JP3083483B2 - 研削砥石 - Google Patents

研削砥石

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JP3083483B2
JP3083483B2 JP08271039A JP27103996A JP3083483B2 JP 3083483 B2 JP3083483 B2 JP 3083483B2 JP 08271039 A JP08271039 A JP 08271039A JP 27103996 A JP27103996 A JP 27103996A JP 3083483 B2 JP3083483 B2 JP 3083483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円板状のベースの
外周に砥粒層が固着された研削砥石の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】被研削材をその軸心回りに回転させつつ
その表面を研削加工するための研削砥石の一つとして、
円板状のベースの外周側に砥粒層が固着され、その砥粒
層の外周面で被研削材を研削する形式の研削砥石が知ら
れている。上記砥粒層は、例えばダイヤモンドや立方晶
窒化ホウ素等の超砥粒或いは酸化アルミニウムや炭化珪
素等の一般砥粒が、レジノイド結合剤、メタル結合剤或
いはビトリファイド結合剤等によって結合されて構成さ
れる。これらの砥粒層は、砥粒が結合剤によってベース
の外周面に直接固着されて構成される他、砥粒層が周方
向に複数個に分割された形状のセグメントをベースの外
周面に所定間隔を以て固着して構成される。なお、研削
砥石はその外径が所定の許容寸法に保たれている範囲で
使用されることから、例えば、後者のセグメント砥石に
おいて超砥粒が用いられる場合には、高価な超砥粒から
成る砥粒層の厚さを可及的に薄くしつつセグメントの取
扱いを容易とする目的で、砥粒層の裏面側にムライト等
のセラミックスから成る下地層が設けられ、ベースの外
周面にその下地層を介して固着される場合もある。
【0003】一方、上記のベースは、従来、鋼、鋳鉄、
或いはアルミニウム合金等の金属や、フェノール樹脂等
から構成されていたが、これらの材料は密度ρと縦弾性
率Eとの比N(=ρ/E)が大きいことから、使用時に
その軸心回りに回転させられた際に遠心力に起因する径
方向の伸びが大きいため、高い加工精度が得られないと
いう欠点があった。一般に、研削砥石の回転速度を高め
て使用することで、工具寿命が伸び、或いは加工能率を
高めることができる等の効果があることが知られている
が、上記の欠点は、これらの目的で研削砥石の回転速度
を高くする程、遠心力が増大させられることから顕著と
なる。これに対して、本願出願人が先に出願して公告さ
れた特公平8−22509号公報、或いは特公平8−2
9496号公報等に記載されているように、樹脂或いは
金属から成る母材中に繊維或いは粒子が分散させられた
複合材料(繊維強化型複合材料或いは粒子分散強化型複
合材料)によってベースを構成する場合には、上記比N
が小さくなることから遠心力に起因する径方向の伸びが
抑制される。そのため、加工精度が向上させられると共
に、研削砥石の回転速度を高めても高い加工精度が維持
されて加工能率を大きく高められるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、研削砥石の
砥粒層の外周面によって構成される研削面は、円筒形状
に限られず用途に応じた種々の形状に形成される。例え
ば、被研削材の軸心方向に平行な、或いは所定角度傾斜
させられた回転軸回りに回転させられる研削砥石を、被
研削材に接近する径方向に送りつつその被研削材の表面
を加工するプランジ研削においては、その被研削材表面
をその研削砥石の研削面形状を移し与えることによって
所望形状に加工することから、それを反転した研削面形
状を備えた総形研削砥石が用いられる。このような総形
研削砥石では、砥粒層外周面の直径がベースの軸心方向
すなわち厚さ方向の位置に関連して決定されるが、その
研削面形状はその厚さ方向に関して非対称になる場合も
多い。そのため、遠心力に起因する研削面の伸びの大き
さは外周面の直径が大きい程大きくなることから、この
