JP3103108B2 - 音声符号化装置 - Google Patents

音声符号化装置

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JP3103108B2
JP3103108B2 JP02340411A JP34041190A JP3103108B2 JP 3103108 B2 JP3103108 B2 JP 3103108B2 JP 02340411 A JP02340411 A JP 02340411A JP 34041190 A JP34041190 A JP 34041190A JP 3103108 B2 JP3103108 B2 JP 3103108B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、音声信号を高能率に圧縮する音声符号化
装置に係り、特に伝送ビットレートを例えば10kb/s以下
にできる適応密度駆動パルス列に基づく音声符号化装置
に関する。
(従来の技術) 現在、音声信号を10kb/s以下の低ビットレートで伝送
できる符号化技術が盛んに検討されているが、その具体
的方法として一定間隔で並んだパルス列で合成フィルタ
の駆動信号を表現し、これを用いて符号化を行う方式が
ある。この詳細については、PETER KROON氏らによるIEE
E 1986年10月、Vol.ASSP−34,pp.1054−1063に掲載の
“Regular Pulse Excitation A Novel Approach to Eff
ective and Efficient Multipulse Coding of Speech"
と題した論文(文献1)に説明されている。
この音声符号化方式を第25図および第26図を用いて説
明する。第25図および第26図は符号器と復号器のブロッ
ク図である。
第25図において、入力端子INにはA/D変換された音声
信号系列s(n)が入力される。予測フィルタ1はs
(n)の過去の系列と予測パラメータai(1≦i≦p)
を用い、次式に示されるような予測残差信号r(n)を
計算し、出力する。
ここで、pは予測フィルタ1の次数であり、文献1で
はp=12としている。予測フィルタ1の伝達関数A
(z)は次のように表わされる。
駆動信号発生回路2は、予め定められた間隔で並んだ
駆動パルス列V(n)を駆動信号として発生する。この
駆動パルス列V(n)のパターンの一例を第27図に示
す。この図におけるKはパルス系列の位相を示し、フレ
ームにおける最初のパルスの位置を表わす。また、横軸
は離散的な時刻を表わす。ここでは、1フレームの長さ
を40サンプル(サンプリング周波数8kHzで5ms)、パル
スの間隔を4サンプルとした場合について示してある。
減算器3は、予測残差信号r(n)と駆動信号V
(n)との差を計算し、重み付けフィルタ4へ出力す
る。このフィルタ14は聴覚のマスキング効果を利用する
ためにe(n)を周波数領域で整形するためのものであ
り、その伝達関数W(z)は次式で与えられる。
重み付けフィルタやマスキング効果に関しては、例え
ば古井貞照著「ディジタル音声処理」1985年東海大学出
版会発行(文献2)に記述されているので、ここでは説
明を省略する。
重み付けフィルタ4によって重み付けされた誤差e′
(n)は、誤差最小化回路5に入力される。この誤差最
小化回路5は、e′(n)の2乗誤差が最小となるよう
に駆動パルス列の振幅と位相を決定する。駆動信号発生
回路2は、これら振幅と位相の情報を基に駆動信号を発
生させる。誤差最小化回路5における駆動パルス列の振
幅と位相の決定手順を文献1の記述に従って、以下に簡
単に説明する。
まず、フレーム長をLサンプル、1フレーム中の駆動
パルス数をQ個とし、駆動パルスの位置を表わすQ×L
の行例をMKとおく。MKの要素mijは、次のように表わさ
れる。また、Kは前述したように駆動パルス列の位相で
ある。
mij=1;j=i×N;K−1のとき mij=0;その他 0≦1≦Q−1 0≦j≦L−1 (但し、N=L/Q) (4) 次に、位相Kの駆動信号(駆動パルス列)の非零の振
幅を要素とする行ベクトルをb(K)とおくと、位相Kの駆
動信号を表わす行ベクトルu(K)は、次式のように表わさ
れる。
u(K)=b(K)MK (5) 重み付けフィルタ4のインパルス応答を要素とする次
のL×L行列をHとおく。
このとき、重み付けされた誤差e′(n)を要素とす
る誤差ベクトルe(k)は、次式で記述される。
e(K)=e(0)−b(K) (7) (K=1,…,N) ここで、e(0)e0+rH (8) HK=MKH (9) ベクトルe0は前フレームにおける重み付けフィルタの
内部状態による重み付けフィルタの出力であり、ベクト
ルrは予測残差信号ベクトルである。最適な駆動パルス
の振幅を表わすベクトルb(K)は、次式の2乗誤差 E=e(K)e(K)t (10) をb(K)で偏微分し、零とおくことにより、次式のように
得られる。
b(k)=e(0)HK t[HKHK t-1 (11) 但し、tは転置を示す。
このとき、駆動パルス列の位相Kは、次式を各Kにつ
いて計算し、E(K)が最小となるように選ぶ。
E(K) =e(0)[HK t[HKHK t-1HK]・e(0)t (12) このようにして駆動パルス列の振幅および位相が決定
される。
次に、復号器について説明する。
第26図において、駆動信号発生回路7は第25図の駆動
信号発生回路2と同じものであり、符号器から伝送さ
れ、入力端子6に入力された駆動パルス列の振幅と位相
を基に駆動信号を発生する。合成フィルタ8は、この駆
動信号を入力として合成音声信号s(n)を生成し、出
力端子9へ出力する。この合成フィルタ8は第13図の予
測フィルタ1と逆フィルタの関係にあり、その伝達関数
は1/A(z)である。
以上説明した従来の符号化方式において、伝送すべき
情報は合成フィルタ22のパラメータai(1≦i≦p)と
駆動パルス列の振幅および位相であり、駆動パルス列の
間隔N=L/Qを変えることによって、伝送レートを自由
に設定できる。しかしながら、この従来方式による実験
結果では、伝送レートが10kb/s以下になると合成音声に
雑音が目立ち、品質が悪くなる。特にピッチ周期の短い
女性の声で実験を行ったときの品質劣化が目立つ。この
原因は、駆動パルス列を常に一定の間隔のパルス列で表
現しているためであることを突き止めた。すなわち、音
声信号は有声音の時ピッチによる周期的な信号となるた
め、その予測残差信号もピッチ周期毎にパワーが大きく
なる周期的な信号となる。このように周期的にパワーが
大きくなる予測残差信号では、パワーの大きい部分が重
要な情報を含んでいる。また、音韻等の劣化に伴って音
声信号の相関が変わる部分や、発声の開始部分等、音声
信号のパワーが大きくなる部分では、予測残差信号のパ
ワーもフレーム内で大きくなる。この場合も、残差信号
のパワーの大きい部分は、音声信号の性質が変化した部
分であるので、重要である。
ところが、従来の方式では予測残差信号のパワーがフ
レーム内で変化しているにも関わらず、フレーム内で常
に一定の間隔を持つ駆動パルス列で合成フィルタを駆動
して合成音声を得ているため、合成音声の品質が著しく
劣化してしまう。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、従来の音声符号化方式はフレーム内
で常の一定の間隔を持つ駆動パルス列で合成フィルタを
駆動しているため、伝送レートが例えば10kb/s以下にな
ると合成音声の品質が劣化するという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、10
kb/s以下というような低い伝送レートにおいても高品質
の合成音声が得られる音声符号化装置を提供することを
目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は駆動信号により合成フィルタを駆動して合成
音声を得る音声符号化装置において、パルス密度(パル
ス間隔)が所定の区間単位で可変である駆動パルス列、
具体的には駆動信号のフレームを複数のサブフレームに
分割し、パルス密度が各サブフレーム内または各フレー
ム内では等間隔で、サブフレーム単位またはフレーム単
位で可変である駆動パルス列によって駆動信号を構成す
る。駆動パルス列の振幅または振幅および位相は、駆動
信号により駆動される合成フィルタの出力信号と入力音
声信号との聴感重み付き誤差信号のパワーが最小となる
ように決定される。(a)予測残差信号(短期予測残差
信号、ピッチ予測残差信号、または短期予測残差信号に
ピッチ予測を施して得られるピッチ予測残差信号)を聴
感重みフィルタに通した信号、(b)短期予測残差信号
にピッチ予測を施して得られるピッチ予測残差信号、
(c)予測残差信号(短期予測残差信号、ピッチ予測残
差信号、または短期予測残差信号にピッチ予測を施して
得られるピッチ予測残差信号)に基づいて算出された駆
動信号の各サブフレームに割り当てられるビット配分
値、(d)予測残差信号(短期予測残差信号、ピッチ予
測残差信号、または短期予測残差信号にピッチ予測を施
して得られるピッチ予測残差信号)のパワーまたは零交
差数に非線形の重み付けを施した関数値、に基づいて決
定される。
また、パルス密度を所定の密度パターンに従ってサブ
フレーム単位に設定し、かつフレーム単位で密度パター
ンが可変である駆動パルス列により駆動信号を構成して
もよい。その場合、(a)〜(d)によって得られた結
果に基づいて駆動パルス列の密度パターンが予め容易さ
れた複数のパターンから選択されて決定される。
(作用) 予測残差信号(短期予測残差信号、ピッチ予測残差信
号、または短期予測残差信号にピッチ予測を施して得ら
れるピッチ予測残差信号)を聴感重みフィルタに通した
信号に基づいて駆動パルス列のパルス密度を決定する
と、聴感重みフィルタから聴感的に重要な情報の振幅が
強調された重み付きの残差信号が得られるため、これを
用いることで聴感的により好適なパルス密度を決定する
ことができ、合成音声の品質がより向上する。
また、短期予測残差信号にピッチ予測を施して得られ
るピッチ予測残差信号、すなわち通常の短期予測にピッ
チ予測を組み合わせた場合の残差信号に基づいて駆動パ
ルス列のパルス密度を決定することにより、単に短期予
測残差信号のみに基づいてパルス密度を決定する方式に
比較して、合成音声をより低歪とするようなパルス密度
を決定でき、結果的に合成音声の品質が飛躍的に向上す
る。
また、予測残差信号(短期予測残差信号、ピッチ予測
残差信号、または短期予測残差信号にピッチ予測を施し
て得られるピッチ予測残差信号)に基づいて算出された
駆動信号の各サブフレームに割り当てられるビット配分
値に基づいて駆動パルス列のパルス密度を決定すると、
ビット配分値の大小により聴感的に重要な区間(サブフ
レーム)であるか否かを判断することが可能であるた
め、これに基づいてパルス密度を決定することで、合成
音声において重要な区間をより精度よく表現できるよう
なパルス密度を決定でき、合成音声の品質が向上する。
さらに、予測残差信号(短期予測残差信号、ピッチ予
測残差信号、または短期予測残差信号にピッチ予測を施
して得られるピッチ予測残差信号)のパワーまたは零交
差数に非線形の重み付けを施した関数値に基づいて駆動
パルス列のパルス密度を決定すると、通常の線形の重み
付け操作では得られない微細な重み調整が可能となるた
め、この重み付けの関数値に基づくと、より精度よくパ
ルス密度を決定することができ、結果的として単純に短
期予測残差信号のみに基づいてパルス密度を決定する方
式に比較して合成音声の品質が向上する。
すなわち、本発明では駆動パルス列の密度が、聴感的に
重要な情報または多くの情報が含まれるサブフレームま
たはフレームでは密に、そうでないサブフレームまたは
フレームでは粗くというようにサブフレームまたはフレ
ーム毎に適応的に変化することにより、合成音声の品質
が向上する。特に、駆動パルス列の密度をサブフレーム
単位で変化させれば、音声の性質が急激に変化する部分
での合成音声の品質が向上し、フレーム単位で変化させ
