JP3095642B2 - 静電アクチュエータおよびその駆動方法 - Google Patents

静電アクチュエータおよびその駆動方法

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JP3095642B2 JP06277894A JP27789494A JP3095642B2 JP 3095642 B2 JP3095642 B2 JP 3095642B2 JP 06277894 A JP06277894 A JP 06277894A JP 27789494 A JP27789494 A JP 27789494A JP 3095642 B2 JP3095642 B2 JP 3095642B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電気力によって駆動さ
れる静電アクチュエータおよびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造プロセスを利用して作
成される微小な様々なマイクロマシン駆動用静電アクチ
ュエータが発表されている。これら静電アクチュエータ
は静電気力によって駆動されるが、いずれもマイクロマ
シン駆動用としては必ずしも十分な性能を持つには至っ
ていない。その原因のひとつであり、これらのアクチュ
エータに共通する問題点として、可動子と固定子間の摩
擦の問題がある。この解決策として主に可動子を弾性
体により支持し、可動子と固定子が接触しないようにす
る、静電気力を利用して可動子を固定子より瞬間的に
反発させ、わずかな隙間を生じさせることにより摩擦力
を低減させる方法が代表的である。
【0003】の方法を用いた静電アクチュエータの代
表例を図17に示す。この静電アクチュエータは、ガラ
ス基板100a,100bに各々固定電極101,10
2,103が形成された固定子104a,104bと、
シリコン製の可動子105と、弾性支持部106a,1
06bとを備えており、固定子104a,104bの固
定電極101,102,103と可動子105間に電圧
をかけたときに発生する静電気力により可動子105を
図17に示す矢印の方向に駆動するものである。図17
に示す静電アクチュエータに弾性支持部106a,10
6bが設けられていないと、固定電極101,102,
103に位相が1/3ずつずれている電圧を順に印加し
た場合には、可動子105は固定子104aまたは10
4bに吸着され、このときに発生する摩擦力で可動子1
05の動作は困難となる。そこで図17に示す静電アク
チュエータでは弾性支持部106a,106bを設けて
可動子105を弾性支持し、固定子104a,104b
と可動子105との間の隙間を保持して駆動していた。
【0004】図18に上記の方法を用いた静電アクチ
ュエータの代表例を示す。この静電アクチュエータは電
極120a,120b,120cが形成された固定子1
21の上に高抵抗体122と絶縁体123とからなる可
動子124を置き、電極120a,120b,120c
に順に電圧を印加することにより図18(a),
(b),(c),(d)に示すように可動子124を駆
動するものである。この場合、単に電極同士を対向さ
せ、電圧を加えたのでは電極同士が接触、吸着し、摩擦
力のため動作が困難である。そこで、図18に示す静電
アクチュエータにおいては、静電気の反発力を利用する
方法をとっている。即ち、例えば可動子124が固定子
121に吸着している状態で電極120aにプラスの電
圧を印加すると、対向する可動子124の対応する箇所
Bは静電誘導によりマイナスに帯電する(図18
(a),(b)参照)。この状態で電極120aの電圧
を急速にマイナスに切替えると、B部に帯電したマイナ
ス電荷との反発力により可動子124と固定子121が
瞬間的にわずかだけ離れ、電極120bに現われている
プラス電荷との吸引力により可動子124が移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の静電
アクチュエータにおいては、可動子と固定子間の摩擦を
如何に低減するかが重要な課題であった。
【0006】しかしながら、上述のの方法を用いた静
電アクチュエータにおいては、可動子が弾性支持されて
いるために、大きな動作範囲を実現するのが困難であっ
た。
【0007】また上述のの方法を用いた静電アクチュ
エータにおいては、比較的複雑な物理現象を利用してい
るため、設計は必ずしも容易ではなく、また、可動子、
固定子の材料特性(誘電率、抵抗率)も必ずしも自由に
選択できなかった。また、駆動電源も切替速度等の面で
工夫が必要であった。
【0008】そこで本発明は、大きな動作範囲を得るこ
とができるとともに、スムーズに吸着、剥離を繰返すこ
とのできる静電アクチュエータおよびその駆動方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明による静電ア
クチュエータの第1の態様は、本体部と、この本体部の
対向する面上に形成される複数の電極と、を各々備え、
所定の隙間をもって対向配置された一対の固定子と、前
記一対の固定子間に配置され、前記固定子の電極に所定
の電圧パルスが印加されることにより一方の端部から他
方の端部へと順次、前記一対の固定子に交互に吸着され
ながら前記隙間を進行する可動子と、を有する、ことを
特徴とする。
【0010】また第1の発明による静電アクチュエータ
の第2の態様は、第1の本体部と、所定のピッチをもっ
て平行に配置される複数の平行電極部およびこれらの平
行電極部の一端を接続する接続用電極部を各々有する第
1、第2電極と、を有し、前記第1および第2の電極を
