JP3095042B2 - 鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の製造法 - Google Patents

鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の製造法

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JP3095042B2 JP04179115A JP17911592A JP3095042B2 JP 3095042 B2 JP3095042 B2 JP 3095042B2 JP 04179115 A JP04179115 A JP 04179115A JP 17911592 A JP17911592 A JP 17911592A JP 3095042 B2 JP3095042 B2 JP 3095042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い保磁力とより大き
な飽和磁化を有するとともに酸化安定性に優れている鉄
を主成分とする針状金属磁性粒子粉末を提供することを
目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ用、オーディオ用の磁気記
録再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が激化してお
り、特に、昨今におけるVTR(ビデオ・テープ・レコ
ーダー)の普及は目覚ましく、長時間記録化並びに小型
軽量化を目指したVTRの開発が盛んに行われている。
一方においては、磁気記録媒体である磁気テープに対す
る高性能化、高密度記録化の要求が益々高まってきてい
る。
【0003】即ち、磁気記録媒体の高画像画質、高出力
特性、殊に、周波数特性の向上が要求される。磁気記録
媒体に対する上記のような要求を満足させる為に適した
磁性粒子粉末の特性は、高い保磁力と大きな飽和磁化と
を有することである。
【0004】近年、高出力並びに高密度記録に適する磁
性粒子粉末、即ち、高い保磁力と大きな飽和磁化とを有
する磁性粒子粉末の開発が盛んであり、そのような特性
を有する磁性粒子粉末とした針状ゲータイト粒子又は針
状ヘマタイト粒子を出発原料とし、該出発原料を還元性
ガス中で加熱還元することにより得られる鉄を主成分と
する針状金属磁性粒子粉末が知られており実用化がなさ
れている。
【0005】鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の
保磁力は、粒子の形状、特に軸比(長軸径/短軸径)に
依存しており、軸比(長軸径/短軸径)が大きくなる程
保磁力が高くなる傾向にあり、また、飽和磁化は、還元
温度を高くして還元を進める程大きくなる傾向にある。
還元の進行にともなって飽和磁化は向上するが、一方、
粒子の形状がくずれて保磁力が低下するというように両
者は逆の相関関係にある為、高い保磁力と大きな飽和磁
化をともに備えた鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉
末が強く要求されている。
【0006】上述した通り、鉄を主成分とする針状金属
磁性粒子粉末は、高い保磁力と大きな飽和磁化とを有す
るものであるが、磁気記録媒体用に使用される鉄を主成
分とする針状金属磁性粒子粉末は1μm以下の非常に微
細な粒子である為、粒子の表面活性が非常に大きく、還
元後に空気中に取り出すと、空気中の酸素と急激に反応
し、発熱発火するという極めて不安定なものである。そ
の結果、上記酸化反応により酸化物になってしまう為、
大幅な磁気特性、殊に、飽和磁化の減少をきたし、目的
とする大きな飽和磁化を有する鉄を主成分とする針状金
属磁性粒子粉末を得ることができなくなる。
【0007】従って、飽和磁化の大きい鉄を主成分とす
る針状金属磁性粒子粉末を得る為には、先ず、出発原料
を還元して得られる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子
粉末の飽和磁化が出来るだけ大きいことが必要であり、
次に、還元後の鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末
を空気中に取り出した時酸化に対して安定であることに
よって飽和磁化の低下が出来るだけ小さいことが要求さ
れる。
【0008】上述した通り、高い保磁力とより大きな飽
和磁化を有するとともに酸化安定性に優れている鉄を主
成分とする針状金属磁性粒子粉末は、現在、最も要求さ
れているところであり、出発原料の種類、加熱処理工程
における出発原料粒子の粒子形状の保持継承や鉄を主成
分とする針状金属磁性粒子粉末の空気中への取り出し技
術に関し、種々の検討が試みられている。
【0009】従来、出発原料であるゲータイト粒子粉末
を製造する方法としては、第一鉄塩水溶液に当量以上
の水酸化アルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄
コロイドを含む懸濁液をpH11以上にて80℃以下の
温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことによ
り針状ゲータイト粒子を生成させる方法(特公昭39−
