JP3101114B2 - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

走査電子顕微鏡

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JP3101114B2
JP3101114B2 JP05026735A JP2673593A JP3101114B2 JP 3101114 B2 JP3101114 B2 JP 3101114B2 JP 05026735 A JP05026735 A JP 05026735A JP 2673593 A JP2673593 A JP 2673593A JP 3101114 B2 JP3101114 B2 JP 3101114B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造工程におい
て、例えば,シリコンウエハ上に形成されたパターンの
検査などに用いて最適な走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程では、シリコンウエハな
どの基板上に第1のパターン(下地パターン)を形成
し,この下地パターン上にレジストパターンを形成して
いる。半導体製造上、この下地パターン上に正確にレジ
ストパターンを形成することが重要であり、通常、製造
工程においては、この両パターンの重なり精度を検査し
ている。
【0003】この重なり精度の検査は、レジストが概ね
光に対して透明であることから、光学顕微鏡に取り付け
たTVカメラからの映像信号や、走査レーザー顕微鏡の
信号から、レジストおよび下地パターンのエッジを検出
して下地とその上のパターンのずれ量を求めることが広
く行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年半導体製造過程で
形成されるパターンは限りなく微細化されており、その
結果、光学方式のパターンの検査では、その波長限界の
ためにシャープにパターンのエッジを検出することが困
難になりつつある。このような背景から、高い分解能が
得られる走査電子顕微鏡をこの検査に用いることが考え
られる。
【0005】しかしながら、厚さが1μm程度のレジス
トは、エネルギーが数kV以下の電子ビームに対しては
不透明な物質であるため、レジストを透過して下地のパ
ターンを観察するには数十kVのエネルギーを有した電
子ビームを照射して反射電子像を観察しなければならな
い。一方、このような高いエネルギーを有した電子ビー
ムを用いると、レジストがチャージアップするために高
い解像度で表面の2次電子像を得ることは困難である。
従って、このような試料を走査電子顕微鏡で観察するに
は次のような問題が生じることが予想される。
【0006】 まず第1番目に、表面のレジストパタ
ーンを観察するときには、1kV程度の低い加速電圧を
設定し、下地のパターンを観察するときには20kVく
らいの高い加速電圧に切り換えなければならない。
【0007】 加速電圧を切り換えると、加速電圧、
レンズ電流などが所定の許容範囲内に安定するまでに若
干の時間を要するため、上層のレジストパターンと下地
パターンの画像はそれぞれ一旦記憶装置に取り込んだ後
に、一つの画像として合成しなければならない。すなわ
ち、加速電圧を高速に交互に切り換えながら一つの画像
表示装置上にリアルタイムで上下層のパターン像を重ね
て表示するようなことはできない。
【0008】 加速電圧(電子ビームのエネルギー)
を切り換えると、電子レンズの非対称性や地磁場などに
よって発生する偏向場の電子ビームに対する影響の度合
いが変化するため視野ずれが発生する。
【0009】上記した問題点のため、走査電子顕微鏡ま
たはその技術を応用した装置により2層に形成されたパ
ターンの検査装置は未だ実現されていない。本発明は、
このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、高
い分解能と精度で2層に形成されたパターンの重ね合わ
せ精度の検査などを行うことができる走査電子顕微鏡を
実現するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく走査電子
顕微鏡は、比較的高いエネルギーの電子ビームを発生す
る第1の電子ビーム照射系と、比較的低いエネルギーの
電子ビームを発生する第2の電子ビーム照射系と、第1
の電子ビーム照射系からの電子ビームと第2の電子ビー
