JP3101135B2 - 内溝ステータのワイヤ巻付装置 - Google Patents

内溝ステータのワイヤ巻付装置

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JP3101135B2
JP3101135B2 JP05237113A JP23711393A JP3101135B2 JP 3101135 B2 JP3101135 B2 JP 3101135B2 JP 05237113 A JP05237113 A JP 05237113A JP 23711393 A JP23711393 A JP 23711393A JP 3101135 B2 JP3101135 B2 JP 3101135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワイヤ(導線)を繰
り出すニードルを、内溝ステータの被巻装部の回りで繰
り返し回動させてその被巻装部にワイヤを巻き付けると
共に、そのワイヤの巻き始め部分と被巻装部に巻いた巻
き終わり部分をそれぞれ内溝ステータの一方の面に突設
されたワイヤからげピンに巻いてからげるワイヤからげ
装置を備えた内溝ステータのワイヤ巻付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電動機の内溝ステータ(固定
子)の磁極となる被巻装部(コイル巻装部)にワイヤ(導
線)を所定の回数巻き付ける場合には、その巻き付ける
ワイヤの巻き始め部分と巻き終わり部分をそれぞれ導電
体で形成されてステータの一方の面に電気的に浮かせた
状態で立設されている各ワイヤからげピンに固定する必
要がある。
【0003】このワイヤの巻き始めと巻き終わりの部分
のワイヤからげピンへの固定方法としては、例えばその
各ワイヤの巻き始めと巻き終わりの部分をそれぞれ手作
業によりワイヤからげピンに巻き付け、その部分をハン
ダ付けすることによりワイヤの被覆を剥がしてワイヤの
導線部分をワイヤからげピンに一体に固定する方法があ
る。
【0004】しかしながら、このようにワイヤの端部を
手作業でワイヤからげピンに巻き付けるのは面倒である
ばかりか、ワイヤが太めの場合にはワイヤの巻き付け作
業を繰り返していくうちに指の部分が痛くなってしまう
ということがあった。そこで、このような被巻装部に巻
き付けたワイヤの巻き終わり部分を、機械を使用して自
動的にワイヤからげピンに巻き付けてからげるワイヤ端
末巻付装置が、例えば特開平1−308150号公報に
記載されている。
【0005】このワイヤ端末巻付装置を、図14を使用
して簡単に説明すると、このワイヤ端末巻付装置14
は、ニードル16から繰り出したワイヤ15を電動機の
内溝ステータであるワーク17の被巻装部17aに巻き
付ける巻線機20とは別に設けられる装置であり、ワー
ク17の被巻装部17aへのワイヤ巻き付け完了後に、
その巻き付けられたワイヤ15の巻き終わりの端末部1
5aをワーク17の一方の面(図で上面側)に垂直状態
に植設されているワイヤからげピン18に巻き付けてか
らげる。
【0006】そのワイヤ端末巻付装置14は、大別する
と先端側にワイヤ保持孔19aを形成したワイヤハンド
19と、それをワイヤの巻き付けに必要な仮想線で示す
ような円運動をさせるためのウオームギヤ等をギヤボッ
クス48内に収納した巻付運動手段53と、そのワイヤ
ハンド19と巻付運動手段53とを同時に図示の位置か
らワイヤハンド19のワイヤ保持孔19a内にワイヤ1
5を取り入れる位置まで移動させるシリンダからなる移
動手段40とからなる。
【0007】そして、ワーク17の被巻装部17a(図
14では簡略化して1個のみ図示している)へのワイヤ
15の巻き付けが完了し、ニードル16が図示の位置ま
で上昇すると、ワイヤ端末巻付装置14の移動手段40
によってワイヤハンド19と巻付運動手段53とがワー
ク17側に進出し、その延ばされたワイヤ15の部分に
ワイヤハンド19の先端部分が接触して、そこに形成さ
れているV字状の案内溝によってワイヤ15をワイヤ保
持孔19a内に取り入れる。
【0008】次に、巻付運動手段53を駆動させてワイ
ヤハンド19を図14に仮想線で示すように、ワイヤ保
持孔19aの部分が回転運動(図示の位置よりも右方で
ワイヤ15をワイヤ保持孔19a内に取り入れた位置で
の回転運動)するように移動させ、そのワイヤ保持孔1
9a内に保持したワイヤ15をワイヤからげピン18の
部分に巻き付け、その後でワイヤをカッターにより切断
して、ワイヤ端のワイヤからげピンへの巻き付けを完了
する。
【0009】なお、このようなワイヤの端末をワイヤか
らげピンへ巻き付けるワイヤ端末巻付装置には、ワイヤ
側を回転させずにワーク側を移動させてワイヤからげピ
ンにワイヤの端末を巻き付けるようにしたものもある。
【0010】例えば、ワークの被巻装部にワイヤを所定
の回数巻くときと、その巻付完了後にワイヤの巻き終わ
り部分をワイヤからげピンにからげるときで共にワーク
側を移動させるようにすることによって、ワイヤの端末
処理を行う度にワイヤを切断することなしに次の被巻装
部への巻付動作ができるようにしたものもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
に示したような従来のワイヤ端末巻付装置は、ワークの
被巻装部へのワイヤの巻き付けを終えて上下方向に所定
の張力で張られたワイヤの端末部15aに、前進させた
ワイヤハンド19の先端部を押し当て、それをV字状の
案内溝に沿ってワイヤ保持孔19a内まで案内して保持
し、それを回転運動させることによってワイヤからげピ
