JP3103642B2 - 熱接着性弾性糸およびこれを用いた熱接着製品 - Google Patents
熱接着性弾性糸およびこれを用いた熱接着製品Info
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Description
性合成繊維糸が二重以上にカバーリングしてなり、熱接
着(加熱溶融、高周波溶融、超音波溶融などによる接着
である。)に有用で、手袋、マスク、エプロン、肌着、
ベルトなどに利用される熱接着性弾性糸およびこれを用
いた熱接着製品に関する。
っている使い捨て型の不織布マスクが種々の産業分野で
使用されている。このような不織布マスクは、帯状物に
裁断された不織布の両端を折り返し、耳掛けバンドとな
る伸縮性糸条の両端を結んだりまたは接着剤で接着した
りしてリングとし、このリングの一部を不織布の折り返
し部で挟み込み、折り返し部の先端を糊付けして不織布
の両端に取り付けることにより作られている。
糸を綿糸でダブルカバーリングした糸が一般に使用され
ている。不織布マスクは、使い捨て型であるため、効率
良く製造され低コストを達することが要求されている。
しかし、耳掛けバンドとなるリングを作るのに糸を結ぶ
という作業が入っていると、製造効率が悪いという問題
がある。
わせる場合、接着剤塗布量や接着点を調整し、塗布後、
乾燥を行う必要があり、調整事項が複雑であるため効率
良く製造しにくく、しかも、貼り合わせ品を緊張した場
合の剥離発生度合いが高いという問題がある。発明者ら
は、結合のための作業を効率良く行うために、加熱溶融
などにより接着することができる弾性糸、すなわち熱接
着性弾性糸を用いることを考えた。
縁のほつれを防ぐために編地に編み込まれている。従来
の熱接着性弾性糸としては、弾性糸を芯とし、その外側
に熱接着性および熱硬化性を有していない太めの下糸を
隙間なく撚り合わせるとともに、この下糸に細めの熱接
着性を有する糸を下糸と反対方向に撚り合わせた伸縮性
編糸(特公昭61−17938号公報参照)や、少量の
常温で伸縮性を有する熱収縮性糸を熱接着性および熱収
縮性を有していない糸でカバーリングし、更にその上を
少量の熱接着性糸でカバーリングした状態に撚り合わせ
てあるかがり糸(特公昭60−52222号公報参照)
が提案されている。
り糸は、ほつれ防止効果が良くなく、特に耐洗濯性に劣
り、走行糸状態で白粉脱落を起こすという欠点がある。
他方、衣服が汚れるのを防ぐために使い捨てのエプロン
が使用されている。このような使い捨てのエプロンは、
首に掛けるのに紙の帯紐を使っているが、着脱の際に結
んだり解いたりする必要があるため着脱に手間取るし、
身体のサイズが異なると対応できない場合がある。伸縮
性糸条が首掛けバンドに使われていると着脱が容易であ
り、身体のサイズが異なっていても対応できる。この伸
縮性糸条を布製品に結合するには、接着剤を利用するよ
りも上記と同様に熱接着性弾性糸を熱接着する方が効率
よく行え、しかも、剥離強度も高くなる。
品と熱接着性弾性糸を効率良く結合でき、しかも、緊張
したときに剥離が発生しにくい熱接着性弾性糸を提供す
ることを第1の課題とする。この発明は、さらに、その
ような熱接着性弾性糸を用いることにより効率良く製造
できる熱接着製品を提供することを第2の課題とする。
るために、この発明は、弾性糸Aを芯糸とし、この弾性
糸Aを2本以上の非弾性糸が内側から1本ずつ順にカバ
ーリングしている熱接着性弾性糸であって、前記2本以
上の非弾性糸が熱可塑性合成繊維からなっており、それ
らのうちの2本の非弾性糸は、内側の非弾性糸Bの融点
が外側の非弾性糸Cの融点よりも低くなるように配され
ていることを特徴とする熱接着性弾性糸を提供する。
明は、上記この発明の熱接着性弾性糸が熱接着されてな
る熱接着製品を提供する。この発明の熱接着製品には、
上記この発明の熱接着性弾性糸がその両端を重ね合わせ
てその重ね合わせ部で熱接着されてなるリング状伸縮性
糸条を耳掛けバンドに使用したマスクが含まれている。
このマスクは、たとえば、リング状伸縮性糸条が帯状の
不織布の両端に取り付けられて耳掛けバンドになってい
