JP3086349B2 - 型内被覆組成物 - Google Patents

型内被覆組成物

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JP3086349B2
JP3086349B2 JP26348392A JP26348392A JP3086349B2 JP 3086349 B2 JP3086349 B2 JP 3086349B2 JP 26348392 A JP26348392 A JP 26348392A JP 26348392 A JP26348392 A JP 26348392A JP 3086349 B2 JP3086349 B2 JP 3086349B2
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光俊 明慶
建司 米持
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
成形物の表面に生じるピンホールやファイバーパターン
などの欠陥をカバーして、外観品質を改良する、平滑な
被膜を形成することが可能な型内被覆組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及びその解決すべき課題】シートモールデ
ィングコンパウンド(SMC)、バルクモールディング
コンパウンド(BMC)、スタンパブルシート等の熱硬
化性樹脂または熱可塑性樹脂をマトリックスとする、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、有機繊維、ミネラル繊維等の
繊維強化プラスチック成形材料から得られる成形物は、
機械的強度、成形性などに優れ、かつ軽量であることか
ら、金属に代る材料として、電気機器のケース、自動車
外板、住宅設備部品などの分野に広く利用されている。
しかしながら、これらの成形物は、ピンホール、巣穴、
微小クラック、ファイバーパターンなどの表面欠陥を有
しており、また光沢も低く、外観品質が悪く、さらに耐
候性、耐水性、耐薬品性等が悪く、表面の硬度も低いと
いった問題点があった。従って、これらの成形物は、通
常塗装して、表面に保護被膜を形成させているが、前述
の通り成形物は多くの表面欠陥を有しているため、スプ
レー等の通常の塗装手段で塗装しても、平滑性等の外観
に優れた被膜が形成しにくく、また付着性も低く、さら
に熱可塑性樹脂をマトリックスとする成形物に適用した
場合、塗料中の有機溶剤によってソルベントクラックが
生じやすく、また塗装作業性も悪いといった問題点があ
った。そのためこれらの問題点を解決する方法として、
型内被覆方法が提案されている。例えば、米国特許第31
84527 号、4076788 号、4668460 号 等に開示されてい
る方法である。
【0003】ところが、この型内被覆方法は、特殊な方
法であるため、従来の塗料をそのまま使用することは困
難であった。従って、近年、型内被覆方法に適した型内
被覆組成物が開発されている。例えば、特公昭54‐1327
3 号、特公昭59‐15137 号、特公昭59‐19583 号等に開
示されている型内被覆組成物である。これらの型内被覆
組成物は、成形物の表面欠陥をカバーし、また塗装作業
性もよいが、得られる被膜の平滑性が不充分であり、ま
た特に、熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化プ
ラスチック成形物に対し付着性が劣るという問題点があ
った。本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討
した結果、従来の型内被覆組成物の優れた点を生かしつ
つ、平滑性、付着性等に優れた被膜を形成しうる型内被
覆組成物を見出し、本発明に到ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(i) 少なくとも2個以上の(メタ)アクリレート基を有
するオリゴマーもしくはその樹脂、又は不飽和ポリエス
テル樹脂20〜70重量%と、共重合可能なエチレン性不飽
和モノマー80〜30重量%からなるビヒクル成分100 重量
部に対し、(ii)塩素含有量が10〜50重量%の塩素化ポリ
プロピレン1〜50重量部を配合せしめた型内被覆組成物
を提供するものである。以下、本発明について説明す
る。
【0005】本発明で使用する型内被覆組成物は、少な
くとも2個以上の(メタ)アクリレート基を有するオリ
ゴマーもしくはその樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂
とエチレン性不飽和モノマーとからなるビヒクル成分
(i) 、塩素化ポリプロピレン(ii)及び通常使用されてい
る顔料(iii) 、重合開始剤(iv)及び離型剤(v) 、さら
に、必要に応じて加えた改質樹脂、各種添加剤等から構
成されるものである。ビヒクル成分(i) を構成する前記
少なくとも2個以上の(メタ)アクリレート基を有する
オリゴマー又はその樹脂としては、具体的には、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレートあるいはこれらの二種以上の混合
物等の型内被覆組成物のビヒクル成分として通常使用さ
れているオリゴマーもしくは液状樹脂を挙げることがで
きる。
【0006】これらのオリゴマー又はその樹脂は、それ
ぞれ種類により異なるが、一般に重量平均分子量を約30
0 〜10,000とするのが好ましい。また、オリゴマー又は
その樹脂は、(メタ)アクリレート基を、オリゴマー又
はその樹脂1分子あたり、少なくとも2個以上、好まし
くは2〜4個有することが好ましい。以下、本発明のオ
リゴマー又はその樹脂を具体的に説明する。前記エポキ
シアクリレート化合物は、エポキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とをエポキシ基1当量当り、カルボキシル基当量
0.5 〜1.5 となるような割合で用い、通常のエポキシ基
への酸の開環付加反応によって製造した化合物である。
前記不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル
酸を代表的なものとして挙げることができ、また、エポ
キシ化合物としてはビスフェノールA型エポキシ、フェ
ノール性ノボラック型エポキシ等を代表的なものとして
挙げることができる。
【0007】前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物
は、有機ジイソシアネートと水酸基を有する有機ジオー
ル及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを、
NCO/OHの比が0.9〜1.0になるような割合で、通
常の方法により製造したものであり、例えば、ジブチル
錫ジラウレートなどのウレタン化触媒の存在下で有機ジ
イソシアネートと有機ジオールとでイソシアネート末端
ポリウレタンプレポリマーを生成させ、次いでほとんど
の遊離イソシアネート基が反応するまでヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートを反応させることにより製造
することが出来る。なお、有機ジオールとヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートの割合は、後者1モルに対
し、前者0.1〜0.5モル程度が適当である。なお、前記
有機ジイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフ
ェニルジイソシアネート等の通常塗料用に使用されてい
る有機ジイソシアネートを使用出来るが、特にトルエン
ジイソシアネートの2,4−および2,6−異性体の混
合物が有用である。
【0008】前記有機ジオールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のアルキレンジオール、ジカルボン酸又はその無水
物のジエステル反応生成物であるジエステルジオールが
代表的なものとして挙げることができる。前記ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートとしては、一般式 CH2 =CRCO2 −(Cn 2n)−OH (但し、Rは−H又はCH3 、nは2〜8の正数)で示
される化合物が有用である。前記ポリエステルアクリレ
ートは水酸基を末端に有するポリエステルポリオールと
前述の不飽和カルボン酸との反応によって製造させた化
合物である。なお、前記ポリエステルポリオールは、代
表的には飽和もしくは不飽和のジカルボン酸あるいはそ
の酸無水物と過剰量のアルキレンジオールとをエステル
化反応して得られる。前記ジカルボン酸としてはシュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸マレイン酸等、ま
た前記アルキレンジオールとしてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール等が代表的なものとして挙げることができる。
