JP3095296B2 - レジスト剥離方法、これを用いた薄膜回路素子の製造方法、および、レジスト剥離液 - Google Patents

レジスト剥離方法、これを用いた薄膜回路素子の製造方法、および、レジスト剥離液

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JP3095296B2 JP04271931A JP27193192A JP3095296B2 JP 3095296 B2 JP3095296 B2 JP 3095296B2 JP 04271931 A JP04271931 A JP 04271931A JP 27193192 A JP27193192 A JP 27193192A JP 3095296 B2 JP3095296 B2 JP 3095296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子装置の製造にか
かわる導電回路や絶縁体の薄膜パターンを形成するのに
必要なレジストの剥離液に関するものであり、さらに、
この剥離液を用いたレジストの剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や半導体素子もしくは各種
の回路基板等の電子装置を製造する際に、スパッタリン
グ等の手段を用いて薄膜を形成し、フォトリソグラフィ
ーを利用して薄膜上に所定のパターンをフォトレジスト
で形成し、これをエッチングレジストとして不要部分を
エッチングで除去し、しかる後に、フォトレジストを剥
離する工程を繰返して製品を製造することは、当該業者
に周知の方法となっている。かかる一連の工程では、フ
ォトレジストを剥離する工程が完全であることが不可欠
の条件であり、効率良くレジストを剥離するために使用
するレジストの剥離液に種々の工夫がなされてきた。
【0003】例えば、特開昭57−165834号、特
開昭64−81949号、特開昭64−81950号な
どにはアミノアルコールを50%以下含むレジスト剥離
液が開示されており、また、特開昭62−35357に
はフェノール系のレジスト剥離液が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のレジストの剥離
液は当該業者にとって周知であるが、実用的には、次の
ような問題をかかえていた。
【0005】フォトレジストとして最も汎用的に使用さ
れているノボラック系のポジ型レジストを例にとって説
明すると、各種の電子装置の製造工程では、基板上に形
成したレジストに所定のマスクを介して紫外光を照射
し、次いで、露光部を現像で除去し、残ったレジストを
エッチングレジストとして使用する。具体的なエッチン
グ条件はエッチングする対象により多岐に渡っており、
大別すると溶液中で電気化学反応を利用するウェットエ
ッチングと気相中でラジカルの反応を利用するドライエ
ッチングに分類できる。
【0006】これらのエッチングプロセスでは、エッチ
ング条件にによってレジストの表面で複雑な化学反応を
生ぜしめる場合が多々ある。かかる反応によって表層が
変質したレジストは、通常のレジスト剥離液では完全に
剥離することが困難となる問題があった。剥離が不完全
な場合、エッチングしたパターン上、あるいはパターン
とパターンの間にレジストの残渣を発生させる。かかる
残渣は、極微量であっても、次工程の成膜、フォトリソ
グラフィー、エッチング等の工程で、断線、短絡等の欠
陥を発生させる大きな要因となっていた。かかる欠陥は
製品の信頼性、歩留りを低下する原因となることから、
性能、経済面での損失には測り知れないものがあった。
【0007】上記した従来の剥離液では、かかる問題に
対処しきれなかった。さらに、種々の異なるエッチング
条件によってもたらされるレジスト表面の変質の問題を
同時に解決できる方法がなく、個々のエッチング条件に
応じて、レジストの剥離時間を延長するなどして対処せ
ざるを得ないのが実情であった。
【0008】本発明は、上記したエッチングプロセスで
変質したレジストまでもが完全に剥離でき、次工程に残
渣を残さないような極めて高性能なレジスト剥離液とこ
れを用いたレジストの剥離方法を提供することを目的と
する。
【0009】さらに、上記した従来の剥離液では、剥離
液の組成が複雑であることからレジストを剥離した後の
使用済み剥離液からレジストを分離して、剥離液を回
収、再生することも極めて困難であった。一般的な分離
方法の一種である蒸留などの方法を用いても、剥離液組
成が複雑であるため蒸留によって回収した成分は元の剥
離液とは組成が違ってしまい、成分分析をして組成を再
調整せざるをえなかつた。かかる再生の経済的負担は大
であり、再生するよりも焼却等の方法で廃棄するほうが
容易でもあった。
【0010】しかるに、有機溶剤がその大部分を占める
レジスト剥離液を大量に焼却廃棄することは地球環境に