れば音声の性質が比較的緩やかに変化する部分での合成
音声の品質が向上する。特に、駆動パルス列の密度をサ
ブフレーム単位で変化させれば、音声の性質が急激に変
化する部分での合成音声の品質が向上し、フレーム単位
で変化させれば音声の性質が比較的緩やかに変化する部
分での合成音声の品質が向上する。
また、パルス密度を所定の密度パターンに従ってサブ
フレーム単位に設定し、フレーム単位で密度パターンが
可変である駆動パルス列により駆動信号を構成して、駆
動パルス列の密度パターンを音声の性質に応じて適応的
に変化させれば、音声の性質がどのように変化する部分
でも合成音声の品質が全体的に向上することになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図および第2図はそれぞれ本発明の原理的構成を
示す第1の実施例に係る符号化装置および復号化装置の
ブロック図である。
第1図において、フレームバッファ11は入力端子10に
入力される音声信号を1フレーム分蓄積する回路であ
り、第1図の各ブロックはフレームバッファ11を用いて
フレーム毎またはサブフレーム毎に以下の処理を行う。
予測パラメータ計算回路12は、予測パラメータを公知
の方法を用いて計算する。予測フィルタ14が第3図に示
すような長時間予測フィルタ41と短時間予測フィルタ42
を縦続接続して構成される場合、予測パラメータ計算回
路12はピッチ周期とピッチ予測係数および線形予測係数
(αパラメータまたはKパラメータ)を自己相関法や共
分散法等の公知の方法で計算する。計算法については、
例えば前記文献2(古井貞照著「ディジタル音声処理」
1985年東海大学出版会発行)に記述されている。計算さ
れた予測パラメータは、予測パラメータ符号化回路13へ
入力される。予測パラメータ符号化回路13は、予測パラ
メータを予め定められた量子化ビット数に基づいて符号
化し、この符号をマルチプレクサ25に出力すると共に、
復号値を予測フィルタ14と合成フィルタ15および聴感重
みフィルタ20に出力する。予測フィルタ14は、入力の音
声信号と予測パラメータを入力として予測残差信号を計
算し、それを密度パターン選択回路15へ出力する。
密度パターン選択回路15は、駆動パルス列の密度パタ
ーンまたは密度をサブフレーム単位またはフレーム単位
で選択する回路である。例えばサブフレーム単位で選択
する場合を例にとると、まず1フレームの予測残差信号
を複数個のサブフレームに分割し、それぞれのサブフレ
ームの予測残差信号の2乗和を計算する。次に、予測残
差信号の2乗和を基に各サブフレームでの駆動パルス列
信号の密度(パルス間隔)パターンを求める。その具体
的な方法の一例は、密度パターンとしてパルス間隔が最
短の2種類、パルス間隔が長いサブフレームの個数とパ
ルス間隔が短いサブフレームの個数を予め設定してお
き、予測残差信号の2乗和が大きいサブフレームの順に
パルス間隔が短くなる密度パターンを選択する方法であ
る。駆動パルス列のフレーム単位で変える場合は、予測
残差信号の2乗和が閾値より大きい場合に短いパルス間
隔を選択し、閾値より小さい場合に長いパルス間隔を選
択すればよい。
ゲイン計算回路27は、密度パターン選択回路15でサブ
フレーム単位で密度パターンが選択される場合、選択さ
れた密度パターンの情報を入力とし、駆動信号のゲイン
を例えばパルス間隔の短い全サブフレームの予測残差信
号の標準偏差とパルス間隔の長い全サブフレームの予測
残差信号の標準偏差を用いて2種類求める。また、密度
パターン選択回路15でフレーム単位で密度が選択される
場合、選択された密度の情報を入力とし、駆動信号のゲ
インを予測残差信号の標準偏差を用いて求める。この標
準偏差をσとおくと、ゲインGは により計算される。得られた密度パターンまたは密度
(パルス間隔)とゲインはそれぞれ符号化回路16,28で
符号化され、マルチプレクサ25に入力されると共に、そ
れらの復号値が駆動信号生成回路17へ入力される。駆動
信号生成回路17は、符号化回路16,28から入力される密
度パターンとゲイン、コードブック24から入力される駆
動パルスの正規化された振幅、および位相探索回路22か
ら入力される駆動パルスの位相を基に、サブフレーム単
位またはフレーム単位で密度が可変の駆動信号を生成す
る。
第4図に駆動信号生成回路17で作成される駆動信号の
例を示す。m番目のサブフレームにおける駆動パルスの
ゲインをG(m)、駆動パルスの正規化された振幅を
gi (m)、パルス数をQm、パルス間隔をDm、パルスの位相
をKm、サブフレームの長さをLとおくと、密度がサブフ
レーム単位で選択される駆動信号eX (m)(n)は次式で
記述できる。
なお、位相Kmはサブフレームにおけるパルスの先頭位
置であり、σ(n)はクロネッカのデルタ関数である。
また、コードブック24に格納されているコードベクト
ルをCi={Ci(1),Ci(2),…Ci(l)}bとする
と、駆動信号eX(n)は次式で記述できる。
同様に、位相Kはサブフレームにおけるパルスの先頭
位置、σはクロネッカのデルタ関数である。
駆動信号生成回路17で生成された駆動信号は合成フィ
ルタ18に入力され、合成信号が出力される。合成フィル
タ18は、予測フィルタ14と逆フィルタの関係にある。減
算回路19の出力である入力音声信号と合成信号との誤差
は、聴感重みフィルタ20によりそのスペクトルが変形さ
れた後、2乗誤差計算回路21へ入力される。聴感重みフ
ィルタ20は、伝達関数が で表わされるフィルタで、従来例における重み付けフィ
ルタと同様に聴感のマスキング効果を利用するためのも
のであり、文献2に詳述されているので説明は省略す
る。
2乗誤差計算回路21は、聴感重み付けされた誤差信号
の2乗和をコードブック24に蓄積されたコードベクトル
毎に、および位相探索回路22から出力される駆動パルス
の位相毎に計算し、計算結果を位相探索回路22と振幅探
索回路23へ出力する。振幅探索回路23は、位相探索回路
22から出力される駆動パルスの位相1個毎に、誤差信号
の2乗和を最小とするコードワードのインデックスをコ
ードブック24から探索し、2乗和の最小値を位相探索回
路22へ出力すると共に、2乗和を最小とするコードワー
ドのインデックスを保持する。位相探索回路22は、選択
された密度パターンの情報を入力とし、駆動パルス列の
位相Kmを1≦Km≦Dmの範囲で変化させ、その値を駆動信
号生成回路17に与え、Dm個の位相に対してそれぞれ決ま
る誤差信号の2乗和の最小値を振幅探索回路23から受
け、そのDm個の最小値の中で最も小さい2乗和に対応す
る位相をマルチプレクサ25に出力すると同時に、振幅探
索回路23にその位相を知らせる。振幅探索回路23では、
その位相に対応するコードワードのインデックスをマル
チプレクサ25に出力する。
マルチプレクサ25は予測パラメータ、密度パターン、
ゲイン、駆動パルスの位相および振幅の符号を多重化
し、出力端子26を介して伝送路へ出力する。なお、減算
回路19の出力を聴感重みフィルタ20を介さずに直接2乗
誤差計算回路21へ入力してもよい。
次に、第2図に示す復号化装置について説明する。第
2図において、デマルチプレクサ31は入力端子30から入
力された符号を予測パラメータ、密度パターン、ゲイ
ン、駆動パルスの位相・振幅の符号に分離する。復号化
回路32、37はそれぞれ前記駆動パルスの密度パターンと
駆動パルスのゲインの符号を復号し、駆動信号生成回路
33へ出力する。コードブック35は第1図の符号化装置内
のコードブック24と同じものであり、送られた駆動パル
スの振幅のインデックスに対応するコードワードを駆動
信号生成回路33へ出力する。予測パラメータ復号化回路
36は、第1図の予測パラメータ符号化回路13で符号化さ
れた予測パラメータの符号を復号し、合成フィルタ34へ
出力する。駆動信号生成回路33は、符号化装置内の駆動
信号生成回路17と同様に、入力された駆動パルスの正規
化された振幅と駆動パルスの位相を基に、サブフレーム
単位で密度が可変の駆動信号を生成する。合成フィルタ
34は符号化装置内の合成フィルタ18と同じものであり、
駆動信号と予測パラメータを受けて、合成信号をバッフ
ァ38へ出力する。バッファ38は、入力される信号をフレ
ーム毎に結合し、合成信号を出力端子39へ出力する。
第5図は本発明の第2の実施例に係る符号化装置のブ
ロック図である。この実施例は第1図の符号化装置と同
一の機能を有しながら、駆動信号のパルス列の符号化に
要する計算量を約1/2に低減できるようにしたものであ
る。
以下、この計算量低減の原理について簡単に説明す
る。第1図の2乗誤差計算回路21に入力される聴感重み
付き誤差信号eW(n)は eW(n) =[s(n)−exC(n)*h(n)]*W(n) (15) ここで、s(n)は入力音声信号、exC(n)は駆動
信号の候補、h(n)は合成フィルタ18のインパルス応
答、W(n)は聴感重みフィルタ20のインパルス応答を
それぞれ示し、また*は時間域の畳み込み演算を表わ
す。
(15)式の両辺をz変換すると、 EW(z) =[S(z)−ExC(z)H(z)]W(z) (16) となる。
(16)式におけるH(z),W(z)はそれぞれ予測フ
ィルタ14の伝達関数A(z)を用いて、 と定義されるので、(17)(18)式を(16)式に代入す
ると、次式が得られる。
これを逆z変換すると、次式が得られる。
eW(n)=x(n)exC(n)*hW(n) (20) ここで、x(n)は聴感重み付け入力信号、ex
C(n)は駆動信号の候補、hW(n)は1/A(z/γ)の伝
達関数を持つ聴感重みフィルタのインパルス応答を示
す。
(15)式と(20)式を比較すると、(15)式では聴感
重み付き誤差信号eW(n)を計算するのに1つの駆動信
号候補exC(n)につき2つのフィルタの畳み込み演算
が必要であるが、(20)式では1つのフィルタの畳み込
み演算でよいことが分かる。実際の符号化処理では、数
百〜数千の駆動信号の候補について聴感重み付き誤差信
号を計算するため、この部分の計算量が符号化装置の全
計算量の大部分を占めている。従って、(15)式の代わ
りに(20)式を用いるように符号化装置の構成を変えた
場合、1/のオーダで符号化に要する計算量が低減される
ため、符号化装置の実用化が一層容易となる。
第5図において、第1図と同一番号が付されているブ
ロックは第1図と同一機能を有するため、ここでは説明
を省略する。伝達関数が1/A(z/γ)の第1の聴感重み
フィルタ51は予測パラメータを入力とし、予測フィルタ
14からの予測残差信号r(n)を受け、聴感重み付き入
力信号x(n)を出力する。一方、第1の聴感重みフィ
ルタ51と同一特性の第2の聴感重みフィルタ52は予測パ
ラメータを入力とし、駆動信号生成回路17からの駆動信
号の候補exC(n)を受けて聴感重み付き合成信号候補x
C(n)を出力する。減算回路53は聴感重み付き入力信
号x(n)と聴感重み付き合成信号候補xC(n)との誤
差、すなわち聴感重み付き誤差信号eW(n)を2乗誤差
計算回路21へ出力する。
第6図は本発明の第3の実施例に係る符号化装置のブ
ロック図である。この符号化装置は、第5図の符号化装
置と同一の機能を有しながら、駆動パルスのゲインを閉
ループ型で最適に決定することができるようにし、さら
に合成音声の品質を改良したものである。
第1図と第5図の符号化装置においては、駆動パルス
のゲインは入力信号の予測残差信号の標準偏差を用いて
正規化されたコードブックから引き出される全てのコー
ドベクトルに共通のゲインGを乗じて、位相J、コード
ブックのインデックスIを探索する構成となっていた。
この方法は、確定したゲインGに対して最適な位相Jと
インデックスIが選ばれるが、ゲイン、位相およびイン
デックスが同時に最適化されている訳ではない。ゲイ
ン、位相およびインデックスを同時に最適化できれば、
さらに駆動パルスを精度良く表現できるため、合成音声
の品質が大幅に向上する。
以下にゲイン、位相およびインデックスを効率良く同
時に最適化する方法の原理について説明する。
前記(20)式は、次の(21)式に書き替えることがで
きる。
eW(n)=x(n)−Gij・xj (i)(n) (21) ここで、eW(n)は聴感重み付き誤差信号、x(n)