5610号公報)、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水
溶液とを反応させ得られたFeCO3 を含む懸濁液に酸
素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘状
を呈したゲータイト粒子を生成させる方法(特開昭50
−80999号公報)及び第一鉄塩水溶液に当量以下
の水酸化アルカリ水溶液や炭酸アルカリ水溶液を添加し
て得られる水酸化第一鉄コロイド又は炭酸鉄を含む第一
鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うこ
とにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該
針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、第一鉄
塩水溶液中のFe2+量に対し当量以上の水酸化アルカリ
水溶液を添加した後酸素含有ガスを通気して前記針状ゲ
ータイト核粒子を成長させる方法(特開昭59−487
66号公報、特開昭59−128293号公報、特開昭
59−128294号公報、特開昭59−128295
号公報、特開昭60−21818号公報、特開平1−1
15827号公報)等が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】高い保磁力とより大きな飽和磁化を有する
とともに酸化安定性に優れている鉄を主成分とする針状
金属磁性粒子粉末は、現在最も要求されているところで
あるが、前出〜の各方法によって得られるゲータイ
ト粒子を用い、常法により得られた鉄を主成分とする針
状金属磁性粒子粉末は、高い保磁力を有するものではあ
るが、より大きな飽和磁化を有するとともに酸化安定性
に優れているものとは言い難いものであった。
【0012】そこで、本発明は、高い保磁力とより大き
な飽和磁化を有するとともに酸化安定性に優れている鉄
を主成分とする針状金属磁性粒子粉末を得ることを技術
的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通り本発明によって達成できる。即ち、本発明は、第一
鉄塩水溶液とアルカリ性水溶液とを反応させて得られた
pH11以上の水酸化第一鉄を含む懸濁液中に酸素含有
ガスを通気することによりゲータイト粒子を生成させる
にあたり、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ性水溶液
及び酸素含有ガスを通気する前の前記水酸化第一鉄を含
む懸濁液のいずれかの溶液に種結晶として長軸径が0.
21〜0.33μmであって、軸比(長軸径/短軸径)
が15以上である亜鉛を含有する紡錘状を呈したゲータ
イト粒子を存在させ、且つ、全鉄に対しSi/Fe換算
で0.2〜5.0原子%のSi化合物を添加した後、酸
素含有ガスを通気して前記種結晶を成長させることによ
長軸径が0.22〜0.35μmであって、軸比(長
軸径/短軸径)が13〜16である針状ゲータイト粒子
を生成させ、次いで、該針状ゲータイト粒子又は該針状
ゲータイト粒子を加熱脱水して得られた針状ヘマタイト
粒子を焼結防止剤で被覆処理した後、これら粒子又はこ
れら粒子を300〜700℃で加熱処理して得られた針
状ヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して長軸径
が0.2〜0.33μmであって、軸比(長軸径/短軸
径)が12〜15である鉄を主成分とする針状金属磁性
粒子を得ることからなる鉄を主成分とする針状金属磁性
粒子粉末の製造法である。
【0014】次に、本発明方法実施にあたっての諸条件
について述べる。
【0015】本発明における第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用すること
ができる。
【0016】本発明におけるアルカリ性水溶液として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用するこ
とができる。
【0017】本発明において使用する長軸径が0.21
〜0.33μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が1
5以上である紡錘状を呈したゲータイト粒子は、次の方
法により得ることができる。
【0018】即ち、長軸径が0.21〜0.33μmで
あって、軸比(長軸径/短軸径)が15以上である亜鉛
を含有する紡錘状を呈したゲータイト粒子は、炭酸アル
カリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られたF
eCO3 を含む水溶液を非酸化性雰囲気下において熟成
した後、該FeCO3 を含む懸濁液中に酸素含有ガスを
通気して酸化することにより紡錘状を呈したゲータイト
粒子粉末を生成させる方法において、前記炭酸アルカリ
水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液中のFeに対し1.5
〜3.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟成
温度を40〜60℃、熟成時間を50〜100分間と
し、且つ、前記炭酸アルカリ水溶液、前記第一鉄塩水溶
