JP3121651B2 - 適応型モデル予測制御装置 - Google Patents

適応型モデル予測制御装置

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JP3121651B2 JP03339173A JP33917391A JP3121651B2 JP 3121651 B2 JP3121651 B2 JP 3121651B2 JP 03339173 A JP03339173 A JP 03339173A JP 33917391 A JP33917391 A JP 33917391A JP 3121651 B2 JP3121651 B2 JP 3121651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御対象の動特性モデ
ルに基づいて制御応答の未来の動きを予測しそれを考慮
しながら操作量を算出するモデル予測制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プロセス制御の分野で、モデル予
測制御装置がしばしば用いられる。モデル予測制御は、
むだ時間の長いプロセスに対し安定した制御応答を実現
できる、未来目標値を用いたフィードフォワード制御で
追従性を改善できる、多変数プロセスへも適用可能で、
非干渉制御が実現できる、制御対象の正確な動特性モデ
ルを必要とせず、例えばステップ応答から、制御系を容
易に構成できる、予測モデルにプラントの物理的法則や
非線形特性を含めることにより、きめの細かい制御が期
待できる等の特徴がある。
【0003】そこで、これまでに、数多くの予測制御方
式が提案されてきた。これ等は例えば、 (1) 西谷:モデル予測制御の応用、計測と制御Vol.28,
No.11,pp.996-1004(1989) (2) D.W.Clarke & C.Mohtadi:Properties of Generaliz
ed Predictive Control,Automatica 25-6 pp.859(1989)
等に解説されている。
【0004】一般的なモデル予測制御系の構成例を図3
に示す。モデル予測制御演算部2では、まず制御対象で
あるプロセス1の時刻kにおける制御量y(k)と操作
量u(k)を取り込み、応答データ記憶部7へ書き込
む。制御量予測手段10は、応答データ記憶部7の過去
から現在(時刻k)までの操作量u、制御量yに基づ
き、未来の制御量応答の予測値y(k+L),…,y
(k+Np+L−1)を算出する。LおよびNpは予測
長である。これに対し、目標値r(k)を入力された未
来目標軌道生成部15では、未来目標軌道y* (k+
L),…,y* (k+Np+L−1)を生成し、その差
である未来制御偏差信号y(k+i)−y* (k+
i)、(i=L,…,Np+L−1)を算出し、最適操
作量算出部13に送られる。最適操作量算出部13で
は、代表的な例として、次の2次形式評価関数
【数1】 を最小化する最適操作量増分Δu(k)を算出し、初め
のΔu(k)のみ、積分器14へ送る。ここで、Lおよ
びNpは予測長、Nuは制御長、λは重み係数、D(z
-1)は極配置多項式と呼ばれるもので、D(z-1)=1
+d1 -1+…+dn -n、Δu(k+i)は未来操作
量増分で、Δu(k+i)=u(k+i)−u(k+i
−1)である。積分器14では、 u(k)=u(k−1)+Δu(k) により、実際の操作量u(k)を算出し、制御対象1へ
出力する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した一般的なモデ
ル予測制御系では、予測モデルは予め与えられているも
のとされている。しかし、現実にはプロセスの動特性が
不明確だったり、経年変化や非線形特性により予測モデ
ルが変化する場合があり、一つの予測モデルで常に良好
な制御性能を保つのは困難な場合がある。そこで、プロ
セスの入出力データからプロセス動特性モデルを逐次同
定し、予測モデルを逐次修正する適応型モデル予測制御
方式が考えられる。これは、従来の適応制御方式とモデ
ル予測制御方式を組み合わせたものである。
【0006】従来の離散時間適応制御方式では、観測デ
ータのサンプリング周期は一種類であったため、対象の
極めて広い周波数帯域に亘る特性を精度良く同定するの
は困難であった。例えば、G.C.Goodwin,et.al.; “Indi
rect adaptive control:Anintegrated approach”,Pro
ceedings of ACC,pp.2440-2445,1988、L.Ljung;“Syste