は聴感重み付き入力信号、Gijはインデックスi,位相j
の駆動パルスに最適なゲイン、xj (i)(n)はインデッ
クスi,位相jのゲインを乗じない駆動パルスを、前述の
1/A(z/γ)の伝達関数の聴感重みフィルタで重み付け
した聴感重み付け合成信号候補を示す。聴感重み付き誤
差信号のパワー を最適ゲインで偏微分した値∂EW/∂Gijを零とおくこと
により、最適ゲインGijが決定される。
とおくと、(23)式は と表わすことができる。(26)式を(22)式に代入する
と、聴感重み付き誤差信号のパワーの極小値は次式で表
わすことができる。
(27)式の聴感重み付き誤差信号のパワーを最小化す
るインデックスiおよび位相jは、{Aj (i)2/Bj (i)
最大にするインデックスiおよび位相jと等しい。従っ
て、最適なインデックスIと位相JおよびゲインGIJ
同時に求めるには、一例として、まずインデックスi,位
相jの候補について(24)(25)式によりA(i) j,B(i) j
をそれぞれ求め、次に{Aj (i)2/Bj (i)が最大となるイ
ンデックスI,位相Jの組を探索し、(26)式を用いてG
IJを求め符号化すればよい。
第6図の符号化装置は、上記のインデックス、位相お
よびゲインを同時に最適化する方法を組み込んでいる点
だけが第5図の符号化装置と異なるため、第5図と同一
機能を有するブロックは第5図と同一番号を付して説明
を省略する。第6図において、位相探索回路22は密度パ
ターン情報とインデックス・位相選択回路56よりの位相
更新情報を入力として、正規化駆動信号生成回路58に位
相情報jを出力する。正規化駆動信号生成回路58は、コ
ードブック24に格納される予め正規化されたコードベク
トルC(i)(iはコードベクトルのインデックス)と密度
パターン情報および位相情報jを入力とし、密度パター
ン情報に基づき上記コードベクトルの各要素の後ろに所
定数の零を内挿することでサブフレーム内で一定のパル
ス間隔となる正規化駆動信号を生成し、入力された位相
情報jに基づき正規化駆動信号を時間軸の正方向へシフ
トさせたものを最終出力として聴感重みフィルタ52へ出
力する。
内積計算回路54は聴感重み付き入力信号x(n)と聴
感重み付き合成信号候補xj (i)(n)との内積値Aj (i)
(24)式により計算し、これをインデックス・位相選択
回路56へ出力する。パワー計算回路55は聴感重み付き合
成信号候補xj (i)(n)のパワーBj (i)を(25)式により
計算し、これをインデックス・位相選択回路56へ出力す
る。インデックス・位相選択回路56は入力された内積値
の2乗とパワーの比{Aj (i)2/Bj (i)が最大となるイン
デックスIと位相Jを探索するために、順次インデック
スと位相の更新情報をコードブック24および位相探索回
路22へ出力する。この探索によって得られる最適なイン
デックスIと位相Jの情報は、マルチプレクサ25へ出力
され、AJ (I),BJ (I)は一時保存される。ゲイン符号化回
路57はインデックス・位相選択回路56よりのA(I) J,B(I)
Jを入力とし、最適ゲインAJ (I)/BJ (I)の量子化・符号化
を行い、このゲインの情報をマルチプレクサ25へ出力す
る。
第7図は本発明の第4の実施例に係る符号化装置のブ
ロック図である。この符号化装置は、第6図の符号化装
置と同一の機能を有しながら、駆動信号の位相探索に要
する計算量を減らすことができるように構成したもので
ある。
第7図において、位相シフト回路59は聴感重みフィル
タ52から出力される位相1の聴感重み付き合成信号候補
x1 (i)(n)を入力とし、インデックスiについて取り
得る全ての位相状態を単にx1 (i)(n)のサンプル点を
時間軸の正方向にシフトさせることで簡単に作り出すこ
とができる。
今、コードブック24内のインデックスの候補数をNI
位相の候補数をNJとすれば、第6図における聴感重みフ
ィルタ52の使用回数は1回の駆動信号探索につきNI×NJ
のオーダであるにのに対し、第7図における聴感重みフ
ィルタ52の使用回数は1回の駆動信号探索につきNIのオ
ーダとなり、約1×NJに計算量を減らすことができる。
次に、密度パターン選択回路15をその前処理部分を含
めてより具体的に示した第5および第6の実施例を説明
する。また、以上の第1〜第4の実施例では、予測フィ
ルタ14を第3図に示したように長時間予測フィルタ41と
短時間予測フィルタ42の縦続構成とし、それらの予測パ
ラメータを入力音声信号の分析により求めていたが、以
下の実施例では長期予測フィルタおよびの逆フィルタで
ある長期合成フィルタのパラメータを閉ループで、すな
わち入力音声信号と合成信号との2乗平均誤差が最小と
なるように求める構成とする。この構成によると、合成
信号のレベルで誤差が最小となるようにパラメータを求
めるので、合成音声の品質がさらに向上する。
第8図および第9図は本発明の第5の実施例に係る音
声符号化装置および復号化装置のブロック図である。
第8図において、フレームバッファ101は入力端子100
に入力される音声信号を1フレーム分蓄積する回路であ
り、第8図の各ブロックはフレームバッファ101を用い
て1フレーム毎に以下の処理を行う。
まず、1フレーム分の音声信号に対し予測パラメータ
計算回路102において、公知の方法を用いて短時間予測
パラメータを計算する(通常、この予測パラメータは8
〜12個計算される)。計算法については、例えば前記文
献2(古井貞照著「ディジタル音声処理」)に記述され
ている。計算された予測パラメータは、予測パラメータ
符号化回路103に入力される。予測パラメータ符号化回
路103は、予測パラメータを予め定められた量子化ビッ
ト数に基づいて符号化し、その符号をマルチプレクサ11
7へ出力すると共に、復号値Pを予測フィルタ104、聴感
重みフィルタ105、影響信号作成回路107、長期ベクトル
量子化回路109および短期ベクトル量子化回路111へ出力
する。
予測フィルタ104は、フレームバッファ101からの入力
音声信号と符号化回路103からの予測パラメータの復号
値から短期予測残差信号rを計算し、それを聴感重みフ
ィルタ105へ出力する。
聴感重みフィルタ105は、予測パラメータの復号値P
を基に構成されるフィルタで短期予測残差信号rのスペ
クトルを変形した信号xを減算回路106へ出力する。こ
の聴感重みフィルタ105は従来例における重み付けフィ
ルタと同様に聴覚のマスキング効果を利用するためのも
のであり、その詳細は前記文献2に記載されているの
で、説明は省略する。
影響信号作成回路107は、加算回路112からの過去の重
み付けされた合成信号と、予測パラメータの復号値P
を入力とし、過去の影響信号fを出力する。具体的には
過去の重み付けされた合成信号をフィルタの内部状態
とする聴感重みフィルタの零入力応答を計算し、それを
影響信号fとして、予め設定されるサブフレーム単位で
出力する。8kHzサンプリング時のサブフレーム中の典型
的な値としては、1フレーム(160サンプル)を4分割
した40サンプル程度が使用される。影響信号作成回路10
7は、第1サブフレームにおいては前フレームで決定し
た密度パターンKに基づいて作成された前フレームの合
成信号を入力として影響信号fを作成する。減算回路
106は、サブフレーム単位で聴感重み付き入力信号xか
ら過去の影響信号fを差し引いた信号uを減算回路108
および長期ベクトル量子化回路109へ出力する。
分割回路113は、予測フィルタ104の出力である短期予
測残差信号rをサブフレーム単位で切り出し、それを重
みフィルタ114へ出力する。重みフィルタ114は基本的に
は聴感重みフィルタ105と同様の構成であるが、サブフ
レーム単位で短期予測差信号rが入力されるとき、内部
状態をリセットする点が聴感重みフィルタ105と異なっ
ている。
パワー計算回路115は重みフィルタ114の出力信号のパ
ワー(2乗和)をフレームに渡って計算する。m番目の
サブフレームの短期予測残差信号をr(m)(n)、r
(m)(n)が入力された場合の重みフィルタ114の出力信
号をrW(n)とおくと、サブフレームmに対応する重み
フィルタ114の出力信号のパワーP(m)は、次式により計
算される。
但し、nは各サブフレーム間で定義されるサンプル
点、Lはサブフレーム長(サンプル)である。
密度パターン選択回路116は、パワー計算回路115から
出力される重みフィルタ114の出力信号のパワーを基
に、予め設定された駆動信号の密度パターンの中から一
つを選択する。具体的には、パワーの大きいサブフレー
ムの順に密度が高くなるように密度パターンを選択す
る。例えば、等長のサブフレームが4個、密度の種類が
2つで、密度パターンを次表のように設定した場合、密
度パターン選択回路116はサブフレーム毎の上記パワー
を比較し、パワーが最大となるサブフレームが密となる
密度パターンの番号Kを選択し、それを密度パターン情
報として短期ベクトル量子化回路111とマルチプレクサ1
17へ出力する。
長期ベクトル量子化回路109は、減算回路106からの差
信号、後述の駆動信号保持回路110からの過去の駆動
信号eXおよび符号化回路103からの予測パラメータPを
入力とし、サブフレーム単位で差信号uの量子化出力信
号uを減算回路108および加算回路112へ、ベクトルゲイ
ンβおよびインデックスTをマルチプレクサ117へ、長
期駆動信号tを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力す
る。このときtととの間には、=t*h(hは聴感
重みフィルタ105のインパルス応答、*は畳み込みを表
わす)という関係がある。
サブフレーム単位のベクトルゲインβ(m)とインデッ
クスT(m)(mはサブフレームの番号)の詳細な求め方の
一例を以下に示す。
予め設定されるインデックスTとゲインβと過去の駆
動信号を用いて現サブフレームの駆動信号候補を作成
し、これを聴感重みフィルタに入力して差信号uの量子
化信号の候補を作成し、差信号uと量子化信号の候補と
の誤差が最小となるように最適なインデックスT(m)と最
適なβ(m)を決定する。このときT(m)と最適なβ(m)を用
いて作成される現サブフレームの駆動8信号をtとし、
tを聴感重みフィルタに入力して得られる信号を差信号
の量子化出力信号uとする。
これと同様な方法は、例えばPETER KROON氏らによるI
EEE 1988年2月、Vol.SAC−6,pp.353−363に掲載の“A
class of Analysis−by−Synthesic Predicative Coder
s for High Quality Speech Coding at Rates Between
4.8 and 16kbits/s"と題する論文(文献3)中の閉ルー
プでピッチ予測器の係数を求める方法と同様の公知の方
法を用いることができるので、ここでは説明を省略す
る。
一方、減算回路108ではサブフレーム単位で差信号
から量子化出力信号uを減じた差信号Vを短期ベクトル
量子化回路111へ出力する。
短期ベクトル量子化回路111は、差信号V、予測パラ
メータPおよび密度パターン選択回路116より出力され
る密度パターン番号Kを入力とし、サブフレーム単位で
差信号の量子化出力信号Vを加算回路112へ、短期駆
動信号yを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力する。
ここでとyとの間には、=y*hという関係があ
る。
また、これと共に短期ベクトル量子化回路111は駆動
パルス列のゲインG、位相情報Jおよびコードベクトル
のインデックスIをマルチプレクサ117へ出力する。こ
のとき、サブフレーム単位で出力されるパラメータG,J,
Iは、密度パターン番号Kで決まる現サブフレーム(第
mサブフレーム)の密度(パルス間隔)に応じたパルス
数N(m)をサブフレーム内で符号化しなければならないの
で、予め設定されるコードベクトルの次元数ND(1つず
つのコードベクトルを構成するパルス数)に応じた個
数、すなわちN(m)/ND個ずつ現サブフレームで出力され
