JP3098869B2 - 樹脂表面の改質方法および無電解メッキ形成方法および前記方法を用いて製造された小型電子回路基板 - Google Patents

樹脂表面の改質方法および無電解メッキ形成方法および前記方法を用いて製造された小型電子回路基板

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JP3098869B2
JP3098869B2 JP04240189A JP24018992A JP3098869B2 JP 3098869 B2 JP3098869 B2 JP 3098869B2 JP 04240189 A JP04240189 A JP 04240189A JP 24018992 A JP24018992 A JP 24018992A JP 3098869 B2 JP3098869 B2 JP 3098869B2
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    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂表面の改質方法お
よびこの方法を用いた無電解メッキ形成方法、さらに前
記無電解メッキ形成方法を用いて製造された小型電子回
路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在では、電子回路基板材料として、有
機基板や有機層間絶縁材料を用いることにより、加工性
を生かした回路設計が可能となった。一方、電子回路基
板の小型化、高集積化により基板材料の耐熱性が要求さ
れるようになった。また高周波化や無線の汎用化により
高周波誘電物性に関する要求も厳しくなり、とくに誘電
損失の低い基板が要求されている。このような基板とし
ては、例えばポリイミドや、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)等のフッ素系樹脂が用いられている。前
者は誘電物性、耐熱性、溶剤可溶性、エッチング性に優
れ、後者は誘電物性、耐薬品性、耐湿性、耐水性におい
て優れている。フッ素系樹脂では、充填材を混ぜて誘電
率を制御したものがよく用いられる。しかしながら、こ
れらの基板材料には難接着性材料が多く、メッキ、レジ
スト、コーティング材、接着剤等の密着性が悪いため、
適用に制限を受けていた。これらの基盤材料の密着性向
上の手段として、表面改質がよく用いられる。表面改質
は、主としてアンカー効果を狙った物理的なものと、表
面の化学構造を変性する化学的なものとにわかれる。
【0003】物理的な表面改質としては、サンドブラス
ト、ワイヤブラシ等を用いた表面荒らしがある。これら
の方法はアンカー効果を利用したもので、ポリイミドに
は多少の効果があるものの十分ではなく、PTFE等の
撥水・撥油性の強いフッ素系樹脂には効果がない。
【0004】化学的な表面改質としては、アルカリ処
理、酸処理、紫外線処理、コロナ放電処理、プラズマ処
理等があり、ポリイミドに関しては用途によって大きな
効果が期待できる。フッ素系樹脂の場合は、工業的には
アルカリ処理の一種であるテトラエッチング処理が用い
られている。また、研究段階ではあるが、特公平4-4117
9号公報や、雑誌(例えばインターナショナル・ジャー
ナル・オブ・アドヘッション・アンド・アドヘッシブズ
(INT. J. ADHESION AND ADHESIVES、11巻、4号、24
7〜254頁、1991年10月)に記載されているような、様
々なガス雰囲気下でのプラズマ処理がある。さらに、別
の技術として、本発明者らは、グリシジルメタクリレー
トガス雰囲気下で、PTFE表面にKrFエキシマレー
ザーを照射し、エポキシ系接着剤とのピール強度を向上
させることを提案した(1992年高分子学会年次大会で発
表)が、実用的には不十分であった。
【0005】また、その他の方法では、フッ素系樹脂の
表面エネルギーを向上させることは可能であっても、接
着剤、コーティング、メッキ等の密着性を向上するには
至っていない。
【0006】PTFE等の難接着性の基板に無電解メッ
キを施す場合、メッキ核を付着させるために表面処理を
行わなければならない。工業的には、例えば上記のよう
なアルカリ溶液に基板を浸漬するテトラエッチング処理
等が行われている。この方法は、基板表面を加水分解す
ることにより表面エネルギーの極性成分を増大させ、メ
ッキ核の付着性を向上させるものである。
【0007】しかしながら、これらの方法はウエット式
なので、品質のばらつきが大きく、また選択的に必要な
箇所だけを処理することが困難である。例えばフルアデ
ティブ法の場合、核付けのあとレジスト塗布、パターニ
ングし、無電解メッキ形成を行うが、全面に核付けする