ような非対称の研削面形状を備える研削砥石では研削面
の径方向の伸び量が厚さ方向に不均一となって、軸心方
向のその伸び量の小さい方向すなわち直径の小さい側に
撓むという問題がある。この研削砥石の弾性変形は、そ
の厚さ方向において被研削材の切り込み量を不均一にす
るため、その被研削材の表面粗さを低下させると共に研
削面形状の形状変化をもたらし、また、研削面形状が移
し与えられる被研削材表面の形状精度を低下させる。な
お、前記公報に記載されているような複合材料でベース
を構成してその伸びを抑制しても、伸び量の不均一性自
体は何ら緩和されないことから、撓みに起因する不具合
は生じ得るのである。
【0005】また、研削方法の一つとして、被研削材の
軸心方向に平行な回転軸回りに回転させられる研削砥石
をその軸心方向に沿って移動させる過程で、その被研削
材の外周面を所望の輪郭線に沿って研削するコンタリン
グ研削が知られている。このようなコンタリング研削に
おいては、研削砥石の切り込み量すなわち研削代が被研
削材の軸心方向位置に関連して変化させられつつ、研削
砥石がその軸心方向に移動させられることから、1回の
研削加工で所望の輪郭形状が得られる。そのため、上述
のような総形研削砥石を用いるプランジ研削に比較し
て、被研削材の輪郭形状が複雑な場合にも1つの研削砥
石によって研削加工が可能となることから、軸心方向の
加工位置に応じて研削砥石を変更する必要もないため高
い加工効率が得られると共に、研削面形状の形成が容易
となる。しかしながら、コンタリング研削では、上記の
ように研削砥石が被研削材を切り込んだ状態で軸心方向
に移動させられることから、研削抵抗は径方向だけでな
く軸心方向すなわち厚さ方向にも作用することとなる。
そのため、その厚さ方向に作用する研削抵抗によって研
削砥石が移動方向の後方側に撓まされることから、その
厚さ方向において切り込み量が不均一になって被研削材
の表面粗さを低下させると共に、研削位置が変化するこ
ととなって被研削材の形状精度が低下するという問題が
あった。一般に、コンタリング研削に用いられる研削砥
石は、研削面の移動軌跡を可及的に被研削材の輪郭形状
に近づけるために軸心方向の厚さが薄くされることか
ら、研削抵抗に起因する軸心方向の撓みが生じ易いので
ある。
【0006】また、更に他の研削加工方法の一つとし
て、軸心方向が平行とされた一対の研削砥石間を、その
軸心方向すなわち厚さ方向に被研削材が通過させられる
過程でその外周面を研削するセンタレス研削がある。こ
のようなセンタレス研削のうち、例えば、被研削材を研
削砥石の軸心方向に垂直な方向から供給するインフィー
ド研削においては、被研削材のその供給方向に垂直な方
向の長さに応じて研削砥石の軸心方向長さを長く(厚
く)する必要があり、被研削材を研削砥石の軸心方向に
平行に供給されるスルーフィード研削においても、例え
ば、荒研削および仕上げ研削を同時に行うような場合に
は、研削砥石および被研削材の弾性変形の影響を排除し
て所望の形状精度や表面粗さを確保するために、研削時
間を十分に長くする目的で被研削材の長さに応じて研削
砥石が厚くされる。一般に、研削砥石は、ベースの中央
部において一対のフランジで挟まれた状態で研削装置の
回転軸に取り付けられ、その軸心回りに回転させられ
る。そのため、研削砥石の厚さ方向の両端部が径方向の
中央部においてフランジとの間の摩擦力によって拘束さ
れて変位不能とされていることから、その回転に基づい
て発生する遠心力の作用による径方向の伸びがその両端
部で小さく、フランジによる拘束力が低下させられる厚
さ方向の中央部に向かうに従って大きくなって、研削砥
石の外周面は太鼓状に膨らむこととなる。したがって、
一対の研削砥石の軸心間隔は太鼓状に膨らんだ研削面の
最大径を基準にして設定されることとなるため、実質的
な研削時間が確保できなくなって被研削材の形状精度や
表面粗さが低下させられるという問題がある。このこと
は、表面粗さを向上させる目的で研削砥石が軸心方向に
厚くされている程、中央部側の拘束力が小さくなること
から顕著となる。
【0007】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、ベースの外
周側に砥粒層が固着された研削砥石において、研削加工
