JP3105873B2 - 色再現補正回路及びこれを用いたカラーディスプレイ装置 - Google Patents

色再現補正回路及びこれを用いたカラーディスプレイ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー表示の色再
現領域内での色再現歪を低減する色再現補正回路及びこ
れを用いたカラーディスプレイ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現状のカラーテレビジョン受信機では、
その三原色螢光体(赤、青、緑)のxy色度値がNTS
C方式によって定められた螢光体(NTSC螢光体)の
xy色度値と異なっていて、カラーテレビジョン受信機
の色再現領域がNTSC螢光体の色再現領域よりも狭い
ために、カラーテレビジョン受信機の色再現特性に歪を
生じることが知られている。これを図11に示すUCS
色度図で説明する。
【0003】図11は、現状のカラーテレビジョン受信
機の三原色螢光体(赤、青、緑)のxy色度値がNTS
C螢光体のそれと異なることによって生じる色再現の歪
を図示したものであって、1はNTSC螢光体の作る色
再現領域を、2は現状のカラーテレビジョン受信機の作
る色再現領域を表わしており、図中の白丸印3、4、
5、6、7、8、9がNTSC螢光体の色再現領域1に
おける再現色、即ち、順に緑色、黄緑色、肌色、赤色、
シアン、ピンク、青色を、黒丸印が現状のカラーテレビ
ジョン受信機の色再現領域2における再現色を夫々示し
ている。矢印は色再現領域1における再現色が色再現領
域2で歪を受けて再現色の位置が変わったことを示して
おり、矢印先端が歪を受けてその位置(黒丸印)に色再
現されることを示している。また、二重丸4、9は再現
色が歪を受けないことを表わしている。
【0004】図示するように、NTSC螢光体の作る色
再現領域1と現状のカラーテレビジョン受信機の作る色
再現領域2とには違いがあり、これにより、カラーテレ
ビジョン受信機の色再現特性の歪は、ほとんどの再現色
が黄緑色4と青色9を結ぶ軸10方向に移るように生
じ、このため、例えば緑色3や肌色5が黄緑色4に圧縮
されるような色歪となる。このように色再現歪は不規則
に生ずるものではなく、或る色相を持つ軸線(図11で
は、軸線10)を中心に、その両側からNTSC螢光体
による色再現位置よりこの軸線に近接した位置に再現さ
れる歪が生ずる。このようにして、カラーテレビジョン
受信機の色再現が悪化するのである。
【0005】これは、NTSC方式の制定時、NTSC
螢光体として、その当時一番広い色再現領域が得られる
螢光体を選び、そのxy色度値を設定したことに起因す
る。これらの螢光体は、発光効率が悪く(暗い)、長残
光特性(応答が悪い)であるという不都合があったた
め、実際のカラーテレビジョン受信機に採用される螢光
体は、多少色再現領域が狭くても(色再現性を犠牲にし
ても)、発光効率が良く、短残光特性であるものが採用
されてきた。このため、xy色度値がNTSC方式の規
格と実際のカラーテレビジョン受信機とで異なるという
状況となった。
【0006】なお、PAL方式では、発光効率や残光特
性を考慮して、実際に採用する螢光体のxy色度値をP
AL方式の色度値に定めている。このため、PAL方式
では、カラーテレビジョン受信機の色再現領域がPAL
螢光体の色再現領域とほぼ等しく、色再現特性に歪が生
じない。
【0007】この問題点を解決する手段の一例が、特公
昭57−23478号公報に記載されている。以下、こ
の従来技術を説明する。
【0008】上記のように、現状のカラーテレビジョン
受信機においては、或る軸線の方向に色再現歪が生ずる
ものであるから、この従来技術は、この軸線に対して両
側方向に色変化を拡大させることによって歪を補正し、
色再現性を良好にするものである。即ち、図12におい
て、軸線10は上記のように色再現歪が両側から圧縮さ
れていることを見出した黄緑色の軸線であって、この軸
線10に対して逆方向に、即ち、矢印11で示す方向に
色変化を拡大させることにより、軸線10への圧縮を補
