JP3124353B2 - 中性粒子の発生方法及びその装置 - Google Patents

中性粒子の発生方法及びその装置

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JP3124353B2
JP3124353B2 JP04021740A JP2174092A JP3124353B2 JP 3124353 B2 JP3124353 B2 JP 3124353B2 JP 04021740 A JP04021740 A JP 04021740A JP 2174092 A JP2174092 A JP 2174092A JP 3124353 B2 JP3124353 B2 JP 3124353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば半導体製造プロセ
スにおいて、試料をエッチングする際に用いられる中性
粒子の発生方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高速な中性粒子線はイオン線を電
荷交換散乱で中性化し、中性化しなかったイオンを除去
することにより得られる。このような高速の中性粒子線
は例えば半導体製造プロセスにおいて試料をエッチング
する際等に用いられる。そして、この中性粒子線を用い
ることにより、照射ダメージを殆ど生じさせることなく
試料をエッチングすることができる。
【0003】従来の中性粒子の発生装置の一構成例を図
3に示す。図中11はチャンバ11であり、チャンバ1
1の上方には加速電極13を介して放電管12が配設さ
れている。放電管12の上部にはガス供給管16が接続
されており、これら放電管12、加速電極13及びガス
供給管16はイオン源14となっている。またチャンバ
11の下方には、イオン等の荷電粒子の進入を排除する
グリッド電極15が加速電極13と対向して設けられて
おり、チャンバ11の側壁にはガス排気管17が接続さ
れている。
【0004】上記の如く構成された装置を作動させて中
性粒子を発生させるには、まずガス供給管16より放電
管12及びチャンバ11内にイオン発生用ガスであるA
rを供給する。次いでチャンバ11及び放電管12内の
ガスをガス排気管17より排気量を調節しながら排気
し、チャンバ11内を所定の圧力、例えば7×10-2
aに設定する。また加速電極13、グリッド電極15を
それぞれ負電位、正電位に印加する。
【0005】そして放電管12を作動させると、放電管
12内のArガスはプラズマ化され、プラズマ中のAr
+は負電位に印加されている加速電極13に引き出され
てイオン源14からグリッド電極15へ向けて射出され
る。射出されたAr+の一部は、チャンバ11内のAr
と電荷交換散乱を行い、運動エネルギと方向性とを失う
ことなく中性化されて高速な中性粒子となる。
【0006】一方、電荷交換散乱により生じた低速Ar
+と電荷交換散乱を行わなかった高速Ar+はグリッド電
極15内の正電位ではじき返され、これによってチャン
バ11からはArの高速な中性粒子線が試料(図示せ
ず)へ向けて射出される。なお、イオン発生用ガスとし
ては上記Arの他にNe、Kr等の不活性ガス等も用い
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
装置及び方法では、高速な中性粒子がプラズマ中のAr
+とチャンバ11内のArとの電荷交換散乱により発生
する。しかもAr、Kr等の重いガスでは、弾性散乱断
面積が電荷交換散乱断面積に対して同程度又はそれ以上
の大きさを持つことがわかっており、高速の中性粒子が
電荷交換散乱だけでなく弾性散乱によっても多く発生す
る。
【0008】He、Ne、Arの各ガスのイオンエネル
ギ変化による各散乱断面積の変化を図4(a)、
(b)、(c)にそれぞれ示す。なお、図中sは弾性散
乱、Tは電荷交換散乱、tはt=s十Tを示している。
図4からも明らかなように、He、Ne、Arとガスが
重くなるに従って全体の散乱断面積が増加しており、特
に弾性散乱断面積の増大が顕著である。このため、従来