前記第1の本体部上に交互に形成してなる第1の固定子
と、第2の本体部と、所定のピッチをもって平行に配置
される複数の平行電極およびこれらの平行電極部の一端
を接続する接続用電極部を各々有する第3、第4の電極
と、を有し、前記第3および第4の電極を前記第2の本
体部上に交互に形成してなる第2の固定子と、本体電極
部と、この本体電極部から櫛の歯状に延びた複数の櫛の
歯状電極とを有する可動子と、を備え、前記第1および
第2の固定子は所定の隙間をもって対向配置され、前記
可動子は前記隙間に配置されることを特徴とする。
【0011】また第1の発明による静電アクチュエータ
の第3の態様は、各々が、電極および電極を覆う絶縁層
を有し、所定の隙間をもって対向配置される一対の固定
子と、電極およびこの電極を覆う絶縁層を有し、前記固
定子間の隙間に配置されてこの隙間を移動可能な可動子
と、を備え、前記固定子の絶縁層と前記可動子の絶縁層
は同一の材料から形成されることを特徴とする。
【0012】また第1の発明による静電アクチュエータ
の第4の態様は、各々が、駆動電極を有し、所定の隙間
をもって配置される一対の固定子と、駆動電極を有し、
前記固定子間の隙間に配置されこの隙間を移動可能な可
動子と、を備え、前記固定子および可動子に、各々の駆
動電極に対となる電極を設けたことを特徴とする。
【0013】また第2の発明による静電アクチュエータ
の駆動方法は、電極を有し、所定の隙間をもって対向配
置された一対の固定子と、前記固定子間の隙間に配置さ
れ、前記電極に電圧が印加されることにより前記一対の
固定子に交互に吸着される可動子と、を備えた静電アク
チュエータにおいて、前記可動子を吸着される際に前記
電極に印加される電圧は、印加直後の電圧の絶対値がそ
の後の電圧値の絶対値に比べて高くなるように設定され
ていることを特徴とする。
【0014】
【作用】上述のように構成された第1の発明の静電アク
チュエータの第1の態様によれば、一つの固定子に2つ
以上の電極を形成しておくと、可動子を固定子に吸着す
る際に、可動子を一度に吸着するのではなく、可動子の
片側を先に吸着、他方側をこれより遅れて吸着すること
ができる。このように可動子を吸着すると、可動子は微
小量だけ遅れて吸着される側に移動する。これを高速で
何度も繰り返すことにより、可動子は大きな範囲で移動
することができる。
【0015】また上述のように構成された第1の発明の
静電アクチュエータの第2の態様によれば、固定子のそ
れぞれに2相以上の平行パターン状電極を、その間に位
置する可動子に対して各相の電極が順番に現れる様に、
また、それぞれの固定子の電極同士は逆の位相となる様
に形成し、固定子の各相の電極に順々に電圧を印加する
ことにより、固定子の少なくとも1相の電極に対応する
様な平行パターン状電極を持つ可動子に対して、可動子
をそれぞれの対応する固定子電極への交互吸着を繰り返
すことができ、これにより微小量の移動を実現する。
【0016】また上述のように構成された第1の発明の
静電アクチュエータの第3の態様によれば、固定子と可
動子の接触する箇所の電極部の絶縁層の材料を同一とす
る。これにより固定子と可動子同士が静電気による帯電
により吸着し続けることを防止し、スムーズな剥離を実
現することができる。
【0017】また、第1の発明による静電アクチュエー
タの第4の態様によれば、固定子および可動子に、各々
の駆動電極に対となる電極が設けられる。これにより発
生する電荷をできるだけ相対している駆動電極の表面に
集めることができ、各々の駆動電極に対して静電気によ
る吸引力と併せて反発力を利用することが可能となり、
大きな出力とスムーズな駆動を実現することができる。
【0018】また第2の発明の静電アクチュエータの駆
動方法によれば、電圧印加直後には瞬間的に高い電圧を
かけ、可動子が固定子に接近してくると電圧を落とす。
これにより離れた位置にある可動子も大きな静電力で吸
着することができ、かつ、可動子と固定子が近づいてき
ても、放電あるいは電極上に形成された絶縁膜の絶縁破
壊が生ずることはない。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0020】第1の発明による静電アクチュエータの第
1の実施例の構成を図1に示す。この実施例の静電アク
チュエータは向い合って配置される一対の固定子1,2
と、可動子3と、スペーサ4a,4bとを備えている。
固定子1は極めて電気抵抗の高い材料(例えばガラス)
の板からなる本体部10を有し、この本体部10の、固
定子2と向い合う面上に2個の電極11,12が形成さ
れている。また、固定子2も同様に極めて電気抵抗の高
い材料の板からなる本体部20を有し、この本体部20
の、固定子1と向い合う面上に2個の電極21,22が
形成されている。固定子1の電極11は本体部10の一
方の端部から中央部にかけて延びるように形成されてお
り、電極12は他方の端部から中央部にかけて延びるよ
うに形成されている。なお、電極11,12は、各々の
端部の側面にも延びており、これらの側部11b,12
bに各々、外部から電圧を印加するための導線15,1
6が接続されている。また、固定子2の電極21,22
も同様に各々の端部から中央部にかけて延びるように形
成されているとともに、対応する端部の側面にも延びて
いる。そしてこれらの側部21b,22bには外部から
電圧を印加するための導線25,26が各々接続されて
いる。
【0021】そして、固定子1および2はその間にスペ
ーサ4a,4bを介在させることにより隙間が形成さ
れ、この隙間に可動子3が挿入される。したがって可動
子3は固定子1,2と、スペーサ4a,4bとに囲まれ
