JP3124069B2 - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP3124069B2 JP03158413A JP15841391A JP3124069B2 JP 3124069 B2 JP3124069 B2 JP 3124069B2 JP 03158413 A JP03158413 A JP 03158413A JP 15841391 A JP15841391 A JP 15841391A JP 3124069 B2 JP3124069 B2 JP 3124069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性を有する支持体
の片面に薬物等を含有する粘着性膏剤層を設けた貼付剤
に関し、より詳細には、製剤としての安定性並びに貼付
性に優れた貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物の経皮投与に用いられる剤型として
は、軟膏剤、ローション剤または硬膏剤等が以前から使
用されていたが、近年、テープ剤あるいはパッチ剤と称
されている貼付剤が注目されてきている。貼付剤は、合
成樹脂フィルムや不織布等の柔軟性を有する材料からな
る支持体の一方面に薬物や添加物を含有する粘着性膏剤
層を形成することにより構成されている。
【0003】貼付剤を用いた場合、薬物等の持続的投与
が可能であり、しかも必要に応じて貼付剤を剥離するこ
とにより投与を容易に中止することができる。従って、
全身作用を目的とする薬物の投与量を容易にコントロー
ルすることができ、急激な薬物吸収による副作用を軽減
したり、薬物の投与回数を減らしたりすることも可能で
あるという利点を有する。また、貼付剤は、軟膏剤に比
べて取扱いが簡便であり、貼付時の衣服の汚れ等も生じ
難い。
【0004】上記のような種々の長所を有する貼付剤に
おいて、これらの長所を充分に発揮させるには、支持体
は以下のような条件を満たすことが求められている。ま
ず、支持体は、粘着性膏剤層中の薬物や添加物を安定に
保ち得るものであることが要求される。また、支持体自
体も、形状の変化や変色を生じないものが望ましい。さ
らに、充分な柔軟性を有するものが要求される。たとえ
安定性に優れていても柔軟性に欠ける場合には、貼付に
際して患者に違和感を与えたり、皮膚への密着性が損な
われて充分な薬物投与が行われなかったりする。また、
薬物や添加物等の配合物に応じて適切な支持体を選定す
ることが必要である。
【0005】従来、貼付剤を構成するための支持体とし
ては、前述したように合成樹脂フィルムや不織布等の柔
軟性を有する材料が用いられている。合成樹脂フィルム
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート等からなるものが用いられている。ま
た、特開昭62−82967号には、炭化水素系エラス
トマー及びポリオレフィンからなる樹脂組成物から成形
される支持体、特開昭62−153215号には、塩化
ビニル−エチレン共重合体とエチレン−一酸化炭素−酢
酸ビニル共重合体と含水アルミノケイ酸塩からなる樹脂
組成物から成形される支持体、特開平1−224313
号には、塩化ビニル重合体及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体からなる樹脂組成物から成形される支持体、特開
平1−249719号には、塩化ビニル樹脂フィルムと
ポリエチレンテレフタレートフィルムを接着した支持
体、特開平2−247118号には、軟質ポリウレタン
−ポリ塩化ビニルグラフト共重合体フィルムにポリエチ
レンテレフタレートを接着した支持体等も開示されてい
る。しかしながら、従来の貼付剤に用いられている支持
体には、上記のような種々の条件を充分に満たすものは
未だ存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
の薬物を含有させた場合であっても薬物含有量の低下が
生じ難く、着色あるいは形状変化等の製剤の劣化が生じ