液、前記FeCO3 を含む水溶液及び酸素含有ガスを通
気して酸化する前の前記熟成を行わせているFeCO3
を含む懸濁液のいずれかに、あらかじめ亜鉛化合物を存
在させておくことにより得ることができる。
【0019】上記製造法において炭酸アルカリ水溶液に
対し1〜50%の水酸化アルカリ水溶液を添加して、炭
酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水溶液の総和量が
第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し1.1〜2.5倍当量
とすることにより省資源、省エネルギーの反応が可能と
なり、この場合にも同様に長軸径が0.21〜0.33
μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が15以上であ
る亜鉛を含有する紡錘状を呈したゲータイト粒子を得る
ことができる。
【0020】上記製造法において使用される第一鉄塩水
溶液としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等
がある。
【0021】上記製造法において使用される炭酸アルカ
リ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸アンモニウム等の水溶液を使用することができる。
【0022】上記製造法において使用する炭酸アルカリ
水溶液の量は、第一鉄塩水溶液中のFeに対し1.5〜
3.5倍当量である。1.5倍当量未満の場合には、得
られる紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末の粒度が不均
斉となり、また、粒子相互がからみあって凝集粒子を構
成し、分散性の悪いものとなる。3.5倍当量を越える
場合には、添加量の増加に伴って軸比(長軸径/短軸
径)が小さくなる傾向にあり、軸比(長軸径/短軸径)
の大きい紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末が得られに
くくなり、また、高価な炭酸アルカリ水溶液の使用量が
多くなり、経済的ではない。
【0023】上記製造法における熟成は、N2 ガス等の
不活性ガスを液中に通気することにより不活性雰囲気下
において行い、また、当該通気ガスや機械的操作等によ
り攪拌しながら行う。
【0024】上記製造法における炭酸アルカリ水溶液を
単独で使用する場合の熟成温度は40〜60℃である。
40℃未満の場合には、軸比(長軸径/短軸径)が小さ
くなり、軸比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘状を呈し
たゲータイト粒子粉末が得られない。60℃を越える場
合でも、軸比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘状を呈し
たゲータイト粒子粉末を得ることができるが、必要以上
に熟成温度を上げる意味がない。
【0025】炭酸アルカリ水溶液とともに水酸化アルカ
リ水溶液を併用する場合の懸濁液の熟成温度は30〜6
0℃である。
【0026】上記製造法における炭酸アルカリ水溶液を
単独で使用する場合の懸濁液の熟成時間は、50〜10
0分間である。50分未満の場合には、軸比(長軸径/
短軸径)の大きい紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末を
得ることができない。100分を越える場合にも軸比
(長軸径/短軸径)の大きい紡錘状を呈したゲータイト
粒子粉末を得ることができるが必要以上に長時間とする
意味がない。
【0027】炭酸アルカリ水溶液とともに水酸化アルカ
リ水溶液を併用する場合の熟成時間は、10〜100分
間である。
【0028】上記製造法における亜鉛化合物は、硫酸亜
鉛、塩化亜鉛等を用いることができる。
【0029】亜鉛化合物の存在量は、第一鉄塩水溶液中
のFeに対しZn換算で0.3〜10.0原子%であ
る。0.3原子%未満である場合には、軸比(長軸径/
短軸径)が大きな紡錘状を呈したゲータイト粒子を得る
ことができない。10.0原子%を越える場合にも、軸
比(長軸径/短軸径)が大きな紡錘状を呈したゲータイ
ト粒子を得ることができるが、このゲータイト粒子を用
いて得られた鉄を主成分とする針状金属磁性粒子の磁化
値が低下する。紡錘状を呈したゲータイト粒子の軸比
(長軸径/短軸径)を考慮した場合、0.5〜8.0原
子%が好ましい。
【0030】添加した亜鉛化合物は、ほぼ全量が生成す
る紡錘状を呈したゲータイト粒子中に含有される。亜鉛
化合物は、生成する紡錘状を呈したゲータイト粒子の軸
比(長軸径/短軸径)に関するものであるから、FeC
3 を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化する
前に存在させておくことが必要であり、従って、その添
加時期は、炭酸アルカリ水溶液、第一鉄塩水溶液、Fe
CO3 を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気する前の熟
成を行わせているFeCO3 を含む懸濁液のいずれかで
あり、熟成を行わせているFeCO3 を含む懸濁液に添
加するのが最も効果的である。