も好ましくない影響を与えることは自明であるため、上
記のような問題のない回収、再生しやすいレジスト剥離
液の開発が望まれていた。
【0011】本発明は、上記した回収、再生しやすいレ
ジスト剥離液を提供することを第二の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このために本発明では、
ほとんど純粋なアミノアルコールをレジスト剥離液とし
て使用する。このレジスト剥離液により上記の複数の課
題を驚くほど容易に解決できる。
【0013】本発明は、一級アミノ基を有する脂肪族ア
ミノアルコールを80重量%以上の濃度で含むことを特
徴とするレジスト剥離液に関する。
【0014】また、本発明は、上記のレジスト剥離液を
用いて、レジスト表面の変質層を剥離することを特徴と
するレジスト剥離方法に関する。
【0015】本発明のレジスト剥離液に適したアミノア
ルコールとは、分子内に一級のアミノ基を含み、かつ分
子内に水酸基を含む一連の脂肪族化合物を指し、その一
般式は、該アミノ基は置換基を有さず、次式(1)で与
えられるものである。ここに、-R-はアルキレン基であ
る。
【0016】 HO-R-NH2 …………………………………(1) 本発明のレジスト剥離液に適したアミノアルコールの具
体的な化合物名は、アミノエタノール、アミノプロパノ
ール、アミノイソプロパノール、アミノブタノール、ア
ミノペンタノール、アミノヘキサノールなどであり、レ
ジスト材料への浸透性から分子量の小さいアミノエタノ
ール、アミノプロパノール、アミノイソプロパノールが
好ましく、なかでもアミノエタノールが最も好ましい。
【0017】本発明のレジスト剥離液に適したアミノア
ルコールの純度は、種々の検討の結果、100乃至80
重量%であり、好ましくは100乃至90重量%であ
り、さらに好ましくは100乃至95重量%以上の試薬
程度の純度のものである。かかる純度の下限は、エッチ
ングプロセスで変質したレジストまでもが完全に剥離で
きることから定められたものである。変質しないレジス
トの剥離には、かかる純度の制限がなくなることから、
本発明が、変質したレジストの剥離に著しい効果のある
ことは、特に、強調されるべきである。
【0018】実用的な剥離液は毒性の低いことが望まし
く、かかる観点からは経口のLD50として2000mg
/kg以下が望ましい。さらに、蒸発防止の観点と引火
性が低い観点からは沸点がおよそ150℃以上であるこ
とが望ましい。したがって、実用的な剥離液の選択基準
は変質したレジストの剥離性能に加え、安全性と経済性
にある。さらに、使用済みのレジスト剥離液を経済的に
回収、再生するためには剥離液の成分数は少ないことが
好ましく、実用的には一成分であることが望ましい。本
発明では、種々の検討の結果、かかる課題を同時に満足
する剥離液として、アミノアルコールを単独で用いるこ
とに至ったのである。
【0019】本発明のレジスト剥離方法において、対象
となるレジストは、一般的にはノボラック系ポジ型フォ
トレジストなどの市販のノボラック系レジストである。
【0020】本発明のレジスト剥離液は、強酸化性の金
属クロムのウエットエッチング液によりもたらされるレ
ジスト変質層の剥離に好適である。金属クロムのウエッ
トエッチング液としては、周知の硝酸セリウムアンモニ
ウムを主成分とする液、フェリシアン化カリウムやフェ
リシアン化ナトリウムを主成分とする液、あるいは塩化
アルミニウムを主成分とする液などである。
【0021】また、本発明のレジスト剥離液は、レジス
ト表面の変質層が、シリコンあるいはアルミニウムなど
を塩素、フッ素などのハロゲンガスによりドライエッチ
ング処理する際にもたらされる変質層の剥離にも適して
いる。
【0022】さらにまた、本発明のレジスト剥離液は、
プラズマによるアッシング(灰化)処理、もしくは
イオン注入やスパッタリングなど、高エネルギー粒子や
ラジカルの照射によるレジストの変質層の剥離にも適し
ている。
【0023】本発明のレジスト剥離液を用いてレジスト
を剥離するのに適した作業温度条件は、室温から沸点の
間の任意の温度を用いればよいが、30乃至90℃が好
ましく、さらに40乃至70℃がより好ましい。かかる
温度条件は短時間でレジストを剥離でき、かつ、剥離液
の蒸発による浪費を防ぐことおよび引火しにくいことか
ら定めたものである。
【0024】本発明のレジスト剥離液を用いてレジスト
を剥離するのに適した剥離方法は、剥離液中に剥離すべ
きレジストを有する基板を一定時間浸漬する、所謂、浸
漬剥離でもよい。レジストへ剥離液をスプレーで供給す
る、所謂、スプレー式の剥離方法は、剥離時間の短縮の
観点からより好ましい剥離方法である。また、浸漬剥離
中に剥離液に超音波を加える、所謂、超音波剥離の方法
も剥離時間の大幅な短縮の観点からさらに好ましい剥離
方法である。
【0025】本発明のレジスト剥離液を使用後に回収、