の装置及び方法では試料に入射する高速な中性粒子の方
向性が得られず、またそのエネルギも広い分布を持つと
いう問題を有していた。
【0009】本発明は上記した課題に鑑みてなされたも
のであり、所定の方向性を有すると共にエネルギ分布が
単色な高速の中性粒子を得ることができる中性粒子の発
生方法及びその装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る中性粒子の発生方法は、所定の方向に第
1の荷電粒子を射出し、次いでこの第1の荷電粒子と反
対の極性を持つ第2の荷電粒子を第1の荷電粒子の射出
方向と同じ方向に移動させる構成となっている。
【0011】上記した本発明方法においては、第1の荷
電粒子と第2の荷電粒子とを同じ速さで射出することが
好適である。また例えば、第2の荷電粒子の射出方向
長線上に一の双極子磁石を配置し、第2の荷電粒子を一
の双極子磁石へ射出して、この一の双極子磁石により第
2の荷電粒子の移動方向を第1の荷電粒子の射出方向と
同じにしてもよい。この場合には、例えば、一の極子磁
石を第1の荷電粒子の射出方向と第2の荷電粒子の射出
方向とが直交する位置に配置する。
【0012】さらに本発明方法は、第1の荷電粒子の射
出方向延長線上でかつ一の双極子磁石から所定距離だけ
離間して配置した他の双極子磁石により、他の双極子磁
石へ入射した極性を持つ粒子の移動方向を変える構成と
してもよい。
【0013】また本発明方法において、第1の荷電粒子
を陽イオンとし、第2の荷電粒子を電子とする。この際
の陽イオンとしては、例えば水素イオンが挙げられる。
【0014】本発明に係る中性粒子の発生装置は、チャ
ンバと、チャンバに取り付けられて第1の荷電粒子をチ
ャンバ内に射出する第1の射出部と、チャンバに取り付
けられて第1の荷電粒子と反対の極性を持つ第2の荷電
粒子をチャンバ内に射出する第2の射出部と、チャンバ
内の第2の荷電粒子の射出方向上に配置された第1の双
極子磁石と、第1の荷電粒子の射出方向延長線上でかつ
チャンバに形成されたアパーチヤーとを備えた構成とな
っている。
【0015】上記した本発明装置は、チャンバ内の第1
の荷電粒子の射出方向延長線上でかつ第1の双極子磁石
から所定距離で離間させて第2の双極子磁石を配置した
構成としてもよく、さらにチャンバ内の第1の荷電粒子
の射出方向延長線上でかつ第2の双極子磁石から所定距
離だけ離間させて第3の双極子磁石を配置した構成とし
てもよい。またチヤンバの第2の双極子磁石及び第3の
双極子磁石の近傍でチャンバに取り付けられたアース電
極を備えた構成とすることも可能である。
【0016】
【作用】本発明に係る中性粒子の発生方法では、所定の
方向に第1の荷電粒子を射出した後、第1の荷電粒子と
反対の極性を持つ第2の荷電粒子を第1の荷電粒子の射
出方向と同じ方向に移動させるため、第1の荷電粒子の
射出方向延長線上にて第1の荷電粒子と第2の荷電粒子
とからなる集団(線束)、すなわち正の極性を持つ粒子
と負の極性を持つ粒子との線束が形成される。その結
果、正の極性を持つ粒子と負の極性を持つ粒子とが、弾
性散乱反応でなく電荷交換反応又は再結合反応して上記
線束中に所定の方向性を有すると共にエネルギ分布が単
色な高速の中性粒子か生成される。
【0017】また本発明方法において、例えば第1の荷
電粒子と第2の荷電粒子とを同じ速さで射出すれば、重
心系では相対速度を持たない正の極性を持つ粒子と負の
極性を持つ粒子との線束が得られる。相対速度がない場
合においては、正の極性を持つ粒子と負の極性を持つ粒
子とが電荷交換反応又は再結合反応する確率が高くなる
ため、上記線束中に所定の方向性を有すると共にエネル
ギ分布が単色な高速の中性粒子が高い確率で生成され
る。
【0018】さらに第1の荷電粒子の射出方向延長線上
でかつ1の双極子磁石から所定距離だけ離間して配置さ
れた他の双極子磁石により、他の双極子磁石へ入射した
極性を持つ粒子の移動方向を変える構成とすれば、一の
双極子磁石から他の双極子磁石に入射した線束中に含ま
れる高速の中性粒子と第1の荷電粒子と第2の荷電粒子
とのうち、第1の荷電粒子及び第2の荷電粒子の移動方