m Identification-Theory for the User ”,Prentice-H
all,1987 などでは、ほとんどの適応制御系でつかわれ
る最小2乗法では、サンプリング周期τの観測データに
基づく同定では、周波数レンジ1/100τ〜1/5τ
〔Hz〕の範囲しか精度の高い同定はできないことが指
摘されている。従って、適応制御の起動時には、サンプ
リング周期τを対象の特性に応じて注意深く選定する手
間が必要だった。しかし、現実には、対象の周波数特性
は、事前には不明で、また複数のループを持つ制御系で
は、応答の速いループと遅いループが混在する場合、同
時に両者の設計帯域をカバーする広い周波数帯域にわた
り動特性モデルを精度良く同定することは困難であっ
た。
【0007】このような問題は、適応型モデル予測制御
系でも同様に存在した。すなわち、予測モデルから、す
ぐ先の制御量未来値と、遠い未来の制御量未来値を同時
に精度良く推定するためには、その予測モデルが広い周
波数帯域に亘り高精度に同定されている必要があるが、
上記の問題から、そのような予測は困難であった。
【0008】もう一つの問題は、たとえ広い周波数帯域
にわたり高精度の予測モデルが得られたとしても、それ
らをカバーする制御系を構成するには、細かな制御周期
かつ長い予測範囲を考慮しなければならず、扱う予測応
答の個数が増大し、制御計算量は膨大になるという問題
点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1のサンプル周期によって収集された制御対象の
操作量及び制御量の時系列データを用いて上記制御対象
の動特性モデルを同定して第1動特性モデルを得る第1
同定手段と、第2のサンプル周期によって収集された上
記操作量及び上記制御量の時系列データを用いて上記動
特性モデルを同定して第2動特性モデルを得る第2同定
手段と、上記第1動特性モデルの第1ステップ応答を時
間軸上の第1の範囲に亘って求める第1ステップ応答特
性算出手段と、上記第2動特性モデルの第2ステップ応
答を時間軸上の第2の範囲に亘って求める第2ステップ
応答算出手段と、上記第1及び第2ステップ応答算出手
段により得られたステップ応答各々を時間軸上で結合し
てより広範囲に亘るステップ応答を形成するステップ応
答合成手段と、上記第1動特性モデルに上記操作量及び
上記制御量の時系列データを与えて時間軸上の第1の範
囲に亘って制御量予測値を求める第1制御量予測手段
と、上記第2動特性モデルに上記操作量及び上記制御量
の時系列データを与えて時間軸上の第2の範囲に亘って
制御量予測値を求める第2制御量予測手段と、上記第1
及び第2制御量予測手段により得られた制御量予測値各
々を時間軸上で結合してより広範囲に亘る制御量予測値
を形成する制御量予測値合成手段と、上記ステップ応答
合成手段により形成されたステップ応答及び上記制御量
予測値合成手段により形成された制御量予測値を用いて
与えられた評価関数を最小化する最適操作量を算出して
出力する最適操作量算出手段とを備えることを特徴とす
る。
【0010】
【作用】例えば、最小のサンプリング周期をτ〔sec 〕
とする。この周期でサンプリングしたデータから、通常
の最小2乗法で同定される時系列モデルの有効な周波数
特性推定範囲は、前述のように1/100τ〜1/5τ
〔Hz〕あたりである。同様に、このモデルによる有効
な予測範囲は、例えばτ〜100τ〔sec 〕となる。そ
こで、他のサンプリング周期10τ〔sec 〕でサンプリ
ングしたデータから最小2乗法で同定される時系列モデ
ルの有効な周波数特性推定範囲は、1/1000τ〜1
/50τ〔Hz〕である。同様に、このモデルによる有
効な予測範囲は、10τ〜1000τ〔sec 〕となる。
よって、前者のモデルと合わせれば、1/1000τ〜
1/5τ〔Hz〕の周波数特性、およびτ〜1000τ
の予測範囲が精度良く推定できる。このように、サンプ
リング周期の異なる複数の時系列モデルを複数の同定手
段で同定し、得られた複数の時系列モデルをつなぎ合わ
せれば、広範囲に渡り高精度の周波数特性、あるいは、
予測範囲を推定することができる。
【0011】この効果を示すために図4に示されるよう
な複雑な形状のステップ応答の制御対象に対し、本手法
を適用してみる。この対象は、 G(S) =(1+4s)/( 1+2s+s2 ) + 5e-0.25 /(1+s+s2 ) で表わされ、応答の速いモードと遅いモードが混在して
いる。この対象に対し、上述の手法に従い、サンプリン