中における研削砥石の撓みを抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、円板状のベ
ースと、そのベースの外周側に固着されてそのベースの
軸心方向位置に関連して外周面の直径がそのベースの厚
さ方向に非対称となるように変化させられた砥粒層とを
含み、そのベースの軸心回りに回転させられた状態でそ
の砥粒層の外周面が被研削材に押圧されることによりそ
の被研削材を研削する研削砥石であって、(a)前記ベー
スは、前記軸心方向において、前記砥粒層の外周面の直
径が大きくなる程大きくなるように縦弾性率が変化させ
られていることにある。
【0009】
【第1発明の効果】このようにすれば、研削砥石は、ベ
ースが、軸心方向において、砥粒層の外周面の直径が大
きくなる程大きくなるように縦弾性率が変化させられて
構成される。そのため、その軸心回りに研削砥石が回転
させられる研削加工時において、直径が大きいことに起
因して遠心力が大きくなる厚み方向の位置程、縦弾性率
が大きくされることから、直径が大きい厚さ方向位置に
おける遠心力に起因する径方向の伸びが抑制される。し
たがって、厚さ方向の各位置における径方向の伸び量の
バラツキが抑制されることから、外周面の直径が厚さ方
向に非対称に変化させられている場合にも、その伸び量
のバラツキに起因する撓みが抑制される。このような外
周面が厚さ方向に非対称に形成された研削砥石は、例え
ばプランジ研削に用いられるが、上記により、切り込み
量のバラツキや研削位置の位置ずれ等が抑制されること
から、研削砥石の弾性変形に起因する被研削材の形状精
度や表面粗さの低下、或いは研削砥石自身の研削面形状
の変化が抑制される。
【0010】なお、一般に、穴のある回転円板の最外周
の径方向の変位△r は、材料の単位体積重量をγ、ポア
ソン数をm 、縦弾性率をE 、角速度をω、重力加速度を
g 、穴半径をR 、外周半径をr としたとき、△r = (γ
ω2 /4mgE)[(m-1)r3+(3m+1)R2r]で与えられる。したが
って、ベースの縦弾性率が、基準となる半径r0の位置に
おける値をE0としたとき、半径 rx となる厚さ方向位置
における値 Ex が Ex=E0 [(m-1)rx 3 +(3m+1)R2rx ]
/[(m-1)r0 3+(3m+1)R2r0] となるように連続的或いは段
階的に変化させられる場合には、厚さ方向の各位置にお
ける径方向の伸びが均一になって、撓みおよび内部応力
が生じないこととなる。但し、撓みを抑制するために
は、ベースを厚さ方向に2等分して考えたとときに両者
の伸びが一致させられていれば、すなわち全体として上
式が満足されていれば十分であることから、その2等分
したそれぞれの範囲内において、部分的に上式が満足さ
れていなくとも、それによる計算上の伸び量の差が他の
部分によって補われるように縦弾性率が設定されていれ
ば支障はない。すなわち、連続的に外径を変化させられ
ている部分が段階的に縦弾性率を変化させられていても
差し支えなく、或いは、部分的に縦弾性率が大きくまた
は小さくされている部分が設けられていても差し支えな
い。なお、穴半径R が外周半径r に比較して十分に小さ
い(R<<r)場合には、上式は Ex ≒E0(rx /r0)3と近似し
得る。すなわち、縦弾性率を外径の比の3乗に比例する
ように設定すればよい。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、円板状
のベースと、そのベースの外周側に固着された砥粒層と
を含み、そのベースの軸心回りに回転させられた状態で
その砥粒層の外周面が軸心回りに回転させられている被
研削材に押圧されると共にその被研削材の軸心方向に沿
った一方向に移動させられることによりその被研削材を
研削する研削砥石であって、(a) 前記ベースは、前記一
方向側程大きくなるように縦弾性率が変化させられてい
ることにある。
【0012】
【第2発明の効果】このようにすれば、被研削材を研削
しつつその軸心方向に沿った一方向に移動させられる研
削砥石は、ベースが、その一方向側程大きくなるように
縦弾性率が変化させられて構成される。そのため、その
研削加工時において研削砥石が軸心回りに回転させられ
た際の遠心力に起因する伸び量は、その縦弾性率が大き
くされる一方向側程小さくなる。したがって、研削砥石
が回転させられているが被研削材を研削加工していない