ためパターン間に残った核が絶縁性に悪影響を及ぼす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、樹脂基材の形
状に左右されずに必要箇所のみ選択的に表面改質するこ
とができ、且つ接着剤、コーティング剤、メッキ等に対
する密着性に優れた樹脂表面の改質方法が望まれてい
る。また、無電解メッキを行う場合に、メッキ核がパタ
ーン間に残らず、絶縁性に影響を及ぼさない無電解メッ
キ形成方法が望まれている。本発明は上記のような従来
の課題を解決することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明の第1は、アミン化合物ガスおよび
/またはアミド化合物ガス雰囲気下で、樹脂基材に主波
長成分が360nm以下である紫外線レーザーを30m
J/cm 2 ・パルス〜1J/cm 2 ・パルスのエネルギー
密度で照射することを特徴とする、樹脂表面の改質方法
を提供するものである。
【0010】また、本発明の第2は、前記に記載された
方法で樹脂表面の必要な部分のみ表面改質を行い、この
表面改質された部分のみ選択的にメッキ核を付着させて
無電解メッキの生成、パターニングを同時に行う、無電
解メッキ形成方法を提供するものである。
【0011】また、本発明の第3は、前記本発明の第2
に記載された方法の無電解メッキ形成プロセスを含む製
造プロセスにより製造された、小型電子回路基板を提供
するものである。
【0012】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の樹脂表面改質法は、アミン化合物ガスおよび/ま
たはアミド化合物ガス雰囲気下で、樹脂基材表面にエキ
シマレーザー光を照射し、照射した部分のみ樹脂表面を
改質し、接着剤、コーティング材、メッキ等に対する密
着性を著しく向上させるものである。さらにこの手法で
必要部分のみ表面改質し、無電解メッキを施すと、表面
改質された部分のみ核付けされ、無電解メッキパターン
が直接形成されるため、残存メッキ核に起因するパター
ン間の絶縁性低下をなくすことができる。
【0013】本発明で使用することができる樹脂基材
は、有機高分子化合物であればとくに限定されるもので
はない。とくにPTFEやポリフッ化ビニリデン等のよ
うなフッ素系ポリマー、液晶ポリマー、ポリエチレン等
のポリオレフィン系ポリマー、ポリイミドは従来の方法
では十分な表面改質効果が得られなかったにもかかわら
ず、本発明の方法を施すことによって接着剤やメッキ等
に対し実用的な密着性が得られる。なお、例えばポリエ
チレンテレフタレートやポリパラフェニルスルフォン等
は、低圧水銀灯の低波長成分を用いても実用的な効果を
有する表面改質が可能であり、光源としてレーザーを用
いるメリットは少ない。
【0014】本発明で使用されるアミン化合物またはア
ミド化合物は、分子量500以下のものが好ましい。分
子量が500を超えるとガス化しにくい。また、分子内
に光重合性の不飽和基を有するアミンまたはアミド化合
物は、効率的に樹脂表面にグラフトするので効果が大き
く好ましい。具体的にはアクリルアミド、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミド、N,N−イソプロピルアクリルアミ
ド、アクリロイルモリフォリン、ビニルピロリドン、ビ
ニルピリジン、ビニルアニリン、ビニルイミダゾール、
ビニルピラジンが好ましい。
【0015】本発明に係る主波長成分が360nm以下
の紫外線レーザーは、具体的には、F2(157n
m)、ArF(193nm)、KrCl(222n
m)、KrF(248nm)、XeCl(308n
m)、XeF(351nm)のエキシマレーザが好まし
い。とくにArFとKrFは、光源の安定性がよく、し
かも表面改質効果が大きいので好ましい。また1パルス
当たりのエネルギーは1J/cm2ないし1mJ/cm2が好
ましく、これを超えるとアブレーションの効果が強す
ぎ、樹脂にダメージを与えたり、樹脂表面に付着あるい
は共有結合したアミン系化合物まで除去してしまう。ま
たこれ未満だとエネルギーが足りないため、樹脂表面を
改質することができない。
【0016】本発明に使用されるアミド化合物ガスおよ
び/またはアミン化合物ガスは、レーザー光を照射する
チャンバー内の真空度が1mTorr〜常圧までの適当な範
囲となるように導入することができる。つまり、使用す
るアミド化合物ガスまたはアミン化合物ガスのそれぞれ
の沸点に応じて選択すればよい。しかし1mTorr未満の
高い真空度では、アミド化合物ガスやアミン化合物ガス
と樹脂との接触の度合が悪くなり好ましくない。また、
このガス導入は、例えばアルゴンガス等の不活性ガス
で、チャンバー内に強制的に導入することが好ましい。
アミド化合物ガスとアミン化合物ガスを混合して用いる
場合、両者の割合はとくに限定されず、自由に選択する
