JP3118634B2 - 道路橋等の橋面防水工法 - Google Patents

道路橋等の橋面防水工法

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JP3118634B2
JP3118634B2 JP27394496A JP27394496A JP3118634B2 JP 3118634 B2 JP3118634 B2 JP 3118634B2 JP 27394496 A JP27394496 A JP 27394496A JP 27394496 A JP27394496 A JP 27394496A JP 3118634 B2 JP3118634 B2 JP 3118634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路橋、高架道路
橋、高架駐車場、屋上駐車場等の床版の防水工法に関
し、更に詳しくは、道路橋等の床版上に防水層を構築す
る橋面防水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路橋等の床版上に舗装を行うに
際しては、舗装に先立って床版面上に防水層を構築した
後、舗装を施すのが通例となっている。これは、雨水等
の浸透によって、鋼床版の場合、床版面が発錆、腐蝕す
るのを防止したり、あるいは、コンクリート製の床版の
場合には、同じく浸透してきた雨水が、さらに床版中の
微細なひび割れを伝わって、補強等の目的で埋設されて
いる床版中の鉄筋等を発錆、腐蝕させたりするのを防止
する為である。
【0003】防水層を構築するには、シート系防水材に
よるもの、合成ゴム系塗膜防水材によるもの、アスファ
ルト系塗膜防水材によるもの、あるいは、舗装系防水材
によるものなどがあり、これらの防水材が、単層、また
は、積層されて使用されている。
【0004】しかしながら、アスファルト系塗膜防水材
を用いる場合には、アスファルトを230℃〜250℃
に加熱して使用することが多く、作業員の火傷や、周辺
材料への引火による火災の発生など、現場での事故が多
く問題であった。また、アスファルト系塗膜防水材を用
いた防水層の場合には、シート系防水材と比較して防水
性や防水層自体の強度がやや劣る傾向がある。
【0005】一方、合成繊維の不織布にゴムアスファル
トを含浸させたシート系防水材の場合には、防水性や防
水層自体の強度の点では、良好な結果が得られるもの
の、施工に際しては相当の熟練が要求され、不慣れな作
業員の場合には、シートを均一に敷き均すことが困難
で、シートにいわゆる“しわしわ現象”が発生すること
が多かった。また、シート系防水材の床版上への貼り付
けには、やはり加熱されたアスファルトが使用されるの
で、火傷、火災等の危険がつきまとうという欠点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の欠点を解決するために為されたもので、施
工が簡単で、防水性に優れ、しかも、火傷や火災等の危
険が少ない橋面防水工法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、道路橋等の床
版上に防水層を構築するにあたり、床版上にプライマを
施した後、瀝青質材料及び繊維材料を、両者同時に及び
/または相前後して、床版上に敷きならし、施工現場に
て、繊維材料に瀝青質材料を含浸させて、あるいは両者
を混合させて、防水層とすることで、上記課題を解決し
た。
【0008】また、繊維材料と瀝青質材料とを、作業車
に搭載し、作業車上で瀝青質材料を加熱保温するように
したので、施工現場における火傷や火災の危険が激減す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、既設、新設を問わず、
例えば、道路橋、高架道路橋、高架駐車場、屋上駐車場
等の、アスファルト舗装を施される床版を対象とし、床
版の種類としては、RCコンクリート床版、PCコンク
リート床版、鋼床版のいずれであっても構わない。
【0010】防水層を構築すべき床版上には、通常、ま
ず、プライマが施される。本発明で使用されるプライマ
としては、舗装タールやストレートアスファルト、カッ
トバックアスファルト、アスファルト乳剤など、通常プ
ライマとして使用されているものなら、どのようなもの