空転状態においては、その研削砥石はその伸び量が小さ
い一方向側に撓まされるが、被研削材を研削しつつその
軸心方向に沿った一方向に移動させられると、研削砥石
はその厚さ方向に作用する研削抵抗によって上記一方向
とは反対側となる移動方向の後方側に撓まされることか
らその空転時の撓みが小さくされる。換言すれば、研削
時において厚さ方向に作用する研削抵抗によって生じる
移動方向後方側への研削砥石の撓みが、空転時のその移
動方向側への撓みによって小さくされる。これにより、
研削砥石を被研削材の軸心方向に沿って移動させる過程
でその外周面を所望の輪郭線に沿って研削する所謂コン
タリング研削において、その移動に伴う研削抵抗によっ
て研削砥石が撓まさられて、切り込み量が厚さ方向に不
均一となることや研削位置が変化することに起因する加
工精度の低下が抑制される。
【0013】なお、ベースの縦弾性率は、切削抵抗によ
って生じる移動方向後方側への撓み量が、遠心力に基づ
く伸び量の差に起因して生じる移動方向側への撓み量と
一致するように定められることが、研削加工中の研削砥
石の撓み量を可及的に小さくするために望ましい。この
とき、後方側への撓み量は移動速度および研削砥石の切
り込み量によって変化し、一方、移動方向への撓み量は
研削砥石の回転速度によって変化することから、結局、
ベースの縦弾性率は、上記2つの撓み量が同様な大きさ
となるように、加工条件(移動速度、切り込み量および
回転速度)に基づいて設定されることが望ましいことと
なる。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記目的を
達成するための第3発明の要旨とするところは、円板状
のベースと、そのベースの外周側に固着された砥粒層と
を含み、そのベースの中央部において厚さ方向の両側か
ら一対のフランジによって挟み付けられた状態で所定の
回転軸に取り付けられ、そのベースの軸心回りに回転さ
せられた状態でその砥粒層の外周面が被研削材に押圧さ
れることによりその被研削材を研削する研削砥石であっ
て、(a) 前記ベースは、厚さ方向の両端部から中央部に
向かう程大きくなるように縦弾性率が変化させられてい
ることにある。
【0015】
【第3発明の効果】このようにすれば、一対のフランジ
によって挟み付けられた状態で回転軸に取り付けられる
研削砥石は、ベースが、厚さ方向の両端部から中央部に
向かう程大きくなるように縦弾性率が変化させられて構
成される。そのため、軸心回りに回転させられる使用時
において、フランジによる拘束力が小さくなることに起
因して遠心力に基づく径方向の伸び量が増大させられる
こととなる厚さ方向の中央部側程、縦弾性率が大きくさ
れて遠心力に基づく径方向の伸び量が小さくされる。し
たがって、研削砥石の径方向の撓みが抑制されて、外周
面の軸心方向の真直度が良好に保たれることから、例え
ばセンタレス研削において、実質的に研削に寄与する研
削面が所期の厚さすなわち軸心方向長さに保たれ、所定
の形状精度や表面粗さを得るための実質的な研削時間が
確保されることとなる。
【0016】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記第1乃至第
3発明において、前記ベースは、繊維強化型複合材料か
ら成り、その繊維強化型複合材料を構成する繊維の縦弾
性率を変化させることによって前記縦弾性率が変化させ
られているものである。このようにすれば、繊維強化型
複合材料は密度ρと縦弾性率Eとの比N(=ρ/E)が
小さくされていることから、回転に伴うベースの伸び自
体が十分に小さくされるため、撓みが一層確実に抑制さ
れる。このとき、繊維強化型複合材料の縦弾性率はそれ
を構成する繊維の縦弾性率とその体積率とによって変化
させられるものであることから、例えば、ベースの厚さ
方向に区分された各層毎に構成する繊維の縦弾性率が段
階的に異なるように繊維強化型複合材料を成形し、或い
は、縦弾性率の異なる繊維から構成された複数枚の繊維
強化型複合材料を積み重ねて接合すること等によって、
厚さ方向の各位置において所望の縦弾性率を有するベー
スが容易に得られることとなる。
【0017】また、好適には、前記ベースは、繊維強化
型複合材料から成り、該繊維強化型複合材料中の繊維の
体積率を変化させることによって前記縦弾性率が変化さ