【0031】上記製造法の酸化時における反応温度は、
40〜70℃である。40℃未満である場合には、紡錘
状を呈したゲータイト粒子粉末を得ることができない。
70℃を越える場合には、紡錘状を呈したゲータイト粒
子中に粒状ヘマタイト粒子粉末が混在してくる。
【0032】上記製造法におけるpHは7〜11であ
る。7未満、又は11を越える場合には、紡錘状を呈し
たゲータイト粒子を得ることができない。
【0033】上記製造法において、炭酸アルカリ水溶液
とともに水酸化アルカリ水溶液を併用する場合の水酸化
アルカリの添加量は、炭酸アルカリに対し規定換算で1
〜50%である。1%未満の場合には、省資源、省エネ
ルギーの反応が困難である。50%を越える場合には、
紡錘状を呈したゲータイト粒子中に粒状を呈したマグネ
タイト粒子が混在してくる。
【0034】上記製造法において使用する炭酸アルカリ
水溶液及び水酸化アルカリ水溶液の総和量は、第一鉄塩
水溶液中のFeに対し1.1〜2.5倍当量であり、鉄
に対するアルカリ性水溶液の使用割合を少なくすること
が可能である。1.1倍当量未満の場合には、紡錘形を
呈したゲータイト粒子中に粒状を呈したマグネタイト粒
子が混在してくる。2.5倍当量を越える場合には、高
価なアルカリの使用量か多くなり、経済的ではない。
【0035】本発明における長軸径が0.21〜0.3
μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が15以上で
ある亜鉛を含有する紡錘状を呈したゲータイト粒子の存
在量は、生成する針状ゲータイト粒子に対し、30〜7
0重量%である。30重量%未満の場合には、ゲータイ
ト粒子の新たな核が発生することによって樹枝状粒子が
生成し、また、生成するゲータイト粒子の分布が悪くな
る。70重量%を越える場合には、種結晶である紡錘状
を呈した粒子の成長反応が十分生起せず、軸比(長軸径
/短軸径)の大きい針状ゲータイト粒子粉末が得られな
い。
【0036】紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末の存在
時期は、ゲータイトの成長反応が開始する前であればよ
く、第一鉄塩水溶液、アルカリ性水溶液、酸素含有ガス
を通気する前の水酸化第一鉄を含む懸濁液のいずれに存
在させてもよい。また、紡錘状を呈したゲータイト粒子
粉末が生成されている反応母液をそのまま用い、該反応
母液中に第一鉄塩水溶液及びアルカリ性水溶液を添加し
て成長反応を行ってもよい。
【0037】本発明における成長反応時におけるpHは
11以上である。pHが11未満の場合には、紡錘状を
呈したゲータイト粒子が相似形に成長するのみで軸比
(長軸径/短軸径)が大きい針状ゲータイト粒子は得ら
れない。
【0038】本発明におけるSi化合物としては、水ガ
ラス、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム、コロイダルシリ
カ等が使用できる。
【0039】Si化合物の添加量は全鉄に対しSi/F
e換算で0.2〜5.0原子%である。0.2原子%未
満の場合には、軸比(長軸径/短軸径)を大きくするこ
とが困難となる。5.0原子%を越える場合には、生成
した針状ゲータイト粒子を出発原料として得られた鉄を
主成分とする針状金属磁性粒子粉末の飽和磁化値が低下
し、好ましくない。
【0040】本発明における酸化手段は、酸素含有ガス
(例えば空気)を液中に通気することにより行う。
【0041】Si化合物の添加時期は、ゲータイト粒子
の成長反応が開始する前であればよく、第一鉄塩水溶
液、アルカリ性水溶液、酸素含有ガスを通気する前の水
酸化第一鉄を含む懸濁液のいずれに存在させてもよい。
【0042】尚、本発明において、鉄を主成分とする針
状金属磁性粒子粉末の諸特性の向上の為、ゲータイト粒
子の生成反応中に通常添加されるCo化合物、Ni化合
物、Al化合物、P化合物、Si化合物等の1種又は2
種以上を種結晶の成長反応中に添加しておいてもよく、
この場合にも目的とする針状ゲータイト粒子粉末を得る
ことができる。
【0043】本発明においては、出発原料粒子を、加熱
還元処理に先立って周知の方法により、焼結防止効果を
有する物質、即ち、焼結防止剤によって、あらかじめ被
覆しておくことにより粒子及び粒子相互間の焼結が防止
され、出発原料粒子の粒子形状及び軸比(長軸径/短軸
径)をより一層保持継承しやすくなり、個々に独立した
鉄を主成分とする針状金属磁性粒子が得られやすくな
る。
【0044】焼結防止剤としては、周知の通り、Ni化
合物、Al化合物、Si化合物、P化合物、Co化合
物、Mg化合物、B化合物及びZn化合物から選ばれる
化合物の1種または2種以上を使用することができる。
これらの化合物は焼結防止効果を有するだけでなく、還
元速度を制御する働きも有するので、必要に応じて組み
合わせて使用すればよい。
【0045】上記化合物で被覆処理を施した出発原料
は、そのまま還元しても目的とする鉄を主成分とする金
属磁性粒子粉末を得ることができるが、磁気特性、粉体
特性のコントロール及び形状のコントロールの為には、
常法により、還元に先立って、あらかじめ、非還元性ガ
ス雰囲気中において加熱処理を施しておくことが好まし
い。
【0046】上記非還元性ガス雰囲気中における加熱処
理は、空気、酸素ガス、窒素ガス流下、300〜800