正して色再現歪を解消するものである。
【0009】このための方法を図13で説明する。同図
では、横軸にカラーテレビジョン受信機における入力ク
ロマ信号の位相をとり、縦軸に補正されたクロマ信号の
位相をとっており、補正がなされないときには、これら
クロマ信号の位相関係は破線で示すようになるが、上記
従来技術での補正によると、これらクロマ信号の位相関
係は、実線で示すようになる。これにより、上記のよう
に、図12での矢印11で示す方向に色変化が生ずるこ
とになる。
【0010】図14は直流制御式色相調整によって上記
のように色再現歪を補正する従来の色再現補正装置の1
例を示すブロック図であって、12は帯域増幅器、13
は基準色搬送波発振器、14は移相回路、15は90度
進相器、16は色相調節器、17はリミッタ、18、1
9は位相検波器、20はクリッパ、21は乗算器、22
は色相調節用の直流電源、23は加算回路、30は色復
調回路である。
【0011】同図において、受信されたカラー映像信号
のクロマ信号は、帯域増幅器12で帯域制限され、色復
調回路30に供給されると共に、リミッタ17を介して
2つの位相検波器18、19に供給される。また、帯域
増幅器12より取り出されたバースト信号は基準色搬送
波発振器13に供給され、このバースト信号に位相同期
した基準色搬送波が得られる。この基準色搬送波は、移
相回路14で移相された後、直接位相検波器18に、ま
た、90度進相器15で深相されて位相検波器19に供
給される。いま、移相回路14の特性を適当に選んで出
力される基準色搬送波の位相を黄緑色、即ち、入力クロ
マ信号のバースト信号の位相に対して5度になるように
すると、位相検波器18は黄緑色用位相検波器となり、
位相検波器19は黄緑色信号と直行する軸の位相検波器
となる。黄緑色信号の位相を基準位相としてこれに対す
るクロマ信号の位相をθとすると、位相検波器18の出
力信号V1の電圧レベルは、位相θに対して図15
(a)に示す曲線V1のように変化し、位相検波器19
の出力信号V2の電圧レベルは、図15(b)に示す曲
線V2のように変化する。位相検波器18の出力信号V
1はクリッパ20で所定のクリップレベルでクリップさ
れ、位相θに対して図15(c)に示す曲線V3の電圧
特性の信号V3が得られる。これにより、クリッパ20
の出力信号は、黄緑色近傍に対して図12の補正11を
得るように、適当に調整される。ここでは、一例として
−60〜+60°の範囲となるように、クリッパ20の
クリップレベルが選ばれている。クリッパ20の出力信
号V3は位相検波器19の出力信号V2と乗算器21で
乗算される。これにより、乗算器21の出力信号V4の
電圧レベルは図15(d)に示す曲線V4のようにな
る。乗算器21の出力信号(電圧)V4直流電源22か
らの直流電圧Vdとが加算回路23で加算され、制御電
圧として色相調節器16に供給される。
【0012】色相調節器16は、基準色搬送波発振器1
3からの基準色搬送波の位相を加算回路23からの制御
電圧に応じて変化させる。この位相変化は、例えば、色
副搬送波とこれを90°移相したものとを制御信号に応
じた比率で加算することによって行なわれる。色相調節
器16による色副搬送波の位相の変化は、加算回路23
からの制御電圧、即ち、直流電源22の出力電圧Vdと
乗算器21の出力電圧V4とによって制御される。い
ま、直流電源22の出力電圧Vdを縦軸にとり、基準色
搬送波発振器13からの基準色搬送波に対する色相調節
器16の出力色副搬送波の位相Δθを横軸にとると、こ
の位相Δθは、直流電源22の出力電圧Vdに対し、図
15(e)に示すようになる。色相調節器16の制御電
圧は直流電源22の出力直流電圧Vdに図15(d)に
示した特性を持つ乗算器21の出力電圧V4を加えたも
のであるから、いま、図15(d)において、乗算器2
1の出力電圧V4が−e〜+eの範囲で変化するとする
と、図15(e)において、加算回路23の出力電圧は
直流電源22からの所定の直流電圧Vdを中心に±eの
範囲で変化するから、クロマ信号のいそうが−60゜〜