ンへ巻き付けていたので、被巻装部へのワイヤの巻き付
け完了後に行うワイヤのからげ処理工程が多くなってし
まうという欠点があった。
【0012】また、所定の張力で張られたワイヤの端末
部15aに、ワイヤハンド19の先端のV字状の案内溝
を押し当ててワイヤをワイヤ保持孔19a内まで誘導す
る際にワイヤの被覆を傷つけてしまう恐れもあった。さ
らに、このようなワイヤ端末巻付装置は、ワイヤの端末
部分をワイヤからげピンへ巻き付ける度にその都度カッ
トする必要があるため、例えば隣合う複数のワイヤから
げピンをアースする構成のステータの場合には、そのア
ースされる全てのワイヤからげピン(端子)間をリード
線やプリント基板上のパターンで接続(コモンアース)
する必要があったので、このような場合には面倒であっ
た。
【0013】また、後者のワイヤ端末処理のように、ワ
イヤハンドを使用せずに、ワークの被巻装部にワイヤを
所定の回数巻くときと、その後でワイヤの端末部をワイ
ヤからげピンへからげるときで共にワーク側を移動させ
るようにしている場合には、ワイヤの端末処理を行う度
にワイヤを切断せずに次の被巻装部へのワイヤの巻付動
作ができるので、上述した隣合う複数のワイヤからげピ
ン間でコモンアースすることができる。
【0014】しかしながら、このようにワークの被巻装
部にワイヤを巻く際においてもワーク側を移動させる構
成の場合には、一般的に被巻装部へのワイヤの巻付動作
はワイヤのからげ動作よりも高速であるため、その動作
によって移動されるワークの重量が軽い場合には問題と
なることはないが、大きな内溝ステータのように重量が
重い場合には慣性力が非常に大きくなるため、それが装
置の各支持部に作用するため強度上の問題で、実質的に
使用できるワークが小型のものに限られてしまうという
問題点があった。
【0015】なお、この場合においても、装置全体の強
度をその大きな慣性力に耐えられるまで充分に増してい
けば問題を解消することができるが、そのようにすれば
装置全体が非常に大きなものとなってしまうため、実際
にはそのようにはしていないので、このようなワーク側
を移動させて被巻装部にワイヤを巻くタイプの装置で
は、結果的に使用できるワークは小型のものに限られて
しまうことになる。
【0016】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ワイヤの巻き始め部分及び内溝ステータ
(ワーク)の被巻装部に巻いたワイヤの巻き終わり部分を
ワイヤからげピンへ自動的に巻き付けるようにしても、
ワイヤの被覆を傷つけてしまうようなことがないように
すると共に、その隣合う複数のワイヤからげピン間を専
用のリード線やプリント基板を使用しなくても、被巻装
部に巻き付けたワイヤをそのまま利用して接続(コモン
アース)することができるようにすることを目的とす
る。
【0017】また、装置を大型化することなしに、小さ
な内溝ステータから大きな内溝ステータまで被巻装部に
ワイヤを高速で確実に巻くことができるようにすること
も目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、ワーク保持部材によって位置決め保持さ
れた内溝ステータの被巻装部の回りでニードルをワイヤ
を繰り出しながら回動させてその被巻装部にワイヤを巻
き付ける巻線機と、ニードルから繰り出されたワイヤを
挾持するグリッパと、ニードルから繰り出されたワイヤ
の巻き始め部分と被巻装部に巻かれたワイヤの巻き終わ
り部分をそれぞれ内溝ステータの一方の面に突設された
ワイヤからげピンに内溝ステータを回動させることによ
ってからげるワイヤからげ装置とを備え、上記ニードル
を、被巻装部にワイヤを巻く際の位置であり、そのニー
ドルの軸線が内溝ステータの上記一方の面に略平行とな
るワイヤ巻装位置と、ワイヤからげピンにワイヤの巻き
始め部分及び巻き終わり部分をからげる際の位置であ
り、ワイヤ巻装位置に対して略90度回動したワイヤか
らげ位置とに回動可能に巻線機のニードルホルダに保持
させると共に、そのニードルをそのワイヤ巻装位置とワ
イヤからげ位置とに回動させるニードル位置切換装置を
設け、上記ワイヤからげ装置に、ワーク保持部材を正逆
両方向に回転させる保持部材回転機構と、ワーク保持部
材をその回転軸線方向に直線移動させる第1の直線移動
機構と、ワーク保持部材を第1の直線移動機構の移動方
向に直交しニードルに対して接近・離間する方向に直線
移動させる第2の直線移動機構とを設けて、内溝ステー
タのワイヤ巻付装置を構成したものである。
【0019】
【作用】このように構成した内溝ステータのワイヤ巻付
装置は、巻線機のニードルを内溝ステータの被巻装部の
回りでワイヤを繰り出しながら回動させることによって
そこに所定の回数だけワイヤを巻き付け、そのワイヤの
巻き終わり部分をワイヤからげピンにからげる動作を他
のワイヤをつかむ部材を使用することなしに、内溝ステ
ータの一方の面に突設されたワイヤからげピンをニード
ルの回りで回動させるように内溝ステータを回動させ
て、ニードルから繰り出されたままのワイヤの巻き終わ
り部分をワイヤからげピンにからげるので、ワイヤがか
らげ動作の過程で被覆の部分が擦られたりして傷つくの
を防止できる。
【0020】また、ワイヤからげピンにからげたワイヤ
は、そのまま切断することなしに次の隣合うワイヤから
げピンへからげることもできるので、その隣合う複数の
ワイヤからげピン間を専用のリード線やプリント基板を
使用することなしに接続(例えばコモンアース)するこ
ともできる。
【0021】さらに、被巻装部へのワイヤの巻き付け
は、巻線機のニードルを被巻装部の回りで回動させるこ
