JP3119556B2 - 等化識別装置及び等化識別方法 - Google Patents

等化識別装置及び等化識別方法

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JP3119556B2 JP06087887A JP8788794A JP3119556B2 JP 3119556 B2 JP3119556 B2 JP 3119556B2 JP 06087887 A JP06087887 A JP 06087887A JP 8788794 A JP8788794 A JP 8788794A JP 3119556 B2 JP3119556 B2 JP 3119556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【産業上の利用分野】本発明は、パーシャルレスポンス
検出方式を採用して再生信号を等化する磁気記録再生装
置に好適な等化識別装置及び等化識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル方式の磁気記録再生装
置が開発されている。磁気テープにステップ状に変化す
るディジタル信号を記録すると、記録時の周波数特性が
フラットでなく、テープの磁化反転は理想的なステップ
状にならないことから、再生されるディジタル信号のパ
ルス波形は、裾が広がった山形のパルス波形で、また低
域成分が減衰したものとなる。
【0003】一般に、ディジタル記録において、データ
列の識別を可能とする条件は、符号間干渉がない状態、
即ち、他の符号の識別点における孤立再生波形の振幅が
“0”であることである。このため、孤立再生波形を等
化する等化回路を採用して、識別点における隣接パルス
の干渉を除去するようにしている。
【0004】図19は再生信号をディジタル信号に戻す
従来の等化識別装置を示すブロック図である。図19の
装置はパーシャルレスポンス(1,0,−1)検出方式
を採用した例である。パーシャルレスポンス(1,0,
−1)検出方式では、再生信号を1,0,−1の3値に
変換する。また、図20は等化後のアイパターンを示す
説明図である。
【0005】図19において、磁気テープ1に記録され
ている信号はヘッド2によって再生して、プリアンプ3
に供給する。プリアンプ3は再生信号を増幅してイコラ
イザ4に出力する。イコライザ4は再生信号を等化し
て、図20に示すアイパターンとなるように、周波数振
幅特性及び位相特性を調整する。イコライザ4の出力を
コンパレータ回路5に与える。また、イコライザ4は、
ビットクロックの検出が容易となるように再生信号を等
化してビットP“L”6にも出力する。ビットP“L”
6はイコライザ4の出力からビットクロックを復元し
て、コンパレータ回路5のラッチクロックとして供給す
る。コンパレータ回路5は、イコライザ4の出力が
“1”,“0”,“−1”の3値のいずれであるかを判
別し、“−1”を“1”に変換することにより“1”,
“0”の2値を得ている。
【0006】図21は図19中のコンパレータ回路の具
体的な構成を示す回路図である。
【0007】イコライザ4の出力は比較器7の正極性入
力端及び比較器8の負極性入力端に与える。比較器7
は、正極性入力端に入力される信号レベルが負極性入力
端に印加される識別レベルV1 以上である場合にはハイ
レベル(以下、“H”という)の出力を出力し、小さい
場合にはローレベル(以下、“L”という)の出力を出
力する。また、比較器8は、負極性入力端に入力される
信号レベルが正極性入力端に印加される識別レベルV2
以下である場合には“H”の出力を出力し、大きい場合
には“L”の出力を出力する。
【0008】識別レベルV1 は電圧VCCを与える電源端
子9と電圧VEEを与える電源端子11との間に接続された
可変抵抗R1 によって発生し、識別レベルV2 は電圧V
CCの電源端子10と電圧VEEの電源端子12との間に接続さ
れた可変抵抗R2 によって発生する。例えば、識別レベ
ルV1 は図20のアイ開口の正側の最大値の略1/3の
レベルに設定し、識別レベルV2 はアイ開口の負側の最
大値の略1/3のレベルに設定する。
【0009】イコライザ4の出力が識別レベルV1 以上
である場合には、比較器7の出力は“H”となり比較器
8の出力は“L”となる。イコライザ4の出力が識別レ
ベルV2 以下である場合には、比較器7の出力は“L”
となり比較器8の出力は“H”となる。また、イコライ
ザ4の出力が識別レベルV1 ,V2 の間のレベルである
場合には、比較器7,8の出力は“L”となる。
【0010】比較器7,8の出力はOR回路13に与えて
論理和を求める。下記表1はOR回路13の出力を示して
いる。表1に示すように、イコライザ4の出力が識別レ
ベルV1 以上又は識別レベルV2 以下である場合にはO
R回路13の出力は“H”となり、識別レベルV1 ,V2
の間のレベルでは“L”となる。
【0011】
【表1】 OR回路13の出力はフリップフロップ(以下、FFとい
う)14に与えて、ビットクロックのタイミングで出力す
る。なお、“H”は論理“1”に相当し、“L”は論理
“0”に相当する。こうして、記録データに基づく2値
の識別出力を得る。
【0012】ところで、図19の装置においては、プリ
アンプ3からの再生信号の振幅は常に一定であることが
前提となっている。しかしながら、VTR等の磁気記録
再生装置では、走行変動の発生及びヘッドタッチの不良
等によって、再生信号の振幅が一定とならないことがあ
る。また、機械精度が良好である場合でも、互換再生及
び特殊再生等においては、再生信号の振幅が一定となら
ないことが多い。
【0013】走行変動等によって再生信号の振幅が変動
してイコライザ4出力のアイ開口が変化すると、識別レ
ベルV1 ,V2 はアイ開口の中央からずれたレベルとな
る。例えば、イコライザ4出力のアイ開口が小さくなる
と、+1のレベルの信号であっても識別レベルV1 より
も小さくなって、“0”と判定されることがある。この
ように、コンパレータ回路5は“1”と“0”の判定を
誤ってしまいエラーレートが悪化するという問題があっ
た。
【0014】なお、このような振幅変動を抑制するため
に、磁気記録再生装置の各部の精度を向上させる等の方
法が採用されているが、十分に振幅変動を抑制すること
は困難である。また、特殊再生においては、記憶トラッ
クをヘッドが横切りながらトレースするので、原理的に
振幅変化が発生する。
【0015】図19ではパーシャルレスポンス(1,
0,−1)検出方式の例を説明したが、他の方式におい
てはイコライザ回路の等化特性の相違からアイパターン