+60゜の範囲外では、直流電圧Vdに対して位相Δθ
がΔθ0 となるが、この−60゜〜+60゜の範囲内で
は、位相ΔθがΔθ1 〜Δθ2 (但し、Δθ1 <Δθ0
<Δθ2 )の範囲で変化する。そして、色相調節器16
からのかかる基準色搬送波を色復調回路30に供給し、
帯域増幅器12からのクロマ信号を復調すると、図13
で説明したように、黄緑色近傍の色相変化が拡大された
特性の色信号が復調され、図12で説明したように、色
再現歪の補正が行なわれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる従来
技術では、上記のように、図12の軸線10の近傍色の
補正には効果があるが、全ての色を補正することは困難
である。この問題について、以下、説明する。
【0014】まず、図13に示した特性曲線の場合、図
12に示すように、緑色3や肌色5の色再現歪が改善さ
れる。しかしながら、図11に示す赤色6、シアン7、
ピンク8等については、これらが図13に示す特性曲線
の補正範囲に含まれないため、色再現歪が改善されな
い。
【0015】そこで、図13に示す特性曲線の補正範囲
を広げた場合を考えると、その補正結果は図16に示す
ようになる。この場合、補正は矢印11方向に色変化を
拡大することになり、赤色6は、補正前の色再現位置6
1に対し、補正後では色再現位置62に移動する。同様
に、シアン7は、補正前の色再現位置71に対し、補正
後では色再現位置72に、ピンク8は、色再現位置81
が色再現位置82に夫々移動する。このようにして、図
13に示す特性曲線の補正範囲を広げても、赤色6、シ
アン7、ピンク8については色再現歪が改善されないこ
とになる。
【0016】また、図13では黄緑色4のみを補正の中
心点としたが、さらに、青色9も中心点として補正の中
心点を2点に増やし、それらの補正範囲を夫々−90゜
〜+90°程度とした場合を考えると、その補正結果は
図17に示すようになる。この場合、補正の方向は矢印
11と矢印110の2方向があることになる。かかる補
正によると、ピンク8は、意図通りに色再現歪が改善す
るが、赤色6は、補正前の色再現位置61に対し、補正
後では色再現位置63に、シアン7は、補正前の色再現
位置71に対し、補正後では色再現位置73に夫々なる
だけであり、やはり色再現歪を改善できない。
【0017】以上のように、上記の従来技術では、色再
現範囲の夫々の色について色再現性を改善することは困
難であり、また、色再現を改善する色を増やそうとする
と、上記のように、複数の補正中心点を必要とし、その
分回路規模が増大するという問題があった。
【0018】さらに、上記従来技術では、色相調整器の
制御電圧を適応的に変化させて色相を制御することによ
り、色相変化を拡大するものであり、新たに最適な再現
色(新たな三色の混合比率の色)を発生するわけではな
い。即ち、色相調節により、3つの色差信号を夫々生成
する3つの復調器の復調軸を同時に移相する構成である
ため、その補正は、色度図上で色相方向(色再現範囲の
周回方向)は可能であるが、色飽和度方向(色再現範囲
の中心から周辺への方向)は不可能である。このよう
に、入力される色信号に最適な新たな三色の混合色を作
れないので、補正不可能な色もあるという問題もあっ
た。
【0019】本発明の目的は、かかる問題を解消し、簡
単な回路構成で色再現範囲の全ての色に対して再現を
改善することができるようにした色再現補正回路及びこ
れを用いたカラーディスプレイ装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、搬送色信号から復調する特定の色信号に
対し、互いに異なる復調軸でもって該搬送色信号を復調
し、復調振幅のベクトル軌跡が互いに異なる復調色信号
を得る複数の復調回路と、該複数の復調回路から夫々得
られる該復調色信号を大小比較演算し、復調振幅のベク
トル軌跡が小さい方の該復調色信号を選択して該特定の
色信号とする選択手段とを備え、該復調振幅のベクトル
軌跡は夫々、互いに異なる特定の色相に関するものであ
って、再現される三原色のxy色度値が放送方式で規定
