JP3108052B2 - 鉄道車両の組立方法および鉄道車両 - Google Patents

鉄道車両の組立方法および鉄道車両

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JP3108052B2
JP3108052B2 JP10004374A JP437498A JP3108052B2 JP 3108052 B2 JP3108052 B2 JP 3108052B2 JP 10004374 A JP10004374 A JP 10004374A JP 437498 A JP437498 A JP 437498A JP 3108052 B2 JP3108052 B2 JP 3108052B2
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項の発明は、新幹線など
の鉄道車両のうちとくに先頭部(または最後部)につい
ての組立方法、およびそれに関連する鉄道車両に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図7(b)は、新幹線車両のような従来
の高速車両1’について先頭部(または最後部)の一部
を透視して示す斜視図である。車輪や駆動装置(図示せ
ず)を下部に有する台枠2’の上に先頭部構体4’がか
ぶせられ、その内部、すなわち台枠2’と先頭部構体
4’とで囲まれた空間内に、図7(a)に示す運転台
(運転台コンソールおよび運転に必要な制御機器類)1
0’が配置されている。
【0003】図のような車両先頭部は、従来、台枠2’
上に先頭部構体4’を組み付けたのちに運転台10’を
設置する、という手順により構成されていた。アルミ合
金等からなる金属製フレーム4a’の外側に同様の金属
製の板4b’を張り付けることによってなるその構体
4’を構成するためには、従来、内側すなわち運転台1
0’を設置すべき車室内の空間側からの作業が必要だっ
たからである。つまり、風圧による走行抵抗が小さい図
のような流線形の構体4’を製造するために、フレーム
4a’を先に組み立ててその外側に板4b’を当て、そ
の板4b’を内側および外側から板金加工などしてフレ
ーム4a’に沿わせて形状を整えたうえ、内側から溶接
して両者を一体化する−という作業を行うため、先に
運転台10’を設置しておくことはできなかったのであ
る。通勤電車等の先頭部構体については、流線形状では
ないため内外から板金加工の必要はないが、高速車両の
場合の手順に合わせて、やはり台枠上への先頭部構体の
組み付けが終わったのちに運転台が設置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す鉄道車両の
先頭部についての従来の組立方法には、つぎのような課
題がある。
【0005】イ) 先頭部構体4’を組み付けたのちの台
枠2’上に運転台10’を設置するため、設置の際に
は、運転台10’のコンソールや他の機器を小さく分割
して車室内(つまり台枠2’上であって構体4’に囲ま
れた部分)に搬入しなければならない。台枠2’に先頭
部構体4’を組み付けた状態では、運転台10’の搬入
経路は、構体10’中のドア(出入口)10a’や窓
(まだガラスを入れていないもの)の部分にしか確保で
きず、図1(b)の例では矢印xまたはyの経路しかな
いため、運転台10’の分割片はかなり小さくしておか
ねばならない。そのため運転台10’は、組立が容易な
小さな機器・ユニットに分けて構成しておく必要があ
る。すなわち運転台10’は、本来の機能上必要なもの
よりも数の多い部材によって構成されねばならないう
え、のちの組み立てが容易なように部材間の連結用の寸
法精度を確保する必要がある点で、相当のコストを要し
ている。
【0006】ロ) 分割状態で搬入される運転台10’の
組立を、先頭部構体4’に囲まれた狭い車室内で行わね
ばならない。台枠2’上に組み付けられた先頭部構体
4’は運転台10’の周囲を囲うため、運転台10’を
組み立てるためのスペースはかなり狭い。しかも上記イ)
のように、運転台10’はかなり小さな多数の構成部材
に分割されている。したがって、当該車室内に運転台1
0’を設置するまでの作業は容易でなく、相当な手間と
コストを必要とする。
【0007】ハ) 車室内で運転台10’を組み立てて設
置したとき、その周囲(外側)は先頭部構体4’によっ
て覆われているため、運転台10’の設置後に行う作業
はすべて運転台10’の内側(つまり車室の内部となる
側)からしか行えない。運転台10’のために外部配線
や配管を接続するといった作業も、そのように運転台1
0’の内側から行うことになる。このように運転台1
