JP3085880B2 - 高周波焼入装置 - Google Patents

高周波焼入装置

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JP3085880B2
JP3085880B2 JP07172763A JP17276395A JP3085880B2 JP 3085880 B2 JP3085880 B2 JP 3085880B2 JP 07172763 A JP07172763 A JP 07172763A JP 17276395 A JP17276395 A JP 17276395A JP 3085880 B2 JP3085880 B2 JP 3085880B2
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克和 永井
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    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
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    • C21D1/09Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation
    • C21D1/10Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation by electric induction
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    • F27D2019/0071Regulation using position sensors
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば内燃機関用の
シリンダブロックのボア内面を高周波液中焼入れするよ
うな高周波焼入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワークの円筒内面を焼入れヘッド
により高周波液中焼入れする装置としては、例えば、特
開昭58−37117号公報に記載の装置がある。すな
わち冷却液としての水を貯留した水槽を設け、この水槽
を仕切板により水の移動が可能なように左右に区画し、
一方の区画部には高周波電源に導体を介して取付けた焼
入れヘッドを配置し、この焼入れヘッドに対して受台に
支持させたワークの円筒内面を位置させる一方、他方の
区画部には槽外の昇降装置により駆動されるプランジャ
を配設して、このプランジャの下降により水槽の水位を
上昇させて上述のワークを水中に没して、水中にて高周
波焼入れを行なう装置である。
【0003】この従来装置によれば、上述の焼入ヘッド
に高周波電流を通電すると、被焼入物体としてのワーク
の円筒内面における表面部位に誘導高周波電流が流れて
所定の焼入温度に急加熱され、焼入れヘッドへの高周波
電流をしゃ断すると、ワークの加熱部が水中にて急冷却
されるので、熱ロスを僅少にしつつ焼入れを行なうこと
ができる利点がある反面、上述の焼入れヘッドとワーク
の円筒内面とのセンタリングが不充分な場合には、焼入
れヘッドとワークの円筒内面とのクリアランスの不均一
に起因して、焼入れむらが発生する問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、ワーク円筒位置を計測手段で計測し、計測
された円筒の計測位置に対してワークと焼入れヘッドと
の相対位置を補正することで、焼入れヘッドとワークの
センタリングを確実と成して、焼入れむらの発生を防止
することができ、しかも、焼入れヘッドの最下端部に設
けられた干渉検知手段にてワーク円筒内面と焼入れヘッ
ドとの干渉を検知して、焼入れヘッドのコイル部分がワ
ーク円筒内面と接触して損傷するのを事前に防止するこ
とができる高周波焼入装置の提供を目的とする。
【0005】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、焼入れヘッドを上下
方向(Z軸方向)に移動させ、ワークを上載したワーク
テーブルを左右方向(X軸方向)および前後方向(Y軸
方向)に移動させることで、ワークテーブルを介してワ
ークの位置をセンタリングが図れるように位置補正する
ことができる高周波焼入装置の提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、ワークの円筒位置を
上下方向に移動する計測手段にて計測することで、ワー
ク重量が大きい場合の計測性の向上を図ることができる
高周波焼入装置の提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、焼入れヘッドを仮想
水平面内において所定角度捻回すべく構成することで、
ワークの円筒内面に対して千鳥状もしくは市松模様の焼
入れ斑を形成することが可能となる高周波焼入装置の提
供を目的とする。
【0008】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の目的と併せて、ワークテーブルに焼
入れヘッドの取付位置を測定するタッチ信号プローブの
ような測定手段を設けることで、互に相対的な位置関係
にあるワークテーブルと焼入れヘッドとにおいて、テー
ブル位置に対して上述の焼入れヘッドが正規の位置に取
付けられているか否かを測定することができる高周波焼
