JP3084269U - コネクタの端子の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 雄形端子の弾性変形を防止し、並びにコネク
タの樹脂体の雄形端子挿入後に発生する弯曲変形を防止
し、且つ速やかに雄形端子を組み付けられる、コネクタ
の端子の構造の提供。 【解決手段】 雄形端子のＺ形ピン及び係止歯が直接加
圧成形され上向きに折り曲げられて、Ｚ形ピンが下向き
とされて弾性変形が防止され、並びに係止歯が雄形端子
の前端後方の上下両側に位置し、雄形端子の係止歯が上
下にコネクタの樹脂体の挿入孔に嵌入し、コネクタの樹
脂体が雄形端子挿入後に弯曲変形するのを防止し、また
各雄形端子がコネクタの樹脂体の挿入孔に挿入された後
に、各雄形端子の後方の連接部が切断されて一回で全部
の雄形端子がコネクタの樹脂体の挿入孔内に取り付けら
れて、速やかに雄形端子を組み付けることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種のコネクタの端子の構造に係り、特に、コネクタ内に取り付けら れる雄形端子であって、そのＺ形ピン及び係止歯が直接加圧成形されてさらに上 向きに折り曲げられ、雄形端子の弾性変形を防止し、並びにコネクタの樹脂体の 雄形端子挿入後に発生する弯曲変形を防止し、且つ速やかに雄形端子を組み付け られる、コネクタの端子の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般のコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ハンディータイプコンピュー タ、携帯電話、ＰＤＡ、ディジタルカメラ、ゲーム機、及びコンピュータ周辺設 備及びデータ保存用のメモリカードなどの現代の電子製品は、いずれも相互に連 接するためのコネクタを有し、例えば図６、７に示されるコネクタがある。それ はコネクタの樹脂体ａに複数の挿入孔ａ１が設けられ、各挿入孔ａ１内に雄形端 子ｂが取り付けられ、雄形端子ｂの前端近くの後方の左右両側に複数の係止歯ｂ １が設けられ、雄形端子ｂが該係止歯ｂ１によりコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ １内に取り付けられ、また雄形端子ｂの後端が下向きに折り曲げられてＺ形ピン ｂ２が形成され、該Ｚ形ピンｂ２により基板ｃの接点ｃ１上に表面実装される。 これは図８に示されるとおりである。

【０００３】 周知のコネクタの樹脂体ａに取り付けられる雄形端子ｂは、長板片状の材料帯 ｄが上から下に加圧成形され、係止歯ｂ１が雄形端子ｂの左右両側に形成され、 雄形端子ｂがコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１内に取り付けられる時、該係止歯 ｂ１が挿入孔ａ１の左右両側に係止され、該係止歯ｂ１がコネクタの樹脂体ａの 挿入孔ａ１に挿入された後、係止歯ｂ１が挿入孔ａ１に対して作用力を発生し、 挿入孔ａ１の内壁面に反作用力を発生させ、挿入孔ａ１を左右両側に向けて押し 開く。コネクタの樹脂体ａには複数の雄形端子ｂが装着される必要があり、各雄 形端子ｂがコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１内に取り付けられた後、左右両側に 張開させ、これが連続して累積されると、コネクタの樹脂体ａが上向き、下向き 或いはＳ形に弯曲変形する場合があった。図９に示されるように、コネクタの樹 脂体ａが変形を発生すると、一部の雄形端子ｂの後方のＺ形ピンｂ２が基板ｃの 接点と接触不能となり、接触不良の状況を形成した。

【０００４】 さらに、雄形端子ｂの後方のＺ形ピンｂ２は上下方向に且つ折り曲げ成形され 、折り曲げ成形後の材料自身が弾性回復する現象を発生し、且つ材料自身が均質 でなく、このためＺ形ピンｂ２成形後に弾性変形が発生し、図１０に示されるよ うに、雄形端子ｂがコネクタの樹脂体ａに装着された後に、列をなすＺ形ピンｂ ２が同一平面に存在しなくなり、このため、各雄形端子ｂの全てを基板ｃ上の接 点ｃ１に接触させることができなくなり、接触不良の状況が発した。これは図１ １に示されるとおりである。