グ周期τを、0.1秒、0.2秒、0.4秒、0.8秒
の4通りに選び、夫々のサンプリング周期のデータによ
って同定したモデルの予測ステップ応答を真のプロセス
応答と合せて図5(a)〜(d)に示す。同図におい
て、実線は真のプロセス応答を示し、点線は予測ステッ
プ応答を示している。サンプリング間隔の短いモデルは
ステップのステップ応答の立上がり部分、すなわち、速
いモードの特性を精度良く表わし、サンプリング間隔の
長いモデルはステップ応答の定常特性、すなわち、遅い
モードの特性を精度良く表している。これ等を繋ぎ合せ
れば、従来の単一のモデルによる推定よりもはるかに精
度良くステップ応答あるいは予測応答を推定出来ること
が判る。
【0012】また、それぞれの同定手段は、独立に同定
に必要な量のデータに基づいて同定を実行するので、例
えば細かいサンプリング周期による同定では使用するデ
ータの時間軸上の範囲を狭くすることにより適応速度を
高めることができ、粗いサンプリング周期による同定で
は使用するデータの時間軸上の範囲を広くすることによ
り長時間に亘るプロセス特性を少ない計算量でモデル化
できる。
【0013】モデル予測制御では、設定した予測範囲に
亘る制御量予測値およびステップ応答が最適操作量の計
算に必要になるが、上述の方法により、広い予測範囲に
亘り高精度な制御量予測値およびステップ応答が求めら
れる。
【0014】また、予め予測範囲やサンプリング周期の
適切な値がわからない場合も、可能な限り最小のサンプ
リング周期、最大の予測範囲を取っておけば、良好な制
御が期待できる。
【0015】さらに実際のサンプリング周期の選び方に
関して説明する。最小サンプリング周期をτ〔sec 〕と
し、以下例えば、2τ〔sec 〕,4τ〔sec 〕,…,2
Np-1τ〔sec 〕とNp種類のサンプリング周期を選定す
る。これらは対数スケール軸のグラフにプロットすれば
等間隔となるので、等対数間隔サンプリングと称するこ
とにする。これに対応し、Np個の同定手段を用意し、
結果としてNp個の時系列モデルが得られる。それぞれ
のモデルから最も推定精度の高いと想定される一点の制
御量予測値としてそれぞれy(t+τ),y(t+2
τ),…,y(t+2Np-1τ)(tは現在時刻)を推定
し、これらをモデル予測制御演算に用いる。モデル予測
制御演算では、従来の(1)式のような一定時間間隔の
予測値に関する評価関数のかわりに、等対数間隔サンプ
リング間隔の予測値に関する評価関 を設定し、これが最小となる最適操作量を制御周期毎に
算出することを考える。
【0016】この結果、わずかNp点の予測値を扱うだ
けで、τ〜2Np-1τに亘る長い予測範囲をカバーでき、
しかも必要な制御演算量はせいぜいNp2 のオーダーで
納まるので、時定数の速いループと遅いループを含む多
変数プロセスなどに適している。
【0017】また、(2)式の重み係数γ(i),λ
(i)を調整することにより注目したい予測レンジ、す
なわち制御応答速度を広範囲に亘り自由に調整できる。
例えば、高周波帯域を重視し、速応性を高めたければ、
γ(1) 、γ(2) 、…等のステップ応答の立上り部分の重
みを支配的にすればよい。逆に、低周波帯域を重視し、
緩やかで安定した応答を実現したければ、γ(1) =γ
(2)=…=0と立上りの部分を無視するように重み計数
を設定すればよい。特に、多変数系では、制御ループ毎
に重み係数を変えれば、ループごとに異なる応答速度を
持たせた多変数モデル予測制御系が容易に実現できる。
【0018】
【実施例】図1に本発明のモデル予測制御装置2を示
す。モデル予測制御装置2は、適応動作部3と制御演算
部4に分けられる。適応動作部3では、プロセス1の入
出力データである操作量uと制御量yを入力し、応答デ
ータ記憶部71へ記憶すると同時に、異なる通過帯域を
持つNp個のバンドパスフィルタ5を通した後、Np種
類の異なるサンプリング周期τ,2τ,…,2Np-1τの
サンプラ6によりそれぞれ離散化し、各サンプラにより
得られる応答データを応答データ記憶部72へ記憶す
る。Np個の同定手段8では、それぞれのサンプリング
周期のデータ系列から、適切な長さの応答データを切り
出し、最小2乗法で時系列モデル Ai (z-1)y(k)=Bi (z-1)u(k)+e(k) (3) (i=1,…,Np) ただし、 Ai (z-1)=1+ai1-1+…+ain-ni (z-1)=bi1-1+…+bim-m (ここで、z-1は時間推移演算子である。) を推定する。多変数プロセスの場合は、Ai (z-1),
i (z-1)は行列になる。
