JP3104780B2 - 対物レンズ及びそれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents
対物レンズ及びそれを用いた光ヘッド装置Info
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Description
ィスク、ビデオディスク、コンピュータ用の光メモリデ
ィスクなどの光ピックアップに用いられる対物レンズに
関し、特に軸上における波面収差に非点収差を付加する
ことにより、軸外性能を向上した対物レンズ及びそれを
用いた光ヘッド装置に関する。
おいて、情報媒体面上に回折限界の点像を集光すること
により、その情報を読み取り又は書き込むための対物レ
ンズとして、非球面を用いた単レンズが多く使用されて
いる。以下、図面を参照しつつ従来の対物レンズについ
て説明する。図5に、従来の光ディスク用光ヘッド装置
の構成を示す。半導体レーザ12から出射された光は、
ハーフミラー13で反射され、対物レンズ14によりデ
ィスク15の媒体面16上に集光される。媒体面16で
変調された光は媒体面16により反射され、再び対物レ
ンズ14を透過し、ハーフミラー13を透過して、検出
レンズ17によりフォトディテクター18上に集光され
る。対物レンズ14は、媒体面16上の情報を読み出す
ために、常にトラッキングエラー信号により制御され、
左右に移動している。(例えば「光ディスクシステム」
応用物理学会 光学懇話会編 1989年 37ページ
〜45ページ 参照)。
は、レンズ設計上、軸上の性能が最も良く収差を補正さ
れており、軸外においては収差が増加する。一方、光デ
ィスク用光ヘッド装置における対物レンズは、トラッキ
ングのため常にディスクの半径方向へ移動している。そ
のため、ほとんどの場合、対物レンズの軸外部分を使用
することとなり、収差の悪い状態で使用されていた。
になされたものであり、軸外性能を向上させた対物レン
ズ及びそれを用いた光ヘッド装置を提供することを目的
としている。
ンズの構成は、光ディスクの光ピックアップに用いられ
る対物レンズであって、前記レンズが両面非球面である
単レンズからなり、1面が回転対称非球面で、他の1面
が回転対称非球面の形状にさらに前記(数1)で表され
る形状を付加したものであり、軸上波面収差の非点収差
の成分の標準偏差をWa、使用する光の波長をλとし
て、前記(数2)を満たすことを特徴とする。
系であることが好ましい。また、前記レンズはガラス成
形又は樹脂成形により製造されたものであることが好ま
しい。また、前記軸上波面収差において、非点収差の成
分の標準偏差をWaとして、前記(数3)を満たすこと
が好ましい。
前記光源から出射した光線を情報媒体上に集光する対物
レンズと、前記情報媒体で変調された光束を分離するた
めの光束分離手段と、前記情報媒体で変調された光を受
光する受光手段を具備し、前記対物レンズは上記各構成
のいずれかを有する。上記構成において、トラッキング
により前記対物レンズが移動した場合に、非点収差が減
少するように、前記対物レンズの光軸回りの回転位置を
設定することが好ましい。
よれば、レンズが両面非球面である単レンズからなり、
1面が回転対称非球面で、他の1面が回転対称非球面の
形状にさらに前記(数1)で表される形状を付加したも
のであり、軸上波面収差の非点収差の成分の標準偏差を
Wa、使用する光の波長をλとして、前記(数2)、よ
り好ましくは前記(数3)の条件を満たすように構成さ
れているので、対物レンズとして必要な性能を損なうこ
となく軸上波面収差に非点収差が付加され、軸外におい
て設計上発生している非点収差を相殺することができ、
軸外においても波面収差の良好なレンズが得られる。ま
た、レンズの両面を非球面とすることにより、軸上にお
ける球面収差を十分に補正することができる。また、レ
ンズを単レンズとすることにより、レンズの重量の軽減
及び小型化を図ることができ、装置全体の小型化や必要
な駆動力を低減することができ、光ヘッド装置の対物レ
ンズとしての応用範囲が広がる。また、レンズを有限共
役系とすることにより、コリメートレンズを省略するこ
とができるため、光ディスク用光ヘッド装置に特に有効
である。また、対物レンズをプレスガラス工法又は樹脂
成形工法により成形することにより、大量にかつ安価に
作製することができる。
記軸上波面収差に非点収差が付加されたレンズを対物レ
ンズとして用いているので、トラッキングにより対物レ
ンズが移動し、対物レンズに光線が斜に入射しても、設
計上軸外において発生している非点収差を相殺すること
ができ、トラッキングによる性能に変化が少ない光ヘッ
ド装置が得られる。また、トラッキングにより対物レン
ズが移動した場合に、非点収差が減少するように、対物
レンズの光軸回りの回転位置を設定することにより、対
物レンズの軸外における収差の最も小さい部分を有する
方向と対物レンズの移動方向とを一致させることがで