の形状は図20と相違する。しかし、3値以上で検出す
る方式を採用すると同様の問題が発生する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来の等化識別装置においては、再生信号の振幅変動に
よってエラーレートが悪化してしまうという問題点があ
った。
【0017】本発明は、再生信号の振幅が変化した場合
でもエラーレートの悪化を抑制することができる等化識
別装置を提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、再生信号の振幅が変化し
た場合でもエラーレートの悪化を抑制することができる
等化識別方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る等化識別装
置は、ディジタル信号が記録されている磁気記録媒体か
らの再生信号の周波数特性及び位相特性を調整して等化
出力を出力する等化手段と、前記等化出力を所定の識別
レベルと比較することにより再生信号を2値化して識別
出力を出力するコンパレート手段と、前記識別レベルを
前記再生信号に基づいて適応的に変化させる識別レベル
設定手段とを具備し、前記識別レベル設定手段は、前記
識別出力の復調信号のエラー数を前記磁気記録媒体の記
録トラックの位置に対応させて検出するエラー検出手段
を有し、このエラー検出手段によって検出された前記記
録トラックの位置に対応したエラーの発生情況に基づい
て前記識別レベルを前記記録トラックの位置に対応させ
て適応的に変化させることを特徴とするものであり、本
発明に係る等化識別方法は、ディジタル信号が記録され
ている磁気記録媒体からの再生信号を所定の検波時定数
で包絡線検波して得た検波出力に基づいて識別レベルを
適応的に設定し、この識別レベルを用いて前記再生信号
を2値化して得た識別出力の復調信号のエラー発生頻度
検出を行うエラー検出手順と、このエラー検出手順によ
ってエラー発生頻度が所定値よりも多いことが検出され
た場合には前記検波時定数を変更して前記識別レベルを
再設定した後前記エラー発生頻度検出を繰返す第1の時
定数制御手順と、前記エラー検出手順によってエラー発
生頻度が所定値よりも少なくなったことが検出された場
合には前記磁気記録媒体に記録されている記録トラック
の各位置に対応させて前記識別出力の復調信号のエラー
発生頻度が最小となるように前記検波時定数を変更する
第2の時定数制御手順とを具備したことを特徴とするも
のである。
【0020】
【作用】本発明の請求項1において、等化手段は再生信
号の周波数特性及び位相特性を調整する。識別レベル設
定手段は再生信号に基づいて識別レベルを適応的に設定
し、コンパレート手段は識別レベル設定手段が設定した
識別レベルを用いて等化手段からの再生信号を2値化し
て識別出力を得る。再生信号の振幅が一定でない場合に
おいても、識別レベルが再生信号に基づいて適応的に変
化するので、再生信号は正確に2値に変換される。
【0021】本発明の請求項11において、記憶手段
は、再生信号の2値化に最適な識別レベルを記憶する。
識別レベル設定手段は記憶手段に記憶された識別レベル
をコンパレート手段に設定する。即ち、識別レベル設定
手段は、再生信号に基づいた識別レベルを常時求める必
要がない。コンパレート手段は識別レベル設定手段が設
定した識別レベルを用いて再生信号を2値化して識別出
力を得る。
【0022】本発明の請求項17においては、エラー検
出手順によって、再生信号の2値化によって得られた識
別出力の復調信号のエラー発生頻度を検出する。2値化
においては、再生信号を所定の検波時定数で包絡線検波
して得た検波出力に基づく識別レベルを用いる。第1の
時定数制御手順によって、エラー発生頻度が所定値より
も少なくなるまで検波時定数を変化させながら2値化が
繰返される。エラー発生頻度が所定値よりも小さくなる
と、第2の時定数制御手順において、記録トラックの各
位置に対応した識別出力のエラー発生頻度が最小となる
ように検波時定数を変化させる。これにより、エラーレ
ートが抑制される。
【0023】本発明の請求項18においては、判別手順
において再生信号が特殊再生によるものであることが判
別されると、特殊再生に対応した最適な識別レベルを記
憶手段から読出して2値化を行う。これにより、再生信
号に基づいた識別レベルを常時求めることなく正確な2
値化が行われる。
【0024】本発明の請求項19において、記録手段
は、磁気記録媒体に記録用ディジタル信号の外に識別レ
ベル設定用ディジタル信号も記録する。識別レベル設定
手段は識別レベル設定用ディジタル信号の再生信号に基
づいて識別レベルを設定する。コンパレート手段は設定
された識別レベルを用いて再生信号を2値化する。例え
ば、識別レベル設定用ディジタル信号として全帯域の成
分を含むパターンを採用することにより識別レベルの設
定が最適化される。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明に係る等化識別装置の一実施
例を示すブロック図である。図1において図19と同一
の構成要素には同一符号を付してある。
【0026】磁気テープ1にはディジタル信号が記録さ
れている。ヘッド2は磁気テープ1の記録信号を再生し
て、再生信号をプリアンプ3に供給する。プリアンプ3
は再生信号を増幅してイコライザ4に出力する。イコラ
イザ4は再生信号を等化して、図20に示すアイパター
ンとなるように、周波数振幅特性及び位相特性を調整す
る。また、イコライザ4はビットクロックの検出が容易
となるように再生信号を等化してビットP“L”6に出
力するようになっている。ビットP“L”6は入力され
た信号に基づいてビットクロックを生成してコンパレー
タ回路22にラッチクロックとして出力する。
【0027】コンパレータ回路22はイコライザ4によっ
て等化された再生信号を識別レベルV1 ,V2 と比較す
ることにより、再生信号が“1”,“0”,“−1”の
3値のいずれであるかを判別し、“−1”を“1”に変
換することにより“1”,“0”の2値を得るようにな
っている。本実施例においては、コンパレータ回路22
は、識別レベルV1 ,V2 を変化させることができるよ
うになっている。コンパレータ回路22の識別レベルは識
別レベル設定回路21によって設定する。識別レベル設定
回路21は、イコライザ4の出力の振幅が大きいときには
識別レベルV1 ,V2 の絶対値を大きな値にし、振幅が
小さいときには識別レベルV1 ,V2 の絶対値を小さな
値に設定するようになっている。例えば、識別レベル設