℃の温度範囲で行うことができ、該加熱処理温度は、出
発原料粒子の被覆処理に用いた化合物の種類に応じて適
宜選択することがより好ましい。800℃を越える場合
には、粒子の変形と粒子及び粒子相互間の焼結を引き起
こしてしまう。
【0047】本発明における加熱還元の温度範囲は、3
00〜550℃が好ましい。300℃未満である場合に
は、還元反応の進行が遅く、長時間を要する。また、5
50℃を越える場合には、還元反応が急激に進行して粒
子変形と、粒子及び粒子相互間の焼結を引き起こしてし
まう。
【0048】本発明における加熱還元後の鉄を主成分と
する金属磁性粒子粉末は周知の方法、例えば、トルエン
等の有機溶剤中に浸漬する方法及び還元後の鉄を主成分
とする金属磁性粒子粉末の雰囲気を一旦不活性ガスに置
換した後、不活性ガス中の酸素含有量を徐々に増加させ
ながら最終的に空気とすることによって徐酸化する方法
等により空気中に取り出すことができる。
【0049】
【作用】
【0050】先ず、本発明において最も重要な点は、第
一鉄塩水溶液とアルカリ性水溶液とを反応させて得られ
たpH11以上の水酸化第一鉄を含む懸濁液中に酸素含
有ガスを通気することによりゲータイト粒子を生成させ
るにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ性水溶
液及び酸素含有ガスを通気する前の前記水酸化第一鉄を
含む懸濁液のいずれかの溶液に種結晶として長軸径が
0.05〜0.8μmであって、軸比が15以上である
亜鉛を含有する紡錘状を呈したゲータイト粒子を存在さ
せ、且つ、全鉄に対しSi/Fe換算で0.2〜5.0
原子%のSi化合物を添加した後、酸素含有ガスを通気
して前記種結晶を成長させ、該針状ゲータイト粒子又は
該針状ゲータイト粒子を加熱処理して得られた針状ヘマ
タイト粒子を出発原料粒子として常法により得られた鉄
を主成分とする針状金属磁性粒子は、高い保磁力とより
大きな飽和磁化を有するとともに酸化安定性に優れてい
るという事実である。
【0051】本発明において、高い保磁力とより大きな
飽和磁化を有するとともに酸化安定性に優れている鉄を
主成分とする針状金属磁性粒子粉末が得られる理由につ
いて、本発明者は、後出比較例に示す通り、種結晶とし
て特定の紡錘状を呈したゲータイト粒子を用いなかった
場合、紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末の成長反応に
おいてSi化合物を添加しなかった場合、成長反応にお
いてSi化合物を添加することなく種結晶である特定の
紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末中にのみSiを含有
させた場合のいずれの場合にも、本発明の目的とする鉄
を主成分とする金属磁性粒子粉末が得られないことか
ら、種結晶として特定の紡錘状を呈したゲータイト粒子
粉末を用いるとともに、該特定ゲータイト粒子の成長反
応とSi化合物との相乗効果によるものと考えている。
【0052】
【実施例】
【0053】次に、実施例並びに比較例により、本発明
を説明する。尚、前出実施例、以下の実施例並びに比較
例における粒子の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、
いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示
した。
【0054】鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の
磁気特性及び塗膜特性は、「振動試料磁力計VSM−3
S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場1
0KOeまでかけて測定した。
【0055】<種結晶の生成> 実施例1〜5、比較例1; 実施例1 毎秒3.4cmの割合でN2 ガスを流すことによって非
酸化性雰囲気に保持された反応容器中に、1.35mo
l/lのNa2 CO3 水溶液30 lを添加した後、F
2+ 1.35mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液15
lを添加、混合(Na2 CO3 量は、Feに対し2.
0倍当量に該当する。)し、温度47℃においてFeC
3 の生成を行った。
【0056】上記FeCO3 を含む水溶液中に、引き続
きN2 ガスを毎秒3.4cmの割合で吹き込みながら、
温度47℃で60分間保持し、次いで、Feに対しZn
3.0原子%を含むように硫酸亜鉛水溶液5.0 l
を添加した後、更に10分間保持した。熟成後のFeC
3 を含む懸濁液中に、温度47℃におい毎秒2.8c
mの空気を6.0時間通気して黄褐色沈澱粒子を生成さ
せた。尚、空気通気中におけるpHは8.5〜9.5で
あった。黄褐色沈澱粒子は、常法により、濾別、水洗、
乾燥、粉砕した。
【0057】得られた黄褐色粒子粉末は、X線回折の結
果、ゲータイトであり、図1に示す電子顕微鏡写真(×
40000)から明らかな通り、平均値で長軸径0.2
9μm、軸比(長軸径/短軸径)17の紡錘状を呈した
粒子からなり、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないも
のであった。また、亜鉛含有量は、Feに対しZn3.