0’の内側のみから作業する場合、一部の作業を容易に
は行えないことがあるほか、並列して同時に多くの作業
を行って車両の組立を迅速化することが困難である。
【0008】請求項に記載の発明は、運転台の設置を容
易にするなど、上記の課題を解決する手段を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した鉄道
車両の組立方法は、下部に車輪を有する台枠の上に先頭
部(または最後部。以下も同じ)構体がかぶせられると
ともに、台枠と先頭部構体とで囲まれる空間内に運転台
コンソールおよび制御機器類を含む運転台が配置された
先頭部の鉄道車両を組み立てる方法であって、 上記
空間内に設置される前の運転台に、運転台の内側すなわ
ち車室となる台枠中央寄りの側からのメンテナンスが可
能になるよう機器を組み込んでおき、 その運転台を
車両先頭部の台枠上に設置したのち、 運転台の外
、すなわち車室外となる側から配管作業および配線作
業を行い、 そののち、別に製造された先頭部構体
、運転台を覆いながらも運転台を支持しない状態に台
枠上に組み付けることを特徴とする。
【0010】請求項1に記載したこの組立方法にはつぎ
のような作用がある。すなわち、 a) 先頭部構体をまだ組み付けていない状態の台枠上に
運転台を設置することから、前後・左右および上方のど
こからでも運転台を台枠上に搬入することができる。こ
のような搬入が可能である以上、運転台は、搬入のため
に事前に分割しておく必要がない。したがって運転台
は、のちの組立の容易性を考慮した構成にする必要はな
く、本来の機能上必要な部材のみからなる製作の容易な
少数のユニットによって低コストに構成することが可能
である。
【0011】b) 運転台は、台枠上に上方から搬入する
こともできるので、クレーン等で吊り上げて運び入れる
という最も簡便な搬入方法をとることも可能である。ま
た、上記のとおり運転台の分割数を最小限にできるた
め、搬入後に運転台の構成部材間を連結する作業は不要
であるかまたはほとんどない。つまりこの組立方法によ
れば、運転台の設置に必要な作業について手間やコスト
が極めて少ない。
【0012】c) 運転台を設置したあとの作業は、運転
台等の内側と外側とから同時に行うことが可能である。
構体が組み付けられる前の台枠上においては運転台等の
周囲が開放状態にあるため、たとえば、運転台または他
の搭載機器への配線や配管の接続・固定等を運転台の外
側(車室外となる側)から行い、制御機器類のチェック
等を運転台の内側から行えるのである。そのため、各種
の作業が(たとえば大型配管の施工も)行いやすくなる
ほか、複数作業の同時実施によって車両の組み立てを大
幅に迅速化できる。なお、従来なら台枠の構成後にその
台枠上で行っていた運転台の組み立て作業を台枠の構成
作業中に他の箇所(電機品工場など)で行うことができ
るため、その意味でも、複数作業の同時実施によって車
両製造を効率化できることになる。
【0013】
【0014】
【0015】請求項1のこの組立方法はさらに、d)
側からのメンテナンスが可能になるように運転台内に機
器を組み込む(上記)ため、先頭部構体を組み付けた
のち(たとえば車両の完成後)にも運転台内の機器のメ
ンテナンスが可能である。もし仮に、運転台の外側から
行う配線・配管作業(上記)と同様にそれらの機器に
ついても外側から取り付けるなどして、内側からの機器
のメンテナンスが不可能な状態にしていたなら、車両の
完成後などに当該機器をメンテナンスするとき先頭部構
体を取り外す等の必要が生じてしまう。請求項1の方法
によれば、そのような不都合がないのである。
【0016】e) また、上記のような機器の組み込み
を、台枠上に設置する前の運転台に対して行う点にも特
徴を有する。こうすることによって、必要な機器を内部
に備える運転台を専門の工場(たとえば制御装置の製作
所)において完成(またはほとんど完成状態に)させる
ことができ、台枠上に設置した状態の運転台に機器を組
み込む場合に比べて運転台の製造を迅速化し、そのコス
トダウンを図ることも可能になる。台枠上への運転台の
搬入は、運転台の大きさや重量にかかわらず前記のとお
り容易に行えるため、このように運転台内に先に機器を
組み込んでおいても不都合な点はないといえる。
【0017】請求項2に記載した鉄道車両は、下部に車
輪を有する台枠の上に先頭部構体がかぶせられるととも
に、台枠と先頭部構体とで囲まれる空間内に運転台コン
ソールおよび制御機器類を含む運転台が配置された先頭
部の鉄道車両であって、 先頭部構体がFRP等の成形物
であり、運転台が、その構体によっては支持されずに車
両先頭部の台枠に対してのみ固定されて設置されている