ム照射系からの電子ビームとをほぼ同一の光軸に沿って
進行させるための偏向系と、偏向系を通過した第1の電
子ビーム照射系からの電子ビームと第2の電子ビーム照
射系からの電子ビームの双方を同一のレンズ強度により
試料上にフォーカスするためのレンズ手段と、試料から
の反射電子を検出する反射電子検出器と、試料からの2
次電子を検出する2次電子検出器と、試料上の特定視野
において、第1の電子ビーム照射系からの電子ビームと
第2の電子ビーム照射系からの電子ビームを走査する手
段と、第1の電子ビーム照射系からの電子ビームの試料
上の走査に基づいて検出された反射電子信号に基づく像
と、第2の電子ビーム照射系からの電子ビームの試料上
の走査に基づいて検出された2次電子信号とに基づく像
とを実質的に重ね合わせて表示するための表示手段とを
備えたことを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明に基づく走査電子顕微鏡は、比較的高い
エネルギーの電子ビームと比較的低いエネルギーの電子
ビームとを試料に照射し、比較的高いエネルギーの電子
ビームの試料上の走査に基づいて検出された反射電子信
号に基づく像と、比較的低いエネルギーの電子ビームの
試料上の走査に基づいて検出された2次電子信号とに基
づく像とを実質的に重ね合わせて表示する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例である走査電子
顕微鏡を示しており、1は高いエネルギーの電子ビーム
を発生する電子銃2と集束レンズ3から成る高加速用電
子ビーム照射系である。4は低いエネルギーの電子ビー
ムを発生する電子銃5と集束レンズ6から成る低加速用
電子ビーム照射系である。この実施例では、例えば、検
査対称の試料として半導体製造過程にあるシリコンウエ
ハを想定すると、高い方の電子ビームのエネルギーとし
て20kV程度を、低い方のエネルギーとして1kV程
度が選ばれる。
【0013】7は偏向器であり、例えば、セクタ型の磁
界型偏向器が用いられている。磁界型偏向器7からの電
子ビームは、対物レンズ8によって細く集束され、試料
9に照射される。試料9に照射される電子ビームは、走
査用偏向器10によって偏向され、試料上の所望領域が
電子ビームによって走査されるように構成されている。
走査用偏向器10には低加速用走査信号発生器11から
の走査信号と、高加速用走査信号発生器12からの走査
信号がスイツチ13によって切り換えて供給される。
【0014】試料9への電子ビームの照射にともない試
料から発生した2次電子は、対物レンズ8の上部に配置
された2次電子検出器14によって検出される。また、
試料9から発生した反射電子は、試料9の上部に配置さ
れた反射電子検出器15によって検出される。2次電子
検出器14と反射電子検出器15の検出信号は、スイツ
チ16によって切り換えられて陰極線管17に供給され
る。
【0015】この2次電子検出器14としては、マルチ
チャンネルプレートやシンチレータと光電子増倍管の組
み合わせなどが使用され、反射電子検出器15として
は、リング上のマルチチャンネルプレートなどが使用さ
れる。なお、スイッチ13とスイッチ16とは連動して
切り換えられ、さらにスイッチの切り換えに連動して高
加速電子ビーム照射系1内のブランキング手段18と低
加速電子ビーム照射系4内のブランキング手段19が制
御される。
【0016】なお、上記した2つの電子ビーム照射系
1,4は次のように配置されている。すなわち、今仮に
偏向器7の下側から後に説明する結像系の光軸に沿って
正の電荷を持ち、それぞれ2つの電子ビーム照射系と同
じエネルギーを有した電子が入射してきたと仮定して、
偏向器7を通過後の軌道を計算によって求める。その
後、この軌道上に電子ビーム照射系1,4の光軸を配置
する。また、図示されていないが、2つの照射系は、そ
れぞれの電子ビームの軸に対して傾斜および水平移動手
段を有している。このような構成の動作を次に説明す
る。
【0017】まず、電子ビーム照射系1,4、および対
物レンズ8などの結像系の動作を図2を用いて説明す
る。高加速用電子ビーム照射系1および低加速用電子ビ
ーム照射系4で発生した電子ビームは、共に偏向器7に
より、それぞれのエネルギーに応じてその進路を曲げら
れ、偏向器7を通過した後、共に対物レンズ8の光軸に
沿って進むように調整される。この調整は、高加速用電
子ビーム照射系1と低加速用電子ビーム照射系4のそれ