入装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の目的と併せて、ワークテーブルにマ
スタリングのようなテーブル基準部材を設け、上述の計
測手段でこのテーブル基準部材の位置を計測してワーク
テーブルの位置を検出することで、ワークテーブルが熱
的影響(焼入れ熱に起因する影響、テーブル移動による
熱的影響の双方を含む)を受けて、熱膨張等により熱変
形したような場合にあってもテーブルの位置ずれを正確
に検出することができる高周波焼入装置の提供を目的と
する。
【0010】この発明の請求項7記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述の焼入れヘッド
にヘッドセンタリング計測用の計測部を設けることで、
焼入れヘッドのセンタリング計測を容易に行なうことが
できる高周波焼入装置の提供を目的とする。
【0011】この発明の請求項記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述の干渉検知手段
を非磁性通電部材で構成することにより、焼入れヘッド
に対する高周波電流の通電時にあっても上述の非磁性通
電部材が溶損したり焼きが入ったりすることのない高周
波焼入装置に提供を目的とする。
【0012】この発明の請求項記載の発明は、ワーク
円筒位置を計測手段で計測し、計測された円筒の計測位
置に対してワークと焼入れヘッドとの相対位置を補正す
ることで、焼入れヘッドとワークのセンタリングを確実
と成して、焼入れむらの発生を防止することができ、ま
た焼入れヘッドを上下方向に移動させ、ワークを上戴し
たワークテーブルを左右方向および前後方向に移動させ
ることで、ワークテーブルを介してワークの位置をセン
タリングが図れるように位置補正することができ、さら
にワークテーブルに焼入れヘッドの取付位置を測定する
測定手段を設けることで、互に相対的な位置関係にある
ワークテーブルと焼入れヘッドとにおいて、テーブル位
置に対して焼入れヘッドが正規の位置に取付けられてい
るか否かを測定することができ、しかも上述の測定手段
が焼入れヘッドの計測部に複数箇所接触させて、これら
複数箇所の位置から焼入れヘッドのセンタリングポジシ
ョンを割出すように構成することで、焼入れヘッドのセ
ンタリング計測を容易に行なうことができる高周波焼入
装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、ワークの円筒内面を焼入れヘッドにより高周
波焼入れする高周波焼入装置であって、上記ワークの円
筒位置を計測する計測手段と、上記計測手段で計測され
た円筒の計測位置に対応して上記ワークと上記焼入れヘ
ッドとの相対位置を補正する補正手段と、上記焼入れヘ
ッドのワーク円筒への挿入先端部としての最下端部に設
けられ、焼入れヘッドの外周部に対して所定量径方向へ
突出し、ワーク円筒内面に干渉した時、通電回路が形成
されて干渉を検知する干渉検知手段とを備えた高周波焼
入装置であることを特徴とする。
【0014】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記焼入れヘッドを
上下方向に移動させる焼入れヘッド昇降手段と、上載さ
れたワークを左右方向および前後方向に移動させるワー
クテーブルとを備えた高周波焼入装置であることを特徴
とする。
【0015】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記計測手段を上下
方向に移動させる計測子昇降手段を備えた高周波焼入装
置であることを特徴とする。
【0016】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記焼入れヘッドを
仮想水平面内において所定角度捻回させる焼入れ位置変
更手段を備えた高周波焼入装置であることを特徴とす
る。
【0017】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の構成と併せて、上記ワークテーブル
に焼入れヘッドの取付位置を測定する測定手段を取付け
た高周波焼入装置であることを特徴とする。
【0018】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の構成と併せて、上記ワークテーブル
にテーブル基準部材を設け、上記計測手段で該テーブル
基準部材の位置を計測してワークテーブルの位置を検出
する高周波焼入装置であることを特徴とする。
【0019】この発明の請求項7記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記焼入れヘッドは
誘導加熱コイルを有すると共に、この焼入れヘッドにヘ
ッドセンタリング計測用の計測部を設けた高周波焼入装
置であることを特徴とする。
【0020】この発明の請求項記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記干渉検知手段は
非磁性通電部材で構成された高周波焼入装置であること
を特徴とする。
【0021】この発明の請求項記載の発明は、ワーク
の円筒内面を焼入れヘッドにより高周波焼入れする高周
波焼入装置であって、上記ワークの円筒位置を計測する
計測手段と、上記計測手段で計測された円筒の計測位置
に対応して上記ワークと上記焼入れヘッドとの相対位置
を補正する補正手段と、上記焼入れヘッドを上下方向に
移動させる焼入れヘッド昇降手段と、上戴されたワーク
を左右方向および前後方向に移動させるワークテーブル
と、上記ワークテーブルに設けられ焼入れヘッドの取付
位置を測定する測定手段と、上記焼入れヘッドに設けら