こと、および、運転台のための配管および配線が当該運
転台の外側すなわち台枠における外側寄りに配置され、
運転台の内部にあるメンテナンスを要する機器が、運転
台の内側すなわち車室となる台枠中央寄りの側からの取
り扱いが可能な位置に配置されていることを特徴とす
る。
【0018】この鉄道車両における先頭部構体はFRP
等の成形物であり、金属製フレームの外側に金属製の板
を張り付けてなる図7に例示の構体とは異なる。すなわ
ち、所定の成形型や硬化手段を用いて事前に(つまり台
枠上に搬入する前に)所定の形に成形しておく成形物で
あるため、これを台枠上に組み付ける際は、かぶせるよ
うに台枠上に載せて結合するだけでよく、板金加工や溶
接をしたりという、車室の内側から行う作業が不要であ
る。またこの鉄道車両では、運転台を、車両先頭部の台
枠(もしくは台枠上に固定した支持具)に対してのみ固
定することによって設置し、FRP等の成形物である先
頭部構体には支持させない。そのため、運転台の設置の
際、すでに先頭部構体が台枠上に組み付けられていなけ
ればならない理由もない。
【0019】したがって、この鉄道車両については、台
枠上に先頭部構体を組み付ける前に運転台を台枠上に設
置しておくことが可能であり、そのため、前述したa)・
b)・c)の作用によってその車両は合理的に製造されるこ
とになる。
【0020】
【0021】この鉄道車両では、メンテナンスの必要な
機器を内側からの取り扱いが可能な位置に配置している
ため、車両が完成したのちにも運転台内の機器を容易に
メンテナンスすることができる。また、配管や配線を運
転台の外側に配置するため、先頭部構体を組み付ける前
の台枠上に運転台を設置したとき、配線や配管の接続・
固定等を運転台の外側から行いながら、制御機器類のチ
ェック等を運転台の内側から行うなど、複数作業の同時
実施によって車両の組み立てを迅速化することができ
る。
【0022】請求項3に記載の鉄道車両はさらに、運転
台と先頭部構体との隙間を、内部に流体(充填時に流体
であるもの)を充填したゴムチューブ等によって塞いで
いることを特徴とする。充填する流体としては、空気や
発泡ウレタンなど、ゴムチューブ内で弾性を保つものが
好ましい。
【0023】プラスチック成形物である先頭部構体は、
成形または硬化時の歪み等によって製造時に変形しやす
く、しかもその変形を後に修正することは容易でない。
そのため、運転台につき寸法誤差を小さく抑えて製造し
たとしても、運転台と構体との間に全く隙間がないよう
にするのは困難である。しかし、上記のように内部に流
体を充填するゴムチューブを運転台・先頭部構体間に装
着すると、両者間の隙間がかなり大きい場合であっても
それを塞ぐことができる。ゴムチューブは流体の充填に
より膨らんでその太さを増すうえ、自らの弾性に基づい
て変形しやすいため、運転台・構体間にかなりの隙間が
あっても、またその隙間が不均一であっても、両者に密
着して隙間をなくすからである。このようにして隙間を
なくせると、構体の実際の変形量に合わせて製造した目
板によって隙間を塞ぐ、といった煩わしい仕上げ作業が
不要になる。請求項4の鉄道車両は、さらに、一部の制
御機器類を、フレームおよびキャスターを有するユニッ
ト(コンソール等とともに運転台に含まれるもの)内に
おさめ、そのユニットを上記の台枠上に固定したことを
特徴とする。このようにするのは、FRP等のプラスチ
ック成形物である先頭部構体には制御機器類の取り付け
に適したフレームが含まれていないこと、および組立手
順の関係で大型の機器の一括搬入が容易だからである。
このユニットの設置については、キャスターを利用して
台枠上の適切な位置にまで移動し、何らかの固定手段に
てフレーム等を台枠上に固定する。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図6に、発明の実施につい
ての一形態を紹介する。図1は、製造中の高速鉄道車両
1のうち先頭付近の一部についての斜視図であり、図1
(a)は先頭部構体4を示し、同(b)は運転台10を
設置した状態の台枠2を示している。図2は、図1の車
両1について運転台10等を後方から見た図、また図3
は、その車両1のうち台枠2等を斜め前方から見た図で
ある。図4は、運転台10の一部であるコントロール機
器ユニット12についての斜視図、図5は、運転台のた
めの配管22の取り付け状態を示す斜視図である。また
図6は、ゴムチューブ30をはさむ運転台10と構体4
との関係を示す図である。
【0025】新幹線の先頭車両となる図1の鉄道車両1
は、車輪や駆動装置(いずれも図示せず)を下部に有す
る台枠2を先頭部構体4によって覆うことを概ねの構成