ぞれに設けられている傾斜および水平移動手段を用いて
行われる。より具体的には、切換スイッチ13,16を
低加速用に固定した状態で、陰極線管17上の画像の明
るさが最大となるように低加速用電子ビーム照射系4の
水平移動および傾斜手段を調整する。次に、切換スイッ
チ13,16を高加速用に固定した状態で、陰極線管1
7上の画像の明るさが最大となるように高加速用電子ビ
ーム照射系1の水平移動および傾斜手段を調整する。
【0018】各々の電子ビーム照射系から発生した電子
ビームは、共に偏向器7の下方のa点においてクロスオ
ーバーを結ぶようにそれぞれの集束レンズ3,6により
集束される。図中実線(イ)はエネルギーの高い電子ビ
ームの軌道を示しており、点線(ロ)はエネルギーの低
い電子ビームの軌道を模式的に示している。エネルギー
の高い電子ビーム(イ)はa点を通過した後、対物レン
ズ8により試料9の表面上d点において再び集束される
(フォーカスされる)。
【0019】一方、エネルギーの低い電子ビーム(ロ)
は、a点を通過後対物レンズ8の磁場によりb点で一度
集束された後、再び発散し、c点にて再度集束され、更
にもう一度発散後、試料9の表面d点において3度目の
集束(フォーカス)をする。このようにエネルギーの高
い電子ビームのフォーカス点とエネルギーの低い電子ビ
ームのn回目のフォーカス点が同一の対物レンズ8の励
磁強度の下で一致するように、2つの電子ビームのエネ
ルギー(加速電圧)と、レンズの励磁強度が設計的に選
択される。実際的には、より精密なフォーカスの一致を
得るために、一方の加速電圧を微調整するとか、集束レ
ンズの励磁電流を微調整するとか、または、電子ビーム
の通路内に特別の補助レンズを設けるようにしても良
い。
【0020】図3は試料9への高いエネルギーの電子ビ
ームの照射によって発生する反射電子の検出動作を説明
するための図で、試料9には基板18上に下層19と表
層20が設けられている。試料9に照射されたエネルギ
ーの高い電子ビームは、試料の表層20を貫通し、下層
19に達する。ここで、一部は反射され、再び表層20
を貫通して上方に向かって散乱される。散乱された反射
電子の大部分は、反射電子検出器15により検出され
る。このとき、2次電子信号の一部が反射電子検出器1
5に入射して検出されるのを防止するために、反射電子
検出器15には、数十ボルトの負の電位を印加すること
が望ましい。
【0021】図4は試料9への低いエネルギーの電子ビ
ームの照射によって発生する2次電子の検出動作を説明
するための図である。試料9に照射されたエネルギーの
低い電子ビームは、その大部分が表層20内に吸収され
る。その際、表層20の表面においてエネルギーの低い
2次電子を発生する。この2次電子は、強い対物レンズ
8の磁場に捕らえられて螺旋軌道を描きながら対物レン
ズ8内を上昇し、磁場の無くなった位置で発散して2次
電子検出器14に入射して検出される。
【0022】図1において、反射電子検出器15と2次
電子検出器14によって検出された信号は、検出信号切
換え用スイッチ16を介して陰極線管17に導かれ、そ
の輝度変調信号として用いられる。一方、試料表面の2
次元的画像を得るために、試料9に入射する電子ビーム
は、走査用偏向器10によりラスター状に走査される。
低加速用走査信号発生器11および高加速用走査信号発
生器12からは、それぞれのエネルギーの電子ビームが
試料9面上で正確に同一視野を同一の振幅(同一の倍
率)で走査されるような信号が発生されている。
【0023】この走査信号の調整は、例えば、次のよう
な方法によって行うことができる。すなわち、試料9と
して電子ビームによるチャージアップが無く、2次電子
信号と反射電子信号の両方が得られる金属性試料を用意
し、この試料の所定領域を2種の照射系1,4からの電
子ビームによって走査する。この試料の走査によって得
られた反射電子信号と2次電子信号とによって陰極線管
17上に像を表示する。そして、陰極線管17上に表示
されている反射電子信号が作る画像と、2次電子信号が
作る画像とが完全に一致するように、低加速用走査信号
発生器11および高加速用走査信号発生器12が出力す
るそれぞれの走査信号の振幅(アンプのゲイン)と照射
系の水平移動を微調整する。
【0024】上記のようにして調整された走査信号は、
走査信号切換え用スイッチにより、交互に切り換えられ
て走査用偏向器10に印加される。また、このとき、検
出信号切換え用スイッチ16は、スイッチ13に連動し