せられているものである。このようにしても、繊維強化
型複合材料から構成してその繊維の縦弾性率を変化させ
る場合と同様に、厚さ方向の各位置において所望の縦弾
性率を有するベースが容易に得られる。
【0018】なお、上記繊維強化型複合材料は、繊維と
して、例えばカーボン繊維やアラミド繊維、或いは炭化
珪素、ホウ素、アルミナ、二酸化珪素、チタン酸カリウ
ム、チタン酸バリウム等のセラミックス繊維等が好適に
用いられ、また、その繊維が分散させられるマトリック
スとして、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂や、
アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の
金属が好適に用いられる。
【0019】また、好適には、前記ベースはマトリクス
中に粒子を分散させた粒子分散強化型複合材料から構成
される。このような粒子分散強化型複合材料において
も、密度ρと縦弾性率Eとの比N(=ρ/E)が小さ
く、しかも、その粒子の縦弾性率や体積率を変化させる
ことによって複合材料の縦弾性率を容易に変化させ得る
ため、繊維強化型複合材料と同様にベースを構成する材
料として用い得るのである。なお、この場合、マトリク
スを構成する材料としては、例えばアルミニウム合金、
マグネシウム合金、チタン合金等の金属材料が好適に用
いられ、粒子を構成する材料としては、炭化珪素、ホウ
素、アルミナ、二酸化珪素、炭素、チタン酸カリウム、
チタン酸バリウム等のセラミックスが好適に用いられ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において
各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0021】図1は、本発明の一実施例の研削砥石10
を示す図であり、(a) は平面図を、(b) は(a) における
b−b視断面すなわち研削砥石10の軸心を通る断面図
をそれぞれ示す。研削砥石10は、後述のようにプラン
ジ研削の一種であって砥石軸が被研削材の回転軸に対し
て傾斜させられているアンギュラ研削に用いられるもの
である。図において、研削砥石10は、全体の概略形状
が例えば外径φ400 (mm)、内径φ20(mm)、厚さ40(mm)程
度の寸法で軸心方向に貫通する回転軸用の貫通穴8を有
した穴明き円板状を成しており、一様な厚さで円板状を
成すベース12と、その外周面14に例えばエポキシ樹
脂系接着剤等によって周方向に並んで固着された複数個
のセグメントチップ16とから構成される。
【0022】上記のベース12は、例えば、比重が1.6
程度の繊維強化樹脂(FRP)によって外径φ336 (m
m)、内径φ20(mm)、厚さ40(mm)程度の寸法で、上記貫通
穴8を有すると共に上記外周面14が円筒面となるよう
に形成されており、例えば、面方向には均一であるが、
図における厚さ方向の下端側の一面18から上側の他面
20に向かうに従って、縦弾性率Eが例えば9.00〜12.0
0(MPa)=9000〜12000(kgf/mm2)程度の範囲で段階的に大
きくなるように変化させられている。すなわち、ベース
12の縦弾性率Eは、研削砥石10の外周近傍断面を拡
大した図2に破線で示される厚さ方向(一面18を原点
としたY軸方向)の区分毎に、上記一面18側のそれぞ
れ7 (mm)程度の厚さの4区分では、y=7 (mm)までの第
1層22が縦弾性率E1 =9.00(MPa) 程度、y=14(mm)
までの第2層24が縦弾性率E2 =9.75(MPa) 程度、y
=21(mm)までの第3層26が縦弾性率E3 =10.50(MPa)
程度、y=28(mm)までの第4層28が縦弾性率E4 =1
1.25(MPa)程度にそれぞれ設定され、それよりも上側の
他面20までの厚さ18(mm)程度の区分(y=28〜40[m
m])である第5層30は縦弾性率E3 =12.00(MPa)程度
に設定されている。なお、上記図2において、ベース1
2の右方に示されるグラフは、横軸(X軸)に縦弾性率
Eを、縦軸(Y軸)にベース12の厚さ方向の位置を対
応させたものである。
【0023】上記繊維強化樹脂は、例えば、エポキシ樹
脂中に直径5 〜20 (μm)程度、引張弾性率Ef が20〜60