とによって行うので、そのワイヤの巻き付けを内溝ステ
ータ側を回動させることによって行うようにしている場
合には、大型の内溝ステータの場合には重量が重くなっ
てそれを高速で回動させたときには慣性力が非常に大き
くなってしまうため、それに耐えられるだけの強度を装
置に持たせなければならなくなって装置が大型化してし
まうが、このワイヤ巻付装置ではニードル側を回動させ
るので、たとえ大型の内溝ステータであっても小型の装
置で対応できる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明の一実施例を示すワイ
ヤ巻付装置の全体構成図、図2はそのワイヤ巻付装置に
設けられている巻線機全体を示す構成図である。
【0023】図1に示すワイヤ巻付装置は、ワーク保持
部材3によって位置決め保持された内溝ステータである
ワーク5の被巻装部26にワイヤ15を巻き付ける巻線
機1と、その巻線機1のニードル22から繰り出された
ワイヤ15を挾持するグリッパ4と、被巻装部26に巻
き付けるワイヤ15の巻き始め部分と被巻装部26に巻
かれたワイヤの巻き終わり部分をそれぞれワーク5の下
面に突設されたワイヤからげピン6にワーク5を回動さ
せることによってからげるワイヤからげ装置2とを備え
ている。
【0024】また、このワイヤ巻付装置は、ニードル2
2を、被巻装部26にワイヤ15を巻く際の位置であ
り、そのニードル22の軸線がワーク5の下面に略平行
となるワイヤ巻装位置(図1に示す位置)と、ワイヤか
らげピン6にワイヤの巻き始め部分及び巻き終わり部分
をからげる際の位置であり、そのワイヤ巻装位置に対し
てニードル先端を上側に略90度回動したワイヤからげ
位置とに回動可能に巻線機1のニードルホルダ72に保
持させている。
【0025】そして、そのニードル22を、そのワイヤ
巻装位置とワイヤからげ位置とに回動させるシリンダ9
等からなるニードル位置切換装置8を設けている。さら
に、ワイヤからげ装置2には、ワーク5を所定の巻線位
置に位置決め保持するワーク保持部材3を正逆両方向に
回転させる保持部材回転機構10と、ワーク保持部材3
をその回転軸線方向(図1で上下方向)に直線移動させ
る第1の直線移動機構11と、ワーク保持部材3を第1
の直線移動機構11の移動方向に直交しニードル22に
対して接近・離間する方向(図1で左右方向)に直線移
動させる第2の直線移動機構12とを設けている。
【0026】巻線機1は、ワーク保持部材3によって所
定の位置に位置決め保持されたワーク5の被巻装部26
の回りで、ニードル22をワイヤ15を繰り出しながら
回動させてその被巻装部26にワイヤ15を巻き付ける
働きをする。その巻線機1は、図2に示すように軸21
の上端部に取付けられてワイヤ(導線)15を繰り出し
ながら移動されるニードル22と、軸21を矢示Aの軸
線方向に往復運動させるニードル直線運動機構23と、
軸21をその軸心を中心として矢示B方向に往復回動さ
せる揺動機構24とを備えている。
【0027】そして、軸21の後述する中心孔を通して
供給されるワイヤ15を保持したニードル22を、ニー
ドル直線運動機構23と揺動機構24とにより被巻装部
26の回りで繰り返し回動させるようにしている。
【0028】ニードル直線運動機構23は、駆動源であ
るモータ27の回転軸に固定したプーリ28と支持部2
9,30を介して装置の固定部31に回転自在に保持さ
れたホイール回転軸32に固定されたプーリ33との間
にタイミングベルト34を張装し、そのホイール回転軸
32の一端側にホイール35を固定して、そのホイール
35の図2で左端面に、クランクピン36をホイールの
回転中心に対して偏心させて固定している。
【0029】そのクランクピン36には、ロッド37の
一端を回転自在に嵌入させ、そのロッド37の他端をス
ライダ38の一側面にピン39を介して回動自在に嵌入
させ、それを図示しない部材により抜け止め防止をして
いる。なお、クランクピン36は、ホイール35の回転
中心からの距離を調整できるようになっていて、それを
調整することによってスライダ38を介して軸21の上
下方向のストロークを変えることができるようになって
いるが、その調整機構はこの発明には直接関係しないた
め、その図示及び説明を省略する。
【0030】揺動機構24は、略中央に回転運動を直線
運動に変える運動方向変換部(公知の変換機構)41を
有しており、その運動方向変換部41の部分が装置の固
定部31に固定されている。
【0031】その運動方向変換部41は、回転側の回転
軸41aが図2で右方に突出していて、そこにプーリ4
2が固定されている。そして、そのプーリ42とニード
ル直線運動機構23のホイール回転軸32に固定された
プーリ43との間にタイミングベルト44を張装し、モ
ータ27が回転するとそれに連動して回転軸41aが回
転するようにしている。
【0032】運動方向変換部41の直線運動部41b
は、2本のガイドロッド45,45に案内されて図2で
手前と奥側に直線移動するスライドブロック46に固定
されており、そのスライドブロック46の左端にはラッ
ク47が形成(別体で形成してもよい)されている。そ
して、そのラック47が、回動自在に固定部に支持され
た軸の一端に固定されたセクタギヤ49にかみ合い、そ
のセクタギヤ49と一体で回動するギヤ51が、軸21
の外側に位置する第2軸(詳しい説明は後述する)63
に固定されたギヤ52にかみ合っている。
【0033】軸21は、2重に嵌入された第1軸62と
第2軸63とからなり、それらが互いに外周面と内周面
に形成されたスプラインで係合し、互いに相対回動不能
で軸線方向(矢示A方向)にのみ相対変位可能になって
いる。