【0009】また、前記ポリエーテルアクリレートはポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど
のポリエーテルポリオールと前述の不飽和カルボン酸と
の反応によって製造させた化合物である。これらのオリ
ゴマー又はその樹脂の重量平均分子量は、約300 〜 10,
000 、好ましくは500 〜5,000 が適当である。ビヒクル
成分(i) を構成する前記不飽和ポリエステル樹脂は、型
内被覆組成物のビヒクル成分として通常使用されている
ものが利用出来、有機ポリオールと不飽和ポリカルボン
酸とを公知の方法により反応させ、さらに必要に応じ飽
和ポリカルボン酸を反応させて製造したものである。な
お、前記有機ポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等が代表的なものとして挙げるこ
とができ、また、前記不飽和ポリカルボン酸としては、
(無水)マイレン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
を代表的なものとして挙げることができる。不飽和ポリ
エステル樹脂の平均分子量は約800 〜 10,000 、好まし
くは1,000 〜4,000 が適当である。
【0010】これら(メタ)アクリレート基を有するオ
リゴマー又はその樹脂と不飽和ポリエステル樹脂とは、
併用することも可能である。ビヒクル成分(i) を構成す
る前記エチレン性不飽和モノマーとしては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルト
ルエン、ジビニルベンゼン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等を代表的なものとして挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。
【0011】ビヒクル成分(i) は、前記(メタ)アクリ
レート基を有するオリゴマー又はその樹脂、もしくは不
飽和ポリエステル樹脂と前記エチレン性不飽和モノマー
からなり、その配合割合は、これらの種類により任意に
決定されるが通常(20〜70:80〜30)〔重量基準〕が適
当であり、この範囲で適度な硬化特性と粘性を有する被
覆組成物が得られる。本発明で使用する塩素化ポリプロ
ピレン(ii)は、成形物表面に形成する被膜の平滑性及び
付着性を向上させるために配合する。なお、本発明でい
う塩素化ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマー
又は、プロピレンを約70モル%以上含むエチレン、ブテ
ン等とのコポリマーを塩素化せしめたポリマーであっ
て、その数平均分子量約5,000 〜 50,000 、特に、10,0
00〜40,000とするのが好ましい。このように数平均分子
量を特定するのは、5,000 未満であると平滑性が低下す
る傾向にあり、一方50,000を越えると前記ビヒクリ成分
(i) との相溶性が低下する傾向にあるためである。ま
た、塩素化ポリプロピレン(ii)の塩素含有量は、10〜50
重量%、好ましくは20〜45重量%が適当である。塩素含
有量が前記範囲より大きいと被膜の付着性が低下し、逆
に小さいと被覆組成物の貯蔵安定性が悪くなり、また平
滑な被膜が得られにくくなるので、いずれも好ましくな
い。塩素化ポリプロピレンの配合量は、前記ビヒクル成
分(i) 100 重量部に対し、1〜50重量部、好ましくは2
〜30重量部が適当であり、この範囲で、平滑性、付着性
等に優れた被膜が得られる。なお、過剰になると付着
性、耐候性等が低下するので好ましくない。
【0012】本発明で使用する顔料(iii) としては従来
から通常プラスチック用、塗料用として使用されている
各種着色顔料、体質顔料が利用出来る。着色顔料として
具体的に挙げることができる代表的なものには、白系で
は酸化チタン;黄系ではベンジジンエロー、チタンエロ
ー、ハンザエロー;橙系ではモリブデートオレンジ、黄
鉛、ベンジンオレンジ;赤系ではキナクリドン、マルー
ン;緑系ではクロムグリーン、クロムオキシドグリー
ン;青系では群青、コバルトブルー、ウルトラマリー
ン;黒系ではカーボンブラック、酸化鉄等の粉末状顔料
あるいはフレーク状の酸化鉄、ニッケル、アルミニウ
ム、グラファイト、酸化チタンなどで処理した雲母等の
鱗片状顔料がある。また体質顔料としては炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、シリ