ず、かつ安定性及び貼付性の双方を満たし得る支持体を
備えた貼付剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、種々の
材料を検討した結果、支持体として、一軸延伸または無
延伸の低密度ポリエチレンを用いれば、薬物を安定に保
持させることができ、かつ製剤の形状変化や変色の少な
い支持体の得られることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の貼付剤は、メルトイン
デックスが1〜8であり、一軸延伸または無延伸の低密
度ポリエチレンからなる支持体と、上記支持体の片面に
設けられており、かつ溶解パラメーターが7〜11の範
囲にある薬物または添加物を含有する粘着性膏剤層とを
備えることを特徴とする。以下、本発明の構成の詳細を
説明する。
【0009】支持体 本発明の貼付剤では、支持体として一軸延伸または無延
伸の低密度ポリエチレンが用いられる。これは、一軸延
伸または無延伸のポリエチレンでは、経時的な応力緩和
により発生する形状変化の方向が多くとも一方向である
ため、歪みによるしわや弛みの発生が少ないからであ
る。また、一軸延伸または無延伸であるため、柔軟性に
おいても優れ、貼付に際して患者に違和感を与えること
が少ない。すなわち、貼付性についても良好な支持体を
構成することができる。
【0010】上記のような一軸延伸または無延伸の低密
度ポリエチレンからなる支持体は、Tダイ法等の溶融成
形法により成形される低密度ポリエチレン・フィルムに
より構成することができる。上記溶融温度は、通常、1
30〜200℃であり、溶融成形に際し押し出された
後、室温以下に急冷されることにより透明かつ柔軟なフ
ィルムとされる。
【0011】なお、二軸延伸の低密度ポリエチレン・フ
ィルムは、例えばインフレーション法により製造される
が、このような二軸延伸ポリエチレン・フィルムを支持
体として用いた場合には、溶解パラメーターが7〜11
の範囲にある薬物または添加物を含有する粘着性膏剤層
が形成されると、残留応力によりしわや弛みが生じ易
い。
【0012】本発明で用いる一軸延伸または無延伸の低
密度ポリエチレン・フィルムの変形率は、100℃及び
20分の条件において、長さ方向に±10%以下、幅方
向においては±0.5%以下の範囲である。また、支持
体の厚みは、粘着性膏剤層の種類や必要とする使用感に
よっても異なるが、通常、30〜150μmの範囲とさ
れ、好ましくは、40〜100μmの範囲とされる。
【0013】また、使用する低密度ポリエチレンは、一
軸延伸または無延伸のものであることの他、JIS K
6760ポリエチレン試験方法によって測定されたメ
ルトインデックスが1〜8の範囲のものであることが必
要である。メルトインデックスが1未満では平滑なフィ
ルムを成形することが困難だからであり、8を超えると
耐薬品性が劣化するからである。
【0014】粘着性膏剤層 本発明において上記支持体の下面に設けられる粘着性膏
剤層は、溶解パラメーターが7〜11の範囲にある、薬
物または添加物を含有する。この溶解パラメーターは、
Solubility Parameters/All
an F.M.Barton;Chemical Re
views,Vol.75,No.6p731〜(19
75)に記載されているものであり、具体的には、A
Method for Estimating Bot
h the SolubilityParameter
s and Molar Volumes of Li
quids/Robert F.Fedors;POL
YMER ENGINEERING AND SCIE
NCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,
No.2 p147〜に記載の計算方法に従って算出し
たものである。
【0015】上記のように溶解パラメーターが7〜11
の比較的脂溶性に優れた薬物または添加物を含有させる
のは、溶解パラメーターが11を超える薬物または添加