としている。構体4よりも前方の部分には連結器(図示
せず)が設けられており、その上部には連結器カバー3
がかぶせられている。台枠2は、図2のように周囲のサ
イドフレーム2a間に台板2bが取り付けられたもの
で、その上面に床材2cが張り付けられている。
【0026】この車両1においては、先頭部構体4をプ
ラスチックの複合材によって構成している。図7のよう
にフレーム4a’と板4b’とからなる金属製構体4’
ではフレーム4a’と板4b’との間の一体化や表面の
仕上げにかなりの工数がかかるため、構体をプラスチッ
クで製作してそれらの工数を減らそうというねらいから
である。図1に示す車両1における構体4用の複合材と
しては、FRP(繊維強化プラスチック)製の内・外層
のスキン(厚さ数mm)の間にプラスチック発泡材から
なるコア(厚さ数十mm)を積層したサンドイッチ構造
の板状複合材(全体の厚さが約50mmのもの)を用い
ている。そのような複合材では、主として内・外層スキ
ンが面内の引っ張りや曲げ・剪断等に対する強度を有
し、またそれらが、相当の厚みを有するコアの作用と相
俟って面外の曲げ等に対する剛性を発揮するため、他の
フレーム類を一体化しなくても、必要な強度を備え得る
からである。この構体4についてはとくに、内・外層の
各スキンを高弾性カーボン繊維強化プラスチック(CF
RP)とし、コアを、耐熱構造用のポリメタクリルイミ
ド発泡材としている。
【0027】上記のような複合材製の先頭部構体4は、
図1(a)に示す外側表面に沿う形状をもつ成形型(図
示せず)の上に、FRP板の素材であるプリプレグ(図
示せず)などを積層し、それらをオートクレーブ(図示
せず)内で加熱・加圧して硬化させることにより製造し
ている。硬化させたのちは成形工程等を加えることは不
要であり、車両1の台枠2上ではその内面側から構体4
に何らの作業をもなす必要がない。したがって、台枠2
上への構体4の組み付けは、成形ずみの構体4をクレー
ン(図示せず)で吊って台枠2上に下ろし、台枠2と結
合することのみによって完了する。
【0028】車両1は先頭車両であるため構体4の内部
には運転台10を配置するが、この車両1では、構体4
を組み付ける前の台枠2上に運転台10を設置すること
としている。つまり、図1〜図3に示すように台枠2上
に先に運転台10を設置し、その後に構体4を上からか
ぶせている。構体4のない段階で行うなら、運転台10
を台枠2上に搬入し設置する作業等は極めて容易に行え
るからである。またこのような手順をとり得るのは、上
述のように構体4が、台枠2の上で内面側からの作業を
必要としない以上、運転台10等を設置したのちに台枠
2上に組み付けても作業上の支障が全くないからであ
る。なお、運転台10とは、図2や図3に示すコンソー
ル11のほか、運転に必要なコントロール機器を集約し
た図4のユニット12等を含むものをいう。
【0029】運転台10の製造および設置を含めたこの
鉄道車両1の組立作業は、つぎの手順によって行ってい
る。すなわち、 図2に示す計器板11aやテーブル11b・下部ブ
ロック11c・フレーム11dなどからなるコンソール
11を、車両1とは別に製造する。コンソール11の内
部には、図3に示すように制御機器類11e(電気機器
または流体圧機器等)やその支持部材11fを含める
が、それらは、コンソール11の内側(車室となる台枠
2の中央寄りの側。下部ブロック11cなどに開閉蓋1
1jを設けている)からメンテナンスが行いやすいよう
に配置する。その制御機器類11eが機能上の最重要部
品であるから、コンソール11はたとえば制御装置専門
の工場内で製造するのが好ましく、台枠2等とは別に、
その組み付けが終わるまでに製造しておく。のちに行う
台枠2上への設置作業を簡単化するため、コンソール1
1は、吊り上げ等による運搬が可能な範囲で最大限に一
体化を進めておくのがよい。
【0030】 図4に示すユニット12についても、
上記のコンソール11と同様に、台枠2等とは別に製造
する。このユニット12は、下部にキャスター12bを
有するフレーム12aの内部に制御機器類12cやコネ
クター12dを内蔵したものである。図7に示した従来
の車両1’においては、構体4’の金属製フレーム4
a’の内側に制御機器類を個々に取り付けていた(図示
せず)が、図1の車両1では取付けに適したフレームが
構体4には含まれておらず、また組立手順の関係で大型
の機器の一括搬入が容易であることから、図4のとおり
制御機器類12c等を一つのユニット12内におさめる
のである。このユニット12についても、台枠2上に設
置した状態で制御機器類12cのメンテナンスが内側か
らできるように構成しておく。