る。
例えばフレーム長が160サンプル、サブフレームが4
つの等長の40サンプルで構成され、コードベクトルの次
元が20であるとする。この場合、予め用意される密度パ
ターンの1つが第1サブフレームのパルス間隔1、第2
〜第4サブフレームのパルス間隔2とすると、この密度
パターンに対して短期ベクトル量子化回路111から出力
されるゲイン、位相およびインデックスの個数は、それ
ぞれ第1サブフレームで40/20=2個(ただし、この場
合はパルス間隔が1なので、位相情報は出力しない)、
第2〜第4サブフレームで20/20=1個となる。
短期ベクトル量子化回路111の具体的な構成例を第10
図に示す。第10図において、合成ベクトル生成回路301
は予測パラメータPと、予め設定されるコードブック30
2内のコードベクトルC(i)(iはコードベクトルのイン
デックス)および密度パターン情報Kとから、密度パタ
ーン情報Kに対応する予め設定されたパルス間隔となる
ようにC(i)の第1サンプル以降に所定の周期で零を内挿
して密度情報を持つパルス列を作成し、このパルス列を
予測パラメータPから生成される聴感重みフィルタで合
成することにより、合成ベクトルV1 (i)を生成する。
位相シフト回路303は、この合成ベクトルV1 (i)を密度
パターン情報Kに基づいて所定のサンプル数だけ遅延さ
せて位相の異なる合成ベクトルV2 (i),V3 (i),…Vj (i),…
を作成し、内積計算回路304およびパワー計算回路305へ
出力する。コードブック302は適応密度パルスの振幅情
報を格納し、インデックスiに対して予め定められたコ
ードベクトルC(i)が引き出し可能なメモリ回路またはベ
クトル発生回路で構成される。内積計算回路304は、第
8図の減算回路108からの差信号Vと、合成ベクトルVj
(i)との内積値Aj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。パワー計算回路305は、合成ベクトル
Vj (i)のパワーBj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。
インデックス・位相選択回路306では、内積値Aj (i)
パワーBj (i)を用いて、次式の評価値 {Aj (i)2/Bj (i) (28) が最も大きくなるような位相JとインデックスIを位相
候補jとインデックス候補iの中から選択し、対応する
内積値AJ (I)とパワーBJ (I)の組をゲイン符号化回路307
へ出力する。また、インデックス・位相選択回路306は
さらに位相Jの情報を短期駆動信号生成回路308および
第8図のマルチプレクサ117へ出力し、インデックスI
の情報をコードブック302および第8図のマルチプレク
サ117へ出力する。
ゲイン符号化回路307では、インデックス・位相選択
回路306からの内積値AJ (I)とパワーBJ (I)との比 AJ (I)/BJ (I) (29) を所定の方法で符号化して、そのゲイン情報Gを短期駆
動信号生成回路308および第8図のマルチプレクサ117へ
出力する。
上の(28)(29)式は、例えばI.M.Trancoso氏らによ
るInternational Conference on Acoustic,Speech and
Signal Processingの論文“EFFICIENT PROCEDURES FOR
FINDING THE OPTIMUM INNOVATION IN STOCHATIC CODER
S"(文献4)によって提案されたものを用いてもよい。
短期駆動信号生成回路308は、密度パターン情報K、
ゲイン情報G、位相情報JおよびインデックスIに対応
するコードベクトルC(I)を入力とし、KおよびC(I)を用
いて上記合成ベクトル生成回路301での方法と同様の方
法で密度情報を持つパルス列を作成し、そのパルス振幅
にゲイン情報Gに対応する値を乗じ、位相情報Jに基づ
き所定のサンプル数だけパルス列を遅延することによ
り、短期駆動信号yを生成する。この短期駆動信号y
は、聴感重みフィルタ309および第8図の駆動信号保持
回路110へ出力される。聴感重みフィルタ309は第8図の
聴感重みフィルタ105と同様の特性を持つフィルタであ
り、予測パラメータPを基にして作られ、短期駆動信号
yを入力として差信号Vの量子化出力を第8図の加算
回路112へ出力する。
第8図に説明を戻すと、駆動信号保持回路110は長期
ベクトル量子化回路109より出力される長期駆動信号t
および短期ベクトル量子化回路111より出力される短期
駆動信号yを入力とし、駆動信号eXをサブフレーム単位
で長期ベクトル量子化回路109へ出力する。具体的に
は、例えばtとyをサブフレーム単位でサンプル毎に加
算したものを駆動信号eXとすればよい。現サブフレーム
の駆動信号eXは、次のサブフレームにおいて過去の駆動
信号として長期ベクトル量子化回路109において使用で
きるように、駆動信号保持回路110内のバッファメモリ
に保持される。加算回路112は、サブフレーム単位で量
子化出力(m)および(m)と、現サブフレームで作成さ
れた過去の影響信号fとの和信号xを求め、影響信号作
成回路107へ出力する。
以上のようにして求められた各パラメータP,β,T,G,
I,J,Kの情報がマルチプレクサ117により多重化され、伝
送符号として出力端子118より伝送される。
次に、第8図の符号化装置から伝送された符号を復号
する第9図の復号化装置について説明する。
第9図において、入力端子200には伝送された符号が
入力される。デマルチプレクサ201はこの入力符号をま
ず予測パラメータ、密度パターン情報K、ゲインβ、ゲ
インG、位相J、インデックスT、インデックスIおよ
び位相情報Jの符号に分離する。復号化回路202〜207
は、それぞれ密度パターン情報K、ゲインG、インデッ
クスI、ゲインβおよびインデックスTの符号を復号
し、駆動信号生成回路209へ出力する。もう一つの復号
化回路208は、符号化された予測パラメータを復号し、
合成フィルタ210へ出力する。駆動信号生成回路209は、
復号された各パラメータを入力とし、密度パターン情報
Kに基づいてサブフレーム単位で密度の異なる駆動信号
を生成する。
駆動信号生成回路209は、具体的には例えば第11図に
示すように構成される。第11図において、コードブック
500は符号化装置内の第10図に示すコードブック302と同
一機能を有するものであり、インデックスIに対応する
コードベクトルC(I)を短期駆動信号生成回路501へ出力
する。短期駆動信号生成回路501は、符号化装置内の第1
0図に示す短期駆動信号生成回路308と同一機能を有する
ものであり、密度パターン情報K、位相情報Jおよびゲ
インGを入力とし、短期駆動信号yを加算回路506へ出
力する。加算回路506は、短期駆動信号yと長期駆動信
号生成回路502で生成された長期駆動信号tとの和信
号、すなわち駆動信号eXを駆動信号バッファ503および
第9図の合成フィルタ210へ出力する。
駆動信号バッファ503は、加算回路506から出力される
駆動信号を現在から所定のサンプル数だけ過去のものま
で保持し、インッデックスTが入力されるとTサンプル
過去の駆動信号から順にサブフレーム長に相当するサン
プル数だけ出力する構成となっている。長期駆動信号生
成回路502は、インデックスTに基づき駆動信号バッフ
ァ503より出力される信号を入力とし、この入力信号に
ゲインβを乗じると共に、Tサンプルの周期で繰り返す
長期駆動信号を生成し、加算回路506へサブフレーム単
位で出力する。
第9図に説明を戻すと、合成フィルタ210は符号化装
置内の第8図に示す予測フィルタ104と逆の周波数特性
を持つフィルタであり、駆動信号と予測パラメータを入
力として、合成信号を出力する。
ポストフィルタ211は予測パラメータ、ゲインβおよ
びインデックスTを用いて合成フィルタ210から出力さ
れる合成信号のスペクトルを主観的に雑音が減少するよ
うに整形して、バッファ212へ出力する。ポストフィル
タの具体的な構成法については例えば前記文献5に記載
されているような方法を用いればよい。また、ポストフ
ィルタ211を用いずに直接合成フィルタ210の出力をバッ
ファ212へ供給する構成としてもよい。バッファ212は入
力される信号をフレーム毎に結合し、合成音声信号を出
力端子213へ出力する。
なお、上述した実施例では駆動信号の密度パターン選
択を短期予測残差信号を重みフィルタに通した信号のパ
ワーに基づいて行ったが、短期予測残差信号にピッチ予
測を適用して得られるピッチ予測残差信号を重みフィル
タに通した信号のパワーに基づいて行うこともできる。
第12図は本発明の第6の実施例に係る符号化装置のブ
ロック図であり、ピッチ予測残差信号を重みフィルタに
通した信号のパワーに基づいて密度パターン選択を行う
例である。第12図は、第8図における分割回路113の前
にピッチ分析回路119、ピッチ予測フィルタ120を配置し
た構成となっている。ピッチ分析回路119はピッチ周期
とピッチゲインを計算する回路であり、その計算結果を
ピッチ予測フィルタ120へ出力し、ピッチ予測フィルタ1
20はピッチ予測残差信号を分割回路113へ出力する。ピ
ッチ周期とピッチゲインは、公知の方法、例えば自己相
関法や共分散法で求めることができる。
第13図は本発明の第7の実施例に係る音声符号化装置
のブロック図である。
第13図において、フレームバッファ101は入力端子100
に入力される音声信号を1フレーム分蓄積する回路であ
り、第13図の各ブロックはフレームバッファ101を用い
て1フレーム毎に以下の処理を行う。
まず、1フレーム分の音声信号に対し予測パラメータ
計算回路102において、公知の方法を用いて短時間予測
パラメータを計算する(通常、この予測パラメータは8
〜12個計算される)。計算法については、例えば前記文
献2に記述されている。計算された予測パラメータは、
予測パラメータ符号化回路103に入力される。予測パラ
メータ符号化回路103は、予測パラメータを予め定めら
れた量子化ビット数に基づいて符号化し、その符号をマ
ルチプレクサ117へ出力すると共に、復号値Pを予測フ
ィルタ104、聴感重みフィルタ105、影響信号作成回路10
7、長期ベクトル量子化回路109および短期ベクトル量子
化回路111へ出力する。
予測フィルタ104は、フレームバッファ101からの入力
音声信号と符号化回路103からの予測パラメータの復号
値から短期予測残差信号rを計算し、それを聴感重みフ
ィルタ105へ出力する。
聴感重みフィルタ105は、予測パラメータの復号値P
を基に構成されるフィルタで短期予測残差信号rのスペ
クトルを変形した信号xを減算回路106へ出力する。こ
の聴感重みフィルタ105は従来例における重み付けフィ
ルタと同様に聴覚のマスキング効果を利用するためのも
のでり、その詳細は前記文献2に記載されているので、
説明は省略する。
影響信号作成回路107は、加算回路112からの過去の重
み付けされた合成信号と、予測パラメータの復号値P
を入力とし、過去の影響信号fを出力する。具体的には
過去の重み付けされた合成信号をフィルタの内部状態
をする聴感重みフィルタの零入力応答を計算し、それを
影響信号fとして、予め設定されるサブフレーム単位で
出力する。8kHzサンプリング時のサブフレーム中の典型
的な値としては、1フレーム(160サンプル)を4分割
した40サンプル程度が使用される。影響信号作成回路10
7は、第1サブフレームにおいては前フレームで決定し
た密度パターンKに基づいて作成された前フレームの合
成信号を入力として影響信号fを作成する。減算回路
106は、サブフレーム単位で聴感重み付き入力信号xか
ら過去の影響信号fを差し引いた信号uを減算回路108
および長期ベクトル量子化回路109へ出力する。
パワー計算回路113は、予測フィルタ104の出力である
短期予測残差信号のパワー(2乗和)をサブフレーム単
位で計算し、各サブフレームのパワーを密度パターン選
択回路122へ出力する。
密度パターン選択回路122は、パワー計算回路117から
出力されるサブフレーム毎の短期予測残差信号のパワー