物の場合には、本来、支持体との相互作用が少なく、製
剤の劣化現象が生じ難ないからである。他方、溶解パラ
メーターが7〜11の薬物あるいは添加物の場合には、
従来の支持体を用いた場合には、薬物または添加物の浸
透や支持体への溶解が生じ易く、それによって製剤の劣
化が生じ易いのに対し、本発明の上記支持体と組み合わ
せた場合にはこのような劣化が生じ難く、本発明の効果
を得られるからである。
【0016】本発明において粘着性膏剤層に含有される
薬物の例としては、抗炎症剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン
剤、ホルモン剤、血管拡張剤、抗高圧剤、抗生物質、抗
菌剤、筋弛緩剤、抗うつ剤、麻酔剤またはビタミン剤等
が挙げられる。具体的には、グリチルレチン酸、アミノ
ピリン、ジフェンヒドラミン、ペンタエリスリトールテ
トラニトレート、ミアンセリン等が挙げられる。これら
の薬物は、粘着性膏剤層中に1〜30重量%の範囲で配
合される。1重量%未満では、薬物を添加した効果が得
られないからであり、30重量%を超えると、貼付性に
悪影響を及ぼすからである。
【0017】また、添加物としては、溶解剤、可塑剤、
吸収促進剤または安定剤等として、高級脂肪酸、高級ア
ルコール、脂肪酸エステルまたはアルキルアミン等が含
有される。具体的には、ステアリン酸、ミリスチン酸、
オレイン酸、リノレン酸、ベヘニルアルコール、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコール、酢酸セチル、ミリ
スチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、(モノ)ラウリン酸ソルビタン、(モノ)オレイン
酸グリセリンまたはジイソプロピルアミン等が挙げられ
る。これらの添加物は、粘着性膏剤層中に1〜50重量
%の範囲で配合される。1重量%未満では、添加物を添
加した効果が得られないからであり、50重量%を超え
ると、添加物に添加したことによる効果が飽和し、他
方、貼付性等の機能が劣化するからである。
【0018】粘着性膏剤層には、上記溶解パラメーター
が7〜11の範囲にある比較的脂溶性の高い液状の薬物
または添加物が、粘着性基剤中に溶解または分散されて
いる。粘着性基剤としては、従来より貼付剤を構成する
のに用いられている適宜の材料からなるものを用いるこ
とができる。このような粘着性基剤の例としては、アク
リル系粘着剤、ウレタン系粘着剤またはゴム系粘着剤等
が挙げられる。
【0019】本発明が適用される製剤構成 本発明の貼付剤における支持体以外の製剤構成は、皮膚
を介して薬物を効果的に体内に供給することを可能とす
るものである限り、特に限定されない。例えば、粘着性
基剤に薬剤を分散または溶解させた単一の粘着性膏剤層
系、薬剤を微小粒子に封入して粘着性基剤に分散させた
系、薬剤貯蔵層に放出制御膜及び粘着性基剤層を必要に
応じて組み合わせた多層系、皮膚への接触面が薬物貯蔵
域と粘着域とに区分されている系等が挙げられる。
【0020】また、薬物の他に、溶解剤、可塑剤、吸収
促進剤、安定剤等が、必要に応じて、薬剤と共に配合さ
れてもよく、あるいは薬剤と異なる層として配置されて
もよい。通常、粘着性膏剤層の支持体に接触されている
面と反対側の面には、皮膚に適用するまでの粘着性膏剤
層の保護のために、離型処理等を施した剥離紙が貼り合
わされる。
【0021】また、必要に応じて、支持体と上記粘着性
膏剤層との間に、プライマー層を設けることにより、粘
着性膏剤層と支持体との接着性を高めることも可能であ
る。プライマーは、支持体と粘着性膏剤層との両方に親
和性を有し、製剤の安定性を損なわないものであれば任
意の材料からなるものを用いることができ、このような
プライマーを構成する材料としては、アクリル系ポリマ
ー、ゴム系ポリマー、ウレタン系ポリマーまたはエポキ
シ樹脂等が挙げられる。
【0022】製法 本発明の貼付剤は、上述した支持体の一方面に、薬物等
を溶解または分散させた粘着性基剤溶液または分散液を