向が変わる。その結果、他の双極子磁石に入射した線束
より第1の荷電粒子及び第2の荷電粒子が除去され、高
速の中性粒子のみを含む線束が得られる。
【0019】また第1の荷電粒子を陽イオンとし、第2
の荷電粒子として電子を使用すれば陽イオンと電子と
が高い確率で電荷交換反応又は再結合反応し、高速な中
性粒子が効率的に生成される。
【0020】本発明に係る中性粒子の発生装置では、第
1の荷電粒子と反対の極性を持つ第2の荷電粒子の射出
方向上に第1の双極子磁石が配置されているため、第1
の双極子磁石がこれに入射した第2の荷電粒子の移動方
向を第1の荷電粒子の射出方向と同じにするものの場
合、第1の射出部からチャンバ内に射出された第1の荷
電粒子と、第2の射出部からチャンバ内に射出されて第
1の双極子磁石を通過した第2の荷電粒子とからなる線
束、つまり前述したように正の極性を持つ粒子と負の極
性を持つ粒子との線束が第1の荷電粒子の射出方向延長
線上に形成される。この結果、正の極性を持つ粒子と負
の極性を持つ粒子とが、弾性散乱反応でなく電荷交換反
応又は再結合反応して上記線束中に所定の方向性を有す
ると共にエネルギ分市が単色な高速の中性粒子が生成さ
れる。そして、この中性粒子を含む線束は、第1の荷電
粒子の射出方向延長線上でかつチャンバに形成されたア
パーチャーからチャンバ外へ出射される。
【0021】また上記した本発明装置が、チャンバ内の
第1の荷電粒子の射出方向延長線上でかつ第1の双極子
磁石から所定距離だけ離間して配置した第2の双極子磁
石を備えていれば、この第2の双極子磁石がこれに入射
した線束中に含まれる高速な中性粒子と第1の荷電粒子
と第2の荷電粒子とのうち、第1の荷電粒子及び第2の
荷電粒子のどちらか一方の移動方向を変えるものの場
合、高速の中性粒子と第1の荷電粒子と第2の荷電粒子
とを含む線束が第2の双極子磁石を通過することによ
り、線束中から第1の荷電粒子及び第2の荷電粒子の一
方が除去され、他方の荷電粒子と高速の中性粒子とを含
む線束がアパーチャーからチャンバ外へ出射される。
【0022】さらに上記した本発明装置において、チャ
ンバ内の第1の荷電粒子の射出方向延長線上でかつ第2
の双極子磁石から所定距離だけ離間して配置した第3の
双極子磁石を備えていれば、第2の双極子磁石がこれに
入射した線束中に含まれる高速の中性粒子と第1の荷電
粒子と第2の荷電粒子とのうち、第1の荷電粒子と第2
の荷電粒子とのどちらか一方の移動方向を変えるもので
あり、第3の双極子磁石が上記線束のうち他方の移動方
向を変えるものの場合、高速の中性粒子と第1の荷電粒
子と第2の荷電粒子とを含む線束が第2の双極子磁石及
び第3の双極子磁石を通過することにより、線束中から
第1の荷電粒子と第2の荷電粒子とが除去される。この
結果、第3の双極子磁石から高速の中性粒子のみを含む
線束が射出され、アパーチャーよりチャンバ外へ射出さ
れる。
【0023】またチャンバの第2の双極子磁石及び第3
の双極子磁石の近傍でチャンバにアース電極が取り付け
られていれば、線束中の第1の荷電粒子及び第2の荷電
粒子が、第2の双極子磁石及び第3の双極子磁石からア
ース電極に指向するように移動方向が変えられる。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係る中性粒子の発生方法及び
その装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本
発明に係る中性粒子の発生装置の一実施例を示した模式
図である。図中21は断面略矩形状を有するチャンバで
あり、チャンバ21の上面には第1の荷電粒子として例
えば陽イオンを射出するイオン源22が設けられてい
る。またチャンバ21の一側壁の上方側には、イオン源
22から射出される陽イオンと反対の極性を持つ第2の
荷電粒子として例えば電子を射出する電子銃23が取り
付けられている。上記のイオン源22、電子銃23はそ
れぞれ、本発明装置における第1の射出部、第2の射出
となるものである。
【0025】チャンバ21内のイオン源22から射出さ
れる陽イオンの線束(以下、単にイオン線と記す)31
