JP3117596B2 - 3分子以上の単糖類分子がグリコシド結合してなる糖類の製造方法 - Google Patents

3分子以上の単糖類分子がグリコシド結合してなる糖類の製造方法

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JP3117596B2 JP05354059A JP35405993A JP3117596B2 JP 3117596 B2 JP3117596 B2 JP 3117596B2 JP 05354059 A JP05354059 A JP 05354059A JP 35405993 A JP35405993 A JP 35405993A JP 3117596 B2 JP3117596 B2 JP 3117596B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばデンプンを酵素分
解して得られる糖類の混合溶液から目的とする3分子以
上の単糖類分子がグリコシド結合してなる糖類を高濃度
に濃縮された状態で得ることのできる、3分子以上の単
糖類分子がグリコシド結合してなる糖類の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に糖類は甘味剤として使用されてい
るが、なかでも3分子以上の単糖類分子がグリコシド結
合してなる糖類(例えば三糖類、四糖類等)(以下、三
糖類以上の糖類というときがある)は低カロリーの甘味
剤として消費者に歓迎され、消費量も年々増大してい
る。
【0003】三糖類以上の糖類を得る方法として通常、
デンプンを酵素アミラーゼにより分解する方法が採用さ
れている。この酵素分解により単糖類、二糖類、三糖類
以上の糖類の3成分混合溶液が得られる。この3成分混
合溶液より目的とする三糖類以上の糖類を得るための分
離操作としては従来よりクロマト分離が行われている。
【0004】クロマト分離に当たって展開液として一般
に水が使用され、従って分取りされた三糖類以上の糖類
は水によって希釈されており、そのため従来は該糖類液
を蒸発装置に供給して加熱し、水分を蒸発させて濃縮
し、所望の濃度の糖類を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】クロマト分離により分
取りされた三糖類以上の糖類は上記の通り水により希釈
された希薄溶液として得られるが、三糖類以上の糖類
は、もともと混合溶液中の濃度が他の成分に比べて低い
ことと、三糖類以上の糖類が分取りされる区分は特に多
成分が含有される区分であり、クロマト分離層内での移
動速度に差のある各成分をすべて取り出さなければなら
ない区分であることなどの理由により、他の糖類区分に
比べて水により希釈される割合が大であるため、通常、
該溶液の濃度は約4〜5%程度の低濃度である。一方、
製品として要求される濃度は通常、約70%程度であ
る。従って製品とするためには約14〜18倍の濃縮が
必要であり、従来はこの濃縮をすべて加熱蒸発手段によ
り行っていた。しかしながら、水分の蒸発という相変化
を伴う蒸発濃縮方法は多大の熱エネルギーを必要とし、
エネルギー消費量が大きく、生産コストを著しく上昇さ
せる欠点がある。しかも約14〜18倍濃縮という高濃
度濃縮を行うためには大型の蒸発装置を必要とし、設備
費が嵩む上、設備スペースを必要とし、経済的に極めて
不利であった。
【0006】本発明者等は上記の点に鑑み鋭意検討した
結果、クロマト分離により分取りされた三糖類以上の糖
類溶液を逆浸透膜装置により濃縮液と透過液とに分離し
て濃縮した後、該濃縮液を更に蒸発濃縮により濃縮する
ことにより効率良く高濃度に濃縮処理が行われることを
見出した。
【0007】しかしながらその一方で、糖類溶液を取り
扱うことによる特有の問題点が発生した。その第1点は
クロマト分離工程及び逆浸透膜装置による濃縮工程にお
ける通液抵抗の問題である。即ち糖類溶液は粘度が高い