を基に、予め設定された駆動信号の密度パターンの中か
ら一つを選択する。具体的には、パワーの大きいサブフ
レームの順に密度が高くなるように密度パターンを選択
する。例えば、等長のサブフレームが4個、密度の種類
が2つで、密度パターンを前記表1のように設定した場
合、密度パターン選択回路117はサブフレーム毎の上記
パワーを比較し、パワーが最大となるサブフレームが密
となる密度パターンの番号Kを選択し、それを密度パタ
ーン情報として短期ベクトル量子化回路111とマルチプ
レクサ117へ出力する。
長期ベクトル量子化回路109は、減算回路106からの差
信号u、後述の駆動信号保持回路110からの過去の駆動
信号eXおよび符号化回路103からの予測パラメータPを
入力とし、サブフレーム単位で差信号uの量子化出力信
号を減算回路108および加算回路112へ、ベクトルゲイ
ンβおよびインデックスTをマルチプレクサ117へ、長
期駆動信号tを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力す
る。このときtととの間には、=t*h(hは聴感
重みフィルタ105のインパルス応答、*は畳み込みを表
わす)という関係がある。
サブフレーム単位のベクトルゲインβ(m)とインデッ
クスT(m)(mはサブフレームの番号)の詳細な求め方
は、第5の実施例と同様でよいため、説明を省略する。
一方、減算回路108ではサブフレーム単位で差信号u
からの量子化出力信号を減じた差信号Vを短期ベクト
ル量子化回路111へ出力する。
短期ベクトル量子化回路111は、差信号V、予測パラ
メータPおよび密度パターン選択回路122より出力され
る密度パターン番号Kを入力とし、サブフレーム単位で
差信号Vの量子化出力信号を加算回路112へ、短期駆
動信号yを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力する。
ここでとyとの間には、=y*hという関係があ
る。
また、これと共に短期ベクトル量子化回路111は駆動
パルス列のゲインG、位相情報Jおよびコードベクトル
のインデックスIをマルチプレクサ117へ出力する。こ
のとき、サブフレーム単位で出力されるパラメータG,J,
Iは、密度パターン番号Kで決まる現サブフレーム(第
mサブフレーム)の密度(パルス間隔)に応じたパルス
数N(m)をサブフレーム内で符号化しなければならないの
で、予め設定されるコードベクトルの次元数ND(1つず
つのコードベクトルを構成するパルス数)に応じた個
数、すなわちN(m)/ND個ずつ現サブフレームで出力され
る。
例えばフレーム長が160サンプル、サブフレームが4
つの等長の40サンプルで構成され、コードベクトルの次
元が20であるとする。この場合、予め用意される密度パ
ターンの1つが第1サブフレームのパルス間隔1、第2
〜第4サブフレームのパルス間隔2とすると、この密度
パターンに対して短期ベクトル量子化回路111から出力
されるゲイン、位相およびインデックスの個数は、それ
ぞれ第1サブフレームで40/20=2個(ただし、この場
合はパルス間隔が1なので、位相情報は出力しない)、
第2〜第4サブフレームで20/20=1個となる。
短期ベクトル量子化回路111の具体的な構成例を第10
図に示す。第10図において、合成ベクトル生成回路301
は予測パラメータPと、予め設定されるコードブック30
2内のコードベクトルC(i)(iはコードベクトルのイン
デックス)および密度パターン情報Kとから、密度パタ
ーン情報Kに対応する予め設定されたパルス間隔となる
ようにC(i)の第1サンプル以降に所定の周期で零を内挿
して密度情報を持つパルス列を作成し、このパルス列を
予測パラメータPから生成される聴感重みフィルタで合
成することにより、合成ベクトルV1 (i)を生成する。
位相シフト回路303は、この合成ベクトルV1 (i)を密度
パターン情報Kに基づいて所定のサンプル数だけ遅延さ
せて位相の異なる合成ベクトルV2 (i),V3 (i),…Vj (i),…
を作成し、内積計算回路304およびパワー計算回路305へ
出力する。コードブック302は適応密度パルスの振幅情
報を格納し、インデックスiに対して予め定められたコ
ードベクトルC(i)が引き出し可能なメモリ回路またはベ
クトル発生回路で構成される。内積計算回路304は、第1
3図の減算回路108からの差信号Vと、合成ベクトルVj
(i)との内積値Aj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。パワー計算回路305は、合成ベクトル
Vj (i)のパワーBj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。
インデックス・位相選択回路306では、内積値Aj (i)
パワーBj (i)を用いて、前記(28)式に示した評価値が
最も大きくなるような位相JとインデックスIを位相候
補jとインデックス候補iの中から選択し、対応する内
積値AJ (I)とパワーBJ (I)の組をゲイン量子化回路307へ
出力する。また、インデックス・位相選択回路306はさ
らに位相Jの情報を短期駆動信号生成回路308および第1
3図のマルチプレクサ117ヘ出力し、インデックスIの情
報をコードブック302および第13図のマルチプレクサ117
へ出力する。
ゲイン符号化回路307では、前記(29)式に示したイ
ンデックス・位相選択回路306からの内積値AJ (I)とパワ
ーBJ (I)との比を所定の方法で符号化して、そのゲイン
情報Gを短期駆動信号生成回路308および第13図のマル
チプレクサ117へ出力する。
短期駆動信号生成回路308は、密度パターン情報K、
ゲイン情報G、位相情報JおよびインデックスIに対応
するコードベクトルC(I)を入力とし、KおよびC(I)を用
いて上記合成ベクトル生成回路301での方法と同様の方
法で密度情報を持つパルス列を作成し、そのパルス振幅
にゲイン情報Gに対応する値を乗じ、位相情報Jに基づ
き所定のサンプル数だけパルス列を遅延することによ
り、短期駆動信号yを生成する。この短期駆動信号y
は、聴感重みフィルタ309および第13図の駆動信号保持
回路110へ出力される。聴感重みフィルタ309は第13図の
聴感重みフィルタ105と同様の特性を持つフィルタであ
り、予測パラメータPを基にして作られ、短期駆動信号
yを入力として差信号Vの量子化出力を第13図の加算
回路112へ出力する。
第13図に説明を戻すと、駆動信号保持回路110は長期
ベクトル量子化回路109より出力される長期駆動信号t
および短期ベクトル量子化回路111より出力される短期
駆動信号yを入力とし、駆動信号eXをサブフレーム単位
で長期ベクトル量子化回路109へ出力する。具体的に
は、例えばtとyをサブフレーム単位でサンプル毎に加
算したものを駆動信号eXとすればよい。現サブフレーム
の駆動信号eXは、次のサブフレームにおいて過去の駆動
信号として長期ベクトル量子化回路109において使用で
きるように、駆動信号保持回路110内のバッファメモリ
に保持される。
加算回路112は、サブフレーム単位で量子化出力u(m)
および(m)と、現サブフレームで作成された過去の影
響信号fとの和信号を求め、影響信号作成回路107へ
出力する。
以上のようにして求められた各パラメータP,β,T,G,
I,J,Kの情報がマルチプレクサ117により多重化され、伝
送符号として出力端子118より伝送される。
なお、上述した第7の実施例では駆動信号の密度パタ
ーン選択を短期予測残差信号のパワーに基づいて行った
が、短期予測残差信号の零交差数に基づいて行うことも
できる。この方式に基づく第8の実施例に係る符号化装
置のブロック図を第14図に示す。
第14図において、零交差数計算回路123はサブフレー
ム単位で短期予測残差信号rがr=0を交差する回数を
カウントし、その値を密度パターン選択回路122へ出力
する。この場合、密度パターン選択回路122はサブフレ
ーム毎の零交差数の大きさに基づいて、予め設定された
密度パターンの中から一つのパターンを選択する。
また、密度パターン選択を短期予測残差信号にピッチ
予測を適用して得られるピッチ予測残差信号のパワーま
たは零交差数に基づいて行うこともできる。第15図に、
ピッチ予測残差信号のパワーに基づいて密度パターン選
択を行うようにした第9の実施例に係る符号化装置を示
し、また第16図にピッチ予測残差信号の零交差数に基づ
いて密度パターン選択を行うようにした第10の実施例に
係る符号化装置を示す。第15図および第16図は、それぞ
れ第13図および第14図におけるパワー計算回路113およ
び零交差数計算回路123の前にピッチ分析回路124、ピッ
チ予測フィルタ125を配置した構成となっている。ピッ
チ分析回路124はピッチ周期とピッチゲインを計算する
回路であり、その計算結果をピッチ予測フィルタ125へ
出力し、ピッチ予測フィルタ125はピッチ予測残差信号
をパワー計算回路113または零交差数計算回路123へ出力
する。ピッチ周期とピッチゲインは、公知の方法、例え
ば自己相関法や共分散法で求めることができる。
第17図は本発明の第11の実施例に係る音声符号化装置
のブロック図である。
第17図において、フレームバッファ101は入力端子100
に入力される音声信号を1フレーム分蓄積する回路であ
り、第17図の各ブロックはフレームバッファ101を用い
て1フレーム毎に以下の処理を行う。
まず、1フレーム分の音声信号に対し予測パラメータ
計算回路102において、公知の方法を用いて短時間予測
パラメータを計算する(通常、この予測パラメータは8
〜12個計算される)。計算法については、例えば前記文
献2に記述されている。計算された予測パラメータは、
予測パラメータ符号化回路103に入力される。予測パラ
メータ符号化回路103は、予測パラメータを予め定めら
れた量子化ビット数に基づいて符号化し、その符号をマ
ルチプレクサ117へ出力すると共に、復号値Pを予測フ
ィルタ104、聴感重みフィルタ105、影響信号作成回路10
7、長期ベクトル量子化回路109および短期ベクトル量子
化回路111へ出力する。
予測フィルタ104は、フレームバッファ101からの入力
音声信号と符号化回路103からの予測パラメータの復号
値から短期予測残差信号rを計算し、それを聴感重みフ
ィルタ105へ出力する。
聴感重みフィルタ105は、予測パラメータの復号値P
を基に構成されるフィルタで短期予測残差信号rのスペ
クトルを変形した信号xを減算回路106へ出力する。こ
の聴感重みフィルタ105は従来例における重み付けフィ
ルタと同様に聴覚のマスキング効果を利用するためのも
のであり、その詳細は前記文献2に記載されているの
で、説明は省略する。
影響信号作成回路107は、加算回路112からの過去の重
み付けされた合成信号と、予測パラメータの復号値P
を入力とし、過去の影響信号fを出力する。具体的には
過去の重み付けされた合成信号をフィルタの内部状態
とする聴感重みフィルタの零入力応答を計算し、それを
影響信号fとして、予め設定されるサブフレーム単位で
出力する。8kHzサンプリング時のサブフレーム中の典型
的な値としては、1フレーム(160サンプル)を4分割
した40サンプル程度が使用される。影響信号作成回路10
7は、第1サブフレームにおいては前フレームで決定し
た密度パターンKに基づいて作成された前フレームの合
成信号を入力して影響信号fを作成する。減算回路10
6は、サブフレーム単位で聴感重み付き入力信号xから
過去の影響信号fを差し引いた信号uを減算回路108お
よび長期ベクトル量子化回路109へ出力する。
パワー計算回路131は、予測フィルタ104の出力である
短期予測残差信号の2乗平均値をサブフレーム単位で計
算し、その値をビット配分計算回路132へ出力する。
ビット配分計算回路132は、短期予測残差信号の2乗
平均値を基に各サブフレームに割り当てる駆動信号のビ
ット配分の計算する。ビット配分の計算は、割り当てら
れるビット数の総和が一定である条件の下で、量子化誤
差の2乗平均値を最小化する最適ビット配分の式を用い
て行うことができる。最適ビット配分については、N.S.