塗布し、乾燥することにより得ることができる。また、
他のベース部材上において、薬物等を含有する粘着性基
剤溶液または分散液を塗工して粘着性膏剤層を形成し、
該粘着性膏剤層を上記支持体上に転写することによって
構成してもよい。
【0023】また、上記のような溶剤塗工法の他に、ホ
ットメルト塗工法によって塗工することもできる。
【0024】
【作用】本発明の貼付剤では、メルトインデックスが1
〜8であり、一軸延伸または無延伸の低密度ポリエチレ
ンからなる支持体を用いているため、薬物を安定に保持
させることができ、かつ製剤の形状変化や変色が生じ難
い。また、一軸延伸または無延伸の低密度ポリエチレン
であるため、応力緩和による形状変化の方向が多くとも
一方向であるため、しわや弛み等が生じ難い。さらに、
一軸延伸または無延伸の低密度ポリエチレンは、柔軟性
に優れるため、貼付に際して患者に違和感を与えること
が少ない。
【0025】よって、製剤の劣化を生じさせ易かった溶
解パラメーターが7〜11の薬物または添加物を粘着性
膏剤層中に含有させた場合でも、支持体への浸透や溶解
が生じ難く、従って製剤の劣化の生じ難い貼付剤を構成
することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明することによ
り、本発明をより一層明らかにする。まず、後述の実施
例及び比較例の貼付剤を作製するために、下記の材料を
用意した。
【0027】支持体 支持体を構成する材料として、下記の7種類の合成樹脂
よりなるフィルムを用意した。 Tダイ製低密度ポリエチレン…厚み50μm、メルト
インデックス2。変形率は長さ方向に−4.8%、幅方
向に+0.1%。 厚み15μmのポリエチレンテレフタレートと厚み2
0μmのポリ塩化ビニルからなるラミネートフィルム…
ポリエチレンテレフタレート側に粘着性膏剤層を設け
た。 厚み30μmのポリ塩化ビニルと厚み20μmのポリ
ふっ化ビニリデンからなるラミネートフィルム…ポリ塩
化ビニル側の面に粘着性膏剤層を設けた。 延伸ナイロン…厚み50μm。 ポリエチレンテレフタレート…厚み15μm。 エチレン−ビニルアセテート共重合体…厚み60μ
m。 インフレーション製低密度ポリエチレン…厚み50μ
m。変形率は、長さ方向に−3.1%、幅方向に+1.
5%。
【0028】なお、上記において、変形率は100℃及
び20分における加熱前の長さ方向または幅方向寸法に
対する各変化率を示す。
【0029】粘着性膏剤層 粘着性膏剤層として、下記の2種類のものを用意した。 粘着性膏剤層A…2−エチルヘキシルメタクリレート1
80g、2−エチルヘキシルアクリレート60g及び酢
酸エチル100gを1リットルのコルベンに入れ、80
℃に加熱した後、ラウロイルパーオキサイド0.2gを
シクロヘキサン100gに溶解したものを6時間かけて
添加し、重合した。その結果、重量平均分子量105
万、固形分58%の粘着剤溶液を得た。
【0030】上記のようにして用意した粘着剤溶液と、
薬物としてのインドメタシン(溶解パラメーター:1
2.9)と、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル
(溶解パラメーター:8.5)とを、乾燥後に、粘着剤
80重量%、インドメタシン5重量%及びミリスチン酸
イソプロピル15重量%を含有するように配合し、酢酸
エチルで不揮発分濃度を30重量%に調整した後、混合
機で攪拌・混合し、組成物を均一に溶解させ、粘着性膏
剤層Aの溶液とした。
【0031】粘着性膏剤層B…粘着性膏剤層Aを構成す
るのに用いたのと同一のアクリル系粘着剤溶液と、薬物
としてのペンタエリスリトールテトラニトレート(溶解
パラメーター:10.0)と可塑剤としてのミリスチン
酸オクチルドデシル(溶解パラメーター:8.6)と
を、乾燥後に、粘着剤75重量%、ペンタエリスリトー
ルテトラニトレート15重量%及びミリスチン酸オクチ
ルドデシル10重量%を含有するように配合し、酢酸エ
チルで不揮発分濃度を30重量%に調整した後、混合機
で攪拌・混合し、組成物を均一に溶解させることによ