ことができる。
【0017】上記のように、樹脂基材は減圧下または不
活性ガス雰囲気下におかれることが好ましい。これは樹
脂とアミド化合物ガスおよび/またはアミン化合物ガス
にレーザーを照射した際に発生するラジカルを安定に
し、アミドまたはアミン化合物ガスと樹脂間との共有結
合を促すためである。また減圧下では常温液体の化合物
もガス化しやすくなり好ましい。
【0018】本発明の樹脂表面の改質方法を用いて、樹
脂基材に無電解メッキを形成させ、同時にパターニング
を形成させる場合は、基材を表面改質する際、レーザー
光源と樹脂の間にマスクを挿入し、必要部分のみ改質を
行い、次に従来技術の無電解メッキを適用することがで
きる。メッキ核は、基材の改質された表面にのみ付着
し、その結果メッキがパターン化して析出することにな
る。この際、マスク基材としてレーザー光の透過性のよ
いものを選択する必要があり、合成石英等が好ましい。
【0019】本発明方法を適用する樹脂基材は、例えば
1つのユニットの大きさが1000cm2以下の小型基板
であることが好ましい。本来レーザー光は10mm×50
mm角程度であるが、本発明の樹脂表面改質法で用いるレ
ーザー光は比較的エネルギーの低いものの使用が可能で
あることから、レンズによりレーザー光の照射面積を拡
大して使用することが可能である。しかしながら、あま
り大きい基板はレーザーの照射面積を考慮すると、効果
的ではない。
【0020】本発明方法を行うための装置の一例を図1
に示す。チャンバー3が真空ポンプ5により1mTorr〜
常圧に調節される。また、アミドまたはアミン化合物8
が容器7に充填されている。不活性ガスとしてArボン
ベ11からArガスがマスフローメーター10により調
節されながら容器7に入る。アミドまたはアミン化合物
は、必要ならば加熱手段(図示せず)を併用することに
より、開けられたコック4を通じてArガスとともにチ
ャンバー3に入る。樹脂基材は、アミドまたはアミン化
合物ガス雰囲気下、チャンバー3上の石英窓2を通じて
レーザー光1が照射される。なお、図示してないが、ア
ミン化合物とアミド化合物の混合ガスを用いる場合は、
例えば容器7を並列に並べてそれぞれArガスを注入し
て同時にチャンバー3内に充填することができる。沸点
の高いアミドまたはアミン化合物を用いる場合は、容器
7からチャンバー3までを加熱するとよい。
【0021】
【作用】本発明の樹脂表面の改質方法は、特定波長のレ
ーザー光を照射することにより、樹脂表面と、アミドま
たはアミン化合物ガスとの間に共有結合が形成され、樹
脂表面と接着剤やメッキ等との密着性が良好となる。こ
の樹脂表面の改質方法は、レーザー光を用いるため、樹
脂基材の形状に左右されずに必要部分のみ表面改質が行
える。従って、特別な前処理を行うことなく、良好な密
着性を有する無電解メッキが形成され得る。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1.図1に示される装置のチャンバー3内に、試
料として、厚さ200μm、50×50mm角のPTFE
フィルムを入れ、中を10mTorrまで減圧した。次にジ
メチルアミノエチルアクリレートが入った容器7のコッ
クを開き、キャリアーガスとしてArガス100sccmを
容器内に流した。そのときのチャンバー内の圧力は10
0mTorrであった。次にKrFエキシマレーザーを1cm
×3cm角の形状で、62mJ/cm2・パルス、パルス幅
10ns、周波数10Hzの条件で、7分間、試料表面
に石英窓を通して照射した後、容器7のコックを閉じ、
窒素ガスでチャンバー内をリークした後、試料を取り出
した。取り出した試料表面のうち、照射した箇所だけ、
やや黄色を帯びて薄く黒ずんでいた。この試料を2つ作
り、剥離試験用として、照射面を含む1cm×10cmの短
冊試験片を作成し、照射面をエポキシ系接着剤アラルダ
イドスタンダード(チバガイギー社製)で貼りあわせ
た。このときの硬化条件は、室温で2日間であった。こ
うして得られた剥離試験片を試験片1とする。
【0023】上記で得られた試料を、メッキ核付け処理
剤アクチベーターネオガント(日本シェーリング社製)
に室温で5分間浸漬し、水洗した後、活性化剤リデュー
サーネオガント(日本シェーリング社製)に5分間浸漬
し、無電解銅メッキ液エンプレートCu704(メルテ
ックス社製)に45℃、エアー撹拌下で4時間浸漬した
ところ、レーザー光の当たった箇所のみ約18μm厚の
銅メッキが形成された。この試料を同様に1cm×10cm
の短冊状に切り、銅/PTFE剥離試験片とした。こう
して得られた試験片を試験片2とする。
【0024】また、30mm×80mm角、厚さ1mmのPT
FE基板を、上記と同条件下のチャンバーに入れ、50
mJ/cm2・パルス、10ns、10Hz、照射面積2.