き、最も性能の安定した部分を用いることができる。
を参照しつつ説明する。図1は、本実施例に係る対物レ
ンズの構成を示す斜視図である。図1に示すように、対
物レンズ1は単レンズで構成されている。その1面は回
転対称非球面である。また、他の1面は、図1に示すよ
うに、垂直方向の稜線2と水平方向の稜線3を有する非
球面であり、近軸における曲率半径がそれぞれ異なるよ
うに構成されている。従って、稜線2と稜線3はそれぞ
れ異なる2つの位置に焦点を結ぶ。非球面の形状は、稜
線2及び稜線3のそれぞれの焦点において、球面収差を
補正するように決定される。2つの稜線2及び3方向の
球面収差は完全に補正されているが、対物レンズ1は垂
直方向と水平方向で異なる2つの焦点を持つために、軸
上において非点収差を持つことになる。
における対物レンズの軸上から軸外にいたる波面収差
と、その収差をゼルニケ級数展開によって分析した非点
収差、コマ収差、球面収差及び6次以上の高次収差の各
収差成分を図4に示す。図4から明らかなように、軸外
にいくにしたがって収差が悪化するが、そのほとんどが
非点収差である。従って、軸上に非点収差を付加するこ
とにより、軸外の非点収差と互いに相殺させることがで
き、軸外性能を向上させることが可能となる。その方法
を、図2を参照しつつ説明する。
の軸外性能を示す。また、このレンズの軸上において約
30mλ(mλ:使用する光の波長の1/1000)の
非点収差を付加した場合の軸外性能を、曲線B及びCに
示す。図2から明らかなように、軸上に30mλの非点
収差を付加されたレンズは、軸外性能において方向性を
有する。すなわち、曲線Bは、曲線Aで示された軸外の
非点収差をキャンセルする方向における軸外性能を示
し、相対画角約0.57以上の軸外において軸上よりも
低い波面収差に抑えられている。一方、曲線Cは、軸上
の非点収差と強めあう方向における軸外性能を示し、曲
線Aにそのまま30mλの非点収差を付加したような軸
外性能を示す。
ンズは、光ディスクのトラックを追従するようにトラッ
キングサーボがかけられているが、そのとき移動する方
向は、ディスクの半径方向のみである。すなわち、対物
レンズは1方向にしか移動しない。従って、ディスクの
半径方向の軸外性能が、曲線Bに示すような性能を有す
るレンズを用いることにより、軸外における収差を低減
させることができる。図2において、例えば相対画角
1.0における収差に着目すると、曲線Aで示される従
来の対物レンズの軸外性能は50mλであるが、曲線B
で示される対物レンズの場合、約25mλとなり、収差
を約半分に抑えることが可能になる。
折限界の性能が要求されている。回折限界の性能を満た
す基準として、マレシャルの規範が良く知られている。
マレシャルの規範によると、波面収差は0.07λ以下
でなければならない。従って、軸上において発生させる
波面収差のうち、非点収差の成分の標準偏差をWaとす
ると、球面収差を完全に補正した場合、Wa以外の収差
は軸上で発生しないことから、Waの範囲として ( 0
<Wa<0.07λ )の条件、より好ましくは( 0.
02λ<Wa<0.04λ )の条件を満たすことが望
ましい。もし、上限を越えて非点収差が大きくなると、
軸上の非点収差が大きくなりすぎ、軸上においても光デ
ィスク用の対物レンズとしての必要な性能を満たさなく
なると共に、最も多く使用される状態での収差が大きく
なりすぎ、全体として性能が劣化する要因となる。一
方、下限を越えた場合は、軸上非点収差が小さくなりす
ぎ、軸外における非点収差の補正効果が少なくなる。
例を示す。以下の具体例において、
る。
座標を(R,θ)としたとき、上記第1面の回転対称非
球面に、さらに C5R2cos(2θ)で示される形状
を付加する。このとき、非回転対称非球面係数C5=
1.4678282×10-4である。
B及びCに示したとおりである。すなわち、対物レンズ
がトラッキングによって移動しても、その波面収差は変
化が少なく、本具体例では物体高を0.7mmとしてい
るため、相対画角0.8は物体高0.56mmに相当
し、それ以上の物体高においては、従来のレンズ(曲線
A)よりも波面収差が低くなっている。
は、ガラス成形、樹脂成形等によりレンズ成形すること
が好ましい。すなわち、型にトーリック面形状を加工す
ることにより、同一の軸上非点収差を持ったレンズを量
産することが可能である。
ヘッド装置の構成を図3に示す。図3において、半導体
レーザ4から出射された光は、ハーフミラー5により反
射され、折り曲げミラー6により光路の向きを変えら
れ、対物レンズ7によりディスク8の情報媒体面9上に
集光される。情報媒体面9に形成された凹凸により集光
スポットは回折を受ける。情報媒体面9で反射、回折さ
れたレーザ光は、ハーフミラー5を透過し、検出レンズ
10によりてフォトディテクター11上に集光される。
フォトディテクター11の電気信号により、情報媒体面
9で変調された光量変化を検出し、データを読み取る。
