JP3121118U - 構造物の免震ゴム支承装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛直方向剛性を低くするとともに水平方向の変位が過度に大きくならないようにし、低価格にして普及拡大が図れる構造物の免震ゴム支承装置の提供。
【解決手段】構造物の免震ゴム支承装置1は、上部構造物2と下部構造物3との間に設けられ、前記下部構造物3と前記上部構造物2とを相対的に鉛直面内及び水平面内で変位可能に支承する。複数の補強板とゴム板が積層されて一体化され、一方の取付面に前記下部構造物3が取り付けられる積層ゴム体20と、所定の減衰性能を有し、前記積層ゴム体の他方の取付面に一方の取付面が連結されるとともに他方の取付面に前記上部構造物2が取り付けられる免震積層ゴム体10,110と、前記下部構造物3に固定された前記積層ゴム体20の外周部の少なくとも一部を拘束可能に設けられ、前記積層ゴム体20が水平方向に変位するのを拘束している拘束体32とからなる。
【選択図】 図4

Description

本考案は、橋梁等構造物、建築物を支承するための構造物の免震ゴム支承装置に関する。更に詳しくは、免震性能の向上を図るとともに低価格にして普及拡大に貢献することが可能な構造物の免震ゴム支承装置に関する。
阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)では、いろいろな構造物、建築物が大きな被害を受けた。その建築物、構造物の一つに道路、鉄道等の橋梁があり、橋梁の被害は、橋桁を支承する支承部に集中的に生じていたことが知られている。被害を受けた支承部は、金属(鋼)製の支承装置が多く採用されていた。そのため、地震列島である日本列島に、今後も起こるであろう地震、大地震に備えた対策の一つとして、あまり被害を受けなかったゴム支承装置等を採用することが要望されている。
積層ゴムを用いたゴム支承装置は、薄い鋼板(補強板)とゴムとを交互に重ね合わせ積層したもの(補強板を内蔵した積層ゴム)で、大きな水平変位特性を有するとともに、地震時発生する大きな水平方向の相対変位をゴムの弾性によって吸収しようとするものである。本出願人も装置の鉛直剛性を低く維持することにより回転機能を妨げることがなく、水平方向の変位を一部拘束することで水平剛性を高めることにより構造物に悪影響を及ぼすことがない水平力分散支承装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。
また、ゴムとともに鉛プラグを用いたり、高減衰性ゴムを用いて、構造物、建築物の固有振動数の長周期化を図り、減衰係数を大きくすることによって作用地震力の低減を図り、地震波との共振を防いでゆっくり揺れるようにして荷重を少なくする免震ゴム支承装置と呼ばれているものも開発されている。その一例として、鉛プラグ入積層ゴムを採用した免震ゴム支承装置が知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
さらに、他の例として、ゴム自体に高い減衰性を持たせた免震ゴム支承装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。また、免震ゴム支承構造体において、初期剛性の設定を容易にしたものも知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開2004−011197号公報 特開平09−317822号公報 特開平10−238161号公報 特開2000−097270号公報 特開2003−106008号公報
しかしながら、従来の免震ゴム支承装置では、金属(鋼)製の支承装置に比べて支圧面積が大きく、桁の回転性能をゴムの鉛直方向のひずみ量で満足させることから、免震ゴムの厚さはある程度厚くせざるを得なかった。しかし、免震ゴムの厚みを厚くすると、水平方向の剛性も低くなってしまい、上部構造物の地震時における水平方向の変位(移動量)が過度に大きくなってしまうおそれがあった。すなわち、地震の激しい振動を抑えることはできるが、ゆっくり揺れるように移動する変位を抑えることができない。