でも使用できるが、中でも、ゴム瀝青物系プライマが好
ましく用いられる。ゴム瀝青物系プライマとは、瀝青物
にゴム、あるいは、ゴムと合成樹脂とを添加し、溶剤に
溶解したものである。また、瀝青物としてタールを用
い、ゴムとしてニトリルゴムを用いるものもある。プラ
イマの塗布量は、通常、0.2リットル/m2 〜0.6
リットル/m2 、好ましくは、0.35リットル/m2
〜0.45リットル/m2 である。
【0011】本発明で使用される繊維材料としては、ポ
リエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリプロ
ピレン、ビニロン、アクリル、ポリ塩化ビニリデン等の
合成繊維、または半合成繊維、天然繊維、ガラス繊維、
再生繊維、炭素繊維、金属繊維等、種々のものが用いら
れるが、中でも、ポリエステル繊維が好ましい。
【0012】これらの繊維は、適当な長さに切断された
短繊維として用いることもできるが、モノフィラメント
や、モノフィラメントを多数集束させたマルチフィラメ
ントとしても、あるいは、紡績糸や撚糸としても用いる
ことが可能であり、さらには、不織布、織布、編布とし
てシート状にして用いることも可能である。
【0013】短繊維の場合は、瀝青質材料よりも先に或
いは後に、エアー式噴射装置から噴射されて床版上に敷
きならされても良いが、瀝青質材料と短繊維とが空中で
混合されるようにするのが好ましい。
【0014】短繊維の長さに特に制限はないが、あまり
短いと繊維による防水層の強度維持や防水性能、およ
び、ひび割れ追従性等に効果がないので、1.5mm以
上のもの、好ましくは5mm〜70mmのものが好まし
い。
【0015】また、モノフィラメントやマルチフィラメ
ントなどのフィラメント、あるいは、紡績糸、撚糸を用
いる場合には、それらをエアー式噴射装置からランダム
な方向に噴射して、床版上にランダムに配列させること
もできるし、一定方向に噴射して、特定方向に揃えた
り、あるいは、2種のノズルから互いに直行する方向に
噴射して、床版上でほぼ直行した配列をとるようにして
も良い。
【0016】シート状の不織布、織布、編布として用い
る場合には、それらのシート状繊維材料は、ロール状に
巻かれて作業車に搭載され、施工現場において、床版上
に順次、展開、敷設され、敷きならされる。
【0017】なお、本発明において、敷きならすとは、
短繊維、モノフィラメントやマルチフィラメントなどの
フィラメント、紡績糸、撚糸の場合には、ある程度均一
に堆積させることを言い、シート状の不織布、織布、編
布の場合には、床版上で敷き広げることを言う。また、
後述する瀝青質材料を、噴射、散布、塗布等する場合に
も同様であって、用いられる材料が後の作業に支障のな
い範囲で、ほぼ均一に床版上に分布させられていれば良
い。単に、噴射や塗布、あるいは敷き広げただけでは、
均一性に問題がある場合には、敷き均しレバー等の公知
の手段を併用しても良いことは勿論である。
【0018】本発明に用いられる瀝青質材料としては、
レーキアスファルト等の天然アスファルト、ストレート
アスファルトやブローンアスファルト、セミブローンア
スファルト等の石油アスファルト等、種々のものが使用
可能であるが、防水層としての性能をより確実にするた
め、アスファルトに、エチレン・エチルアクリレート共
重合物(以下、単に「EEA」と呼ぶ)とゴムを添加し
た改質アスファルト組成物を用いるのが特に好ましい。
組成比としては、EEA100重量部に対して、ゴムが
20〜50重量部の比率で、両者の合計量がアスファル
ト100重量部に対して、1〜15重量部であるのが好
ましい。
【0019】この改質アスファルト組成物に使用される
アスファルトとしては、特に問わないが、レーキアスフ
ァルト等の天然アスファルト、ストレートアスファル
ト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファルト
等の石油アスファルト、または、タール変性ストレート
アスファルト等の変性アスファルトの1種、または2種
以上の混合物が有利に用いられる。
【0020】また、この改質アスファルト組成物に用い
られるEEAとしては、エチルアクリレートを5〜50
重量%含有するもので、かつ、メルトインデックスが
0.5〜50程度のものが好ましい。EEA中のエチル
アクリレートの含有量が5重量%未満では、アスファル
