JP3089370B2 - 電圧非直線抵抗組成物 - Google Patents
電圧非直線抵抗組成物Info
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Description
し、その焼結体自体が電圧非直線性を有する電圧非直線
抵抗組成物に関する。
荷寿命特性は用途によって必ずしも充分なものではなか
った。その解決策として、酸化亜鉛から成る焼結体にペ
ースト状のガラスフリットを塗布し、熱処理を施してガ
ラスを拡散させ、粒界の保護、補強を行っていたが、か
かる方法は製造工程の繁雑さ、熱処理による電気的特性
値の低下およびパルス劣化が大きい等の問題がある。更
に、焼結体へのガラスフリットの塗布量がバリスタ電
圧、電圧非直線係数、負荷寿命特性に与える影響力が大
きいため、厳密にペースト状のガラスフリットの塗布量
を管理する必要があり、かかる塗布量管理が充分に行わ
れないと、製造された焼結体間の特性のバラツキが大き
く、また、製造の歩留まりも悪くなるという問題があっ
た。また、焼結体の形状が大きくなるとガラス拡散が不
十分となり、焼結体内部までガラス拡散が均一に行われ
ず、負荷寿命特性に著しい向上が得られない。
し、焼結前の原料にホウケイ酸ビスマス等のガラスフリ
ットを添加して温度1100〜1300℃で焼結するガ
ラス添加法が試みられている。
料に添加するガラスフリット量を定量化しやすい他、ガ
ラス拡散法による製造工程の繁雑さ、熱処理による特性
値の劣化、負荷寿命特性およびバリスタ電圧等の特性値
のバラツキ等が改善されるという利点がある。
組成物は直流に対する負荷寿命特性は向上しても、パル
ス劣化が大きく、また低温焼成であるが故にバリスタ電
圧が非常に高い等の問題を有する。
して広範囲に実用に供されているが、パルス劣化が小さ
く、かつ直流、交流等の常時の課電に対する負荷寿命特
性に優れていることがサージ吸収用として必要条件であ
る。
ルス劣化が小さく、かつ優れた負荷寿命特性を有する両
条件を充分に満足することが出来ないという問題があっ
た。本発明は、前記問題点を解消し、酸化亜鉛に対して
添加するホウケイ酸ビスマスガラスフリットの成分並び
に組成比、その添加量、更にこれらの組み合わせによ
り、パルス寿命特性および負荷寿命特性の両者を充分に
満足させ、上記のサージ吸収用としての条件を満たす電
圧非直線抵抗組成物を提供することを目的とするもので
ある。
組成物は、酸化亜鉛を主成分とした焼結体自体が電圧非
直線性を有する電圧非直線抵抗組成物であって、主成分
の酸化亜鉛に対して、ビスマスをBi2O3の形に換算し
て0.05〜2.0モル%、アンチモンをSb2O3の形
に換算して0.05〜2.0モル%、コバルトをCoO
の形に換算して0.1〜2.0モル%、マンガンをMn
Oの形に換算して0.1〜3.0モル%、ニッケルをN
iOの形に換算して0.05〜2.0モル%、チタンを
TiO2の形に換算して0.05〜2.0モル%、ケイ
素をSiO2の形に換算して0.05〜3.0モル%、
アルミニウムをAl2O3の形に換算して0.001〜
0.5モル%および酸化チタンを1〜10重量%含むホ
ウケイ酸ビスマスガラスフリットを0.2〜1.0重量
%添加したことを特徴とする。
の両特性を満足させることが出来るのは、酸化ニッケル
と、ホウケイ酸ビスマスガラス中に酸化チタンを含んで
成るガラスフリットの2成分が共存しているためと考え
られる。
加する成分ならびその組成比を上記のように選択した理
由は、該組成を添加されて形成された電圧非直線抵抗組
成物のいずれにおいても、パルス寿命、高温時における
負荷寿命の両者を満足させることがことが出来るように
するためである。換言すると、主成分の酸化亜鉛に添加
する成分の組成が本発明の範囲外になると、これらの目
標値が達成出来ないからである。
共に説明する。
ビスマス(Bi2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、
酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO)、酸
化ニッケル(NiO)、酸化チタン(TiO2)、酸化
ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)を
夫々用意した。
マスガラスフリットの作成にあたって、酸化ビスマス
0.5モル%、酸化アンチモン0.5モル%、酸化コバ
ルト0.5モル%、酸化マンガン0.5モル%、酸化ニ