た空間に位置することになる。なお、可動子3には導線
33が接続されており、この導線33を介して外部から
可動子3の電位を調整することができる。
【0022】また固定子1の2つの電極11,12は図
2に示すように例えばガラスウェハからなる本体部上に
導電膜11a,12aを形成し、この導電膜11a,1
2a上に絶縁膜11c,12cが各々形成されている構
造となっている。導電膜11a,11b,12a,12
bは本体部10,20に金属薄膜を接着することにより
形成しても良いし、スパッタリングや蒸着等の手段を用
いて本体部10,20上に導電膜を堆積し、エッチング
プロセス等を用いてパターニングすることによって形成
しても良い。また絶縁膜11c,12cは電気抵抗の高
い物質からなる薄いシートを導電膜上に接着することに
よって形成しても良いし、スパッタリング法又はCVD
法を用いて酸化シリコン膜を堆積することによって形成
しても良い。また導線15,16は導電性の接着剤を用
いて接着するか又はワイヤボンディング等の手段を用い
て接合される。なお、固定子2も固定子1と同様の構造
となっている。
【0023】一方可動子3は図2に示すように導体また
は抵抗体3aの両面に絶縁膜3b,3cを形成すること
によって構成される。したがって固定子の場合と同様に
金属薄板に絶縁シートを接着したり、スパッタリング等
により絶縁膜を形成しても良い。また導体3aとしては
例えばシリコンやシリコンの表面に金属膜を形成したも
のでも良い。
【0024】また、シリコンウェハから半導体製造技術
を用いてスペーサ4a,4bを製造する場合は、上記シ
リコンウェハを固定子1,2の材料となるガラスウェハ
で挟んで陽極接合を用いてスペーサ4a,4bを固定子
1,2に接合させることができる。
【0025】次に本実施例の静電アクチュエータの動作
を図3および図4を参照して説明する。図3は動作の順
序を説明する工程図であり、図4は固定子1,2の電極
11,12,21,22に印加される電位V11,V12
21,V22のタインミングチャートである。この動作は
各電極11,12,21,22に順次電圧を引力してゆ
き、可動子3を固定子1,2間で交互に吸着しながら図
3において左側に移動する例である。可動子3の電位は
常に0とし(導線33を介してグランドへおとしてお
く)、各電極の電位を0又は所定値Vに順次切換えてゆ
く。Vは正でも負でもよい。したがって例えばある電極
の電位をVとすると、可動子3との間に電位差が生じ、
静電気力により、可動子は電極に吸引される。図3は4
つのステップからなっている。
【0026】まず、ステップ(a)では、電極11,1
2の電位V11,V12がV、電極21,22の電位V21
22が0とした状態であり(図4参照)、この時、可動
子3は固定子1に吸着されている。次にこの状態から電
極11の電位V11を0に、電極21の電位V21をVに切
替えると(図4の時刻t1 )、可動子3はステップ
(b)の状態になる。この時ステップ(a)からステッ
プ(b)への移行の際、可動子3は図示のαの点を中心
に回転し、この時可動子3の後端は図3においてδ分だ
け左側へ移動することがわかる。次に電極22の電位V
22をVに電極12の電位V12を0に切替えると(図4の
時刻t2 )、ステップ(c)に移行する。さらに、電極
11の電位V11をVに電極21の電位V21を0に切替え
ると(図4の時刻t3 )、ステップ(d)の状態に移行
し、この時、可動子3の後端は再びδ分だけ図3におい
て左側へ移動することがわかる。さらに電極12の電位
12をVに電極22の電位V22を0にすると(図4の時
刻t4 参照)、再び可動子3は固定子1に吸着される
(ステップ(e)参照)。この4つのステップのシーケ
ンスの間に可動子3は図3において左側へ2δ分だけ移
動する。このシーケンスを繰り返すことにより可動子3
は図3において左側へ動いていく、なお、上述のステッ
プと逆の順序で電極11,12,21,22の電位を切
替えていくと、可動子3は図3において右側に移動する
ことになる。
【0027】以上述べたように本実施例によれば、従来
の場合に比べて大きな動作範囲を得ることができるとと
もに、スムーズに吸着・剥離を繰返すことができる。
【0028】なお、上記実施例においては、固定子1,
2および可動子3の両方に絶縁層が形成されているが、
固定子1,2かまたは可動子3のいずれか一方に絶縁層
が形成されていれば、本実施例と同様の効果を得ること
ができることは云うまでもない。
【0029】次に上記第1の実施例の変形例を図5を参
照して説明する。上記第1の実施例においては可動子3
は曲げ剛性が比較的高い場合、即ち可動子3が厚みを有
する場合、または比較的硬い材料でできている場合であ
ったが、この変形例においては可動子3は厚みが薄かっ
たり、または導電性ゴムや高分子フィルムのようにやわ
らかい材料で作られ、曲げ剛性が低く、曲げ変形が生じ
やすい場合の例である。この変形例において、電極1
1,12,21,22への電位の印加パターンは第1の
実施例と同じとすると、第1の実施例に比べて可動子3
の曲げ剛性が低いため、図5に示すように可動子3は曲
げ変形しながら対向電極間を移動することになる。この
変形例のように可動子3に曲げ剛性の低いものを用いた
場合は、第1の実施例のような曲げ剛性が高い場合に比
べて、固定子1,2と可動子3との接触面積が増えるた
め、固定子と可動子との静電力も増し、大きな推進力を
得ることができる。
【0030】次に第1の発明による静電アクチュエータ
の第2の実施例を図6を参照して説明する。この実施例
の静電アクチュエータは曲げ剛性の低い可動子3を用
い、かつ固定子1,2の対向面に、可動子3の進行方向