【0034】すなわち、軸線方向にワイヤ15を通すた
めの中心孔を有する第1軸62の外側に、その第1軸6
2よりも短くてその第1軸62を相対回動不能で軸線方
向にのみ相対変位可能にする第2軸63を嵌入させ、そ
の外周面を固定部31と一体の支持部材50に4個のボ
ールベアリングを介して回動可能に支持させている。
【0035】そして、この第1,第2の各軸62,63
を互いに相対回動不能で軸線方向にのみ相対変位可能に
するため、第1軸62には外周面側に外スプラインを形
成し、第2軸63にはその外スプラインに係合する内ス
プラインを内周面側にそれぞれ適宜所要の長さで形成し
ているが、その図示は煩雑となるため省略する。
【0036】その第2軸63は、揺動機構24のギヤ5
1にかみ合うギヤ52に一体に固定されていて、ギヤ5
1の回動により所定角度範囲で軸心を中心として矢示B
方向に往復回動される。また、第1軸62の下部に形成
した段部にスリーブ55を嵌入させ、それを下側からね
じ部に螺着したナット56で固定して、そのスリーブ5
5を2個のボールベアリングを介してスライダ38に取
付け、その第1軸62を軸21の矢示Aの軸線方向に移
動されるスライダ38に相対回動のみ可能に保持させて
いる。
【0037】そのスライダ38は、支持部材80によっ
て摺動案内されるワイヤ案内管25を下面に貫通状態に
固定しており、そのワイヤ案内管25の軸線方向に沿っ
て形成した中心孔を通して機外から導入したワイヤ15
をスライダ38内を通し、さらにそれを第1軸62の中
心孔を通してその第1軸62の先端にニードルホルダ7
2を介して取り付けているニードル22のワイヤ繰り出
し孔に導いている。
【0038】そのニードル22は、図3に平面から見た
状態を示すように、横断面形状をU字状とするニードル
ホルダ72の揺動部材81の弧状部中央に、先端側の細
幅部22aを全て突出させた状態で固定されていて、そ
の揺動部材81の一方の側面(図3で下側の面)の外側
に突起82を、内側の内面に突起83,83を図4(突
起82は図5と共に見やすくするためハッチングを施し
ている)にも示すようにそれぞれ突設し、その内側の突
起83,83を保持部84にその各突起83に対応させ
て形成している係合穴内に嵌入させている。
【0039】それによって、揺動部材81がニードルホ
ルダ72の保持部84に対して回動し、ニードル22を
図4に示すワイヤ15を被巻装部に巻く際のワイヤ巻装
位置と、ワイヤからげピン6(図1)にワイヤ15の巻
き始め部分及び巻き終わり部分をからげる際のワイヤか
らげ位置(図5に示す位置)とに回動できるようにして
いる。
【0040】ニードルホルダ72の保持部84は、図3
で左方の前部を突出させてストッパ84aを形成してい
て、その上面でワイヤ巻装位置に回動した図4に示す揺
動部材81の下面を当接させて、揺動部材81の同図で
反時計回り方向の回動位置を規制している。
【0041】また、その保持部84の後端部には、図5
に示すような角状の横溝84bを図3にも示すように形
成し、その横溝84b内に凸部85aを形成した角棒状
のストッパ85を矢示C方向にスライド自在に嵌入さ
せ、その一端にスプリング86を装着して、保持部84
の側面と後面に押え板9798をボルト等で締め付け
固定し、角棒状のストッパ85が横溝84b内から脱落
することなしにスプリング86の付勢力によって図3で
下方に図示しない規制部材によって規制される位置まで
突出して、その突出状態で先端部が揺動部材81の側部
下側に図4に示すように入り込むようにしている。
【0042】この状態では、揺動部材81に図4に示す
位置から時計回り方向に回動させようとする力が作用し
ても、その揺動部材81は下面がストッパ85の上面に
当接しているので、それが回動することはない。なお、
ストッパ85は、揺動部材81の下側に入り込む先端側
を若干斜面にしておけば、それを揺動部材81の下側に
差し込む際にその差込動作がより容易になる。
【0043】次に、ニードル22を図4に示したワイヤ
巻装位置と図5に示したワイヤからげ位置とに回動させ
るニードル位置切換装置8について図6及び図7をも参
照して説明する。
【0044】ニードル位置切換装置8は、図1に示すよ
うにニードル22に近接した位置に配設されていて、ニ
ードル22の位置を前述したワイヤ巻装位置とワイヤか
らげ位置とに変えるときにのみ前進(図1で手前から奥
側へ向けての移動)して、ニードルホルダ72の揺動部
材81と係合し、その他の時は図6に示すようにニード
ル22から離れた位置に退避している。
【0045】そのニードル位置切換装置8は、図7に示
す移動フレーム54にブラケット57を一体に固定し、
そのブラケット57にシリンダ9を固定しており、その
移動フレーム54が図示しない移動用シリンダによっ
て、ニードル22に対して接近・離間する方向(図で手
前と奥方向)に直線移動される。
【0046】そのシリンダ9のピストンロッド9aに
は、保持板59を介して板状の係合部材58を略垂直に
固定し、その係合部材58の突起82に対向する面に形
成した溝部58aが、ニードル22を保持した揺動部材
81の突起82に係合するように、その溝部58aの溝
幅を突起82の外径よりも若干広くして、その溝方向を
係合部材58に対して図7で左上りに斜め45゜程度傾
けている。
【0047】その係合部材58は、図7で上下方向の位
置が調整できるようになっていて、下部に螺着されてい
る固定ネジ60を緩めて上下方向に移動させると、固定
ネジ60が保持板59に上下方向に沿って形成されてい
る長孔59a内を移動するため、その位置を変えること
ができる。
【0048】また、この係合部材58は、図6に示すよ