ため、クロマト分離及び逆浸透膜による分離の際の圧力
損失が大きく、その結果それらの分離速度の低下が避け
られないという問題がある。
【0008】また第2点として、クロマト分離工程中に
原料液としての糖類溶液が溶離水により希釈され濃度が
低下するため温度条件によっては細菌が発生し、その結
果、クロマト分離工程及び逆浸透膜濃縮工程時に糖類溶
液が腐敗を起こすという問題がある。
【0009】本発明者等は上記の問題点を解決すべく更
に研究を重ねた結果、クロマト分離及び逆浸透膜による
分離の際の処理温度を50℃以上に温度設定することに
よりそれらの分離速度を向上でき、しかも細菌の発生を
抑止して、糖類溶液の腐敗を防止できるという知見を得
た。本発明はこのような知見に基づき完成されたもので
ある。
【0010】而して本発明は、生産効率に優れ、生産コ
ストを低減でき、且つ製造工程中における糖類溶液の腐
敗を防止できる、3分子以上の単糖類分子がグリコシド
結合してなる糖類の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)単糖類
及び/又はベタイン(第1成分)、二糖類(第2成
分)、3分子以上の単糖類分子がグリコシド結合してな
る糖類(第3成分)を含む混合溶液を50℃以上の温度
条件下で、固定吸着剤を充填した多数の単位充填層を連
結管で連結して無端直列に形成し、連結管に遮断弁を設
けると共に、遮断弁を設けた連結管に前記混合溶液を供
給する原料液供給管を接続してなる疑似移動層式多成分
クロマト分離装置により上記第1成分、第2成分、第3
成分の三成分に分離する工程と、クロマト分離により得
られた第3成分溶液を50℃以上の温度条件下で逆浸透
膜装置により濃縮処理して濃縮液と透過液とに分離する
工程と、常温以上の温度を有する前記透過液をクロマト
分離装置の溶離水供給部に還流する工程と、常温以上の
温度を有する前記濃縮液を加熱して蒸発濃縮による第2
段の濃縮処理を行う工程とからなることを特徴とする3
分子以上の単糖類分子がグリコシド結合してなる糖類の
製造方法、(2)単糖類及び/又はベタイン(第1成
分)、二糖類(第2成分)、3分子以上の単糖類分子が
グリコシド結合してなる糖類(第3成分)を含む混合溶
液を50℃以上の温度条件下で、固定吸着剤を充填した
多数の単位充填層を連結管で連結して無端直列に形成
し、連結管に遮断弁を設けると共に、遮断弁を設けた連
結管に前記混合溶液を供給する原料液供給管を接続して
なる疑似移動層式多成分クロマト分離装置により上記第
1成分、第2成分、第3成分の三成分に分離する工程
と、クロマト分離により得られた第3成分溶液を50℃
以上の温度条件下で第1の逆浸透膜装置により濃縮処理
して濃縮液と透過液とに分離する工程と、常温以上の温
度を有する前記透過液を第2の逆浸透膜装置に導いて無
機塩類溶液と透過液とに分離する工程と、第2の逆浸透
膜装置により分離された透過液をクロマト分離装置の溶
離水供給部に還流する工程と、第1の逆浸透膜装置によ
り分離された常温以上の温度を有する前記濃縮液を加熱
して蒸発濃縮による第2段の濃縮処理を行う工程とから
なることを特徴とする3分子以上の単糖類分子がグリコ
シド結合してなる糖類の製造方法を要旨とする。
【0012】本発明は単糖類(第1成分)、二糖類(第
2成分)、3分子以上の単糖類分子がグリコシド結合し
てなる糖類(第3成分)を含む混合溶液を原料液として
用い、上記三成分を分離する。
【0013】本発明において混合溶液中の第1成分は単
糖類及び/又はベタインであり、該単糖類としてグルコ
ース、フラクトース等が挙げられる。また第2成分は二
糖類であり、該二糖類としてマルトース、サッカロース
等が挙げられる。本発明において単糖類、二糖類はいず
れも、それらに属する糖類の1種又は2種以上の混合物
である。
【0014】本発明において、上記第3成分としての、
3分子以上の単糖類分子がグリコシド結合してなる糖類
(三糖類以上の糖類)とは少糖類(オリゴサッカリド)