て切り換えられており、走査用偏向器8に低加速用走査
信号発生器11からの低加速用走査信号が印加されてい
る間は、2次電子検出器14からの信号が、高加速用走
査信号発生器12からの高加速用走査信号が印加されて
いる間は反射電子検出器15からの信号が陰極線管17
に導かれている。陰極線管17は走査信号発生器15,
16と同一周波数で同期して動作させてあるので、その
画面には、2次電子により形成される試料9の表層の画
面と、反射電子により形成される下層の画像が交互に表
示される。このスイッチ13,16の切り換えを早くす
ることにより、陰極線管17の画面上では、残像効果に
より両画像が実質的に重畳して表示され、表層と下層の
像の重なり具合を適格に観察することができる。
【0025】なお、上述した実施例において、エネルギ
ーの異なった2つの電子ビームは、同時刻に結像系内に
共存しているため、高エネルギー電子ビームの作る反射
電子像と低エネルギー電子ビームが作る倍率の異なった
反射電子像が2重になって現れる場合がある。もちろ
ん、2次電子像についても同様の現象が起きる場合があ
る。この問題を解消するため、それぞれの照射系1,4
に配置されたブランキング手段18,19をスイッチ1
3と16による走査信号の切り換えに連動して動作さ
せ、異なったエネルギーの電子ビームが交互に結像系に
入射するように構成されている。
【0026】図5は2種類の映像信号を用いて上層のパ
ターンと下層のパターンの重なり具合を定量的に求める
ための実施例である。図中21は信号処理装置であり、
22は電子計算機である。検出信号切換用スイッチ16
を通過した映像信号は、信号処理装置21に導かれ、こ
こでディジタル信号に変換された後、2次電子信号と反
射電子信号はそれぞれ専用のフレームメモリー内にディ
ジタル画像信号として蓄積される。電子計算機22は、
上記フレームメモリー内の任意の領域を指定してそのデ
ータを読み込むことができる。
【0027】図6(a)は、画像表示装置(陰極線管)
17上に表示された画像の一例で、図中ロは反射電子信
号から得られた試料の下層のパターンを示しており、イ
は、2次電子信号から得られた試料の表層のパターンを
示している。図6(b)は試料の断面を図示したもの
で、18は基板を、19はその上に形成されている下層
のパターン(例えば、,配線パターン)を示している。
20は表層で例えば配線パターンの上にスルーホールを
形成するために作られたレジストパターンを示してい
る。
【0028】前記フレームメモリーには、図6(a)に
示したイおよびロの画像データがそれぞれ専用のメモリ
ー内に蓄積されている。電子計算機22に図6(a)に
斜線で示したハの領域のデータを読み込み、縦方向に加
算すると、2次電子信号の方からは図6(c)に示すよ
うな信号波形が、反射電子信号の方からは、図6(d)
に示すような信号波形がそれぞれ得られる。電子計算機
22により信号が極小値を取る点の位置座標P
,Q,Qを求める。図中Oは波形の始点で、水
平方向の座標原点を示す。P,P,Q,Qの値
から、次式により2つのパターンの位置ずれ量δが計算
される。
【0029】 δ=(P+P)/2−(Q+Q)/2 このようにして、上層のパターンイと下層のパターンロ
との重なり具合が定量的に計測される。
【0030】図7は本発明の他の実施例を示している。
図1の実施例では、エネルギーの異なった2つの電子ビ
ームの軌道は、それぞれの照射系1,4内に設けられた
水平移動装置を調節することにより一致させるように構
成した。この図7の実施例では、この水平移動装置に代
える方式を採用している。図7において、31は補正偏
向信号発生回路で、32は補正偏向信号記憶装置であ
り、33は補正偏向信号の大きさを調節するための摘み
である。これら31,32,33は低加速電圧用に設け
られたもので、高加速用として、補正偏向信号発生回路
34,補正偏向信号記憶装置35,補正偏向信号の大き
さを調節するための摘み36が設けられている。なお、
補正偏向信号発生回路31からの信号と低加速用の走査
信号発生器11からの信号とは、加算器37によって加
算された後にスイッチ13を介して走査用偏向器10に
供給される。また、補正偏向信号発生回路34からの信
号と高加速用の走査信号発生器12からの信号とは、加
算器38によって加算された後にスイッチ13を介して
走査用偏向器10に供給される。
【0031】この図7の実施例において、上層と下層の
パターンのずれ量が既知である標準試料からの2次電子