再生するのに適した方法は、剥離液を単に蒸留するのみ
でよい。
【0026】さらにまた、本発明は、基板上に導電薄膜
を形成し、該薄膜上に所定のパターンをレジストで形成
し、これをエッチングレジストとして、前記薄膜の不要
部分をエッチング除去し、しかる後に、前記レジストを
剥離する工程からなる薄膜回路素子の製造方法におい
て、上記のレジスト剥離液を用いて、前記レジストを除
去することを特徴とする薄膜回路素子の製造方法に関す
る。
【0027】導電薄膜は、クロム、アルミニウム、シリ
コンなどをスパッタリングなどの一般的方法により形成
されるものであり、例えばノボラック系のポジ型フォト
レジストを薄膜上にスピンナで塗布した後、ベークを施
し、周知の方法で露光、現像処理して、導電薄膜上にエ
ッチングレジストのパターンを形成し、次いで、導電薄
膜に応じたエッチング処理を行い、薄膜の不要部分をエ
ッチング除去する。このエッチング処理の際にレジスト
部分も変質を受ける。この変質したレジストを剥離する
のに、上記の一級アミノ基を有する脂肪族アミノアルコ
ールを80重量%以上の濃度で含む剥離液を用いること
により、比較的短時間で剥離残渣を0%にすることが可
能である。
【0028】
【作用】一般的には、レジストのような高分子材料の剥
離液のような溶媒に対する溶解性は、材料と溶媒の溶解
パラメーターを用いて論ずることが多い。しかし、溶解
パラメーターで説明できるのは、溶解反応がファンデル
ワールス力に基づく相互作用に支配されている場合に限
られており、これ以外の相互作用が影響する系では実験
的に溶解性を調べるしかない。
【0029】レジスト剥離液の剥離作用は、固形のレジ
スト材料内に剥離液が速やかに浸透し、レジストを膨潤
する作用と、膨潤したレジスト材料を剥離液中に溶解す
る作用との組合せによるものとして理解できる。ノボラ
ック系のポジ型レジストでは、レジスト材料の大部分を
高分子量のクレゾールノボラック系樹脂が占めており、
残る部分が比較的分子量の小さい感光剤等となっている
のが一般的である。かかる材料を剥離するには、溶解し
にくい高分子量のノボラック樹脂を溶解する能力に優れ
た剥離液を用いることが不可欠である。
【0030】これに加え、エッチング等のプロセスで表
層が変質したレジストは、高エネルギーのプラズマ粒子
等の作用により、レジスト材料間の架橋が進行し、分子
量が著しく増大している状態にあると推定できる。かか
る変質層まで速やかに膨潤、溶解するには剥離液の溶解
能力を著しく強化する必要がある。
【0031】かかる観点から、各種、多様な溶媒への、
変質したレジスト材料の溶解性を調べた結果、ほとんど
純粋なアミノアルコールをレジスト剥離液として使用す
れば、最良の剥離効果が得られることを実験的に見出し
たのである。
【0032】本発明のレジスト剥離液に用いるアミノア
ルコールは分子内に塩基性の一級アミノ基を含有するた
め、弱い酸性を有する化合物であるノボラック樹脂に対
する親和力が極めて強く、レジスト中に容易に浸透し、
変質したレジストまでを短時間で溶解することができる
のである。本発明では、このようなアミノアルコールの
優れた性能を最大限に引出すため、剥離液中のアミノア
ルコールの活量をできる限り大とするのである。かかる
観点から剥離液はできる限り純度の高いアミノアルコー
ルを用いるのである。
【0033】一方、使用後の剥離液の回収、再生につい
ても、剥離液がアミノアルコールのみで構成される一成
分系であることが著しい利点となっている。すなわち、
使用後の劣化した剥離液に蒸留等の分離法を適用するの
みで、剥離液中に溶解したレジスト成分と剥離液を容易
に分離できるため、蒸留後の成分分析や成分調整などの
経済的な負担を省略できるのである。なお、本発明の再
生方法は蒸留のみに限定されるものではなく、膜分離法
等の蒸留以外の分離法を用いることも可能である。これ
は、本発明が剥離液としてアミノアルコールを単独で用
いる一成分系であることことから、必然的にもたらされ
るものである。分離法の選択自体は主として経済的な理
由によるものであり、如何なる分離法を用いた場合にも
成分分析や成分調整などの経済的な負担を省略できる効
果には変わりがないことは強調されるべきである。
【0034】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために、以下
に実施例を示す。
【0035】(実施例1)図1に示す剥離工程を表す図
にしたがって、実施例を説明する。
【0036】表層に150nm厚のクロムの薄膜1をス
パッタによって形成した1.1mm厚の10cm角のガ
ラス基板2の全面に、ノボラック系のポジ型フォトレジ
スト(東京応化製のOFPR−800)を2μm厚にス
ピンナで塗布した後、120℃30分のベークを施し、
次いで、周知の方法で、露光、現像の処理を行い、クロ
ム上にエッチングレジストのパターン3を形成した。
(図1−a)次いで、かかるガラス基板を硝酸セリウム