【0019】次に、それぞれの時系列モデル(3)式よ
り、ステップ応答算出手段9では、ステップ応答 gi (0),gi (1),…,gi (N) (4) を算出する。算出方法は、 により求められる。多変数プロセスの場合は、g,hは
すべて行列になる。
【0020】また、制御量予測手段10では、応答デー
タ記憶部71に蓄えられた過去の応答データから、対応
するサンプリング周期のデータ u(t−2i-1 τ),…,u(t−(m−1)2i-1 τ) y(t),y(t−2i-1 τ),…,y(t−(n−1)2i-1 τ) (ここで、i=1,…,Np、tは現在時刻である。) を抽出し、次の演算により、操作量が一定の場合の制御
量予測値y(t+2i-1 τ)を算出する。ここで、i=
1,…,Npである。
【0021】 y(t+2i-1 τ)=−ai1y(t)−ai2y(t−2i-1 τ)−… −ainy(t−(n−1)2i-1 τ) +bi1u(t−2i-1 τ)+bi2u(t−2i-1 τ)+… +bimu(t−(m−1)2i-1 τ) (6) ただし、多変数プロセスでは、y,uは縦ベクトル、a
ij,bijは対応するサイズの行列になる。以上が、適応
動作部3における処理である。
【0022】次に、制御演算部4では、Np個の同定手
段により同定されたNp個の時系列モデルから算出され
たステップ応答および、制御量予測値のうち、まずステ
ップ応答合成手段11では、個々のステップ応答(4)
を時間スケールを合わせて合成し、最小サンプリング周
期の一本のステップ応答 g(t),g(t+τ),g(t+2τ), g(t+3τ),…,g(t+2Np-1τ) (7) を求める。ここで、i=1,…,Np、tは現在時刻で
ある。
【0023】具体的な合成方法は、(4)式のうち重な
り合う部分は、それらの平均値を採用し、不足するデー
タは、両側の2点間からの補間計算により求める。この
様子を図6(a)〜同(c)を参照して説明する。例え
ば、4種類のサンプリング周期(Np=4の場合)から
推定された4つのモデルのステップ応答が図6(a)に
示されるg1 (t) 〜g4 (t) のようになったする。この
とき、重なる部分は線形補間 g(t) =αgi (t) +(1−α)gi+1 (t) (αは、gi+1 (t) の左端で1、gi (t) の右端で0である。) により平均化して結合し、図6(c)に示される合成さ
れたステップ応答g(t)を求める。このときの各応答
i (t) の重みαの値は、図6(b)に示されるように
なる。
【0024】一方、有効なステップ応答推定値gi (t)
が間欠的である場合、すなわち、図7に示されるように
1 (t) とg2 (t) とが離れて、両者の間に空白の部分
が生じたときは、例えば線形補間により内挿する。 g(t) =((t 2 −t)g1 (t1 ) +(t− t1 ) g2 (t2 ))/(t2 − t1 ) これにより、ステップ応答g(t) を合成する。以上の手
順で合成されたステップ応答推定値g(t) を離散化する
ことにより、(7) 式のステップ応答系列が得られる。
【0025】以下、このステップ応答を g0 ,g1 ,g2 ,g4 ,g8 ,…,g2 Np-1 (8) と略記する。なお、多変数系では、gi は行列になる。
【0026】次に、制御量予測値合成手段12では、
(6)式から得られた等対数間隔の制御量予測値を並
べ、予測ベクトル y=〔y(t+τ),y(t+2τ), y(t+4τ),…,y(t+2Np-1τ)〕T (9) を作成する。ここで、T は転値を表す。これは、図2に
示すような、制御量予測応答を等対数間隔でサンプリン
グしたものになっている。
【0027】同時に、未来目標値生成部15では、最終
目標値r(t)を受けて、そこまで制御量を追従させる
ための等対数間隔の未来目標値軌道 y* =〔y* (t+τ),y* (t+2τ), y* (t+4τ),…,y* (t+2Np-1τ)〕T (10) を生成する。ここで、T は転値を表す。
【0028】具体的には、例えば適当な時定数Tを与
え、 y* (t+2i-1 τ)=y(t)+(r(t)−y(t)) ・(1−exp(−2i-1 τ/t)) (11) より求める。ここで、i=1,…,Np、tは現在時刻
である。なお、多変数系では、yおよびy* の各要素は
縦ベクトルになり、全体も縦ベクトルになる。
【0029】次に、最適操作量算出手段13では、次の
演算により評価関数(2)式を最小化する最適操作量ベ
