JP3120922B2 - 薬液注入器具 - Google Patents

薬液注入器具

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JP3120922B2 JP05113903A JP11390393A JP3120922B2 JP 3120922 B2 JP3120922 B2 JP 3120922B2 JP 05113903 A JP05113903 A JP 05113903A JP 11390393 A JP11390393 A JP 11390393A JP 3120922 B2 JP3120922 B2 JP 3120922B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定量の薬液を体内に注
入するための薬液注入器具に関し、更に詳しくは、バル
−ン内に加圧状態で貯蔵された薬液を、一定速度で患者
に注入することができる薬液注入器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗生物質、抗ガン剤、麻酔剤等の
薬液を血管、膀胱等に少しずつ注入する手段として、弾
性材料からなるバルーンに薬液を収納し、バルーンの収
縮力を利用して薬液を人体に持続注入する器具(特開平
4-67873号公報)が知られている。該公報に記載された
薬液注入器具を図8および図9に示す。図8は該薬液注入
器具の全体説明図であって、穿刺針がハウジングの栓体
に穿刺していない状態を示しており、図9は図8に示すハ
ウジングのバルーンに薬液を充填した時の状態を示す拡
大断面図である。図8および図9の薬液注入器具は、バル
ーン42を収納するハウジング43からなるバルーン部e
と、薬液の流量を調節するための流量制御部44を有する
薬液流出部fとからなっている。バルーン42は図9に示す
棒状内軸45と、該内軸45に滑動自在に外装されてなる円
筒状外軸46と、前記内軸45の一端であって外軸46が外装
される側と反対側の端部に内軸と一体に形成された内軸
受け47と、前記内軸45および外軸46を被覆するようにこ
れら両軸の外部に設けられ、その一端が内軸45に密着固
定され、他端が外軸46に密着固定された弾性材料製バル
ーン42とからなっている。またハウジング43の一端には
薬液出入部であるアダプター48が形成されている。薬液
通路51の端部には栓体49が設置され、バルーン42内部へ
の薬液流入時には注射針で薬液を注入し、バルーン42か
らの薬液流出時には図8の注射針50が栓体49を穿刺する
ことによって、薬液は薬液流出部f端部の接続具52に設
けられた穿刺針(図示せず)から人体に注入される構造
をしている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】かかる薬液注入器具
は、バル−ンが大きな変形をしないで一定圧力で薬液を
流出させるために、バル−ン内部に内軸と外軸を設けバ
ル−ンが長軸方向の中心軸に沿って変形するようにし、
更にバル−ン内部の端部に内軸受けを設けることによっ
てバル−ンがハウジングの内壁に沿って変形する構造を
している。しかしながら、かかる薬液注入器具はバル−
ン内部にかかる機構を設けているために薬液注入器具の
小型化が自ずから限定され、患者が携行しながら薬液を
注入する際に問題があった。本発明者はかかる問題を解
決するために鋭意研究した結果、従来薬液を充填したバ
ル−ンの収縮力だけで薬液を人体に注入していたのを、
更にガスの圧力をも加えることによって、簡単な機構で
薬液を人体に注入できることを見出し本発明に到達し
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は加圧
状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部から薬液を流入および
流出させるバルーンと、該バルーンを収納し、バルーン
の外側が薬液を充填したバルーンの圧力より高い圧力で
加圧されたガスが充填されたガス室とからなるハウジン
グと、該ハウジングを形成する壁に設置された前記バル
ーンの開口部を固着した薬液流入部および/または薬液
流出部とガス注入口と、前記薬液流出部から延びた薬液
流通チューブと、該薬液流通チューブに配置された薬液