そのため、上部構造物が大きく移動することによって他の構造物と衝突して、上部構造物等に悪影響を及ぼしてしまうおそれがあるという問題点が生じていた。しかし、前述した特許文献1から5の技術はこのような問題点を解決するものでなかった。そこで、減衰性能が20%以上あるといわれている免震ゴムを採用した免震ゴム支承装置において、その免震ゴムの性能をフルに発揮させるため、鉛直方向剛性は従来通りのままで水平方向剛性の高い免震支承により変位が過度に大きくならないようにすることができる免震ゴム支承装置の開発が望まれていた。
一方、免震ゴム支承装置は、まだまだ高価なものであり、全国津々浦々にある橋梁等である構造物、建築物の支承装置として採用するには費用負担が大きすぎ現状では採用することができない。そのため、免震ゴム支承装置を低価格にして普及拡大できるようにすることも熱望されている。
本考案は、上述したような技術背景、社会的背景に基づき、従来の問題点を解決するためになされたもので、次の目的を達成する。
本考案の目的は、免震ゴムの性能をフルに発揮させるため、鉛直方向剛性を低くするとともに水平方向の変位が過度に大きくならないようにすることができ、低価格にして普及拡大を図ることができる免震ゴム支承装置を提供することにある。
本考案は、上述した目的を達成するために次の手段をとる。
本考案1の構造物の免震ゴム支承装置は、上部構造物と下部構造物との間に設けられ、前記下部構造物と前記上部構造物とを相対的に鉛直面内及び水平面内で変位可能に支承する免震ゴム支承装置であって、複数の補強板とゴム板が積層されて一体化され、一方の取付面に、前記下部構造物または前記上部構造物が取り付けられる積層ゴム体と、所定の減衰性能を有するように、複数の補強板を内蔵して積層され、前記積層ゴム体の他方の取付面に一方の取付面が連結されるとともに他方の取付面に前記上部構造物または前記下部構造物が取り付けられる免震積層ゴム体と、前記下部構造物または前記上記構造物に固定された前記積層ゴム体の外周部または内周部の少なくとも一部を拘束可能に、前記下部構造物または前記上部構造物に設けられ、前記積層ゴム体が水平方向に変位するのを拘束している拘束体とからなる。
本考案2の構造物の免震ゴム支承装置は、本考案1において、
前記免震積層ゴム体は、減衰特性の高い高減衰性ゴムを材料として製作されたものであることを特徴とする。
本考案3の構造物の免震ゴム支承装置は、本考案1において、
前記免震積層ゴム体は、鉛プラグが埋め込まれ、積層ゴムと前記鉛プラグとの組み合わせによって免震性能を発揮するものであることを特徴とする。
以上、説明したように、本考案の構造物の免震ゴム支承装置は、一般の積層ゴム体と免震積層ゴム体を組み合わせるとともに、積層ゴム体の外周部を拘束体で拘束する構造にしたことにより、鉛直方向の剛性を低くして回転機能を妨げることなく、水平方向の変位の一部を拘束して、免震性能を損なうことがなく構造物が過度に変位してしまうことを防止することができる。
また、従来では、鉛直剛性を低くし、水平剛性を高くするために、形状を過度に大きくする必要があったが、本考案ではその必要がないため、経済的効果を大きくすることができる。このことにより、免震ゴム支承装置の採用が増えてくれば、量産効果によりさらに経済的効果が増大する。
以下、本考案について、図面をもとに、その実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本考案の構造物の免震ゴム支承装置の平面図、図2は、図1をA−A線で切断した断面図、図3は、図1をB−B線で切断した断面図、図4は、本考案の免震ゴム支承装置に地震力が作用して、免震ゴム支承装置が変形した状態を示す橋軸方向の断面図である。
この実施の形態に係る免震ゴム支承装置1は、複数層の補強板を内蔵する積層ゴム体20と、この積層ゴム体20の上部に設けられ、高減衰性ゴムからなる免震積層ゴム体10と、積層ゴム体20下面に固着される下沓31と、免震積層ゴム体10の上面に固着される上沓30とを備え、下部構造物である橋台3と上部構造物である橋桁2の間に設置されるものである。図3,図4は、構造物を橋梁(上部構造物を鋼製の橋桁、下部構造物をコンクリート製の橋台)とした場合、橋軸方向(橋桁の長手方向)に切断した断面図である。なお、この実施の形態の説明は、上部構造物を鋼製の橋桁に、下部構造物をコンクリート製の橋台にして説明を行うが、上部構造物、下部構造物が橋桁、橋台に限定されないことはいうまでもない。