クトル Δu=〔Δu(t),Δu(t+τ),…, Δu(t+2Nu-1τ)〕T (12) を、以下の制御演算式で算出する。 Δu=〔GT ΓT ΓG+ΛT Λ〕-1T ΓT Γ(y* −y) (13) ただし、 Γ=diag〔γ(1) ,γ(2) ,…,γ(Np)〕 Λ=diag〔λ(1) ,λ(2) ,…,λ(Nu)〕
【0030】
【数1】 である。
【0031】なお、q入力p出力多変数系の場合は、 Γ=block ・diag〔γ(1)Ip ,γ(2)Ip ,…,γ(Np)I
p〕 Λ=block ・diag〔λ(1)Iq ,λ(2)Iq ,…,λ(Np)I
q〕 ここで、Ipはp×p,Iqはq×qの単位行列であ
る。行列Gは各要素がP×q行列であるサイズNp・p
×(Nu+1)・qのブロック行列になる。
【0032】最後に、積分器14では、(13)式によ
り求められた最適操作量ベクトルのうち、第1要素Δu
(t)のみを取り出し、 u(t)=u(t−τ)+Δu(t) (15) なる演算により、最適操作量u(t)を算出して、プロ
セスへ出力する。こうして、適応型モデル予測制御がな
される。
【0033】本手法の有効性を示すべく、図4に示され
たステップ応答を示す制御対象に本手法を適用した結果
を図8(a)及び同(b)に示す。図4に示される制御
対象は前述したように速いモードと遅いモード度とが混
在した複雑なプロセスである。 この制御対象につい
て、図8(a)に点線で示されるように値が矩形波状に
変化する目標値の曲線が与えられると、本願の適応型モ
デル予測制御装置は同図(b)に示されるように操作量
u(t) を与える。この結果、制御量y(t) は、同図
(a)に点線で示される矩形波状の目標値変化に対して
同図に実線で示されるように良好に追従する。
【0034】なお、本願の請求の範囲記載の構成におい
ては、第1及び第2同定手段を用いているが、両者の機
能を果たす単一の同定手段を用いても同じである。第1
及び第2ステップ応答算出手段を用いているが、両者の
機能を果たす単一のステップ応答算出手段を用いても同
じである。第1及び第2ステップ応答算出手段を用いて
いるが、両者の機能を果たす単一のステップ応答算出手
段を用いても同じである。第1及び第2制御量予測手段
を用いているが、両者の機能を果たす単一の制御量予測
手段を用いても同じである。これらの手段は、公知のコ
ンピュータ処理のアルゴリズムによって実現出来る。更
に、本願の実施例は勿論のこと、少なくとも本願の発明
の要旨を含む技術的な構成は、本願の権利が及ぶもので
ある。
【0035】また、本発明の適応型モデル予測制御装置
は、例えば特願平2−17527号に示した制御条件を
考慮したモデル予測制御方式にも同様に適用できるもの
である。
【0036】また、本発明の適応型モデル予測制御装置
には、例えば特願平3−75333号に示したマンマシ
ンインタフェイスを有することも可能である。
【0037】また、多変数系では、時定数の短いループ
と長いループを同時に考慮した制御系を容易に実現でき
る利点がある。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の適応型モデ
ル予測制御方式は、異なるサンプリング周期によるデー
タ系列によって同定された複数の動的モデルを用い、こ
れ等動的モデル各々を用いて得られる予測出力やステッ
プ応答を結合してより広い範囲に亘る予測出力やステッ
プ応答を得、この広い範囲の予測出力やステップ応答を
用いて最適制御量を演算するので与えられた目標値の変
化に素早く追従し、しかもハンチングの少ない良好な応
答特性が得られる。また、各サンプリング周期が対数で
表される時間軸上において等間隔になるように選定する
ことにより、比較的に少ない制御演算量で広範囲に亘る
精度の良い制御量予測が可能となる。更に、従来の単一
のサンプリング周期によるモデル同定の場合には、制御
系始動の際のサンプリング周期の選定がこれにより同定
されるモデルの特性に大きな影響を与えるために慎重を
要したが、本発明では予測範囲が広いので複数のサンプ
リング周期を大まかに定めても始動時から良好な制御を
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適応型モデル予測制御装置の構成図。
【図2】本発明の予測区間を示すグラフ。
【図3】従来のモデル予測制御装置の構成図。
【図4】ステップ応答の例を示すグラフ。
【図5】異なるサンプリング周期のデータによって同定
されたモデルの予測ステップ応答を示すグラフ。
【図6】ステップ応答が重複する場合の合成方法を説明
する説明図。
【図7】ステップ応答が離間する場合の合成方法を説明
する説明図。