定回路21はアイ開口率に応じて識別レベルV1 ,V2 を
変化させ、識別レベルV1 を正側の振幅の略1/3に設
定し、識別レベルV2 を負側の振幅の略1/3に設定す
るようになっている。
【0028】このように構成された実施例においては、
磁気テープ1からの再生信号はプリアンプ3によって増
幅された後イコライザ4に与える。イコライザ4は例え
ばパーシャルレスポンス(1,0,−1)検出が可能な
ように、再生信号を等化してコンパレータ回路22に出力
する。また、イコライザ4はビットクロックの検出が容
易となるように再生信号を等化してビットP“L”6に
与える。ビットP“L”6はイコライザ4の出力からビ
ットクロックを生成してコンパレータ回路22に出力す
る。
【0029】コンパレータ回路22はイコライザ4出力の
アイパターンの正側の識別レベルV1 と負側の識別レベ
ルV2 とが識別レベル設定回路21によって設定され、イ
コライザ4出力と識別レベルV1 ,V2 とを比較し、比
較結果に基づいて“1”又は“0”の2値の識別出力を
出力する。即ち、コンパレータ回路22はイコライザ4出
力が識別レベルV1 以上又はV2 以下である場合には
“1”(“H”)の識別出力を出力し、V1 乃至V2 の
間のレベルである場合には“0”(“L”)の識別出力
を出力する。
【0030】いま、再生信号の振幅が比較的大きいもの
とする。この場合には、識別レベル設定回路21は識別レ
ベルV1 を高い値に設定し、識別レベルV2 を低い値に
設定する。例えば、識別レベル設定回路21は、識別レベ
ルV1 を正側の振幅の略1/3に設定し、識別レベルV
2 を負側の振幅の略1/3に設定する。これにより、コ
ンパレータ回路22によって、イコライザ4出力の“1”
と“−1”は正確に“H”に変換され、“0”は確実に
“L”に変換される。
【0031】ここで、再生信号のレベルが低下するもの
とする。この場合には、識別レベル設定回路21は識別レ
ベルV1 を正の比較的小さい値に設定し、識別レベルV
2 を負の比較的大きい値に設定する。例えば、識別レベ
ル設定回路21は、識別レベルV1 を正側の振幅の略1/
3に設定し、識別レベルV2 を負側の振幅の略1/3に
設定する。これにより、コンパレータ回路22によって、
イコライザ4出力の“1”と“−1”は確実に“H”に
変換され、“0”は正確に“L”に変換される。
【0032】このように、本実施例においては、識別レ
ベル設定回路が再生信号の振幅に応じて、識別レベルV
1 ,V2 のレベルを変化させているので、コンパレータ
回路22は正確に再生信号に基づく識別出力を出力するこ
とができる。なお、本実施例は、識別レベル設定の方法
を限定するものではない。
【0033】図2は本発明の他の実施例に係る等化識別
装置を示すブロック図である。図2において図1と同一
の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実
施例は識別レベル設定の方法として再生信号の包絡線の
レベルに応じて設定を行う例を示している。
【0034】コンパレータ回路27はイコライザ4によっ
て等化された再生信号を識別レベルV1 ,V2 と比較
し、再生信号が識別レベルV1 以上である場合には
“1”、V1 乃至V2 の間のレベルである場合には
“0”、識別レベルV2 以下である場合には“−1”と
判別し、“−1”を“1”に変換することにより
“1”,“0”の2値を得るようになっている。
【0035】コンパレータ回路27の識別レベルV1 ,V
2 は再生信号の包絡線に基づいて設定する。即ち、プリ
アンプ3の出力は包絡線検波回路25に与える。包絡線検
波回路25はプリアンプ3出力の再生信号の包絡線を検波
して検波出力を識別レベル設定回路26に出力する。識別
レベル設定回路26は包絡線検波回路25の検波出力に基づ
いて、識別レベルV1 ,V2 を決定するようになってい
る。
【0036】図3は図2中の包絡線検波回路25、識別レ
ベル設定回路26及びコンパレータ回路27の具体的な構成
を示す回路図である。
【0037】プリアンプ3の出力は包絡線検波回路25に
与える。包絡線検波回路25としては、一般的なAM復調
回路等を採用すればよい。本実施例においては、包絡線
検波回路25はアンプ31、ダイオードD1 、コンデンサC
1 及び抵抗R3 によって構成している。プリアンプ3か
らの再生信号はアンプ31によって増幅した後、ダイオー
ドD1 、コンデンサC1 及び抵抗R3 によって包絡線検
波して識別レベル設定回路26のアンプ32に出力する。
【0038】識別レベル設定回路26のアンプ32は検波出
力を増幅する。アンプ32の出力は抵抗R4 及びアンプ33
によって構成されるボリュームによってレベル調整し
て、アンプ33の出力端から識別レベルV1 としてコンパ
レータ回路27の比較器37の負極性入力端に供給する。ま
た、アンプ33からの識別レベルV1 は抵抗R5 を介して
アンプ34にも与える。アンプ34は正極性入力端が基準電
位点に接続され、出力端が抵抗R6 を介して負極性入力
端に接続されており、負極性入力端に入力された識別レ
ベルV1 を反転させて、識別レベルV2 としてコンパレ
ータ回路27の比較器38の正極性入力端に与える。
【0039】コンパレータ回路27は比較器37,38、OR
回路39及びFF40によって構成している。イコライザ4
の出力は比較器37の正極性入力端及び比較器38の負極性
入力端に与える。比較器37はイコライザ4の出力が負極
性入力端の識別レベルV1 よりも大きい場合には“H”
の出力を出力し、小さい場合には“L”の出力を出力す
る。比較器38はイコライザ4の出力が正極性入力端の識
別レベルV2 よりも小さい場合には“H”の出力を出力
し、大きい場合には“L”の出力を出力する。OR回路
39は比較器37,38出力の論理和をFF40に出力する。F
F40はビットP“L”6からのビットクロックのタイミ
ングで論理和出力を識別出力として出力する。
【0040】次に、このように構成された実施例の動作
について図4の説明図を参照して説明する。図4(a)
は互換再生による再生信号が入力された場合の例であ
り、図4(b)は特殊再生による再生信号が入力された
場合の例である。
【0041】イコライザ4によって等化された再生信号
はコンパレータ回路27に与える。一方、プリアンプ3か
らの再生信号は包絡線検波回路25に与える。包絡線検波
回路25は再生信号を包絡線検波して、検波出力を識別レ
ベル設定回路26に出力する。識別レベル設定回路26の抵
抗R4 及びアンプ33から成るボリュームは、検波出力を