カ、クレー等を代表的なものとして挙げることができ
る。なお、顔料は、成形物を着色し美観をもたせ、被膜
硬化に伴う収縮応力を分散させ、素地(成形物)との付
着性向上、さらには成形物表面に存在する多数の巣穴を
充填したり、表面の微小の凹凸(ウェイビネス)を平滑
にし、成形品表面の外観を改良する目的で配合する。
【0013】そのため顔料の配合量は、前記(i) 成分10
0 重量部に対し10〜150 重量部が適当である。なお、得
られる被膜上に上塗着色塗装を施す場合あるいはクリヤ
ー仕上げする場合は必ずしも着色顔料を配合する必要は
ない。また本発明で使用する重合開始剤(iv)は、フリー
ラジカルを発生するものであって、前記ビヒクル成分を
重合させるために使用する。重合開始剤として具体的に
挙げることができる代表的なものには、ターシャリーブ
チルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート、ターシャリーブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート、ラウロイルパー
オキサイド、ターシャリーブチルパーオキシラウレー
ト、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、アセチルアセ
トンパーオキサイド等がある。
【0014】重合開始剤の配合量は、前記 (i)ビヒクル
成分100 重量部に対し0.2 〜10重量部が適当である。本
発明で使用する離型剤(v)は、硬化被膜を金型からス
ムーズに離型させるために添加するものであるが、その
種類としては亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カル
シウムなどのステアリン酸塩やレシチン、アルキルフォ
スフェート等を代表的なものとして挙げることができ、
その配合量は、前記 (i)ビヒクル成分100 重量部に対し
0.1 〜10重量部が適当である。本発明の型内被覆組成物
は以上説明した (i)〜(v) 成分を構成成分とし、さらに
必要に応じ硬化促進剤、分散剤、沈降防止剤、流動助
剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、ポリメ
チルメタクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、酢酸
ビニル樹脂等の改質樹脂、可塑剤などを配合したものか
ら構成される。
【0015】次に本発明の型内被覆組成物を用いて型内
被覆する方法について説明する。本発明で使用する繊維
強化プラスチック成形材料は、SMC、BMC、FRT
P、スタンパブルシート等の従来から公知のものであ
り、これらを特に制限なく利用出来る。具体的には不飽
和ポリエステル樹脂系、エポキシアクリレート樹脂系、
フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂あ
るいはポリオレフィン樹脂系、ポリスチレン樹脂系、ポ
リカーボネート樹脂系、ポリブチレンテレフタレート樹
脂系、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹
脂系等の熱可塑性樹脂をマトリックスとする、前述の繊
維強化プラスチック成形材料が代表的なものとして挙げ
られる。成形方法として金型内で成形する従来の方法が
特に制限なく利用出来るが、好適には特開昭61‐273921
号、特公昭55‐9291号公報に記載の方法がある。すなわ
ち、一方の金型が他方の金型(以下、便宜上前者を「下
型」、後者を「上型」という。)内に嵌合することによ
り、目的とする成形物の形状を有するキャビティー空間
を形成する金型内に前述の繊維強化プラスチック成形材
料を入れ、嵌合せ、金型内で成形する。すなわち成形材
料が熱硬化性樹脂をマトリックスとしている場合は、金
型内で加熱・加圧し、成形材料をフローさせるとともに
熱硬化反応させ、目的とする形状に成形する。成形加熱
温度は、成形時間、成形材料の種類等により任意に決定
されるが通常130 〜200 ℃が適当であり、成形材料を入
れる前に予め金型を前記温度にセットし、後述する硬化
被膜が得られるまで該温度に維持するようにしておくの
が望ましい。
【0016】成形圧力は、加熱温度、成形材料の種類等
により任意に決定されるが、通常50〜 200 kgf/cm2が適
当である。成形時間は、成形材料が完全に熱硬化反応完
了するまででもよいが、型内被覆組成物を注入した際、