量を制御するための流量制御部とからなる薬液注入器具
であって、前記流量制御部の薬液上流側には定量弁が設
けられてなる薬液注入器具である。また、本発明は前記
薬液注入器具において、バルーン材料が弾性ゴムまたは
熱可塑性樹脂からなる薬液注入器具である。
【0005】更にまた、本発明は前記薬液注入器具にお
いて、定量弁は、内径が変形可能な弁孔を有するゴム状
弾性体からなるオリフィス体と、該弁孔の内径を調整す
るための調整手段とからなる薬液注入器具である。ま
た、本発明は前記薬液注入器具において、ハウジングに
おけるガス室の占める体積は、人体に注入すべき薬液量
の薬液を充填させたときのバルーンの占める体積少な
くとも0.2倍である薬液注入器具である。更に、本発明
は前記薬液注入器具において、流量制御部は、内径10〜
500μの微細内径のパイプからなる薬液注入器具であ
る。更にまた、本発明は前記薬液注入器具において、定
量弁のオリフィス体の弁孔の内径、薬液上流側の最小
位置から薬液下流側に行くに従って次第に大きくなる薬
液注入器具である。また、本発明は前記薬液注入器具に
おいて、定量弁の弁孔の内径を調整するための調整手段
、オリフィス体を配設した筒状体の薬液上流側の内壁
に形成された螺子部と、前記弁孔入口と連通するための
薬液上流側通路を有する栓体の外壁に形成された螺子部
とが螺合されてなる薬液注入器具である。
【0006】
【作用】本発明は薬液をバル−ン内に充填して膨張した
バル−ンの外側から、該バル−ンの収縮力より大きいガ
ス圧でバル−ンを圧縮することによってバル−ン内の薬
液は薬液流通チュ−ブを経て患者に注入される。バル−
ン内の薬液の患者への注入速度は薬液流通チュ−ブに設
置された流量制御部によって制御される。
【0007】
【実施例】以下実施例で本発明の薬液注入器具の一例を
説明する。図1は本発明の薬液注入器具の一実施例の説
明図、図2は図1のバル−ンに薬液を充填したときのバ
ル−ン部の拡大断面図、図3は図1に示す薬液流通チュ
−ブのコネクタ−とルア−テ−パ−状アダプタ−の拡大
断面図、図4は図3に示すコネクタ−をルア−テ−パ−
状アダプタ−に挿入したときの状態を示す説明図、図5
はシリンジ内薬液をバル−ンに流入させるときの説明図
であってシリンジとバル−ン部が接続していない状態を
示す説明図、図6は図5に示すシリンジから薬液をバル
−ン内へ充填しているときの説明図、図7は流量制御部
の薬液上流側チュ−ブに定量弁を配設した流量制御部付
近の説明図、図8は特開平4-67873号公報に記載されて
いる薬液注入器具の全体説明図、図9は図8に示すハウ
ジングのバル−ンに薬液を充填した時の状態を示す拡大
断面図である。
【0008】図中、aはバルーン部、bは薬液流通チュー
ブ部、1および42はバルーン、2および43はハウジング、
3はガス注入部、4は薬液流出入部、5および44は流量制
御部、6はコネクター部、7はチューブ、8および52は接
続具、9はガス室、10は定量弁、11はロックアダプタ
ー、12は連通パイプ、14は逆止弁、30はオリフィス体、
31は弁孔、32は筒状体、33は栓体、34は雌型螺子部、35
は雄型螺子部、36はキャップ体、37はフィルターを示
す。
【0009】図1において、薬液注入器具はバル−ン部
aと薬液流通チュ−ブbとから構成されている。バル−
ン部aは図2に示すようにハウジング2の内部に薬液が
収容されたバル−ン1と該バル−ンの収縮力より大きい
圧力を有するガスが充填されたガス室9とからなり、薬
液を人体の注入箇所へ移動せしめる駆動部分である。バ
ル−ン1は口部が薬液流出入部4と液密に固着した一端
が閉じられた円筒状または球状の形状をしており、コネ
クタ−部6から薬液を充填することによって膨張する。
円筒状のバル−ンでは半径方向とともに長手方向にも膨
張しうる構造になっている。バル−ン1は、患者への薬
液注入量、注入時間などに応じて種々の大きさ、肉厚の
ものを用いることができ、本発明においては特に限定さ
れるものでない。
【0010】バル−ン1の材料としては弾性ゴムまたは
熱可塑性樹脂が挙げられる。弾性ゴムとしてはシリコ−
ンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジェンゴ
ム、ブタジェンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、
スチレンブタジェンゴム、ペルプレン、クレイトンゴム
などの弾性重合体または天然ゴム、これらの重合体混合
物、またはこれらの物質の添加剤を除去したのち人体に
無害の酸化防止剤を添加した加工物質、またはラミネ−
ト等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリアミド等の未延伸、1軸延伸または2軸延伸
フイルムが挙げられる。
【0011】バル−ン1の口部はハウジング2の壁部に
固着形成された薬液流出入部4とO−リング17によって
液密に固着され、コネクタ−部6を介して薬液流通チュ
−ブbと連通するようになっている。ハウジング2の壁
部の適宜の箇所には、圧力ガスを注入するためのガス注
入部3が設置されており、ハウジング2内に充填された
圧力ガスが外部に逃散しないように、例えばブチルゴム
等のガス遮断性ゴム栓が設置されている。すなわち、穿
刺針をゴム栓に穿刺して圧力ガスをハウジング2内に注
入し、穿刺針をゴム栓から抜刺後ゴム栓によって圧力ガ
スをハウジング内に保持するとともに、圧力ガスはバル
−ン1内の薬液を人体に注入するための駆動力になる。
ガスとしては空気あるいは窒素ガスのような不活性ガス
が使用される。
【0012】ハウジング2におけるガス室9の占める体
積は人体に注入すべき薬液量の薬液を充填させたときの
バルーン1の占める体積少なくとも0.2倍、好ましくは
0.5〜1.0倍である。ガス室9の占める体積がバルーン1の
占める体積0.2倍未満であると、薬液を人体に持続し
て注入するためのガス室の圧力が高くなりすぎる傾向が
ある。ガス室の圧力はバルーン材料、バルーン内の薬液
量等によって異なるが、通常は60mmHg以上、好ましくは
100〜1500mmHgである。その他に、ハウジング2はバルー
ン1が外部の鋭利な物体に触れて破損するのを防止する
とともに、バルーン自体のピンホールなどの欠陥によっ
てバルーン1から液洩れが発生した場合に外部に薬液が
飛散しないように薬液を密封する機能をも果たすもので
ある。
【0013】ハウジング2の一端面はキャップ13により
閉じられており、該キャップ13の中央部分には薬液をバ
ルーン1内に流入させたり、該バルーン1より薬液を所定
箇所に流出させる際に薬液の流路となる薬液通路が形成
されている。薬液通路には、図3〜図6に示されるように
バルーン1側からダックビルタイプの逆止弁14、固定デ
ィスク15およびシール手段16が設けられている。ダック
ビルタイプの逆止弁14は弁の閉鎖端がカモノハシの嘴の
ような形状をしており、バルーン1内部への薬液の流通
は許すが、その逆方向の流れは阻止する構造になってい
る。逆止弁14としては、前記ダックビルタイプの弁のほ
かにも傘弁、フラップ弁、ポペット弁、ボール弁などを
用いることができ、これらの弁材料としては弗素樹脂、
ナイロン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、シリコーン樹脂などが挙げられる。固定ディ
スク15は逆止弁14の基板を支持するものであり、中央部
には薬液の流出流入のための開口部が形成されている。
開口部は薬液流出部および薬液流入部を兼用している。
図1〜図4の薬液注入器具における薬液流出は、図4に示
すように逆止弁14を連通パイプ12で開くことによって行
われるが、図8および図9に示すような薬液注入器具にお
いては、バルーン1内の薬液を栓体49に薬液流通チュー
ブ部fの端部にある注射針50が穿刺されて行われる。
【0015】図3において、接続具であるロックアダプ
タ−11と固定デイスク15により形成された環状凹所18内
には、シ−ル手段16たるO−リングが配設されている。
このO−リングの内径は連通パイプの外径と同一もしく
はそれより小さく、これによって連通パイプ12を薬液通
路内に挿入したときのシ−ル性が高められるようになっ
ている。ロックアダプタ−11は内面がルア−テ−パ−状
に形成されたほぼ円筒状の接続具である。このロックア
ダプタ−11はハウジング2のキャップ13に形成された凹
所内に嵌め込まれている。ロックアダプタ−11の端部外
周には薬液流通チュ−ブbを接続するための突起部19が