のうち二糖類を除いた糖類、即ち三糖類、四糖類、五糖
類、六糖類等を意味する。構成単糖類分子数は多糖類と
区別できる範囲内において任意に選定でき、例えば十糖
類も妥当する。
【0015】本発明において上記三糖類以上の糖類は、
上記に定義された糖類の1種又は2種以上の混合物であ
る。三糖類としてマルトトリオース、ラフィノース、四
糖類としてマルトテトラオース、五糖類としてマルトペ
ンタオース、六糖類としてマルトヘキサオース等が、ま
た十糖類としてマルトデカオース等がそれぞれ挙げられ
る。
【0016】このような三成分を含む混合溶液を得る方
法としては例えば次の如き方法がある。 (1)デンプンを出発原料とする場合 α−アミラーゼを主成分とする液化酵素を用いて液化す
ると共に、グルコアミラーゼとβ−アミラーゼを主成分
とする糖化酵素を用いて糖化を行い、酵素分解によりグ
ルコース(第1成分)、マルトース(第2成分)、三糖
類以上の糖類の2種以上の混合物(第3成分)の三成分
を含む混合溶液を得る。 (2)甜菜糖を出発原料とする場合 原料の砂糖大根を搾汁し、濾過して濾液を加熱濃縮し次
いで結晶化を行う。結晶を除いた残液(モラセス)とし
て、ベタイン(第1成分)、サッカロース(第2成
分)、無機塩類の混在したラフィノース(第3成分)の
三成分を含む混合溶液を得る。 (3)甘蔗糖を出発原料とする場合 原料の砂糖キビを前記(2)と同一の方法により処理し
て、グルコースとフラクトースの混合物(第1成分)、
サッカロース(第2成分)、無機塩類の混在した、三糖
類以上の糖類の2種以上の混合物(第3成分)の三成分
を含む混合溶液を得る。
【0017】上記の如くして得られた混合溶液を原料液
とし、これをクロマトグラフィーの手法を用いて三成分
分離を行う。三成分分離の方法としては、1)疑似移動
層式多成分分離装置を用いる方法(特開平4−2278
04号)、2)固定床式のクロマト分離装置を用いて、
三成分以上の各成分の富化した画分を連続的に分画する
方法(特開昭63−158105号)、3)三成分に対
する親和力の強さの順序が第3成分>第2成分>第1成
分である第1の吸着剤を充填した単位充填層と、三成分
に対する親和力の強さの順序が、第2成分>第3成分>
第1成分である第2の吸着剤を充填した単位充填層とを
それぞれ交互に少なくとも4層以上に直列無端に連結し
た疑似移動層装置に通液することにより、三成分の吸着
特性の違いでこれらを分画分離する方法(特開昭64−
80409号)等、公知の方法を採用できるが、三成分
に効率よく分離することができ且つ処理能力が大きいと
いう点で上記1)の方法が好ましい。
【0018】以下、上記1)の方法について図1に基づ
き説明すると、固体吸着剤を充填した多数の単位充填層
1〜10を無端直列に連結して循環流路を形成する。1
3は充填層1と充填層10とをつなぐ連結管である。吸
着剤に対する親和性の異なる三つの成分(上記第1成
分、第2成分、第3成分)を含む原料液fの一定量を原
料液供給管14eより導入すると共に同時に溶離水Dを
溶離水供給管14dより導入して循環流路に流す。12
は循環液のためのポンプである。原料液fは原料液供給
弁5eを有する管路を通して循環流路に流れ込み、また
溶離水Dは溶離水供給弁1dを有する管路を通して循環
流路に流れ込む。
【0019】原料液が各充填層を通過して循環流路を移
動するに伴い、吸着剤に対する親和力の弱い成分から強
い成分に順次に分かれた吸着帯域が形成される。上記親
和力の弱い成分は三糖類以上の糖類(第3成分)であ
り、強い成分は単糖類(第1成分)であり、その中間に
位置する成分(中間成分)は二糖類(第2成分)であ
る。この中間成分が充填層4に存在するとき遮断弁11
を閉じ、原料液供給管14eより一定量の原料液fを導
入し、原料液供給弁5eを有する管路を介して循環流路
に流す。次に、抜出弁4bを開け、充填層4より中間成
分(第2成分)を抜出管14bを経て系外に抜き出す。
【0020】その後、遮断弁11を開け、系の循環を行