うにその背面側を保持板59に上下方向に沿って同一幅
で形成したガイド溝58bにスライド可能に嵌入させて
いるので、保持板59に対して図7で上下方向にのみ移
動調整ができる。
【0049】さらに、ブラケット57は、ニードルホル
ダ72の保持部84にスライド自在に嵌入されている角
棒状のストッパ85の凸部85aに対応させて側端57
aを上方に延設し、ブラケット57を図6に示すように
移動フレーム54を介して矢示F方向に移動させたとき
に、その側端57aの上部がストッパ85の凸部85a
に当接して、そのストッパ85を図3に示すスプリング
86の付勢力に抗して押し戻し、ストッパ85の先端8
5bが揺動部材81の内面よりも内側(図3で上側)に
移動するようにしている。
【0050】このとき、図7に示した係合部材58の溝
部58aに、揺動部材81の突起82が確実に嵌入す
る。シリンダ9は、図7に示したように係合部材58に
対して斜め45゜程度傾けた状態でブラケット57によ
って固定保持されている。したがって、上記のように係
合部材58の溝部58aを揺動部材81の突起82に嵌
入させた図7に示す状態でシリンダ9を作動させてピス
トンロッド9aを伸長させると、係合部材58が図4に
示した位置から矢示G向に移動されるため、その溝部
58a内に係合している突起82が同方向に移動され
る。
【0051】そのため、揺動部材81が突起83を支点
として図5に示すようにニードル22が略垂直になるワ
イヤからげ位置まで移動する。逆に、その位置からピス
トンロッド9aを収縮させると、前述の場合と逆に揺動
部材81が反時計回り方向に回動して、図4に示す位置
まで移動すると、揺動部材81の前部下面が保持部84
のストッパ84aの上面に当接して、揺動部材81がニ
ードル22と共に略水平状態となる図示のワイヤ巻装位
置に戻る。
【0052】この状態で、図6に示す移動フレーム54
を同図に示した位置まで移動させると、係合部材58の
溝部58aによる突起82の係合が解けると共に、ブラ
ケット57の側端57aの上部が角棒状のストッパ85
の凸部85aから離間するため、そのストッパ85がス
プリング86(図3)の付勢力によって図で下方へ突出
し、その先端85bが揺動部材81の下側に図4に示す
ように入り込むため、この状態において揺動部材81の
突起83を支点とする揺動が完全に規制される。
【0053】次に、ニードル22から繰り出されたワイ
ヤ15を挾持するグリッパ4について説明する。グリッ
パ4は、図1に示すようにニードル22の付近に設けら
れていて、図3に示すグリッパ移動シリンダ64を駆動
してピストンロッド64aを伸長させたときに、一対の
ハンド部65,66がニードル22から繰り出されたワ
イヤ15をその間に挾持可能になる位置まで進出する。
【0054】その一対のハンド部65,66は、一端側
の各支点が図8に示すようにハンド保持部材67に揺動
自在にそれぞれピン68,68によって保持されてお
り、図3に示すようにその対向する内面側にバネ受け穴
をそれぞれ形成してそこにスプリング69を装着し、そ
れらが常にピン68,68を支点として開く方向に付勢
されるようにしている。
【0055】そのハンド保持部材67は、グリッパ開閉
シリンダ70に一体に固定されていて、そのグリッパ開
閉シリンダ70のピストンロッド70aにはグリッパ開
閉規制部材71を固定している。
【0056】そのグリッパ開閉規制部材71は、グリッ
のハンド部65,66に面する側を開放側とした略
コ字状の形状をしていて、そのコ字状部内に各ハンド部
65,66の支点側を挿入させて、スプリング69の付
勢力によって開く側に付勢された各ハンド部65,66
の各外側面を、先端側に丸みを持たせて形成した開度規
制部71a,71bに当接させることによって、グリッ
パ開閉シリンダ70のピストンロッド70aを伸長させ
たときにハンド部65,66が閉じてその間にワイヤ1
5を挾持可能にしている。
【0057】また、ピストンロッド70aを収縮させた
ときに、ハンド部65,66が開度規制部71a,71
bによって規制される位置まで開いて、その間に挾持し
たワイヤ15を開放できるようにしている。ハンド保持
部材67は、グリッパブラケット73に固定されてい
て、そのグリッパブラケット73がグリッパ移動シリン
ダ64のピストンロッド64aに固定されていて、その
グリッパ移動シリンダ64の駆動により、グリッパ4全
体が図3で左右方向に移動する。
【0058】そして、グリッパ移動シリンダ64は、シ
リンダ固定ブラケット74を介して図8に示すテーブル
75に固定されている。したがって、グリッパ4は、テ
ーブル75との間の距離は常に一定(図8で上下方向の
位置関係)で、同図で左右方向の位置のみがグリッパ移
動シリンダ64(図3)によって変えられる。
【0059】次に、ワイヤからげ装置2について説明す
る。ワイヤからげ装置2は、図1に示した保持部材回転
機構10と、ワーク保持部材3を同図で上下方向に直線
移動させる第1の直線移動機構11と、ワーク保持部材
3を同図で左右方向に直線移動させる第2の直線移動機
構12とを備えている。
【0060】以下、その各機構の構成について、順を追
って説明する。保持部材回転機構10は、ワーク保持部
材3に一体に固定されたインデックスギヤ76と、その
インデックスギヤ76に噛み合うギヤであり、図示しな
い軸受を介してテーブル75に回転自在に支持されたア
イドルギヤ77と、そのアイドルギヤ77に噛み合う駆
動ギヤ78と、その駆動ギヤ78を回転軸に固定したモ
ータ79とからなり、それらがテーブル75に保持され
ていて、そのテーブル75の上下運動に伴って同動す
