JP3096494U - 家庭用ファンのモータ固定子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 コイルの使用量を減らし，モーター全体のト
ルク出力を増加させる家庭用ファンのモータ固定子の提
供。 【解決手段】 けい素鋼片の中央孔３１を拡大して大き
なモータ回転子を収容し、並びにその周縁に設置できる
線溝数を１６個から２４個に増加し、全体のモータ固定
子１０の極数を４極から６極に増し、これにより回転数
を実際の要求に符合するようにし、トルク等の良好な運
転特性を増加し、中央孔１１を拡大することにより相対
的にその線溝面積を縮小し、コイル使用量を減少して材
料コストを減らし、温度上昇を減らし、効率を高めた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は家庭用ファンのモータ固定子に係り、特に、コイルの使用量を減らし 、モータ全体のトルク出力及び出力効率を増加する構造のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在一般に使用されている家庭用ファン（電気扇風機、換気扇或いは冷風機等 ）は、バスケット式回転子モータをその動力源とし、このバスケット式回転子モ ータの固定子構造は、図１に示されるようであり、そのモータ固定子は、複数の 長さと幅が固定（７５ｍｍ）された、けい素鋼板３が連続して積み重ねられ圧締 されてなり、けい素鋼板３の中心に、モータ回転子５を収容する中央孔３１（孔 径４４ｍｍ）が穿たれ、中央孔３１の周囲に複数の線溝３２が形成されてコイル ４の巻き付けに供されている。このような周知のモータ固定子３０のモータ回転 子５と組み合わされた後の状態は図２に示されるようであり、モータ回転子５が けい素鋼板３の中央孔３１内に収容され並びに中央孔３１の内壁と適宜間隙（約 ０．７±０．０５ｍｍ）を保持している。以上の設計により、コイル４に通電後 に磁場を発生させてモータ回転子５を回転させ並びにファンの羽根を駆動する。 上述の固定子構造及び寸法は業者が長期にわたり一般に使用している４極モータ 規格（１６個の線溝３２を具えている）とされ、これが現在の一般の家庭用ファ ンのモータの主流となっている。モータ運転時に発生する高温の原因を分析する と、モータ運転時の温度上昇は銅線コイルの抵抗が大きく、回転子と固定子の間 の空間間隙の形成する磁損失により引き起こされる鉄損及びモータ通電後の磁場 の切断により形成される渦流損失等の因子により形成される。これらの因子はモ ータ温度上昇をもたらすほか、直接モータの出力パワーに影響を与える。

【０００３】 特許文献１に記載されている家庭用ファンのモータ固定子は、上述の伝統的な モータ固定子の形状、構造上の規範に対して、中央孔径を４８ｍｍまで拡大し、 それに大きな外径の回転子を収容できるようにし、これにより起動電流を下げ、 温度上昇を減らし、重量を減らし、コストを減らす機能と特徴を達成している。

【０００４】 しかし、実際の応用にあって、一般に家庭用ファンのモータの理想的な負荷回 転速度は毎分９５０ｒｐｍが最良であり、上述の四極固定子モータの１６００ｒ ｐｍの標準同期回転速度よりはるかに低く、高過ぎる回転速度は往々にしてモー タの実際の応用及び設計上の問題を形成する。且つ、上述の伝統的な４極固定子 モータは線溝３２の数及び間隔の制限のために、そのモータ回転子５を収容する 中央孔３１の内径を拡大することができず、必要とされるトルクに符合させるこ とが難しく、外力（逆風）作用により回転速度が下がり、運転が不順となる状況 が発生しやすい。これは上述の特許文献１も克服しがたい技術上のネックである 。これにより、いかに生産コストを上げずに、一般の家庭用ファンのモータの回 転速度の要求に符合し、且つ高いトルクと、低い温度上昇特性を具えた家庭用フ ァンのモータを提供するかが、関係業者の課題となっている。

【０００５】

【特許文献１】 台湾実用新案登録出願第８９２０１４５１号明細書

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は一種の家庭用ファンのモータ固定子を提供することを主要な目的とし 、それは、けい素鋼板の中央孔を拡大して大きなモータ回転子を収容できるよう にし、並びにその周縁に線溝数を多くし、これにより全体のモータ固定子の極数 を６極に増加し、回転数を実際の要求に符合するようにし、トルク等の良好な運 転特性を増すようにしたものとする。