アンモニウムを主成分とする周知のクロムエッチング液
に浸漬し、露出したクロムを溶解除去し、水洗後、乾燥
した。かかる工程でレジスト表層に極薄い変質層4が生
じた。(図1−b)次いで、以下に示すレジスト剥離液
に浸漬し、レジストを剥離した。剥離後のガラス基板
は、脱イオン水でリンスした後、乾燥し、基板全面にわ
たって光学顕微鏡で剥離の状態を観察し、クロム配線
上、配線間に付着した剥離残渣5の有無を検査した。か
かる検査の結果から剥離液の剥離性能を比較した。(図
1−c)また、ブランク試験として、クロムエッチング
液に浸漬しないレジストを剥離して、エッチング作業が
レジストの剥離性に及ぼす影響を調べた。
【0037】本発明に係わるアミノアルコールとして一
級アミンである2−アミノ−1−エタノール(モノエタ
ノールアミン)と、二級アミンであるジエタノールアミ
ンと、三級アミンであるトリエタノールアミンを選び、
これらをレジスト剥離液として用いた場合の剥離効果を
求めた。
【0038】具体的には、60℃に加熱した、新しい剥
離液を入れた3つの剥離液槽を準備し、クロムエッチン
グを終了したガラス基板を、それぞれの槽へ2分間ずつ
浸漬し、総計6分間の剥離を行った。かかる操作を上記
の3種の剥離液について施し、剥離の効果を求めた。
【0039】剥離性能は、剥離後の観察で、レジストパ
ターン全面に薄皮状に剥離残渣が残っているものを剥離
不良とし、パターン部もしくはパターン間に全く残渣が
ないものを完全な剥離とした。これらの中間状態であ
る、パターン部もしくはパターン間に部分的に薄皮状の
剥離残渣が認められるものを部分剥離と判定した。
【0040】こうした剥離後の残渣の程度は次のような
方法で定量化した。すなわち、図2に示すようにクロム
配線1上に付着した剥離残渣5の面積を求め、これと元
のレジストの面積6の比から剥離残渣率を次式で定義し
た。
【0041】剥離残渣率(%)=(剥離残渣5の面積)/
(元のレジストの面積6)×100 かかる方法で求めた剥離残渣率は配線のごくわずかな部
分の残渣も定量的に扱えるとともに、不良になりやすい
最悪の場合を定量化することになるため、剥離液の性能
を評価するのに適している。
【0042】かかる剥離残渣率を用いた場合には、電子
装置の製造には残渣率がゼロとなる剥離液のみが適して
いることは自明である。
【0043】ここで特別に注意すべき点は、図1−cに
示すように、残渣は配線上、配線間に確率的に付着して
いるため、広い面積にわたって剥離後の基板の全面を検
査しないと見落とす可能性が高いことである。
【0044】上記の定量法に基づき、上記の3種類のア
ミノアルコールのレジスト剥離性能を測定した結果、表
1に示すように、クロムエッチング液に浸漬しない無処
理のレジスト(A)を剥離した場合には、3種類のアミ
ノアルコールのいずれに於いても完全な剥離が達成で
き、アミノアルコールの種類による有為差はなかった。
【0045】
【表1】
【0046】ところが、驚くべきことに、クロムエッチ
ング液に浸漬したレジスト(B)を剥離した場合には、
3種類のアミノアルコールの剥離性能に著しい差が生じ
た。すなわち、アミノアルコール中に含まれるアミンの
三級、二級、一級の順に剥離性は向上する傾向にあり、
一級アミンのモノエタノールアミンでは剥離残渣率がゼ
ロとなる完全な剥離が容易に達成できるのに対し、三級
のトリエタノールアミンでは残渣が100%となる剥離
不良が生じ、剥離液としての実用性が全くないことがわ
かった。二級アミンのジエタノールアミンでは両者の中
間的な性能を示し、部分剥離の状態であり、剥離残渣が
わずかに認められた。
【0047】かかる結果より、レジスト剥離液の性能は
電子装置の製造工程でのレジストの変質まで容易に剥離
できるか否かで決まることがわかった。したがって、ク
ロムエッチング液に浸漬したためにエッチング液とレジ
ストが反応し、レジスト表面に変質層を生じたようなレ
ジストを剥離する場合の剥離液の性能に関しては、変質
層がない場合のレジストに対する剥離性能からは容易に
推定できるものではないこともわかった。さらに、変質
層を有するレジストを完全に剥離できる剥離液を選択す
るためには、あくまで実験的に剥離液の性能を調べる必
要があることもわかった。
【0048】一級のアミノアルコールが最も優れた剥離
性能を持つことは、分子内の一級アミンの強力な塩基性
に由来するものと信じられる。かかる強力な塩基が複雑
に変質したレジストをも溶解することは、本発明によっ
て始めて明らかにされたものであることも強調されねば
ならない。
【0049】(実施例2)実施例1と同様な工程で次の
ように、剥離液の性能を調べた。具体的には、60℃に
加熱した、新しい剥離液を入れた3つの剥離液槽を準備
し、クロムエッチングを終了したガラス基板を、それぞ
れの槽へ2分間ずつ浸漬し、総計6分間の剥離を行っ
た。剥離液としては、実施例1で剥離効果が最も優れて