ここで、対物レンズ7は有限共役であり、トラッキング
によりディスク8の半径方向に移動するため、対物レン
ズ7には、光が斜から入射する。従って、対物レンズ7
の移動に対して、なるべく性能の変化がないことが望ま
しい。そこで、軸上において非点収差が発生している対
物レンズ7を、対物レンズ7の軸上の非点収差をキャン
セルする方向がディスク8の半径方向と一致するように
設置する。その結果、良好な軸外性能が得られる。
場合について説明したが、複数のレンズを組み合わせた
組レンズであってもよい。その場合、各レンズ面のう
ち、一面だけに非対称面を形成してもよく、又は複数の
面に形成してもよい。さらに回転対称面とは別にわずか
なパワーを持ったシリンドリカルレンズを組み合わせて
もよい。また、上記実施例では有限共役の対物レンズに
ついて説明したが、無限共役のレンズであっても、半導
体レーザの非点隔差や、コリメートレンズにより発生す
る非点収差、楕円ビーム補正光学系によって発生する非
点収差を補正することができる。また、対物レンズの片
面が平面の場合、他方の面はトーリック面でなくシリン
ドリカル面を用いることもできる。さらに、光ヘッド
は、読み取りだけでなく書き込みできるものであっても
よい。
れば、レンズが両面非球面である単レンズからなり、1
面が回転対称非球面で、他の1面が回転対称非球面の形
状にさらに前記(数1)で表される形状を付加したもの
であり、軸上波面収差の非点収差の成分の標準偏差をW
a、使用する光の波長をλとして、前記(数2)、より
好ましくは前記(数3)の条件を満たすように構成され
ているので、対物レンズとして必要な性能を損なうこと
なく軸上波面収差に非点収差が付加され、軸外において
設計上発生している非点収差を相殺することができ、軸
外においても波面収差の良好なレンズが得られる。ま
た、レンズの両面を非球面とすることにより、軸上にお
ける球面収差を十分に補正することができる。また、レ
ンズを単レンズとすることにより、レンズの重量の軽減
及び小型化を図ることができ、装置全体の小型化や必要
な駆動力を低減することができ、光ヘッド装置の対物レ
ンズとしての応用範囲が広がる。また、レンズを有限共
役系とすることにより、コリメートレンズを省略するこ
とができ、光ディスク用光ヘッド装置に特に有効であ
る。また、対物レンズをプレスガラス工法又は樹脂成形
工法により成形することにより、大量にかつ安価に作製
することができる。
記軸上波面収差に非点収差が付加されたレンズを対物レ
ンズとして用いているので、トラッキングにより対物レ
ンズが移動し、対物レンズに光線が斜に入射しても、設
計上軸外において発生している非点収差を相殺すること
ができ、トラッキングによる性能に変化が少ない光ヘッ
ド装置が得られる。また、トラッキングにより対物レン
ズが移動した場合に、非点収差が減少するように、対物
レンズの光軸回りの回転位置を設定することにより、対
物レンズの軸外における収差の最も小さい部分を有する
方向と対物レンズの移動方向とを一致させることがで
き、最も性能の安定した部分を用いることができる。
示す斜視図
の特性を示す特性図
斜視図
差の特性を示す特性図
Claims (6)
- 【請求項1】 光ディスクの光ピックアップに用いられ
る対物レンズであって、前記レンズが両面非球面である
単レンズからなり、1面が回転対称非球面で、他の1面
が回転対称非球面の形状にさらに下記(数1)で表され
る形状を付加したものであり、軸上波面収差の非点収差
の成分の標準偏差をWa、使用する光の波長をλとし
て、下記(数2)を満たすことを特徴とする対物レン
ズ。 【数1】 C 5 R 2 cos(2θ) ただし、 R,θ:回転対称非球面の中心軸(光軸)を中心とする
極座標(R,θ) における回転対称非球面上の座標 C 5 :非対称非球面係数 【数2】 0<Wa<0.07λ - 【請求項2】 前記レンズは有限共役系である請求項1
記載の対物レンズ。 - 【請求項3】 前記レンズはガラス成形又は樹脂成形に
より製造されたものである請求項1記載の対物レンズ。 - 【請求項4】 前記軸上波面収差において、非点収差の
成分の標準偏差をWaとして、下記(数3)を満たす請
求項1から3のいずれかに記載の対物レンズ。【数3】 0.02λ<Wa<0.04λ - 【請求項5】 光源と、前記光源から出射した光線を情
報媒体上に集光する対物レンズと、前記情報媒体で変調
された光束を分離するための光束分離手段と、前記情報
媒体で変調された光を受光する受光手段を具備し、前記
対物レンズは請求項1から4のいずれかに記載されたも
のである光ヘッド装置。 - 【請求項6】 トラッキングにより前記対物レンズが移
動した場合に、非点収差が減少するように、前記対物レ
ンズの光軸回りの回転位置を設定した請求項5記載の光
ヘッド装置。
Priority Applications (6)
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