免震積層ゴム体10は、矩形の高減衰性ゴム板と矩形の補強板とが複数層に亘って交互に積層されて一体に加硫成型された第1積層ゴム11である。第1積層ゴム11はゴム自体に高い減衰性能を有する高減衰性ゴムを材料にして製作されたものであることが好適である。すなわち、第1積層ゴム11には、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム等のジエン系ゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等から選択される1種以上のゴムに、カーボンブラック、シリカ、樹脂等の配合剤、また一般的にゴム工業で使用される加硫剤、老化防止剤等より構成される高減衰性ゴムと呼ばれている材料を使用することが好適である。
また、補強板の材質は、例えば鋼が好適である。この補強板には、第1薄鋼板13、第1取付板14及び第1厚鋼板15が含まれる。ここで高減衰性ゴム板の厚さは例えば25mm程度であり、第1薄鋼板13の厚さは例えば3.2mm程度であり、第1取付鋼板14、第1厚鋼板15の厚さは例えば20〜40mm程度である。この第1積層ゴム11は、上側から順に第1厚鋼板15、高減衰性ゴム板、第1薄鋼板13、高減衰性ゴム板、第1薄鋼板13、高減衰性ゴム板、・・高減衰性ゴム板、第1取付鋼板14が積層されて一体加硫成型されたものである。
免震積層ゴム体10の第1積層ゴム11は、高減衰性ゴムが水平方向には柔らかいため、地震の激しい振動をやわらげ、橋桁2の揺れを長周期化するとともに、地震がおさまったあと、高減衰性ゴムの持っている復元力で、橋桁2を元の位置に戻す作用をする。
積層ゴム体20は、矩形のゴム板と矩形の補強板が複数層に亘って交互に積層されて一体加硫成型された第2積層ゴム21で構成されるものである。ここでゴム板の材質は、例えばゴム弾性体であり、補強板の材質は、例えば鋼である。この補強板には、第2薄鋼板23、第2取付鋼板24及び第2厚鋼板25が含まれる。ここでゴム板の厚さは例えば25mm程度であり、第2薄鋼板23の厚さは例えば3.2mm程度であり、第2取付鋼板24、第2厚鋼板25の厚さは例えば20〜40mm程度である。この積層ゴム体20は、上側から順に第2取付鋼板24、ゴム板、第2薄鋼板23、ゴム板、第2薄鋼板23、ゴム板、・・ゴム板、第2厚鋼板25が積層されて一体加硫成型されたものである。
なお、積層ゴム体20は、第2薄鋼板を内蔵したものであるほうが圧縮変形量が少なくて好ましいが、第2薄鋼板を内蔵しない第2取付鋼板、第2厚鋼板が設けられただけのものであってもよい。この免震積層ゴム体10の第1厚鋼板15が、適宜の数の取付ボルト30aにより上沓30に固着されている。また、積層ゴム体20の第2厚鋼板25が、適宜の数の取付ボルト31aにより下沓31に固着されている。さらに、免震積層ゴム体10の第1取付鋼板14と、積層ゴム体20の第2取付鋼板24とが、適宜の数(例えば、この実施の形態では12個)のボルト16、ナット17等で一体に固着されている。免震積層ゴム体10と積層ゴム体20とが一体化されて、免震ゴム支承装置1が構成されている。
そして、適宜の数のアンカーボルト3aにより橋台3に下沓31が固着され、橋桁2に適宜の数の締結ボルト2aにより締結されたソールプレート2bにせん断キー2cを介して上沓30が接続されて、免震ゴム支承装置1が橋梁に設置される。なお、免震積層ゴム体10と積層ゴム体20とは、接着、溶接等で固着されているものであってもよく、免震積層ゴム体10と積層ゴム体20とがはじめから一体に製作されたものであってもよい。
この実施の形態では、第1取付鋼板14または第2取付鋼板24に対向する位置まで、下沓31からストッパブロック(拘束体)32を突設して(立ち上げて)積層ゴム体20の水平方向の変位を拘束している点に特徴があり、ここでは橋軸方向の下沓31の前後にストッパブロック32、32を設けている。ストッパブロック32、32は、第1取付鋼板14、第2取付鋼板24に形成された係合凹部14a、24aに挿入可能に設けられている。すなわち、積層ゴム体20は、ストッパブロック32、32によって、水平面内の橋軸方向及び橋軸と直交する方向の移動すなわち変位することが拘束されている。