トに対する溶解性が劣り、一方、50重量%超では、ア
スファルトに対する溶解性は良いが、得られる改質アス
ファルト組成物の高温での性状が劣化するなどの欠点が
あるので、エチルアクリレートの量は、5〜50重量%
が好ましい。
【0021】改質アスファルト組成物に使用されるゴム
としては、天然ゴム、または、クロロプレンゴム、スチ
レン・イソプレン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴム、
ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴ
ムなどの各種合成ゴムが、単独あるいは併用の形で用い
られる。特に、クロロプレンゴム、スチレン・イソプレ
ン共重合体ゴムを用いた場合には、高温ならびに低温に
おける特性が改善されて好ましい。また、ムーニー粘度
が、固形またはラテックスタイプのもので、10〜10
0程度のものが良い結果が得られて好ましい。
【0022】本発明に用いられる改質アスファルト組成
物においては、上記、アスファルト、EEA、およびゴ
ムの3者の材質を適宜選択し、かつ配合割合を調節し
て、改質アスファルト組成物は、針入度(25℃、10
0g、5秒)が20〜50(1/10mm)、軟化点
80〜150℃となるようにするのが特に好ましい。
【0023】本発明で用いられる瀝青質材料は、施工現
場において、散布、噴射、塗布などの方法によって、床
版上に敷きならされる。
【0024】実際の施工にあたっては、人力によっても
良いが、図1に示すような、専用の作業車を用いる方が
有利である。
【0025】図1において、符号1は作業車であり、こ
の図の場合は自走式のものを示すが、牽引式のものであ
っても良い。2は、加熱された瀝青質材料を保持する保
温タンク、3は、瀝青質材料の加熱装置を示し、保温タ
ンク2内で適度な温度に加熱保持されている瀝青質材料
は、施工時には、ポンプ4によって送り出され、輸送パ
イプ5を通って、前部スプレイバー6Aに取り付けられ
た前部ノズル7Aから、および/または、後部スプレイ
バー6Bに取り付けられた後部ノズル7Bから、床版1
7に向かって噴射もしくは散布される。前部ノズル7A
から噴射もしくは散布させるか、或いは、後部ノズル7
Bから噴射もしくは散布させるかは、適宜切り替え可能
であり、また、必要に応じて、前部ノズル7Aと後部ノ
ズル7Bの両方から同時に噴射もしくは散布させること
も可能である。なお、図面では、ノズル7A、7Bは1
つしか示していないが、作業車の車幅に沿って複数のノ
ズル7A、7Bがスプレイバー6A、6Bに取付けられ
ており、所要の施工幅が得られるようになっている。こ
のスプレイバー6A、6Bの幅は施工幅に合わせて自由
に調節が可能であり、それでもなお不足する場合には、
図示しない補助スプレイバーの取付けにより、作業車の
車幅よりも更に広い幅での施工が可能である。
【0026】瀝青質材料の噴射量としては、通常、1.
0〜3.0kg/m2 が好ましく、特に好ましくは、
1.5〜2.0kg/m2 である。
【0027】一方、符号8は、不織布、織布、編布等の
シート状繊維材料10の収納装置を示し、シート状繊維
材料10がロール状に巻かれて保持されている。このシ
ート状繊維材料10は、送り出し装置9によって送り出
され、床版上に敷き広げられる。11は、送り出された
シート状繊維材料10を床版上に密着させる押えローラ
ーである。
【0028】符号12は、モノフィラメント、マルチフ
ィラメント、紡績糸、撚糸等の繊維材料の収納装置を示
し、収納されている繊維材料13は噴射装置15によっ
て、繊維材料噴射ノズル16からランダムな方向に、あ
るいは一定の方向に噴射されるようになっている。ま
た、この繊維材料収納装置12には、短繊維14を合わ
せて収納することもでき、短繊維14も噴射装置15に
よって、繊維材料噴射ノズル16から噴射されるように
なっている。この繊維材料噴射ノズル16も図では1つ
しか示していないが、作業車の車幅に沿って複数の繊維
材料噴射ノズルが設けられており、それによって、必要
な施工幅が確保されている。
【0029】なお、図には示していないが、モノフィラ
メント、マルチフィラメント、紡績糸、撚糸等の繊維材
料を作業車の車幅方向に向かって噴射するノズルを別途
設けることも可能であり、この図示しないノズルによっ