【0031】 やはり台枠2等とは別に先頭部構体4
を製造する。構体4は、前述のような成形・硬化工程等
を経ることによって製造を完了するので、その後には形
状を整える等の必要はなくなる。
【0032】 上記のように製造したコンソール11
やユニット12を、車両製造工場においてクレーン(図
示せず)により台枠2上に搬入し、設置する。このとき
台枠2には構体4を組み付けていないため、そのような
搬入と設置は極めて容易に行える。コンソール11につ
いては、図2のように台枠2上に張った床材2cの上に
高床フレーム2dを築き、一部をその上に載せるよう設
置する。台枠2上にはまだ構体4等を組み付けていない
ため、設置したコンソール11のフレーム11dは、図
3のようにボルト11g等により台枠2に対してのみ固
定する。なお、図4のユニット12の設置については、
キャスター12bを利用して台枠2上の適切な位置にま
で移動し、何らかの固定手段にてフレーム12a等を台
枠2上に固定させればよい。
【0033】 コンソール11やユニット12の設置
が終わると、それらに対し、図3等に示す配線21や配
管22などの接続を行う。図7の車両1’では配線は金
属製フレーム4a’に結わえていた(図示せず)が、図
3のようにこの車両1においては、コンソール11のフ
レーム11dに結わえ付けることにより支持をとる。配
管22についても、図7におけるフレーム4a’の内側
に支持させる(図示せず)といった従来の支持方法はと
れないため、コンソール11のフレーム11dに支持さ
せるか、または図5のように台枠2上に支持具23を固
定してその外側に取り付け、支持させる。配線21も配
管22も台枠2における外側寄りに配置するものとし、
運転台10の内側から制御機器類の点検等を行いなが
ら、その外側において配線・配管の施工作業が行えるよ
うにするのがよい。
【0034】 上記によって運転台10の設置と配線
21・配管22などの施工が終わると、図1または図2
のようにその台枠2上に先頭部構体4を組み付ける。す
なわち、上記によって成形ずみの構体4をクレーン
(図示せず)で吊って台枠2上に下ろし、図2に示す台
枠2のブラケット2xに対して構体4の継手部4xを接
合したうえ、両者を台枠2の外側からボルトやリベット
等にて締結する。なお、構体4には上記の硬化工程にお
いて変形が生じている可能性が高く、また、構体4を取
り付ける際に誤差も生じる。その変形や誤差等によって
コンソール11との間に生じやすい隙間を埋めるために
は、この組み付けの際に一例として、図6に示すゴムチ
ューブ30を使用する。すなわち、あらかじめコンソー
ル11の上面および側面の適所にゴムチューブ30を付
着させておき、構体4を台枠2上に組み付けたのち、そ
のチューブ30の内部に空気などの流体を充填してチュ
ーブ30を封じる。流体を充填することにより膨らむそ
のチューブ30は、コンソール11と構体4との間の隙
間が大きい部分ではその太さを増し、隙間の小さい部分
では自らの弾性と流体の変形能とに基づき平たく広がる
ことによってコンソール11と構体4との双方に密着
し、両者間の隙間をなくすのである。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載した鉄道車両の組立方法
には、つぎのような効果がある。すなわち、 a) 運転台は、とくに分割をしていなくても容易に台枠
上に設置できるため、機能上必要な部材のみからなる製
作の容易な少数のユニットによって低コストに構成する
ことができる。
【0036】b) 運転台を台枠上に搬入するのが容易で
あるうえ、搬入後に台枠上で運転台の部材間を連結する
作業が不要(またはほとんどない)なので、運転台の設
置作業に関して手間やコストが極めて少ない。
【0037】c) 運転台の設置後の作業を運転台等の内
側と外側とから同時に行うことができるため、各種の作
業が行いやすくなるほか、複数作業の同時実施によって
車両の組み立てを能率化することができる。
【0038】さらに、 d) 内側からのメンテナンスが可能になるように運転台
内に機器を組み込むため、車両の完成後などにもその機
器のメンテナンスが可能である。
【0039】e) 運転台内への機器の組み込みを、その
運転台を台枠上に設置する前に行うにため、運転台を、
専門の工場内において迅速かつ低コストに製造すること
ができる。
【0040】請求項2に記載した鉄道車両には、 f) 先頭部構体がFRP等のプラスチック成形物であっ
て台枠上に組み付ける際に車室の内側から行うべき作業
がほとんどなく、また、運転台を先頭部構体には支持さ
せないことから、先頭部構体を組み付ける前に台枠上に