る。
【0061】そして、モータ79を正逆両方向に選択的
に回転させると、上記各伝達系を介してインデックスギ
ヤ76が回転し、それと一体のワーク保持部材3に位置
決め保持されたワーク5が回転する。
【0062】第1の直線移動機構11は、ワーク保持部
材3をその回転軸線方向(図1で上下方向)に直線移動
させるためのものであり、テーブル75に一体に固定さ
れたテーブル連結板87が昇降スリーブ88に固定され
ていて、その昇降スリーブ88が昇降用モータ89によ
って回転駆動される昇降シャフト91にボールネジ部1
00で噛み合っている。
【0063】そのボールネジ部100は、昇降シャフト
91の一端部側の外周面に螺旋状に溝を形成すると共
に、昇降シャフト91に嵌入させた昇降スリーブ88の
内周面に昇降シャフト91の螺旋溝に対応させて螺旋状
の溝を形成し、その溝間に多数の硬球を転動自在に嵌入
させたものであり、昇降シャフト91とそこに嵌入させ
た昇降スリーブ88とがそれらの硬球を介してころがり
接触し、昇降シャフト91を回転させたときに昇降スリ
ーブ88が昇降するものである。
【0064】その昇降シャフト91は、保持ブラケット
92よって略垂直状態に回転可能に保持されており、そ
の上端が昇降用モータ89の回転軸に連結スリーブ93
によって連結されている。そして、その保持ブラケット
92が、後述する機構により装置の固定部31に対して
図1で左右方向に移動可能になっている。
【0065】第2の直線移動機構12は、ワーク保持部
材3を保持ブラケット92等を介して図1で左右方向に
直線移動させるためのものであり、第1の直線移動機構
11のボールネジ部100と同様な構成のボールネジ部
101を備えており、水平移動シャフト94を連結スリ
ーブ95により回転軸に連結した水平移動用モータ96
を正逆いずれかの方向に回転させたときに、水平移動シ
ャフト94がそれに伴って回転し、その水平移動シャフ
ト94にボールネジ部101が噛み合う水平移動スリー
ブ97が同図で左右方向に移動する。
【0066】その水平移動スリーブ97は、保持ブラケ
ット92の連結部92aに固定されていて、その保持ブ
ラケット92の下面に形成されているスライド部92b
が、固定部31上に図1で左右方向に一体に延設されて
いるガイド部材98のガイド溝にスライド可能に嵌入し
ている。
【0067】そして、水平移動シャフト94が、図1に
示す水平状態にガイド部材98に回転自在に支持されて
いる。したがって、水平移動用モータ96を回転させる
と、水平移動シャフト94が回転し、そのボールネジ部
101に噛み合う水平移動スリーブ97が同図で左右方
向に移動すると共に、その水平移動スリーブ97と一体
の保持ブラケット92が同方向に移動する。
【0068】すると、その保持ブラケット92には、前
述したように第1の直線移動機構11が装着されている
ので、ワーク保持部材3がその第1の直線移動機構11
及び保持部材回転機構10を介して図1で左右方向、す
なわち第1の直線移動機構11の移動方向に直交しニー
ドル22に対して接近・離間する方向に移動する。
【0069】次に、このように構成されたワイヤ巻付装
置を使用して、内溝ステータであるワーク5の被巻装部
26にワイヤ15を自動的に巻き付けると共に、そのワ
イヤ15の巻き始め部分と巻き終わり部分をワーク5の
下面に複数個所突設されているワイヤからげピン6にそ
れぞれからげる動作について、図9乃至図12をも参照
して説明する。
【0070】ワイヤの自動巻きを開始させるにあたり、
まず最初に図9の(a)に示すように、ニードル22か
ら繰り出されたワイヤ15をグリッパ4の図3で説明し
た一対のハンド部65と66の間に通し、それを閉じて
挾持させる。
【0071】次に、図6及び図7等で説明したニードル
位置切換装置8によるニードル22の位置切換動作を行
って、図9の(b)に示すようにニードル22を略垂直
状態のワイヤからげ位置に回動させてワイヤ15を仮想
線で示した位置にする。
【0072】その後、図9の(b)と(c)に示した位
置とにエアーシリンダにより進退可能なワイヤーガイド
61を、図9の(b)に示す位置まで進出させて、ニー
ドル22とグリッパ4との間に位置する部分のワイヤ1
5を同図に実線で示すようにニードル22の先端よりも
上方に押し上げる。
【0073】その状態で、図1等で説明した保持部材回
転機構10により、ワーク保持部材3を正逆両方向に所
定角度内で繰り返し回転させることによって揺動させ、
さらにその揺動運動に合わせて第2の直線移動機構12
によりそのワーク保持部材3を第1の直線移動機構11
及びテーブル75を介して図1で左右方向に所定距離だ
け往復運動させ、その保持部材回転機構10と第2の直
線移動機構12との運動の合成により、ワーク保持部材
3にセットされているワーク5の下面に突設しているワ
イヤからげピン6が、ニードル22の回りを所定回数
(例えば3〜4回)だけ回動するようにワーク保持部材
3を移動させて、ワイヤからげピン6にワイヤ15の巻
き始め部分をからげる。
【0074】なお、このワイヤ15のワイヤからげピン
6へのからげ時には、1巻きする毎にそのワイヤ15の
線径分だけ第1の直線移動機構11によりワーク保持部
材3と共にワーク5を上昇させて、ワイヤからげピン6
へのワイヤ15のからげを整列状態にする。
【0075】次に、図9の(c)に示すようにワイヤー
ガイド61を退避位置まで退避させ、ワイヤ15を挾持
した状態にあるグリッパ4を、同図に仮想線で示すよう
に後退(左行)させ、そのグリッパ4の移動により挾持
したワイヤ15を強制的にワイヤからげピン6から引き
離す。
【0076】すると、図10の(a)に示すように、ワ