形成されている。薬液のバル−ン1への流入は図5およ
び図6に示すように、薬液通路内に注射器のシリンジ21
を挿入し、このシリンジ21の針基22の外周をロックアダ
プタ−11のルア−テ−パ−状の内周面に嵌合し、ロック
アダプタ−11に形成された突起部19とシリンジ21のネジ
部23とを螺合して行う。図6ではシリンジ21の針基22は
ロックアダプタ−11と螺合するように形成されている
が、シリンジ21の針基22の外周をロックアダプタ−11の
ルア−テ−パ−状の内周面に押しつけながら薬液をバル
−ンに流入してもよい。この時、針基22は逆止弁14の入
口側にあり、その長さは逆止弁14に届かない範囲であ
り、バル−ン内への薬液充填時に薬液が薬液流通チュ−
ブb側へ逆流するのを防止する。
【0016】図1において、薬液流通チュ−ブ部bは薬
液流出入部4のロックアダプタ−11と接続するコネクタ
−部6と、薬液量を制御するための流量制御部5と、薬
液流出チュ−ブ7と、接続具8とで構成されている。コ
ネクタ−部6の一端には図3に示すようにロックアダプ
タ−11に接続されたときに、逆止弁14を押し開いてバル
−ン1内部に連通しうる長さを有する連通パイプ12が設
けられている。この連通パイプ12はポリカ−ボネ−ト、
ポリ塩化ビニル、ポリオレフインなどの合成樹脂やステ
ンレスなどの金属で作製することができる。連通パイプ
12はコネクタ−部6の内周面に固着されている。連通パ
イプ12の突出部の長さは、図4にも示されるようにコネ
クタ−部6とロックアダプタ−11が接続されたときにダ
ックビルタイプの逆止弁14を押し広げうる長さに設定さ
れている。これにより逆止弁14の逆止効果が強制的に解
除されて、注入針を用いなくともバル−ン1内に充填さ
れた薬液の流出が可能になる。コネクタ−部側のネジ部
20はロックアダプタ−11に形成された突起部19との螺合
によりバル−ン部aと薬液流通チュ−ブbとの接続が行
われる。この接続は螺合以外に嵌合で行うようにしても
よい。
【0017】図7は流量制御部5の薬液上流側チュ−ブ
に定量弁10を配設した流量制御部5付近の説明図であ
る。流量制御部5は薬液の流量を制御する箇所であり、
例えば図7に示すような内径10〜 500μの微細内径のパ
イプを設置すると、バル−ン1内の薬液の流出速度が遅
くなり、人体への薬液注入時間を長くすることができ
る。パイプの長さは1cm以上で外径は内径の5〜 500倍
の大きさである。パイプの長さが30mmを越えると、図7
に示すような捲縮構造をした微細内径パイプ25を収納し
たケ−ス26を使用すると薬液流通チュ−ブbの長さが短
くなって好ましい。流量制御部5としては、本出願人が
既に出願した特開平2-11160 号公報あるいは特開平3-14
0163号公報に記載された金属製パイプ、合成樹脂製パイ
プ、ガラス製パイプなどが用いられることができる。
【0018】流量制御部5の薬液上流側入口に定量弁10
を設けることによって、流量制御部5に流入する薬液量
をほぼ一定にすることができるので、更に正確に流量を
制御するとともに、ガス室9のガス量を長時間保持する
ことができる。図7の定量弁10は一例であるが、変形可
能なゴム状弾性体からなるオリフイス体30を固着する筒
状体32の薬液上流側に栓体33、薬液下流側にキャップ体
36が装着されており、オリフイス体30の弁孔31の前後
で、その同軸方向に薬液チュ−ブ38、39、薬液通路40、
41が配設された構造をしている。オリフイス体30は薬液
上流側から薬液下流側に通じる弁孔31を有し、該弁孔31
は弁孔入口から入った途中で内径が最小になり、該最小
位置から薬液下流側に行くに従って次第に内径が大きく
なった形状をしている。弁孔31の内径は所望する薬液流
出速度によって随意変更できる。オリフイス体30は筒状
体32の内壁に固着される。筒状体32の薬液流入側の内壁
には雌型螺子部34が形成され、栓体33の雄型螺子部35と
螺合し、栓体33を回転させることによってオリフイス体
30を押圧し、弁孔31の内径を調整する。弁孔31と薬液上
流側チュ−ブcとの間には、バル−ン1内の薬液に含有
されている微小物質を除去するためのフイルタ−37が設
けられていてもよい。フイルタ−37は薬液上流側チュ−
ブcの先端部に設置されるのが好ましく、繊維状物、焼
結物等が使用される
