施して得られ
たアミノ酸を分離し同定する操作との組み合わせを、繰
り返し実施することによって、タンパク質あるいはペプ
チドのC末端からのアミノ酸配列を決定することができ
る。
【0044】(実施例8)ここでは本発明の、タンパク
質あるいはペプチドに、第1工程から第3工程の一連の
操作と、第3工程を実施した後生成した混合物からアミ
ノ酸を分離し同定する操作との組み合わせを、繰り返し
実施することによってタンパク質あるいはペプチドのC
末端からのアミノ酸配列を決定する操作手順の一例を示
す。
【0045】第1工程から第3工程までの一連の操作手
順は実施例7に記述したものと同一である。この一連の
操作において、第3工程を実施後、得られた試料からア
ミノ酸を分離し、そのアミノ酸を同定する。以下、アミ
ノ基が修飾されC末端のアミノ酸を失ったタンパク質あ
るいはペプチドに、第1工程から第3工程の一連の手順
と、第3工程を実施して得られたアミノ酸を分離し同定
する操作とを、繰り返し実施することによって、タンパ
ク質あるいはペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決
定することができる。
【0046】(実施例9)ここでは本発明を説明するた
めに用いたHPLC分析の条件と、HPLCによる標準
化合物の分析結果を示す。HPLC分析の条件は下記の
通りである。
【0047】
【表2】
【0048】本条件を用いて分析した標準化合物は下記
の通りである。分析結果をそれぞれ下記の番号の図に示
した。図13にトリプトファン(Trp)を示す。図1
4にアラニルトリプトファン(Ala−Trp)を示
す。図15にN−アセチルアラニルトリプトファン(A
c―Ala−Trp)を示す。図16にN−アセチルア
ラニルトリプトファンのエチルエステル(Ac―Ala
−Trp−OEt)を示す。
【0049】(実施例10)ここでは第1工程の操作に
おける条件下での、オキサゾロンの生成を示す。試料と
して、アラニルトリプトファン(Ala−Trp)、を
用いた。 オキサゾロンは水の作用によって容易に開裂
する反応を利用した。検出には高速液体クロマトグラフ
(HPLC)分析を用いた。第1工程の手順に従って得
られた試料に水を作用させて得た反応生成物をHPLC
で分析した結果を第9図に示す。HPLC分析の条件は
実施例9に示した通りである。
【0050】HPLC分析のための試料調製手順は下記
の通りである。 試料を減圧乾固する。 0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解する。 図15との比較からわかるように、 図17においてN
−アセチルアラニルトリプトファン(Ac―Ala−T
rp)、符号13、が検出されており、第1工程におい
てオキサゾロンが生成したことがわかる。ここで、試料
として用いたアラニルトリプトファンは検出されなかっ
た。
【0051】(実施例11)ここでは第2工程の操作に
おける条件下での、オキサゾロン環の開裂を示す。試料
として、実施例10と同様に、アラニルトリプトファン
を用いた。検出には、実施例9と同条件のHPLC分析
を用いた。HPLC分析のための試料調製手順は実施例
5に記した通りである。
【0052】実施例7に示した第1工程と第2工程の操
作を行って得られた反応生成物を分析した結果を第10
図に示す。図13との比較からわかるように、図18に
おいてトリプトファン、符号14、が検出されており、
第2工程の操作における条件下でオキサゾロン環の開裂
が起きカルボキシ末端アミノ酸が遊離したことがわか
る。
【0053】(実施例12)実施例11において、オキ
サゾロンにPFPAのアルコール溶液を作用させカルボ
キシ末端アミノ酸を遊離させた。このアルコールの作用
(アルコリシス)は、アミノ酸を遊離すると同時に新た
に生じるC末端アミノ酸のカルボキシル基をエステル化
する。C末端からのアミノ酸配列分析を引き続き実行す
るためには、このエステルを加水分解してカルボキシル
基を得る必要がある。
【0054】ここでは第3工程の操作における条件下で
の、エステルの加水分解を示す。試料として、 N−ア
セチルアラニルトリプトファンのエチルエステル(Ac
―Ala−Trp−OEt)を用いた。検出には、実施
例9と同条件のHPLC分析を用いた。HPLC分析の
ための試料調製手順は実施例5に記した通りである。
【0055】実施例7に示した第3工程の操作を行って
得られた反応生成物を分析した結果を第11図に示す。
図15との比較からわかるように、 図19においてN
−アセチルアラニルトリプトファン(Ac―Ala−T
rp)、符号15、が検出されており、実施例7に示し
た第3工程の操作における条件下で、アミン水溶液の作
用によってエステルが加水分解されたことがわかる。
【0056】(実施例13)これ以降の実施例において
は、質量分析を用いて本発明を説明する。本実施例にお
いては質量分析の条件、および試料の調製手順を示す。 質量分析の条件 分析装置 :二重収束質量分析計 HX−110(日本電子) 測定条件 :加速電圧 10kV 分解能 1,000 イオン源 FAB (高速粒子衝撃法) イオン化ガス Xe イオンモード 陽イオン FABガン加速電圧 6kV 検出器 MULTIPLIER 付加電圧 −20kV データ処理システム DA5000 マトリックス グリセロール:チオグリセロール:m−ニトロベンジル アルコール (GLYCEROL:THIOGLYCEROL :m−NITROBENZYLALCOHOL) =1:1:1
【0057】試料調製手順: 試料を減圧乾固する。 67%酢酸水溶液(あるいはジメチルホルムアミド)
に溶解する。 ターゲット上にマトリックスを1μlのせる。 さらにターゲット上に試料溶液を1μlのせ、混和す
る。
【0058】イオン源に導入する。
【0059】(実施例14)ここでは質量分析を用い
て、第1工程におけるオキサゾロンを生成させる際の反
応条件を検討した例を示す。試料として、配列番号1の
ペンタペプチド、ロイシル−トリプトファニル−メチオ
ニル−アルギニル−フェニルアラニン(Leu−Trp
−Met−Arg−Phe )を用いた。本実施例にお
いては、第1工程に引き続き第2工程を実施する手順と
した。
【0060】第1工程における反応条件は実施例と同じ
く下記の通りである。 反応条件 無水酢酸濃度:20%(アセトニトリル溶液、酢酸を1
%になるように加えたもの。) 反応温度: 60℃ 反応時間: 30分間 第2工程の反応条件は下記の通りとした。用いる酸を、
ヘプタフルオロ酪酸(CF3−CF2−CF2−COO
H:以降HFBAと略称する。)とし、用いるアルコー
ルをエタノールとした。
【0061】反応条件 HFBA濃度: 5%(エタノール溶液) 反応温度: 60℃ 反応時間: 30分間 得られた試料の質量分析を行った結果を第20図に示
す。 ここで、アミノ末端がアセチル化されC末端アミ
ノ酸を失いC末端のカルボキシル基がエチルエステルと
なった反応生成物(アセチル−ロイシル−トリプトファ
ニル−メチオニル−アルギニンのエチルエステル、分子
量675:以降Ac−LWMR−OEtと略称する。)
の分子イオンが検出されており(符号16)、第1工程
においてオキサゾロンが生成し、さらに第2工程におい
てC末端アミノ酸が遊離されたことがわかる。
【0062】(実施例15)次に、第1工程における反
応条件をさらに変化させた例を示す。試料として、実施
例14と同様に配列番号1のペンタペプチドを用いた。
実施手順は実施例14と同様である。第1工程における
反応条件を下記の通りとした。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸
を加えないもの。) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第2工程の反応条件は実施例13と同様である。
【0063】得られた試料の質量分析を行った結果を第
21図に示す。この条件下においても、Ac−LWMR
−OEtの分子イオンが検出されており(符号17)、
第1工程においてオキサゾロンが生成したことがわか
る。同時に分子量718、および分子量761の分子イ
オン(それぞれ符号18および19)が検出されてお
り、アミノ末端がアセチル化されC末端アミノ酸を失い
C末端のカルボキシル基がエチルエステルとなった反応
生成物のアセチル化がさらに進行した化学種も生成した
ことがわかる。
【0064】(実施例16)次に、第1工程における反
応条件をさらに変化させた例を示す。試料として、実施
例9と同様に配列番号1のペンタペプチドを用いた。実
施手順は実施例14と同様である。第1工程における反
応条件を下記の通りとした。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸を2
%となるように加えたもの。) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第2工程の反応条件は実施例14と同様である。
【0065】得られた試料の質量分析を行った結果を第
22図に示す。 この条件下においても、Ac−LWM
R−OEtの分子イオンが検出されており(符号2
0)、第1工程においてオキサゾロンが生成したことが
わかる。
【0066】(実施例17)次に、第1工程における反
応条件をさらに変化させた例を示す。試料として、実施
例9と同様に配列番号1のペンタペプチドを用いた。実
施手順は実施例14と同様である。第1工程における反
応条件を下記の通りとした。
【0067】反応条件 無水酢酸濃度 5%(アセトニトリル溶液、酢酸を
1%になるように加えもの) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第2工程の反応条件は実施例14と同様である。