に沿って多数の電極を設けたものである。
【0031】即ち可動子3の進行方向に沿って固定子1
には多数の電極131 ,…1310が設けられ、固定子2
には多数の電極231 ,…2310が設けられている。
今、可動子3の電位を0とし、固定子1の左側の方に位
置する電極131 ,132 ,133 および固定子2の右
側の方に位置する電極235 ,…2310にVの電圧をか
け、残りの電極134 ,…1310および231 ,…23
4 の電圧を0にしたとする。この状態では可動子3は図
6に示す実線で描いた状態にある。この状態から、固定
子1上の電極を順に左から印加してゆき、また固定子2
上の電極を左から順に0電位に接地してゆくと、可動子
はしだいに左側の方から順に、固定子1側に引きつけら
れてゆき、点線に示す状態を経て、やがて固定子1側に
完全に移動する。このように固定子1,2に多数の電極
を形成し、これを順次切替えてゆくことにより、可動子
3を変形させながら、2つの固定子間を移動させること
が確実にできるようになる。
【0032】なお以上の説明では固定子2側にあった可
動子3を固定子1側に切替える例について述べたが、固
定子1側から固定子2側への切替えも全く同様であり、
これを繰り返すことにより、図5で述べたのと同じ動作
が実現できる。
【0033】次に第2の発明による静電アクチュエータ
の駆動方法の一実施例を図7を参照して説明する。この
実施例に用いられる静電アクチュエータは図1に示す実
施例のアクチュエータであって、固定子1の電極11,
12および固定子2の電極21,22には図7に示す電
圧パターンの電圧V11,V12,V21,V22が印加され
る。この図7に示す電圧パターンは図4に示す電圧パタ
ーンにおいて、印加電圧が0から所定値Vに立上がると
きに、所定値Vよりも高い電圧V1 を時間Δt(例え
ば、所定値Vの印加時間が10msecであれば1ms
ec)だけ印加し、その後は所定値Vに低下させるもの
である。
【0034】この図7に示す電圧パターンを図1に示す
静電アクチュエータに印加した場合の動作を図3を参照
して説明する。図3のステップ(a)においては、固定
子1の電極11,12には所定値Vの電圧が印加され、
固定子2の電極21,22は値が0の電圧が印加されて
いるため(図7の時刻t0 〜t1 の間)、可動子3は固
定子1に吸着された状態、すなわち可動子3は電極21
とは離れた位置にある。一般に静電気力は距離の2乗に
反比例するため、図3のステップ(a)の状態において
電極21の電圧を0から所定値Vに切替えても可動子3
を電極21の側に吸引する力は弱い。そこで図7の時刻
1 に示すように電圧の切替直後(印加直後)のみに高
い電圧V1 をかけ、可動子3が電極18に接近した時点
で電極18に所定値Vの電圧をかける。
【0035】このように一方の固定子に吸着していた可
動子を他方の固定子の電極に印加する電圧を切替えるこ
とによって他方の固定子に吸着させる場合に電圧の切替
直後のみに高い電圧を印加し、可動子が他方の固定子の
電極に接近した時点でこの電極に印加する電圧を低い電
圧に落すことにより、放電や、固定子または可動子の電
極上に形成さた絶縁膜の絶縁破壊を防ぐことができる。
【0036】この実施例の駆動方法においては、使用さ
れる静電アクチュエータを図1に示すものを用いて説明
したが、一般に2つの固定子に交互に吸着されながら固
定子間を進行する可動子を有する静電アクチュエータに
も適用できることは云うもでもない。
【0037】次に第1の発明による静電アクチュエータ
の第3の実施例を図8(a),(b)を参照して説明す
る。図8(a)はこの実施例の静電アクチュエータ40
の平面図であり、図8(b)は図8(a)に示す切断線
Z−Zで切断した場合の断面図である。この実施例の静
電アクチュエータ40は、2つの固定子41,42とそ
の間の可動子43で構成される。固定子41と42は同
構造であるので、固定子41について説明し、固定子4
2についての説明は省略する。
【0038】固定子41の母材は、ガラスウェハで作ら
れ、4つの電極41a,41b,41c,41dが形成
される。これは例えば蒸着により金属薄膜をつけ、その
上に例えばスパッタリングにより酸化シリコン膜の絶縁
膜が形成される。固定子41には中央に比較的大きい穴
41iおよび4辺に小さい穴41e,41f,41g,
41hがあけられている。この4つの穴41e,41
f,41g,41hには導線45a,45b,45c,
45dが差し込まれ、導電性接着剤により固定されてそ
れぞれの電極41a,41b,41c,41dに電気的
に接合される。
【0039】一方、可動子43(図8(a)上では点線
で表示)は例えばシリコンウェハで作られ、シリコンウ
ェハ両面に金属膜を形成し、その上に絶縁膜として酸化
シリコン膜が形成される。可動子43の中央には小さな
穴43hが形成され、そのまわりは絶縁膜が形成されな
い。この穴に導電性のシャフト(図示せず)を通すこと
により可動子43の動きを外部にとり出したり、またシ
ャフトを通じて、可動子43の電位を外部から調整する
ことができる(これについては後述する)。
【0040】またスペーサ44は4辺に設けられ、固定
子40,41間のギャップを保つとともに可動子43が
アクチュエータ40の外部にでないようにガイドの役目
をはたす。スペーサ44をシリコン製とすれば、一枚の
シリコンウェハから可動子43と一緒に製作することも
可能で、また固定子41,42との接合には陽極接合を
用いることができる。
【0041】次に動作について説明する。このアクチュ
エータ40は2つの固定子41,42で合せて8つの電
極41a,…41d,42a,…42dをもつが、これ