【0019】栓体33はオリフイス体30の弁孔31の入口と
連通するための薬液上流側通路40と、該薬液上流側通路
40と連結した薬液上流側チュ−ブcが装着されており、
栓体33の先端部はオリフイス体30と接し、薬液上流側通
路40の出口とオリフイス体30の弁孔31の入口とは同軸方
向に連通している。栓体33の先端側面部には筒状体32の
雌型螺子部34と螺合する雄型螺子部35が形成されてお
り、栓体33を回転させることによって雄型螺子部35が雌
型螺子部34を移動してオリフイス体30の弁孔31の内径の
大きさを調整し薬液の流出速度を調節する。キャップ体
36はオリフイス体30の弁孔31の出口と連通するための薬
液下流側通路41と、該薬液下流側通路41と連結した薬液
下流側チュ−ブdが配設されている。キャップ体36の一
端はオリフイス体30と接し、筒状体32の内腔に嵌着さ
れ、薬液下流側通路41の入口とオリフイス体30の弁孔31
の出口とは同軸方向に連通している。
【0020】図7の定量弁10において、オリフイス体30
のほぼ中央部には弁孔31が形成され、栓体33を回転させ
ることによって栓体33の先端はゴム状弾性体からなるオ
リフイス体30の環状足部を押圧し、弁孔31の内径が僅か
に変化して薬液流出速度が設定される。弁孔31は弁孔入
口から入った途中で内径が最小になり、該最小位置から
薬液下流側に行くに従って次第に内径が大きくなった形
状をしている。かかる状態で薬液上流側チュ−ブcから
薬液上流側通路40を経て供給された薬液は、オリフイス
体31の入口に形成された凹状空間部を経て弁孔31の入口
に達し、その入口に与える圧力によって弁孔31の内径の
最小位置が微妙に変化する。その結果、常時弁孔31の出
口から流出する薬液の圧力はほぼ一定に保たれる。
【0021】オリフイス体30は変形可能なゴム状弾性体
からなる。ゴム状弾性体の材料としてはスチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、オレフイン系ゴム、フッ
ソ系ゴム、シリコ−ンゴム、ウレタンゴム、クレイトン
ゴム、ペルプレンなどの合成ゴム、天然ゴムなどが挙げ
られる。弾性体の硬度はJIS-A 型によるスプリング式硬
さ試験機で測定した硬度が25〜70度、好ましくは35〜60
度である。硬度が25度未満であると、オリフイス体30が
薬液の圧力によって簡単に変形しすぎる傾向があり、弁
孔31の内径の調整が困難であり、硬度が70度を越えると
僅かの薬液流出圧力の変化に対してオリフイス体30が反
応せず、弁孔31の内径が変化しない傾向がある。弁孔31
の内径は所望する薬液流出速度によって任意に変更可能
であるが、通常は 100〜1000μが好ましい。
【0022】図1の薬液流通チュ−ブbにおいて、流量
制御部5は接続具8から離れた位置に設置される。流量
制御部5からその下流に位置する接続具8までの薬液下
流側チュ−ブdは、その内径が流量制御部5からその上
流に位置する薬液流出部方向へ延びた薬液上流側チュ−
ブcの内径に比較して小さい。薬液下流側チュ−ブdの
内径は薬液上流側チュ−ブcの内径に対して15%〜85
%、好ましくは30%〜70%である。薬液上流側チュ−ブ
cと薬液下流側チュ−ブdの内径の比率は、薬液下流側
チュ−ブdの長さによっても異なる。薬液下流側チュ−
ブdの長さは少なくとも30cmあるのが、腕の温度の影響
を受けなくて好ましい。
【0023】薬液流通チュ−ブbは軟質ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステルなどからなり、その
他端にはルア−テ−パ−状の接続具8が設けられ、接続
具8を介して静脈針やPSVセットなどが接続される。
接続具8には静脈圧などにより薬液が逆流するのを防止
するための逆止弁(表示せず)を装備してもよい。な
お、本発明の薬液注入器具は、特公平3-55142号公報、
特表平1-501451号公報、特開平2-11160号公報、特開平
3-170163号公報等に記載された薬液注入器具にも使用さ
れることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明薬液注入器具は薬液をバル−ン内
に充填して膨張したバル−ンの外側から、該バル−ンの
収縮力より大きいガス圧でバル−ンを圧縮することによ