イヤからげピン6はこの実施例では少なくともワイヤ1
5をからげる部分を略正方形に形成して4隅に比較的鋭
利な角部6aをそれぞれ形成しているので、強い張力を
与えられたワイヤ15がその角部6aによって図示のよ
うに殆ど端末が残らない状態で切断される。
【0077】次に、グリッパ4の図3に示した一対のハ
ンド部65,66開き(仮想線図示の状態)、図10の
(b)に示すように切断後も挾持していたワイヤ15を
放して落下させる。その後、ニードル位置切換装置8
(図6及び図7参照)により再びニードル22の位置切
換動作を行って、図10の(c)に示すようにニードル
22をワーク5の被巻装部26にワイヤ15を巻く際の
位置であるワイヤ巻装位置に戻す。
【0078】次に、図2で詳しく説明した巻線機1を動
作させ、ニードル22側を今度は被巻装部26の回りで
所定の巻数だけ回動させて、そこにワイヤ15を図11
の(a)に示すように巻き付け、それが完了するとワー
ク5を保持部材回転機構10により所定角度回転させ
て、次の被巻装部26にワイヤ15を再び巻き付ける
(ワークによっては3個所以上の被巻装部26に連続し
てワイヤ15を巻き付けることもある)。
【0079】なお、この際に、保持部材回転機構10と
第1,第2の直線移動機構11,12は作動させないた
めワーク5側は移動しない。また、その巻線作業中にワ
ーク5が動かないようにするため、上記巻線動作中は上
部から図示しない押え部材がワーク5の上面まで下降
し、ワーク5が押圧固定される。
【0080】次に、再びニードル位置切換装置8を作動
させて、ニードル22を再度図11の(b)に示すよう
にワイヤからげ位置に回動させて、再びからげ動作を行
って今度はワイヤ15の巻き終わり部分を、前述した巻
き始め部分をからげたワイヤからげピン6と異なるワイ
ヤからげピン6にからげる。
【0081】このようにして、ワーク5の被巻装部26
に順次巻き線作業を行っていくと共に、それに対応する
ワイヤからげピン6にからげ作業を順次行っていき、最
後のワイヤからげピン6へのからげ作業が終了すると、
図1に示した第1の直線移動機構11を上昇側に作動さ
せてテーブル75を上昇させ、それによって図11の
(c)に示すようにワーク5を上昇させる。
【0082】この際、ニードル22は移動しないので、
ワイヤからげピン6にからげられたワイヤ15の部分が
上昇するため、ニードル22から繰り出された部分のワ
イヤ15が長く伸びる。
【0083】そこで、グリッパ4がハンド部65,66
(図3)間を開いた状態で前進し、そのワイヤ15の伸
びた部分を挾持し、図9の(c)で説明した時と同様に
ワイヤ15を挾持した状態にあるグリッパ4が後退し
て、図12に示すようにワイヤからげピン6にからげた
ワイヤ15を、殆ど端末部分を残すことなく切断する。
【0084】そして、このワイヤ15を切断した状態
が、図9の(a)に示したワイヤ15の巻き始め部分を
最初のワイヤからげピン6にからげる状態と同様になる
ため、図8に示すワーク保持部材3上に次のワーク5を
セットすれば、引き続き同様なワイヤ巻き付け作業を次
のワークについても連続して行うことができる。
【0085】このように、この実施例によるワイヤ巻付
装置によれば、ワーク5の被巻装部26へのワイヤ15
の巻き付けと、ワイヤからげピン6へのからげ作業を全
て自動的に連続して行うことができる。しかも、被巻装
部26へのワイヤ15の巻き付け時には、図1に示した
巻線機1のニードル22を回動させることによって行い
ワーク5側を移動させないので、ワークが大型の内溝ス
テータの場合のように重量が重い場合であっても、慣性
力の影響を殆ど受けない(ニードルは小さな慣性力とな
る)ので高速巻きができる。
【0086】また、巻線機1のニードル22をワーク5
の被巻装部26の回りでワイヤ15を繰り出しながら回
動させることによってそこに所定の回数だけワイヤ15
を巻き付け、そのワイヤの巻き終わり部分をワイヤから
げピン6にからげる動作を、図14で説明したワイヤハ
ンド19のようにワイヤをつかむ部材を使用することな
しに、ワーク5の下面に突設されたワイヤからげピン6
をニードル22の回りで回動させようにワーク5を回
動させることによってワイヤの巻き終わり部分をワイヤ
からげピンにからげるので、ワイヤ15がからげ動作の
過程で被覆の部分が擦られて傷ついたりするようなこと
も殆どない。
【0087】さらに、ワークの被巻装部にワイヤを巻い
た後でからげ作業を行う度にその都度ワイヤを切断する
必要がないので、例えば隣合う複数のワイヤからげピン
間を接続する必要がある場合(例えばコモンアース)に
は、その切断せずに連続したままのワイヤを隣合うワイ
ヤからげピンにからげることができるので、ワイヤをか
らげ作業の度に切断する場合のように、ワイヤからげピ
ン間に接続のための専用のリード線やプリント基板を使
用することなしにそれらを接続することができる。
【0088】例えば、図13にその一例を示すと、3本
の互いに隣合うワイヤからげピン6A,6B,6Cをワ
イヤ15で接続する場合には、3本のニードル22A,
22B,22Cを備えたワイヤ巻付装置を使用し、ワイ
ヤの巻き始め部分あるいは巻き終わりの部分のいずれか
の側を、最初に図13の(a)に示すようにワイヤから
げピン6Aをニードル22Bで、ワイヤからげピン6B
をニードル22Cでそれぞれ同時にワイヤ15をから
げ、次に、ワーク5を図で時計回り方向にワイヤからげ
ピン間の角度分だけ回転させて再び位置決めし、今度は
図13の(b)に示すようにワイヤからげピン6Aをニ
ードル22Aで、ワイヤからげピン6Bをニードル22