レベル調整して、再生信号の包絡線の振幅に比例したレ
ベルの識別レベルV1を発生する。アンプ33からの識別
レベルV1 はコンパレータ回路27の比較器27に与える。
また、識別レベルV1 は抵抗R5 を介してアンプ34にも
与えて反転させ、識別レベルV2 としてコンパレータ回
路27の比較器38に出力する。
【0042】比較器37はイコライザ4の出力が識別レベ
ルV1 以上である場合に“H”の出力をOR回路39に出
力し、比較器38はイコライザ4の出力が識別レベルV2
以下である場合に“H”の出力をOR回路39に出力す
る。イコライザ4の出力が識別レベルV1 乃至V2 であ
る場合には、比較器37,38の出力はいずれも“L”とな
る。こうして、OR回路39からはイコライザ4の出力が
識別レベルV1 以上またはV2 以下で“H”、識別レベ
ルV1 乃至V2 で“L”の識別出力が出力される。この
識別出力はビットクロックのタイミングでFF40から出
力する。
【0043】いま、互換再生による再生信号がプリアン
プ3に入力されるものとする。機器によってトラックの
曲がりが相違する場合、例えば、トラック先頭位置近傍
においてトラックの曲がりが相違する場合には、再生信
号の包絡線の振幅は例えば図4(a)の実線に示すよう
に変化する。例えば、識別レベル設定回路26のボリュー
ムによって、識別レベルV1 を包絡線の正側の振幅の1
/2に設定するものとすると、コンパレータ37の負極性
入力端には、図4(a)の破線に示す識別レベルV1 が
供給される。また、アンプ34によって識別レベルV1 を
反転させて、図4(a)の破線に示す識別レベルV2 が
得られる。これらの識別レベルV1 ,V2 は、図4
(a)に示すように、再生信号の振幅に対して常に一定
の比率を維持する。
【0044】識別レベルV1 以上又は識別レベルV2 以
下のイコライザ4出力をコンパレータ回路27は“H”の
識別出力として出力し、識別レベルV1 乃至V2 の間の
イコライザ4出力をコンパレータ回路27は“L”の識別
出力として出力する。これにより、再生信号の“1”,
“−1”を正確に“H”と判定し、0を正確に“L”と
判定することができる。
【0045】また、特殊再生による再生信号がプリアン
プ3に入力されるものとする。特殊再生においては、ヘ
ッド2が磁気テープ1の記録トラックを横切ってトレー
スするので、再生信号の振幅はトラックの横切りタイミ
ングで極めて小さくなり、例えば図4(b)の実線に示
すものとなる。この場合にも、識別レベル設定回路26
は、包絡線検波出力に基づいて再生信号の振幅に比例し
た識別レベルV1 ,V2を設定する。図4(b)では、
識別レベル設定回路26は、識別レベルV1 を再生信号の
正側の振幅の約1/3とし、識別レベルV2 はV1 を反
転させて作成している。
【0046】例えば、再生信号のレベルが小さいタイミ
ングでは、識別レベルV1 ,V2 の絶対値も小さくなる
ので、コンパレータ回路27は再生信号の“1”,“−
1”を確実に“H”と判定することができる。
【0047】このように、本実施例においては、プリア
ンプ3の出力を包絡線検波して、検波出力に応じて識別
レベルV1 ,V2 を設定しており、再生信号から正確に
識別出力を得ることができる。なお、プリアンプ3の出
力に代えて、イコライザ4の出力の包絡線を検波するよ
うにしてもよい。また、本実施例においてはプリアンプ
3出力の包絡線に基づいて識別レベルを設定している
が、再生信号の振幅に応じた信号を用いて識別レベルを
設定すればよく、包絡線を用いなくてもよい。
【0048】図5は本発明の他の実施例を示すブロック
図である。図5において図2と同一の構成要素には同一
符号を付して説明を省略する。本実施例は包絡線検波回
路の検波時定数をCPU等によって変更可能にした例で
ある。
【0049】特殊再生時においては、再生信号の包絡線
の変化速度は特殊再生速度に比例する。即ち、再生速度
に応じて包絡線の変動時定数が著しく相違することにな
る。また、特殊再生時と互換再生時とにおいても包絡線
の変動時定数は著しく異なる。更に、磁気テープの使用
回数等に応じてドロップアウトの発生頻度及び走行安定
性等が相違するので、再生信号の包絡線の変動時定数は
通常再生時においても頻繁に変化することになる。従っ
て、包絡線の検波時定数を一定にした場合には、包絡線
の細かい変動に追従することができないことがあり、ま
た、逆に、信号の変化に追従して包絡線が一定であるに
も拘らず検波出力が変動してしまうこともある。
【0050】そこで、本実施例においては、包絡線検波
回路の検波時定数を制御可能とすることにより、エラー
レートを一層低減させるようにしている。即ち、包絡線
検波回路41の検波時定数を時定数制御回路44によって制
御するようになっている。図6は図5中の時定数制御回
路及び包絡線検波回路41の具体的な構成を示す回路図で
ある。
【0051】包絡線検波回路41のアンプ31にはプリアン
プ3又はイコライザ4の出力を与える。包絡線検波回路
41のダイオードD1 のカソードはコンデンサC1 を介し
て基準電位点に接続されると共に、抵抗R8 ,R9 ,R
10を介して基準電位点に接続される。抵抗R8 ,R9 の
接続点及び抵抗R9 ,R10の接続点は夫々スイッチSW
の端子a,bを介して基準電位点に接続している。スイ
ッチSWが端子a,b,cを選択することにより、コン
デンサC1 に並列接続される抵抗値が変化し、検波時定
数が変化するようになっている。包絡線検波回路41はプ
リアンプ3出力の包絡線を検波して検波出力を識別レベ
ル設定回路26に出力する。
【0052】図5においてコンパレータ回路27からの識
別出力は復調回路42に与える。復調回路42は識別出力を
復調してエラー訂正回路43に出力する。エラー訂正回路
43は復調出力をエラー訂正して図示しない伸張回路等に
出力すると共に、エラーの存在を示すエラーフラグを時
定数制御回路44に出力するようになっている。
【0053】エラーフラグは、図6に示すように、時定
数制御回路44のCPU48に与える。CPU48にはシステ
ムコンピュータ45から倍速数のデータも与える。CPU
48は倍速数及びエラーフラグに基づいて、スイッチSW
を切換えるための設定値を発生させる。即ち、メモリ47
は倍速数に応じた検波時定数の設定値を格納しており、
CPU48は倍速数のデータに基づく検波時定数の設定値
をメモリ47から読出してスイッチSWに与える。また、
CPU48は、エラーフラグに基づいてエラー改善効果を
検出し、エラー改善効果が大きくなるように検波時定数
を調整するための設定値をスイッチSWに出力するよう