【0068】得られた試料の質量分析を行った結果を第
23図に示す。 この条件下においても、Ac−LWM
R−OEtの分子イオンが検出されており(符号2
1)、第1工程においてオキサゾロンが生成したことが
わかる。 (実施例18)さらに、第2工程におけるC末端アミノ
酸を遊離させる際の反応条件を検討した例を示す。試料
として、配列番号1のペンタペプチドを用いた。以降の
実施例においても、第1工程に引き続き第2工程を実施
する手順とした。第1工程における反応条件は実施例1
4と同じく下記の通りである。
【0069】反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸を
1%になるように加えたもの。) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第2工程の反応条件を下記のように変化させた。
【0070】反応条件 HFBA濃度 2%(エタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 得られた試料の質量分析を行った結果を第34図に示
す。ここで、Ac−LWMR−OEtの分子イオンが検
出されており(符号22)、第1工程においてオキサゾ
ロンが生成し、さらに第2工程においてC末端アミノ酸
が遊離されたことがわかる。
【0071】(実施例19)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 HFBA濃度 5%(エタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 10分間 第1工程における反応条件は実施例9と同じである。
【0072】得られた試料の質量分析を行った結果を第
25図に示す。ここで用いた条件下においても、Ac−
LWMR−OEtの分子イオンが検出されており(符号
23)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さら
に第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたことが
わかる。 (実施例20)さらに第2工程の反応条件を下記のよう
に変化させた。
【0073】反応条件 HFBA濃度 5%(エタノール溶液) 反応温度 室温 反応時間 30分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0074】得られた試料の質量分析を行った結果を第
26図に示す。 ここで用いた条件下においても、Ac
−LWMR−OEtの分子イオンが検出されており(符
号24)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さ
らに第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたこと
がわかる。
【0075】(実施例21)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 HFBA濃度 5%(エタノール溶液) 反応温度 5℃ 反応時間 30分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0076】得られた試料の質量分析を行った結果を第
27図に示す。ここで用いた条件下においても、Ac−
LWMR−OEtの分子イオンが検出されており(符号
25)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さら
に第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたことが
わかる。
【0077】(実施例22)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 HFBA濃度 5%(エタノール溶液) 反応温度 100℃ 反応時間 15分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0078】得られた試料の質量分析を行った結果を第
28図に示す。ここで用いた条件下においても、Ac−
LWMR−OEtの分子イオンが検出されており(符号
26)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さら
に第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたことが
わかる。
【0079】(実施例23)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0080】得られた試料の質量分析を行った結果を第
29図に示す。ここで用いた条件下において、アミノ末
端がアセチル化され、C末端アミノ酸を失い、C末端の
カルボキシル基がエチルエステルとなった反応生成物
( アセチル−ロイシル−トリプトファニル−メチオニ
ル−アルギニンのメチルエステル、分子量 661:以
降Ac−LWMR−OMeと略称する。)の分子イオン
が検出されており(符号27)、第1工程においてオキ
サゾロンが生成し、さらに第2工程においてC末端アミ
ノ酸が遊離されたことがわかる。
【0081】(実施例24)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 5℃ 反応時間 30分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0082】得られた試料の質量分析を行った結果を第
30図に示す。 ここで用いた条件下においても、 Ac
−LWMR−OMeの分子イオンが検出されており(符
号28)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さ
らに第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたこと
がわかる。
【0083】(実施例25)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 PFPA濃度 5%(エタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0084】得られた試料の質量分析を行った結果を第
31図に示す。ここで用いた条件下において、Ac−L
WMR−OEtの分子イオンが検出されており(符号2
9)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さらに
第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたことがわ
かる。
【0085】(実施例26)さらに第2工程の反応条件
を下記のように変化させた。 反応条件 PFPA濃度 20%(エタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 第1工程における反応条件は実施例14と同じである。
【0086】得られた試料の質量分析を行った結果を第
32図に示す。 ここで用いた条件下においても、 A
c−LWMR−OEtの分子イオンが検出されており
(符号30)、第1工程においてオキサゾロンが生成
し、さらに第2工程においてC末端アミノ酸が遊離され
たことがわかる。
【0087】(実施例27)次に、第1工程における反
応条件を下記の通りとした。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸を
1%になるように加えたもの。) 反応温度 60℃ 反応時間 10分間 第2工程における反応条件を下記の通りとした。
【0088】反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 室温 反応時間 30分間 得られた試料の質量分析を行った結果を第33図に示
す。
【0089】この条件下においても、Ac−LWMR−
OMeの分子イオンが検出されており(符号31)、第
1工程においてオキサゾロンが生成したことがわかる。
【0090】(実施例28)次に、第1工程における反
応条件を下記の通りとした。 反応条件 無水酢酸濃度 20% (アセトニトリル溶液、酢酸
を1%になるように加えたもの。) 反応温度 90℃ 反応時間 10分間 第2工程における反応条件を下記の通りとした。
【0091】反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 室温 反応時間 30分間 得られた試料の質量分析を行った結果を第34図に示
す。
【0092】ここで用いた条件下においても、 Ac−
LWMR−OMeの分子イオンが検出されており(符号
32)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さら
に第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたことが
わかる。
【0093】(実施例29)次に、第1工程における反
応条件を下記の通りとした。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液、酢酸を
1%になるように加えたもの。) 反応温度 室温 反応時間 30分間 第2工程の反応条件を下記のように変化させた。
【0094】反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 30分間 得られた試料の質量分析を行った結果を第35図に示
す。
【0095】ここで用いた条件下においても、 Ac−