わせながら系内に残った上記親和力の弱い成分(第3成
分)を各抜出弁1a〜10aを順次開けて抜出管14a
より系外に抜き出すと共に、上記親和力の強い成分(第
1成分)を各抜出弁1c〜10cを順次開けて抜出管1
4cより系外に抜き出す。このようにして第1成分とし
ての単糖類Cと、第2成分としての二糖類Bと、第3成
分としての三糖類以上の糖類Aの三成分が分離される。
尚、2d〜10dは溶離水供給弁を、2b、3bは第2
成分の抜出弁をそれぞれ示す。
【0021】充填層に充填される吸着剤としては代表的
にはアルカリ金属形またはアルカリ土類金属形の強酸性
陽イオン交換樹脂が用いられる。
【0022】上記したクロマト分離操作は50℃以上、
好ましくは60〜85℃の温度条件下で行う。50℃未
満の温度では原料液の粘度が高すぎて分離速度が遅くな
り、また細菌の発生による原料液の腐敗の問題が生じ
る。上記温度条件下で操作を行うためには、系内に導入
する以前に原料液を50℃以上に加温する必要があり、
また充填層及び流路管で構成される系を50℃以上に加
温保持する恒温手段をクロマト分離装置に設ける必要が
ある。
【0023】クロマト分離により得られた第3成分溶液
(三糖類以上の糖類溶液)は次いで濃縮工程に送られ
る。クロマト分離工程及び濃縮工程からなる本発明の全
体的な工程図は図2及び図3に示されている。
【0024】図中、20はクロマト分離装置、21は溶
離水製造装置である。溶離水製造装置21としては、公
知のイオン交換樹脂装置や逆浸透膜装置が用いられ、該
装置により市水又は工業用水等の原水から溶離水が製造
される。上記の如く、原料液の糖類はクロマト分離によ
り第1成分C、第2成分B、第3成分Aの三成分に分離
され、そのうちの第3成分Aは第3成分流出ライン22
を経て逆浸透膜装置23に送られる。
【0025】三成分を含む混合溶液を製造する過程にお
いて塩化ナトリウム等の無機塩類が混入し、該混合溶液
中に混在する場合があり、この場合、クロマト分離によ
り分取りされた三糖類以上の糖類溶液(第3成分)にも
そのまま無機塩類が混入された状態で持ち込まれるのが
通常である。後述するように本発明は逆浸透膜装置によ
り分離された透過液を溶離水として循環使用するため、
該透過液中の無機塩類の含有量が問題となる。溶離水と
して使用するための無機塩類含有量許容値は0.2重量
%以下である。従って、無機塩類含有量が0.2重量%
を越える場合には別個の逆浸透膜装置を用いて無機塩類
の除去を行う必要がある。
【0026】図2は無機塩類の除去処理を行わない場
合、図3は別個の逆浸透膜装置を用いて無機塩類の除去
処理を行う場合を示している。図2に示す逆浸透膜装置
23において、逆浸透膜として食塩阻止率90〜93%
の中間RO膜が用いられ、該中間RO膜の具体的例示と
してNTR−729HF等が挙げられる。
【0027】逆浸透膜装置23には50℃以上の温度に
保温するための恒温手段が設けられ、50℃以上、好ま
しくは50〜70℃の温度条件下で濃縮処理が行われ
る。50℃未満の温度では第3成分溶液の粘度が高すぎ
て分離速度(濃縮処理速度)が遅くなり、また細菌の発
生により第3成分溶液が腐敗する虞れがある。このよう
に50℃以上の温度で処理が行われるため前記逆浸透膜
としては耐熱性のあるものが要求される。
【0028】三糖類以上の糖類溶液(第3成分A)は5
0℃以上の温度に保持された状態で第3成分流出ライン
22を通り、高圧ポンプ24により加圧され、逆浸透膜
装置23内に流入し、50℃以上の温度において逆浸透
膜により濃縮され、濃縮液と透過液(水)とに分離され
る。この濃縮工程時にクロマト分離後の第3成分溶液
(濃度約4〜5%)は約4〜8倍に濃縮され、濃度約2
0〜30%の濃縮液が得られる。
【0029】濃縮液は流出ライン25を通り蒸発装置2
6に送られ、また透過液は溶離水循環ライン27を通り
溶離水供給ライン28に合流し、而して溶離水供給部に
還流されて、クロマト分離装置における溶離水の一部と
