JP3123259B2 - アジャスティングシム及びカム - Google Patents

アジャスティングシム及びカム

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JP3123259B2
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隆夫 西岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアジャスティングシム及
びカムの組合せに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車分野においては、省エネル
ギーの観点から、燃費改善が急務となってきている。こ
の対策として、車体重量の軽減化やエンジンの熱効率の
改善と並行し、エンジン等の動力損失の低減が大きな課
題となってきている。エンジンの動力損失の内、動弁系
における損失低減対策としては、主として慣性重量低減
を目的とした部品の軽量化及び、摺動部の摩擦仕事の低
減が検討されている。図1はエンジンの動弁系機構の縦
断面図である。図1において、1はエンジンのシリンダ
ーヘッド、2はカム、3はバルブリフタ、4はアジャス
ティングシム、5は吸排気弁、6はバルブシート、7は
弁バネである。図1に示されているものにおいては、カ
ム2によってバルブリフタ3を駆動しカム2の変位を吸
排気弁5に伝えるようされている。図1からわかるよう
に、バルブリフタ3とカム2との間にはアジャスティン
グシム4が配置されている。アジャスティングシム4は
バルブクリアランスを調整するためのものである。従
来、アジャスティングシム4は鋳鉄や焼結合金が中心と
して用いられている(トライボロジスト、第34巻、第
6号、1989年、PP416)が、軽量化および耐摩
耗性向上を目的としてセラミックスで作製されたものも
ある。
【0003】一方、近年自動車の排気ガス問題による燃
費規制の動きから、車体の軽量化と共に、この動弁系の
フリクションロスの低減が重要な開発課題となってい
る。そこでこのアジャスティングシムにセラミック材料
を用い軽量化を図る場合が考えられるが、このアジャス
ティングシムが動弁系の慣性重量に占める割合が非常に
小さいため、実際の動力損失の改善はほとんど認められ
ないという問題があった。さらにセラミックアジャステ
ィングシムが接触する相手部品である図1のカム2への
攻撃性が高まり、摩耗が激しいという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はカムとアジャ
スティングシムの表面粗度を特定の関係に保つことによ
って上記フリクションロスの低減をしようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、カム
及びアジャスティングシムの接触面の硬度差がビッカー
ズ硬度で300kg/mm2以上アジャスティングシム
の硬度が高く、かつアジャスティングシム及びカムの初
期の十点平均粗さ(Rz)が各々、0.5μm以下及び
3μm以下で、互いの表面粗度の単純二乗平均がカム及
びシム間に発生する最少油膜厚さ(エンジン回転数=1
000〜5000rpmに対応する)に対し下記式1を
満足する範囲に入ることを特徴とするアジャスティング
シム及びカムである。
【0006】
【数2】
【0007】Rc:カムの初期の表面粗度、Ra:アジャ
スティングシムの初期の面粗度 hmin:最小油膜厚さ ここでアジャスティングシム及びカムの面粗度は十点平
均粗さで評価する。
【0008】上記アジャスティングシムとカムを用いた
場合、アジャスティングシムとカムの間の摺動摩擦損失
が大幅に減少し、エンジンの動力損失を低減することが
可能であり、また同時に、カムへの相手攻撃性が低下
し、カムの摩耗も顕著に改善することが可能であるとい
う知見に至ったものである。ここで、式1の値が8を超
えるとアジャスティングシムとカム間の油膜を介しない
直接接触が顕著に生じるため、摺動摩擦損失が増大する
と共に、カムへの攻撃性が増大する場合があるので好ま
しくない。一方、式1の値が1未満の範囲では、アジャ
スティングシム及びカムの表面粗度を向上させるための
機械加工に対する経済性の面で不利である。またアジャ
スティングシムとカムの接触面の硬度差がビッカーズ硬
度で300kg/mm2未満であると、式1の値が範囲
内に入らない場合が生じ、アジャスティングシムとカム
間の摩擦損失が減少しない。
【0009】また、本発明の効果をいっそう顕著にする
ためには、アジャスティングシムの材質が窒化ケイ素系
もしくは酸化ジルコニウム系セラミックスであると、カ
ム材質との硬度差がビッカーズ硬度で、300kg/m
2以上を維持しやすく、またアジャスティングシムの
表面を機械加工したさいに容易に面粗度を向上させるこ
とが可能である。また、アジャスティングシム及びカム
の初期の十点平均高さ粗さ(Rz)が各々、0.5μm
以下及び3μm以下であればエンジン作動時に式1を満
足するのに好ましい。
【0010】本発明により、摺動摩擦損失を大幅に低減
させることができ、動弁系のフリクションロスを顕著に
低減することが可能である。
【0011】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0012】実施例1 表1には、アジャスティングシムの材料に窒化ケイ素
(理論密度99%以上)をカムの材料にはチル鋳鉄を用
いた場合の各種の表面粗度に対する組合せを示す。また
カムとの接触面での両者の硬度をビッカーズ硬度で示
す。これを市販の2000CC自動車用ガソリンエンジ
ンから流用した直接駆動方式OHC動弁機構(シリンダ
ーヘッド)を取り付けたモーターリング装置により、機
関回転数Ne=2000rpmで回転させ、このさいの
摺動摩擦損失の評価はカム軸の駆動モーターの消費電力
を測定し評価した。同評価結果を表1中に示す。この評
価は試験開始後2時間の慣らし作動をした後測定を行
い、測定直後のアジャスティングシム及びカムの表面粗
度を測定する手法を採用した。尚、最小油膜厚さhmin
については、Chengの式(ASME、J.Lub.