される値と異なることによって生ずる色再現領域内での
該当する該特定の色相の色再現歪を低減するベクトル軌
跡であり、該選択手段から得られる該特定の色信号が、
該複数の復調振幅のベクトル軌跡夫々での選択された部
分からなる複合形状の復調振幅のベクトル軌跡の復調色
信号とするものである。
【0021】かかる構成によると、色復調のための復調
軸(復調利得、復調角)の設定により、再現色のxy色
度値が変化する。従って、任意の色相における色再現歪
が低減するように色復調の復調軸を設定すると、色再現
領域内の夫々の色相に対して、色再現歪が低減して色再
現性を補正できる。
【0022】上記複数の復調回路は、夫々異なる色相の
範囲において、夫々の色再現歪が低減する復調軸をも
つ。そこで、該復調回路の出力信号による演算(例えば
最小値を選択すること)により、任意の色相のとき、こ
の色相が上記の色再現歪が最小となる範囲内となる復調
軸をもつ復調回路の出力信号を選択出力する。これによ
り、夫々の色相に対して、色再現歪が最小となる復調回
の復調利得、復調角を設定することにより、全ての色
相に対して、色再現歪を補正することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。まず、図1〜図7により、本発明に用い
る色再現補正方法の一例について、NTSC標準方式を
例にして、説明する。
【0024】NTSC方式クロマ信号(搬送色信号)の
標準復調軸は図4に示されるようになる。ここで、SR
4はR−Yの復調軸、SBはB−Yの復調軸、SGはG
−Yの復調軸であり、−SR4はR−Yの復調軸の負成
分を表わしている。
【0025】図4において、任意の色相の入力クロマ信
号が復調軸SR4で復調されると、復調された色信号
(色差信号R−Y)の振幅は、この入力クロマ信号の位
相に応じて、その正成分がE4で示すベクトル軌跡で表
わされ、その負成分は−E4で示すベクトル軌跡で表わ
される。この復調軸の色再現性は図11のようになる。
復調軸の色再現性は、図18に示す式(1)、式
(2)、式(3)から導かれる。
【0026】即ち、式(1)は、クロマ信号の振幅がE
c、色位相角がθ、輝度信号の振幅がEyの入力カラー
映像信号と復調された原色信号R、G、Bとの関係を示
すものであって、 Ar:R−Y復調回路の復調利得、 φr:R−Y復調
回路の復調角 Ag:G−Y復調回路の復調利得、 φg:G−Y復調
回路の復調角 Ab:B−Y復調回路の復調利得、 φb:B−Y復調
回路の復調角 Ay:輝度利得、 γ:ガンマ値 である。ここで、復調利得Ar、Ag、Abは、図4に
おいては、夫々復調軸SR4、SG、SBの大きさに相
当し、復調角φr、φg、φbは夫々復調軸SR4、S
G、SBの方向に相当する。
【0027】また、受像管の螢光体における基礎刺激値
をXw、Yw、Zwとすると、この螢光体の表色系に対
する刺激値R、G、BとCIE刺激値X、Y、Zとの関
係は図18の式(2)で表わされる。但し、Δijは、受
像管の螢光体の各色に対するxy式度値を、 (R):xr、yr (G):xg、yg
(B):xb、yb として、式(3)に示す行列式のi列j行の小行列式で
ある。
【0028】式(2)を逆変換してX、Y、Zを求める
と、これらX、Y、Zの値から図18の式(4)によ
り、再現色のxy色度値が得られる。
【0029】R−Yの復調軸の復調利得Arを図4に示
したNTSC標準方式より大きくすると、その復調特性
は図2に示すようになる。但し、SR2、−SR2は夫
々R−Yの復調軸であり、E2、−E2は夫々復調軸S
R2、−SR2による復調信号の振幅の正成分と負成分
のベクトル軌跡を示す。このようにR−Yの復調軸の復
調利得Arのみを大きくすると、図18の式(1)〜式
(4)によって再現色のxy色度値は変化し、これによ
る色再現性は図6に示すようになる。即ち、緑色3、肌
色5、シアン7の色再現が補正される。これは、肌色5
については、赤色成分の混入比が増大するので、赤色R
方向へ色度値が移動し、緑色3とシアン7については、