を2つずつ組合せればX,Y方向へそれぞれ、第1の実
施例と同様に動作させることができる。即ち、固定子4
1の電極41aと41d,41bと41c、固定子42
の電極42aと42d,42bと42cをそれぞれ第1
の実施例における一つの電極として見れば、X方向に動
作させることができる。また、同様に電極41aと41
b,41cと41d,42aと42b,42cと42d
をそれぞれ第1の実施例における一つの電極として見れ
ばY方向に可動子を動作させることができる。このよう
にこの実施例のアクチュエータ40は、X,Y方向に自
由に駆動可能な2自由度アクチュエータとなる。
【0042】次に図8に示す実施例のアクチュエータ4
0をパンチルト雲台に適用した場合の例を図9を参照し
て説明する。アクチュエータ40の可動子43に設けら
れた穴43hにはシャフト50が通される。そしてアク
チュエータ40は、中央部に凹部が設けられた支持部材
51によって支持される。この支持部材51の凹部の中
央にはピボット軸受51aが形成されている。またシャ
フト50の、支持部材51側の一端にはピボット50a
が形成され、シャフト50が揺動運動可能のようにピボ
ット50aがピボット軸受51aに支持されている。ま
た、シャフト50の支持部材51側の部分50bの軸径
は可動子43の穴43hの径よりも大きくなっており、
シャフト50が、アクチュエータ40の支持部材51と
は反対の側に抜け出るのを防止している。そして、シャ
フト50のピボット50aとは反対の端部にはパンチル
ト可動部が取付けられている。
【0043】このように構成されたパンチルト雲台にお
いて、アクチュエータ40を駆動し、可動子43が図9
(a)に示すX方向に動作すると、パンチルト可動部5
2はψY 方向の揺動運動を行ない、また可動子43がY
方向に動作すると、パンチルト可動部52はψX 方向の
揺動運動を行なうことになる。
【0044】次に第1の発明による静電アクチュエータ
の第4の実施例を図10乃至図13を参照して説明す
る。図10はこの実施例の構成を説明する分解図であ
る。この実施例の静電アクチュエータは2つの固定子
1,2と、可動子3と、2つの固定子1,2間のギャッ
プを保持するスペーサ4a,4bとを備えている。
【0045】固定子1は絶縁物または極めて電気抵抗の
高い材料からなる本体部10の、固定子2と対向する面
に2つの電極13,14を設けたものである。電極13
は所定のピッチPをもって平行に配置される複数の平行
電極部13aと、これらの平行電極部13aの一端を接
続する接続用電極部13bとから構成される。また電極
14も同様に、所定のピッチPをもって平行に配置され
る複数の平行電極部14aと、これらの平行電極部14
aの一端を接続する接続用電極部14bとから構成され
る。なお、接続用電極部13b,14bの配線幅は平行
電極部13a,14aの配線幅よりも広くなるよう形成
される。そして、電極13と電極14は互い違いとなる
ように1/2ピッチずれて配置されている。接続用電極
部13b,14bには外部電源に接続する導線17,1
8が各々結線されている。
【0046】また固定子2も固定子1と同様に、絶縁物
または極めて電気抵抗の高い材料からなる本体部20
の、固定子1と対向する面に2つの電極23,24が設
けられている。電極23はピッチPをもって平行に配置
される複数の平行電極部23aと、これらの平行電極部
23aの一端を接続する接続用電極部23bとから構成
され、電極24はピッチPをもって平行に配置される複
数の平行電極部24aと、これらの平行電極部24aの
一端を接続する接続用電極部24bとから構成される。
接続用電極部23b,24bの配線幅は平行電極部23
a,24aの配線幅よりも広くなるように形成されてい
る。そして電極23と電極24は互い違いとなるように
1/2ピッチずれて配置される。また接続用電極部23
b,24bには外部電源に接続する導線27,28が各
々接続されている。なお、固定子2の電極23,24は
固定子1と組合わさった際に、その平行電極部23a,
24aが固定子1の平行電極部13a,14aの間の、
電極が形成されていない部分と対向するように、固定子
1の電極13,14に対して1ピッチ分ずらした配置と
なっている。
【0047】一方可動子3は、長手方向に延びた本体部
34と、固定子1,2の電極13,14,23,24と
同一のピッチをもち上記本体部34と直交する方向に延
びた櫛の歯状の電極35とを備えている。なお、本体部
34の両端には導線39を接続するためのパッド32
a,32bが設けられている。そして、可動子3はこの
導線部を介して外部電源に接続され、これにより電位が
調節される。
【0048】固定子1,2はスペーサ4a,4bを介し
て接合される。このスペーサ4a,4bは組立時には、
例えば接着や陽極接合を用いて固定子1,2に密着接合
され、そしてこのスペーサ4a,4bと2つの固定子
1,2に囲まれた空間に可動子3は位置する。
【0049】なお、可動子3に導線39を設ける代わり
に、可動子3の櫛の歯状電極35の外部に設けられたス
ペーサ4a,4bを外部電源もしくは接続された導線と
結線し、可動子3が固定子1,2間を接触、剥離を繰返
しながら、電極35がスペーサ4a,4bと接すること
により、電気的接合を実現しても良い。また、可動子3
は必ずしも外形をこのように加工する必要はなく、絶縁
体からなる平板の表裏に、図10に示すような形状の電
極34,35を形成しても良い。
【0050】次に固定子1(固定子2も同構造)と可動
子3の構造を図11を参照して更に説明する。固定子1
の母材10には絶縁物、または極めて電気抵抗が高い物
質ならば特に制限はないが、例えば、ガラスウェハを用