れたヘッドセンタリング計測用の計測部とを備え、上記
測定手段は計測部に複数箇所接触させて、該複数箇所の
位置から焼入れヘッドのセンタリングポジションを割出
す高周波焼入装置であることを特徴とする。
【0022】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、上述の計測手段はワークの円筒位置を計測
し、上述の補正手段は計測手段で計測された円筒の計測
位置に対応してワークと焼入れヘッドとの相対位置を補
正する。このように、上述の補正手段が焼入れヘッドと
ワークとの相対位置を補正するので、焼入れヘッドとワ
ークのセンタリングを確実と成すことができ、焼入れヘ
ッドとワークの円筒内面との間のクリアランスを均一と
なして、焼入れむらの発生を防止することができる効果
がある。
【0023】しかも、上述の焼入れヘッドのワーク円筒
への挿入先端部としての最下端部に設けた干渉検知手段
で焼入れヘッドとワーク円筒内面との干渉を検知し、干
渉検知時には通電回路が形成されるので、焼入れヘッド
のコイル部分がワーク円筒内面と接触して損傷するのを
事前に防止することができる効果がある。
【0024】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、焼入れヘッド
昇降手段は焼入れヘッドを上下方向(Z軸方向)に移動
させ、ワークテーブルは上載されたワークを左右方向
(X軸方向)および前後方向(Y軸方向)に移動させる
ので、このワークテーブルによりワークの円筒内面と焼
入れヘッドとのセンタリングがとれるように位置補正す
ることができる効果がある。
【0025】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の計測子
昇降手段は計測手段を上下方向(Z軸方向)に移動さ
せ、この上下方向に移動する計測手段でワークの円筒位
置を計測するのでワーク側を昇降させる必要がなく、特
にワーク重量が大きい場合において計測性の向上を図る
ことができる効果がある。
【0026】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の焼入れ
位置変更手段は焼入れヘッドを仮想水平面内において所
定角度捻回させるので、ワークの円筒内面に対して千鳥
状もしくは市松模様の焼入れ斑を形成することが可能と
なる。
【0027】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項2記載の発明の効果と併せて、上述のワーク
テーブルに取付けられた測定手段は焼入れヘッドの取付
位置を測定する。つまりワークテーブルと焼入れヘッド
とは互に相対的な位置関係にあるので、上述のテーブル
側の測定手段で焼入れヘッドの取付位置を測定すること
により、テーブル位置に対して上述の焼入れヘッドが正
規の位置に取付けられているか否かを測定することがで
きる効果がある。
【0028】この発明の請求項6記載の発明によれば、
上記請求項3記載の発明の効果と併せて、上述の計測子
昇降手段により上下方向へ移動する計測手段でワークテ
ーブルに設けられたテーブル基準部材の位置を計測し
て、ワークテーブルの位置を検出するので、ワークテー
ブルが熱的影響を受けて熱変形したような場合であって
も、このワークテーブルの位置ずれを正確に検出し、必
要に応じてテーブル位置の補正を実行することができる
効果がある。
【0029】この発明の請求項7記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の焼入れ
ヘッドにはヘッドセンタリング計測用の計測部が設けら
れているので、この計測部を利用して焼入れヘッドのセ
ンタリング計測を容易に行なうことができる効果があ
る。
【0030】この発明の請求項記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の干渉検
知手段は非磁性通電部材で構成されているので、焼入れ
ヘッドに対する高周波電流の通電時にあっても上述の非
磁性通電部材は溶損したり或は該部材に焼きが入ったり
することはない。
【0031】この発明の請求項記載の発明によれば、
上述の計測手段はワークの円筒位置を計測し、上述の補
正手段は計測手段で計測された円筒の計測位置に対応し
てワークと焼入れヘッドとの相対位置を補正するので、
焼入れヘッドとワークのセンタリングを確実と成すこと
ができ、焼入れヘッドとワークの円筒内面との間のクリ
アランスを均一となして、焼入れむらの発生を防止する
ことができる。
【0032】また、焼入れヘッド昇降手段は焼入れヘッ
ドを上下方向に移動させ、ワークテーブルは上戴された
ワークを左右方向および前後方向に移動させるので、こ
のワークテーブルによりワークの円筒内面と焼入れヘッ
ドとのセンタリングがとれるように位置補正することが
できる。
【0033】しかも、ワークテーブルに設けられた測定
手段は焼入れヘッドにおけるヘッドセンタリング計測用
の計測部に複数箇所接触して、これら複数箇所の位置か
ら焼入れヘッドのセンタリングポジジョンを割出す。
【0034】つまり、ワークテーブルと焼入れヘッドと
は互に相対的な位置関係にあるので、ワークテーブル側
の測定手段を焼入れヘッドの計測部に複数箇所接触させ
て、複数箇所の位置から焼入れヘッドのセンタリング計
測を行なうので、斯る計測を容易に行なうことができる
効果がある。
【0035】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はシリンダブロックのボア内面を高周波液
中焼入れする高周波焼入装置を示し、図1、図2、図3