逆に、赤色成分の混入比が減少するので、赤色Rから離
れる方向へ色度値が移動するためである。しかしなが
ら、赤色6やマゼンタ8については、赤色成分の混入が
大きすぎて過補正となってしまい、色再現歪を改善する
ことができない。即ち、図2に示した復調特性は肌色5
〜緑色3〜青色9の色相に最適な復調特性と言える。
【0030】また、図4に示したNTSC標準よりも、
R−Yの復調軸の復調利得Arを大きくし、さらに復調
角φrを広げると、その復調特性は図3に示すようにな
る。但し、SR3、−SR3は夫々R−Yの復調軸であ
り、E3、−E3は夫々復調軸SR3、−SR3による
復調信号の振幅の正成分と負成分のベクトル軌跡を示し
ている。このようにR−Yの復調軸の復調利得Ar、復
調角φrを変化させると、これによる色再現性は図7に
示すようになる。即ち、赤色6、シアン7、マゼンタ8
の色再現が補正される。これは、図2に示した復調特性
に比べ、これらの色に対する赤色の混入比が適当になる
ためである。しかしながら、緑色3、黄緑色4及び肌色
5については、図6に示した色再現と比べて色再現が劣
化する。これは、これらの色では赤色の混入比が大きす
ぎて過補正となったためである。即ち、図3に示した復
調特性は赤色6〜マゼンタ8〜シアン7の色相に最適な
復調特性と言える。
【0031】以上のように図6及び図7に示した色再現
性では、良い色相範囲と良くない色相範囲があり、これ
らの良い色相範囲を夫々選び出して複合することによ
り、全ての色相について色再現を補正することができ
る。このように良い色相範囲が複合されるようにするた
めの復調特性の一具体例を図1に示す。同図で斜線でハ
ッチングして示すベクトル軌跡E1、−E1がここで所
望とするものである。このベクトル軌跡E1、−E1
は、 図2のベクトル軌跡E2での振幅>図3のベクトル軌跡
E3での振幅 のとき、ベクトル軌跡E3であり、逆に、 図2のベクトル軌跡E2での振幅<図3のベクトル軌跡
E3での振幅 のとき、ベクトル軌跡E2である。かかる図1の復調特
性に対する色再現を図5に示す。
【0032】このように、復調振幅のベクトル軌跡を複
数の円弧の複合形状とし、色相によって復調軸の設定を
変えることにより、全ての色相の色再現が補正できるの
である。
【0033】なお、この実施形態では、2種類の復調軸
の複合特性を示しているが、3種類以上の復調軸の複合
特性とすることもでき、さらに色再現歪の補正精度を向
上させることができる。
【0034】また、この実施形態では、3つの色差信号
のうちの1つだけについて補正するものであったが、他
の色についても同様の補正を施すことにより、色再現歪
の補正精度をより向上させることができる。
【0035】さらにまた、従来のカラーテレビジョン受
信機での復調特性は、図2と図3との復調特性の中間的
な特性がほとんどであり、相対的に赤色の復調振幅が大
きかった。このため、赤色は、出力回路のダイナミック
レンジの余裕が小さく、トランジスタの飽和による赤の
スミア(尾引き)や色飽和度が高すぎるための膨張感が
ある等の問題があった。しかし、本発明に用いるこの色
再現補正方法では、図1の復調特性で明らかように、赤
色の復調振幅を押さえることが可能となるため、上記の
ような問題を改善することができる。
【0036】図8は本発明によるカラーディスプレイ装
置の色再現補正回路の一実施形態を示すブロック図であ
って、30、31は色復調回路、32は最小値選択回
路、33はマトリクス回路、34は色復調回路、300
はこの実施形態である色再現補正装置である。この実施
形態はカラーテレビジョン受像機での色復調系に設けた
ものであって、図1に示した復調特性を実現するように
構成したものである。
【0037】図8において、入力されるクロマ信号は色
再現補正装置300に供給されると共に、色復調回路3
4に供給されて色差信号B−Yが復調される。色再現補
正装置300は色差信号R−Yを復調するとともに、色
再現歪を補正するものであって、色復調回路30、31
と最小値選択回路32とで構成されている。これら色復
調回路30、31の復調軸は互いに異なり、また、色復