5cm×7.5cm角のKrFエキシマレーザー光を、10
分間、100μmラインアンドスペースの石英/クロム
マスクを介してPTFE表面に照射した。得られた試料
をメッキ核付け処理剤アクチベーターネオガント(日本
シェーリング社製)に室温で5分間浸漬し、水洗した
後、活性化剤リデューサーネオガント(日本シェーリン
グ社製)に5分間浸漬し、無電解銅メッキ液エンプレー
トCu704(メルテックス社製)に45℃、エアー撹
拌下で4時間浸漬したところ、レーザー光の当たった箇
所のみ約18μm厚のCuメッキが形成された。このと
き得られたパターン幅は約110μmであった。また同
じプロセスで図2に示した櫛形テストパターンを形成し
た。この櫛形テストパターンを試験片3とする。
【0025】実施例2.図1に示される装置のチャンバ
ー内に厚さ50μm、50×50mm角のポリイミドフィ
ルム・カプトン(デュポン社製)を入れ、中を10mTo
rrまで減圧した。次にジメチルアミノエチルアクリレー
トを入れた容器のコックを開き、キャリアーガスとして
Arガス100sccmを前記容器内に流した。そのときの
チャンバー内の圧力は100mTorrであった。次にKr
Fエキシマレーザーを1cm×3cm角の形状で、40mJ
/cm2・パルス、パルス幅10ns、周波数10Hz
で、7分間、試料表面に石英窓を通して照射した後、容
器のコックを閉じ、窒素ガスでチャンバー内をリークし
た後、試料を取り出した。取り出した試料表面のうち、
照射した箇所だけ薄く黒ずんでいた。この試料を2つ作
り、照射面含めて剥離試験用に1cm×10cmの短冊試験
片を切り取り、照射面をエポキシ系接着剤アラルダイド
スタンダード(チバガイギー社製)で貼りあわせた。こ
のときの硬化条件は、室温で2日間であった。こうして
得られた剥離試験片を試験片4とする。
【0026】次に厚さ50μm、5.0×7.5cm角、ポ
リイミドフィルム・カプトン(デュポン社製)を30m
J/cm2・パルス、パルス幅10ns、周波数10H
z、照射面積2.5cm×7.5cm角のKrFエキシマレー
ザー光を用い、上記と同じチャンバー条件で表面改質し
た試料を、メッキ核付け処理剤アクチベーターネオガン
ト(日本シェーリング社製)に室温で5分間浸漬し、水
洗した後、活性化剤リデューサーネオガント(日本シェ
ーリング社製)に5分間浸漬し、無電解銅メッキ液エン
プレートCu704(メルテックス社製)に45℃、エ
アー撹拌下で4時間浸漬したところ、レーザー光の当た
った箇所のみ約18μm厚の銅メッキが形成された。こ
の試料を同様に1cm×10cmの短冊状に切り、銅/カプ
トン剥離試験片とした。こうして得られた試験片を試験
片5とする。
【0027】また、30mm×80mm角、厚さ100μm
のポリイミドフィルム・カプトンを、上記と同条件下の
チャンバーに入れ、30mJ/cm2・パルス、パルス幅
10ns、周波数10Hz、照射面積2.5cm×7.5cm
角のKrFエキシマレーザー光を、10分間、100μ
mラインアンドスペースの石英/クロムマスクを介して
PTFE表面に照射した。得られた試料をメッキ核付け
処理剤アクチベーターネオガント(日本シェーリング社
製)に室温で5分間浸漬し、水洗した後、活性化剤リデ
ューサーネオガント(日本シェーリング社製)に5分間
浸漬し、無電解銅メッキ液エンプレートCu704(メ
ルテックス社製)に45℃、エアー撹拌下で4時間浸漬
したところ、レーザー光の当たった箇所のみ約18μm
厚の銅メッキが形成された。このとき得られたパターン
幅は約115μmであった。また同じプロセスで図2に
示した櫛形テストパターンを形成した。この櫛形テスト
パターンを試験片6とする。
【0028】実施例3.チャンバー内に、試料として、
厚さ0.635mm、50mm×75mm角のGTL−800
0基板(ゴアテックスジャパン社製高周波用基板(フッ
素系基板))の銅貼りなしものを入れ、中を10mTorr
まで減圧した。次にジメチルアミノエチルアクリレート
が入った容器のコックを開き、キャリアーガスとしてA
rガス100sccmを容器内に流し、チャンバー内の圧力
を100mTorrとした。次にKrFエキシマレーザー
を、62mJ/cm2・パルス、パルス幅10ns、周波