成形物の形状が損われない程度の強度に硬化していれば
よく、通常40〜 200秒程度が適当である。一方成形材料
が熱可塑性樹脂をマトリックスとしている場合は、あら
かじめ加熱オーブン等により加熱軟化させた材料を金型
内で加圧し、成形材料を目的とする形状に成形し、型内
被覆組成物を注入した際、成形物の形状が損わない程度
の強度に硬化させる。このようにして成形物を硬化させ
た後、上型を成形物の表面から、分離して後述する所望
の硬化被膜厚よりも大きいが、前記金型の嵌合を離脱さ
せるには不十分なギャップを与えた後、もしくは金型を
嵌合した状態でかつギャップを与えないで前記成形圧力
を維持したまま、又は該圧力を減圧した後、所望の膜
厚、好ましくは30〜1000μm の硬化被膜が得られるだけ
の量の被覆組成物を上型と成形物表面の間に注入(射出
注入)する。
【0017】次いで、成形材料が熱硬化性樹脂をマトリ
ックスとしている場合は、加熱温度を前もって定めた温
度に保持しながら、被覆組成物が均一に成形物表面を覆
い、浸透するよう約20〜150 kgf/cm2 に(再)加圧し、
硬化被膜が形成するまで、通常約20〜240 秒程度維持す
る。一方、成形材料が熱可塑性樹脂をマトリックスとし
ている場合は、成形物が再軟化せず、かつ被覆組成物が
硬化する温度、例えば60〜160 ℃に金型温度を保持しな
がら、被覆組成物が均一に成形物表面を覆い、浸透する
よう約20〜150 kgf/cm2 に(再)加圧し、硬化被膜が形
成するまで、通常約20〜240 秒程度維持する。なお、こ
の場合は、被覆組成物の硬化温度が低い程望ましいので
ナフテン酸コバルト、アミン等の硬化促進剤を併用する
のが望ましい。このようにして成形物表面に硬化被膜が
形成された後、金型を開き、成形物を取り出すことによ
り、保護被膜を有する成形物が得られる。
【0018】
【発明の効果】本発明の型内被覆組成物は、繊維強化プ
ラスチック成形物表面のピンホール等の表面欠陥をカバ
ーし、また平滑性、付着性等に優れた被膜を形成するこ
とが可能である。
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお実施例中「部」、「%」は重量基準であ
る。 実施例1〜3及び比較例1〜5 表1に示す成分(但し重合開始剤を除く)を練合分散
し、使用直前に重合開始剤を添加し、型内被覆組成物を
調製した。
【0019】
【表1】 〔表 1〕 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 ──────────────────────── 1 2 3 1 2 3 4 5 ──────────────────────────────────── ウレタンアクリレート 注1) 36 26 36 36 36 36 エポキシアクリレート 注2) 14 9 14 14 14 14 不飽和ポリエステル 注3) 25 25 樹脂 ス チ レ ン 40 55 65 40 40 40 40 65 ヒドロキシプロピル 10 10 10 10 10 10 メタクリレート トリメチロールプロパン 10 10 トリメタクリレート 塩素化ポリプロピレン 注4) 15 15 0.5 60 ポリプロピレン 注5) 15 塩素化ポリプロピレン 注6) 15 塩素化ポリプロピレン 注7) 12 カーボンブラック 7 8 8 7 7 7 7 8 タ ル ク 60 60 40 60 60 60 60 40 ステアリン酸亜鉛 0.5 0.7 0.7 0.5 0.5 0.5 0.5 0.7 8%オクチル酸コバルト 1 2 2 1 1 1 1 2 改 質 樹 脂 注8) 10 10 ターシャリーブチル 5 5 3 5 5 5 5 3 パーオキシベンゾエート ──────────────────────────────────── (単位:部)
【0020】注1)ポリエチレングリコール−トリレン
ジイソシアネート−ヒドロキシエチルアクリレートオリ
ゴマー;重量平均分子量 2700 ;1分子あたりのアクリ
レート基2個 注2)エポキシ化合物〔「エピコート828」(油化シ
ェルエポキシ社製)〕−メタクリル酸オリゴマー;重量
平均分子量 540;1分子あたりのメタクリレート基2個 注3)無水マレイン酸1モルとイソフタル酸1モルから
なる多塩基酸とネオペンチルグリコール1モルとプロピ
レングリコール1モルからなる多価アルコールとの反応
生成物;数平均分子量1500 注4)塩素含有量 41 %、 数平均分子量 35,000 注5) 〃 0%、 〃 30,000 注6) 〃 60 %、 〃 40,000 注7) 〃 25 %、 〃 40,000 注8)酢酸ビニル樹脂