Tayant and P.Nall:“DIGITAL CODING OF WAVEFORMS",P
RENTICE−HALL,1984(文献4)に記述されているので、
ここでは説明を省略する。割り当てられるビット数の総
和をRビット、サブフレーム数をM=4、各サブフレー
ムの短期予測残差信号の2乗平均値をσi2とおくと、i
番目のサブフレームのビット配分biは次式により計算さ
れる。
ビット配分テーブル134は、予め設定された駆動信号
の密度パターンと1対1に対応したサブフレームのビッ
ト配分値を格納するものであり、パターン番号とピット
配分値を密度パターン選択回路133へ出力する。次表2
に、密度パターンとビット配分値の例を示す。但し、こ
こではR=50,M=4としている。
密度パターン選択回路133は、ビット配分計算回路132
の出力biを要素とするベクトルB=(b1,b2,…bM)と、
ビット配分テーブル134に格納されている各サブフレー
ムのビット配分値を要素とするベクトルBK(K=1,2,,
…,M、Kは密度パターン番号)との距離を計算し、その
距離が最小となる密度パターンの番号Kを密度パターン
情報として短期ベクトル量子化回路111とマルチプレク
サ117へ出力する。
長期ベクトル量子化回路109は、減算回路106からの差
信号u、後述の駆動信号保持回路110からの過去の駆動
信号eXおよび符号化回路103からの予測パラメータPを
入力とし、サブフレーム単位で差信号uの量子化出力信
号を減算回路108および加算回路112へ、ベクトルゲイ
ンβおよびインデックスTをマルチプレクサ117へ、長
期駆動信号tを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力す
る。このときtととの間には、=t*h(hは聴感
重みフィルタ105のインパルス応答、*は畳み込みを表
わす)という関係がある。サブフレーム単位のベクトル
ゲインβ(m)とインデックスT(m)(mはサブフレームの
番号)の詳細な求め方は、第5の実施例と同様でよい。
一方、減算回路108ではサブフレーム単位で差信号u
から量子化出力信号uを減じた差信号Vを短期ベクトル
量子化回路111へ出力する。
短期ベクトル量子化回路111は、差信号V、予測パラ
メータPおよび密度パターン選択回路133より出力され
る密度パターン番号Kを入力とし、サブフレーム単位で
差信号Vの量子化出力信号を加算回路112へ、短期駆
動信号yを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力する。
ここでとyとの間には、=y*hという関係があ
る。
また、これと共に短期ベクトル量子化回路111は駆動
パルス列のゲインG、位相情報Jおよびコードベクトル
のインデックスIをマルチプレクサ117へ出力する。こ
のとき、サブフレーム単位で出力されるパラメータG,J,
Iは、密度パターン番号Kで決まる現サブフレーム(第
mサブフレーム)の密度(パルス間隔)に応じたパルス
数N(m)をサブフレーム内で符号化しなければならないの
で、予め設定されるコードベクトルの次元数ND(1つず
つのコードベクトルを構成するパルス数)に応じた個
数、すなわちN(m)/ND個ずつ出力される。
例えばフレーム長が160サンプル、サブフレームが4
つの等長の40サンプルで構成され、コードベクトルの次
元が20であるとする。この場合、予め用意される密度パ
ターンの1つが第1サブフレームのパルス間隔1、第2
〜第4サブフレームのパルス間隔2とすると、この密度
パターンに対して短期ベクトル量子化回路111から出力
されるゲイン、位相およびインデックスの個数は、それ
ぞれ第1サブフレームで40/20=2個(ただし、この場
合はパルス間隔が1なので、位相情報は出力しない)、
第2〜第4サブフレームで20/20=1個となる。
短期ベクトル量子化回路111の具体的な構成例を第10
図に示す。第10図において、合成ベクトル生成回路301
は予測パラメータPと、予め設定されるコードブック30
2内のコードベクトルC(i)(iはコードベクトルのイン
デックス)および密度パターン情報Kとから、密度パタ
ーン情報Kに対応する予め設定されたパルス間隔となる
ようにC(i)の第1サンプル以降に所定の周期で零を内挿
して密度情報を持つパルス列を作成し、このパルス列を
予測パラメータPから生成される聴感重みフィルタで合
成することにより、合成ベクトルV1 (i)を生成する。
位相シフト回路303は、この合成ベクトルV1 (i)を密度
パターン情報Kに基づいて所定のサンプル数だけ遅延さ
せて位相の異なる合成ベクトルV2 (i),V3 (i),…Vj (i),…
を作成し、内積計算回路304およびパワー計算回路305へ
出力する。コードブック302は適応密度パルスの振幅情
報を格納し、インデックスiに対して予め定められたコ
ードベクトルC(i)が引き出し可能なメモリ回路またはベ
クトル発生回路で構成される。内積計算回路304は、第1
7図の減算回路108からの差信号Vと、合成ベクトルVj
(i)との内積値Aj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。パワー計算回路305は、合成ベクトル
Vj (i)のパワーBj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。
インデックス・位相選択回路306では、内積値Aj (i)
パワーBj (i)を用いて、(28)式に示した評価値が最も
大きくなるような位相JとインデックスIを位相候補j
とインデックス候補iの中から選択し、対応する内積値
AJ (I)とパワーBJ (I)の組をゲイン符号化回路307へ出力
する。また、インデックス・位相選択回路306はさらに
位相Jの情報を短期駆動信号生成回路308および第17図
のマルチプレクサ117へ出力し、インデックスIの情報
をコードブック302および第17図のマルチプレクサ117へ
出力する。
ゲイン符号化回路307では、(29)式に示したインデ
ックス・位相選択回路306からの内積値AJ (I)とパワーBJ
(I)との比を所定の方法で符号化して、そのゲイン情報
Gを短期駆動信号生成回路308および第17図のマルチプ
レクサ117へ出力する。
短期駆動信号生成回路308は、密度パターン情報K、
ゲイン量子化値G、位相情報JおよびインデックスIに
対応するコードベクトルC(I)を入力とし、KおよびC(I)
を用いて上記合成ベクトル生成回路301での方法と同様
の方法で密度情報を持つパルス列を作成し、そのパルス
振幅にゲイン情報に対応する値Gを乗じ、位相情報Jに
基づき所定のサンプル数だけパルス列を遅延することに
より、短期駆動信号yを生成する。この短期駆動信号y
は、聴感重みフィルタ309および第17図の駆動信号保持
回路110へ出力される。聴感重みフィルタ309は第17図の
聴感重みフィルタ105と同様の特性を持つフィルタであ
り、予測パラメータPを基にして作られ、短期駆動信号
yを入力として差信号Vの量子化出力Vを第1図の加算
回路112へ出力する。
第17図に説明を戻すと、駆動信号保持回路110は長期
ベクトル量子化回路109より出力される長期駆動信号t
および短期ベクトル量子化回路111より出力される短期
駆動信号yを入力とし、駆動信号eXをサブフレーム単位
で長期ベクトル量子化回路109へ出力する。具体的に
は、例えばtとyをサブフレーム単位でサンプル毎に加
算したものを駆動信号eXとすればよい。現サブフレーム
の駆動信号eXは、次のサブフレームにおいて過去の駆動
信号として長期ベクトル量子化回路109において使用で
きるように、駆動信号保持回路110内のバッファメモリ
に保持される。
加算回路112は、サブフレーム単位で量子化出力u(m)
および(m)と、現サブフレームで作成された過去の影
響信号fとの和信号を求め、影響信号作成回路107へ
出力する。
以上のようにして求められた各パラメータP,β,T,G,
I,J,Kの情報がマルチプレクサ117により多重化され、伝
送符号として出力端子118より伝送される。
なお、上述した第11の実施例では駆動信号の密度パタ
ーン選択を短期予測残差信号のパワーに基づいて行った
が、短期予測残差信号の零交差数に基づいて行うことも
できる。この方式に基づく第12の実施例に係る符号化装
置のブロック図を第18図に示すう。
第18図において、零交差数計算回路135はサブフレー
ム単位で短期予測残差信号rがr=0を交差する回数を
カウントし、その値をビット配分計算回路132を介して
密度パターン選択回路133へ出力する。この場合、密度
パターン選択回路133はサブフレーム毎の零交差数の大
きさに基づいて、予め設定された密度パターンの中から
一つのパターンを選択する。
また、密度パターン選択を短期予測残差信号にピッチ
予測を適用して得られるピッチ予測残差信号のパワーま
たは零交差数に基づいて行うこともできる。第19図に、
ピッチ予測残差信号のパワーに基づいて密度パターン選
択を行うようにした第13の実施例に係る符号化装置を示
し、また第20図にピッチ予測残差信号の零交差数に基づ
いて密度パターン選択を行うようにした第14の実施例に
係る符号化装置の実施例を示す。第19図および第20図
は、それぞれ第17図および第18図におけるパワー計算回
路131および零交差数計算回路135の前にピッチ分析回路
136、ピッチ予測フィルタ137を配置した構成となってい
る。ピッチ分析回路136はピッチ周期とピッチゲインを
計算する回路であり、その計算結果をピッチ予測フィル
タ137へ出力し、ピッチ予測フィルタ137はピッチ予測残
差信号をパワー計算回路131または零交差数計算回路135
へ出力する。ピッチ周期とピッチゲインは、公知の方
法、例えば自己相関法や共分散法で求めることができ
る。
第21図は本発明の第15の実施例に係る音声符号化装置
のブロック図である。
第21図において、フレームバッファ101は入力端子100
に入力される音声信号を1フレーム分蓄積する回路であ
り、第21図の各ブロックはフレームバッファ101を用い
て1フレーム毎に以下の処理を行う。
まず、1フレーム分の音声信号に対し予測パラメータ
計算回路102において、公知の方法を用いて短時間予測
パラメータを計算する(通常、この予測パラメータは8
〜12個計算される)。計算法については、例えば前記文
献2に記述されている。計算された予測パラメータは、
予測パラメータ符号化回路103に入力される。予測パラ
メータ符号化回路103は、予測パラメータを予め定めら
れた量子化ビット数に基づいて符号化し、その符号をマ
ルチプレクサ117へ出力すると共に、復号値Pを予測フ
ィルタ104、聴感重みフィルタ105、影響信号作成回路10
7、長期ベクトル量子化回路109及び短期ベクトル量子化
回路111へ出力する。
予測フィルタ104は、フレームバッファ101からの入力
音声信号と符号化回路103からの予測パラメータの復号
値から短期予測残差信号rを計算し、それを聴感重みフ
ィルタ105へ出力する。
聴感重みフィルタ105は、予測パラメータの復号値P
を基に構成されるフィルタで短期予測残差信号rのスペ
クトルを変形した信号xを減算回路106へ出力する。こ
の聴感重みフィルタ105は従来例における重み付けフィ
ルタと同様に聴覚のマスキング効果を利用するためのも
のであり、その詳細は前記文献2に記載されているの
で、説明は省略する。
影響信号作成回路107は、加算回路112からの過去の重
み付けされた合成信号と、予測パラメータの復号値P
を入力とし、過去の影響信号fを出力する。具体的には
過去の重み付けされた合成信号をフィルタの内部状態
とする聴感重みフィルタの零入力応答を計算し、それを
影響信号fとして、予め設定されるサブフレーム単位で
出力する。8kHzサンプリング時のサブフレーム中の典型
的な値としては、1フレーム(160サンプル)を4分割
した40サンプル程度が使用される。影響信号作成回路10
7は、第1サブフレームにおいては前フレームで決定し
た密度パターンKに基づいて作成された前フレームの合
成信号を入力として影響信号fを作成する。減算回路
106は、サブフレーム単位で聴感重み付き入力信号xか
ら過去の影響信号fを差し引いた信号uを減算回路108
および長期ベクトル量子化回路109へ出力する。
パワー計算回路141は、予測フィルタ104の出力である
短期予測残差信号のパワー(2乗和)をサブフレーム単
位で計算し、各サブフレームのパワーを重み付け回路14
2へ出力する。重み付け回路142は、サブフレーム毎のパ
ワーに非線形の重み付けを施した関数値を出力するもの
であり、サブフレーム数が4のとき、例えば重み関数Wi
(i=1,2,3,4)を次のように設定する。
W1=0.4 W2=0.25 W3=0.20 W4=0.15 この重み付けは、サブフレームの中で各サブフレーム