ッケル0.5モル%、酸化チタン0.5モル%、酸化ケ
イ素0.5モル%、酸化アルミニウム0.05モル%を
秤量すると共に、ホウケイ酸ビスマスガラスフリット中
に含まれる酸化チタン量を表1に示す量となるように秤
量した。
ケイ酸ビスマスガラスフリットの夫々を酸化亜鉛に対し
て0.5重量%添加し、充分に混合した後、PVA5%
溶液をバインダーとして加えて造粒した。次いで、得ら
れた混合物を直径14.0mmの円板状に形成し、得ら
れた成形物を空気中で1250℃で、2時間の焼成を施
して、焼結体の抵抗組成物試料を作成した。作成された
夫々の抵抗組成物試料の表裏面に銀を含む電極材料ペー
ストを塗布した後、温度850℃で焼き付けて電極を形
成し、該電極上に銀入りハンダにてリード線付けを行っ
て、電圧非直線抵抗組成物を作成した。
備えた各電圧非直線抵抗組成物の夫々について、単位厚
みあたりのバリスタ電圧(V1mA/mm)、電圧非直線係数
(α)、高温直流負荷寿命および高温交流負荷寿命によ
るバリスタ電圧の変化率(ΔV1mA)、パルス寿命によ
るバリスタ電圧の変化率(ΔV1mA)の各電気特性につ
いて測定し、その結果を表1に示した。
測定し、また、電圧非直線係数は
びに高温交流負荷寿命は周囲温度70℃において直流電
力0.6W、或いは交流電力0.6Wを1000時間印
加して測定し、また、パルス寿命は(8×20)マイク
ロ秒の波形の200Aの電流を103回繰り返し印加し
て測定した。
範囲外のものであり、その他は本発明の範囲内のもので
ある。
マスガラスフリット中に含まれる酸化チタン量は1〜1
0重量%の範囲で各電気特性に優れていることが確認さ
れた。ホウケイ酸ビスマスガラスフリット中の酸化チタ
ン量が1重量%未満の場合は電圧非直線係数は優れてい
るが、パルス寿命特性の向上がみられず、また、ホウケ
イ酸ビスマスガラスフリット中の酸化チタン量が10重
量%を超えると電圧非直線係数が低下し、高温負荷寿命
特性、パルス寿命の劣化が大きくなって、希望する電気
特性が得られない。
ン、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化
チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムについても組成
比を種々変え、更に酸化チタンを含むホウケイ酸ビスマ
スガラスフリットを酸化亜鉛に対して0.5重量%添加
し、前記実験例1と同様にして各電圧非直線抵抗組成物
を作成した。
について、前記実施例1と同一条件でバリスタ電圧、電
圧非直線係数、高温直流負荷寿命、高温交流負荷寿命、
パルス寿命の各電気特性について測定したところ、酸化
亜鉛に添加するホウケイ酸ビスマスガラスフリット中の
各組成が本発明の範囲内、即ち、酸化ビスマスを0.0
5〜2.0モル%、酸化アンチモンを0.05〜2.0
モル%、酸化コバルトを0.1〜2.0モル%、酸化マ
ンガンを0.1〜3.0モル%、酸化ニッケルを0.0
5〜2.0モル%、酸化チタンを0.05〜2.0モル
%、酸化ケイ素を0.05〜3.0モル%、酸化アルミ
ニウムを0.001〜0.5モル%の範囲内とし、これ
に酸化チタンを1〜10重量%の範囲内で含有させたホ
ウケイ酸ビスマスガラスフリットを用いた電圧非直線抵
抗組成物が優れた電圧非直線係数、パルス寿命特性、並
びに高温負荷寿命特性を示した。
囲外となると、電圧非直線係数、高温直流負荷寿命、高
温交流負荷寿命、パルス寿命のいずれかが低下したり、
或いは劣化したりして希望する電気特性が得られない。
ビスマス(Bi2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、
酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO)、酸
化ニッケル(NiO)、酸化チタン(TiO2)、酸化
ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)を
夫々用意した。
5モル%、酸化アンチモン0.5モル%、酸化コバルト
0.5モル%、酸化マンガン0.5モル%、酸化ニッケ
ル0.5モル%、酸化チタン0.5モル%、酸化ケイ素
0.1モル%、酸化アルミニウム0.05モル%並びに
ホウケイ酸ビスマスガラスフリット中の酸化チタンの含
有量が10重量%となるように秤量した。
マスガラスフリットを表2に示す添加量で添加し、充分
に混合した後、PVA5%溶液をバインターとして加え
て造粒した。次いで、得られた混合物を直径14.0m