る不織布マスクである。
の発明の熱接着性弾性糸がその両端で熱可塑性合成繊維
製布製品に熱接着されて掛けバンドとなっている熱接着
製品が含まれている。この熱接着製品は、たとえば、胸
当て部が不織布であり、前記掛けバンドが前記胸当て部
の上側両端に熱接着されて首掛けバンドになっている不
織布エプロンである。
とえば、スパンデックス糸などのポリウレタン弾性糸、
ポリエーテルエステル型弾性糸、天然ゴム、合成ゴムな
どの弾性糸のみからなるものが挙げられるが、弾性糸が
非弾性糸で被覆されてなる弾性糸などでも良い。弾性糸
Aのデニールは、たとえば、105〜3360d程度と
される。これよりも太いとカバーリング工程で走行不安
定となり、ハローチューブ(中空スピンドル)詰まりが
起こるおそれがあり、それよりも細いとリング状伸縮性
糸条にした場合にリング(たとえば、真円状リング)が
ねじれて形状を維持しなくなり、掛けバンドの取扱い作
業性の低下が起こるおそれがある。弾性糸Aの破断伸度
は、たとえば、300〜600%程度とされる。これよ
りも低いと掛けバンドとしての伸長不足のおそれがあ
り、高いと弾性糸の芯糸と非弾性糸の加熱溶融むらによ
る熱接着製品の収率低下や弾性糸抜けなどの発生のおそ
れがある。
以上にカバーリングする非弾性糸のうちの2本は、融点
に差があるように設定される。すなわち、2本の非弾性
糸のうちの内側の非弾性糸Bの融点が外側の非弾性糸C
の融点より低くなっているのである。この発明では、弾
性糸Aを直接カバーリングする非弾性糸Bがより低融点
の非弾性合成繊維からなっているとともに、最も外側の
非弾性糸Cがより高融点の非弾性合成繊維からなってい
るのが好ましい。
に向かって順に融点の低いものとなるように配置されて
いると弾性糸抜けや切断(以下、「コアー切れ」と言
う)という問題がある。なお、2本の非弾性糸Bおよび
Cの融点の差は、特に制限はないが、非弾性糸Bの弾性
糸に対する熱接着が早く完了し、外側の非弾性糸Cが次
に熱接着を起こすという順に熱接着するという点からは
5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
に使用される非弾性糸BおよびCとしては、たとえば、
少なくとも融点の高低を考慮して下記の合成繊維糸の群
から適宜選択される。ただし、下記の糸に限定されるわ
けではないし、また、共重合ポリマーからなる合成繊維
も使用することができる。 ナイロン4糸(融点:115〜120℃) ポリ塩化ビニリデン糸(融点:165〜185℃) ポリ塩化ビニル糸(融点:200〜210℃) ナイロン6糸(融点:215〜220℃) ナイロン66糸(融点:250〜260℃) ポリエステル糸(ポリエチレンテレフタレート糸) (融点:255〜260℃)また、弾性糸Aを非弾性糸
で三重以上にカバーリングする場合、非弾性糸のうちの
2本が上記非弾性糸BおよびCであれば、残りは熱接着
可能な非弾性糸(たとえば、非弾性糸B、非弾性糸C、
およびこれらの組み合わせなど)であってもよい。ただ
し、加熱溶融しない非弾性糸(この場合、天然繊維糸で
ある。)は除く。また、ナイロンは空気にさらされてい
ると黄変しやすいので、黄変を起こりにくくするために
は、最外層にはナイロン糸を配するよりもナイロン以外
の非弾性糸を配し、それよりも内側にナイロン糸を配す
るのが良い。
ニールは、たとえば、50〜300d程度とされる。こ
れよりも太いとボビンへの巻返し糸長が短く、生産性低
下のおそれがあり、細いと掛けバンドの見掛け太さが細
すぎ、耐久性不足のおそれがある。この発明では、上記
非弾性糸Bの外側でより高融点の非弾性合成繊維からな
っている非弾性糸Cを2本カバーリングするようにして
もよい。このようになっていると熱接着性弾性糸が撚り
のより安定したものとなり、よじれにくくなって取扱い
やすくなるという利点がある。2本の非弾性糸Cは、同
じ糸でもよく、異なる糸でもよい。異なる糸の場合、内
側の非弾性糸C1 は外側の非弾性糸C2 よりも融点の高
い方が熱接着性弾性糸同士の熱接着や他の合成繊維不織
布との熱接着製品化しやすくなるという理由により好ま
しい。