像および反射電子像を重畳して観察しながら、摘み33
または36を調整して、2つの光軸を一致せしめる。そ
の後、このときの補正偏向信号の大きさを補正偏向信号
記憶装置32,35にそれぞれ記憶しておき、以降、こ
の記憶装置からの出力を補正偏向信号発生回路31,3
4に入力しながら使用する。補正偏向信号発生回路3
1,34からの出力は、低加速用走査信号発生器11の
出力信号および高加速用走査信号発生器12からの出力
信号にそれぞれ加算され、走査用信号切換スイッチ13
を通して走査用偏向器10に印加される。このようにし
て、エネルギーの異なった2つのビームの光軸は完全に
一致させることができる。記憶装置に種々の異なった条
件に対応する補正信号量を複数記憶させておき、条件の
変化に応じて切り換え使用すると便利な装置となる。
【0032】図8は本発明の他の実施例を示しており、
主偏向器10に加えて補正用偏向器40を別に設けた例
である。この場合は、前記した補正偏向信号発生回路3
1,34からの補正偏向信号を切換スイッチ41を介し
て補正用偏向器40に供給するようにしている。切換ス
イッチ41は切換スイッチ13に連動して切り換えられ
る。
【0033】図9は本発明の更に他の実施例を示してい
るが、この実施例で図1の実施例と同一部分には同一番
号を付してその説明を省略する。この実施例では、図1
の実施例におけるセクタ型の偏向系7に代え、ウィーン
フィルター50を設けている。ウィーンフィルター50
は、偏向磁界と偏向電界を直交して配置した偏向器で、
特定のエネルギーを有した電子ビームに対しては磁界に
よる偏向力と電界による偏向力とが逆向きに等しく作用
するように構成されており、この特定のエネルギーを有
した電子ビームは直進するが、エネルギーの異なった電
子ビームに対しては偏向器として作用する。この実施例
では、高加速用の電子ビーム照射系1を出射した電子ビ
ームは、ウィーンフィルター50を直進するように調整
され、その結果、高加速用電子ビーム照射系1は、結像
系の光軸上、すなわち、対物レンズ8の回転対称軸上に
配置されることになる。その結果、一方の照射系が結像
系のレンズの回転対称軸上に配置できるため、光軸合わ
せが容易となり、装置のデザインもすっきりさせること
ができる。
【0034】図10は本発明の他の実施例を示してい
る。この実施例では、図1の実施例における陰極線管1
7に代え、画像表示装置として、カラーディスプレイ5
5を用い、2次電子信号をそれぞれ異なったカラーで表
示するように成したものである。すなわち、2次電子検
出器14からの信号は、スイッチ56によりカラーディ
スプレイ55の赤信号入力端子57に供給され、また、
反射電子検出器15からの信号は、スイッチ56により
カラーディスプレイ55の緑信号入力端子58に供給さ
れる。これにより、上層パターンの輪郭と下層パターン
の輪郭とが異なったカラー(赤と緑)で表示されるた
め、いずれが上層で、いずれが下層であるか容易に判断
でき、作業の効率を高めることができる。
【0035】図11も本発明の実施例を示しており、反
射電子検出器からの映像信号と2次電子検出器からの映
像信号をそれぞれ独立の画像処理装置60,61に導
き、リカーシブルフィルタ処理や、輪郭強調処理を施す
ように成したものである。これにより、画像のSN比を
改善したり、輪郭をより鮮明に表示することができ、測
定精度のより一層の向上を計ることができる。
【0036】以上本発明の一実施例を詳述したが、本発
明はこの実施例に限定されない。例えば、反射電子像と
2次電子像とを交互に陰極線管に供給し、残像効果によ
り両画像を重畳して表示するようにしたが、2種の画像
をフレームメモリーに記憶させ、記憶された両画像信号
を加算して陰極線管などの画像表示装置上に表示するよ
うにしても良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく走
査電子顕微鏡は、高加速電子ビームによって得られる試
料の下層からの反射電子像と、低加速電子ビームによっ
て得られる試料の表層からの2次電子像をリアルタイム
に重ねて観察することができるので、検査のスピードを
向上させることができる。また、エネルギーの異なった
2種の電子ビームが一つの結像系により同時に結像され
るので、軸ずれ誤差がなくなり、測定精度を上げること
ができる。
【0038】更に、反射電子信号と2次電子信号とを異
なったカラーで表示するようにしたので、いずれが表層