において、ベース部材としてのベッド1の一側(図1、
図2の右側)にコラム2を立設すると共に、ベッド1の
中間部分には門型の架構3を立設固定している。
【0036】上述のベッド1の上面には2本の水平かつ
並行なY軸レール4,4を取付け、このY軸レール4,
4に沿って前後方向(Y軸に方向)に移動可能なロアテ
ーブル5を設けている。すなわち、該ロアテーブル5の
下面に設けた複数のスライダ6を上述のY軸レール4に
摺動可能に装着する一方、ベッド1の一側端部に取付け
たY軸モータM1にボールねじを連結し、このボールね
じにボールを介して配設されるボールガイドナットを上
述のロアテーブル5に連結することで、Y軸モータM1
の正逆回転によりロアテーブル5を前後方向(図1、図
2の左右方向)に移動すべく構成している。
【0037】上述のロアテーブル5の上面には2本の水
平かつ並行なX軸レール7,7を取付け、このX軸レー
ル7,7に沿って左右方向(X軸方向)に移動可能なア
ッパテーブル8を設けている。すなわち該アッパテーブ
ル8の下面に設けた複数のスライダ9を上述のX軸レー
ル7に摺動可能に装着する一方、ロアテーブル5上に取
付けたX軸モータM2にボールねじ10を連結し、この
ボールねじにボールを介して配設されるボールガイドナ
ットを上述のアッパテーブル8に連結することで、X軸
モータM2の正逆回転によりアッパテーブル8を左右方
向に移動すべく構成している。
【0038】而して、上述のロアテーブル5とアッパテ
ーブル8との両者5,8によりワークテーブル11(い
わゆるX−Yテーブルもしくはクロステーブル)を構成
し、このワークテーブル11の上面には、上方が開放さ
れた箱状の水中焼入れ用の水槽(以下単にタンクと略記
する)12を取付けている。このタンク12はその内部
に冷却液体としての水Wが貯留および排出されるもの
で、このタンク12の内部には支持部材13を介して被
焼入れ部材としてのシリンダブロック14(いわゆるワ
ーク)が着脱可能に位置決め固定されている。
【0039】上述のシリンダブロック14は高周波焼入
れが可能な鋳鉄等の金属材料で構成され、気筒相当数
(図面では直列4気筒を例示)のシリンダボア14aを
有する。
【0040】一方、上述のコラム2の立設面には上下方
向に延びる2本の並行なZ軸レール15,15を取付
け、このZ軸レール15,15に沿って上下方向(Z軸
方向)に移動可能な昇降ユニット16を設けている。す
なわち該昇降ユニット16の背面(図1、図2で右側
面)に設けた平板部材17に対して複数のスライダ18
を取付け、該スライダ18を上述のZ軸レール15に摺
動可能に装着する一方、コラム2の上部に取付けたZ軸
モータM3にボールねじ19を連結し、このボールねじ
19にボールを介して配設されるボールガイドナット2
0を上述の平板部材17に連結することで、Z軸モータ
M3の正逆回転により昇降ユニット16を上下方向に移
動すべく構成している。
【0041】ここで、上述の昇降ユニット16は平板部
材17と、この平板部材17の前面に一体的に取付けた
昇降台21とを含み、この昇降台21には高周波誘導加
熱用のトランス22を搭載すると共に、昇降台21の下
面には上記トランス22の2次側に電気接続され焼入れ
ヘッド23を垂設している。つまり、この焼入れヘッド
23は上述のZ軸モータM3により上下動するように構
成されいてる。
【0042】また上述の昇降台21の台面上部には円盤
受け部材24を介して円盤25を取付け、図2に示すよ
うに、この円盤25の一部にギヤ26を部分的に一体形
成する一方、焼入れ位置変更モータM4の回転軸27に
はピニオン28を取付け、このピニオン28を上述のギ
ヤ26と噛合わせている。
【0043】而して、上述のモータM4の正逆回転によ
りピニオン28、ギヤ26および円盤25を介してトラ
ンス22と焼入れヘッド23とを一体的に仮想水平面内
において該焼入れヘッド23のセンタ部(センタリング
ポイント)を中心として所定角度捻回すべく構成してい
る。
【0044】さらに上述の昇降ユニット16の下面と対
向するように前述のベッド1の左右両側にはバランス用
エアシリンダ29を立設固定し、このエアシリンダ29
のピストンロッド30でアタッチメント31を介して昇
降ユニット16のブラケット32に対して昇降ユニット
16およびトランス22等を含む昇降部の重量に対向す
る圧力を付加することで、上述のZ軸モータM3の移転
負荷を軽減すべく構成している。なお、上述のバランス
用エアシリンダ29のピストンロッド30は昇降ユニッ
ト16の昇降と対応して突没制御されることは勿論であ
る。
【0045】ところで、上述の架構3にはワーク円筒位
置としてのシリンダブロック14のボア14a位置を計
測するボア位置測定子33を取付けている。このボア位
置測定子33としては本来、ワークの内径を測定するの
に用いられる差動トランス型内径測定子いわゆるマーポ
スゲージ(商品名)を用い、この差動トランス型内径測
定子でボア14aの中心位置を求めるように構成してい
る。
【0046】また前述のワークテーブル11、詳しくは
アッパテーブル8には焼入れヘッド23の取付位置を測
定する測定手段としての電気抵抗式のタッチ信号プロー
ブ(以下単にタッチプローブと略記する)34と、テー
ブル基準部材としてその上部に凹状に窪んだ円筒部を有
するマスタリング35とを離間させて立設固定してい
る。
【0047】上述のボア位置測定子33は上下方向(Z
軸方向)に移動できるように構成されている。すなわ
ち、図4に示す如く測定子昇降台36に上述のボア位置
測定子33を取付ける一方、架構3側の固定部材37に
は上下方向に延びる2本(但し、図4では一方のみを示