の射出方向(以下、射出方向を走行方向と記す)上に
は、電子銃23から射出される電子の線束(以下、単に
電子線と記す)32の走行方向とが交差する位置、ここ
では直交する位置に、第1の双極子磁石24が配設され
ている。第1の双極子磁石24は本発明方法における一
の双極子磁石となるものである。
【0026】この第1の双極子磁石24のイオン線31
の走行方向延長線上、つまり後述する如く第1の双極子
磁石24から射出される陽イオン、電子、中性粒子を含
む線束33の走行方向上には、第1の双極子磁石24か
ら所定の距離に第2の双極子磁石26が配設されてい
る。さらに第2の双極子磁石26のイオン線31の走行
方向延長線上には、つまり後述する如く第2の双極子磁
石26より射出される陽イオン、中性粒子を含む線束3
4の走行方向上には、第2の双極子磁石24から所定の
距離に第3の双極子磁石27が配設されている。
【0027】なお、第2の双極子磁石26及び第3の双
極子磁石27は、本発明方法に置ける他の双極子磁石と
なるものである。また本実施例において第2の双極子磁
石26は、これに入射する陽イオン、電子、中性粒子を
含む線束33から、負の電荷粒子である電子のみの移動
方向を変えて線束33の走行方向と異なる方向に指向
し、第3の双極子磁石27は、これに入射する陽イオ
ン、中性粒子を含む線束34から陽イオンのみの移動方
向を変えて線束34の走行方向と異なる方向に指向する
ものとなっている。
【0028】これら第2の双極子磁石26及び第3の双
極子磁石27近傍のチャンバ21の一側壁には、アース
電極28が取り付けられており、チャンバ21の下面に
は、後述する如く第3の双極子磁石27より射出された
高速な中性粒子のみを含む線束(以下、中性粒子線と記
す)37の走行方向上にアパーチャー29が形成されて
いる。またチャンバ21の他側壁には、ガス排気管25
が接続されている。
【0029】次にこのように構成されている中性粒子の
発生装置を用いて中性粒子を発生させる方法に基づき、
本発明に係る中性粒子の発生方法の一実施例を説明す
る。まずチャンバ21内のガスをガス排気管25より排
気量を調節しながら排気し、チャンバ21内を電子又は
イオンが散乱しない程度の低圧力、ここでは10-4Pa
に設定する。また第1の双極子磁石24には、後に電子
銃23から射出する電子線32が、後にイオン源22か
ら射出して第1の双極子磁石24に入射するイオン線3
1の走行方向と同じ方向に移動するように、つまり第1
の双極子磁石24を通過したイオン線31の走行方向延
長線上を電子線32が走るように調整した弱い磁場を印
加する。
【0030】次いで所定のエネルギと方向性とを持つ陽
イオンをイオン源22において発生させ、イオン源22
よりチャンバ21内ヘイオン線31を射出する。本実施
例ではイオン線31として3345eVのH+(水素イ
オン)の線束を用いる。イオン源22よりチャンバ21
内ヘイオン線31を射出すると、イオン線31は第1の
双極子磁石24に入射し、第1の双極子磁石24の影響
を殆ど受けずにここを通過して第2の双極子磁石26に
到達する。
【0031】続いて電子銃23より1.82eVの電子
線32をイオン線31と同じ速さで射出する。すると、
電子線32は第1の双極子磁石24に入射する。前述し
たように第1の双極子磁石24には弱い磁場が印加され
ているため、電子とイオンとの質量差により、第1の双
極子磁石24に入射した電子線32は、その移動方向が
略垂直に大きく曲げられてイオン線31の走行方向に射
出される。つまり電子線32は第1の双極子磁石24を
通過することによってイオン線31の走行方向延長線上
を走る形となる。
【0032】第1の双極子磁石24より射出された電子
線32はイオン線31の走行方向延長線上である第1の
双極子磁石24と第2の双極子磁石26との問を飛行す
るため、イオン線31の走行方向延長線上には陽イオン
と電子とを含む線束33が形成される。しかも、電子線
32はイオン線31と略等速度で飛行するため、線束3
3中の陽イオン及び電子は重心系で相対速度を持たない
状態となり、陽イオンと電子とが容易にしかも高い確率