いることがわかったモノエタノールアミンと、同じく一
級アミノアルコールであるイソプロパノールアミンの剥
離性能を比較した。このために有機溶剤としてプロピレ
ングリコールエチルエーテルとアミノアルコールを混合
した剥離液を調整し、アミノアルコール濃度と剥離性能
の関係を求めた。
【0050】その結果、図3に示すように、アミノアル
コールの濃度が100重量%に近づけば近づくほど、ク
ロムエッチング液によって表面が変質したレジストでも
剥離残渣は少なくなる傾向を示すことがわかった。特
に、最も優れた剥離性能を得るには、モノエタノールア
ミンの濃度を80重量%以上、好ましくは90重量%以
上、さらに好ましくは95重量%以上の純度にすべきこ
ともわかった。かかる濃度の範囲から、変質したレジス
トを剥離するにはアミノアルコールの活量が最大となる
ような濃度を選択すべきと考えることができることもわ
かった。
【0051】さらに、同じ一級アミノアルコールでもイ
ソプロパノールアミンは95重量%以上の純度でも数%
の剥離残渣が認められ、剥離残渣率がゼロとなるモノエ
タノールアミンがより好ましいこともわかった。かかる
違いは主にアミノアルコールの分子量の違いに起因する
ものと推定され、分子量のより小さいアミノアルコール
が剥離性能が高いこともわかった。
【0052】(実施例3)実施例1と同様な工程で次の
ように、剥離液の性能を調べた。具体的には、60℃に
加熱した、新しい剥離液を入れた3つの剥離液槽を準備
し、クロムエッチングを終了したガラス基板を、それぞ
れの槽へ2分間ずつ浸漬し、総計6分間の剥離を行っ
た。剥離液としては、実施例1、2で剥離効果が最も優
れていることがわかったモノエタノールアミンと各種の
有機溶剤を混合した剥離液を調整し、モノエタノールア
ミンの組成比と剥離性能の関係を求めた。
【0053】その結果、表2に示すように、混合する有
機溶剤の種類にかかわらず、アミノアルコールの組成比
がおよそ80重量%以上の領域で、クロムエッチング液
によって表面が変質したレジスト(B)でも完全剥離と
なり、最も優れた剥離性能が得られることがわかった。
【0054】
【表2】
【0055】さらに、表面が変質していないレジスト
(A)を剥離する場合には、モノエタノールアミンの組
成比によらず、いずれの剥離液を用いても、レジストを
完全に剥離できることもわかった。かかる結果から、変
質したレジストに対しては、アミノアルコールの組成は
活量が最大となるように濃度の大な領域を使用すべきこ
とが実施例2と同様にわかった。
【0056】かかる結果からも、本発明が特に変質した
レジストの剥離に著しい効果があり、この効果は変質し
ていないレジストに対する剥離性能からなどは全く予想
できないものであることもわかった。
【0057】さらに、アミノアルコールの最適組成比の
範囲は、剥離液の作業温度によって若干は変動すること
もわかった。すなわち、より低温での作業の場合には、
アミノアルコールの純度は高いことが望ましく、90重
量%以上が好ましいこともわかった。さらに、95重量
%以上のアミノアルコールの場合には、溶剤として入手
できる溶剤がそのまま剥離液に使用できるため、他の溶
剤を混合してレジスト剥離液を調整するための経済的負
担も省略でき、作業温度の制約も少ないことから、最も
好ましい剥離液であることもわかった。
【0058】(実施例4)実施例1と同様な工程で次の
ように、剥離液の性能を調べた。具体的には、60℃に
加熱した、新しい剥離液を入れた3つの剥離液槽を準備
し、クロムエッチングを終了したガラス基板を、それぞ
れの槽へ2分間ずつ浸漬し、総計6分間の剥離を行っ
た。剥離液としては、実施例1で剥離効果が最も優れて
いることがわかったモノエタノールアミンと化学構造の
類似した各種の一級アミンの剥離性能を調べた。
【0059】かかる試験に用いたアミノアルコールはモ
ノエタノールアミン(2−アミノ−1−エタノール)を
始めとして、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミ
ノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、
2−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタ
ノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、3−アミノ−
1,2−プロパンジオールなどである。
【0060】その結果、表3に示すように、モノエタノ
ールアミンの場合はクロムエッチングによって表面が変
質したレジスト(B)も、変質していないレジスト
(A)も、完全に剥離できることがわかった。モノエタ
ノールアミンより分子量の大きいアミノアルコールで
は、変質したレジストを剥離する場合にはわずかではあ
るが、数%程度の剥離残渣が発生するものの完全な剥離