LWMR−OMeの分子イオンが検出されており(符号
33)、第1工程においてオキサゾロンが生成し、さら
に第2工程においてC末端アミノ酸が遊離されたことが
わかる。
【0096】以上実施例6から実施例29において述べ
てきた結果をまとめると次のようになる。本発明におい
ては、C末端からのアミノ酸の配列分析を実行するため
に、下記第1工程から第3工程までの各工程から構成さ
れる一連の操作と、生成したアミノ酸を分離し同定する
操作との組み合わせを、繰り返し実施した。
【0097】第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、酸無水物を作用させ、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ基を保護し、C末
端のアミノ酸残基にオキサゾロンを生成させる。 第2工程 酸存在下でアルコールを作用させ、第1工程の反応生成
物に含まれるオキサゾロンに、アルコリシス(エステル
化)を生起させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させ
る。
【0098】第3工程 アミンを作用させ、第2工程の反応生成物に含まれるエ
ステルを加水分解する。
【0099】以下本発明における別の実施手順を詳細に
説明する。 (実施例30)図36は本発明を示す工程図の一例であ
る。 第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、一般式、CH3−(C
H2)m−CO−O−CO−(CH2)n−CH3
(m、nは0以上の整数)で表される有機酸の無水物、
を作用させる。ここで、アミノ基が修飾されC末端アミ
ノ酸がオキサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチ
ドが得られる。この際、C末端のアミノ酸がアスパラギ
ン酸である場合、アミノ基がアシル化されC末端のアス
パラギン酸が分子内酸無水物となったタンパク質あるい
はペプチドが得られる。
【0100】第2工程 次に、このアミノ基が修飾されC末端アミノ酸がオキサ
ゾロンとなったタンパク質あるいはペプチド、あるいは
アミノ基がアシル化されC末端のアスパラギン酸が分子
内酸無水物となったタンパク質あるいはペプチドに、ア
ルコールを酸存在下で作用させる。ここで、アミノ基が
アシル化されC末端のアミノ酸を失い新たに出現したC
末端のアミノ酸のカルボキシル基がエステルとなったタ
ンパク質あるいはペプチドと元のC末端アミノ酸との混
合物が得られる。この際、アミノ基がアシル化されC末
端のアスパラギン酸が分子内酸無水物となったタンパク
質あるいはペプチドは、アミノ基がアシル化されC末端
のアスパラギン酸のβ−カルボキシル基がエステルとな
ったタンパク質あるいはペプチドとなる。
【0101】第3工程 さらに、このアミノ基がアシル化されC末端のアミノ酸
を失い新たに出現したC末端のアミノ酸のカルボキシル
基がエステルとなったタンパク質あるいはペプチドと元
のC末端アミノ酸との混合物、あるいはアミノ基がアシ
ル化されC末端のアスパラギン酸のβ−カルボキシル基
がエステルとなったタンパク質あるいはペプチドに、一
般式、CH3−(CH2)m−CO−O−CO−(CH
2)n−CH3(m、nは0以上の整数)で表される有
機酸の無水物、を作用させる。ここで、アミノ基が修飾
されC末端のアミノ酸を失い新たに出現したC末端のア
ミノ酸のカルボキシル基がエステルとなったタンパク質
あるいはペプチドはなんら作用を受けない。元のC末端
アミノ酸はアシル化されたアミノ酸誘導体となる。一
方、アミノ基がアシル化されC末端のアスパラギン酸の
β−カルボキシル基がエステルとなったタンパク質ある
いはペプチドは、アミノ基がアシル化されC末端のアス
パラギン酸のα−カルボキシル基がオキサゾロンとなり
β−カルボキシル基がエステルとなったタンパク質ある
いはペプチドとなる。
【0102】第4工程 さらに、このアミノ基がアシル化されC末端のアミノ酸
を失い新たに出現したC末端のアミノ酸のカルボキシル
基がエステルとなったタンパク質あるいはペプチドとア
ミノ酸誘導体との混合物、あるいはアミノ基がアシル化
されC末端のアスパラギン酸のα−カルボキシル基がオ
キサゾロンとなりβ−カルボキシル基がエステルとなっ
たタンパク質あるいはペプチドに、アルコールを酸存在
下で作用させる。ここで、アミノ基が修飾されC末端の
アミノ酸を失い新たに出現したC末端のアミノ酸のカル
ボキシル基がエステルとなったタンパク質あるいはペプ
チドとアミノ酸誘導体はなんら作用を受けない。一方、
アミノ基が修飾されC末端のアスパラギン酸のα−カル
ボキシル基がオキサゾロンとなりβ−カルボキシル基が
エステルとなったタンパク質あるいはペプチドは、アミ
ノ基が修飾されC末端のアミノ酸を失い新たに出現した
C末端のアミノ酸のカルボキシル基がエステルとなった
タンパク質あるいはペプチドと、β−カルボキシル基が
エステルとなったアスパラギン酸との混合物となる。
【0103】第5工程 さらに、ここでアミノ基が修飾されC末端のアミノ酸を
失い新たに出現したC末端のアミノ酸のカルボキシル基
がエステルとなったタンパク質あるいはペプチドとアミ
ノ酸誘導体との混合物、あるいはアミノ基が修飾されC
末端のアミノ酸を失い新たに出現したC末端のアミノ酸
のカルボキシル基がエステルとなったタンパク質あるい
はペプチドとβ−カルボキシル基がエステルとなったア
スパラギン酸との混合物に、例えば、一般式、NR1R
2R3 で表されるアミンを作用させる。 ここで、ア
ミノ基が修飾されC末端のアミノ酸を失ったタンパク質
あるいはペプチドとアミノ酸誘導体との混合物、あるい
はアミノ基が修飾されC末端のアミノ酸を失ったタンパ
ク質あるいはペプチドとアスパラギン酸との混合物が得
られる。このアスパラギン酸は、元のC末端アミノ酸で
ある。
【0104】上記第1工程から第5工程において得られ
たアミノ酸あるいはアミノ酸誘導体を分離し同定するこ
とによって、タンパク質あるいはペプチドのC末端のア
ミノ酸を決定することが出来る。以下、アミノ基が修飾
されC末端のアミノ酸を失ったタンパク質あるいはペプ
チドに、第1工程から第5工程の一連の操作と、得られ
たアミノ酸あるいはアミノ酸誘導体を分離し同定する操
作とを、繰り返し実施することによって、タンパク質あ
るいはペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決定する
ことができる。
【0105】(実施例31)ここでは本発明の、タンパ
ク質あるいはペプチドに、第1工程から第5工程の一連
の操作と、第2工程を実施した後生成した混合物からア
ミノ酸を分離し同定する操作と、第5工程を実施した後
生成した混合物からアミノ酸を分離し同定する操作と
を、繰り返し実施することによってタンパク質あるいは
ペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決定する操作手
順の一例を示す。図37は本発明の実験手順を示す反応
式の一例である。図38は本発明の実験方法を示す図で
ある。
【0106】第1工程 試料に、無水酢酸を作用させる。まずタンパク質あるい
はペプチド試料を含む試料溶液を小型の試験管34に入
れた後乾燥させる。ここで、試験管35に反応試薬の溶
液36(ここでは無水酢酸のアセトニトリル溶液)を入
れておく。この試験管に先ほどの試料37を入れた小型
の試験管34を入れる。この試験管35内を真空ポンプ
で減圧下に封管し反応を進行させる。
【0107】反応条件は下記の通りである。 反応条件 無水酢酸濃度 20%(アセトニトリル溶液) 反応温度 60℃ 反応時間 10分間 この反応後、この試験管35の上部を開管し、小型の試
験管34を取り出す。さらに、減圧乾固し、用いた試薬
と溶媒とを除去する。
【0108】第2工程 こうして得られた試料に、ヘプタフルオロ酪酸(HFB
A)存在下でメタノールを作用させる。実験の手順と実
験系の構成は第1工程に準じたものである。反応条件は
下記の通りである。 反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 25℃ 反応時間 30分間 この反応後、この試験管の上部を開管し、小型の試験管
内を取り出す。さらに、減圧乾固し、用いた試薬と溶媒
とを除去する。
【0109】第3工程 こうして得られた試料に、無水酢酸を作用させる。実験
の手順と実験系の構成は第1工程と同一である。 第4工程 こうして得られた試料に、ヘプタフルオロ酪酸(HFB
A)存在下でメタノールを作用させる。実験の手順と実
験系の構成は第2工程と同一である。
【0110】第5工程 こうして得られた試料に、2−ジメチルアミノエタノー
ル(DMAE)を作用させる。実験の手順と実験系の構
成は第1工程に準じたものである。試験管に入れる溶液
は、DMAEの水溶液である。
【0111】反応条件は下記の通りである。 反応条件 DMAE濃度 50%(水溶液) 反応温度 50℃ 反応時間 30分間 この一連の操作において、第2工程を実施後、得られた
試料からアミノ酸を分離し、そのアミノ酸を同定する。
さらに、第5工程実施後に、得られた試料からアミノ酸
を分離し、そのアミノ酸を同定する。
【0112】以下、アミノ基が修飾されC末端のアミノ
酸を失ったタンパク質あるいはペプチドに、第1工程か
ら第5工程の一連の手順と、第2工程を実施して得られ
たアミノ酸を分離し同定する操作と、第5工程を実施し
て得られたアミノ酸を分離し同定する操作と、残存する
アミノ酸およびアミノ酸誘導体を除去する操作とを、繰
り返し実施することによって、タンパク質あるいはペプ
チドのC末端からのアミノ酸配列を決定することができ
る。