で再結合する。この再結合反応により線束33中に高速
な中性粒子が高い確率で発生し、線束33は陽イオン及
び電子に加えて高速な中性粒子を含むものとなる。
【0033】そしてこれら電子、中性粒子及び陽イオン
で構成される線束33は第2の双極子磁石26に入射す
る。そこで、陽イオンと再結合しなかった線束33中の
電子がアース電極23へ向けて電子線35となって指向
される。すなわち第2の双極子磁石26により、線束3
3中の電子のみの移動方向がアース電極28へ向かう方
向に変えられて線束33から除かれる。その結果、第2
の双極子磁石26より高速な中性粒子及び陽イオンで構
成される線束34が射出される。
【0034】第2の双極子磁石26より射出された線束
34は、続いて第3の双極子磁石27に入射し、電子と
電荷交換又は再結合しなかった線束34中の陽イオン
が、第3の双極子磁石27によりアース電極28へ向け
てイオン線36となって指向される。すなわち第3の双
極子磁石27により、線束34中の陽イオンのみの移動
方向がアース電極28へ向かう方向に変えられて線束3
4から除かれる。従って、第3の双極子磁石27からは
陽イオンが除去されて高速な中性粒子線37のみが射出
される。そして、さらに中性粒子線37はチャンバ21
のアパーチャー29より試料(図示せず)へ向けて射出
される。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の中性粒子の
発生方法によれば、所定の方向に第1の荷電粒子を射出
した後、第1の荷電粒子と反対の極性を持つ第2の荷電
粒子を第1の荷電粒子の射出方向と同じ方向に移動させ
ることにより、第1の荷電粒子と第2の荷電粒子とを高
い確率で電荷交換反応又は再結合反応させるので、所定
の方向性を有しかつエネルギ分布が単色な高速の中性粒
子を生成することができる。またこの際、例えば第1の
荷電粒子と第2の荷電粒子とを同じ速さで射出すれば、
上記線束中での電荷交換反応又は再結合反応の確率を高
くすることができ、高速な中性粒子をより高い確率で生
成できる。従って本発明方法は例えば試料をエッチング
する際等、半導体製造プロセスにおいて非常に有効なも
のとして使用することができる。
【0036】 また本発明の中性粒子の発生方法によれ
ば、第1の荷電粒子の射出方向延長線上に配置した他の
双極子磁石により、他の極子磁石に入射した線束中に含
まれる高速の中性粒子と第1の荷電粒子と第2の荷電粒
子とのうち、第1の荷電粒子及び第2の荷電粒子の移動
方向を変えるようにした場合、高速の中性粒子のみを含
む線束を生成することができる。従って例えばこの中性
粒子線をエッチング工程等に用いた場合、照射ダメージ
を生じさせることなく試料を良好にエッチングすること
ができる。
【0037】 本発明に係る中性粒子の発生装置によれ
ば、第1の荷電粒子と反対の極性を持つ第2の荷電粒子
の射出方向上に第1の双極子磁石が配置されていること
から、この第1の双極子磁石がこれに入射した第2の荷
電粒子の移動方向を第1の荷電粒子の射出方向と同じに
するものの場合、第1の射出部からチャンバ内に射出さ
れた第1の荷電粒子と、第2の射出部からチャンバ内に
射出されて第1の双極子磁石を通過した第2の荷電粒子
とからなる線束を第1の荷電粒子の射出方向延長線上に
形成できる。従って、上記本発明の方法を確実に実施で
きるため、第1の荷電粒子の射出方向延長線上に所定の
方向性を有すると共にエネルギ分布が単色な高速の中性
粒子を効率的にかつ確実に生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中性粒子の発生装置の一実施例を
示した模式図である。
【図2】本発明に係る中性粒子の発生装置の他の実施例
を示した模式図である。
【図3】従来の中性粒子の発生装置の一例を示した模式
図である。
【図4】各ガスの各散乱断面積の変化を示したグラフで
ある。
【符号の説明】
21 チャンバ 22 イオン源 23 電子銃 24 第1の双
極子磁石 26 第2の双極子磁石 27 第3の双
極子磁石 28 アース電極 29 アパーチ