のパターンであるかを明瞭に識別することができる。更
にまた、画像処理装置を独立に設けたため、それぞれの
画像に最適な処理を施すことや、異なった処理を施すこ
とができる。例えば、一方の画像は通常の画像とし、他
方の画像は輪郭像とするなどの処理が行える。そして、
ウィーンフィルタを2種の電子ビームの光軸を一致させ
る手段として用いることにより、一方の電子ビーム照射
系をレンズ系の軸上に配置でき、電子光学系の調整を容
易に行うことを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である走査電子顕微鏡を示す
図である。
【図2】電子ビーム照射系と対物レンズなどの結像系の
動作を説明するための図である。
【図3】反射電子の検出動作を説明するための図であ
る。
【図4】2次電子の検出動作を説明するための図であ
る。
【図5】上層パターンと下層パターンの重なり具合を定
量的に求めるための実施例を説明するための図である。
【図6】上層パターンと下層パターンの重なり具合を定
量的に求めるための実施例を説明するための図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す図である。
【図8】主偏向器と補正用偏向器とを用いた本発明の他
の実施例を示す図である。
【図9】偏向系にウィーンフィルタを用いた本発明の他
の実施例を示す図である。
【図10】カラーディスプレイを用いた本発明の他の実
施例を示す図である。
【図11】画像処理装置を用いた本発明の他の実施例を
示す図である。
【符号の説明】
1 高加速用電子ビーム照射系 4 低加速用電子ビーム照射系 7 偏向器 8 対物レンズ 9 試料 10 走査用偏向器 11 低加速用走査信号発生器 12 高加速用走査信号発生器 14 2次電子検出器 15 反射電子検出器 17 陰極線管 18,19 ブランキング手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的高いエネルギーの電子ビームを発
    生する第1の電子ビーム照射系と、比較的低いエネルギ
    ーの電子ビームを発生する第2の電子ビーム照射系と、
    第1の電子ビーム照射系からの電子ビームと第2の電子
    ビーム照射系からの電子ビームとをほぼ同一の光軸に沿
    って進行させるための偏向系と、偏向系を通過した第1
    の電子ビーム照射系からの電子ビームと第2の電子ビー
    ム照射系からの電子ビームの双方を同一のレンズ強度に
    より試料上にフォーカスするためのレンズ手段と、試料
    からの反射電子を検出する反射電子検出器と、試料から
    の2次電子を検出する2次電子検出器と、試料上の特定
    視野において、第1の電子ビーム照射系からの電子ビー
    ムと第2の電子ビーム照射系からの電子ビームを走査す
    る手段と、第1の電子ビーム照射系からの電子ビームの
    試料上の走査に基づいて検出された反射電子信号に基づ
    く像と、第2の電子ビーム照射系からの電子ビームの試
    料上の走査に基づいて検出された2次電子信号とに基づ
    く像とを実質的に重ね合わせて表示するための表示手段
    とを備えた走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 第1の電子ビーム照射系と第2の電子ビ
    ーム照射系の少なくとも一方の電子ビームに対して偏向
    補正を行い、2種の電子ビームの光軸を正確に一致させ
    るように構成した請求項1記載の走査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 第1の電子ビーム照射系からの電子ビー
    ムと第2の電子ビーム照射系からの電子ビームとをほぼ
    同一の光軸に沿って進行させるための偏向系をウィーン
    フィルターによって形成し、一方の電子ビーム照射系の
    光軸とウィーンフィルタの後段の結像系の光軸とを一致
    させるように構成した請求項1記載の走査電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 表示手段はカラーディスプレイであり、
    反射電子像と2次電子像とを異なったカラーにより表示
    するように構成した請求項1記載の走査電子顕微鏡。
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