糸が反対方向の撚りになるように行われる。この発明の
熱接着性弾性糸は、四重以上にカバーリングを行ってい
ると、生産性または性能が低下するおそれがあるため、
非弾性糸を二重のカバーリング(ダフルカバーリング)
か三重のカバーリングにすることが好ましい。
な弾性糸A、非弾性糸BおよびCを用いて、たとえば、
次のようにして作られる。ただし、製造方法は下記のも
のに限定されない。300%以上のドラフト倍率で引伸
ばされて伸張状態にある弾性糸を芯糸に、複数の非弾性
糸をダブルカバーリング撚糸機、もしくは、それ以上に
付設したボビンを有する多段カバーリング撚糸機でカバ
ーリングするに際し、非弾性糸Bは下ヨリ糸を、非弾性
糸Cは上ヨリ糸からなるようにする。ヨリ方向は、交互
に反対方向で行う。
は、引っ張り力に応じて伸び、弛緩により縮む。この熱
接着性弾性糸同士を結合したり、あるいは、熱接着性弾
性糸を熱可塑性合成繊維製布製品と結合したりする場
合、たとえば、次のように行う。熱接着性弾性糸をリン
グ状に屈曲させて両端を重ね合わせたり、あるいは、熱
接着性弾性糸と前記布製品と重ね合わせたりした状態
で、カバーリングに用いられている非弾性糸の中で一番
高い融点の温度(具体的にはたとえばポリエステル糸2
55〜260℃)に加熱して6秒〜2分間維持する。こ
れにより、非弾性糸BおよびCが融解する。その後、冷
却することにより非弾性糸BおよびCが凝固し、熱接着
性弾性糸同士または熱接着性弾性糸と前記布製品が結合
する。なお、熱接着性弾性糸の熱接着を行うには、たと
えば、圧着した状態で加熱溶融したり、超音波接着した
り、高周波接着〔ウエルダー接着またはウエルダー加
工。たとえば、高周波電極間で挟圧しつつ20〜27メ
ガヘルツ(MHz)の高周波を6〜20秒間印加す
る。〕したりする手段などが採用される。
は布帛製品)としては、不織布、織編物などが挙げられ
る。なお、熱接着性弾性糸と布製品とを熱接着する場合
には、布製品として熱可塑性合成繊維からなるものを用
いる必要がある。これは、両者共に融点を有し、熱接着
し合うという理由による。この発明の熱接着性弾性糸
は、上記マスクやエプロンだけでなく、その他の用途、
たとえば、肌着、ベルト、手袋などにも利用可能であ
る。
を、カバーリングに用いた非弾性糸のうちで融点の一番
高いものの融点と同じ温度かまたはそれよりも高い温度
に設定することにより、内側の非弾性糸B(低融点繊維
からなる)が最初に溶融して芯の弾性糸Aを固着把持し
て弾性糸Aの引き縮み(引き抜け)を防止し、最後に外
側の非弾性糸C(高融点繊維からなる)が接着対象物と
融合することによって強固な結合体を形成することが可
能になる。
ングしているので、熱接着性弾性糸が撚りの安定したも
のとなり、よじれにくい。このため、熱接着性弾性糸を
用いた熱接着製品を多数重ね合わせたときなどに熱接着
性弾性糸が絡まりにくくなる。
しながらこの発明を詳しく説明する。ただし、この発明
は、図面に示されたものに限定されない。図1は、この
発明の熱接着性弾性糸の1実施例を表し、図1中aはそ
の層構造を断面で表し、bは側面で表す。図1にみるよ
うに、この熱接着性弾性糸1は、芯に弾性糸Aが配さ
れ、この弾性糸Aを低融点の熱可塑性合成繊維からなる
非弾性糸Bがカバーリングしており、さらにその外側か
ら高融点の熱可塑性合成繊維からなる非弾性糸Cが反対
方向にカバーリングしてなっている。非弾性糸Bのカバ
ーリングは、たとえば、400〜2100T/Mのヨリ
数で行われる。この範囲を上回ると緊縛が強く低伸度と
なり、適度なストレッチが得にくいおそれがあり、下回
ると熱接着力が弱く、弾性糸抜けのおそれがある。非弾
性糸Cのカバーリングは、たとえば、下ヨリ数の0.8
〜0.95倍の密度で行われる。この範囲を上回ると下
ヨリ糸と上ヨリ糸の張力バランスが崩れ、ネップ状の節
糸となったり糸切れが起こったりするおそれがあり、下
回ると残留トルクのためビリ(またはスナール)の発生
で作業上取扱い困難な熱接着性弾性糸となるおそれがあ
る。
1実施例を表し、図2中aはその層構造を断面で表し、
bは側面で表す。図2にみるように、この熱接着性弾性