の重要性が均一でないために行う処理である。重み付け
回路142の出力信号は、密度パターン選択回路143へ出力
される。
密度パターン選択回路143は、重み付け回路142から出
力されるサブフレーム毎の短期予測段差信号のパワーの
重み付け関数値を基に、予め設定された駆動信号の密度
パターンの中から一つを選択する。具体的には、重み付
け関数値の大きいサブフレームの順に密度が高くなるよ
うに密度パターンを選択する。例えば、等長のサブフレ
ームが4個、密度の種類が2つで、密度パターンを前記
表1のように設定した場合、密度パターン選択回路143
はサブフレーム毎の上記パワーの重み付け関数値を比較
し、その値が最大となるサブフレームが密となる密度パ
ターンの番号Kを選択し、それを密度パターン情報とし
て短期ベクトル量子化回路111とマルチプレクサ117へ出
力する。
長期ベクトル量子化回路109は、減算回路106からの差
信号u、後述の駆動信号保持回路110からの過去の駆動
信号eXおよび符号化回路103からの予測パラメータPを
入力とし、サブフレーム単位で差信号uの量子化出力信
号を減算回路108および加算回路112へ、ベクトルゲイ
ンβおよびインデックスTをマルチプレクサ117へ、長
期駆動信号tを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力す
る。このときtととの間には、u=t*h(hは聴感
重みフィルタ105のインパルス応答、*は畳み込んで表
わす)という関係がある。
サブフレーム単位のベクトルゲインβ(m)とインデッ
クスT(m)(mはサブフレームの番号)の詳細な求め方
は、第5の実施例と同様でよい。
一方、減算回路108ではサブフレーム単位で差信号u
から量子化出力信号を減じた差信号Vを短期ベクトル
量子化回路111へ出力する。
短期ベクトル量子化回路111は、差信号V、予測パラ
メータPおよび密度パターン選択回路143より出力され
る密度パターン番号Kを入力とし、サブフレーム単位で
差信号Vの量子化出力信号を加算回路112へ、短期駆
動信号yを駆動信号保持回路110へそれぞれ出力する。
ここでとyとの間には、=y*hという関係があ
る。
また、これと共に短期ベクトル量子化回路111は駆動
パルス列のゲインG、位相情報Jおよびコードベクトル
のインデックスIをマルチプレクサ117へ出力する。こ
のとき、サブフレーム単位で出力されるパラメータG,J,
Iは、密度パターン番号Kで決まる現サブフレーム(第
mサブフレーム)の密度(パルス間隔)に応じたパルス
数N(m)をサブフレーム内で符号化しなければならないの
で、予め設定されるコードベクトルの次元数ND(1つず
つのコードベクトルを構成するパルス数)に応じた個
数、すなわちN(m)/ND個ずつ現サブフレームで出力され
る。
例えばフレーム長が160サンプル、サブフレームが4
つの等長の40サンプルで構成され、コードベクトルの次
元が20であるとする。この場合、予め用意される密度パ
ターンの1つが第1サブフレームのパルス間隔1、第2
〜第4サブフレームのパルス間隔2とすると、この密度
パターンに対して短期ベクトル量子化回路111から出力
されるゲイン、位相およびインデックスの個数は、それ
ぞれ第1サブフレームで40/20=2個(ただし、この場
合はパルス間隔が1なので、位相情報は出力しない)、
第2〜第4サブフレームで20/20=1個となる。
短期ベクトル量子化回路111の具体的な構成例を第10
図に示す。第10図において、合成ベクトル生成回路301
は予測パラメータPと、予め設定されるコードブック30
2内のコードベクトルC(i)(iはコードベクトルのイン
デックス)および密度パターン情報Kとから、密度パタ
ーン情報Kに対応する予め設定されたパルス間隔となる
ようにC(i)の第1サンプル以降に所定の周期で零を内挿
して密度情報を持つパルス列を作成し、このパルス列を
予測パラメータPから生成される聴感重みフィルタで合
成することにより、合成ベクトルV1 (i)を生成する。
位相シフト回路303は、この合成ベクトルV1 (i)を密度
パターン情報Kに基づいて所定のサンプル数だけ遅延さ
せて位相の異なる合成ベクトルV2 (i),V3 (i),…Vj (i),…
を作成し、内積計算回路304およびパワー計算回路305へ
出力する。コードブック302は適応密度パルスの振幅情
報を格納し、インデックスiに対して予め定められたコ
ードベクトルC(i)が引き出し可能なメモリ回路またはベ
クトル発生回路で構成される。内積計算回路304は、第2
1図の減算回路108からの差信号Vと、合成ベクトルVj
(i)との内積値Aj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。パワー計算回路305は、合成ベクトル
Vj (i)のパワーBj (i)を求め、インデックス・位相選択回
路306へ出力する。
インデックス・位相選択回路306では、内積値Aj (i)
パワーBj (i)を用いて、前記(28)式に示した評価値が
最も大きくなるような位相JとインデックスIを位相候
補jとインデックス候補iの中から選択し、対応する内
積値AJ (I)とパワーBJ (I)の組をゲイン符号化回路307へ
出力する。また、インデックス・位相選択回路306はさ
らに位相Jの情報を短期駆動信号生成回路308および第2
1図のマルチプレクサ117へ出力し、インデックスIの情
報をコードブック302および第21図のマルチプレクサ117
へ出力する。
ゲイン符号化回路307では、(29)式に示したインデ
ックス・位相選択回路306からの内積値AJ (I)とパワーBJ
(I)との比を所定の方法で符号化して、そのゲイン情報
Gを短期駆動信号生成回路308および第21図のマルチプ
レクサ117へ出力する。
短期駆動信号生成回路308は、密度パターン情報K、
ゲイン情報G、位相情報JおよびインデックスIに対応
するコードベクトルC(I)を入力とし、KおよびC(I)を用
いて上記合成ベクトル生成回路301での方法と同様の方
法で密度情報を持つパルス列を作成し、そのパルス振幅
にゲイン情報Gに対応する値を乗じ、位相情報Jに基づ
き所定のサンプル数だけパルス列を遅延することによ
り、短期駆動信号yを生成する。この短期駆動信号y
は、聴感重みフィルタ309および第21図の駆動信号保持
回路110へ出力される。聴感重みフィルタ309は第21図の
聴感重みフィルタ105と同様の特性を持つフィルタであ
り、予測パラメータPを基にして作られ、短期駆動信号
yを入力として差信号Vの量子化出力を第21図の加算
回路112へ出力する。
第21図に説明を戻すと、駆動信号保持回路110は長期
ベクトル量子化回路109より出力される長期駆動信号t
および短期ベクトル量子化回路111より出力される短期
駆動信号yを入力とし、駆動信号eXをサブフレーム単位
で長期ベクトル量子化回路109へ出力する。具体的に
は、例えばtとyをサブフレーム単位でサンプル毎に加
算したものを駆動信号eXとすればよい。現サブフレーム
の駆動信号eXは、次のサブフレームにおいて過去の駆動
信号として長期ベクトル量子化回路109において使用で
きるように、駆動信号保持回路110内のバッファメモリ
に保持される。
加算回路112は、サブフレーム単位で量子化出力u(m)
およびV(m)と、現サブフレームで作成された過去の影響
信号fとの和信号を求め、影響信号作成回路107へ出
力する。
以上のようにして求められた各パラメータP,β,T,G,
I,J,Kの情報がマルチプレクサ117により多重化され、伝
送符号として出力端子118より伝送される。
なお、上述した第15の実施例では駆動信号の密度パタ
ーン選択を短期予測残差信号のパワーに非線形の重み付
けを施した関数値に基づいて行ったが、短期予測残差信
号の零交差数に非線形の重み付けを施した関数値に基づ
いて行うこともできる。されたものを用いてもよい。こ
の方式に基づく第16の実施例に係る音声符号化装置のブ
ロック図を第22図に示す。
第22図において、零交差数計算回路144はサブフレー
ム単位で短期予測残差信号rがr=0を交差する回数を
カウントし、その値を重み付け回路142へ出力する。こ
の場合、密度パターン選択回路143はサブフレーム毎の
零交差数の重み付け関数値に基づいて、予め設定された
密度パターンの中から一つのパターンを選択する。
また、密度パターン選択を短期予測残差信号にピッチ
予測を適用して得られるピッチ予測残差信号のパワーま
たは零交差数に重み付けを施した関数値に基づいて行う
こともできる。第23図に、ピッチ予測残差信号のパワー
に非線形の重み付けを施した関数値に基づいて密度パタ
ーン選択を行うようにした第17の実施例に係る符号化装
置を示し、また第24図にピッチ予測残差信号の零交差数
に非線形を重み付けを施した関数値に基づいて密度パタ
ーン選択を行うようにした第18の実施例に係る符号化装
置を示す。
第23図および第24図は、それぞれ第21図および第22図
におけるパワー計算回路141および零交差数計算回路144
の前にピッチ分析回路145、ピッチ予測フィルタ146を配
置した構成となっている。ピッチ分析回路145はピッチ
周期とピッチゲインを計算する回路であり、その計算結
果をピッチ予測フィルタ146へ出力し、ピッチ予測フィ
ルタ146はピッチ予測残差信号をパワー計算回路141また
は零交差数計算回路144へ出力する。ピッチ周期とピッ
チゲインは、公知の方法、例えば自己相関法や共分散法
で求めることができる。
なお、上述した第5〜第18の実施例では、駆動パルス
列の密度をサブフレーム単位で選択したが、フレーム単
位で選択してもよく、その場合も表1または表2に示し
たような密度パターンを用いればよい。その場合、表1,
表2におけるサブフレーム番号をフレーム番号と読み替
えることとする。但し、第1,2では密度パターンの数が
4となっているが、密度パターンの数は任意に選べるこ
とはいうまでもない。
また、駆動パルス列の密度選択に関して、第1〜第18
の実施例で説明したサブフレーム単位の選択と、上記フ
レーム単位の選択を組み合わせて実施することも可能で
ある。すなわち、パルス密度を所定の密度パターンに従
ってサブフレーム単位に設定し、かつフレーム単位で密
度パターンが可変である駆動パルス列により駆動信号を
構成する。
具体的には各実施例において説明した密度パターン選
択回路15,116,122,133,143に、例えば次表3に示すよう
に予め設定した複数個(この例では6個)の密度パター
ンを格納したテーブルを用意しておく。但し、この表3
は先と同様サブフレーム数が4の場合であり、表1に示
した4つのパターンに、1フレーム内の全サブフレーム
の駆動パルス列の密度が全て疎のパターンと、全て密の
パターンとが加わり、合計6個のパターンが設定されて
いる。
そして、これらの密度パターンの中から、各実施例に
おいて密度パターンを選択した方法と同様の方法によ
り、一つの密度パターンを選択する。例えば第1の実施
例と同様の方法を用いる場合を例にとると、各密度パタ
ーンについて最適なパルス振幅のコードベクトルと位相
を探索し、その時の誤差の2乗和の最小値をフレームに
渡って求める。この結果、得られた最小値の中で最も小
さい最小値を与える密度パターンを選択する。
この実施例によると、駆動パルス列の密度をサブフレ
ーム単位で変化させた場合の利点である音声の性質が急
激に変化する部分での合成音声の品質向上と、フレーム
単位で変化させた場合の利点である音声の性質が比較的
緩やかに変化する部分での合成音声の品質向上の効果が
両方得られ、音声がどのように変化する部分でも合成音
声の品質が一様に向上するという利点がある。
なお、以上の実施例では駆動パルス列の密度(パルス
間隔)を疎密の2種類としたが、3以上の多段階に密度
を変えるようにしてもよい。
[発明の効果] 本発明によれば、合成フィルタを駆動するための駆動
信号を構成する駆動パルスのパルス密度を、重要な情報
または多くの情報が含まれるサブフレームまたはフレー
ムでは密に、そうでないサブフレームまたはフレームで
は粗くというようにサブフレームまたはフレーム毎に変
えるか、または適応的にサブフレーム単位かフレーム単
位で変えることにより、例えば10kb/s以下というような
低ビットレートの場合でも、品質の高い合成音声を再生
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の第1の実施例に係る符号
化装置および復号化装置の構成をそれぞれ示すブロック
図、第3図は第1図における予測フィルタの一構成例を
示すブロック図、第4図は同実施例で生成される駆動信
号の一例を示す図、第5図、第6図および第7図はそれ
ぞれ本発明の第2、第3および第4の実施例に係る符号
化装置の構成を示すブロック図、第8図および第9図は
本発明の第5の実施例に係る符号化装置および復号化装