調回路34の復調軸とも異なっている。
【0038】ここで、色再現補正装置300では、図1
で示した復調特性が得られるようにするものとし、この
ために、色復調回路30の復調軸は図1及び図2に示す
復調軸SR2、−SR2とし、また、色復調回路31の
復調軸は図1及び図3に示す復調軸SR3、−SR3と
している。なお、色復調回路34の復調軸は図1に示す
復調軸SBであって、これにより、色復調回路34で色
差信号B−Yが復調される。これにより、色復調回路3
0の出力色差信号SR2の振幅のベクトル軌跡は図2の
E2、−E2となり、色復調回路31の出力色差信号S
R3の振幅のベクトル軌跡は図3のE3、−E3とな
る。
【0039】色復調回路30、31の出力信号SR2、
SR3は最小値選択回路32に供給され、これらのうち
の小さい方の出力信号を選択して出力する。この最小値
選択回路32の出力信号が色差信号R−Yであって、そ
の復調特性は、図1の斜線で示す複合復調特性E1であ
る。
【0040】色復調回路34で復調された信号SBは、
B−Y信号として次段に供給されるとともに、マトリク
ス回路33にも供給される。また、このマトリクス回路
33には色復調回路31からの復調信号SR3も供給さ
れ、これと色復調回路34からの復調信号SBとが演算
処理されて図1に示す復調軸SGの特性をもつ色差信号
G−Yが生成される。
【0041】このようにして、この実施形態では、図1
に示した復調特性が実現でき、図5に示したような良好
な色再現が得られる。即ち、色相により復調軸の設定を
変えることができて、全ての色相の色再現が補正でき
る。さらに、図14に示した従来の色再現補正装置に比
べ、小規模の回路構成で実現できるし、また、他回路へ
の制約事項もないので、コスト、性能の面で優れたもの
となる。
【0042】図9は図8に示した実施形態の変形例を示
すブロック図であって、40はマトリクス回路、41は
スライス回路、42は加算器である。この変形例も、図
1の復調特性を実現するように構成したものである。
【0043】図9において、図示しない色復調回路で復
調された色差信号R−Y、G−Y、B−Yが入力され、
夫々マトリクス回路40に供給されると共に、色差信号
R−Yは加算器42に供給され、残りの2つの色差信号
G−Y、B−Yはそのまま出力される。ここで、色差信
号R−Yの色復調回路では、図10に示すように、図2
に示したような復調利得、復調角が設定されており、従
って、この色差信号の振幅のベクトル軌跡は、図2と同
様、E2、−E2である。
【0044】マトリクス回路40では、図10に示すよ
うに、これら色差信号R−Y、G−Y、B−Yがマトリ
クス処理され、所定の復調利得、復調角の復調軸SA、
−SA(=SA´)で復調されたような信号が生成され
る。このマトリクス回路40の出力信号は、その正負の
ベクトル軌跡が図10でのEA、−EA(=EA´)で
あり、スライス回路41に供給されて負成分(復調軸S
A´によるベクトル軌跡EA´の成分)のみが抽出され
る。スライス回路41の出力信号は加算器42に供給さ
れ、入力される色差信号R−Yと加算される。
【0045】以上の動作を、色相を表す図10により、
さらに詳しく説明する。
【0046】上記のように、マトリクス回路40で所定
の復調軸SA、SA´で復調された信号が得られるが、
いま、復調軸SR2のベクトル軌跡E2と復調軸SAの
ベクトル軌跡EAを加算すると、復調軸SR3のベクト
ル軌跡E3が得られる。この復調軸SR3、ベクトル軌
跡E3が図3での復調軸SR3、ベクトル軌跡E3と等
しくなるように、復調軸SAの復調利得、復調角が設定
される。一方、図9では、かかる復調軸SAによるマト
リクス回路40の出力信号の負成分のみがスライス回路
41で抽出され、加算器42で色差信号R−Yと加算さ
れるが、これによると、上記のことから、スライス回路
41から振幅がベクトル軌跡EA´で変化する信号が出
力されているときには、色差信号R−Yの振幅がスライ
ス回路41からの信号の振幅分負の方向に変化し、復調
軸SR3に対するベクトル軌跡E3で振幅が変化し、ス