数10Hzの条件で、7分間、試料表面に石英窓を通し
て照射し、全面を表面改質した。続いて、得られた試料
を、接着剤を用いて5.5cm×8.0cm角、厚さ2mmの銅
貼り積層板エポキシ樹脂基板FR−4の中心に貼りつけ
た。次に貼り付け側とは反対面のGTL−8000表面
に、上記と同様な表面処理を石英/クロムマスクを介し
て行い、次にはみ出している銅部分をテープでマスキン
グし、実施例1に記載したプロセスで無電解メッキ処理
を行ったところ、エッチングすることなしに18μm厚
の銅メッキ回路パターンが形成された。続いて、この銅
メッキ回路パターン面全面に上記の表面改質を行った。
【0029】別のGTL−8000シートの所定の位置
にポンチで直径0.5mmのバイヤーホール孔をあけ、シ
ート片面をすべて上記と同様の表面改質を行い、さらに
位置合わせして上記で形成した銅パターンの上に接着し
た。次に上記と同様にマスクを通して表面改質を行い、
無電解銅メッキパターンを形成させて2層基板を得た。
こうして得られた基板を150℃/1時間〜30℃/1
時間のヒートショック試験を100サイクル行ったが、
導体や層間の剥がれ、バイヤーホール接続不良、基板割
れ等の不良は見られなかった。
【0030】実施例4.チャンバー内に、試料として、
BTレジン基板(銅貼りなし)を入れ、中を10mTorr
まで減圧した。次にジメチルアミノエチルアクリレート
が入った容器のコックを開き、キャリアーガスとしてA
rガス100sccmを容器内に流した。そのときのチャン
バー内の圧力は100mTorrであった。次にKrFエキ
シマレーザーを、62mJ/cm2・パルス、パルス幅1
0ns、周波数10Hzで、7分間、マスクを通してK
rFレーザーを照射し、メッキが必要な部分に表面改質
を行った。次にアクチベーターネオガントに室温で5分
浸漬し、改質部分にメッキ核を付着させた。この試料の
処理面側に感光性永久レジストドライフィルム・フォテ
ックを貼り、表面処理した部分が露出するようにパター
ニングした。この試料をメッキ核活性剤、リデューサー
ネオガントに室温5分間浸漬し、メッキ核を活性化し、
水洗後エンプレートCu704Dに45℃、エアー撹拌
で5時間浸漬し、約18μmの銅メッキパターンを得
た。またテストパターンとして図2に示す2mmスペース
の櫛形電極パターンを同様のプロセスで作製した。これ
を試験片7とする。
【0031】評価結果 試験片1(PTFE)、試験片4(ポリイミドフィル
ム)および実施例1と同じ接着剤を用いた比較試験片同
士の剥離強度結果を以下に示す。なお、比較試験片は、
未処理PTFE(比較試験片1)、テトラエッチ処理
(比較試験片2)、未処理カプトンフィルム(比較試験
片3)、650W低圧水銀灯30秒照射カプトンフィル
ム(比較試験片4)とし、それぞれ同時に試験した。ク
ロスヘッドスピード(剥離スピード)は、10cm/分と
した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】試験片2(PTFE)、試験片5(ポリイ
ミドフィルム)および比較試験片と無電解銅メッキとの
剥離試験結果を以下に示す。なお、比較試験片は、未処
理PTFE(比較試験片5)、テトラエッチ処理(比較
試験片6)、未処理カプトンフィルム(比較試験片
7)、650W低圧水銀灯30秒照射カプトンフィルム
(比較試験片8)とし、それぞれ同時に試験した。ただ
し、比較試験片7についてはそのままではメッキ核が付
着しないので、一般的な前処理としてセキュリガント9
02(日本シェーリング社製脱脂洗浄剤)に室温5分間
浸漬、湯洗、ニュートラガント(日本シェーリング社製
表面粗面化剤)に室温5分間浸漬、湯洗、プリディップ
ネオガント(日本シェーリング社製中和処理剤)に室温
1分間浸漬、湯洗のプロセスを経たものを用いた。剥離
試験条件は、上記と同様とした。得られた結果を表2に
示す。
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2の結果より、本発明方法の
有効性が明確に現れている。
【0036】次に、試験片3、試験片6、試験片7およ
び比較試験片の銅メッキパターン間の絶縁性評価を行っ
た。それぞれの試験片の櫛形電極を50℃、90%相対
湿度環境下におき、両端にDC45Vを印加し24時間