いることが出来る。この固定子1の母材10の上には、
まず導電性膜13a,14aが形成される。本実施例は
アクチュエータの製造方法を限定するものではないが、
例えば、金属薄板を接着して作成してもよいし、スパッ
タ、蒸着等の薄膜形成手段と、フォトリソグラフィー、
エッチングプロセスにより形成してもよい。導電性膜1
3a,14a上には、絶縁膜19が形成される。これ
は、例えば、電気抵抗の高い物質でできた薄いシートを
接着してもよいし、また、例えば、スパッタ、各種CV
D法等による酸化シリコン膜を形成してもよい。導線は
電極の一部に、導電性接着剤を用いて接着、またはボン
ディング等の手段を用いて結線される。
【0051】一方、可動子3は、導体、または抵抗体3
1の電極部の上下を絶縁膜38で覆うことにより構成さ
れる。なお、絶縁体の上下に、電極のパターン形状に加
工された導電性膜を形成し、その表面を絶縁膜によって
覆うことにより可動子3を構成しても構わないし、この
両者を組み合わせて、櫛の歯状に加工した(櫛の歯状の
凹部は必ずしも貫通している必要はなく、櫛の歯状の凸
部と凹部で段差がついていればよい)。母材の表面に導
電性膜と絶縁膜を形成することにより作成してもよい。
構成の方法は上述の固定子1と同様に、金属薄板や絶縁
シートを用いたり、または、スパッタ、蒸着、CVD等
の気相成長法を用いて形成してもよい。例えば、シリコ
ン薄板の表面に導電性金属薄膜および絶縁膜を形成した
ものまたはシリコン導板の表面に絶縁膜を形成したもの
で作成してもよい。
【0052】スペーサ4a,4bについては、例えば、
シリコンウェハを材料として、スペーサ4a,4b、可
動子3を半導体製造技術を利用して製作し、ガラスウェ
ハ(固定子1,2)で、シリコンウェハを挟むように構
成し、3者を陽極接合すること、即ち一体成形すること
により作成してもよい。一体成形した場合は位置決め精
度が良い。また、スペーサ4a,4bを用いて、可動子
3との電気的接合を計るために、スペーサを導電性材料
で作成したり、その表面に導電性膜を形成し、導電性接
着剤やボンディング等を用いて、外部電源に接続もしく
は接地してもよい。
【0053】次に、本実施例の動作を図12、および図
13を用いて説明する。この動作は固定子1,2の各電
極23,14,24,13に順次電圧を印加してゆき、
可動子3を固定子1,2間で交互に吸着を繰り返しなが
ら、図12において右側に駆動する例である。可動子3
の電位は常にマイナスもしくは0とし(常に導線39の
電位を、マイナスもしくはグランドへ落としておく)、
固定子1,2の各電極23,14,24,13順に電圧
を印加してゆく。例えば、電極23に正電圧を印加する
と、この電極23と、可動子3の電極部35との間に発
生する静電気力により、可動子3は固定子2に吸引さ
れ、ステップ(a)に示す位置関係となる。ここで、電
極23への電圧印加を止め、電極14へ正電圧を印加す
ると、可動子3は固定子2から離れ、他方の固定子1と
の間の静電吸引力により、固定子1に引き寄せられ、つ
いには接触する。この時、可動子3と固定子1それぞれ
の電極の作成位置により、可動子3は、図12において
右側に引かれながら、固定子1に吸着する。
【0054】例えば、固定子1と可動子3の電極部14
c,14b,35bを例にとって、もう少し詳しく説明
する。電極23から電極14に電圧を切り替えると、可
動子3の電極部35bは、固定子1の電極部14c,1
4bにより静電気力で吸引される。電極14bによる吸
引力より電極14cによる吸引力の方が大きいため、可
動子3はステップ(b)に示すような状態となる。以
降、固定子1,2の電極23,14,24,13への電
圧を順次切り替え、可動子3の固定子1,2への吸着、
剥離を繰り返すことにより、可動子は図12のステップ
(a)〜(d)に示す状態を順に取りながら、図12に
おいて右側へと駆動される。この時の固定子1,2の電
極23,14,24,13への電圧の印加パターンを図
13に示す。この電圧印加パターンを、電極23→電極
13→電極24→電極14へと変えると、可動子3は図
12において左側へと駆動される。
【0055】次に第1の発明による静電アクチュエータ
の第5の実施例を図14を参照して説明する。この実施
例の静電アクチュエータは図14に示すように固定子1
または2の母材61上に導電性電極61aが形成され、
この電極61aを覆うように絶縁層61bが形成されて
いる。また可動子3の母材63上に導電性電極63aが
形成され、この導電性電極63aを覆うように絶縁層6
3bが形成されている。なお、可動子3の反対面(図1
4においては下側面)にも同様に導電性電極及び絶縁層
が設けられており、またそれと対向する面には固定子が
設けられているが、それらは省略している。このような
場合に固定子1および2の絶縁層61bと可動子3の絶
縁層63bは同一の材料で形成される。もし、固定子
1,2と可動子3の電極61a,63aの絶縁層61
b,63bを異なる材料で形成したり、もしくは固定子
および可動子の一方の電極部のみに絶縁層を形成し、他
方の電極部では導電性電極を直接露出すると、固定子1
または2(図14においては省略)と可動子3が直接接
触や摩擦による帯電によって、電極に印加される電圧の
正負によらず、各々の絶縁層の材料の組合せや絶縁層と
導電性電極の材料の組合せにより、絶縁層は正もしくは
負のどちらか一方の決まった極性に帯電することにな
る。このためこの電荷により電極同士が静電気的に吸着
してしまい、剥離を困難とし、スムーズな吸着、剥離を
困難にする。
【0056】この第5の実施例は、絶縁層61b,63
bを同一の材料で形成することにより、接触や摩擦によ