になっている。スイッチSWはCPU48からの設定値に
基づいて端子a,b,cを切換え選択する。
【0054】次に、このように構成された実施例の動作
について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0055】プリアンプ3からの再生信号は包絡線検波
回路41に与える。包絡線検波回路41はプリアンプ31によ
って再生信号を増幅した後、ダイオードD1 、コンデン
サC1 及び抵抗R8 乃至R10によって包絡線検波して検
波出力を識別レベル設定回路26に出力する。識別レベル
設定回路26は検波出力に基づいて識別レベルV1 ,V2
を設定し、コンパレータ回路27は設定された識別レベル
V1 ,V2 を用いて再生信号を2値化する。コンパレー
タ回路27からの識別出力は復調回路42によって復調しエ
ラー訂正回路43によってエラー訂正して、エラーフラグ
が時定数制御回路44に与えらる。
【0056】通常再生時には、時定数制御回路44のCP
U48は、図7のステップS1 から処理をステップS4 に
移行して、エラーフラグ発生頻度が多いか否かを判定す
る。エラーフラグの発生頻度が多い場合には、ステップ
S6 においてCPU48は検波時定数を変化させるための
設定値をスイッチSWに出力する。これにより、スイッ
チSWが切換わり、包絡線検波回路41の検波時定数が変
化して、識別レベルV1 ,V2 の変動が調整される。C
PU48は、ステップS4 においてエラーフラグの発生頻
度が所定値以下に低下するまで、ステップS6 の処理を
繰返す。エラー発生量が所定値以下に低下すると、CP
U48は次のステップS5 に移行して、トラック内の各部
分において最もエラーレートが低下するように、1トラ
ック内で設定値を調整する。これにより、識別出力の復
調出力のエラーレートが十分に小さな値となる。
【0057】ここで、特殊再生時の再生信号が包絡線検
波回路41に入力されるものとする。システムコンピュー
タ45は再生倍速数のデータを時定数制御回路44のCPU
48に出力する。CPU48は図7のステップS1 におい
て、通常再生に基づく再生信号であるか否かを判断し、
次のステップS2 において倍速数のデータから特殊再生
の倍速数を求める。CPU48は、ステップS3 において
メモリ47から倍速数に応じた設定値を読出してスイッチ
SWに出力する。これにより、スイッチSWは切換わ
り、包絡線検波回路41は、再生信号の振幅変動時定数に
対応した良好な検波時定数で再生信号の包絡線を検波す
る。
【0058】このように、本実施例においては、包絡線
の検波時定数を再生信号の振幅変動時定数に基づいて制
御しており、識別出力に基づく復調出力のエラーレート
を低減することができるという効果を有する。なお、図
7では、特殊再生時には、メモリ47からの設定値をその
まま用いているが、エラーレートに基づいて設定値を調
整してもよいことは明らかである。
【0059】図8は本発明の他の実施例を示すブロック
図である。図8において図2と同一の構成要素には同一
符号を付して説明を省略する。
【0060】本実施例はプリアンプ3からの再生信号を
フィルタ51を介して包絡線検波回路25に与えている点が
図2の実施例と異なる。フィルタ51は例えば高域成分を
通過させるハイパスフィルタを用いる。
【0061】再生信号は一般的に全帯域に亘って均一な
再生出力が得られているとは限らない。例えば、トラッ
クの先頭近傍等のように磁気テープ1とヘッド2とのヘ
ッドタッチが不良である場合には、再生信号は最高周波
数近傍の周波数帯域において十分な出力が得られない。
また、記録時に最高周波数まで十分記録されないことも
ある。これらの場合には、中低域の信号成分に比して高
域の信号成分のレベルは低い。しかし、この場合でも、
中低域の信号成分は十分なレベルで再生されることか
ら、再生信号の包絡線は振幅一定となる。従って、単に
再生信号の包絡線に基づいて識別レベルV1 ,V2 を設
定すると、再生信号の高域成分については識別誤りが発
生することがある。
【0062】なお、トラック全域の周波数特性の劣化は
イコライザ4によって補正することができるが、トラッ
クの先頭近傍のみの周波数特性をイコライザ4によって
補正することはできない。そこで、本実施例において
は、再生信号の高域の包絡線に基づいて識別レベルV1
,V2 を設定することにより、エラーレートを低減す
るようにしているのである。
【0063】次に、このように構成された実施例の動作
について図9の説明図を参照して説明する。図9(a)
はプリアンプ3からの再生信号の包絡線を示し、図9
(b)はフィルタ51の特性を示し、図9(c)はフィル
タ51の出力を示している。
【0064】プリアンプ3の出力はフィルタ51に与え
る。プリアンプ3の出力を包絡線検波した場合の検波出
力が図9(a)に示すものであるものとする。図9
(a)の包絡線の立上がり部分は、トラックの先頭位置
に対応している。トラックの先頭位置においてはヘッド
タッチが不良であることから再生信号の高域成分のレベ
ルは低い。従って、フィルタ51によって、図9(b)に
示すように、再生信号の高域を通過させると、フィルタ
51の出力は図9(c)に示すものとなる。
【0065】即ち、フィルタ51の出力はトラックの先頭
位置において他の部分よりもレベルが低い。包絡線検波
回路25はフィルタ51の出力を包絡線検波し、識別レベル
設定回路21は包絡線検波回路25からの検波出力に基づい
た識別レベルV1 ,V2 を設定する。これにより、識別
レベルV1 ,V2 の絶対値はトラックの先頭位置におい
て他の部分よりも低いレベルとなる。こうして、トラッ
クの先頭位置において高域成分が記録された場合でも、
正確な識別が可能となる。
【0066】このように、本実施例においては、高域成
分に基づいて識別点を設定しているので、図2の実施例
よりも一層エラーレートを低減させることができる。な
お、フィルタ51としては一般的な構成のものを使用すれ
ばよい。また、フィルタの時定数は固定であるものとし
て説明したが、装置毎に周波数特性が異なるので、CP
U等によってフィルタの時定数を制御可能にしてもよ
い。
【0067】図10は本発明の他の実施例を示すブロッ
ク図である。図10において図5と同一の構成要素には
同一符号を付して説明を省略する。本実施例は再生され
た信号の各部のエラーレートの発生状況に応じて、識別
レベルをトラック内で適応的に変化させる例である。
【0068】本実施例はシステムコンピュータ45、時定
数制御回路44及び包絡線検波回路41を削除してエラーレ
ート把握回路55を採用すると共に、識別レベル設定回路