0原子%であった。
【0058】実施例2〜5、比較例1 FeCO3 の生成反応における炭酸アルカリの種類、濃
度及び使用量、水酸化アルカリ使用の有無、種類、濃度
及び使用量、Fe2+水溶液の種類、濃度及び使用量、温
度、熟成工程における温度及び時間、Zn化合物の種
類、添加量及び添加時期並びに酸化工程における温度、
空気流量及び反応時間を種々変化させた以外は、実施例
1と同様にして紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末を得
た。
【0059】この時の主要製造条件及び諸特性を表1及
び表2に示す。尚、比較例1における種結晶の生成は、
ゲーイトの生成反応中に、3号水ガラス(SiO2
8.55重量%)42.5g(Si/Fe=1.0原子
%)を添加し、全鉄に対しSi/Fe換算で0.5原子
%のSiを含有させた。
【0060】<針状ゲータイト粒子粉末の製造法> 実施例6〜10、比較例2〜5; 実施例6 Fe2+1.5mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液13.
3 lをあらかじめ、反応器中に準備された16.4−
NのNaOH水溶液6.7 lに加え、pH13.5、
温度41℃において水酸化第一鉄粒子の生成を行なっ
た。
【0061】上記水酸化第一鉄粒子を含む水溶液に、実
施例1で得られた長軸0.29μm、軸比(長軸径/短
軸径)17の紡錘状を呈したゲータイト粒子1780g
(生成針状ゲータイトに対し、50重量%に該当す
る。)及び3号水ガラス(SiO2 28.55重量
%)21.05g(Si/Fe=0.5原子%)を添加
して攪拌混合した後、温度41℃において毎分150
lの空気を2.0時間通気して前記紡錘状を呈したゲー
タイトの成長反応を行った。
【0062】酸化反応の終点は、反応液の一部を抜き取
り、塩酸酸性に調節した後、赤血塩溶液を用いてFe2+
の青色呈色反応の有無で判定した。
【0063】生成粒子は、常法により、濾別、水洗、乾
燥、粉砕した。得られた針状ゲータイト粒子粉末は、図
2に示す電子顕微鏡写真(×30000)に示す通り、
長軸0.33μm、軸比(長軸径/短軸径)14であっ
た。
【0064】実施例7〜10、比較例2〜3 紡錘状を呈したゲータイト粒子の種類及び存在量、第一
鉄塩水溶液の種類及び濃度、水酸化アルカリ水溶液の種
類及び濃度、Si化合物の有無及び添加量、添加金属塩
の有無、種類及び量並びにゲータイトの成長反応におけ
る温度を種々変化させた以外は実施例6と同様にしてゲ
ータイトの成長反応を行った。この時の主要製造条件を
表3に示す。
【0065】比較例2及び3で得られたゲータイト粒子
は、電子顕微鏡観察の結果、いずれも短冊状であった。
比較例3で得られたゲータイト粒子の電子顕微鏡写真
(×30000)を図3に示す。
【0066】比較例4(前出の方法に該当する。) Fe2+0.60mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液25
lをあらかじめ、反応器中に準備された5.2−Nの
NaOH水溶液25 lに加え、pH13.3、温度4
5℃において水酸化第一鉄粒子の生成を行った。
【0067】上記水酸化第一鉄粒子を含む水溶液に、温
度35℃において毎分150 lの空気を12時間通気
してゲータイトの生成反応を行った。酸化反応の終点
は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性に調節した後、
赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の有無で判定
した。生成粒子は、常法により、濾別、水洗、乾燥、粉
砕した。
【0068】得られた針状ゲータイト粒子粉末は、図4
に示す電子顕微鏡写真(×30000)から明らかな通
り、長軸0.16μm、軸比(長軸径/短軸径)6であ
り、樹枝状粒子が混在しており、粒度不均斉なものであ
った。
【0069】比較例5(前出のうち、特開平1−11
5827号公報に記載の方法に該当する。) 毎秒3.4cmの割合でN2 ガスを流すことによって非
酸化性雰囲気に保持された反応容器中に、1.09mo
l/lのNa2 CO3 水溶液36.7 lを添加(Na
2 CO3 量は、Feに対し2.0倍当量に該当する。)
した後、Fe2+1.5mol/lを含む硫酸第一鉄水溶
液13.3 lを添加、混合(Fe2+濃度は0.4mo
l/lに該当する。)し、温度45℃において第一鉄を
含む沈澱物を生成した。
【0070】上記第一鉄を含む沈澱物からなる懸濁液中
に、引き続きN2 ガスを毎秒3.4cmの割合で吹き込
みながら、温度47℃で120分間保持した後、当該第
一鉄を含む沈澱物からなる懸濁液中に、温度47℃にお
いて毎秒4.5cm/秒の空気を5.5時間通気して黄
褐色沈澱粒子を生成させた。尚、空気通気中におけるp