て繊維材料を作業車の車幅方向に噴射するとともに、繊
維材料噴射ノズル16から繊維材料を作業車の進行方向
と平行に噴射することによって、床版上で同種または異
種の繊維材料を互いに直行する方向に堆積させることも
可能である。
【0030】図2は、短繊維14と瀝青質材料18と
が、同時に噴射されて空中で混合する様子を示す図であ
る。短繊維14を噴射する繊維材料噴射ノズル16と瀝
青質材料18を噴射する噴射ノズル7とが近接配置さ
れ、繊維材料噴射ノズル16から噴射された短繊維14
と、噴射ノズル7から噴射された瀝青質材料18とが、
図に示すように空中で混じり合い、床版上に堆積し、防
水層を形成する。このようにすると、短繊維14と瀝青
質材料18との混合が、より均一になり、防水層とし
て、均一かつ緻密なものが得られるという利点がある。
なお、このような防水層は複数層に構築しても良いこと
は勿論である。
【0031】図3は、ランダム方向に噴射された繊維材
料の床版上での形態を模式的に示したもので、この場合
は繊維材料として用いられたマルチフィラメント19が
ランダムに重なり合っているのが見て取れる。個々のマ
ルチフィラメント19は、図3に示すように、多数本の
モノフィラメント20から構成されている。このマルチ
フィラメント等の繊維材料は、前述したように、一定方
向に揃って床版上に堆積するように繊維材料噴射ノズル
16から噴射されても良いし、互いに直交して床版上に
堆積するように、2種の繊維材料噴射ノズルから互いに
直交する方向に噴射されても良い。いずれの場合にも、
使用される繊維の量は、目付量で、通常、25g/m2
〜150g/m2 であるが、好ましくは、50g/m2
〜120g/m2 である。
【0032】図4は、同じく、ランダム方向に噴射され
た繊維材料の床版上での形態を模式的に示したもので、
図3と相違するところは、繊維材料としてモノフィラメ
ント20が使用されている点である。このモノフィラメ
ント20も、前述したように、一定方向に揃って床版上
に堆積するように繊維材料噴射ノズル16から噴射され
ても良いし、互いに直交して床版上に堆積するように、
2種の繊維材料噴射ノズルから互いに直交する方向に噴
射されても良い。
【0033】図5は、本発明の橋面防水工法によって構
築された防水層21を、舗装層22並びに床版17と共
に示す断面図である。図において、防水層21は、繊維
材料13(この場合はランダム方向に噴射されたもの)
と、繊維材料13間に含浸した瀝青質材料18とで構成
されている。なお、23はプライマである。
【0034】このように、本発明の橋面防水工法によれ
ば、繊維材料と瀝青質材料とは、施工現場において床版
上に敷きならされ、その場において、繊維材料に対する
瀝青質材料の含浸や、両者の混合が進行し、防水層が構
築される。その結果、工場等において、合成繊維の不織
布にゴムアスファルトを予め含浸させたシート系防水材
を使用する場合に比べて、施工が簡単になるだけでな
く、同等以上のひびわれ追従性や接着強度が得られるも
のである。その理由は、特に補修橋等で床版に凹凸があ
る場合には、シート系防水材はシートを均一に敷き均す
のに熟練を要するとともに、予めゴムアスファルトが含
浸させられているためシート自体の柔軟性が劣り、床版
の凹凸に十分追従することができず、床版との接着性を
十分に確保することが比較的困難であるためと考えられ
る。
【0035】しかも、本発明の橋面防水工法において
は、施工現場で瀝青質材料を繊維材料に含浸、あるいは
両者を混合させるので、瀝青質材料が防水層の上面にも
ある程度存在し、防水層自体に、その上に構築される舗
装層との接着層としての機能を持たせることができると
いう利点もある。とはいえ、必要があれば、防水層と舗
装層との間に、別途、タックコートを設けても良いのは
勿論である。
【0036】なお、図1の作業車においては、シート状
繊維材料10あるいは繊維材料13が敷きならされる前
または後に瀝青質材料18が前部ノズル7Aまたは後部
ノズル7Bから噴射もしくは散布されて敷きならされる
ようにるように構成されているが、ノズル7A、7Bや
繊維材料噴射ノズル16の位置を適当に変えて、シート
状繊維材料10あるいは繊維材料13と、瀝青質材料1
8とが同時に敷きならされるようにしても良い。
【0037】瀝青質材料の敷きならしは噴射や散布だけ