に近いこともわかった。モノエタノールアミンより分子
量の大きいアミノアルコールの場合には処理時間を長く
することにより、剥離残渣を0%にできる。
【0061】
【表3】
【0062】かかる効果は、本発明にかかわる一級のア
ミノアルコールを剥離液として用いることによるもので
あることも明らかとなった。さらに、各種の一級のアミ
ノアルコールのなかでは、分子量の小さいものほどレジ
ストへの浸透性が高く、より短時間で、より低温で剥離
作業が完了できる傾向をもつこともわかった。
【0063】(実施例5)実施例1と同様な工程で次の
ように、剥離液の性能を調べた。具体的には、60℃に
加熱した、モノエタノールアミンを入れた3つの剥離液
槽を準備し、当該業者に周知の各種のエッチング処理を
施したレジストを有するガラス基板を、それぞれの槽へ
2分間ずつ浸漬し、総計6分間の剥離を行った。その結
果、表4に示すように、本発明の効果はクロムエッチン
グによるレジストの変質のみにとどまらず、Si、Si
N等の電子デバイスの加工に一般的に用いるドライエッ
チング処理で変質したレジストの剥離にも、極めて有効
であることがわかった。加えて、本発明の剥離液は、エ
ッチング処理にとどまらず、イオン注入等の作業によっ
て表層が変質したレジストの剥離にも有効であることも
わかった。
【0064】
【表4】
【0065】(実施例6)実施例1と同様な工程で次の
ように、剥離液性能の温度依存性を調べた。具体的に
は、一定温度に加熱した、新しい剥離液を入れた3つの
剥離液槽を準備し、クロムエッチングを終了したガラス
基板を、それぞれの槽へ2分間ずつ浸漬し、総計6分間
の剥離を行った。剥離液としては、実施例1で剥離効果
が最も優れていることがわかったモノエタノールアミン
を使用し、室温から150℃まで10℃毎の温度につい
て剥離処理を行った。
【0066】かかる結果から本発明の剥離液は、室温か
ら100℃を超える広い温度の範囲で著しい効果がある
ことがわかった。さらに、引火防止と蒸発により剥離液
が失われないためには、作業温度は低いことが好まし
く、かかる観点からは90℃以下が好ましく、さらに7
0℃以下が、より好ましいこともわかった。
【0067】一方、より短時間でレジストを剥離するに
は作業温度は高いことが好ましく、かかる観点からは3
0℃以上が好ましく、さらに40℃以上が、より好まし
いこともわかった。
【0068】(実施例7)本発明のレジスト剥離液をよ
り有効に利用する方法を提供するため、剥離液としてモ
ノエタノールアミンを用い、剥離液をスプレー式の剥離
装置で供給するスプレー剥離の効果を調べた。かかる方
法では、レジストの剥離を剥離液の持つ化学的な溶解力
に加え、スプレーによる流体力学的エネルギーを併用す
ることで、より効果的な剥離方法となることがわかっ
た。使用したレジスト剥離装置は図4に示すようなもの
で、60℃に温度調節(図中省略)したスプレー式剥離
槽7のドレインからポンプ8とフィルター9を介して剥
離液10をスプレーノズル11に導き、基板12上のレ
ジストに剥離液をスプレーする装置である。
【0069】かかる装置を用い、ポンプにより約1Kg
f/cm2に加圧した剥離液によるスプレー剥離では、
浸漬剥離に比較して、より短時間で剥離が完了した。す
なわち、図5に示すように、単に基板を静止した剥離液
に浸漬して剥離する方法では剥離に約3分以上の時間を
要したものが、スプレー剥離では驚くべき短時間の約1
分で剥離が完了することがわかった。
【0070】かかる結果は、剥離液の化学的な溶解力が
著しく高い本発明の剥離液を用いた結果、得られたもの
であり、決して自明な結果ではないことは強調されねば
ならない。何故ならば、表面の変質層を溶解する能力の
低い剥離液では、変質しない部分の溶解はスプレーによ
って促進できても、溶解しにくい剥離残渣を完全になく
すことはできないからである。
【0071】(実施例8)本発明のレジスト剥離液をよ
り有効に利用する方法を提供するため、剥離液としてモ
ノエタノールアミンを用い、剥離液に超音波を印加する
超音波剥離の効果を調べた。図6に示すような超音波式
剥離槽13中に60℃に温度調節(図中省略)した剥離
液10を満たし、槽底部に設置した超音波発振部14よ
り超音波を印加しつつ、基板12のレジストを剥離する
方法をとった。
【0072】かかる方法の効果は図5に示すように、レ
ジスト剥離に剥離液の持つ化学的な溶解力と超音波によ
る音響エネルギーを併用できるため、より効果的な剥離
方法であることがわかった。すなわち、44kHz、4
00Wの超音波発振槽中での超音波印加による剥離で
は、浸漬剥離、スプレー剥離に比較して、より短時間で
剥離が完了した。すなわち、浸漬剥離に約3分以上の時
間を要したものが、超音波剥離ではきわめて驚くべき短
時間の約30秒以下で剥離が完了することがわかった。
【0073】かかる結果についても、剥離液の化学的な