【０００７】 本考案は一種の家庭用ファンのモータ固定子を提供することを次の目的とし、 それは、中央孔の拡大により相対的に線溝面積を縮小し、コイル数量を減らし、 材料コストを減らし、温度上昇を減らし、効率を高める機能を達成できるように したものとする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、長さ、幅がそれぞれ７５ｍｍ±１ｍｍのけい素鋼板が圧締 されてなり、各けい素鋼板の中央に中央孔が設けられてモータ回転子を収容し、 該中央孔の周縁に等距離に複数の線溝が設けられて複数組のコイルを巻くのに供 される、家庭用ファンのモータ固定子において、 該中央孔の孔径が５０ｍｍ±１ｍｍとされ、且つ複数の線溝にコイルが収容さ れた後に６極のモータ固定子を形成することを特徴とする、家庭用ファンのモー タ固定子としている。 請求項２の考案は、請求項１に記載の家庭用ファンのモータ固定子において、 中央孔の周縁に等距離に２４個の線溝が設けられたことを特徴とする、家庭用フ ァンのモータ固定子としている。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図３は本考案の構造分解図である。図４のモータ回転子との組合せ後の全体の 平面図も参照されたい。本考案はモータ固定子１０とコイル２を具え、該モータ 固定子１０は複数のけい素鋼板１を圧締してなり、各けい素鋼板１の中央に中央 孔１１が形成され、且つ中央孔１１の周縁に等距離に２４個の線溝１２が形成さ れて、複数のコイル２が収容されてモータ固定子１０全体が一つの６極のモータ 固定子を形成している。

【００１０】 モータ出力のトルクと回転子の外径（即ちけい素鋼板１の中央孔１１の内径） の平方とは正比例し、これにより、本考案は線溝１２の数を増加する方式を利用 して中央孔１１内径を増加し、外径の大きなモータ回転子５を収容し、モータに 大きなトルクを出力できる能力を付与する。また、中央孔１１の拡大により同じ 面積のけい素鋼板１の線溝１２の深さが減少させられ、コイル２の巻き数が減ら され、これにより銅線の使用量が有効に減少され、材料コストを節約する機能が 達成される。

【００１１】 上述の原則により、本考案は理論上の計算、設計と実際の試験、実験後、けい 素鋼板１を７５×７５ｍｍ（±１ｍｍ）の寸法とし、その中央孔１１内径を５０ ｍｍ（±１ｍｍ）とするとき、最良の運転特性を得られることがわかった。

【００１２】

【考案の効果】

以上から分かるように、本考案の家庭用ファンのモータ固定子は、確実にモー タ全体の出力トルク及び効率を増加し、コイル使用量を減少する機能を達成し、 確実に産業上の利用性、新規性及び進歩性を有している。なお、以上は本考案の 実施例の説明に過ぎず、本考案の実施範囲を限定するものではなく、本考案に基 づきなしうる細部の修飾或いは改変は、いずれも本考案の請求範囲に属するもの とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知のモータ固定子の分解図である。

【図２】周知のモータ固定子の組合せ平面図である。

【図３】本考案の構造分解図である。

【図４】本考案のモータ回転子との組合せ後の全体平面
図である。

【符号の説明】

１、３ けい素鋼板 １０、３０ モータ固定
子 １１、３１ 中央孔 １２、３２ 線溝 ２、４ コイル ５ モータ回転子

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長さ、幅がそれぞれ７５ｍｍ±１ｍｍの
   けい素鋼板が圧締されてなり、各けい素鋼板の中央に中
   央孔が設けられてモータ回転子を収容し、該中央孔の周
   縁に等距離に複数の線溝が設けられて複数組のコイルを
   巻くのに供される、家庭用ファンのモータ固定子におい
   て、 該中央孔の孔径が５０ｍｍ±１ｍｍとされ、且つ複数の
   線溝にコイルが収容された後に６極のモータ固定子を形
   成することを特徴とする、家庭用ファンのモータ固定
   子。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の家庭用ファンのモータ
   固定子において、中央孔の周縁に等距離に２４個の線溝
   が設けられたことを特徴とする、家庭用ファンのモータ
   固定子。