なお、取付鋼板に係合孔を形成し、この係合孔にストッパブロックの端部が挿入され、積層ゴム体の水平方向の範囲を拘束するものであってもよい。すなわち取付鋼板とストッパブロックとの係合部位は、積層ゴム体の取付鋼板とストッパブロックとが係合し、積層ゴム体の水平方向の変位を拘束できるものであればどのような形状のものであってもよい。さらに、構造物は橋梁で、上部構造物が橋桁の場合、橋軸方向のみ積層ゴム体の変位を拘束したものであってもよい。
図4は、免震ゴム支承装置1に地震力が作用して、免震ゴム支承装置1が変形した状態を示す橋軸方向の断面図である。この免震ゴム支承装置1によれば、鉛直方向については、積層ゴム体20の厚みと免震積層ゴム体10の厚みの両方が加算された全厚みが有効厚みとして作用するので、鉛直方向の剛性は低く維持される。一方、水平方向については、第1取付鋼板14または第2取付鋼板24がストッパブロック32、32に当接することにより、積層ゴム体20が水平方向に変位することが拘束され、免震積層ゴム体10のみが水平方向に変位することになる(図4参照)。すなわち、免震ゴム支承装置1の水平剛性を高め、地震により、橋桁2が揺れるように移動した場合でも、過度に水平方向に変位することを防止できる。
すなわち、免震積層ゴム体10は、橋桁2等の固有振動数の長周期化を図り、減衰係数を大きくすることによって、地震発生時に作用する地震力の低減を図り、地震波との共振を防いでゆっくり揺れるようにする。しかも、免震ゴム支承装置1は、鉛直剛性を低くしたにもかかわらず、橋桁2がゆっくり揺れるように移動しても、水平方向に大きく変位するのを防止し、所定の範囲内となるように規制している。言い換えると、免震ゴム支承装置1は、一般の積層ゴム体20と免震積層ゴム体10を組み合わせるとともに、積層ゴム体20の外周部をストッパブロック32で拘束する構造にしたことにより、鉛直方向の剛性を低くして回転機能を妨げることなく、水平方向の変位を一部拘束して、免震性能を損なうことがなく橋桁2(上部構造物)が過度に揺れ、他の構造物に衝突するような変位をしてしまうことを防止している。
〔他の実施の形態〕
図5,6に基づいて本考案の他の実施の形態の説明を行う。
図5は、本考案の他の実施の形態を示す免震ゴム支承装置1Aの断面図であり、図3に相当する図、図6は、他の実施の形態の免震ゴム支承装置1Aに地震力が作用して、免震ゴム支承装置1Aが変形した状態を示す橋軸方向の断面図で、図4に相当する図である。
前述した実施の形態では、免震積層ゴム体10を、ゴム自体に高い減衰性能を有する高減衰性ゴムを用いたものとして説明を行っているが、この他の実施の形態の免震積層ゴム体110は鉛プラグ12を積層ゴムに埋め込んだものである。なお、この他の実施の形態の説明では、前述した実施の形態と同一の部位には同一の符号を付与し、詳細な説明は省略している。
この他の実施の形態に係る免震ゴム支承装置1Aは、複数層の補強板を内蔵する積層ゴム体20と、この積層ゴム体20の上部に設けられ、鉛プラグ12を積層ゴムに埋め込んだ免震積層ゴム体110と、積層ゴム体20下面に固着される下沓31と、免震積層ゴム体110の上面に固着される上沓30とを備え、下部構造物である橋台3と上部構造物である橋桁2の間に設置されるものである。
免震積層ゴム体110は、第1積層ゴム111に複数(例えば、4個)の鉛プラグ12を所定の位置に埋め込んだものである。なお、鉛プラグは積層ゴムに一つ埋め込まれたものであってもよい。免震積層ゴム体110は、矩形のゴム板と矩形の補強板とが複数層に亘って交互に積層されて一体に加硫成型された第1積層ゴム111である。ここでゴム板の材質は、例えばゴム弾性体であり、補強板の材質は、例えば鋼である。この補強板には、第1薄鋼板13、第1取付鋼板14及び第2厚鋼板15が含まれる。ここでゴム板の厚さは例えば25mm程度であり、第1薄鋼板13の厚さは例えば3.2mm程度であり、第1取付鋼板14、第1厚鋼板15の厚さは例えば20〜40mm程度である。この第1積層ゴム111は、上側から順に第1厚鋼板15、ゴム板、第1薄鋼板13、ゴム板、第1薄鋼板13、ゴム板、・・ゴム板、第1取付鋼板14が積層されて一体加硫成型されたものである。
鉛プラグ12は、主としてダンパーとしての機能を果たし、せん断方向の振動エネルギを吸収して振動を抑制する作用をする。言い換えると、鉛プラグ12は、第1積層ゴム111の変形に伴って、塑性変形を起こし、地震エネルギーを吸収するとともに、振動をすみやかに減衰させ、地震による変形量を小さく抑える作用をする。すなわち、免震積層ゴム体110は、積層ゴムの作用と鉛プラグ12の作用が協調して働き、地震が発生したときにすみやかに免震性能を発揮する(図6参照)。