26に代えて識別レベル設定回路56を採用した点が図5の
実施例と異なる。識別レベル設定回路56はエラーレート
把握回路55からの制御信号によって制御されて、識別レ
ベルV1 ,V2 を設定するようになっている。エラーレ
ート把握回路55はエラー訂正回路43からエラーフラグ及
びスイッチングパルスを入力する。
【0069】図11は図10中のエラーレート把握回路
55の具体的な構成を示すブロック図である。
【0070】エラー訂正回路43からのエラーフラグはエ
ラー発生に同期したフラグである。CPU58はスイッチ
ングパルスのタイミングでエラーフラグの発生量を求め
る。CPU58は求めたエラーフラグの発生量をトラック
の各部の位置に対応させてメモリ57に記憶させる。こう
して、トラック各部におけるエラー分布を求めて記憶さ
せると、CPU58は識別レベルを変化させるための制御
信号を出力する。D/A変換器59はCPU58からの制御
信号をアナログ信号に変換して識別レベル設定回路56に
出力する。CPU58は識別レベルが変化する毎にトラッ
ク各部のエラー分布を求めてメモリ57に記憶させる。C
PU58は、メモリ57に記憶されたエラーレートをトラッ
ク各部毎に比較し、最も低いエラーレートを与える識別
レベルを設定するための制御信号をトラックの各部に対
応するタイミングで出力する。
【0071】次に、このように構成された実施例の動作
について図12のタイミングチャート及び図13のフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0072】エラー訂正回路43は復調出力のエラーに同
期したエラーフラグをエラーレート把握回路55に出力す
る。エラーレート把握回路55は、図13のステップS11
において、エラーフラグの発生量を求める。即ち、CP
U58は図12(b)のスイッチングパルスが与えられる
と、図12(a)に示す各区間t1 ,t2 ,…tm のエ
ラーフラグ発生量を求める。次に、CPU58はエラーフ
ラグの発生量をトラックの各部の位置に対応させてメモ
リ57に記憶させる(ステップS12)。
【0073】次のステップS13では、CPU58は識別レ
ベルを変更する必要があるか否かを判断する。メモリ57
に所定の識別レベルに対応したエラー分布が全て記憶さ
れていない場合等には、処理をステップS14に移行して
CPU58は識別レベルを変更するための制御信号を出力
する。この制御信号はD/A変換器59によってアナログ
信号に変換して識別レベル設定回路56に与える。
【0074】識別レベル設定回路56は制御信号に基づい
て識別レベルV1 ,V2 を変化させてコンパレータ回路
27に与える。コンパレータ回路27は、識別レベルV1 ,
V2を用いてイコライザ4からの再生信号を2値化して
復調回路42に出力する。エラー訂正回路43は復調出力の
エラーの存在を示すエラーフラグをエラーレート把握回
路55に出力する。以後、ステップS11乃至S14のループ
を繰返して、複数の識別レベル毎にトラックの各部分の
エラー発生量を求める。
【0075】次に、CPU58は、トラック各部について
識別レベル毎のエラー発生量を比較して、トラックの各
部毎に最小のエラー発生量を与える識別レベルを求め
る。CPU58は、この識別レベルを設定するための制御
信号をトラックの各部に対応するタイミングで出力す
る。制御信号はD/A変換器59によってアナログ信号に
変換した後識別レベル設定回路56に出力する。識別レベ
ル設定回路56は、トラックの各部毎に制御信号によって
識別レベルの設定を変更する。識別レベル設定回路56か
らの識別レベルV1 ,V2 はコンパレータ回路27に与え
て、再生信号の2値化に用いる。
【0076】このように本実施例においては、エラーレ
ートを最小とするように、識別レベルをトラックの各部
分毎に設定しているので、互換再生及び特殊再生時にお
いてもエラーレートの悪化を抑制することができる。
【0077】図14は本発明の他の実施例を示すブロッ
ク図である。図14において図10と同一の構成要素に
は同一符号を付して説明を省略する。
【0078】本実施例はエラーレート把握回路55を省略
してシステムコンピュータ61及び制御回路62を備えた点
が図10の実施例と異なる。本実施例は特殊再生時等に
おいて予めエンベロープの変化を予想することができる
場合に対応したものである。
【0079】システムコンピュータ61は特殊再生におけ
る倍速数のデータを制御回路62に出力する。制御回路62
としては例えば図11のエラーレート把握回路と同様の
構成であり、例えば倍速数に応じて識別レベルを制御す
るための制御データを格納するメモリを有している。上
述したように、特殊再生時には最適な識別レベルが再生
位置に応じて変化するので、メモリは各倍速数毎に最適
な識別レベルの変化に対応した一連の制御データを格納
している。制御回路62は倍速数のデータに対応する制御
データを再生位置に対応させて順次読出して、アナログ
信号に変換した後識別レベル設定回路56に出力するよう
になっている。
【0080】このように構成された実施例においては、
特殊再生時には、システムコンピュータ61から倍速数の
データが制御回路62に供給される。制御回路62は倍速数
に対応した一連の制御データをメモリから読出してアナ
ログ信号に変換し、再生位置に対応させて識別レベル設
定回路56に出力する。識別レベル設定回路56は倍速数に
応じて識別レベルを順次変更する。これにより、コンパ
レータ回路27からの識別出力の復調出力のエラーレート
を低減させることができる。
【0081】図15は本発明の他の実施例を示すブロッ
ク図である。図15において図2と同一の構成要素には
同一符号を付して説明を省略する。本実施例は、互換再
生等のように、再生信号の包絡線の変化が各トラックで
略一致する場合に適用したものである。
【0082】本実施例は包絡線検波回路25と識別レベル
設定回路26との間に制御回路65が設けられた点が図2の
実施例と異なる。図16は図15中の制御回路の具体的
な構成を示すブロック図である。
【0083】包絡線検波回路25の出力はスイッチSW2
の端子bを介して識別レベル設定回路26に与えると共
に、A/D変換器68にも与える。A/D変換器68は検波
出力をディジタル信号に変換してCPU66に与える。C
PU66はA/D変換器68から最適な識別レベルに対応す
る検波出力が与えられることになり、この検波出力を例
えば各トラック毎にメモリ69に格納する。
【0084】CPU66は各トラック毎の検波出力の変化
の平均を求め、求めた平均値をメモリ69に与えて記憶さ