【0113】(実施例32)ここでは本発明の、タンパ
ク質あるいはペプチドに、第1工程から第5工程の一連
の操作と、第2工程を実施した後生成した混合物からア
ミノ酸を分離し同定する操作とを、繰り返し実施するこ
とによってタンパク質あるいはペプチドのC末端からの
アミノ酸配列を決定する操作手順の一例を示す。
【0114】第1工程から第5工程までの一連の操作手
順は実施例31に記述したものと同一である。この一連
の操作において、第2工程を実施後、得られた試料から
アミノ酸を分離し、そのアミノ酸を同定する。さらに、
第5工程実施後に、残存するアミノ酸およびアミノ酸誘
導体を除去する。以下、アミノ基が修飾されC末端のア
ミノ酸を失ったタンパク質あるいはペプチドに、第1工
程から第5工程の一連の手順と、第2工程を実施して得
られたアミノ酸を分離し同定する操作と、残存するアミ
ノ酸およびアミノ酸誘導体を除去する操作とを、繰り返
し実施することによって、タンパク質あるいはペプチド
のC末端からのアミノ酸配列を決定することができる。
【0115】(実施例33)ここでは本発明の、タンパ
ク質あるいはペプチドに、第1工程から第5工程の一連
の操作と、第3工程を実施した後生成した混合物からア
ミノ酸誘導体を分離し同定する操作とを、繰り返し実施
することによってタンパク質あるいはペプチドのC末端
からのアミノ酸配列を決定する操作手順の一例を示す。
【0116】第1工程から第5工程までの一連の操作手
順は実施例31に記述したものと同一である。この一連
の操作において、第3工程を実施後、得られた試料から
アミノ酸誘導体を分離し、そのアミノ酸誘導体を同定す
る。さらに、第5工程実施後に、残存するアミノ酸およ
びアミノ酸誘導体を除去する。以下、アミノ基が修飾さ
れC末端のアミノ酸を失ったタンパク質あるいはペプチ
ドに、第1工程から第5工程の一連の手順と、第3工程
を実施して得られたアミノ酸誘導体を分離し同定する操
作と、残存するアミノ酸およびアミノ酸誘導体を除去す
る操作とを、繰り返し実施することによって、タンパク
質あるいはペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決定
することができる。
【0117】(実施例34)ここでは本発明の、タンパ
ク質あるいはペプチドに、第1工程から第5工程の一連
の操作と、第4工程を実施した後生成した混合物からア
ミノ酸誘導体を分離し同定する操作とを、繰り返し実施
することによってタンパク質あるいはペプチドのC末端
からのアミノ酸配列を決定する操作手順の一例を示す。
【0118】第1工程から第5工程までの一連の操作手
順は実施例31に記述したものと同一である。この一連
の操作において、第4工程を実施後、得られた試料から
アミノ酸誘導体を分離し、そのアミノ酸誘導体を同定す
る。さらに、第5工程実施後に、残存するアミノ酸およ
びアミノ酸誘導体を除去する。以下、アミノ基が修飾さ
れC末端のアミノ酸を失ったタンパク質あるいはペプチ
ドに、第1工程から第5工程の一連の手順と、第4工程
を実施して得られたアミノ酸誘導体を分離し同定する操
作と、残存するアミノ酸およびアミノ酸誘導体を除去す
る操作とを、繰り返し実施することによって、タンパク
質あるいはペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決定
することができる。
【0119】(実施例35)ここでは、本発明の、タン
パク質あるいはペプチドに、第1工程から第5工程の一
連の操作と、第5工程を実施した後生成した混合物から
アミノ酸およびアミノ酸誘導体を分離し同定する操作と
を、繰り返し実施することによってタンパク質あるいは
ペプチドのC末端からのアミノ酸配列を決定する操作手
順の一例を示す。
【0120】第1工程から第5工程までの一連の操作手
順は実施例31に記述したものと同一である。この一連
の操作において、第5工程を実施後、得られた試料から
アミノ酸およびアミノ酸誘導体を分離し、そのアミノ酸
およびアミノ酸誘導体を同定する。以下、アミノ基が修
飾されC末端のアミノ酸を失ったタンパク質あるいはペ
プチドに、第1工程から第5工程の一連の手順と、第5
工程を実施して得られたアミノ酸およびアミノ酸誘導体
を分離し同定する操作とを、繰り返し実施することによ
って、タンパク質あるいはペプチドのC末端からのアミ
ノ酸配列を決定することができる。
【0121】(実施例36)ここでは第1工程におけ
る、オキサゾロンの生成を示す。試料として、配列番号
1のペンタペプチド、ロイシル−トリプトファニル−メ
チオニル−アルギニル−フェニルアラニン(Leu−T
rp−Met−Arg−Phe )、を用いた。
【0122】オキサゾロンはアルコールの作用によって
容易に開裂しエステルとなることを利用した。実施例3
1に示した第1工程において得られた試料にメタノール
を作用させた。この試料の質量分析を行った結果を第3
9図に示す。質量分析の条件は下記の通りである。
【0123】 質量分析の条件 分析装置 :二重収束質量分析計 HX−110(日本電子) 測定条件 :加速電圧 10kV 分解能 1,000 イオン源 FAB (高速粒子衝撃法) イオン化ガス Xe イオンモード 陽イオン FABガン加速電圧 6kV 検出器 MULTIPLIER 付加電圧 −20kV データ処理システム DA5000 マトリックス グリセロール:チオグリセロール:m−ニトロベンジル アルコール (GLYCEROL:THIOGLYCEROL :m−NITROBENZYLALCOHOL) =1:1:1
【0124】試料調製手順: 試料を減圧乾固する。 67%酢酸水溶液(あるいはジメチルホルムアミド)
に溶解する。 ターゲット上にマトリックスを1μlのせる。 さらにターゲット上に試料溶液を1μlのせ、混和す
る。 イオン源に導入する。
【0125】ここで、アミノ末端がアセチル化され、C
末端のカルボキシル基がメチルエステルとなった反応生
成物(Ac−LWMRF−OMe:アセチル−ロイシル
−トリプトファニル−メチオニル−アルギニル−フェニ
ルアラニンのメチルエステル、分子量808)の分子イ
オンが検出されており(符号38)、実施例31に示し
た第1工程において得られた試料にオキサゾロンが含ま
れていることがわかる。
【0126】(実施例37)ここでは第2工程におけ
る、オキサゾロン環の開裂を示す。試料として、実施例
35と同様に配列番号1のペンタペプチド、ロイシル−
トリプトファニル−メチオニル−アルギニル−フェニル
アラニン(Leu−Trp−Met−Arg−Ph
e)、を用いた。
【0127】実施例31に示した第1工程と第2工程の
操作を行って得られた試料の質量分析を行った結果を第
40図に示す。ここでは、第1工程において得られた試
料に、第2工程としてヘプタフルオロ酪酸(HFBA)
存在下でメタノールを作用させた。実験の手順と実験系
の構成は第1工程に準じたものである。
【0128】反応条件は下記の通りである。 反応条件 HFBA濃度 5%(メタノール溶液) 反応温度 25℃ 反応時間 30分間 質量分析の条件は実施例36において記述したものと同
じである。
【0129】アミノ末端がアセチル化され、C末端残基
であったフェニルアラニンが脱離し、新たに出現したC
末端のカルボキシル基がメチルエステルとなった反応生
成物(Ac−LWMR−OMe:アセチル−ロイシル−
トリプトファニル−メチオニル−アルギニンのメチルエ
ステル、分子量 661)の分子イオンが検出されてお
り(符号39)、実施例2に示した第2工程においてオ
キサゾロン環の開裂が起きたことがわかる。
【0130】(実施例38)ここでは、高速液体クロマ
トグラフ(HPLC)分析と質量分析とを組み合わせ
て、第2工程におけるオキサゾロン環の開裂を示す。実
施例31に示した第1工程、第2工程の操作を行って得
られた反応生成物を高速液体クロマトグラフ(HPL
C)で分離した結果を第41図に示す。こでは、第1工
程において得られた試料に、第2工程としてヘプタフル
オロ酪酸(HFBA)存在下でエタノールを作用させ
た。実験の手順と実験系の構成は第1工程に準じたもの
である。
【0131】反応条件は下記の通りである。 反応条件 HFBA濃度 5%(エタノール溶液) 反応温度 25℃ 反応時間 30分間 また、HPLC分析の条件と、試料調製手順は下記の通
りである。
【0132】HPLC分析の条件 測定条件カラム : C18 MICROBORE(資生堂) 溶出条件 :下記2液を用いた濃度勾配溶出 A液 0.1%TFA水溶液 B液 0.1%TFAを含む80%アセトニトリル水溶
液 分析時間 溶離液組成 0− 5min. A液80% 5−25min. A液80→40%(LINEAR) 25−30min. A液40% 試料調製手順: 試料を減圧乾固する。
【0133】0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)に
溶解する。 各ピークと各生成物の溶出との対応を次のように確かめ
た。第41図に示した1から3の各フラクション(符号
40か42にそれぞれ対応する)を分取し、それぞれ質
量分析を行った。質量分析の条件は実施例36において
記述したものと同じである。
【0134】図42はフラクション1(符号40)を分
析した結果である。ここで、アミノ末端がアセチル化さ
れ、C末端残基であったフェニルアラニンが脱離し、新
たに出現したC末端のカルボキシル基がエチルエステル
となった反応生成物(Ac−LWMR−OEt:アセチ
ル−ロイシル−トリプトファニル−メチオニル−アルギ
ニンのエチルエステル、分子量 675)の分子イオン
が検出された(符号46)。この結果からも実施例31
に示した第2工程においてオキサゾロン環の開裂が起き
たことがわかる。