(MPa) 程度、引張強度が0.2 〜0.8(MPa)程度の炭素繊維
が、例えば50〜65(vol%) 程度の体積率Vf で分散させ
られたものである。一般に、繊維強化樹脂の縦弾性率E
は、マトリクス(基材すなわちエポキシ樹脂)の縦弾性
率をEm としたとき、複合則E=Ef Vf +Em (1−V
f)で与えられる。したがって、炭素繊維の体積率Vf を
一定とすれば、その引張弾性率Ef を変化させることに
よって繊維強化樹脂の縦弾性率Eを変化させ得ることと
なり、反対に、炭素繊維の引張弾性率Ef を一定とすれ
ば、その体積率Vf を変化させることによって繊維強化
樹脂の縦弾性率Eを変化させ得る。勿論、両者を変化さ
せれば、更に広い範囲で繊維強化樹脂の縦弾性率Eを変
化させ得る。ベース12は、上記複合則に基づいて、上
記5区分を構成する第1層22乃至第5層30の各層毎
に、例えば、引張弾性率Ef が相互に異なる炭素繊維が
一定の体積率Vf でエポキシ樹脂中に分散させられるこ
とによって上記範囲で縦弾性率Eが変化させられてお
り、例えば、各層22〜30毎に異なる炭素繊維が分散
させられるように一体成形し、或いは、各層22〜30
を別個に成形した後に積層・固着して一体化させること
によって製造される。
【0024】また、前記セグメントチップ16は、図2
および図3に示されるように、例えば、研削砥石10の
周方向の長さLが40(mm)程度、径方向の最大幅Wm が32
(mm)程度、厚さtが40(mm)程度の寸法を備えたものであ
り、その内周面32が円筒形状を成す上記ベース12の
外周面14に沿った曲面(曲率半径168 [mm]の円筒面)
に形成される一方、その外周面34は、研削砥石10の
軸心方向に沿った厚さ方向の内側位置に向かうに従って
径方向の幅が大きくなるように一対の斜面34a、34
bから形成されている。すなわち、外周面34の一面1
8側の部分はその一面18と60°程度の所定角度θ1
成す斜面34aから構成され、他面20側の部分はその
他面20と30°程度の所定角度θ2 を成す斜面34bか
ら構成されており、セグメントチップ16の幅寸法W
は、その一面18側の幅が11.8(mm)程度に、他面20側
の幅が23.3(mm)程度に、他面20から5 (mm)程度の厚さ
方向位置において最大幅32(mm)程度とされている。その
ため、研削砥石10の外径は、一面18で359.6 (mm)
(半径179.8 [mm])程度に、他面20で384.6 (mm)(半
径192.3 [mm])程度にされ、他面20から5 (mm)程度離
隔した位置で400 (mm)(半径200 [mm])程度の最大径に
されている。
【0025】上記セグメントチップ16は、例えばムラ
イト等の緻密なセラミックスから成る下地層36と、ベ
ース12に固着される際に外周側に位置するその下地層
36の外周面38に固着された3 (mm)程度の一様な厚さ
の砥粒層40とから構成されている。したがって、下地
層36は、内周面が円筒面に形成されてセグメントチッ
プ16の内周面32を構成する一方、外周面38が、上
述のセグメントチップ16の外周面34に沿った一対の
斜面を備えた形状に形成されている。上記の砥粒層40
は、例えばビトリファイド結合剤によって、例えば#80
/#100(ANSI規格 American National Standard Check
ing Size of Diamond Abrasiveに規定されている粒度)
程度の粒度のCBN砥粒が相互に結合されると同時に上
記下地層36の外周面38に固着されることによって形
成されており、例えば、砥粒率(全容積中に占めるCB
N砥粒の容積比)が45(vol%) 程度、結合剤が16(vol
%)程度、気孔率が39(vol%) 程度の割合に構成されて
いる。なお、下地層36および砥粒層40の縦弾性率お
よび比重は、何れも10(MPa) 程度および2.0 程度であ
る。
【0026】なお、上述の説明から明らかなように、本
実施例においては、砥粒層40の外周面によって構成さ
れる複数のセグメントチップ16の外周面34によって
研削砥石10の外周面が形成されており、図2から明ら
かなように、研削砥石10の縦弾性率Eは、その軸心方
向において、その外周面34の直径が大きい位置程大き
くなるように変化させられている。
【0027】以上のように構成された研削砥石10は、