せると共に、D/A変換器67を介して出力する。D/A
変換器67は入力された平均値をアナログ信号に変換して
スイッチSW2 の端子aを介して識別レベル設定回路26
に出力するようになっている。
【0085】次に、このように構成された実施例の動作
について図17のフローチャートを参照して説明する。
【0086】先ず、識別開始直後においては、識別レベ
ル設定回路26には包絡線検波回路25の出力をスイッチS
W2 を介して供給する。識別レベル設定回路26は検波出
力に基づいて識別レベルV1 ,V2 を設定することによ
り、コンパレータ回路27における識別を正確なものとす
る。
【0087】一方、スイッチSW2 からの検波出力はA
/D変換器68にも与える。A/D変換器68は識別レベル
に対応した検波出力をディジタル信号に変換してCPU
66に与える。こうして、図17のステップS21におい
て、CPU66には最適な識別レベルに対応した検波出力
が入力されることになり、CPU66は各トラック毎に検
波出力の変化をメモリ69に記憶させる。
【0088】例えば、互換再生時には、最適な識別レベ
ルの変化、即ち、検波出力の変化は各トラック毎に略一
致するものと考えられる。CPU66は、例えば数トラッ
ク分の検波出力を取込むと、次のステップS22におい
て、1トラック分の検波出力の変化の平均を求める。C
PU66は次のステップS23で求めた平均値をメモリ69に
記憶させる。
【0089】次に、CPU66はステップS24においてス
イッチSW2 に端子aを選択させ、トラックの再生位置
に対応させてメモリ69から読出した平均値をD/A変換
器67によってアナログ信号に戻した後に識別レベル設定
回路26に出力する。以後、メモリ69に格納された検波出
力の平均値を識別レベル設定回路26に与えて、識別レベ
ルを設定する。
【0090】このように、本実施例においては、最適な
識別レベルの変化を検波出力の変化によって学習し、学
習後は記憶した検波出力の変化に基づいて識別レベルを
設定するようになっており、互換再生等のように、各ト
ラックの識別レベルの変化が略一定である場合におい
て、最適な識別レベルを調べることなく、略最適な識別
レベルを設定することができるという利点がある。
【0091】なお、本実施例においては、再生信号の包
絡線検波出力に基づいて識別レベルを設定する例につい
て説明したが、他の方法によって識別レベルを設定する
場合にも適用することができることは明らかである。
【0092】図18は本発明の他の実施例を示すブロッ
ク図である。図18において図1と同一の構成要素には
同一符号を付して説明を省略する。
【0093】本実施例は、再生側においては、識別レベ
ル設定回路21が設定する識別レベルを記憶可能な制御回
路71を設けた点が図1の実施例と異なる。また、本実施
例においては、記録側において、パターン発生回路72、
パターン発生回路72の出力と通常の記録信号とを選択す
るスイッチSW3 、アンプ74及びヘッド75を備えてい
る。パターン発生回路72は例えば低域から高域までの成
分を有する所定のパターンである。
【0094】このように構成された実施例においては、
記録時に先ずパターン発生回路72からの所定のパターン
をスイッチSW3 を介してアンプ74に与え、増幅した後
ヘッド75によって磁気テープ1に記録する。次いで、ス
イッチSW3 を切換えて通常の記録信号を磁気テープ1
に記録する。
【0095】本実施例においては、時々刻々変化する再
生信号から最適な識別レベルを求めるのではなく、記録
再生時の特性に基づく識別レベルを所定のパターンを用
いて求め、求めた識別レベルを用いて再生信号を2値化
するものである。再生信号が低域から高域の全域の成分
を含まないことがあるので、全域の成分を含む所定のパ
ターンを用いて識別レベル設定回路21において最適な識
別レベルを求める。
【0096】この識別レベルは制御回路71によって記憶
する。通常の記録信号に対応する再生信号がコンパレー
タ回路22に入力されると、制御回路71は記憶した識別レ
ベルを識別レベル設定回路21を介してコンパレータ回路
22に与える。これにより、略最適な識別レベルに基づい
て2値化を行うことができる。
【0097】上記各実施例においては、識別レベルを記
憶する手段としてメモリを用いた例を説明したが、他の
記憶手段を採用してもよい。例えば、バーコード又はM
IC(メモリインカセット)等の記憶手段を用いてもよ
く、この場合には、磁気テープを収納するカセットのカ
セット情報と共に識別レベルを記憶させることにより、
このカセットを再生装置にセットするだけで、最適な識
別レベルを設定することも可能となる。
【0098】また、本発明は、具体的な回路等について
は上記各実施例の回路に限定されるものではない。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、再
生信号の振幅が変化した場合でもエラーレートの悪化を
抑制することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る等化識別装置の一実施例を示すブ
ロック図。
【図2】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示す
ブロック図。
【図3】図2中の包絡線検波回路、識別レベル設定回路
及びコンパレータ回路の具体的な構成を示す回路図。
【図4】図2の実施例の動作を説明するための説明図。
【図5】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示す
ブロック図。
【図6】図5中の包絡線検波回路及び時定数制御回路の
具体的な構成を示す回路図。
【図7】図5の実施例の動作を説明するためのフローチ
ャート。
【図8】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示す
ブロック図。
【図9】図8の実施例の動作を説明するための説明図。
【図10】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示
すブロック図。
【図11】図10中のエラーレート把握回路の具体的な
構成を示すブロック図。
【図12】図10の実施例の動作を説明するためのタイ
ミングチャート。
【図13】図10の実施例の動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図14】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示