【0135】図43はフラクション2(符号41)を質
量分析した結果である。第44図はフラクション3(符
号42)を質量分析した結果である。これら2つのフラ
クションをそれぞれ分析したところ、いずれにおいても
アミノ末端がアセチル化された配列番号1のペンタペプ
チド(Ac−LWMRF−OH:アセチル−ロイシル−
トリプトファニル−メチオニル−アルギニル−フェニル
アラニン、分子量 794)の分子イオンが検出された
(符号47、および符号48)。これは第1工程におけ
るオキサゾロン生成時のラセミ化の進行を示していると
考えられる。
【0136】以上の結果からも、第1工程においてオキ
サゾロン環が得られ、第2工程においてそのオキサゾロ
ン環が開裂したことがわかる。
【0137】(実施例39)ここでは第5工程におけ
る、エステルの加水分解を示す。試料として、実施例3
6と同様に配列番号1のペンタペプチド、ロイシル−ト
リプトファニル−メチオニル−アルギニル−フェニルア
ラニン(Leu−Trp−Met−Arg−Phe)、
を用いた。
【0138】実施例31に示した第1工程から第5工程
までの一連の操作を行って得られた試料の質量分析を行
った結果を第45図に示す。質量分析の条件は実施例3
6において記述したものと同じである。ここで、アミノ
末端がアセチル化され、C末端残基であったフェニルア
ラニンが脱離し、メチルエステルとなっていた新たに出
現したC末端のカルボキシル基が遊離のカルボキシル基
となった反応生成物(Ac−LWMR−OH:アセチル
−ロイシル−トリプトファニル−メチオニル−アルギニ
ン、分子量 647)の分子イオンが検出されており
(符号49)、実施例2に示した第5工程においてエス
テルの加水分解が起こったことがわかる。
【0139】以上実施例30から実施例39において述
べてきた結果をまとめると次のようになる。本発明にお
いては、C末端からのアミノ酸の配列分析を実行するた
めに、下記第1工程から第5工程から構成される一連の
操作と、生成したアミノ酸あるいはアミノ酸誘導体を分
離し同定する操作との組み合わせを、繰り返し実施し
た。
【0140】第1工程 タンパク質あるいはペプチドに、酸無水物を作用させ、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ末端を保護し、C
末端のアミノ酸残基にオキサゾロンあるいは分子内酸無
水物(アスパラギン酸の場合)を生成させる。 第2工程 酸存在下でアルコールを作用させ、第1工程の反応生成
物に含まれるオキサゾロンに、アルコリシス(エステル
化)を生起させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させる
か、あるいは、分子内酸無水物をアルコリシスにより開
環させる。
【0141】第3工程 酸無水物を作用させ、第2工程の反応生成物に含まれ
る、C末端が閉鎖されていないタンパク質あるいはペプ
チドのC末端のアミノ酸残基にオキサゾロンを生成させ
る。 第4工程 酸存在下でアルコールで作用させ、第3工程の反応生成
物に含まれるオキサゾロンに、アルコリシス(エステル
化)を生起させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させ
る。
【0142】第5工程 アミンを作用させ、第4工程の反応生成物に含まれるエ
ステルを加水分解する。
【0143】
【発明の効果】本発明によれば、C末端からのアミノ酸
の配列分析を実行するために、上記各工程から構成され
る一連の操作と、生成したアミノ酸を分離し同定する操
作との組み合わせを繰り返し実施することによって、酵
素を用いることなくタンパク質あるいはペプチドのC末
端からのアミノ酸配列を順次決定することを可能とした
ため、酵素を使用することによるアミノ酸およびペプチ
ドの混入や汚染を防止でき、微量分析に適する配列分析
を提供できる。また、本発明によれば、求めるペプチド
結合の切断を行え、正確な配列分析を行えるという効果
がある。
【0144】
【配列表】
配列番号 :1 配列の長さ:5 配列の形 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアミノ酸配列を決定する第1の工程図
である。
【図2】本発明の実験手順を示す反応式である。
【図3】従来のカルボキシペプチダーゼを用いた場合の
分析方法を示す工程図である。
【図4】従来のトリメチルシリルイソチオシアナートを
用いた場合の分析方法示す工程図である。
【図5】アラニルトリプトファンの溶出位置の確認のた
めのHPLCの結果を示す図である。
【図6】N−アセチルアラニルトリプトファンの溶出位
置の確認のためのHPLCの結果を示す図である。
【図7】N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオ
ニルアルギニルフェニルアラニンの溶出位置の確認のた
めのHPLCの結果を示す図である。
【図8】N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオ
ニルアルギニルフェニルアラニルアラニンの溶出位置の
確認のためのHPLCの結果を示す図である。
【図9】オキサゾロン生成の確認のためのHPLCの結
果を示す図である。
【図10】オキサゾロン環の開裂の確認のためのHPL
Cの結果を示す図である。
【図11】本発明のアミノ酸配列を決定する第2の工程
図である。
【図12】本発明の他の実験手順を示す反応式である。
【図13】トリプトファンの溶出位置の確認のためのH
PLCの結果を示す図である。
【図14】アラニルトリプトファンの溶出位置の確認の
ためのHPLCの結果を示す図である。
【図15】N−アセチルアラニルトリプトファンの溶出
位置の確認のためのHPLCの結果を示す図である。
【図16】N−アセチルアラニルトリプトファンのエチ
ルエステルの溶出位置の確認のためのHPLCの結果を
示す図である。
【図17】オキサゾロン生成の確認のためのHPLCの
結果を示す図である。
【図18】オキサゾロン環の開裂の確認のためのHPL
Cの結果を示す図である。
【図19】加水分解の確認のためのHPLCの結果を示
す図である。
【図20】実施例8で得られた試料を質量分析した結果
を示す図である。
【図21】実施例9で得られた試料を質量分析した結果
を示す図である。
【図22】実施例10で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図23】実施例11で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図24】実施例12で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図25】実施例13で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図26】実施例14で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図27】実施例15で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図28】実施例16で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図29】実施例17で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図30】実施例18で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図31】実施例19で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図32】実施例20で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図33】実施例21で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図34】実施例22で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図35】実施例23で得られた試料を質量分析した結
果を示す図である。
【図36】本発明のアミノ酸配列を決定する第3の工程
図である。
【図37】本発明の他の実験手順を示す反応式である。
【図38】本発明の他の実験方法を示す図である。
【図39】オキサゾロン生成の確認のための質量分析の
結果である。
【図40】オキサゾロン環の開裂の確認のための質量分
析の結果である。
【図41】オキサゾロン環の開裂の確認のためのHPL
Cの結果である。
【図42】オキサゾロン環の開裂の確認のための、HP
LCで分離した生成物の質量分析の結果である。
【図43】オキサゾロン環の開裂の確認のための、HP
LCで分離した生成物の質量分析の結果である。
【図44】オキサゾロン環の開裂の確認のための、HP
LCで分離した生成物の質量分析の結果である。
【図45】加水分解の確認のための質量分析の結果であ
る。
【符号の説明】
1 アラニルトリプトファンのピーク 2 N−アセチルアラニルトリプトファンのピーク 3 N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオニル
アルギニルフェニルアラニンのピーク 4 N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオニル
アルギニルフェニルアラニンのピーク 5 N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオニル
アルギニルフェニルアラニルアラニンのピーク 6 N−アセチルアラニルトリプトファンのピーク 7 N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオニル
アルギニルフェニルアラニンのピーク 8 N−アセチルアラニルトリプトファニルメチオニル
アルギニルフェニルアラニンのピーク 9 トリプトファンのピーク 10 アラニルトリプトファンのピーク 11 N−アセチルアラニルトリプトファンのピーク 12 N−アセチルアラニルトリプトファンのエチル
エステルのピーク 13 N−アセチルアラニルトリプトファンのピーク 14 トリプトファンのピーク 15 N−アセチルアラニルトリプトファンのピーク 16 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 17 Ac−LWMR−OEtアセチル化された化合物
の分子イオンの信号 18 Ac−LWMR−OEtのアセチル化がさらに進
んだ化合物の分子イオンの信号 19 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 20 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 21 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 22 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 23 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 24 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 25 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 26 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 27 Ac−LWMR−OMeの分子イオンの信号 28 Ac−LWMR−OMeの分子イオンの信号 29 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 30 Ac−LWMR−OEtの分子イオンの信号 31 Ac−LWMR−OMeの分子イオンの信号 32 Ac−LWMR−OMeの分子イオンの信号 33 Ac−LWMR−OMeの分子イオンの信号 34 小型の試験管 35 試験管 36 反応試薬の溶液 37 試料 38 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化されC末端のカルボキシル基がメチルエステルと
なった反応生成物(分子量808)に対応する分子イオ
ン由来の信号 39 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化されC末端残基であったフェニルアラニンが脱離
し新たに出現したC末端のカルボキシル基がメチルエス
テルとなった反応生成物分子量661)に対応する分子
イオン由来の信号 40 実施例2に示した第1工程、第2工程の操作を行
って得られた反応生成物を高速液体クロマトグラフ(H
PLC)で分離したフラクション1 41 実施例2に示した第1工程、第2工程の操作を行
って得られた反応生成物を高速液体クロマトグラフ(H
PLC)で分離したフラクション2 42 実施例2に示した第1工程、第2工程の操作を行
って得られた反応生成物を高速液体クロマトグラフ(H
PLC)で分離したフラクション3 43 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化されC末端残基であったフェニルアラニンが脱離
し新たに出現したC末端のカルボキシル基がエチルエス
テルとなった反応生成物(分子量675)のピーク 44 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化された反応生成物(分子量794)のピーク 45 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化された反応生成物(分子量794)のピーク 46 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化されC末端残基であったフェニルアラニンが脱離
し新たに出現したC末端のカルボキシル基がエチルエス
テルとなった反応生成物(分子量675)に対応する分
子イオン由来の信号 47 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化された反応生成物(分子量794)に対応する分
子イオン由来の信号 48 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化された反応生成物(分子量794)に対応する分
子イオン由来の信号 49 配列番号1のペンタペプチドのアミノ末端がアセ
チル化されC末端残基であったフェニルアラニンが脱離
しメチルエステルとなっていた新たに出現したC末端の
カルボキシル基が遊離のカルボキシル基となった反応生
成物(分子量647)に対応する分子イオン由来の信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 次田 晧 千葉県柏市泉町17−28 石塚ビル305 (72)発明者 高本 圭司 千葉県流山市江戸川台東3−12−8 ベ ルグリーン203号 (56)参考文献 特開 平6−27113(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/52 G01N 33/58 - 33/98

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ末端を保護しカルボキシ末端をオキ
    サゾロンとする第1工程と、生成したカルボキシ末端が
    オキサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドに酸
    とアルコールを作用させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊
    離させる第2工程と、から構成される操作と、前記第2
    工程において得られたアミノ酸を分離し同定する操作
    と、を組み合わせた手順をくり返し実施することを特徴
    とするタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端か
    らのアミノ酸配列を決定する方法。
  2. 【請求項2】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ末端を保護しカルボキシ末端をオキ
    サゾロンとする第1工程と、生成したカルボキシ末端が
    オキサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドに酸
    とアルコールを含む溶液を作用させ、カルボキシ末端ア
    ミノ酸を遊離させる第2工程と、から構成される操作
    と、前記第2工程において得られたアミノ酸を分離し同
    定する操作と、を組み合わせた手順をくり返し実施する
    ことを特徴とするタンパク質あるいはペプチドのカルボ
    キシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  3. 【請求項3】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ末端を保護しカルボキシ末端をオキ
    サゾロンとする第1工程と、生成したカルボキシ末端が
    オキサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドにエ
    ステルを作用させ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させ
    る第2工程と、から構成される操作と、前記第2工程に
    おいて得られたアミノ酸を分離し同定する操作と、を組
    み合わせた手順をくり返し実施することを特徴とするタ
    ンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミ
    ノ酸配列を決定する方法。
  4. 【請求項4】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ末端を保護しカルボキシ末端をオキ
    サゾロンとする第1工程と、生成したカルボキシ末端が
    オキサゾロンとなったタンパク質あるいはペプチドに酸
    とアルコールを含む溶液から得られるエステルを作用さ
    せ、カルボキシ末端アミノ酸を遊離させる第2工程と、
    から構成される操作と、前記第2工程において得られた
    アミノ酸を分離し同定する操作と、を組み合わせた手順
    をくり返し実施することを特徴とするタンパク質あるい
    はペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定
    する方法。
  5. 【請求項5】 前記タンパク質あるいはペプチドに酸無
    水物を作用させアミノ末端を保護しカルボキシ末端をオ
    キサゾロンとする第1工程において、酢酸を添加するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に
    記載のタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端か