【0021】実施例1〜3、比較例1〜5で得られた型
内被覆組成物を使用して特開昭61‐273921号公報記載の
成形装置、成形方法に従って被膜を有する成形物を次の
条件にて製造した。この方法を以下に詳細に説明する。
長さ300mm 、巾300 mmのクロムメッキを施した平板試験
金型を用い、金型120℃に設定した。まず、ポリプロピ
レン樹脂をマトリックスとする熱可塑性ガラス繊維強化
プラスチック材料シート(ガラス繊維含有量40%)を加
熱オーブン内にて約200 ℃に加熱し該シートを下型上に
セットし、成形圧150 kgf/cm2 、成形時間30秒間の条件
下で成形した。次いで成形圧を20 kgf/cm2に減圧した
後、前記各型内被覆組成物 19 mlを上型と成形物間に注
入し、再度70 kgf/cm2に加圧し、180 秒間保持した。次
いで金型を開き、膜厚約 200μm の被膜で覆われた被覆
成形物を取り出した。得られた被覆成形物につき、被膜
外観、表面粗さ、付着性、耐温水性の各試験を行ない、
その結果を表2に示した。表2より明らかな通り本発明
の被覆組成物を使用した実施例1〜3で得られた被膜
は、外観、平滑性、付着性、耐温水性とも優れていた。
一方、塩素化してないポリプロピレンを使用した比較例
1、塩素化ポリプロピレンを配合しない比較例5は、被
膜が部分的に金型に取られ、均一な被膜が得られず、商
品価値ないものであった。また塩素含有量の多い塩素化
ポリプロピレンを使用した比較例2、塩素化リプロピレ
ン量の少ない比較例3は、被膜外観、付着性、耐温水性
とも低下した。また塩素化ポリプロピレン量が過剰の比
較例4は耐温水性が悪かった。
【0022】
【表2】 〔表 2〕 ─────────────────────────────────── 実 施 例 ────────────────────── 1 2 3 ─────────────────────────────────── 被 膜 外 観 注9) 合 格 合 格 合 格 表 面 粗 さ 注10) 5.4 5.6 6.8 付 着 性 注11) 100/100 100/100 100/100 耐 温 水 性 注12) 100/100 100/100 100/100 ───────────────────────────────────
【0023】 〔表 2〕 つづき ─────────────────────────────────── 比 較 例 ──────────────────────── 1 2 3 4 5 ─────────────────────────────────── 被 膜 外 観 注9) 不合格 不合格 不合格 合 格 不合格 表 面 粗 さ 注10) − 7.6 17.1 10.6 − 付 着 性 注11) − 60/100 10/100 90/100 − 耐 温 水 性 注12) − 10/100 0/100 5/100 − ───────────────────────────────────
【0024】注9)被覆成形物に、2液型ウレタン系塗
料を乾燥膜厚35±5μm になるようスプレー塗装し、80
℃×30分間乾燥させた後、その外観を目視で観察した。 合格:被膜に異常なし、 不合格:被膜にワレ、クラッ
ク等の異常発生 注10) JIS B 0601-1982 による。単位:Rmax〔μm 〕 注11) 注9)で得られた、上塗塗装した被覆成形物につ
き2mm巾ゴバン目カットセロファンテープ剥離テストを
行ない、残存目数をカウントした。なお、成形物素地か
ら剥離したもの及び上塗塗膜のみ剥離したものについ
て、いずれも残存目数にカウントしなかった。 注12) 注9)で得られた、上塗塗装した被覆成形物につ
き、40℃温水に240 時間浸漬した後、室温で1時間放置
し、注11) と同様の付着性試験した。
【0025】実施例4〜6及び比較例6〜9 表3に示す成分(但し重合開始剤を除く)を練合分散
し、使用直前に重合開始剤を添加し、型内被覆組成物を
調製した。