して使用される。この場合、還流液は常温以上の温度を
保有しているので溶離水加温のための熱エネルギーを節
約できる。尚、一回の濃縮処理では目的とする濃度に濃
縮できない場合は濃縮液を濃縮液循環ライン29に導い
て再度逆浸透膜装置23に通し繰り返し濃縮を行っても
よい。
【0030】蒸発装置26に導入された第3成分溶液は
ここで加熱され、蒸発濃縮による第2段の濃縮処理が行
われる。蒸発装置26は公知の構造のものが使用され
る。第3成分溶液は逆浸透膜装置23により予備濃縮さ
れているので、蒸発装置は小型の装置で充分である。こ
こにおいても第3成分溶液は常温以上の温度を保有して
いるので蒸発濃縮のための熱エネルギーを節約できる。
【0031】この蒸発濃縮工程において、逆浸透膜濃縮
後の第3成分溶液は約2.3〜3.5倍に濃縮され、濃
度約70%の濃縮液となり、而して目的とする高濃度に
濃縮された三糖類以上の糖類を得ることができる。
【0032】上述したように、第3成分溶液中の無機塩
類含有量が0.2重量%を越える場合には図3に示す如
く別個の逆浸透膜装置を用いて無機塩類の除去処理を行
う必要がある。この場合、第1の逆浸透膜装置30にお
ける逆浸透膜として食塩阻止率70%以下のルーズRO
膜が用いられる。このルーズRO膜を用いることにより
水及び無機塩類が膜を透過し、濃縮液と分離される。無
機塩類として1価の無機塩が多い場合に用いられる前記
ルーズRO膜の具体的例示として、NTR−7250等
が、また1価の他に2価の無機塩が多い場合に用いられ
る前記ルーズRO膜の具体的例示としてNTR−725
0、NTR−7450等がそれぞれ挙げられる。
【0033】第1の逆浸透膜装置30により分離された
濃縮液は流出ライン25を通して蒸発装置26に送ら
れ、一方、透過液(無機塩類を含有する水)は流出ライ
ン32を通って原水(市水又は工業用水)を供給する流
入ライン33と合流し、第2の逆浸透膜装置31に流入
する。第2の逆浸透膜装置31における逆浸透膜として
食塩阻止率98%以上のタイトRO膜が用いられ、該タ
イトRO膜の具体的例示としてNTR−759HR等が
挙げられる。この逆浸透膜装置により水と無機塩類とに
分離され、透過液としての水は溶離水循環ライン34を
通り、クロマト分離装置20の溶離水供給部に還流さ
れ、溶離水として使用される。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、もとより本発明は実施例に制約されるものではな
い。 実施例 デンプンを原料とし、α−アミラーゼを主成分とする液
化酵素を用いて液化処理を行うと共に、グルコアミラー
ゼとβ−アミラーゼを主成分とする糖化酵素を用いて糖
化処理を行い、下記組成のデンプン糖水溶液を得た。 デンプン糖水溶液組成 グルコース: 41.1% マルトース: 42.4% 三糖類以上の糖類(マルトトリオース、マルトテトラオ
ース等の混合物): 16.3% 無機塩類 : 0.2%
【0035】このデンプン糖水溶液の固形分濃度を測定
したところ60%であった。上記デンプン糖水溶液を原
料液として図1に示す擬似移動層式多成分分離装置によ
りクロマト分離を行った。クロマト分離の操作条件は以
下の通りである。 クロマト分離条件 吸着剤 : アンバーライトCG−6000(商品
名),Na形 溶離水 : クロマト分離装置起動後、分離液が生成す
るまではイオン交換水を使用。分離液生成後、分離液を
逆浸透膜濃縮し膜透過液が得られた後はイオン交換水と
膜透過液の混合したものを使用。イオン交換水/膜透過
液混合比=1.0:0.6 処理温度: 63℃ 原料液流入量: 150m3 /D
【0036】クロマト分離により、目的とする分離液
(三糖類以上の糖類溶液)を得た。この分離液中の三糖
類以上の糖類の含有率は98.5%(他にグルコース
0.8%、マルトース0.7%)であり、充分な分離性
能が認められた。この分離液の固形分濃度を測定したと
ころ、5.1%であり、また電気伝導度は450μS/