でなく、塗布等の手段によっても良いことは勿論であ
り、フィラメントや紡績糸、撚糸等の繊維材料13の敷
きならしも、噴射以外の手段、例えば、単なる繰り出し
等によっても良い。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明はこれに限られるものではない。
【0039】RCコンクリート床版上に、本発明の橋面
防水工法に基づいて、以下のように防水層を構築した。
【0040】まず、床版面を清掃したのち、プライマと
して、アスファルト系ゴム入り溶剤型接着剤(カチコー
トR(ニチレキ株式会社製))を、ロールばけを使用し
て塗布し、均一な面を確保した。塗布量は、約0.4リ
ットル/m2 であった。散布幅は、5mの舗装幅員の全
幅いっぱいに塗布し、縦断方向に基点から終点に向けて
行った。次に、繊維材料および瀝青質材料を搭載した作
業車を、プライマを行った床版上に誘導した。
【0041】舗装幅の全幅が5.0mであるので、一回
の敷きならしを2.5mとし、片側車線の施工を終了
後、直ちに反対車線の2.5mを施工した。作業車が噴
射できる最大有効幅員は通常2.1mであるので、約5
0cmの補助スプレイバーを本体スプレイバーに合着
し、施工幅員がちょうど2.6mになるように調整し、
重ね幅を10cmとした。
【0042】繊維材料としては、100デニール48フ
ィラメントの、ポリエステルマルチフィラメントを使用
した。
【0043】瀝青質材料としては、EEA100重量部
に対して、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムを35重
量部の割合で混合したものを、ストレートアスファルト
100重量部に対して、10重量部添加した改質アスフ
ァルトを使用した。この改質アスファルトは、作業車上
で約180℃に保温され、その時のこの改質アスファル
トの粘度は約720cstであった。温度が下がり、粘
度が1000cst以上になると、粘性が高くなり過
ぎ、作業性が悪くなるので、保温温度には注意を払っ
た。
【0044】作業車を5km/hの速度で移動させ、ま
ず改質アスファルトを噴射し、次いで、ポリエステルマ
ルチフィラメントが繊維材料噴射ノズルからランダムな
方向に噴射されて、防水層が構築されていった。
【0045】ポリエステルマルチフィラメントの目付量
は、100g/m2 であり、改質アスファルトの散布量
は、1.5kg/m2 であった。作業員の人数は3人
で、2000m2 を約2時間で終了した。
【0046】作業終了後、予め床版上に設置しておいた
テストピース用のコンクリートブロックを、その上に構
築された防水層ごと取り出して、防水性等の試験に供し
た。同時に、合成繊維不織布にゴムアスファルトを含浸
させた従来のシート系防水材を使用したもの、および、
アスファルト系の塗膜防水材を使用したものを比較試験
片として形成し、同様に試験した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の工法により形成され
た防水層は、従来のシート系防水材や塗膜系防水材に比
べて、高い追従限界ひび割れ幅(14.1mm)を示し
た。防水性試験の結果を表2に示す。
【0048】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の工法により形成され
た防水層の防水性は、塗膜系防水材より優れ、従来のシ
ート系防水材を使用したものに比べても遜色がなかっ
た。接着性試験の結果を表3に示す。
【0049】
【表3】 表3の結果から明らかなように、本発明の工法により作
成された防水層は、せん断試験においては、従来のシー
ト系防水材に比べて高い接着強度を示し、また、引張接
着試験においては、特に、水浸7日後の強度維持率にお
いて、従来のシート系防水材および塗膜系防水材と比較
して同等以上の優れた結果を示した。
【0050】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明の橋面防水
工法によれば、従来の工法によって形成された防水層に
比べて、より簡単な施工作業で、防水性並びに強度とも
に優れた防水層を構築することができ、作業効率の向上
が図れ、かつ、床版の長寿命化といった優れた効果がも
たらされる。また、作業車を用いるので、火傷や火災と
