JP3087642U - 動力噴霧機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、主として小規模の圃場などで作業
者が機台を背負い状態で薬液の噴霧を行う軽量小型の動
力噴霧機において、力の弱い女性や高齢者など誰でもが
機台を背負ったままエンジンを手軽に起動することを目
的とする。 【解決手段】 薬液タンク２とエンジン３とポンプ装置
４とが搭載された機台１を背負いバンド１１により背負
った状態で、エンジン３によるポンプ装置４の駆動をし
て薬液タンク２内の薬液を噴霧するように構成された動
力噴霧機において、上記エンジン３を起動するためのリ
コイルスタータ５から延びる作動用ケーブル６を所望長
延出する一方、上記薬液タンク２の上部に、作動用ケー
ブル６の延長部分を案内するガイド板１４を配設すると
ともに、背負いバンド１１に作動用ケーブル６の先端部
近くを係止する係止紐１６を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 この考案は、主として小規模の圃場において作業者が薬剤や肥料などの薬液を 背負い状態で噴霧する場合に用いられる軽量小型の動力噴霧機に関する。

【０００２】

【従来の技術と問題点】

従来、この種の動力噴霧機は、背負いバンドをもつ機台上に薬液タンクとエン ジンとポンプ装置とが搭載されて、作業者が機台を背負いバンドにより背負った 状態で、エンジンによるポンプ装置の駆動をして薬液タンク内の薬液を噴霧する ように構成している。

【０００３】 一方、上記エンジンの起動は附属のリコイルスタータにより行われるもので、 作業者は地上に置かれた機台上の薬液タンクを片手で押えて、機全体の安定性を 図りながら、リコイルスタータの作動用ケーブルを勢いよく引き操作しエンジン を起動して、適宜噴霧作業を行うものである。

【０００４】 ところで、上記動力噴霧機にあっては、噴霧作業を一時的に中断すべくエンジ ンを停止させるような場合、あるいは、噴霧作業中に何らかの原因でエンジンが 停止した場合、上記機台を作業者の背中から一旦地上に降ろして、再度リコイル スタータによりエンジンの起動を行わなければならない。なお、上記機台を作業 者が背負ったとき、作動用ケーブルの握手部が作業者の腰部付近に来るように配 設し、噴霧作業時におけるエンジンの再起動を可能にしたものも提案されている が、この場合、作動用ケーブルの引き操作が非常にし難いものであり、また、力 も掛け辛く、そのため、力の弱い女性や高齢者にとって手軽に使用できないなど の問題がある。

【０００５】 この考案は上記のような問題点に注目して考案したもので、力の弱い女性や高 齢者など誰でもが機台を背負ったまま手軽にエンジンの起動を行わせ得る動力噴 霧機を提供することを目的とする。

【０００６】

【考案を解決するための手段】

上記した目的を達成するため本考案は、薬液タンクとエンジンとポンプ装置と が搭載された機台を背負いバンドにより背負った状態で、エンジンによるポンプ 装置の駆動をして薬液タンク内の薬液を噴霧するように構成された動力噴霧機に おいて、上記エンジンを起動するためのリコイルスタータから延びる作動用ケー ブルを延長する一方、上記薬液タンクの上部に、作動用ケーブルの延長部分を案 内するガイド用部材を配設するとともに、上記背負いバンドに作動用ケーブルの 先端部近くを係止する係止用部材を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記した構成によれば、作業者が背負いバンドを介して機台を背負ったとき、 エンジンに附属するリコイルスタータの作動用ケーブルが作業者の肩口を介して 前面側に延びるので、作動用ケーブルの引き操作が楽に行え、機台上のエンジン を背負い状態のまま簡単容易に起動することができ、また、リコイルスタータは 作動用ケーブルの握手部を片手、若しくは、両手で下方に引き操作できるので、 力を入れ易く、力の弱い女性や高齢者であっても手軽に使用できる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１は本案動力噴霧機の一実施例を示す側面図、図２は同背面図である。