【図8】本願の適応型モデル予測制御装置の効果を説明
するグラフ。
【符号の説明】
1 制御対象 2 モデル予測制御装置 3 適応動作部 4 制御演算部 5 バンドパスフィルタ 6 サンプラ 7 応答データ記憶部 8 同定手段 9 ステップ応答算出手段 10 制御量予測手段 11 ステップ応答合成手段 12 制御量予測値合成手段 13 最適操作量算出手段 14 積分器 15 未来目標値生成部 16 減算器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−217901(JP,A) 特開 平2−292601(JP,A) 特開 平4−309101(JP,A) 足立修一、外2名、「デシメーション を複数個用いたシステム同定法」、計測 自動制御学会論文集、社団法人計測自動 制御学会、平成2年9月30日、第26巻、 第9号、P.1029−1035 大明準治、外3名、「デシメーション を用いた間接的な適応制御のロボットア ームへの適用検討」、第10回適応制御シ ンポジウム資料、社団法人計測自動制御 学会、P.85−88 西谷紘一、「モデル予測制御の応 用」、計測と制御、社団法人計測自動制 御学会、平成元年11月、第28巻、第11 号、P.996−1004 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 - 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のサンプル周期によって収集された制
    御対象の操作量及び制御量の時系列データを用いて前記
    制御対象の動特性モデルを同定して第1動特性モデルを
    得る第1同定手段と、 第2のサンプル周期によって収集された前記操作量及び
    前記制御量の時系列データを用いて前記動特性モデルを
    同定して第2動特性モデルを得る第2同定手段と、 前記第1動特性モデルの第1ステップ応答を時間軸上の
    第1の範囲に亘って求める第1ステップ応答特性算出手
    段と、 前記第2動特性モデルの第2ステップ応答を時間軸上の
    第2の範囲に亘って求める第2ステップ応答算出手段
    と、 前記第1及び第2ステップ応答算出手段により得られた
    ステップ応答各々を時間軸上で結合してより広範囲に亘
    るステップ応答を形成するステップ応答合成手段と、 前記第1動特性モデルに前記操作量及び前記制御量の時
    系列データを与えて時間軸上の第1の範囲に亘って制御
    量予測値を求める第1制御量予測手段と、 前記第2動特性モデルに前記操作量及び前記制御量の時
    系列データを与えて時間軸上の第2の範囲に亘って制御
    量予測値を求める第2制御量予測手段と、 前記第1及び第2制御量予測手段により得られた制御量
    予測値各々を時間軸上で結合してより広範囲に亘る制御
    量予測値を形成する制御量予測値合成手段と、 前記ステップ応答合成手段により形成されたステップ応
    答及び前記制御量予測値合成手段により形成された制御
    量予測値を用いて与えられた評価関数を最小化する最適
    操作量を算出して出力する最適操作量算出手段とを備え
    ることを特徴とする適応型モデル予測制御装置。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2のサンプル周期は対数表
    示された時間軸上において等間隔になるよう定められる
    ことを特徴とする請求項1記載の適応型モデル予測制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記ステップ応答合成手段は、前記時間軸
    上の前記第1の範囲及び前記第2の範囲が重複すると
    き、重複する範囲のステップ応答を前記第1及び第2ス
    テップ応答の平均により求め、前記第1の範囲及び前記
    第2の範囲が離間するとき、離間している区間のステッ
    プ応答を前記第1及び第2ステップ応答の線形補間によ
    り求めることを特徴とする請求項1または2記載の適応
    型モデル予測制御装置。
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足立修一、外2名、「デシメーションを複数個用いたシステム同定法」、計測自動制御学会論文集、社団法人計測自動制御学会、平成2年9月30日、第26巻、第9号、P.1029−1035

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