cmであった。
【0037】上記分離液を図2に示す工程に従って逆浸
透膜装置に送り、下記条件にて濃縮処理を行った。 逆浸透膜濃縮条件 使用逆浸透膜: NTR−729HF 耐熱品 処理温度 : 60℃ 圧力 : 17kg/cm2
【0038】濃縮液の固形分濃度を測定したところ2
5.5%であった。濃縮液と分離された透過液をクロマ
ト分離装置の溶離水供給部に還流し、クロマト溶離水と
して再利用した。透過液中の糖類含有量については全て
検出限度以下で測定不能であった。因みにこの透過液の
電気伝導度は10μS/cmであった。従って透過液は
クロマト溶離水として充分再利用が可能であることが確
認された。
【0039】濃縮液を小型エバポレーター(蒸発装置)
に送り、加熱による蒸発濃縮を行った。蒸発濃縮の条件
は以下の通りである。 蒸発濃縮条件 加熱温度: 80℃ 熱源 : 蒸気 エバポレーター内容積 : 40リットル
【0040】濃縮処理終了後、濃縮液の固形分濃度を測
定したところ70%であり、シロップ状の良品質の製品
が得られた。尚、全工程を通して糖溶液の変質或いは腐
敗は全く認められなかった。
【0041】比較例 クロマト分離された分離液(三糖類以上の糖類溶液)を
逆浸透膜装置による濃縮処理を行わずに直接大型エバポ
レーター(内容積300リットル)に送り蒸発濃縮を行
った点を除き、前記本発明実施例と同一の条件にて処理
を行い固形分濃度70%の製品を得た。
【0042】(設備費等の比較)前記本発明方法(実施
例)と従来法(比較例)による場合のそれぞれの設備費
(但し、クロマト分離装置を除く)、排水量及び蒸気使
用量を、設備費にあっては計算により求め、排水量、蒸
気使用量にあっては操業時のデータにより求め、両者の
比率をもって対比した。結果は次の通りである(いずれ
も、従来法における値を1.0としてその比を求め
た)。 設備費の比率: 従来法 : 本発明方法 = 1.0 : 0.60 排水量の比率: 従来法 : 本発明方法 = 1.0 : 0.67 蒸気使用量の比率: 従来法 : 本発明方法 = 1.0 : 0.2
【0043】以上の点から本発明方法によれば従来法に
比べて設備費が安価で済み、排水量、蒸気使用量のいず
れも低減でき経済的に極めて有利であることが確認され
た。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はクロマト
分離された分離液(三糖類以上の糖類溶液)を第1段濃
縮処理として逆浸透膜装置による濃縮を行い、次いで第
2段濃縮処理として蒸発濃縮を行うものであるから、ク
ロマト分離液を蒸発濃縮手段によってのみ濃縮する従来
法に比べて効率よく濃縮処理を行うことができる上、目
的とする濃度を得るために要する熱エネルギー消費量を
大幅に減少できる。また蒸発装置が小型のもので済むの
で、全体的に設備を簡素化でき、設備費を低減できて経
済的に極めて有利であり、生産コストの低下に寄与でき
る効果がある。
【0045】本発明はクロマト分離操作及び逆浸透膜濃
縮操作を50℃以上の温度条件下で行うため、クロマト
分離速度及び逆浸透膜分離速度を向上でき、糖溶液の粘
度が分離速度に影響を与える問題を解決することができ
る。また上記温度条件下で処理することにより、細菌の
発生を抑止し、糖溶液の腐敗を未然に防止することがで
きる。
【0046】本発明は逆浸透膜濃縮工程において分離さ
れた透過液をクロマト分離装置の溶離水供給部に還流す
るので、該透過液を溶離水として有効に利用することが
でき、市水、工業用水等の溶離水製造用原水の使用量を
低減できる。
【0047】また請求項2の本発明方法によれば、第1
の逆浸透膜装置により分離された透過液を更に第2の逆
浸透膜装置に導いて無機塩類溶液と透過液とに分離する
ので、原料液中に相当量の無機塩類が含有されている場
合でも確実に無機塩類を透過液から分離除去でき、従っ