ャー 31 イオン線 32 電子線 33 電子、中性粒子、陽イオンの線束 34 陽イオン、中性粒子の線束 37 中性粒子線 43 負イオン発生部 44 負イオン線 45 負イオン、中性粒子、陽イオンの線束

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性粒子の発生方法において、 所定の方向に第1の荷電粒子を射出する工程と、 前記第1の荷電粒子と反対の極性を持つ第2の荷電粒子
    を前記第1の荷電粒子の射出方向と同じ方向に移動させ
    工程とを有していることを特徴とする中性粒子の発生
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の荷電粒子と前記第2の荷電粒
    子とを同じ速さで射出することを特徴とする請求項1記
    載の中性粒子の発生方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の荷電粒子の射出方向延長線上
    に配置した一の双極子磁石に前記第2の荷電粒子を射出
    して、前記一の双極子磁石により前記第2の荷電粒子の
    移動方向を前記第1の荷電粒子の射出方向と同じにする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の中性粒
    子の発生方法。
  4. 【請求項4】 前記一の双極子磁石を前記第1の荷電粒
    子の射出方向と前記第2の荷電粒子の射出方向とが直交
    する位置に配置することを特徴とする請求項3記載の中
    性粒子の発生方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の荷電粒子の射出方向延長線上
    でかつ前記一の双極子磁石から所定距離だけ離間して
    置した他の双極子磁石により、前記他の双極子磁石へ入
    射した極性を持つ粒子の移動方向を変えることを特徴と
    する請求項3または請求項4記載の中性粒子の発生方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1の荷電粒子を陽イオンとし、
    記第2の荷電粒子を電子とすることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれか1つに記載の中性粒子の発生
    方法。
  7. 【請求項7】 前記陽イオンとして水素イオンを使用す
    ることを特徴とする請求項6記載の中性粒子の発生方
    法。
  8. 【請求項8】 チャンバと、前記 チャンバに取り付けられ、第1の荷電粒子を前記チ
    ャンバ内に射出する第1の射出部と、 前記チャンバに取り付けられ、前記第1の荷電粒子と反
    対の極性を持つ第2の荷電粒子を前記チャンバ内に射出
    する第2の射出部と、 前記チャンバ内に設けられ、前記第2の荷電粒子の射出
    方向延長線上に配置された第1の双極子磁石と、 前記第1の荷電粒子の射出方向延長線上でかつ前記チャ
    ンバに形成されたアパーチャーとを備えて構成されてい
    ることを特徴とする中性粒子の発生装置。
  9. 【請求項9】 前記チャンバ内に設けられ、前記第1の
    荷電粒子の射出方向延長線上でかつ前記第1の双極子磁
    から所定距離だけ離間して配置した第2の双極子磁石
    を備えたことを特徴とする請求項8記載の中性粒子の発
    生装置。
  10. 【請求項10】 前記チャンバ内に設けられ、前記第1
    の荷電粒子の射出方向延長線上でかつ前記第2の双極子
    磁石から所定距離だけ離間して配置した第3の双極子磁
    石を備えたことを特徴とする請求項9記載の中性粒子の
    発生装置。
  11. 【請求項11】 前記チャンバに取り付けられ、前記第
    2の双極子磁石及び前記第3の双極子磁石の近傍に配置
    されたアース電極を備えたことを特徴とする請求項10
    記載の中性粒子の発生装置。
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