す)のレール38を取付け、測定子昇降台36の背面に
取付けた複数のスライダ39を該レール38に装着して
昇降用モータM5の正逆回転によりボア位置測定子33
を上下方向に移動すべく構成している。
【0048】ここで、上述の昇降用モータM5にはカッ
プリング40を介してボールねじ41を連結し、このボ
ールねじ41にボールを介して配設されるボールガイド
ナット42を上述の測定子昇降台36に連結している。
一方、上述の焼入れヘッド23は図5乃至図8に示すよ
うに構成されている。
【0049】すなわち、この焼入れヘッド23はトラン
ス22の2次側に接続される接続フランジ部43と、シ
リンダブロック14のボア14aに対して焼入れを行な
うCu製の誘導加熱コイル44と、これら両者43,4
4を接続するCu製のリード部45とを備え、必要箇所
を四フッ化エチレン樹脂または雲母(マイカ)製の絶縁
板46で絶縁している。
【0050】また、この実施例ではシリンダブロック1
4のボア14aを円周上11等分にて同時に焼入れする
目的で、上述の誘導加熱コイル44には11箇所の凸部
47(図7参照)と11箇所の凹部48(図7参照)と
を形成し、これらの各凸部47には磁束密度を集中およ
び向上させる目的で磁気コア49を配設している。
【0051】さらに上述の誘導加熱コイル44の下方部
には、予め焼入れヘッド23に対して芯出しされた状態
で合成樹脂例えばNCナイロン製のヘッドセンタリング
計測用の計測部50を組み付けている。しかも、焼入れ
ヘッド23のシリンダボア14aへの挿入先端部として
の最下端部位にはシリンダボア14aの内面に対する干
渉を検知するために、ステンレス製棒状体を十文字に組
合わせた非磁性通電部材51(干渉検知手段)が取付けら
れている。
【0052】この非磁性通電部材51は図5に示すよう
に誘導加熱コイル44の外径部に対して若干量Lだけ径
方向外方へ突出するようにその長さが設定された弾性部
材である。この非磁性通電部材51を用いた干渉検知回
路は図8に示す如く構成される。
【0053】すなわち、アース52と焼入れヘッド23
の接続フランジ部43との間を結ぶライン53に、干渉
検知電源54および干渉検知リレー55を介設する一
方、上述の誘導加熱コイル44と非磁性通電部材51と
をSUS製のリード線56で接続し、上述の干渉検知電
源54により非磁性通電部材51に例えば10数ボルト
の電圧を印加し、この非磁性通電部材51をシリンダブ
ロック14のボア14a内に挿して、該非磁性通電部材
51がボア14aに干渉した時、通電回路が形成され
て、干渉検知リレー55がONになるように構成されて
いる。ここで、非磁性通電部材51およびリード線56
は、非磁性条件、通電条件および加熱されにくい条件を
全て満たすステンレスにより構成される。
【0054】図9は高周波焼入装置の制御回路ブロック
図を示し、CPU60はボア位置測定子33、タッチプ
ローブ34、干渉検知リレー55からの必要な各種信号
入力に基づいて、ROM57に格納されたプログラムに
従って、Y軸モータM1、X軸モータM2、Z軸モータ
M3、焼入れ位置変更用モータM4、ボア位置測定子昇
降用モータM5、バランス用エアシリンダ29および発
振器58を駆動制御し、またRAM59はボア位置測定
子33で計測されたシリンダボア14aの計測位置デー
タ、ボア位置測定子33で計測されたマスタリング35
の計測位置データ、タッチプローブ34で測定された焼
入ヘッド23の取付位置データ、タッチプローブ34で
測定された焼入れヘッド23の取付位置データ、タッチ
プローブ34で測定されたボア位置測定子33の位置デ
ータなどの必要な各種データやマップを記憶する。
【0055】上述のタッチプローブ34による焼入れヘ
ッド23の取付位置測定に際しては、この焼入れヘッド
23に予め芯出し固定されたNCナイロン製のヘッドセ
ンタリング計測用の計測部50を利用して行なわれる。
つまり図7において非磁性通電部材51が配設された箇
所から各45度隔てた計測部50外周にタッチプローブ
34の先端球状部を接触させ、合計4箇所の位置から焼
入れヘッド23のセンタリングポジションを割出す。ま
た上述の発振器58は高周波誘導加熱電源(図示せず)
に接続されている。
【0056】なお、図3における61はタンク12内の
水Wを一度に排出処理するためのピンチバルブである。
このように構成した高周波焼入装置の作用を図10、図
11、図12に示すフローチャートを参照して、以下に
詳述する。
【0057】まず図10のフローチャートを参照して誘
導加熱コイル44の位置(焼入れヘッド23の位置)決
定処理について述べると、第1ステップS1で、トラン
ス22の2次側にて焼入れヘッド23を取付け、次の第
2ステップS2で、CPU60はコイル取付け誤差を測
定する。
【0058】つまり、Y軸モータM1、X軸モータM2
を介してワークテーブル11を移動して、タッチプロー
ブ34でボア位置測定子33の位置を測定し、次に同様
にワークテーブル11を移動して、タッチプローブ34
で焼入れヘッド23の位置を測定する。この際、タッチ
プローブ34の先端球状部をNCナイロン製の計測部5
0に接触させて、センタリングポジションを割出す。
【0059】次に第3ステップS3で、CPU60は誘
導加熱コイル44の位置が許容範囲か否かを判定、例え
ば0.1mm以下の時にはOKとし、それ以上の時にはN
Gとする。次に第4ステップS4で、CPU60はボア
位置測定子33の測定位置データから焼入れヘッド23
の位置を割出して、決定する。このようにして決定され
た焼入れヘッド23の取付位置データはRAM59の所
定エリアに記憶される。この図10に示す一連の処理は