Hは8.5〜10.0であった。黄褐色沈澱粒子は、常
法により、濾別、水洗、乾燥、粉砕した。
【0071】得られた黄褐色粒子粉末は、X線回折の結
果、ゲータイトであり、図5に示す電子顕微鏡写真(×
30000)から明らかな通り、平均値で長軸径0.3
0μm、軸比(長軸径/短軸径)9の紡錘状を呈した粒
子であった。
【0072】<鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末
の製造> 実施例11〜16、比較例6〜9; 実施例11 実施例6で得られた濾別、水洗した針状ゲータイト粒子
1000gに相当する量のプレスケーキを30 lの水
中に懸濁させた。この時の懸濁液のpHは9.4であっ
た。次いで、上記懸濁液にゲータイトに対し18.0重
量%となるようにAl(NO3 3 ・9H2 Oを180
g添加して20分間攪拌した。この時の懸濁液のpHは
4.15であった。
【0073】次いで、アンモニア水を添加してpHを
9.5に調整した後、フィルタープレスして濾別し、乾
燥してAl化合物が被覆されたゲータイトを得た。得ら
れたゲータイト中のAlの含有量は、Alとして1.1
wt%であった。
【0074】上記Alが被覆された針状ゲータイト粒子
粉末800gを空気中350℃で加熱処理してAl化合
物が被着されている針状ヘマタイト粒子粉末を得た。こ
のAl化合物が被覆された針状ヘマタイト粒子粉末10
0gを約10 lの容積の回転レトルト還元容器に投入
し、駆動回転させながらH2 ガスを毎分50 lの割合
で通気し、還元温度410℃で還元した。
【0075】還元して得られたAlを含有する鉄を主成
分とする金属磁性粒子粉末は、空気中に取り出した時急
激な酸化を起こさないように、トルエン液中に浸漬して
取り出した。一部を取り出し、トルエンを蒸発させなが
ら表面に安定な酸化被膜を形成した。
【0076】このAlを含有する鉄を主成分とする金属
磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均長軸0.
31μm、軸比(長軸径/短軸径)13であり、粒度が
均斉で樹枝状粒子の少ないものであった。磁気特性は、
保磁力Hc 1560 Oe、飽和磁化σs 173.
1emu/gであった。また、X線回折ピークから求め
た結晶子サイズD110 =210Åであった。
【0077】実施例12 実施例6で得られた濾別、水洗した針状ゲータイト粒子
1000gに相当する量のプレスケーキを30 lの水
中に懸濁させた。この時の懸濁液のpHは9.3であっ
た。次いで、上記ゲータイト分散懸濁液にケイ酸ソーダ
(3号水ガラス)100gを添加し、30分間攪拌し
た。更に、上記ゲータイト分散懸濁液にアルミン酸ソー
ダ溶液150gを含有した水溶液を添加し20分攪拌し
た。
【0078】次いで、該懸濁液のpHが6.0となるよ
うに10%濃度の酢酸を添加した後、濾別、水洗して不
要な塩を除去した。該濾別、水洗したゲータイトプレス
ケーキを乾燥し、Si化合物及びAl化合物で被覆され
たゲータイト粒子を得た。得られたゲータイト中のSi
及びAl含有量はそれぞれSiはSiO2 として2.5
wt%、Alは4.1wt%であった。
【0079】上記Si及びAlが被覆された針状ゲータ
イト粒子粉末800gを空気中350℃で加熱処理して
Si化合物及びAl化合物が被覆されている針状ヘマタ
イト粒子粉末を得た。このSi化合物及びAl化合物が
被覆されている針状ヘマタイト粒子粉末100gを約1
0 lの容積の回転レトルト還元容器に投入し、駆動回
転させながらH2 ガスを毎分50 lの割合で通気し、
還元温度380℃で還元した。
【0080】還元して得られたSi及びAlを含有する
鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末は、空気中に取り出
した時急激な酸化を起こさないように、トルエン液中に
浸漬して取り出した。一部を取り出し、トルエンを蒸発
させながら表面に安定な酸化被膜を形成した。
【0081】このSi及びAlを含有する鉄を主成分と
する金属磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均
長軸0.32μm、軸比(長軸径/短軸径)13であっ
た。また、磁気特性は、保磁力Hc 1575 Oe、
飽和磁化σs 172.8emu/gであった。
【0082】実施例14〜16、比較例6〜7 被処理粒子の種類、被覆物の種類及び添加量、加熱温度
及び雰囲気、還元加熱工程における還元温度及び水素流
量を種々変化させて、実施例11と同様の方法で鉄を主
成分とする針状金属磁性粒子粉末を得た。この時の主要
製造条件を表3に示す。
【0083】実施例13、比較例8、9 被処理粒子の種類、被覆物の種類及び添加量、加熱温度
及び雰囲気、還元加熱工程における還元温度及び水素流