いった危険性から作業員を解放することが可能となり、
実用上も極めて効果のある発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の橋面防水工法を実施する作業車の側面
図である。
【図2】短繊維が瀝青質材料と同時に噴射、混合される
状態を示す図である。
【図3】ランダム方向に噴射されたマルチフィラメント
の堆積状態を示す図である。
【図4】ランダム方向に噴射されたモノフィラメントの
堆積状態を示す図である。
【図5】本発明の橋面防水工法によって構築された防水
層の断面説明図である。
【符号の説明】
1 作業車 2 保温タンク 3 加熱装置 4 ポンプ 5 輸送パイプ 6A、6B スプレイバー 7A、7B ノズル 8 シート状繊維材料収納装置 9 送り出し装置 10 シート状繊維材料 11 押えローラー 12 繊維材料収納装置 13 繊維材料 14 短繊維 15 噴射装置 16 繊維材料噴射ノズル 17 床版 18 瀝青質材料 19 マルチフィラメント 20 モノフィラメント 21 防水層 22 舗装層 23 プライマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 知正 東京都中央区日本橋小網町17番9号 東 洋紡績株式会社東京支社内 (72)発明者 石川 雅洋 東京都中央区日本橋小網町17番9号 東 洋紡績株式会社東京支社内 (72)発明者 山梨 安弘 神奈川県平塚市下島640 (72)発明者 飯田 一郎 栃木県小山市駅東通り1−40 ベルディ 1−302 (72)発明者 森端 洋行 栃木県下都賀郡国分寺町大字川中子3329 番地 ノーブル205号 (72)発明者 奥山 司進 栃木県河内郡南河内町祇園3丁目1番1 ミラパセオ自治医大壱番館203号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/08 E01C 19/21

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路橋等の床版上に防水層を構築するに
    あたり、床版上にプライマを施した後、加熱して使用す
    る瀝青質材料及び繊維材料を搭載し、かつ、該瀝青質材
    料の加熱、保温手段と、該瀝青質材料及び繊維材料を両
    者同時に及び/または相前後して敷きならす装置とを備
    えた作業車を用いて、該作業車を施工現場上で自ら移動
    させながら、加熱状態にある瀝青質材料及び繊維材
    料を、両者同時に及び/または相前後して、敷きなら
    し、施工現場にて、繊維材料に加熱状態にある瀝青質材
    料を含浸させて、あるいは両者を混合させて防水層を構
    築することを特徴とする作業車を用いる道路橋等の橋面
    防水工法。
  2. 【請求項2】 加熱して使用する瀝青質材料が改質アス
    ファルト組成物である請求項1記載の作業車を用いる
    面防水工法。
  3. 【請求項3】 敷きならされる繊維材料が、フィラメン
    トまたは短繊維である請求項1または2記載の作業車を
    用いる橋面防水工法。
  4. 【請求項4】 繊維材料を敷きならす装置が、ノズル
    ある請求項記載の作業車を用いる橋面防水工法。
  5. 【請求項5】 敷きならされる繊維材料が、シート状の
    不織布、織布、または編布である請求項1または2記載
    作業車を用いる橋面防水工法。
  6. 【請求項6】 防水層が、防水層上部に隣接する舗装層
    を接合する接着層としての機能をも有する請求項1、
    2、3、4または5記載の作業車を用いる橋面防水工
    法。
  7. 【請求項7】 フィラメント状、短繊維状、及び/又は
    シート状の繊維材料、および、加熱して使用する瀝青質
    材料を搭載し、かつ、当該瀝青質材料の加熱、保温手段
    と、繊維材料及び当該瀝青質材料の敷きならし装置とを
    備え、自ら移動しながら防水層を構築することのできる
    作業車。
  8. 【請求項8】 繊維材料及び瀝青質材料の敷きならし装
    置が、いずれも、作業車後輪よりも作業車後方に位置し
    ている請求項7記載の作業車。
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