Bで、ワイヤからげピン6Cをニードル22Cでそれぞ
れ同時にワイヤ15をからげれば、図示のように3本の
互いに隣合うワイヤからげピン6A,6B,6Cを全て
ワイヤ15で接続することができる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による内
溝ステータのワイヤ巻付装置によれば、ワイヤの巻き始
め部分及び巻線機でワークの被巻装部に所定の回数だけ
巻き付けたワイヤの巻き終わり部分をワイヤからげピン
にからげる動作を、ワイヤをつかむ部材を使用すること
なしに行うことができるので、ワイヤの被覆がからげ動
作の過程で擦られたりして傷つくのを防止することがで
きる。
【0090】また、ワイヤからげピンにからげたワイヤ
は、そのまま切断することなしに次の隣合うワイヤから
げピンへからげることもできるので、その隣合う複数の
ワイヤからげピン間をコモンアースする時などに、専用
のリード線やプリント基板を使用することなしにそれら
を接続することができる。
【0091】さらに、被巻装部へのワイヤの巻き付け
を、ワーク側を回動させることなしに巻線機のニードル
を回動させて行うので、大型のワークの場合であっても
殆ど慣性力の影響を受けないため、装置を大型化せずに
高速巻きができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す内溝ステータのワイ
ヤ巻付装置の全体構成図である。
【図2】同じくそのワイヤ巻付装置に設けられている巻
線機全体を示す構成図である。
【図3】図1のワイヤ巻付装置に設けられているグリッ
パをニードル及びその周辺と共に一部を断面状態にして
示す平面図である。
【図4】図2の巻線機のニードルをワイヤ巻装位置にし
た状態を示す側面図である。
【図5】同じくそのニードルをワイヤからげ位置に回動
させた状態を示す図4と同様な側面図である。
【図6】そのニードルをワイヤ巻装位置とワイヤからげ
位置とに回動させるニードル位置切換装置を一部を断面
状態にして示す平面図である。
【図7】同じくそのニードル位置切換装置を示す正面図
である。
【図8】図1のワイヤ巻付装置のワークを保持する部分
の周辺を拡大して一部を断面状態にして示す正面図であ
る。
【図9】同じくそのワイヤ巻付装置によりワークの下面
に突設されたワイヤからげピンにワイヤの巻き始め部分
をからげる工程を段階的に示す説明図である。
【図10】同じくそのワイヤからげピンにワイヤをから
げた後にワークの被巻装部にワイヤを巻き付ける工程へ
移行する間の過程を段階的に示す説明図である。
【図11】同じくその被巻装部にワイヤを巻き付けた後
に異なるワイヤからげピンにワイヤの巻き終わり部分を
からげる工程を段階的に示す説明図である。
【図12】同じくそのからげ工程終了後にワイヤを切断
した状態を示す説明図である。
【図13】この発明によるワイヤ巻付装置を使用してワ
ークの下面に間隔を置いて配設されている3本の互いに
隣合うワイヤからげピンを全てワイヤを使用して自動的
に接続する場合のからげ工程を段階的に示す下面図であ
る。
【図14】従来の被巻装部に巻き付けたワイヤの巻き終
わり部分を機械を使用して自動的にワイヤからげピンに
巻き付けてからげるワイヤ端末巻付装置の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1:巻線機 2:ワイヤからげ装置 3:ワーク保持部材 4:グリッパ 5:ワーク 6:ワイヤからげピン 7:ニードルホルダ 8:ニードル位置切換装置 10:保持部材回転機構 11:第1の直線移動機構 12:第2の直線移動機構 15:ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 15/085

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク保持部材によって位置決め保持さ
    れた内溝ステータの被巻装部の回りでニードルをワイヤ
    を繰り出しながら回動させてその被巻装部にワイヤを巻
    き付ける巻線機と、前記ニードルから繰り出されたワイ
    ヤを挾持するグリッパと、前記ニードルから繰り出され
    たワイヤの巻き始め部分と前記被巻装部に巻かれたワイ
    ヤの巻き終わり部分をそれぞれ前記内溝ステータの一方
    の面に突設されたワイヤからげピンに前記内溝ステータ
    を回動させることによってからげるワイヤからげ装置と
    を備え、 前記ニードルを、前記被巻装部にワイヤを巻く際の位置
    であり、該ニードルの軸線が内溝ステータの前記一方の
    面に略平行となるワイヤ巻装位置と、前記ワイヤからげ
    ピンにワイヤの巻き始め部分及び巻き終わり部分をから
    げる際の位置であり、前記ワイヤ巻装位置に対して略9
    0度回動したワイヤからげ位置とに回動可能に前記巻線
    機のニードルホルダに保持させると共に、該ニードルを
    そのワイヤ巻装位置とワイヤからげ位置とに回動させる
    ニードル位置切換装置を設け、 前記ワイヤからげ装置に、前記ワーク保持部材を正逆両
    方向に回転させる保持部材回転機構と、前記ワーク保持
    部材をその回転軸線方向に直線移動させる第1の直線移
    動機構と、前記ワーク保持部材を前記第1の直線移動機
    構の移動方向に直交し前記ニードルに対して接近・離間
    する方向に直線移動させる第2の直線移動機構とを設け
    たことを特徴とする内溝ステータのワイヤ巻付装置。
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