【０００５】 また、コネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１は上下２列をなし、上下２列の雄形端 子ｂがそれぞれ装着され、即ち雄形端子ｂの後方のＺ形ピンｂ２が前述の弾性変 形を発生し、コネクタの樹脂体ａが雄形端子ｂ挿入後に弯曲変形を発生すると、 上下２列のＺ形ピンｂ２容易に交互に重なる現象を発生し、図１２に示されるよ うに、Ｚ形ピンｂ２を基板ｃの接点ｃ１に連接する時に、短絡の状況が発生しや すくなった。

【０００６】 このほか、雄形端子ｂは列をなすように材料帯ｄに形成され、コネクタの樹脂 体ａの挿入孔ａ１に挿入された後、さらに後端が加圧され折り曲げられてＺ形ピ ンｂ２が形成され、ゆえに製造プロセス上、比較的面倒であり、製造コストが増 加した。

【０００７】 雄形端子ｂのコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１に装着後に、コネクタの樹脂体 ａが弯曲変形を発生し、及び雄形端子ｂにＺ形ピンｂ２を形成する時の弾性変形 により、雄形端子ｂの後方のＺ形ピンｂ２が正確に基板ｃ上に表面実装されなく なるのを防止するため、長平板状の材料帯ｄ上に係止歯ｂ３とＺ形ピンｂ４を二 次元加圧成形し、雄形端子ｂ’の切断面を左右両側に位置させ（図１３参照）、 その後、さらに雄形端子ｂ’を材料帯ｄより切断し、さらに雄形端子ｂ’を直立 するようにコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１内に挿入し（図１４参照）、該切断 面を上下方向に変換し、こうして雄形端子ｂ’の係止歯ｂ３を上下両側に位置さ せ、これにより雄形端子ｂをコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１に挿入後に発生し うる左右方向の作用力を防止し、コネクタの樹脂体ａに発生しうる弯曲変形を防 止する。且つ雄形端子ｂ’のＺ形ピンｂ４は切断加圧成形し、Ｚ形ピンｂ４の発 生する弾性変形を防止する。

【０００８】 しかし、二次元切断成形した雄形端子ｂ’は、まず材料帯ｄより切断しなけれ ば、雄形端子ｂ’をコネクタの樹脂体ａの挿入孔ａ１内に挿入できない。雄形端 子ｂ’を材料帯ｄより切断後には、一つ一つ雄形端子ｂ’をコネクタの樹脂体ａ の挿入孔ａ１内に挿入しなければならず、このため組立上、相当に面倒で不便で あり、製造コストが増加した。

【０００９】 このほか、雄形端子ｂ’の前方の挿入端ｂ５の断面は加圧成形時に上下両面が 円弧状を呈し、図１５に示されるようであり、該雄形端子ｂ’をコネクタの樹脂 体ａの挿入孔ａ１に挿入する時には９０度回転させなければならず、これにより 雄形端子ｂ’前方の挿入端ｂ５の円弧状が変換して左右両側に位置し、該挿入端 ｂ５と雌形端子ｅを挿嵌する時、組立時に発生する回転により点接触、さらには 無接触となり、このために接触不良が発生しやすく、ゆえに製品の品質が低下し た。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主要な目的は、コネクタ内に取り付けられる雄形端子の構造を提供す ることにあり、それは、そのＺ形ピンが直接加圧成形されてさらに上向きに折り 曲げられて、Ｚ形ピンが下向きとされ、これにより良好な構造強度を有して弾性 変形を防止するものとする。

【００１１】 本考案のもう一つの目的は、コネクタ内に取り付けられる雄形端子の構造を提 供することにあり、それは、その係止歯が直接加圧成形されてさらに上向きに折 り曲げられ、係止歯が雄形端子の前端後方の上下両側に位置づけられ、雄形端子 の係止歯が上下にコネクタの樹脂体の挿入孔に嵌入し、コネクタの樹脂体に雄形 端子を挿入した後に発生する弯曲変形を防止するものとする。