    らのアミノ酸配列を決定する方法。
  6. 【請求項6】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端をオキサ
    ゾロンとする第1工程と、アルコールを作用させ、カル
    ボキシ末端アミノ酸を遊離させる第2工程と、アミンを
    作用させ、エステルを加水分解する第3工程と、から構
    成される一連の操作と、前記第2工程において得られた
    アミノ酸を分離し同定する操作と、を組み合わせた手順
    をくり返し実施することを特徴とするタンパク質あるい
    はペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定
    する方法。
  7. 【請求項7】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端をオキサ
    ゾロンとする第1工程と、アルコールを作用させ、カル
    ボキシ末端アミノ酸を遊離させる第2工程と、アミンを
    作用させ、エステルを加水分解する第3工程と、から構
    成される一連の操作と、前記第3工程後にアミノ酸を分
    離し同定する操作と、を組み合わせた手順をくり返し実
    施することを特徴とするタンパク質あるいはペプチドの
    カルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  8. 【請求項8】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端をオキサ
    ゾロンとする第1工程と、アルコールを作用させ、カル
    ボキシ末端アミノ酸を遊離させる第2工程と、アミン水
    溶液を作用させ、エステルを加水分解する第3工程と、
    から構成される一連の操作と、前記第2工程において得
    られたアミノ酸を分離し同定する操作と、を組み合わせ
    た手順をくり返し実施することを特徴とするタンパク質
    あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列
    を決定する方法。
  9. 【請求項9】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水物
    を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端をオキサ
    ゾロンとする第1工程と、アルコールを作用させ、カル
    ボキシ末端アミノ酸を遊離させる第2工程と、アミン水
    溶液を作用させ、エステルを加水分解する第3工程と、
    から構成される一連の操作と、前記第3工程後にアミノ
    酸を分離し同定する操作と、を組み合わせた手順をくり
    返し実施することを特徴とするタンパク質あるいはペプ
    チドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方
    法。
  10. 【請求項10】 前記タンパク質あるいはペプチドに酸
    無水物を作用させアミノ基を保護しカルボキシ末端をオ
    キサゾロンとする第1工程において、酢酸を添加するこ
    とを特徴とする、請求項6から請求項9のいずれか一項
    記載のタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端
    からのアミノ酸配列を決定する方法。
  11. 【請求項11】 前記アルコールを作用させカルボキシ
    末端アミノ酸を遊離させる第2工程を、酸存在下で実施
    することを特徴とする、請求項6から請求項9のいずれ
    か一項に記載のタンパク質あるいはペプチドのカルボキ
    シ末端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  12. 【請求項12】 前記タンパク質あるいはペプチドに酸
    無水物を作用させアミノ基を保護しカルボキシ末端をオ
    キサゾロンとする第1工程において酢酸を添加し、さら
    に前記アルコールを作用させカルボキシ末端アミノ酸を
    遊離させる第2工程を酸存在下で実施することを特徴と
    する、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のタ
    ンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミ
    ノ酸配列を決定する方法。
  13. 【請求項13】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水
    物を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端アミノ
    酸がアスパラギン酸ではない場合にはカルボキシ末端を
    オキサゾロンとし、カルボキシ末端アミノ酸がアスパラ
    ギン酸の場合にはカルボキシ末端を分子内酸無水物とす
    る第1工程と、アルコールを作用させ、カルボキシ末端
    がオキサゾロンの場合にはカルボキシ末端アミノ酸を遊
    離させ、カルボキシ末端が分子内酸無水物の場合には分
    子内無水物をアルコリシスにより開環させる第2工程
    と、酸無水物を作用させ、カルボキシ末端にオキサゾロ
    ンを生成させる第3工程と、アルコールで作用させ、カ
    ルボキシ末端アミノ酸をアミノ酸のエステルとして遊離
    させる、第4工程と、アミンを作用させ、エステルを加
    水分解する第5工程と、から構成される一連の操作と、
    前記第2工程において得られたアミノ酸を分離し同定す
    る操作と、前記第5工程において得られたアミノ酸を分
    離し同定する操作と、を組み合わせた手順をくり返し実
    施することを特徴とするタンパク質あるいはペプチドの
    カルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  14. 【請求項14】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水
    物を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端アミノ
    酸がアスパラギン酸ではない場合にはカルボキシ末端を
    オキサゾロンとし、カルボキシ末端アミノ酸がアスパラ
    ギン酸の場合にはカルボキシ末端を分子内酸無水物とす
    る第1工程と、アルコールを作用させ、カルボキシ末端
    がオキサゾロンの場合にはカルボキシ末端アミノ酸を遊
    離させ、カルボキシ末端が分子内酸無水物の場合には分
    子内無水物をアルコリシスにより開環させる第2工程
    と、酸無水物を作用させ、カルボキシ末端にオキサゾロ
    ンを生成させる第3工程と、アルコールで作用させ、カ
    ルボキシ末端アミノ酸をアミノ酸のエステルとして遊離
    させる第4工程と、アミンを作用させ、エステルを加水
    分解する第5工程と、から構成される一連の操作と、前
    記第2工程において得られたアミノ酸を分離し同定する
    操作と、を組み合わせた手順をくり返し実施することを
    特徴とするタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末
    端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  15. 【請求項15】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水
    物を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端アミノ
    酸がアスパラギン酸ではない場合にはカルボキシ末端を
    オキサゾロンとし、カルボキシ末端アミノ酸がアスパラ
    ギン酸の場合にはカルボキシ末端を分子内酸無水物とす
    る第1工程と、アルコールを作用させ、カルボキシ末端
    がオキサゾロンの場合にはカルボキシ末端アミノ酸を遊
    離させ、カルボキシ末端が分子内酸無水物の場合には分
    子内無水物をアルコリシスにより開環させる第2工程
    と、酸無水物を作用させ、カルボキシ末端にオキサゾロ
    ンを生成させる第3工程と、アルコールで作用させ、カ
    ルボキシ末端アミノ酸をアミノ酸のエステルとして遊離
    させる第4工程と、アミンを作用させ、エステルを加水
    分解する第5工程と、から構成される一連の操作と、前
    記第3工程において得られたアミノ酸を分離し同定する
    操作と、を組み合わせた手順をくり返し実施することを
    特徴とするタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末
    端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  16. 【請求項16】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水
    物を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端アミノ
    酸がアスパラギン酸ではない場合にはカルボキシ末端を
    オキサゾロンとし、カルボキシ末端アミノ酸がアスパラ
    ギン酸の場合にはカルボキシ末端を分子内酸無水物とす
    る第1工程と、アルコールを作用させ、カルボキシ末端