糸10は、図1に示したものにおいて非弾性糸Bの外側
に高融点の熱可塑性合成繊維からなる2本の非弾性糸C
1 およびC2 が反対方向にカバーリングしてなってい
る。非弾性糸C1 のカバーリングは、たとえば、非弾性
糸Bに対し0.8〜0.95倍の密度で行われる。この
範囲を上回ると下ヨリと上ヨリ(C1 )の張力バランス
が崩れ、節糸や糸切れのおそれがあり、下回ると残留ト
ルクのため、ビリ(またはスナール)の発生で作業上取
扱いにくい熱接着性弾性糸となるおそれがある。非弾性
糸C2 のカバーリングは、たとえば、非弾性糸C1 に対
し0.7〜0.85倍の密度で行われる。この範囲を上
回ると伸縮性の不足した棒状の熱接着性弾性糸になりや
すいおそれがあり、下回ると被覆不良や掛けバンドでの
カール(または、ねじれ)や外観不良のおそれがある。
熱接着性弾性糸を用いて熱接着を行うことにより作られ
たものである。図3にみるように、この発明の熱接着性
弾性糸1または10からなるリング状伸縮性糸条3は、
熱接着性弾性糸1または10をリング状に屈曲させて重
ね合わせ、その交点1aで図4にみるように、熱接着手
段2(たとえば、超音波接着手段や高周波接着手段な
ど)で加圧下に溶接を行うことにより作られる。このよ
うなリング状伸縮性糸条3は、たとえば、使い捨て型の
マスクの耳掛けバンドに利用される。熱接着製品が、図
5にみるような不織布マスク4である場合には、布製品
としては、たとえば、人の口と鼻を覆うのに十分な幅の
帯状物に裁断された不織布(たとえば、紙など)41が
使用される。このマスク4は、たとえば、不織布41の
両端を折り返してリング状伸縮性糸条3の一部を挟み込
み、折り返し部の先端部42を熱接着したり糊付けした
りすることにより作られる。マスク4は、また、図8に
みるように、熱接着性弾性糸1または10の両端を前記
不織布41の四隅に重ね合わせ、この重ね合わせ部分で
熱接着することにより作られる。図8中、6は、熱接着
部である。
部51を有する前掛け状の不織布50であり、前記熱接
着性弾性糸1または10が前記胸当て部51の上側両端
に、図6にみるように熱接着手段2で加圧下に溶接され
て首掛けバンド31になっている不織布エプロン5が作
られる。同様にして腰止めバンド32も熱接着される。
この不織布エプロン5は、たとえば、手術着、化学実験
用着、さらには外食産業用エプロンなどの用途に使用可
能である。図中、6は熱接着部である。
比較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されな
い。下記実施例および比較例では、次のような糸を用い
た。弾性糸A ・A−1:ポリエーテル系スパンデックス糸(破断伸度
520%、560dのモノフィラメント糸)非弾性糸B ・B−1:ナイロン6糸(融点215〜220℃、14
0dのマルチフィラメント糸、フィラメント数48) ・B−2:ナイロン4糸(融点115〜120℃、10
0dのマルチフィラメント糸、フィラメント数10) ・B−3:改質ポリエステル糸(融点165〜170
℃、180dのマルチフィラメント糸、フィラメント数
48)非弾性糸C ・C−1:ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト)糸(融点255〜260℃、150dのマルチフィ
ラメント糸、フィラメント数48)融点を有さない非弾性糸 ・M−1:綿糸40S (カード糸) (実施例1−a)通常のダブルカバーリング撚糸機で、
弾性糸A−1を芯糸に、内側(通常、下ヨリ糸と呼ぶ)
に非弾性糸B−1を、外側(通常、上ヨリ糸と呼ぶ)に
非弾性糸C−1を鞘部に配して、弾性糸のドラフト比
4.5倍、撚り数は下ヨリが500T/M(S撚り)で
上ヨリが0.85×下ヨリ数(Z撚り)でダブルカバー
リングを行って被覆弾性糸である、この発明の熱接着性
弾性糸(1)を得た。
機に中空スピンドル、ボビンおよび駆動装置を1段追加
した改造撚糸機で、実施例1−aの非弾性糸C−1のさ
らに外側に非弾性糸C−1を逆方向に撚り掛けするよう
に配して、撚り数0.85×上ヨリ(S撚り)としたこ