mの円板状に形成し、得られた成形物を空気中で125
0℃で、2時間の焼成を施して、焼結体の抵抗組成物試
料を作成した。作成された夫々の抵抗組成物試料の表裏
面に銀を含む電極材料ペーストを塗布した後、温度85
0℃で焼き付けて電極を形成し、該電極上に銀入りハン
ダにてリード線付けを行って、電圧非直線抵抗組成物を
作成した。
備えた各電圧非直線抵抗組成物の夫々について、前記実
験例1と同一条件でバリスタ電圧、電圧非直線係数、高
温直流負荷寿命、高温交流負荷寿命、パルス寿命の各特
性について測定し、その結果を表2に示した。
範囲外のものであり、その他は本発明の範囲内のもので
ある。
ウケイ酸ビスマスガラスフリットの添加量は0.2〜
1.0重量%の範囲で各電気特性に優れていることが確
認された。酸化亜鉛に添加するホウケイ酸ビスマスガラ
スフリット量が0.2重量%未満の場合はパルス寿命特
性は優れているが、高温負荷寿命特性の向上がみられ
ず、また、酸化亜鉛に添加するホウケイ酸ビスマスガラ
スフリット量が1.0重量%を超えると高温負荷寿命特
性の向上がみられるが、その反面、電圧非直線係数が低
下し、パルス寿命の劣化が大きくなって、希望する特性
が得られない。
く、目的に応じて前記組成に更に酸化マグネシウム(M
gO)、酸化クローム(Cr2O3)、酸化鉛(PbO)
等を添加してもよい。これらを添加することにより更に
パルス寿命、高温負荷寿命等の性能を向上させることが
出来る。
に対して優れた特性を発揮する酸化亜鉛バリスタである
と共に、この特性を損なうことなく、優れた高温負荷寿
命特性並びにパルス寿命特性を有する電圧非直線抵抗組
成物を提供することが出来る効果を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とした焼結体自体が電
圧非直線性を有する電圧非直線抵抗組成物であって、主
成分の酸化亜鉛に対して、ビスマスをBi2O3の形に換
算して0.05〜2.0モル%、アンチモンをSb2O3
の形に換算して0.05〜2.0モル%、コバルトをC
oOの形に換算して0.1〜2.0モル%、マンガンを
MnOの形に換算して0.1〜3.0モル%、ニッケル
をNiOの形に換算して0.05〜2.0モル%、チタ
ンをTiO2の形に換算して0.05〜2.0モル%、
ケイ素をSiO2の形に換算して0.05〜3.0モル
%、アルミニウムをAl2O3の形に換算して0.001
〜0.5モル%および酸化チタンを1〜10重量%含む
ホウケイ酸ビスマスガラスフリットを0.2〜1.0重
量%添加したことを特徴とする電圧非直線抵抗組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04044172A JP3089370B2 (ja) | 1992-02-29 | 1992-02-29 | 電圧非直線抵抗組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04044172A JP3089370B2 (ja) | 1992-02-29 | 1992-02-29 | 電圧非直線抵抗組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05243013A JPH05243013A (ja) | 1993-09-21 |
JP3089370B2 true JP3089370B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=12684168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04044172A Expired - Lifetime JP3089370B2 (ja) | 1992-02-29 | 1992-02-29 | 電圧非直線抵抗組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3089370B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-29 JP JP04044172A patent/JP3089370B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05243013A (ja) | 1993-09-21 |
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