溶解力が著しく高い本発明の剥離液を用いた結果、得ら
れたものであり、決して自明な結果ではないことは、実
施例7の場合と同様に、強調されねばならない。
【0074】(実施例9)以上に述べた本発明の剥離液
を液晶ディスプレイ基板の製造に使用した例を以下に述
べる。200×270mmのガラス基板上に形成したT
FT(薄膜トランジスター)素子の形成、配線の形成工
程でのレジスト剥離を図7に示すような枚葉式のレジス
ト剥離装置15で試みた。該装置は基板(図示しない)
を剥離装置15に連続的に投入するためのローダー1
6、水平搬送、加温、循環フィルター、スプレーを備え
たスプレー剥離ユニット17、純水スプレー洗浄ユニッ
ト18、加熱乾燥ユニット19、アンローダー20を連
結した構成となっている。
【0075】各スプレー剥離ユニット17内に約50l
モノエタノールアミンを注入し、60℃に加熱してスプ
レー剥離に供した。TFT基板の製造工程で用いるクロ
ムやITO(Indium Tin Oxide)透明電極のウエットエ
ッチング、a−SiやSiNのドライエッチングを行な
ったレジストを該装置で剥離した後、基板上の剥離残渣
を調べたところ、いずれのエッチングの場合にも剥離残
渣は全くなく、完全に剥離できることを確認した。
【0076】この結果から、本発明のレジスト剥離液は
実用的に極めて高性能であり、液晶表示素子や半導体素
子の製造に適しているものであることがわかった。
【0077】(実施例10)実施例9でレジスト剥離に
供した本発明のレジスト剥離液を使用後にステンレス製
のタンク中に密閉し、剥離液を加熱し、発生した蒸気を
冷却器で凝集して、170℃で蒸留し、回収、再生し、
再びレジスト剥離に使用した。本発明のレジスト剥離液
は一成分であるため、蒸留による回収率は95%以上で
あり、再生したレジスト剥離液の性能は初期と全く変わ
らなかった。
【0078】かかる、簡単な方法で回収でき、回収後の
成分調整が不必要であることから、本発明のレジスト剥
離液がきわめて効果的な再生能力を有することを確認し
た。
【0079】
【比較例】本発明のレジスト剥離液と他の剥離溶剤の特
性比較を実施例1と同様な工程で剥離残渣を調べる方法
と、4μm厚のレジストを溶解するのに必要な時間を調
べる方法の2つの方法で比較した。剥離残渣は前に述べ
たようにエッチングで変質したレジストに対する剥離性
を調べることであり、溶解時間は剥離に必要な所要時間
を調べることに対応する。かかる項目について、沸点が
約150℃以上の高沸点溶剤で水に対する溶解度の大き
い極性溶剤の剥離性をアミノアルコールと比較した。剥
離条件はいずれも60℃であり、剥離残渣は各溶剤で6
分間剥離した後に測定した。
【0080】その結果は図8に示すようで、N−メチル
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカー
ボネートなどの非プロトン性溶剤やブチルセロソルブ、
ジプロピレングリコールメチルエーテル、乳酸ブチルな
どのプロトン性の各種の極性溶剤はレジスト溶解時間は
いずれも20乃至60secの範囲内であり、実用的な
剥離時間であるが、変質したレジストを6分間剥離した
後にも剥離残渣はいずれも100%であり、変質したレ
ジストの剥離には全く適していないことがわかった。ま
た、o−ジクロルベンゼンのような塩素系溶剤はレジス
ト溶解時間も著しく長く、全く実用的でない上、剥離残
渣も100%であった。
【0081】これに対し、本発明の剥離液であるアミノ
アルコールの代表としてモノエタノールアミン、イソプ
ロパノールアミンなどは4μm厚のレジストを溶解する
のに必要レジスト溶解時間が50乃至60secの実用
的な範囲内で、かつ剥離残渣もほとんど無くもしくは全
くなく、変質したレジストに対する剥離性もきわめて優
れたものであることがわかった。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、各
種のエッチングプロセスで変質したレジストまでもが完
全に剥離でき、次工程に残渣を残さないような極めて高
性能なレジスト剥離液とこれを用いたレジストの剥離方
法を提供できるので、液晶表示素子や半導体素子を極め
て歩留り良く製造することが可能となり、従来方法によ
る場合に比べ、格段に少ない価格で信頼性に優れた電子
装置が提供できるようになった。さらに本発明のレジス
ト剥離液はきわめて経済的に回収、再生することが可能
であるため、焼却廃棄等による環境への影響を著しく低
減できる利点をもあわせもっている。
【0083】かかる本発明の技術的、経済的、環境的な
効果には計り知れないものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離工程を表す図
【図2】剥離残渣率の求め方を示す図
【図3】アミノアルコール濃度の剥離残渣率に与える影
響を示すグラフ
【図4】スプレー式剥離装置の構成を示す図