と以外は実施例1−aと同一のやり方で三重にカバーリ
ングを行って被覆弾性糸である、この発明の熱接着性弾
性糸(2)を得た。
おいて、糸を表1に示すように変えたこと以外は実施例
1−aと同様にして3層構造を有する被覆弾性糸であ
る、この発明の熱接着性弾性糸(3),(4)を得た。 (実施例1−e,1−f)実施例1−bにおいて、糸を
表1に示すように変えたこと以外は実施例1−bと同様
にして4層構造を有する被覆弾性糸である、この発明の
熱接着性弾性糸(5),(6)を得た。
外側の非弾性糸Cを用いずに2層構造としたこと以外は
実施例1−aと同様にして比較用熱接着性弾性糸(1)
を得た。比較用熱接着性弾性糸(1)は、図9にみるよ
うに、弾性糸21の芯に非弾性糸22(ここでは、非弾
性糸Bである)がカバーリングされている熱接着性弾性
糸20である。
内側の非弾性糸Bを用いずに2層構造としたこと以外は
実施例1−aと同様にして比較用熱接着性弾性糸(2)
を得た。比較用熱接着性弾性糸(2)は、図9にみるよ
うに、弾性糸21の芯に非弾性糸22(ここでは、非弾
性糸Cである)がカバーリングされている熱接着性弾性
糸20である。
非弾性糸BおよびCを内外入れ替えたこと以外は実施例
1−aと同様にして比較用熱接着性弾性糸(3)を得
た。 (比較例1−d)実施例1−aにおいて、非弾性糸Cを
用いる代わりに融点を有さない非弾性糸M−1を用いた
こと以外は実施例1−aと同様にして比較用熱接着性弾
性糸(4)を得た。
の層構造、組み合わせ配置を表1に示した。
について、伸び率、熱接着の効率、熱接着後の剥離強
度、リングのねじれを調べ、結果を表2に示した。伸び
率は、初荷重10mg/見掛けデニールを吊り試長20cm
を得、その後、定荷重1,000gを吊り、一昼夜後の
長さ(L1 :単位cm)を測定し、次式より算出した。
屈曲させて両端を重ね合わせ、この重ね合わせ部分で高
周波接合加工機(大平高周波研究所製)を用いて、熱接
着性弾性糸に用いた糸の融点のうち一番高い融点にウエ
ルダー加熱温度を設定して15秒で熱接着(溶接)を行
った後、印圧部より2mm離れた位置をカットして、弾性
糸の抜けた長さ〔単位mm〕を測定し、下記の基準で評価
した。○〜◎が合格である。
タラ♯8103(デュポン社製品、ポリエステル100
%製、融点260℃)〕と重ね合わせ、上記熱接着の効
率の試験と同一条件で熱接着(溶接)を行って結合した
後、引張試験機(株式会社島津製作所製)で剥離試験
(熱接着性弾性糸5cm/不織布5cmを両端に把持し、1
00%/分の引張速度)で剥離強力〔kg〕を測定し、下
記の基準で評価した。○〜◎が合格である。
り方で図3〜4のリングを作製したものを平板に載せ、
リングの一部が平板から浮き上がった距離(離れた距
離)をねじれ度(mm)と定め、下記の基準で評価した。
○〜◎が合格である。
未満である。 ×:平板からリングの一部が片浮きし、その距離が2mm
以上である。
糸は、伸び率が良好であり、熱接着の効率が良好であ
り、剥離強度も大きい。これに対し、比較例1では、非
弾性糸Cを用いず2層構造であったため、経時による黄
変が発生したり、カットの際に切断ミスや切断むらなど
の不良品の発生という問題があった。比較例2では、非
弾性糸Bを用いず2層構造であったため、カットの際、
熱接着の効率が悪く、弾性糸抜けが発生するという問題
があった。比較例3では、非弾性糸BおよびCを内外逆
の配置にしたため、熱接着の効率が悪く、弾性糸抜けが
発生するという問題があった。比較例4では、非弾性糸
Bを用いる代わりに融点を持たない非弾性糸M−1を用
いたため、合繊不織布と全く熱接着しないという問題が
あった。
られた熱接着性弾性糸(1)〜(6)をそれぞれリング
状に屈曲させて両端を重ね合わせ、この重ね合わせ部分
で高周波接合加工機(大平高周波研究所製)を用いて表
2に示すウエルダー加工条件で熱接着を行って熱接着性
弾性糸(1)〜(6)のリングを作った(図3,4参
照)。長さ14cm×幅9cmの不織布〔ソンタラ♯810
3(デュポン社製品、ポリエステル100%製、融点2
60℃)〕の両端を折り返して、熱接着性弾性糸(1)