り、粘着性膏剤層Bの溶液とした。
【0032】貼付剤の製造 上記のようにして用意した粘着性膏剤層Aの溶液または
粘着性膏剤層Bの溶液を、厚み50μmの離型処理を施
したポリエステルフィルム上に均一に塗工し、乾燥させ
ることにより厚み80μmの粘着性膏剤層Aまたは粘着
性膏剤層Bを形成した。次に、上記粘着性膏剤層Aまた
は粘着性膏剤層B上に、上述した〜の支持体をラミ
ネートすることにより、下記の表1に示す実施例1,2
及び比較例1〜9の各貼付剤を得た。
【0033】
【表1】
【0034】上記のようにして得た実施例及び比較例の
貼付剤について、以下の苛酷試験時の外観観察及び苛酷
試験時の薬剤含量安定性を評価した。
【0035】苛酷試験時の外観観察 実施例1,2及び比較例1〜9の各貼付剤をそれぞれ6
×6cm2 の大きさに切断し、アルミ包装材に入れ、ヒ
ートシール包装を施した。次に、60℃で2週間保存し
た後、開封し、保存されていた貼付剤の外観を目視によ
り観察した。結果を、下記の表2に示す。
【0036】苛酷試験時の薬剤含量安定性 実施例1,2及び比較例2,4の貼付剤について、貼付
剤の作製直後と、60℃で2週間保存した後とにおい
て、各貼付剤を2cmの円形の形状に打ち抜き、剥離体
(離型処理を施したポリエステルフィルム)を剥がし、
次にメタノール抽出を行った後、液体クロマトグラフを
用いて薬物量を測定した。抽出前の貼付剤重量と、抽出
後の支持体及び剥離体の合計重量から粘着性膏剤層の重
量を算出し、薬物の含有量を計算した。結果を、下記の
表3に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2から明らかなように、実施例1,2の
貼付剤では、60℃という比較的高温で2週間放置した
としても、着色及び形状変化がまったく認められなかっ
た。これに対して、比較例1〜9の貼付剤では、黄変等
の着色が生じたり、しわが発生したりすることがわか
る。また、比較例4では背面すなわち支持体の粘着性膏
剤層が設けられた側と反対側の面がべたつく現象が見ら
れ、比較例5では粘着性膏剤層と支持体との間で層間剥
離が生じていた。
【0040】また、表3から明らかなように、実施例
1,2では薬物含量がほとんど低下していないのに対
し、比較例2,4で保存後の薬物含量が、かなりの割合
で低下していることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一軸延
伸または無延伸のメルトインデックス1〜8の低密度ポ
リエチレンからなる支持体の片面に、薬物または添加物
を含有する粘着性膏剤層を設けることにより貼付剤が構
成されているため、薬物の含量低下が生じ難く、着色や
形状変化等の製剤の劣化が生じ難い貼付剤を提供するこ
とが可能となる。特に、溶解パラメーターが7〜11で
あり、支持体への浸透や溶解が生じ易くそれによって製
剤の劣化を生じさせ易い薬物や添加物を粘着性膏剤層中
に含有させた場合においても、本発明の貼付剤では上記
支持体を用いているため、上記のような製剤の劣化が生
じ難い。また、一軸延伸または無延伸の低密度ポリエチ
レンにより支持体を構成しているため、柔軟性に優れて
おり、従って貼付に際して患者に違和感を与えることも
ない。
【0042】従って、本発明によれば、薬物含量の安定
性及び製剤としての安定性並びに貼付性のいずれにおい
ても優れた貼付剤を提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/70 401

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックスが1〜8であり、一
    軸延伸または無延伸の低密度ポリエチレンからなる支持
    体と、前記支持体の片面に設けられており、かつ溶解パ
    ラメーターが7〜11の範囲にある薬物または添加物を
    含有する粘着性膏剤層とを備えることを特徴とする、貼
    付剤。
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