すブロック図。
【図15】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示
すブロック図。
【図16】図15中の制御回路の具体的な構成を示すブ
ロック図。
【図17】図15の実施例の動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図18】本発明の他の実施例に係る等化識別装置を示
すブロック図。
【図19】従来の等化識別装置を示すブロック図。
【図20】パーシャルレスポンス(1,0,−1)検出
方式における等化後のアイパターンを示す説明図。
【図21】図19中のコンパレータ回路の具体的な構成
を示す回路図。
【符号の説明】
4…イコライザ、21…識別レベル設定回路、22…コンパ
レータ回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/10 321 G11B 20/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル信号が記録されている磁気記
    録媒体からの再生信号の周波数特性及び位相特性を調整
    して等化出力を出力する等化手段と、 前記等化出力を所定の識別レベルと比較することにより
    再生信号を2値化して識別出力を出力するコンパレート
    手段と、 前記識別レベルを前記再生信号に基づいて適応的に変化
    させる識別レベル設定手段とを具備し、 前記識別レベル設定手段は、前記識別出力の復調信号の
    エラー数を前記磁気記録媒体の記録トラックの位置に対
    応させて検出するエラー検出手段を有し、このエラー検
    出手段によって検出された前記記録トラックの位置に対
    応したエラーの発生情況に基づいて前記識別レベルを前
    記記録トラックの位置に対応させて適応的に変化させる
    ことを特徴とする等化識別装置。
  2. 【請求項2】 前記識別レベル設定手段は、前記再生信号を包絡線検波して検波出力を出力する包絡
    線検波手段と、 前記検波出力のレベルに比例した信号とその反転信号と
    を前記識別レベルとする設定手段とを具備し、 前記再生信号の最高周波数近傍の周波数帯域を通過させ
    るフィルタ手段によって前記再生信号を帯域制限した後
    に前記包絡線検波手段に与えることを特徴とする請求項
    に記載の等化識別装置。
  3. 【請求項3】 前記包絡線検波手段は、前記包絡線検波
    時の検波時定数を変更可能にした時定数制御手段を具備
    したことを特徴とする請求項に記載の等化識別装置。
  4. 【請求項4】 前記時定数制御手段は、前記再生信号の
    倍速数に基づいて前記検波時定数を変更することを特徴
    とする請求項に記載の等化識別装置。
  5. 【請求項5】 前記時定数制御手段は、前記識別出力の
    復調信号のエラーレートに基づいて前記検波時定数を変
    更することを特徴とする請求項に記載の等化識別装
    置。
  6. 【請求項6】 ディジタル信号が記録されている磁気記
    録媒体からの再生信号の周波数特性及び位相特性を調整
    して等化出力を出力する等化手段と、 前記等化出力を所定の識別レベルと比較することにより
    再生信号を2値化して識別出力を出力するコンパレート
    手段と、 このコンパレート手段による再生信号の2値化に最適な
    識別レベルを記憶する記憶手段と、 この記憶手段に記憶された識別レベルを前記コンパレー
    ト手段に設定する識別レベル設定手段とを具備し、 前記記憶手段は、前記磁気テープの各記録トラック毎の
    位置に応じて最適な識別レベルを記憶することを特徴と
    する等化識別装置。
  7. 【請求項7】 前記記憶手段は、前記再生信号の倍速数
    に基づいて最適な識別レベルを記憶することを特徴とす
    る請求項に記載の等化識別装置。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段は、前記コンパレート手段
    による再生信号の2値化に最適な識別レベルの変化を学
    習して記憶し、 前記識別レベル設定手段は、前記記憶手段が記憶した識
    別レベルの変化を予測値として用いて前記コンパレート
    手段に識別レベルを設定することを特徴とする請求項
    に記載の等化識別装置。
  9. 【請求項9】 前記記憶手段は、前記再生信号の包絡線
    の変化に基づいて前記最適な識別レベルの変化を学習す
    ることを特徴とする請求項に記載の等化識別装置。
  10. 【請求項10】 前記磁気記録媒体は、所定のカセット
    に収納された磁気テープであり、前記記憶手段は、前記
    所定のカセットの装着によって記憶内容が読出し可能と
    なるカセット情報記憶媒体を有することを特徴とする請
    求項に記載の等化識別装置。
  11. 【請求項11】 ディジタル信号が記録されている磁気
    記録媒体からの再生信号を所定の検波時定数で包絡線検
    波して得た検波出力に基づいて識別レベルを適応的に設
    定し、この識別レベルを用いて前記再生信号を2値化し
    て得た識別出力の復調信号のエラー発生頻度検出を行う
    エラー検出手順と、 このエラー検出手順によってエラー発生頻度が所定値よ
    りも多いことが検出された場合には前記検波時定数を変
    更して前記識別レベルを再設定した後前記エラー発生頻
    度検出を繰返す第1の時定数制御手順と、 前記エラー検出手順によってエラー発生頻度が所定値よ
    りも少なくなったことが検出された場合には前記磁気記
    録媒体に記録されている記録トラックの各位置に対応さ
    せて前記識別出力の復調信号のエラー発生頻度が最小と
    なるように前記検波時定数を変更する第2の時定数制御
    手順とを具備したことを特徴とする識別等化方法。
  12. 【請求項12】 ディジタル信号が記録されている磁気
    記録媒体からの再生信号が通常再生によるものであるか
    特殊再生によるものであるかを判別する判別手順と、 この判別手順によって前記再生信号が特殊再生によるも
    のであることが示された場合には所定の記憶手段に格納
    されている前記特殊再生に対応した最適な識別レベルを
    用いて、前記再生信号を2値化する識別手順とを具備し
    たことを特徴とする等化識別方法。
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