【００１０】 同図において、１はＬ字状をなす合成樹脂製の機台で、その垂直部分１ａには 薬液タンク２の下部が固定支持されるとともに、水平部分１ｂと薬液タンク２の 下端面との間に形成される空間内で、水平部分１ｂ上には作動用ケーブル６付き のリコイルスタータ５により起動されるエンジン３と、噴霧ノズル（図示せず） をもつポンプ装置４とが搭載されている。なお、図中７は上記作動用ケーブル６ の引き操作を行うためのグリップ、８はその握手部である。 また、上記機台１の屈曲部両側には掛孔１０を有する掛け金具９が固設されて おり、上記薬液タンク２の上部にはフック１２付き背負いバンド１１の一端部が 止め金具１３により固設されているもので、この背負いバンド１１をフック１２ の掛孔１０への係合をして機台１に取り付けることができ、作業者は機台１を背 負いバンド１１を介して背負うことができる。

【００１１】 上記リコイルスタータ５はグリップ７により作動用ケーブル６を引き操作する ことによりエンジン３の起動を行うもので、上記グリップ７がスタータ本体部に 近接した通常位置から離間するように、上記作動用ケーブル６を所望長延出する 一方、上記薬液タンク２の上部に作動用ケーブル６の延長部分を案内するガイド 板１４を止め金具１３を利用して固定するとともに、上記背負いバンド１１に作 動用ケーブル６の握手部８近くを係止するための係止紐１６を設けるのである。 なお、図中１５は上記ガイド板１４に形成された作動用ケーブル６の挿通孔で、 該挿通孔１５は一部を開放して作動用ケーブル６の挿通が容易に行えるように構 成してもよい。また、図中１６は作動用ケーブル６の途中を係止固定するための 掛止具である。

【００１２】 上記した構成の動力噴霧機によれば、例えば、朝一で噴霧作業を行う場合には 、機台１を地上に安定よく置いた状態で、ガイド板１３の挿通孔１５から延出す る作動用ケーブル６の握手部８を片手で握り、他の手でグリップ７を持って作動 用ケーブル６を引き操作するもので、これによりエンジン３の起動が行われ、適 宜圃場での噴霧作業が行える。

【００１３】 ところで、上記のような噴霧作業を一旦中断して異なる圃場などに移動すべく エンジン３を停止させた場合、あるいは、上記噴霧作業中に何らかの原因でエン ジン３が停止したような場合、通常作業再開に当り、作業者は機台１を背中から 地上に降ろしてエンジン３を上記のような手順で再起動する必要があるが、本案 によれば機台１を地上に降ろす必要が全くなく、作業者が機台１を背負ったまま エンジン３の再起動が可能であり、すなわち、作業者が機台１を背負った状態で は、エンジン３に附属するリコイルスタータ５の作動用ケーブル６が作業者の肩 口を介して前面側にまで延びているため、作業者が機台１を背負ったまま作動用 ケーブル６の引き操作をグリップ７を介して簡単容易に行えるのである。また、 このとき、上記作動用ケーブル６のグリップ７を両手で持つとともに、作業者の 肩口を支点として作動用ケーブル６の引き操作を勢いよく強力に行えるもので、 非常に力が掛け易く、作業者が力の弱い女性や高齢者であっても手軽に使用する ことができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上、説明したように本考案の動力噴霧機によれば、作業者が背負いバンドを 介して機台を背負ったとき、エンジンに附属のリコイルスタータから延びる作動 用ケーブルが作業者の肩口を介して前面側にまで延びているため、作業者が機台 を背負ったままでの作動用ケーブルの引き操作が勢いよく、かつ、楽に行って、 機台上のエンジンを簡単容易に起動することができるのであり、また、リコイル スタータは作動用ケーブルの握手部を片手、若しくは、両手で下方に強く引き操 作できるもので、非常に力を入れ易く、力の弱い女性や高齢者であっても手軽に 使用できる実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例による動力噴霧機の側面図
である。

【図２】 同背面図である。

【符号の説明】

１ 機台 ２ 薬液タンク ３ エンジン ４ ポンプ装置 ５ リコイルスタータ ６ 作動用ケーブル １１ 背負いバンド １４ ガイド板（ガイド用部材） １６ 係止紐（係止用部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬液タンクとエンジンとポンプ装置とが
   搭載された機台を背負いバンドにより背負った状態で、
   エンジンによるポンプ装置の駆動をして薬液タンク内の
   薬液を噴霧するように構成された動力噴霧機において、
   上記エンジンを起動するためのリコイルスタータから延
   びる作動用ケーブルを延長する一方、上記薬液タンクの
   上部に、作動用ケーブルの延長部分を案内するガイド用
   部材を配設するとともに、上記背負いバンドに作動用ケ
   ーブルの先端部近くを係止する係止用部材を設けたこと
   を特徴とする動力噴霧機。