始動時(始業時)および所定時間間隔にて実行される。
【0060】次に図11のフローチャートを参照して座
標ゼロイング処理について述べると、第1ステップS1
1で、CUP60はマスタリング35の位置確認を実行
する。つまりワークテーブル11を介してマスタリング
35をボア位置測定子33の直下に移動させ、次にボア
位置測定子昇降用モータM5を介してボア位置測定子3
3を下降させて、このボア位置測定子33をマスタリン
グ35内に挿入することで、マスタリング35の位置を
確認する。
【0061】次に第2ステップS12で、CPU60は
座標誤差が許容範囲内か否かを判定する。例えば座標の
狂いが80μm以下の時にはOKとし、それ以上の時に
はNGとする。そしてOKと判定された時には第3ステ
ップS13に移行する一方、NGと判定された時に別の
第4ステップS14に移行する。
【0062】上述の第3ステップS13で、CPU60
は座標のゼロイングを実行する一方、第4ステップS1
4ではCPU60はマシン停止を実行する。上述の座標
ゼロイングデータはRAM59の所定エリアに記憶され
る。この図11に示す一連の処理は始動時(始業時)お
よび所定時間間隔にて実行される。
【0063】次に図12のフローチャートを参照してボ
ア位置補正処理について述べると、第1ステップS21
で、CPU60はワークとしてのシリンダブロック14
のボア位置の確認処理を実行する。つまり、ワークテー
ブル11を介してシリンダブロック14のボア14aが
ボア位置測定子33の直下に位置するように移動させ
る。次にボア位置測定子昇降用モータM5を介してボア
位置測定子33を下降させて、このボア位置測定子33
をボア14a内に挿入することで、ボア位置の確認を実
行する。
【0064】次に第2ステップS22で、CPU60は
ボア位置が許容範囲か否かを判定する。例えば前述の座
標ゼロイング値に対して補正最大量が0.2mm以下の時
にはOKとし、それ以上の時にはNGとする。そして、
OKと判定された場合には次の第3ステップS23に移
行する一方、NGと判定された場合には別の第5ステッ
プS25に移行して、不良ワークを除外する。
【0065】一方、上述の第3ステップS23で、CP
U60はボア位置の確認データと座標ゼロイング値との
対比によりボア位置の補正量を決定し、この補正量に対
応して焼入れ時においてワークテーブル11を介してボ
ア位置の補正を実行する。なお、このような処理は全気
筒に対してそれぞれ実行させる。次に第4ステップS2
4で、CPU60は焼入れ開始を実行する。
【0066】つまり、ワークテーブル11を介して予め
水Wが貯留されたタンク12および同タンク2内のシリ
ンダブロック14を図1に示す位置から同図の右方へ移
動して、シリンダボア14aが焼入れヘッド23の直下
に位置するように制御し、Z軸モータM3を駆動してト
ランス22および焼入れヘッド23を下降させ高周波液
中焼入れを開始する。
【0067】この焼入れ開始に先立って、ボア4a内に
挿入される非磁性通電部材51がボア14a内面と干渉
した場合には、干渉検知リレー55がONとなり、この
ON信号によりCPU60はZ軸モータM3を停止する
が、干渉のない正常時には高周波液中焼入れが実行され
る。
【0068】図13はシリンダブロック14におけるボ
ア14aを展開し、かつ焼入れ斑が形成される部位を図
示の便宜上ハッチングを施して示す説明図で、同図の上
下方向はピストンのストローク方向と対応する。而して
焼入ヘッド23における誘導加熱コイル44による焼入
れ順序は例えば図13に示す焼入れ斑がa,b,c,
d,e,f,g,h,i,jの順で形成されるように設
定する。
【0069】この時、焼入れ斑a〜eの次に焼入れ斑f
〜jを形成するには、焼入れヘッド23を所定角度だけ
捻回する必要があるので、この場合、CPU60は焼入
れ位置変更用モータM4を駆動して、ピニオン28、ギ
ヤ26および円盤25を介してトランス22と共に焼入
れヘッド23の角度を所定量変更する。なお、このよう
な焼入れ順序に設定すると、前回の焼入れ熱による影響
を受けない部位を順次高周波液中焼入れすることができ
るので、水Wによる冷却時間をかせぎつつ、熱影響をな
くすことができて、図13に示すような千鳥状もしくは
市松模様の焼入れ斑a〜jを形成することができる。ま
た各焼入れ斑相互間に所定の間隔があるため、この間隔
部分(焼入れ斑が形成されていない部分)でエンジンの
シリンダに必要なオイル保持を確保しつつ、焼入れ斑a
〜jが形成された部位の表面硬度向上により耐磨耗性の
向上を図ることができる。
【0070】以上要するに、上述の計測手段(ボア位置
測定子33参照)はワークの円筒(シリンダボア14a
参照)位置を計測し、上述の補正手段(ワークテーブル
11参照)は計測手段で計測された円筒の計測位置に対
応してワーク(シリンダブロック14参照)と焼入れヘ
ッド23との相対位置を補正する。
【0071】このように、上述の補正手段(ワークテー
ブル11参照)が焼入れヘッド23とワーク(シリンダ
ブロック14a参照)との相対位置を補正するので、焼
入れヘッド23とワークのセンタリングを確実と成すこ
とができ、焼入れヘッド23とワークの円筒(シリンダ
ボア14a参照)内面との間のクリアランスを均一とな
して、焼入れむらの発生を防止することができる効果が
ある。
【0072】しかも、焼入れヘッド23のワーク円筒
(シリンダボア14a参照)への挿入先端部にワーク円
筒内面に対する干渉を検知する干渉検知手段(非磁性通
電部材51参照)を設けたので、この干渉検知手段をワ
ークの円筒(シリンダボア14a参照)内へ挿入し、ワ
ーク円筒内面と干渉検知手段とが接触する干渉時にあっ