運転台を設置することができ、したがって前記a)・b)・
c)の効果がもたらされる。
【0041】さらに、 g) 台枠上に運転台を設置したとき、配線や配管の施工
作業を運転台の外側から行って制御機器類のチェック等
を運転台の内側から行うなど、複数の作業を内・外から
同時実施することにより車両の組み立てを迅速化するこ
とができる。また、車両が完成したのちにも運転台内の
機器を容易にメンテナンスできる、という利点もある。
【0042】請求項3の鉄道車両は、上記のほかに、 h) 先頭部構体の製造時の歪み等によって当該構体と運
転台との間に生じやすい隙間を、簡単かつ確実に塞ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示す図で、製造中
の鉄道車両1のうち先頭付近の一部についての斜視図で
ある。図1(a)は先頭部構体4を示し、同(b)は、
運転台10を設置した状態の台枠2等を示している。
【図2】図1の車両1について運転台10等を後方から
見た図である。
【図3】上記の車両1のうち台枠2等を斜め前方から見
た図である。
【図4】運転台10の一部であるコントロール機器ユニ
ット12についての斜視図である。
【図5】運転台10のための配管22の取り付け状態を
示す斜視図である。
【図6】ゴムチューブ30をはさむ運転台10と構体4
との関係を示す図である。
【図7】従来の鉄道車両1’について先頭部の一部を透
視して示す斜視図である。図7(a)は運転台10’を
示し、同(b)は、先頭部構体4’を組み込んだ状態の
台枠2’等を示す。
【符号の説明】
1 鉄道車両 2 台枠 4 先頭部構体 10 運転台 11 コンソール 12 コントロール機器ユニット 21 配線 22 配管 30 ゴムチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−46968(JP,A) 特開 平3−2873(JP,A) 特開 昭64−78968(JP,A) 実開 平4−83968(JP,U) 実開 昭63−141070(JP,U) 実開 昭51−151308(JP,U) 特公 昭52−34284(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61D 17/00 - 17/06 B61C 17/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に車輪を有する台枠の上に先頭部構
    体がかぶせられるとともに、台枠と先頭部構体とで囲ま
    れる空間内に運転台コンソールおよび制御機器類を含む
    運転台が配置された先頭部の鉄道車両を組み立てる方法
    であって、 上記空間内に設置 される前の運転台に、運転台の内側す
    なわち車室となる台枠中央寄りの側からのメンテナンス
    が可能になるよう機器を組み込んでおき、その運転台を
    車両先頭部の台枠上に設置したのち、運転台の外側すな
    わち車室外となる側から配管作業および配線作業を行
    い、そののち、別に製造された先頭部構体を、運転台を
    覆いながらも運転台を支持しない状態に台枠上に組み付
    けることを特徴とする鉄道車両の組立方法。
  2. 【請求項2】 下部に車輪を有する台枠の上に先頭部構
    体がかぶせられるとともに、台枠と先頭部構体とで囲ま
    れる空間内に運転台コンソールおよび制御機器類を含む
    運転台が配置された先頭部の鉄道車両であって、 先頭部構体がFRP等の成形物であり、運転台が、その
    構体によっては支持されずに車両先頭部の台枠に対して
    のみ固定されて設置されていること および、運転台のための配管および配線が当該運転台の
    外側すなわち台枠における外側寄りに配置され、運転台
    の内部にあるメンテナンスを要する機器が、運転台の内
    側すなわち車室となる台枠中央寄りの側からの取り扱い
    が可能な位置に配置されていること を特徴とする鉄道車
    両。
  3. 【請求項3】 運転台と先頭部構体との隙間が、内部に
    流体を充填されたゴムチューブ等によって塞がれている
    ことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両。
  4. 【請求項4】 一部の制御機器類が、フレームおよびキ
    ャスターを有するユニット内におさめられ、そのユニッ
    トが上記の台枠上に固定されていることを特徴とする請
    求項2または3に記載の鉄道車両。
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