後の電流値を測定した。なお、比較試験片は、テトラエ
ッチ処理した1mm厚PTFE基板全面に無電解銅メッキ
を18μm形成し、試験片3と同様のパターンをエッチ
ングレジストおよび塩化第二鉄を用いてエッチングにて
形成した試料(比較試験片9)、同様な手法で50μm
厚カプトンフィルムにパターンを形成した試料(比較試
験片10)、BTレジン基板(銅貼りなし)に前処理と
してセキュリガント902(日本シェーリング社製脱脂
洗浄剤)に室温5分間浸漬、湯洗、ニュートラガント
(日本シェーリング社製表面粗面化剤)に室温5分間浸
漬、湯洗、プリディップネオガント(日本シェーリング
社製中和処理剤)に室温1分間浸漬、湯洗を行い、続い
てアクチベーターネオガントに室温で5分浸漬し改質部
分にメッキ核を付着させ、この試料の処理面側に感光性
永久レジストドライフィルム・フォテックを貼り、試料
片7と同様なパターニングを行い、リデューサーネオガ
ントに室温5分間浸漬し、メッキ核を活性化した後、水
洗後エンプレートCu704Dに45℃、エアー撹拌で
5時間浸漬し、約18μmの銅メッキパターンを得たも
の(比較試験片11)とした。得られた結果を表3に示
す。
【0037】
【表3】
【0038】以上のように、試験片3、比較試験片9、
試験片6と比較試験片10でほとんど差がなく、本発明
方法で作製した銅配線は従来のものとほぼ同じ性能を有
することが分かる。さらにフルアディティブ法に適用し
た場合は、試験片7と比較試験片11では試験片7のほ
うが配線間絶縁特性に優れていることがわかる。これは
試験片7では配線間にメッキ核がついていないことに起
因していると考えられる。
【0039】
【発明の効果】本発明によって、樹脂基材の形状に左右
されずに必要箇所のみ選択的に表面改質することがで
き、且つ接着剤やメッキ等に対する密着性に優れた樹脂
表面の改質方法が提供される。さらに本発明によって、
メッキ核がパターン間に残らず、絶縁性に影響を及ぼさ
ない無電解メッキ形成方法が提供される。本発明方法を
メッキパターニングプロセスに適用すると、基板に直接
パターン状に無電解メッキを析出することができ、電子
回路基板作製に応用することによりエッチングプロセス
なしに多層基板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる表面改質装置の一例の概略
図である。
【図2】櫛形テストパターンの概略図である。
【符号の説明】
1 レーザー光 2 石英窓 3 チャンバー 4 コック 5 真空ポンプ 6 真空計 7 容器 8 アミドまたはアミン化合物 9 フローメーター 10 マスフローメーター 11 Arボンベ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミン化合物ガスおよび/またはアミド
    化合物ガス雰囲気下で、樹脂基材に主波長成分が360
    nm以下である紫外線レーザーを30mJ/cm 2 ・パ
    ルス〜1J/cm 2 ・パルスのエネルギー密度で照射す
    ることを特徴とする、樹脂表面の改質方法。
  2. 【請求項2】 アミン化合物ガスおよび/またはアミド
    化合物ガスが分子量500以下でありかつ分子内に光重
    合性の不飽和基を有するものであることを特徴とする請
    求項1に記載の樹脂表面の改質方法。
  3. 【請求項3】 樹脂基材がフッ素系ポリマーおよびポリ
    イミドから選択される請求項1または2に記載の樹脂表
    面の改質方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    された方法で樹脂表面の必要な部分のみ表面改質を行
    い、この表面改質された部分のみ選択的にメッキ核を付
    着させて無電解メッキの生成、パターニングを同時に行
    う、無電解メッキ形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された方法の無電解メッ
    キ形成プロセスを含む製造プロセスにより製造された、
    小型電子回路基板。
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