【００１２】 本考案のさらに一つの目的は、コネクタ内に取り付けられる雄形端子の構造を 提供することにあり、それは、雄形端子をコネクタの樹脂体の挿入孔に挿入した 後に、さらに雄形端子の後方の連接部を切断して、一回で全ての雄形端子をコネ クタの樹脂体の挿入孔内に取り付けられ、速やかに雄形端子を組み付けることが できるものとする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、コネクタの樹脂体に複数の挿入孔が設けられ、各挿入孔内 に一つの雄形端子が挿入され、該雄形端子の前端の後方に複数の係止歯が設けら れ、該雄形端子が該係止歯によりコネクタの樹脂体の挿入孔内に取り付けられ、 また雄形端子の後端が下向きに折り曲げられてＺ形ピンが形成され、該Ｚ形ピン が基板の接点上に表面実装されたコネクタの端子の構造において、 該雄形端子のＺ形ピン及び係止歯が直接加圧成形され上向きに折り曲げられて 、Ｚ形ピンが下向きとされて弾性変形が防止され、並びに係止歯が雄形端子の前 端後方の上下両側に位置し、雄形端子の係止歯が上下にコネクタの樹脂体の挿入 孔に嵌入し、コネクタの樹脂体が雄形端子挿入後に弯曲変形するのを防止し、ま た各雄形端子がコネクタの樹脂体の挿入孔に挿入された後に、各雄形端子の後方 の連接部が切断されて一回で全部の雄形端子がコネクタの樹脂体の挿入孔内に取 り付けられて、速やかに雄形端子を組み付けることができることを特徴とする、 コネクタの端子の構造としている。 請求項２の考案は、前記雄形端子の前方の挿入端の断面の上下両側が円弧形を 呈することを特徴とする、請求項１に記載のコネクタの端子の構造としている。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案は、周知のコネクタの樹脂体ａに挿入される雄形端子ｂの上述の欠点を 鑑み、一種のコネクタの端子の構造を提供する。本考案によると、コネクタの樹 脂体に複数の挿入孔が設けられ、その内部に雄形端子が挿入され、該雄形端子の 前端の後方に複数の係止歯が設けられ、該雄形端子が該係止歯によりコネクタの 樹脂体の挿入孔内に取り付けられ、また雄形端子の後端が下向きに折り曲げられ てＺ形ピンが形成され、該Ｚ形ピンが基板の接点上に表面実装されたコネクタの 端子の構造において、該雄形端子のＺ形ピン及び係止歯が直接加圧成形され上向 きに折り曲げられて、Ｚ形ピンが下向きとされて弾性変形が防止され、並びに係 止歯が雄形端子の前端後方の上下両側に位置し、雄形端子の係止歯が上下にコネ クタの樹脂体の挿入孔に嵌入し、コネクタの樹脂体が雄形端子挿入後に弯曲変形 するのを防止し、また各雄形端子がコネクタの樹脂体の挿入孔に挿入された後に 、各雄形端子の後方の連接部が切断されて一回で全部の雄形端子がコネクタの樹 脂体の挿入孔内に取り付けられて、速やかに雄形端子を組み付けることができる ことを特徴としている。

【００１５】

【実施例】

図１及び図２に示されるように、本考案は、コネクタの樹脂体１に複数の挿入 孔１１が設けられ、各挿入孔１１内に雄形端子２が挿入され、各挿入孔１１内に 一つの雄形端子２が取り付けられ、雄形端子２の前端の後方に複数の係止歯２１ が設けられ、雄形端子２が該係止歯２１によりコネクタの樹脂体１の挿入孔１１ 内に固定され、また、雄形端子２の後端が下向きに折り曲げられてＺ形ピン２２ が形成され、Ｚ形ピン２２が基板３の接点３１上に表面実装され、図３に示され るように、その特徴は以下のとおりである。

【００１６】 該雄形端子２のＺ形ピン２２及び係止歯２１が直接加圧成形されてさらに上向 きに折り曲げられ、Ｚ形ピン２２が下向きとされ、これにより良好な構造強度を 得て弾性変形が防止される。並びに係止歯２１が雄形端子２の前端後方の上下両 側に位置し、雄形端子２の係止歯２１が上下にコネクタの樹脂体１の挿入孔１１ に嵌め込まれ、図４に示されるように、コネクタの樹脂体１の雄形端子２挿入後 の弾性変形が防止される。また、各雄形端子２はコネクタの樹脂体１の挿入孔１ １に挿入された後、さらに各雄形端子２の後方の連接部２３が切断され、こうし て一回で全ての雄形端子２がコネクタの樹脂体１の挿入孔１１内に挿入され、雄 形端子２の快速組み付けが完成する。

【００１７】 上述の構造により、雄形端子２のＺ形ピン２２が加圧成形後にさらに上向きに 折り曲げられ、Ｚ形ピン２２が下向きに折り曲げられ、これにより良好な構造強 度を有して弾性変形が防止され、これによりＺ形ピン２２が正確に基板３の接点 ３１上に表面実装いされ、接触不良の状況の発生を防止する。