ってバル−ン内の薬液を患者に注入する機構であるの
で、ハウジング内のバル−ンの操作機構を従来の薬液注
入器具より簡略化して薬液を患者に注入することがで
き、薬液注入器具のコストを下げることができる。ま
た、流量制御部の薬液上流側入口に定量弁を設置するこ
とによって流量制御部に流入する薬液量をほぼ一定にす
ることができ、更に正確に薬液量を制御することができ
るとともにガス室のガス量を長時間保持することができ
患者への薬液の長時間注入が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液注入器具の一実施例の説明図。
【図2】図1のバル−ンに薬液を充填したときのバル−
ン部の拡大断面図。
【図3】図1に示す薬液流通チュ−ブのコネクタ−とル
ア−テ−パ−状アダプタ−の拡大断面図。
【図4】図3に示すコネクタ−をルア−テ−パ−状アダ
プタ−に挿入したときの状態を示す説明図。
【図5】シリンジ内薬液をバル−ンに注入するときの説
明図であってシリンジとバル−ン部が接続していない状
態を示す説明図。
【図6】図5に示すシリンジから薬液をバル−ン内へ充
填しているときの説明図。
【図7】流量制御部の薬液上流側チュ−ブに定量弁を配
設した流量制御部付近の説明図。
【図8】特開平4-67873号公報に記載されている薬液注
入器具の全体説明図。
【図9】図8に示すハウジングのバル−ンに薬液を充填
した時の状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
a バル−ン部 b 薬液流通チュ−ブ部 1 バル−ン 2 ハウジング 3 ガス注入部 4 薬液流出入部 5 流量制御部 6 コネクタ−部 7 チュ−ブ 8 接続具 9 ガス室 10 定量弁 11 ロックアダプタ− 12 連通パイプ 14 逆止弁 30 オリフイス体 31 弁孔 32 筒状体 33 栓体 34 雌型螺子部 35 雄型螺子部 36 キャップ体 37 フイルタ−

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部か
    ら薬液を流入および流出させるバルーンと、該バルーン
    を収納し、バルーンの外側が薬液を充填したバルーンの
    圧力より高い圧力で加圧されたガスが充填されたガス室
    とからなるハウジングと、該ハウジングを形成する壁に
    設置された前記バルーンの開口部を固着した薬液流入部
    および/または薬液流出部とガス注入口と、前記薬液流
    出部から延びた薬液流通チューブと、該薬液流通チュー
    ブに配置された薬液量を制御するための流量制御部とか
    らなる薬液注入器具であって、前記流量制御部の薬液上
    流側には定量弁が設けられてなる薬液注入器具
  2. 【請求項2】 前記バルーン材料は、弾性ゴムまたは熱
    可塑性樹脂からなる請求項1記載の薬液注入器具。
  3. 【請求項3】 前記 定量弁は、内径が変形可能な弁孔を
    有するゴム状弾性体からなるオリフィス体と、該弁孔の
    内径を調整するための調整手段とからなる請求項
    載の薬液注入器具。
  4. 【請求項4】 前記 ハウジングにおけるガス室の占める
    体積は、人体に注入すべき薬液量の薬液を充填させたと
    きのバルーンの占める体積少なくとも0.2倍である
    請求項1〜のいずれかに記載の薬液注入器具。
  5. 【請求項5】 前記 流量制御部は、内径10〜500μの微
    細内径のパイプからなる請求項1〜のいずれかに記
    載の薬液注入器具。
  6. 【請求項6】 前記 定量弁のオリフィス体の弁孔の内径
    、薬液上流側の最小位置から薬液下流側に行くに従っ
    て次第に大きくなる請求項記載の薬液注入器具。
  7. 【請求項7】 前記 定量弁の弁孔の内径を調整するため
    の調整手段、オリフィス体を配設した筒状体の薬液上
    流側の内壁に形成された螺子部と、前記弁孔入口と連通
    するための薬液上流側通路を有する栓体の外壁に形成さ
    れた螺子部とが螺合されてなる請求項記載の薬液注
    入器具。
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