例えば、図4に示されるように、軸心回りに回転させら
れている被研削材42のその軸心方向と所定角度を成す
回転軸に取り付けられ、軸心回りに回転させられている
状態で図に矢印Fで示されるその径方向に送られること
によって、その被研削材42が研削される。なお、上記
所定角度は、例えばセグメントチップ16の外周面34
を構成する一対の斜面34a、34bのうちの一面18
側の一方の斜面34aが、被研削材42の軸心方向と平
行となるように設定されるものであり、本実施例におい
ては、例えば30°程度の角度である。そのため、その一
方の斜面34aによって被研削材42の外周面44が研
削されると同時に、他面20側の斜面34bによって被
研削材42の端面46が研削されて、その被研削材42
が所望の形状に加工される。このようにして加工された
被研削材42は、その加工表面が例えばJIS B 0601に規
定される算術平均粗さ[=中心線平均粗さ]で 0.5μm
Ra 程度と極めて平滑であった。
【0028】なお、上記のような研削加工においては、
研削砥石10が軸心回りに回転させられるとその回転速
度(角速度ω)に応じた遠心力が発生することから、そ
の遠心力に起因する半径方向の応力の作用によって、そ
の研削砥石10は弾性変形させられ、研削砥石10の研
削面となるセグメントチップ16の外周面34(すなわ
ち砥粒層40の外周面)は、その弾性変形量に応じて変
位させられる。しかしながら、本実施例においては、そ
の弾性変形は殆ど径方向の伸びだけに止められることか
ら、研削加工中にも斜面34aが被研削材42の軸心方
向に平行に保たれて、研削砥石10の切り込み量がその
被研削材42の軸心方向すなわち研削砥石10の厚み方
向に一様とされるため、上記のような平滑な加工表面が
得られるのである。しかも、このように切り込み量が厚
さ方向に一様とされることによって、研削砥石10の研
削面形状すなわちセグメントチップ16の外周面34の
形状が当初の形状に保たれることとなる。
【0029】なお、上述のように研削砥石10の弾性変
形が殆ど径方向の伸びだけに止められる理由は以下の原
理に基づく。すなわち、一般に、研削砥石10のような
穴明き円板がその軸心回りに回転させられた際に最外周
に作用する周方向の応力σtはその外周半径r に比例し
て、材料の単位体積重量をγ、ポアソン数をm 、角速度
をω、重力加速度をg 、穴半径をR としたとき、下記
(1) 式で与えられ、半径方向の伸び△r は、縦弾性率を
E としたとき、前述のように下記(2) 式で与えられる。
すなわち、同材料で構成された回転円板が同角速度で回
転させられる場合には、応力σt および伸び△r はR お
よびr の関数となる。このとき、本実施例においては、
研削砥石10は貫通穴8がφ20(mm)程度すなわちR =10
(mm)程度であって200 (mm)程度の外周半径r に比較して
極めて小さいことから、σt は外周半径r の2乗に略比
例し、△r は外周半径r の3乗に略比例すると考えるこ
とができる。 σt = (γω2 /4mg)[(3m+1)R2 +(m-1)r2] ・・・(1) △r = (γω2 /4mgE)[(m-1)r3+(3m+1)R2r] ・・・(2)
【0030】そのため、前述のようにセグメントチップ
16が厚さ方向の内側位置に向かうに従って径方向の幅
が大きくなるように形成されることによって、その外径
が一面18において最も小さく、他面20から5 (mm)程
度の位置において最も大きくされている本実施例の研削
砥石10では、その最大径の部分に作用する応力σt(
y=35) が最大となり、厚さ方向に2等分して考えると、
一面18側よりも他面20側に作用する応力σt が大き
くなる。すなわち、一面18側に作用する応力σ t と他
面20側に作用する応力σt が厚さ方向に関して非対称
となる。この場合において、本実施例の研削砥石10
は、前記図2に示されるように、その応力σ t が大きく
なる他面20側の縦弾性率Eが大きくされていることか
ら、その他面20側において上記(2) 式に従って伸び△
rが抑制されることとなる。これにより、外周半径rが
大きい他面20側と小さい一面18側にそれぞれ作用す
る応力σt の差に基づく伸び△rの差が緩和され、厚さ
方向の全長に亘って外周面34の径方向の伸び△rが一