ては、この干渉検知手段とワーク(シリンダブロック1
4参照)との間に通電回路が形成されることで、焼入ヘ
ッド23がワークの円筒内面とを干渉することを検知す
る。
【0073】この干渉により焼入れヘッド23の移動を
停止することで、焼入れヘッド23のコイル部分がワー
ク円筒内面と接触して損傷するのを事前に防止すること
ができる効果がある。
【0074】また、焼入れヘッド昇降手段(Z軸モータ
M3参照)は焼入れヘッド23を上下方向(Z軸方向)
に移動させ、ワークテーブル11は上載されたワーク
(シリンダブロック14参照)を左右方向(X軸方向)
および前後方向(Y軸方向)に移動させるので、このワ
ークテーブル11によりワークの円筒内面と焼入りヘッ
ド23とのセンタリングがとれるように位置補正するこ
とができる効果がある。
【0075】さらに、上述の計測子昇降手段(ボア位置
測定子昇降用モータM5参照)は計測手段(ボア位置測
定子33参照)を上下方向(Z軸方向)に移動させ、こ
の上下方向に移動する計測手段でワークの円筒(シリン
ダボア14a参照)位置を計測するのでワーク側を昇降
させる必要がなく、特にワーク重量が大きい場合におい
て計測性の向上を図ることができる効果がある。
【0076】加えて、上述の焼入れ位置変更手段(焼入
れ位置変更用モータM4参照)は焼入れヘッド23を仮
想水平面内において所定角度捻回させるので、ワークの
円筒(シリンダボア14a参照)内面に対して千鳥状も
しくは市松模様の焼入れ斑を形成することが可能とな
る。
【0077】一方、上述のワークテーブル11に取付け
られた測定手段(タッチプローブ34参照)は焼入れヘ
ッド23の取付位置を測定する。つまりワークテーブル
11と焼入れヘッド23とは互に相対的な位置関係にあ
るので、上述のテーブル11側の測定手段(タッチプロ
ーブ34参照)で焼入れヘッド23の取付位置を測定す
ることにより、テーブル位置に対して上述の焼入れヘッ
ド23が正規の位置に取付けられているか否かを測定す
ることができる効果がある。
【0078】また、上述の計測子昇降手段(ボア位置測
定子昇降用モータM5参照)により上下方向へ移動する
計測手段(ボア位置測定子33参照)でワークテーブル
に設けられたテーブル基準部材(マスタリング35参
照)の位置を計測して、ワークテーブル11の位置を検
出するので、ワークテーブル11が熱的影響を受けて熱
変形したような場合であっても、このワークテーブル1
1の位置ずれを正確に検出し、必要に応じてテーブル位
置の補正を実行することができる効果がある。
【0079】さらに上述の焼入れヘッド23にはヘッド
センタリング計測用の計測部50が設けられているの
で、この計測部50を利用して焼入れヘッド23のセン
タリング計測を容易に行なうことができる効果がある。
【0080】また、上述のワークテーブル11に取付け
られた測定手段(タッチプローブ34参照)で焼入れヘ
ッド23のヘッドセンタリング計測用の計測部50の必
要複数箇所を測定することができるので、ワークテーブ
ル11の位置に対して焼入れヘッド23が正規の位置に
取付けられているか否かを容易に測定することができる
効果がある。
【0081】さらに、上述の干渉検知手段を非磁性通電
部材51で構成したので、焼入れヘッド23に対する高
周波電流の通電時にあっても上述の非磁性通電部材51
は溶損したり或は該部材51に焼きが入ったりすること
はない。
【0082】加えて、上述の計測手段(ボア位置測定子
33参照)はワーク(シリンダブロック14参照)の円筒
位置を計測し、上述の補正手段(ワークテーブル11参
照)は計測手段で計測された円筒の計測位置に対応して
ワークと焼入れヘッド23との相対位置を補正するの
で、焼入れヘッド23とワーク(シリンダブロック14
参照)のセンタリングを確実と成すことができ、焼入れ
ヘッド23とワークの円筒内面(シリンダボア14a参
照)との間のクリアランスを均一となして、焼入れむら
の発生を防止することができる。
【0083】また、焼入れヘッド昇降手段(Z軸モータ
M3参照)は焼入れヘッド23を上下方向に移動させ、
ワークテーブル11は上戴されたワーク(シリンダブロ
ック14参照)を左右方向(X軸方向)および前後方向(Y
軸方向)に移動させるので、このワークテーブル11に
よりワークの円筒内面と焼入れヘッド23とのセンタリ
ングがとれるように位置補正することができる。
【0084】しかも、ワークテーブル11に設けられた
測定手段(タッチプローブ34参照)は焼入れヘッド23
におけるヘッドセンタリング計測用の計測部50に複数
箇所接触して、これら複数箇所の位置から焼入れヘッド
23のセンタリングポジジョンを割出す。
【0085】つまり、ワークテーブル11と焼入れヘッ
ド23とは互に相対的な位置関係にあるので、ワークテ
ーブル11側の測定手段(タッチプローブ34参照)を焼
入れヘッド23の計測部50に複数箇所接触させて、複
数箇所の位置から焼入れヘッド23のセンタリング計測
を行なうので、斯る計測を容易に行なうことができる効
果がある。
【0086】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のワークは、実施例のシリンダブロ
ック14に対応し、以下同様に、ワークの円筒内面は、
ボア(詳しくはシリンダボア)14aに対応し、計測手
段は、ボア位置測定子33(いわゆるマーポスゲージ)
に対応し、補正手段は、ワークテーブル11に対応し、
焼入れヘッド昇降手段は、Z軸モータM3に対応し、計
測子昇降手段は、ボア位置測定子昇降用モータM5に対
応し、焼入れ位置変更手段は、焼入れ位置変更用モータ