〜(6)のリングの一部を挟み込み、折り返し部の先端
部をウエルダー接着することにより、図3〜5に示す不
織布マスクを6種類それぞれ製作した。他方、熱接着性
弾性糸(1)〜(6)をそれぞれリング状に屈曲させて
その両端部を該不織布の両端に重ね合わせて置き、その
先端部を不織布にウエルダー接着する(図6に示すのと
同様にしてウエルダー接着する)ことにより、図8に示
す不織布マスクを6種類それぞれ製作した。
ラ♯8103(デュポン社製品、ポリエステル100%
製、融点260℃)〕を前掛けエプロンの形に裁断し、
裁断された6枚の不織布の端の部分に、それぞれ、上記
実施例で得られた熱接着性弾性糸(1)〜(6)の端を
重ね合わせ、この重ね合わせ部分で超音波ウエルダー
(日本エマソン株式会社製、商品名「BRANSO
N」)または高周波接合加工機(大平高周波研究所製)
を用いて表2に示すウエルダー加工条件で熱接着を行っ
て、この発明の熱接着製品である前掛けエプロンを得た
(図6,7参照)。
接合加工機の代わりに、LW4000W(クインライト
電子精工株式会社製の高周波接着加工機)またはTDW
4003DA(特殊電気工業株式会社製の高周波接着加
工機)などを用いて高周波による熱接着を行っても同様
の結果が得られる。
より熱接着性弾性糸同士で、または、合成繊維製布製品
と効率良く結合することができ、しかも、緊張したとき
に剥離しにくい。この発明の熱接着製品は、熱接着性弾
性糸の結合が効率良く行われ、熱接着性弾性糸が緊張し
たときにその結合が剥がれにくいものである。このた
め、使い捨て型の不織布マスクや不織布エプロンなどと
して有用である。
明図である。
す説明図である。
縮性糸条の1実施例を示す平面図である。
いる様子を表す部分拡大説明図である。
実施例を表す説明図である。
とを熱接着している様子を表す部分拡大説明図である。
1実施例を表す説明図である。
の1実施例を表す説明図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 弾性糸Aを芯糸とし、この弾性糸Aを2
本以上の非弾性糸が内側から1本ずつ順にカバーリング
している熱接着性弾性糸であって、前記2本以上の非弾
性糸が熱可塑性合成繊維からなっており、それらのうち
の2本の非弾性糸は、内側の非弾性糸Bの融点が外側の
非弾性糸Cの融点よりも低くなるように配されているこ
とを特徴とする熱接着性弾性糸。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱接着性弾性糸が熱接着
されてなる熱接着製品。 - 【請求項3】 熱接着性弾性糸がその両端を重ね合わせ
てその重ね合わせ部で熱接着されてなるリング状伸縮性
糸条を耳掛けバンドに使用したマスクである請求項2記
載の熱接着製品。 - 【請求項4】 熱接着が、加熱溶融、高周波溶融および
超音波溶融のうちの少なくとも1つの処理により行われ
ている請求項2または3記載の熱接着製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04004191A JP3103642B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 熱接着性弾性糸およびこれを用いた熱接着製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04004191A JP3103642B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 熱接着性弾性糸およびこれを用いた熱接着製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186924A JPH05186924A (ja) | 1993-07-27 |
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Family Applications (1)
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