    がオキサゾロンの場合にはカルボキシ末端アミノ酸を遊
    離させ、カルボキシ末端が分子内酸無水物の場合には分
    子内無水物をアルコリシスにより開環させる第2工程
    と、酸無水物を作用させ、カルボキシ末端にオキサゾロ
    ンを生成させる第3工程と、アルコールで作用させ、カ
    ルボキシ末端アミノ酸をアミノ酸のエステルとして遊離
    させる第4工程と、アミンを作用させ、エステルを加水
    分解する第5工程と、から構成される一連の操作と、前
    記第4工程において得られた混合物からアミノ酸を分離
    し同定する操作と、を組み合わせた手順をくり返し実施
    することを特徴とするタンパク質あるいはペプチドのカ
    ルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  17. 【請求項17】 タンパク質あるいはペプチドに酸無水
    物を作用させ、アミノ基を保護しカルボキシ末端アミノ
    酸がアスパラギン酸ではない場合にはカルボキシ末端を
    オキサゾロンとし、カルボキシ末端アミノ酸がアスパラ
    ギン酸の場合にはカルボキシ末端を分子内酸無水物とす
    る第1工程と、アルコールを作用させ、カルボキシ末端
    がオキサゾロンの場合にはカルボキシ末端アミノ酸を遊
    離させ、カルボキシ末端が分子内酸無水物の場合には分
    子内無水物をアルコリシスにより開環させる第2工程
    と、酸無水物を作用させ、カルボキシ末端にオキサゾロ
    ンを生成させる第3工程と、アルコールで作用させ、カ
    ルボキシ末端アミノ酸をアミノ酸のエステルとして遊離
    させる第4工程と、アミンを作用させ、エステルを加水
    分解する第5工程と、から構成される一連の操作と、前
    記第5工程において得られた混合物からアミノ酸を分離
    し同定する操作と、を組み合わせた手順をくり返し実施
    することを特徴とするタンパク質あるいはペプチドのカ
    ルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法。
  18. 【請求項18】 タンパク質あるいはペプチドにハロゲ
    ン化蟻酸のエステルを作用させ、アミノ基を保護しカル
    ボキシ末端アミノ酸がアスパラギン酸ではない場合には
    カルボキシ末端をオキサゾロンとし、カルボキシ末端ア
    ミノ酸がアスパラギン酸の場合にはカルボキシ末端を分
    子内酸無水物とする第1工程と、アルコールを作用さ
    せ、カルボキシ末端がオキサゾロンの場合にはカルボキ
    シ末端アミノ酸を遊離させ、カルボキシ末端が分子内酸
    無水物の場合には分子内無水物をアルコリシスにより開
    環させる第2工程と、ハロゲン化蟻酸のエステルを作用
    させ、カルボキシ末端にオキサゾロンを生成させる第3
    工程と、アルコールで作用させ、カルボキシ末端アミノ
    酸をアミノ酸のエステルとして遊離させる第4工程と、
    アミンを作用させ、エステルを加水分解する第5工程
    と、から構成される一連の操作と、前記第2工程におい
    て得られたアミノ酸を分離し同定する操作と、前記第5
    工程において得られたアミノ酸を分離し同定する操作
    と、を組み合わせた手順をくり返し実施することを特徴
    とするタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端か
    らのアミノ酸配列を決定する方法。
  19. 【請求項19】 タンパク質あるいはペプチドにハロゲ
    ン化蟻酸のエステルを作用させ、アミノ基を保護しカル
    ボキシ末端アミノ酸がアスパラギン酸ではない場合には
    カルボキシ末端をオキサゾロンとし、カルボキシ末端ア
    ミノ酸がアスパラギン酸の場合にはカルボキシ末端を分
    子内酸無水物とする第1工程と、アルコールを作用さ
    せ、カルボキシ末端がオキサゾロンの場合にはカルボキ
    シ末端アミノ酸を遊離させ、カルボキシ末端が分子内酸
    無水物の場合には分子内無水物をアルコリシスにより開
    環させる第2工程と、ハロゲン化蟻酸のエステルを作用
    させ、カルボキシ末端にオキサゾロンを生成させる第3
    工程と、アルコールで作用させ、カルボキシ末端アミノ
    酸をアミノ酸のエステルとして遊離させる第4工程と、
    アミンを作用させ、エステルを加水分解する第5工程
    と、から構成される一連の操作と、前記第2工程におい
    て得られたアミノ酸を分離し同定する操作と、を組み合
    わせた手順をくり返し実施することを特徴とするタンパ
    ク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸
    配列を決定する方法。
  20. 【請求項20】 タンパク質あるいはペプチドにハロゲ
    ン化蟻酸のエステルを作用させ、アミノ基を保護しカル
    ボキシ末端アミノ酸がアスパラギン酸ではない場合には
    カルボキシ末端をオキサゾロンとし、カルボキシ末端ア
    ミノ酸がアスパラギン酸の場合にはカルボキシ末端を分
    子内酸無水物とする第1工程と、アルコールを作用さ
    せ、カルボキシ末端がオキサゾロンの場合にはカルボキ
    シ末端アミノ酸を遊離させ、カルボキシ末端が分子内酸
    無水物の場合には分子内無水物をアルコリシスにより開
    環させる第2工程と、ハロゲン化蟻酸のエステルを作用
    させ、カルボキシ末端にオキサゾロンを生成させる第3
    工程と、アルコールで作用させ、カルボキシ末端アミノ
    酸をアミノ酸のエステルとして遊離させる第4工程と、
    アミンを作用させ、エステルを加水分解する第5工程
    と、から構成される一連の操作と、前記第3工程におい
    て得られたアミノ酸を分離し同定する操作と、を組み合
    わせた手順をくり返し実施することを特徴とするタンパ
    ク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸
    配列を決定する方法。
  21. 【請求項21】 タンパク質あるいはペプチドにハロゲ
    ン化蟻酸のエステルを作用させ、アミノ基を保護しカル
    ボキシ末端アミノ酸がアスパラギン酸ではない場合には
    カルボキシ末端をオキサゾロンとし、カルボキシ末端ア
    ミノ酸がアスパラギン酸の場合にはカルボキシ末端を分
    子内酸無水物とする第1工程と、アルコールを作用さ
    せ、カルボキシ末端がオキサゾロンの場合にはカルボキ
    シ末端アミノ酸を遊離させ、カルボキシ末端が分子内酸
    無水物の場合には分子内無水物をアルコリシスにより開
    環させる第2工程と、ハロゲン化蟻酸のエステルを作用
    させ、カルボキシ末端にオキサゾロンを生成させる第3
    工程と、アルコールで作用させ、カルボキシ末端アミノ
    酸をアミノ酸のエステルとして遊離させる第4工程と、
    アミンを作用させ、エステルを加水分解する第5工程
    と、から構成される一連の操作と、前記第4工程におい
    て得られた混合物からアミノ酸を分離し同定する操作
    と、を組み合わせた手順をくり返し実施することを特徴
    とするタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端か
    らのアミノ酸配列を決定する方法。
  22. 【請求項22】 タンパク質あるいはペプチドにハロゲ
    ン化蟻酸のエステルを作用させ、アミノ基を保護しカル
    ボキシ末端アミノ酸がアスパラギン酸ではない場合には
    カルボキシ末端をオキサゾロンとし、カルボキシ末端ア
    ミノ酸がアスパラギン酸の場合にはカルボキシ末端を分
    子内酸無水物とする第1工程と、アルコールを作用さ
    せ、カルボキシ末端がオキサゾロンの場合にはカルボキ
    シ末端アミノ酸を遊離させ、カルボキシ末端が分子内酸
    無水物の場合には分子内無水物をアルコリシスにより開
    環させる第2工程と、ハロゲン化蟻酸のエステルを作用
    させ、カルボキシ末端にオキサゾロンを生成させる第3
    工程と、アルコールで作用させ、カルボキシ末端アミノ
    酸をアミノ酸のエステルとして遊離させる第4工程と、
    アミンを作用させ、エステルを加水分解する第5工程
    と、から構成される一連の操作と、前記第5工程におい
    て得られた混合物からアミノ酸を分離し同定する操作
    と、を組み合わせた手順をくり返し実施することを特徴
    とするタンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端か
    らのアミノ酸配列を決定する方法。
  23. 【請求項23】 前記アルコールを作用させ、カルボキ
    シ末端がオキサゾロンの場合にはカルボキシ末端アミノ
    酸を遊離させ、カルボキシ末端が分子内酸無水物の場合
    には分子内無水物をアルコリシスにより開環させる第2
    工程と、前記アルコールで作用させ、カルボキシ末端ア
    ミノ酸をアミノ酸のエステルとして遊離させる第4工程
    と、を酸存在下で実施することを特徴とする請求項13
    から請求項22のいずれか一項に記載のタンパク質ある
    いはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決
    定する方法。
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