JP3101701B2 - 新規なポリウレタン及びその製法 - Google Patents

新規なポリウレタン及びその製法

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JP3101701B2 JP02274664A JP27466490A JP3101701B2 JP 3101701 B2 JP3101701 B2 JP 3101701B2 JP 02274664 A JP02274664 A JP 02274664A JP 27466490 A JP27466490 A JP 27466490A JP 3101701 B2 JP3101701 B2 JP 3101701B2
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重雄 廣瀬
兵衛 畠山
邦雄 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、新規なポリウレタン、特に、ハードセグメ
ントとして、変成リグニンを含有するポリウレタン及び
その製法に関するものである。
(ロ)従来技術 従来、ポリウレタンとしては各種のものが知られてい
る。一般に、ポリウレタンは、ポリオール又はポリエス
テルと対応等量のジイソシアネートを原料として、プレ
ポリマー法又は直接法により、反応させて製造される。
最近、天然副産物、農業廃棄物に含まれるセルロース
系物質、ヘミセルロース系物質及びリグニン系物質を、
ポリウレタンのハードセグメント成分として使用して、
機械的及び熱的性質が改善され、また経済的にも改善さ
れた安価なポリウレタンが、提案されている(特開平1
−289823号公報)。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかし、クラフトリグニンは、分子量が大きいので、
ポリエチレングリコールに溶解したときに、粘性が高く
なる上に、ジフェニルメタンジイソシアネートとの相溶
性が低いために、均一なポリウレタンが得られず、問題
とされている。
ところで、ユーカリ、カリブ松等の広葉樹及び針葉樹
の木タール蒸留残渣は、炭素材料製造工業等における副
産物として大量に得られるが、未だ、その利用の途が少
なく、殊に、多量に含有される変成リグニンについて、
早急に、その有効利用の開発が望まれている。
本発明は、変成リグニンをポリウレタンの原料物質と
して有効利用することを目的とする。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、変成リグニンの有効利用について種々研究
を重ねた結果、変成リグニンをポリウレタンのハードセ
グメントとしたポリウレタンは、従来のポリウレタンに
比して、機械的及び熱的に優れた性質を有し、しかもこ
のポリウレタンは、経済的にも、また環境上にも大きな
効果を果たしうることを発見したことに基づいている。
即ち、本発明は、木タール蒸留残渣から得られる変性
リグニンをポリオールに溶解させた溶液に、ジイソシア
ネートを加えて重合反応させることにより、ハードセグ
メントとして変性リグニンを含有するポリウレタンを生
成させることを特徴とするポリウレタンの製造方法にあ
る。
本発明方法により得られるポリウレタンは、微細構造
において、変成リグニンにより、少なくとも一部が形成
されているハードセグメント域と長鎖ジオール残基成分
で構成されているソフトセグメント域を包含している。
本発明方法により得られるポリウレタンは、ソフトセグ
メント域に、ポリオールを包含している。
本発明において使用される変成リグニンは、広葉樹又
は針葉樹の乾留により生成する木タール蒸留残渣として
得ることができる。このようにして、木タール蒸留残渣
として得られる変性リグニンは、変成リグノセルロース
であってもよい。
本発明における変成リグニンは、例えば、分子量が、
300乃至2,000であり、水酸基含有率は、3乃至20mmol/g
であり、カルボキシル基含有率は、0.2乃至2.0mmol/gで
ある。
本発明において、変成リグニンは、溶媒可溶性のもの
が用いられる。
本発明において、変成リグニンは、数平均分子量が、
例えば540であり、重量平均分子量は、例えば1300であ
って、リグニン、例えばクラフトリグニンの場合で、数
分子量が例えば1200であり、重量平均分子量が例えば22
00であるのに対して、遥かに分子量が小さいので、反応
の際に、ポリエチレングリコールに溶解したときの、粘
性が低く、また、ジフェニルメタンジイソシアネートと
相溶性があり、自由に溶解できるので、リグニンを原料
とする場合に比して、適宜の割合で、均一なポリウレタ
ンを製造することができる。
本発明において、ポリウレタンは、プレポリマー法に
より、製造するのが好ましく、本発明のポリウレタンの
プレポリマーは、先ず、変成リグニンをポリオール化合
物に混合溶解し、この溶液に撹拌しながらジイソシアネ
ート成分を加えて重合反応させることによって製造する
ことができる。フィルムや樹脂は、このようにして得ら
れたプレポリマーを触媒又は加熱により硬化させること
によって得ることができる。一方、発泡体は、前記プレ
ポリマーに水、整泡剤及び触媒を加えて反応させること
によって得ることができる。
本発明において使用されるポリイソシアネートは、従
来のポリウレタンの製造に使用されるものと同様であ
り、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トル
イレンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート
や、また例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族系イソシアネート、及び複素環系イソシアネート
を使用することができる。
また本発明において使用されるポリオールは、従来の
ポリウレタンの製造に使用されるものと同様であり、例
えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリエーテル系や、また例えばアジピン酸エス
テル、ポリカプロラクトン等のポリエステル系の合成ポ
リオールを使用することができる。重合反応触媒として
は、慣用のアミン系及びスズ系の触媒が用いられる。発
泡体を得る際の整泡剤としては、シリコーン系のものが
使用される。
変成リグニンとポリオールとの使用割合は、変成リグ
ニン100重量部に対し、0〜5,000重量部、好ましくは0
〜3,000重量部の割合である。
また、ジイソシアネートの使用割合は、変成リグニン
とポリオールとの合計量100重量部に対し、10〜1,000重
量部、好ましくは10〜900重量部の割合である。発泡体
を得る場合には、変成リグニン、ポリオール及びジイソ
シアネートの合計量100重量部に対し、水は0.1〜20重量
部、好ましくは0.5〜10重量部、整泡剤は0.001〜0.5重
量部、好ましくは0.02〜0.25重量部の割合で用いられ
る。
本発明よるポリウレタンの製造は、前記のように、ポ
リオールを溶媒兼反応剤として用い、ポリオールに変成
リグニンを溶解し、この溶液にジイソシアネートを加え
て反応させることによって行うことができる。
また、別の溶媒、例えば、テトラヒドロフランやジオ
キサン等の溶媒を使用することができる。この場合、変
成リグニンとポリオールを、溶媒に溶解し、この溶液に
ジイソシアネートを添加し、反応させることができる。
この反応におけるポリオールの使用割合は、変成リグニ
ンの100重量部に対して、0〜95重量部、好ましくは0
〜90重量部である。
本発明において、溶媒としてポリオールを用いる場合
には、変成リグニン:5〜25重量%、好ましくは10〜25重
量%、ポリオール:5〜90重量%、好ましくは10〜70重量
%、ジイソシアネート5〜90重量%、好ましくは10〜70
重量%からなるポリウレタンを得ることができる。ま
た、溶媒として、ポリオール以外のものを用いる場合に
は、変成リグニン:5〜25重量%、好ましくは10〜70重量
%、ポリオール:0〜90重量%、好ましくは5〜70重量
%、ジイソシアネート0〜90重量%、好ましくは5〜70
重量%からなるポリウレタンを得ることができる。一般
的には、反応生成物中のポリオール/変成リグニンの重
量比は0〜20、好ましくは0〜10の範囲にするのがよ
い。
(ホ)作用 本発明のポリウレタンは、変成リグニンを、ポリウレ
タンのハードセグメントとして含有するので、機械的及
び熱的に優れた性質を有するものである。しかも、変成
リグニンは、ハードセグメントとして、ポリウレタン中
に適宜の割合で均一に含有されるので、機械的及び熱的
性質を適宜調整することが可能である。
しかも、変成リグニンが、従来その用途が開発されて
いないものであるために、コストは非常に安価である。
また、本発明のポリウレタンにおいては、ポリオール
をソフトセグメントとして含有させ、このポリオールを
含有するソフトセグメントと変成リグニンを含有するハ
ードセグメントとの割合を変えることにより、ポリウレ
タンの性状を容易に制御することができる。
(ヘ)実施例 次に、本発明を、本発明の一実施例によりさらに詳細
に説明するが、本発明は、以下の説明により、何ら制限
を受けるものではない。
例.1 ユーカリを熱分解して得られたタール分を蒸留し、そ
の残渣として変成リグニンを得た。この変成リグニン
は、水酸基含有率が5.8mmol/gで、カルボキシル基含有
率が0.8mmol/gであり数平均分子量(Mn)が540であり、
重量平均分子量(Mw)が1200であり、分子量分布(Mw/M
n)は2.2であった。この変成リグニンをポリプロピレン
グリコール(三官能性、分子量400)に溶解させた。こ
のポリプロピレングリコール溶液100部にNCO/OHが1.2に
なるようにあらかじめ決められた量のジフェニルメタン
ジイソシアネートを撹拌しながら加えた。発泡剤として
水2部が加えられ、整泡剤としてシリコン2部が加えら
れた。また、触媒としてラウリン酸ジブチルスズを用い
た。
このようにして得られたポリウレタンフォームについ
て、圧縮強度及び弾性率を測定した。その測定結果を表
−1に示す。
表1.フォームの圧縮強度及び弾性率リグニン含有率 強 度 弾性率 % 105Pa MPa 0 3.88 9.78 5 4.17 11.24 15 4.44 15.27 25 4.96 10.0 (ト)発明の効果 本発明のポリウレタンは、変成リグニンを、ポリウレ
タンのハードセグメントとして均一に含有するので、従
来のポリウレタンに比して、機械的強度及び耐熱性に優
れており、また、機械的強度及び耐熱性の調整も可能で
ある。
また、本発明は、炭素化学工業等の廃棄物を原材料と
するので、そのコストは非常に安価である。
このように、本発明は、従来用途がなく無駄に廃棄さ
れている材料を、現在、多方面で使用されているポリウ
レタンの製造材料として活用するものであり、環境改善
に果たすものであり、有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 滋 東京都港区赤坂2丁目4番5号 日商岩 井株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−182327(JP,A) 特開 昭61−215676(JP,A) 特開 昭60−55016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木タール蒸留残渣から得られる変性リグニ
    ンをポリオールに溶解させた溶液に、ジイソシアネート
    を加えて重合反応させることにより、ハードセグメント
    として変性リグニンを含有するポリウレタンを生成させ
    ることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
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