量を種々変化させて、実施例12と同様の方法で鉄を主
成分とする針状金属磁性粒子粉末を得た。この時の主要
製造条件を表3に示す。
【0084】<塗膜の製造> 実施例17〜22、比較例10〜13; 実施例17 実施例11で得られたAlを含有する鉄を主成分とする
針状金属磁性粒子粉末を用いて、適量の分散剤、塩ビ酢
ビ共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂及びトルエン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンからなる
混合溶剤を一定の組成に配合した後、ペイントコンテデ
ィショナーで9時間混合分散して磁気塗料とした。得ら
れた磁気塗料に上記混合溶剤を加え適性な塗料粘度にな
るように調整し、ポリエステルフィルム上に通常の方法
で塗布しながら2850Gaussの磁場内で走行配向
し、乾燥させて塗布膜を製造した。この塗布膜はVSM
により外部磁場10KOeの下で測定した結果、保磁力
Hcは1535 Oe、残留磁束密度Brは3690G
auss、角型Br/Bmは0.82であった。
【0085】実施例18〜22、比較例10〜13 鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の種類を種々変
化させた以外は、実施例17と全く同様にして塗布膜を
製造した。この塗布膜の諸特性を表4に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【発明の効果】本発明に係る鉄を主成分とする針状金属
磁性粒子粉末の製造法によれば、前出実施例に示した通
り、高い保磁力とより大きな飽和磁化を有するとともに
酸化安定性に優れている鉄を主成分とする針状金属磁性
粒子粉末を得ることが出来るので、高記録密度、高感
度、高出力用磁性粒子粉末として好適である。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた種結晶である紡錘形を呈し
たゲータイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
(×40000)である。
【図2】実施例6で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図3】比較例3で得られた短冊状を呈したゲータイト
粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3000
0)である。
【図4】比較例4で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図5】比較例5で得られた紡錘状を呈したゲータイト
粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3000
0)である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一鉄塩水溶液とアルカリ性水溶液とを
    反応させて得られたpH11以上の水酸化第一鉄を含む
    懸濁液中に酸素含有ガスを通気することによりゲータイ
    ト粒子を生成させるにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前
    記アルカリ性水溶液及び酸素含有ガスを通気する前の前
    記水酸化第一鉄を含む懸濁液のいずれかの溶液に種結晶
    として長軸径が0.21〜0.33μmであって、軸比
    (長軸径/短軸径)が15以上である亜鉛を含有する紡
    錘状を呈したゲータイト粒子を存在させ、且つ、全鉄に
    対しSi/Fe換算で0.2〜5.0原子%のSi化合
    物を添加した後、酸素含有ガスを通気して前記種結晶を
    成長させることにより長軸径が0.22〜0.35μm
    であって、軸比(長軸径/短軸径)が13〜16である
    針状ゲータイト粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータ
    イト粒子又は該針状ゲータイト粒子を加熱脱水して得ら
    れた針状ヘマタイト粒子を焼結防止剤で被覆処理した
    後、これら粒子又はこれら粒子を300〜800℃で加
    熱処理して得られた針状ヘマタイト粒子を還元性ガス中
    で加熱還元して長軸径が0.2〜0.33μmであっ
    て、軸比(長軸径/短軸径)が12〜15である鉄を主
    成分とする針状金属磁性粒子を得ることを特徴とする鉄
    を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の製造法。
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