ライス回路41から振幅がベクトル軌跡EA´で変化す
る信号が出力されないときには、色差信号R−Yはその
まま復調軸SR2に対する太線で示したベクトル軌跡E
2で振幅が変化する信号となる。即ち、加算器42から
出力される色差信号R−Yの振幅は、ベクトル軌跡E1
で変化することになり、図8で説明した実施形態と同様
の効果が得られる。なお、図10における線50は、復
調軸SA´と直交するベクトル軌跡EA´の接線であ
る。
【0047】なお、図9に示した変形例では、入力され
る色差信号R−Yは復調軸SR2で復調されたものとし
たが、復調軸SR3で復調されたものであってもよい。
但し、この場合には、マトリクス回路40の出力信号の
復調軸SAを図10に示す極性とは正反対にする。
【0048】以上のように、この変形例においても、図
1に示した復調特性が実現できる。従って、色相により
復調軸の設定を変えることができ、全ての色相の色再現
を補正できる。
【0049】また、図8に示した実施形態に比べ、より
小規模の回路構成で実現できるので、コストの面で有利
である。
【0050】さらに、補正する対象が色差信号であるた
め、既存のICに集積された色復調回路を変更する必要
がなく、既存のICと組み合わせて適用することが可能
であって汎用性が高い。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
色再現の歪を生じているカラーディスプレイ装置におい
て、その色再現領域内の夫々の色相の色再現歪を低減す
る複数の復調軸を用いてこれらの複合復調特性を設定す
るものであるから、従来、全ての色の再現性改善は困難
であったために、一般視聴者が着目する記憶色の肌色に
対してのみの補正を行なっていたのに対し、カラーディ
スプレイ装置での色再現領域の全体にわたって色再現の
歪をなくし、色再現特性を大幅に改善することができ
る。
【0052】また、本発明によれば、補正の対象が色復
調回路や色差信号であって、色副搬送波を扱う場合に必
要となる色相検波器等を必要としないので、回路構成を
簡略化して回路規模を小さくすることができ、実装面積
の面や経済面において有利となる。
【0053】さらに、本発明によれば、色差信号系で補
正を行うため、既存の色復調回路系(多くの場合、該回
路系はICに集積されており容易に変更はできない)の
変更なしに、既存の回路系(既存のIC)と組み合わせ
て適用することが可能であるため、汎用性が非常に高
く、かつ容易に色再現補正効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる色再現補正方法の一例の復調特
性を示す図である。
【図2】NTSC方式の標準復調特性に対してR−Yの
復調軸の復調利得を大きくしたときの復調特性を示す図
である。
【図3】NTSC方式の標準復調特性に対してR−Yの
復調軸の復調角を異ならせたときの復調特性を示す図で
ある。
【図4】NTSC方式の標準復調特性を示す図である。
【図5】図1に示した復調特性による色再現性を示すU
CS色度図である。
【図6】図2に示した復調特性による色再現性を示すU
CS色度図である。
【図7】図3に示した復調特性による色再現性を示すU
CS色度図である。
【図8】本発明によるカラーディスプレイ装置の色再現
補正回路の一実施形態の示すブロック図である。
【図9】図8に示した実施形態の変形例を示すブロック
図である。
【図10】図9に示した変形例の動作説明のための特性
図である。
【図11】図4に示した復調特性による色再現性を示す
UCS色度図である。
【図12】従来の色再現補正装置の一例での色再現歪補
正による色再現性を示すUCS色度図である。
【図13】図12に示した色再現性を得るための信号処
理特性を示す図である。
【図14】従来の色再現補正装置の一例を示すブロック
図である。
【図15】図14に示した従来の色再現補正装置での動
作を説明するための図である。
【図16】図14に示した従来の色再現補正装置から想
定される色再現補正方法の一例を示すUCS色度図であ
る。