【図5】剥離方法と残渣の関係を示すグラフ
【図6】超音波式剥離装置の構成を示す図
【図7】液晶ディスプレイ用レジスト剥離装置を表す図
【図8】アミノアルコールと他の溶剤を比較したグラフ
【符号の説明】
1……クロム薄膜 2……ガラス基板 3……フォトレジスト 4……変質層 5……剥離残渣 6……元のレジストの面積 7……スプレー式剥離槽 8……ポンプ 9……フィルター 10……剥離液 11……スプレーノズル 12……基板 13……超音波式剥離槽 14……超音波発振部 15……枚葉式レジスト剥離装置 16……ローダー 17……スプレー剥離ユニット 18……純水スプレー洗浄ユニット 19……加熱乾燥ユニット 20……アンローダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/06 H01L 21/30 572B 572A (72)発明者 轟 悟 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所 生産技術研究所 内 (72)発明者 岡 齊 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所 生産技術研究所 内 (72)発明者 小下 敏之 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (72)発明者 菊地 雅人 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (72)発明者 中谷 光雄 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (72)発明者 月井 教男 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (56)参考文献 特開 昭63−163352(JP,A) 特開 昭62−95531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/42 C09D 9/00 C23F 1/00 H01L 21/027 H01L 21/3065 H05K 3/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属クロム用エッチング液によるウエット
    エッチング処理、ドライエッチング処理、又は、酸素プ
    ラズマによるアッシング処理により表面が変質すること
    により形成された変質層を備えるノボラック系ポジ型フ
    ォトレジストを、 一級アミノ基を有する脂肪族アミノアルコールを95〜
    100重量%の濃度で含むレジスト剥離液を用いて除去
    する工程を備えることを特徴とするレジスト剥離方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレジスト剥離方法におい
    て、 前記一級アミノ基を有する脂肪族アミノアルコールが、 アミノエタノール又はアミノプロパノールであることを
    特徴とするレジスト剥離方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のレジスト剥離方法におい
    て、 使用済みの前記レジスト剥離液を蒸留して回収すること
    を特徴とするレジスト剥離方法。
  4. 【請求項4】基板上にからなる薄膜を形成する工程と、 前記薄膜上に所定のパターンをノボラック系ポジ型フォ
    トレジストで形成する工程と、 前記薄膜の露出部分を、金属クロム用エッチング液を用
    いたウエットエッチング処理、シリコンもしくはシリコ
    ン化合物のドライエッチング処理、又は、酸素プラズマ
    によるアッシング処理により除去する工程と、 前記レジストを、請求項1記載の方法により剥離する工
    程とを備えることを特徴とする薄膜回路素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の薄膜回路素子の製造方法に
    おいて、 上記薄膜は、クロム膜、アルミニウム膜、ITO透明導
    電膜、シリコン膜又は 窒化シリコン膜であることを特徴
    とする薄膜回路素子の製造方法。
  6. 【請求項6】金属クロム用エッチング液によるウエット
    エッチング処理、シリコンもしくはシリコン化合物のド
    ライエッチング処理、又は、酸素プラズマによるアッシ
    ング処理により表面が変質することにより形成された変
    質層を備えるノボラック系ポジ型フォトレジストを除去
    するための剥離液であって、 一級アミノ基を有する脂肪族アミノアルコールを95〜
    100重量%の濃度で含むことを特徴とするレジスト剥
    離液。
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