る帯電によって電極部同士が吸着するのを防止すること
ができる。
【0057】次に第1の発明による静電アクチュエータ
の第6の実施例を図15を参照して説明する。この実施
例の静電アクチュエータは、固定子1,2と可動子3の
駆動用電極部に対となる電極を設け、静電気による吸引
力と併せて反発力を利用した静電アクチュエータであ
る。
【0058】固定子1,2のそれぞれの母材の表裏両面
に電極73,74を形成し、可動子3と対向する面には
電極部を覆うように絶縁層75を形成する。図15に示
すように電圧を印加すると、可動子3は、固定子1に現
れた電荷による静電気的吸引力によって、固定子1に引
張られるのに加えて、他方の固定子2の電極73に現れ
た電荷により、静電気的反発力を受け、固定子2から離
れる方向の力を得る。これは、固定子1,2、可動子3
のそれぞれの駆動用電極に、対となる電極を設けたため
に、対向する電極に現れた同極性の電荷が、その相対す
る面から遠ざかるのを妨げ、その表面に出来るだけ同極
性の電荷を残すためである。そのため、可動子3は静電
気による吸引力と併せて、反発力も得て、可動子3を駆
動することが出来る。また、駆動用電極と対となる電極
は、図15に示したように、絶縁体77を介して、設置
してもよいし、上下に位置するように固定子1,2を設
けた場合、その側面に対となる電極を設けてもよい。
【0059】次に第1の発明の第4の実施例の静電アク
チュエータをパンチルト雲台に応用した場合を図16に
示す。図16においては、第4の実施例での静電アクチ
ュエータ81,82,83を3個用いて、パンチルト雲
台に応用した例である。本アクチュエータを図16に示
すように、円柱85の3箇所を削り、現れた3つの平面
に配置する。それぞれの静電アクチュエータは、駆動電
極84に順次電圧を印加することにより、図16の矢印
の1方向(前進と後進)に駆動することができる。アク
チュエータ81,82,83を取り付ける部材85の中
心軸上に弾性支持部86を設け、その上にパンチルト動
作をする雲台の底部87を設置する。駆動される静電ア
クチュエータの可動子を、この弾性支持された雲台底部
87に接触させ、押すことにより、雲台を駆動する。3
つの静電アクチュエータが3方向に設置してあり、それ
ぞれは独立に動作するため、それぞれの駆動電圧パター
ンを適切に調整することにより、雲台のパンチルト駆動
を実現する。
【0060】
【発明の効果】第1の発明によれば、可動子と固定子間
の摩擦の問題を解消し、大きな動作範囲を得ることがで
きる。また、接触・剥離をスムーズに行うことができ
る。また、吸引力だけではなく、反発力も利用して大き
な出力を得ることができる。
【0061】第2の発明によれば、接触・剥離をスムー
ズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明による静電アクチュエータの第1の
実施例の構成を示す分解図。
【図2】第1の実施例にかかる固定子と可動子の詳細な
構造を示す断面図。
【図3】第1の実施例の動作を説明する動作説明図。
【図4】第1の実施例に印加される電圧の波形図。
【図5】第1の実施例の変形例の動作を説明する動作説
明図。
【図6】第2の実施例の構成を説明する断面図。
【図7】第2の発明による駆動方法に用いられる電圧波
形図。
【図8】第1の発明による静電アクチュエータの第3の
実施例の構成を示す構成図。
【図9】第3の実施例の静電アクチュエータを用いたパ
ンチルト雲台の構成を示す構成図。
【図10】第1の発明の第4の実施例の構成を示す分解
図。
【図11】第4の実施例の固定子と可動子の詳細な構造
を説明する断面図。
【図12】第4の実施例の動作を説明する動作説明図。
【図13】第4の実施例に印加される駆動電圧波形図。
【図14】第1の発明の第5の実施例の構成を示す断面
図。
【図15】第1の発明の第6の実施例の構成を示す構成
図。
【図16】第4の実施例の静電アクチュエータを用いた
パンチルト雲台の構成を示す構成図。
【図17】従来の静電アクチュエータの構成を示す構成
図。
【図18】従来の他の静電アクチュエータの構成および
動作を説明する説明図。
【符号の説明】
1,2,41,42 固定子 3,43 可動子 3a 導体 3b,3c,11c,12c 絶縁膜 10,20,34 本体部 11,12,13,14,21,22,23,24,4
1a,…41d,42a,…42d 電極 11a,11b,12a,12b,21b,22b 導
体膜 13a,14a,23a,24a 平行電極部 13b,14b,23b,24b 接続用電極部 15,16 導線 32a,32b パッド 35 櫛の歯状電極 40 静電アクチュエータ 41e,…41h,42e,…42h 穴 44 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−111264(JP,A) 特開 平2−211078(JP,A) 特開 平3−169277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体部と、この本体部の対向する面上に形
    成される複数の電極と、を各々備え、所定の隙間をもっ
    て対向配置された一対の固定子と、 所定の電位が印加される導電体からなる電極を有し、前
    記一対の固定子間に配置され、前記固定子の電極に所定
    の電圧パルスが印加されることにより、前記導電体から
    なる電極の一方の端部と他方の端部とが、前記一方の端
    部から前記他方の端部へと順次、前記一対の固定子に交