Tech.,92巻、1号(1970)を参照し求めた
結果、0.4μmであった。またアジャスティングシム
とカムの硬度差はビッカーズ硬度で650kg/mm2
であった。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2 表2には、アジャスティングシムの材料に窒化ケイ素及
び酸化ジルコニウム(理論密度99%以上)をカムの材
料にはチル鋳鉄を用いた場合の各種の表面粗度に対する
組合せを示す。またカムとの接触面での両者の硬度をビ
ッカーズ硬度で示す。これを市販の2000CC自動車
用ガソリンエンジンから流用した直接駆動方式OHC動
弁機構(シリンダーヘッド)を取り付けたモーターリン
グ装置により、機関回転数Ne=1000rpmで回転
させ、このさいの摺動摩擦損失の評価はカム軸の駆動モ
ーターの消費電力を測定し評価した。同評価結果を表2
中に示す。この評価は試験開始後100時間の慣らし作
動をした後測定を行い、測定直後のアジャスティングシ
ム及びカムの表面粗度を測定する手法を採用した。尚、
最小油膜厚さhminについては、Chengの式{AS
ME、J.Lub.Tech.,92巻、1号(197
0)}を参照し求めた結果、0.2μmであった。また
アジャスティングシムとカムの硬度差はビッカーズ硬度
で650kg/mm2(窒化ケイ素アジャスティングシ
ムの場合)、及び350kg/mm2(酸化ジルコニウ
ムの場合であった。
【0015】
【表2】
【0016】実施例3 実施例2のNo.7及び9のカムノーズの摩耗量を測定し
た結果、No.7については1μm未満であったのに対
し、No.9の場合は5μmであり、本発明による相手攻
撃性の軽減が確認された。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるアジ
ャスティングシムは動弁系の動力損失及び耐摩耗性の改
善を可能とし、内燃機関の燃費、性能及び耐久性を向上
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの動弁系機構の縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダーヘッド 2 カム 3 バルブリフタ 4 アジャスティングシム 5 吸排気弁 6 バルブシート 7 弁バネ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 53/02 F16H 53/02 Z (56)参考文献 特開 昭61−223206(JP,A) 特開 平4−159403(JP,A) 特開 昭51−70133(JP,A) 特開 昭58−192745(JP,A) 特開 昭61−24818(JP,A) 特開 昭59−85407(JP,A) 特開 平2−206001(JP,A) 実開 昭62−106(JP,U) 実開 昭64−45206(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 53/00 - 53/08 F01L 1/04 F01L 1/14 F01L 1/16 F01L 1/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カム及びアジャスティングシムの接触面
    の硬度差がビッカーズ硬度で300kg/mm2以上ア
    ジャスティングシムの硬度が高く、かつアジャスティン
    グシム及びカムの初期の十点平均粗さ(Rz)が各々、
    0.5μm以下及び3μm以下で、互いの表面粗度の単
    純二乗平均がカム及びシム間に発生する最少油膜厚さ
    (エンジン回転数=1000〜5000rpmに対応す
    る)に対し下記式1を満足する範囲に入ることを特徴と
    するアジャスティングシム及びカム。 【数1】 Rc:カムの初期の表面粗度 Ra:アジャスティングシムの初期の面粗度 hmin:最小油膜厚さ ここでアジャスティングシム及びカムの面粗度は十点平
    均粗さで評価する。
  2. 【請求項2】 アジャスティングシムの材質が窒化ケイ
    素系もしくは酸化ジルコニウム系セラミックスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のアジャスティングシム及
    びカム。
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