【図17】図14に示した従来の色再現補正装置から想
定される色再現補正方法の他の例を示すUCS色度図で
ある。
【図18】UCS色度図を導くための数式を示す図であ
る。
【符号の説明】
SR2〜SR4 R−Yの復調軸 SB B−Yの復調軸 SG G−Yの復調軸 E1〜E4 R−Y復調振幅のベクトル軌跡(正成分) −E1〜−E4 R−Y復調振幅のベクトル軌跡(負成
分) 1 NTSC螢光体の作る色再現領域 2 現状のカラーディスプレイ装置の作る色再現領域 3 緑色 4 黄緑色 5 肌色 6 赤色 7 シアン 8 マゼンタ 9 青色 30,31 色復調回路 32 最小値回路 33 マトリクス回路 34 色復調回路 40 マトリクス回路 41 スライス回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−85888(JP,A) 特開 平3−135291(JP,A) 特開 昭61−74490(JP,A) 特開 平3−135292(JP,A) 特開 平3−135290(JP,A) 特公 昭53−39724(JP,B2) 特公 昭57−23478(JP,B2) 特公 昭64−12435(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 9/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力カラー映像信号の搬送色信号を復調
    してカラー表示するカラーディスプレイ装置の色再現補
    回路において、該搬送色信号から復調する特定の色信号に対し、互いに
    異なる復調軸でもって該搬送色信号を復調し、復調振幅
    のベクトル軌跡が互いに異なる復調色信号を得る複数の
    復調回路と、 該複数の復調回路から夫々得られる該復調色信号を大小
    比較演算し、復調振幅のベクトル軌跡が小さい方の該復
    調色信号を選択して該特定の色信号とする選択手段と
    備え、 該復調振幅のベクトル軌跡は夫々、互いに異なる特定の
    色相に関するものであって、再現される三原色のxy色
    度値が放送方式で規定される値と異なることによって生
    ずる色再現領域内での該当する該特定の色相の色再現歪
    を低減するベクトル軌跡であり、 該選択手段から得られる該特定の色信号が、該複数の復
    調振幅のベクトル軌跡夫々での選択された部分からなる
    複合形状の復調振幅のベクトル軌跡の復調色信号である
    ことを特徴とする色再現補正回路
  2. 【請求項2】 入力カラー映像信号の搬送色信号を復調
    してカラー表示するカラーディスプレイ装置において、該搬送色信号から復調する特定の色信号に対し、互いに
    異なる復調軸でもって該搬送色信号を復調し、復調振幅
    のベクトル軌跡が互いに異なる復調色信号を得る 複数の
    復調回路と、該複数の復調回路から夫々得られる該復調色信号を大小
    比較演算し、復調振幅のベクトル軌跡が小さい方の該復
    調色信号を選択して該特定の色信号とする選択手段 とを
    備え、該復調振幅のベクトル軌跡は夫々、互いに異なる特定の
    色相に関するものであって、 再現される三原色のxy色
    度値が放送方式で規定される値と異なることによって生
    ずる色再現領域内での該当する該特定の色相の色再現歪
    を低減するベク トル軌跡であり、 該選択手段から得られる該特定の色信号が、該複数の復
    調振幅のベクトル軌跡夫々での選択された部分からなる
    複合形状の復調振幅のベクトル軌跡の復調色信号である
    ことを特徴とするカラーディスプレイ装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013076335A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Minebea Co Ltd 遠心式ファン

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