て該透過液を溶離水として再利用するのに何ら支障がな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】擬似移動層式多成分分離装置の概略図である。
【図2】請求項1の本発明方法の工程を示す説明図であ
る。
【図3】請求項2の本発明方法の工程を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1〜10 充填層 14a〜14c 抜出管 14d 溶離水供給管 14e 原料液供給管 20 クロマト分離装置 23 逆浸透膜装置 26 蒸発装置 27、34 溶離水循環ライン 30 第1の逆浸透膜装置 31 第2の逆浸透膜装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−120394(JP,A) 特開 昭50−148537(JP,A) 特開 昭50−155638(JP,A) 特開 昭53−44641(JP,A) 特開 平4−227804(JP,A) 特公 昭52−28861(JP,B2) 特公 昭59−26322(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 1/06 - 1/08 C07H 3/02 - 3/06 B01D 15/08 B01D 61/02 500 C08B 37/00 C13F 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糖類及び/又はベタイン(第1成
    分)、二糖類(第2成分)、3分子以上の単糖類分子が
    グリコシド結合してなる糖類(第3成分)を含む混合溶
    液を50℃以上の温度条件下で、固定吸着剤を充填した
    多数の単位充填層を連結管で連結して無端直列に形成
    し、連結管に遮断弁を設けると共に、遮断弁を設けた連
    結管に前記混合溶液を供給する原料液供給管を接続して
    なる疑似移動層式多成分クロマト分離装置により上記第
    1成分、第2成分、第3成分の三成分に分離する工程
    と、クロマト分離により得られた第3成分溶液を50℃
    以上の温度条件下で逆浸透膜装置により濃縮処理して濃
    縮液と透過液とに分離する工程と、常温以上の温度を有
    する前記透過液をクロマト分離装置の溶離水供給部に還
    流する工程と、常温以上の温度を有する前記濃縮液を加
    熱して蒸発濃縮による第2段の濃縮処理を行う工程とか
    らなることを特徴とする3分子以上の単糖類分子がグリ
    コシド結合してなる糖類の製造方法。
  2. 【請求項2】 単糖類及び/又はベタイン(第1成
    分)、二糖類(第2成分)、3分子以上の単糖類分子が
    グリコシド結合してなる糖類(第3成分)を含む混合溶
    液を50℃以上の温度条件下で、固定吸着剤を充填した
    多数の単位充填層を連結管で連結して無端直列に形成
    し、連結管に遮断弁を設けると共に、遮断弁を設けた連
    結管に前記混合溶液を供給する原料液供給管を接続して
    なる疑似移動層式多成分クロマト分離装置により上記第
    1成分、第2成分、第3成分の三成分に分離する工程
    と、クロマト分離により得られた第3成分溶液を50℃
    以上の温度条件下で第1の逆浸透膜装置により濃縮処理
    して濃縮液と透過液とに分離する工程と、常温以上の温
    度を有する前記透過液を第2の逆浸透膜装置に導いて無
    機塩類溶液と透過液とに分離する工程と、第2の逆浸透
    膜装置により分離された透過液をクロマト分離装置の溶
    離水供給部に還流する工程と、第1の逆浸透膜装置によ
    り分離された常温以上の温度を有する前記濃縮液を加熱
    して蒸発濃縮による第2段の濃縮処理を行う工程とから
    なることを特徴とする3分子以上の単糖類分子がグリコ
    シド結合してなる糖類の製造方法。
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