【表3】 〔表 3〕 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 ──────────────────────── 4 5 6 6 7 8 9 ──────────────────────────────────── ウレタンアクタレート 注1) 32 50 32 32 32 32 エポキシアクリレート 注2) 32 30 32 32 32 32 ポリエステル 注15) 30 アクリレート ス チ レ ン 30 30 40 30 30 30 30 ヒドロキシプロピル 6 10 10 6 6 6 6 メタクリレート 塩素化ポリプロピレン 注4) 2 2 40 60 ポリプロピレン 注5) 2 塩素化ポリプロピレン 注6) 2 酸 化 チ タ ン 20 20 20 20 20 20 20 タ ル ク 20 20 20 20 20 20 20 炭酸カルシウム 60 60 60 60 60 60 60 ステアリン酸亜鉛 0.6 1 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 8%オクチル酸コバルト 1 1 1 1 1 1 1 アセチルアセトン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 ターシャリーブチル 4 4 4 4 4 4 4 パーオキシベンゾエート ──────────────────────────────────── (単位 部)
【0026】注15) 「フオトマー5018」(サンノプコ社
製);重量平均分子量 600;1分子あたりのアクリレー
ト基4個 実施例1と同様の130 ℃に設定した金型の下型に、約30
0 ℃に加熱したポリブチレンテレフタレート樹脂をマト
リックスとする熱可塑性ガラス繊維強化プラスチック材
料シート(ガラス繊維含有量35%)をセットし、成形圧
200 kgf/cm2、成形時間30秒間の条件下で成形した。次
いで成形圧を解除した後、前記各型内被覆組成物10mlを
上型と成形物間に注入し、再度60kgf/cm2 に加圧し、90
秒間保持した。次いで金型を開き、膜厚約100 μm の被
膜で覆われた被覆成形物を取り出した。得られた被覆成
形物につき、実施例1と同様の試験を行ない、その結果
を表4に示した。
【0027】
【表4】 〔表 4〕 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 ──────────────────────────── 4 5 6 6 7 8 9 ──────────────────────────────────── 被膜外観 注9) 合 格 合 格 合 格 不合格 不合格 合 格 不合格 表面粗さ 注10) 7.9 10.1 8.1 19.1 18.0 11.3 19.1 付着性 注11) 100/100 100/100 100/100 20/100 80/100 90/100 20/100 耐温水性 注12) 100/100 100/100 100/100 15/100 50/100 10/100 10/100 ────────────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/10 C08L 63/10 67/06 67/06 75/16 75/16 // B29K 105:06 (56)参考文献 特開 平3−248810(JP,A) 特開 平4−142322(JP,A) 特開 昭60−116415(JP,A) 特開 昭57−140(JP,A) 特開 平3−221514(JP,A) 特開 平5−70712(JP,A) 特開 平5−86155(JP,A) 特開 平5−148375(JP,A) 特開 昭54−47792(JP,A) 特開 昭50−123795(JP,A) 特開 昭48−21781(JP,A) 特開 昭62−70460(JP,A) 特開 昭50−33283(JP,A) 特開 昭62−18477(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/00 - 283/01 B29C 43/20 C08F 2/44 C08F 290/00 - 290/08 C08F 299/00 - 299/08 C08J 7/00 - 7/18 C08L 1/00 - 101/16 C09D 1/00 - 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)少なくとも2個以上の(メタ)アク
    リレート基を有するオリゴマーもしくはその樹脂、又は
    不飽和ポリエステル樹脂20〜70重量%と共重合可
    能なエチレン性不飽和モノマー80〜30重量%から
    なるビヒクル成分100重量部に対し、 (ii)塩素含有量が10〜50重量%で、かつ、数平均
    分子量が5000〜50000の塩素化ポリプロピレン
    1〜50重量部を配合せしめた型内被覆組成物。
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