置の構成をそれぞれ示すブロック図、第10図は第8図に
おける短期ベクトル量子化回路の一構成例を示すブロッ
ク図、第11図は第9図における駆動信号生成回路の一構
成例を示すブロック図、第12図乃至第24図はそれぞれ本
発明の第6乃至第18の実施例に係る符号化装置の構成を
示すブロック図、第25図は従来技術による符号器の構成
を示すブロック図、第26図は同じく復号器の構成を示す
ブロック図、第27図は従来方式による駆動信号の例を示
す図である。 14,104……予測フィルタ 15,116,122,133,143……密度パターン選択回路 17……駆動信号生成回路 20,105……聴感重みフィルタ 21……2乗誤差計算回路、 55,115,121,141……パワー計算回路 114,142……重みフィルタ 119,124,136,145……ピッチ分析回路 120,125,137,146……ピッチ予測回路 123,135,144……零交差数計算回路 132……ビット配分計算回路 134……ビット配分テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平2−25840 (32)優先日 平成2年2月5日(1990.2.5) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 1989年電子情報通信学会秋季全国大会 講演論文集,分冊1,「A−3 適応密 度パルス列モデルに基づくCELP符号 化方式」,p.1−3,(1989年8月15 日発行) 昭和63年電子情報通信学会秋季全国大 会講演論文集,分冊A−1,「A−6 ARMAモデルを用いた8kbps音声 符号化方式の検討」,p.A−1−6, (昭和63年8月15日発行) 1989年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集,分冊1,「A−5 ARM Aモデルと適応密度パルス列モデルに基 づく音声符号化方式」,p.1−5, (1989年3月15日発行) 1990年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集,分冊1,「A−226 AD P−CELP方式におけるパラメータの 符号誤り感度」,p.1−226,(1990 年3月5日発行) 1990年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集,分冊1,「SA−5−7 ADP−CELP 符号化方式のDSP による実現の検討」,p.1−433, (1990年3月5日発行) 1990年電子情報通信学会秋季全国大会 講演論文集,分冊3,「4.8kbps ADP−CELP音声コーデックの開 発」,p.3−285,(1990年9月15日 発行) Proceedings of IE EE 1989 Internationa l Conference on Ac oustics,Speech and Signal Processin g,Vol.1,”S4.8 ARMA Model Based Speec h Coding at 8kb/s" p.148−151 Proceedings of IE EE 1990 Internationa l Conference on Ac oustics,Speech and Signal Processin g,Vol.1,”S1.8 CELP Coding with an Ad aptive Density Pul se Excitation Mode l”p.29−32 Conference Record of IEEE Global Te lecommunications C onference,GLOBECOM ’91,Vol.1 of 3,”Imp rovement of ADP−CE LP Speech Coding a t 4Kbits/s”,p.53.2. 1−53.2.5,Phoenix,Ar izona,December 2− 5,1991 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 11/00 - 13/08 G10L 19/00 - 21/06 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) IEEE/IEE Electroni c Library Online

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号を聴感重み
    フィルタに通して得られる信号に基づいて、前記駆動パ
    ルス列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  2. 【請求項2】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対するピッチ予測残差信号を聴感重
    みフィルタに通して得られる信号に基づいて、前記駆動
    パルス列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  3. 【請求項3】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号にピッチ予
    測を施して得られるピッチ予測残差信号を聴感重みフィ
    ルタに通して得られる信号に基づいて、前記駆動パルス
    列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  4. 【請求項4】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号にピッチ予
    測を施して得られるピッチ予測残差信号に基づいて前記
    駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  5. 【請求項5】パルス密度が所定の区間内では等間隔で、
    該所定の区間単位で可変である駆動パルス列からなる駆
    動信号を生成する駆動信号生成手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号に基づい
    て、前記駆動信号の各サブフレームに割り当てられるビ
    ット配分値を計算する手段と、 この手段により計算されたビット配分値に基づいて前記
    駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  6. 【請求項6】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対するピッチ予測残差信号に基づい
    て、前記駆動信号の各サブフレームに割り当てられるビ
    ット配分値を計算する手段と、 この手段により計算されたビット配分値に基づいて前記
    駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  7. 【請求項7】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号にピッチ予
    測を施して得られるピッチ予測残差信号に基づいて、前
    記駆動信号の各サブフレームに割り当てられるビット配
    分値を計算する手段と、 この手段により計算されたビット配分値に基づいて前記
    駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  8. 【請求項8】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号のパワーま
    たは零交差数に非線形の重み付けを施した関数値に基づ
    いて前記駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決定
    手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  9. 【請求項9】パルス密度が所定の区間単位で可変である
    駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生成
    手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対するピッチ予測残差信号のパワー
    または零交差数に非線形の重み付けを施した関数値に基
    づいて前記駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決
    定手段と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  10. 【請求項10】パルス密度が所定の区間単位で可変であ
    る駆動パルス列からなる駆動信号を生成する駆動信号生
    成手段と、 前記駆動信号により駆動される合成フィルタと、 前記合成フィルタの出力信号と入力音声信号との聴感重
    み付き誤差信号のパワーが最小となるように、前記駆動
    パルス列の振幅または振幅および位相を決定する手段
    と、 前記入力音声信号に対する短期予測残差信号にピッチ予
    測を施して得られるピッチ予測残差信号のパワーまたは
    零交差数に非線形の重み付けを施した関数値に基づいて
    前記駆動パルス列のパルス密度を決定する密度決定手段
    と を有することを特徴とする音声符号化装置。
  11. 【請求項11】前記駆動信号生成手段は、フレームが複
    数のサブフレームに分割され、パルス密度が各サブフレ
    ーム内または各フレーム内では等間隔で、サブフレーム
    単位またはフレーム単位で可変である駆動パルス列から
    なる駆動信号を生成することを特徴とする請求項1乃至
    10のいずれかに記載の音声符号化装置。
  12. 【請求項12】前記駆動信号生成手段は、フレームが複
    数のサブフレームに分割されるとともに、パルス密度が
    所定の密度パターンに従ってサブフレーム単位に設定さ
    れ、かつフレーム単位で密度パターンが可変である駆動
    パルス列からなる駆動信号を生成し、前記密度決定手段
    は前記駆動パルス列の密度パターンを決定することを特
    徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の音声符号化
    装置。
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1989年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集,分冊1,「A−5 ARMAモデルと適応密度パルス列モデルに基づく音声符号化方式」,p.1−5,(1989年3月15日発行)
1989年電子情報通信学会秋季全国大会講演論文集,分冊1,「A−3 適応密度パルス列モデルに基づくCELP符号化方式」,p.1−3,(1989年8月15日発行)
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1990年電子情報通信学会秋季全国大会講演論文集,分冊3,「4.8kbps ADP−CELP音声コーデックの開発」,p.3−285,(1990年9月15日発行)
Conference Record of IEEE Global Telecommunications Conference,GLOBECOM’91,Vol.1 of 3,"Improvement of ADP−CELP Speech Coding at 4Kbits/s",p.53.2.1−53.2.5,Phoenix,Arizona,December 2−5,1991
Proceedings of IEEE 1989 International Conference on Acoustics,Speech and Signal Processing,Vol.1,"S4.8 ARMA Model Based Speech Coding at 8kb/s"p.148−151
Proceedings of IEEE 1990 International Conference on Acoustics,Speech and Signal Processing,Vol.1,"S1.8 CELP Coding with an Adaptive Density Pulse Excitation Model"p.29−32
昭和63年電子情報通信学会秋季全国大会講演論文集,分冊A−1,「A−6 ARMAモデルを用いた8kbps音声符号化方式の検討」,p.A−1−6,(昭和63年8月15日発行)

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