免震ゴム支承装置1Aでも、一般の積層ゴム体20と免震積層ゴム体110を組み合わせるとともに、積層ゴム体20の外周部をストッパブロック32で拘束する構造にしたことにより、鉛直方向の剛性を低くして回転機能を妨げることなく、水平方向の変位を一部拘束して、免震性能を損なうことがなく橋桁2(上部構造物)が過度に揺れ、他の構造物に衝突するような変位をしてしまうことを防止している。
以上、本考案の実施の形態について説明したが、本考案は、この実施の形態に限定されることはない。本考案の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更が可能であるであることはいうまでもない。
例えば、免震ゴム支承装置の免震積層ゴム体10,110を上側に、積層ゴム体20を下側に組み合わせたものとしたが、これに限定されることはない。すなわち、免震積層ゴム体10,110を下側に、積層ゴム体20を上側に組み合わせ、積層ゴム体20側の第2厚鋼板を橋桁(上部構造物)2に、免震積層ゴム体10,110側の第1厚鋼板を橋台(下部構造物)3に固定した構成のものであってもよい。その場合には、上沓30側にストッパブロック(拘束体)を設けておけばよい。
さらに、積層ゴム体の外周部を拘束する拘束体で説明を行ったが、積層ゴム体の内周部を拘束するものであってもよい。例えば、積層ゴム体に矩形状の内部孔を形成するとともに、下沓(または上沓)から内部孔に対応する矩形状のストッパブロック(拘束体)を突設し、内部孔にストッパブロックを嵌入したような構成のものであってもよい。
図1は、本考案の免震ゴム支承装置の平面図である。 図2は、図1をA−A線で切断した断面図である。 図3は、図1をB−B線で切断した断面図である。 図4は、地震力の作用により免震ゴム支承装置が変形した状態を示す橋軸方向の断面図である。 図5は、本考案の他の実施の形態の免震ゴム支承装置の断面図であり、図3に相当する図である。 図6は、地震力の作用により他の実施の形態の免震ゴム支承装置が変形した状態を示す橋軸方向の断面図である。
符号の説明
1,1A…免震ゴム支承装置
2…橋桁(上部構造物)
3…橋台(下部構造物)
3a…アンカーボルト
10,110…免震積層ゴム体
11,111…第1積層ゴム
12…鉛プラグ
13…第1薄鋼板
14…第1取付鋼板
15…第1厚鋼板
20…積層ゴム体
21…第2積層ゴム
23…第2薄鋼板
24…第2取付鋼板
25…第2厚鋼板
30…上沓
31…下沓
32…拘束体(ストッパブロック)

Claims (3)

  1. 上部構造物(2)と下部構造物(3)との間に設けられ、前記下部構造物(3)と前記上部構造物(2)とを相対的に鉛直面内及び水平面内で変位可能に支承する免震ゴム支承装置(1,1A)であって、
    複数の補強板とゴム板が積層されて一体化され、一方の取付面に、前記下部構造物(3)または前記上部構造物(2)が取り付けられる積層ゴム体(20)と、
    所定の減衰性能を有するように、複数の補強板を内蔵して積層され、前記積層ゴム体の他方の取付面に一方の取付面が連結されるとともに他方の取付面に前記上部構造物(2)または前記下部構造物(3)が取り付けられる免震積層ゴム体(10,110)と、
    前記下部構造物(3)または前記上記構造物(2)に固定された前記積層ゴム体(20)の外周部または内周部の少なくとも一部を拘束可能に、前記下部構造物(3)または前記上部構造物(2)に設けられ、前記積層ゴム体(20)が水平方向に変位するのを拘束している拘束体(32)と
    からなる構造物の免震ゴム支承装置。
  2. 請求項1に記載された構造物の免震ゴム支承装置であって、
    前記免震積層ゴム体(10)は、減衰特性の高い高減衰性ゴムを材料として製作されたものである
    ことを特徴とする構造物の免震ゴム支承装置。
  3. 請求項1に記載された構造物の免震ゴム支承装置であって、
    前記免震積層ゴム体(110)は、鉛プラグ(12)が埋め込まれ、積層ゴムと前記鉛プラグとの組み合わせによって免震性能を発揮するものである
    ことを特徴とする構造物の免震ゴム支承装置。
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