    互に吸着されながら前記隙間を進行する可動子と、 を有することを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記一対の固定子の各々の電極は第1の絶
    縁層によって覆われており、前記可動子の電極は第2の
    絶縁層によって覆われていることを特徴とする請求項1
    記載の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】第1の本体部と、この第1の本体部上に所
    定のピッチをもって所定方向に交互に配置される第1お
    よび第2の電極部を有する第1の電極と、前記第1の電
    極部同士の端部を接続する第1の接続用電極部と、前記
    第2電極部同士の端部を接続する第2の接続用電極部
    と、を備えた第1の固定子と、 第2の本体部と、この第2の本体部上に所定のピッチを
    もって所定方向に交互に配置される第3および第4の電
    極部を有する第2の電極と、前記第3の電極部同士の端
    部を接続する第3の接続用電極部と、前記第4の電極部
    同士の端部を接続する第4の接続用電極部と、を備えた
    第2の固定子と、 導電体からなる電極部を有する可動子と、 を備え、前記第1および第2の固定子は前記可動子が前
    記第1の固定子と前記第2の固定子に交互に吸着されな
    がら進行するための所定の隙間をもって対向配置される
    とともに前記可動子が前記隙間に配置されるように構成
    され、前記第1および第2の各々の電極と前記可動子の
    電極部との間に所定の電位差が与えられるように前記第
    1の固定子の第1の電極と、第2の固定子の第2の電極
    とを順次切換え、この切換えに応じて前記第1電極内に
    おいて前記第1および第2の電極部を切換えかつ前記第
    2の電極内において前記第3および第4の電極部を切換
    えることにより前記所定方向または逆方向に可動子を駆
    動し、前記第1および第2の固定子の第1および第2の
    電極は各々第1の絶縁層によって覆うわれ、前記可動子
    の電極部は第2の絶縁層によって覆われていることを特
    徴とする静電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】前記第1の絶縁層と、前記第2の絶縁層と
    は同一の材料からなることを特徴とする請求項3記載の
    静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】所定の間隔をもって対向配置される第1お
    よび第2の本体部と、前記第1の本体部の対向する面上
    に形成された第1の電極と、前記第2の本体部の対向す
    る面上に形成された第2の電極とを有する一対の固定子
    と、 前記一対の固定子間に配置される可動子と、 を備えている静電アクチュエータにおいて、 前記第1の本体部の対向する面とは反対の面上に前記第
    1の電極と対となるように形成された第3の電極と、前
    記第2の本体部の対向する面とは反対の面上に前記第2
    の電極と対となるように形成された第4の電極と、を設
    けたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】電極を有し、所定の隙間をもって対向配置
    された一対の固定子と、 前記固定子間の隙間に配置され、前記電極に電圧が印加
    されることにより前記一対の固定子に交互に吸着される
    可動子と、 を備えた静電アクチュエータにおいて、 前記可動子を吸着する際に前記電極に印加される電圧
    は、印加直後の電圧の絶対値がその後の電圧値の絶対値
    に比べて高くなるように設定されていることを特徴とす
    る静電アクチュエータの駆動方法。
  7. 【請求項7】所定の間隔をもって対向配置される第1お
    よび第2の本体部と、前記第1の本体部の対向する面上
    に形成された第1および第2の電極と、前記第2の本体
    部の対向する面上に形成された第3および第4の電極と
    を有する一対の固定子と、 前記一対の固定子間に配置される可動子と、を備えた静
    電アクチュエータにおいて、 前記第1および第2の電極に第1の電位を印加するとと
    もに前記第3および第4の電極に前記第1の電位より低
    い第2の電位を印加して前記可動子を前記第1および第
    2の電極に吸着する第1のステップと、 前記第1の電極の電位を前記第2の電位にするとともに
    前記第3の電極の電位を前記第1の電位にすることによ
    り前記第1の電極に吸着していた前記可動子の一端を前
    記第3の電極に吸着させる第2のステップと、 前記第2の電極の電位を前記第2の電位にするとともに
    前記第4の電極の電位を第1の電位にすることにより前
    記第2の電極に吸着していた前記可動子の他端を前記第
    4の電極に吸着させる第3のステップと、 前記第1の電極の電位を前記第1の電位にするとともに
    前記第3の電極の電位を前記第2の電位にすることによ
    り前記第3の電極に吸着していた前記可動子の一端を前
    記第1の電極に吸着させる第4のステップと、 前記第2の電極の電位を前記第1の電位にするとともに
    前記第4の電極の電位を前記第2の電位にすることによ
    り前記第4の電極に吸着していた前記可動子の他端を前
    記第2の電極に吸着させる第5のステップと、 を備えていることを特徴とする静電アクチュエータの駆
    動方法。
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