【００１８】 さらに、雄形端子２の係止歯２１が同様に直接加圧成形されさらに上向きに折 り曲げられ、係止歯２１が雄形端子２前端後方の上下両側に位置し、雄形端子２ がコネクタの樹脂体１の挿入孔１１内に挿入された後に、該挿入孔１１の反作用 力が上下方向とされ、該コネクタの樹脂体１が僅かに上下２列の挿入孔１１しか 有していないため、ゆえに、雄形端子２挿入により発生する累積変形が防止され 、コネクタの樹脂体１の雄形端子２を挿入後の弯曲変形を防止し、これにより雄 形端子２後方のＺ形ピン２２が同一平面上に保持され、Ｚ形ピン２２が正確に基 板３の接点３１上に表面実装され、接触不良の状況の発生が防止される。

【００１９】 また、各雄形端子２がコネクタの樹脂体１の挿入孔１１に挿入された後、さら に雄形端子２後方の連接部２３が切断されて、一回で全ての雄形端子２のコネク タの樹脂体１の挿入孔１１内への取付けが完成し、周知の技術における一つずつ 装着する面倒と不便が解消され、ゆえに製造コストを減らし市場での競争力を高 めることができる。

【００２０】 図５を参照されたい。雄形端子２の前方の挿入端２４の断面の上下両側は円弧 状を呈し、該挿入端２４と雌形端子４が挿嵌される時、即ち回転させて随時接触 を保持するものとされ、これにより接触不良の発生が防止され、良好な製品品質 を獲得できる。

【００２１】

【考案の効果】

総合すると、本考案に記載の構造は従来の技術にはなく、且つ確実に上述の効 果を達成し、実用新案登録の要件を具備している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図である。

【図２】本考案の雄形端子をコネクタの樹脂体に挿入す
る前の分解斜視図である。

【図３】本考案の平面図である。

【図４】本考案の側面断面図である。

【図５】本考案の雄形端子、雌形端子組み付けの表示図
である。

【図６】本考案の雄形端子、雌形端子組み合わせの表示
図である。

【図７】周知の技術の分解平面図である。

【図８】周知の技術の平面図である。

【図９】周知の技術の端子をコネクタの樹脂体に取り付
けて弯曲変形を発生する状態表示図である。

【図１０】周知の技術の雄形端子の後方のＺ形ピンに弯
曲変形が発生した状態表示図である。

【図１１】周知の技術の上下２列の雄形端子の上下偏位
の状態表示図である。

【図１２】周知の技術の上下２列の雄形端子の左右偏位
の状態表示平面図である。

【図１３】別の周知の技術の雄形端子の平面図である。

【図１４】別の周知の技術の分解斜視図である。

【図１５】周知の技術の雄形端子と雌形端子の組み合わ
せ表示図である。

【符号の説明】

１ コネクタの樹脂体 １１ 挿入孔 ２ 雄形端子 ２１ 係止歯 ２２ Ｚ形ピン ２３ 連接部 ２４ 挿入端 ３ 基板 ３１ 接点 ４ 雌形端子

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタの樹脂体に複数の挿入孔が設け
   られ、各挿入孔内に一つの雄形端子が挿入され、該雄形
   端子の前端の後方に複数の係止歯が設けられ、該雄形端
   子が該係止歯によりコネクタの樹脂体の挿入孔内に取り
   付けられ、また雄形端子の後端が下向きに折り曲げられ
   てＺ形ピンが形成され、該Ｚ形ピンが基板の接点上に表
   面実装されたコネクタの端子の構造において、 該雄形端子のＺ形ピン及び係止歯が直接加圧成形され上
   向きに折り曲げられて、Ｚ形ピンが下向きとされて弾性
   変形が防止され、並びに係止歯が雄形端子の前端後方の
   上下両側に位置し、雄形端子の係止歯が上下にコネクタ
   の樹脂体の挿入孔に嵌入し、コネクタの樹脂体が雄形端
   子挿入後に弯曲変形するのを防止し、また各雄形端子が
   コネクタの樹脂体の挿入孔に挿入された後に、各雄形端
   子の後方の連接部が切断されて一回で全部の雄形端子が
   コネクタの樹脂体の挿入孔内に取り付けられて、速やか
   に雄形端子を組み付けることができることを特徴とす
   る、コネクタの端子の構造。
2. 【請求項２】 前記雄形端子の前方の挿入端の断面の上
   下両側が円弧形を呈することを特徴とする、請求項１に
   記載のコネクタの端子の構造。