M4に対応し、測定手段は、タッチプローブ34に対応
し、テーブル基準部材は、マスタリング35に対応し、
干渉検知手段は、非磁性通電部材51に対応するも、こ
の発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもので
はない。
【0087】例えば高周波液中焼入れは水中のみに限ら
ず焼入れ用オイル中にても実行することが可能であり、
また請求項1のワークと焼入れヘッドとの相対位置の補
正は、この実施例にあってはワークテーブルを介してワ
ークの位置を補正すべく構成したが、焼入ヘッドの位置
を補正すべく構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高周波焼入装置を示す側面視図。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 図1の左側面視図。
【図4】 計測手段の昇降構造を示す説明図。
【図5】 焼入れヘッドの構成を示す正面図。
【図6】 図5の右側面図。
【図7】 図5の底面図。
【図8】 干渉検知用の回路を示す説明図。
【図9】 制御回路ブロック図。
【図10】 コイル位置決定処理を示すフローチャー
ト。
【図11】 座標ゼロイング処理を示すフローチャー
ト。
【図12】 ボア位置補正処理を示すフローチャート。
【図13】 本発明の高周波焼入装置により形成された
焼入斑の一例を示す説明図。
【符号の説明】
11…ワークテーブル(補正手段) 14…シリンダブロック(ワーク) 14a…ボア(ワークの円筒内面) 23…焼入れヘッド 33…ボア位置測定子(測定手段) 34…タッチプローブ(測定手段) 35…マスタリング(テーブル基準部材) 44…誘導加熱コイル 50…計測部 51…非磁性通電部材(干渉検知手段) M3…Z軸モータ(焼入れヘッド昇降手段) M4…焼入れ位置変更用モータ(焼入れ位置変更手段) M5…ボア位置測定子昇降用モータ(計測子昇降手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川尻 利彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−161461(JP,A) 特開 平4−362116(JP,A) 特開 平5−202418(JP,A) 特開 平7−34129(JP,A) 特開 平8−225846(JP,A) 実開 平4−123244(JP,U) ***国特許3926571(DE,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/10 C21D 1/42 C21D 9/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワークの円筒内面を焼入れヘッドにより高
    周波焼入れする高周波焼入装置であって、 上記ワークの円筒位置を計測する計測手段と、 上記計測手段で計測された円筒の計測位置に対応して上
    記ワークと上記焼入れヘッドとの相対位置を補正する補
    正手段と、 上記焼入れヘッドのワーク円筒への挿入先端部としての
    最下端部に設けられ、焼入れヘッドの外周部に対して所
    定量径方向へ突出し、ワーク円筒内面に干渉した時、通
    電回路が形成されて干渉を検知する干渉検知手段とを備
    えた高周波焼入装置。
  2. 【請求項2】上記焼入れヘッドを上下方向に移動させる
    焼入れヘッド昇降手段と、 上載されたワークを左右方向および前後方向に移動させ
    るワークテーブルとを備えた請求項1記載の高周波焼入
    装置。
  3. 【請求項3】上記計測手段を上下方向に移動させる計測
    子昇降手段を備えた請求項1記載の高周波焼入装置。
  4. 【請求項4】上記焼入れヘッドを仮想水平面内において
    所定角度捻回させる焼入れ位置変更手段を備えた請求項
    1記載の高周波焼入装置。
  5. 【請求項5】上記ワークテーブルに焼入れヘッドの取付
    位置を測定する測定手段を取付けた請求項2記載の高周
    波焼入装置。
  6. 【請求項6】上記ワークテーブルにテーブル基準部材を
    設け、上記計測手段で該テーブル基準部材の位置を計測
    してワークテーブルの位置を検出する請求項3記載の高
    周波焼入装置。
  7. 【請求項7】上記焼入れヘッドは誘導加熱コイルを有す
    ると共に、この焼入れヘッドにヘッドセンタリング計測
    用の計測部を設けた請求項1記載の高周波焼入装置。
  8. 【請求項8】上記干渉検知手段は非磁性通電部材で構成
    された請求項1記載の高周波焼入装置。
  9. 【請求項9】ワークの円筒内面を焼入れヘッドにより高
    周波焼入れする高周波焼入装置であって、 上記ワークの円筒位置を計測する計測手段と、 上記計測手段で計測された円筒の計測位置に対応して上
    記ワークと上記焼入れヘッドとの相対位置を補正する補
    正手段と、 上記焼入れヘッドを上下方向に移動させる焼入れヘッド
    昇降手段と、 上戴されたワークを左右方向および前後方向に移動させ
    るワークテーブルと、 上記ワークテーブルに設けられ焼入れヘッドの取付位置
    を測定する測定手段と、 上記焼入れヘッドに設けられたヘッドセンタリング計測
    用の計測部とを備え、 上記測定手段は計測部に複数箇所接触させて、該複数箇
    所の位置から焼入れヘッドのセンタリングポジションを
    割出す 高周波焼入装置。
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