様とされる。ベース12の各層22〜30の縦弾性率E
は、このような一様な径方向の伸び△rが得られるよう
に設定されているのである。したがって、研削砥石10
の弾性変形が殆ど径方向だけに限定されて撓みが極めて
小さくされるため、研削加工中にも斜面34aが被研削
材42の軸心方向に平行に保たれるのである。
【0031】これに対して、従来の研削砥石のように、
ベースの縦弾性率Eが厚さ方向に一様とされている場合
には、前記(2) 式から明らかなように外周半径rが大き
い程、径方向の伸び△rが大きくなる。そのため、外周
半径rが小さい一面18側よりも、外周半径rが大きい
他面20側の方が径方向の伸び△rが大きいことに起因
して、図4に破線10pで示されるように、その伸びが
小さい一面18側に撓むように研削砥石が弾性変形させ
られることから、研削砥石の切り込み量が厚さ方向に不
均一となって、被研削材42の表面を平滑に加工するこ
とが困難であった。
【0032】ここで、下記表1は、本実施例の研削砥石
10およびベースの縦弾性率Eが厚さ方向に一様とされ
る他は研削砥石10と同様に構成された従来の研削砥石
の空転中(すなわち被研削材42に接触していない状
態)の変形を測定した結果と、それぞれによる被研削材
42の加工結果とを、試験条件(研削条件)と併せて示
すものである。表1において、砥石、砥石はそれぞ
れベースの縦弾性率Eが9.00(MPa) 程度、12.00(MPa)程
度で厚さ方向に一様とされた従来の研削砥石である。ま
た、変位量(単位: [μm])は、X方向(すなわち径方
向)の変位を、図2に示されるB点(外周面34の一面
18近傍)およびC点(外周面34の他面20近傍)の
2点において、Y方向(すなわち厚さ方向)の変位をA
点(一面18の最外周)において、それぞれ測定したも
のである。X方向の変位量は軸心から離隔する方向を正
とし、Y方向の変位量は図における上方向の変位を正と
した値である。
【0033】
【表1】
【0034】上記表から明らかなように、従来の研削砥
石においては、空転時のB点およびC点の変位量すなわ
ち一面18および他面20の径方向の伸び量の差が、5.
2(μm)程度或いは4.5(μm)程度と大きく、その差に起因
して撓み量すなわちA点の変位が -4.2(μm)程度或いは
-3.7(μm)程度と大きい。このため、被研削材42の切
り込み量が厚さ方向に不均一となって、その表面粗さが
1.2μm Ra 或いは 1.0μm Ra と程度となって十分に
平滑な加工面が得られなかった。これに対し、本実施例
の研削砥石10は、B点およびC点の変位量の差が2.5
(μm)と小さいことから、A点の変位すなわち撓み量が
-0.6(μm)程度と小さくなって、前述のように平滑な加
工面が得られるのである。
【0035】要するに、本実施例においては、研削砥石
10は、ベース12が、その軸心方向において、一面1
8から他面20に向かうに従って縦弾性率Eが大きくな
るように構成されることによって、砥粒層40の外周面
すなわちセグメントチップ16の外周面34の直径が大
きくなる程縦弾性率Eが大きくされる。そのため、その
軸心回りに研削砥石10が回転させられる研削加工時に
おいて、直径が大きいことに起因して遠心力が大きくな
る他面20側程、縦弾性率Eが大きくされることから、
その他面20側における遠心力に起因する径方向の伸び
△rが抑制される。したがって、厚さ方向の各位置にお
ける径方向の伸び量△rのバラツキが抑制されることか
ら、外周面34の直径が厚さ方向に非対称に変化させら
れていることに起因する伸び量△rのバラツキに起因す
る撓みが抑制される。これにより、切り込み量のバラツ
キや研削位置の位置ずれ等が抑制されることから、研削
砥石10の弾性変形に起因する被研削材42の形状精度
や表面粗さの低下、或いは研削砥石10自身の研削面形
状の変化が抑制される。
【0036】しかも、本実施例においては、外周半径r
に応じて縦弾性率Eを変化させることによって、研削砥
石10の外周面34の径方向の伸び量△rが厚さ方向に
一様にされていることから、前記(2) 式から明らかなよ
うに、砥石周速度に拘わらずその伸び量△rが常に厚さ
方向に一様に保たれ、軸心方向の撓み量が殆ど変化しな
い。そのため、研削砥石10をドレッシングするに際し
て、その周速度を研削加工時よりも低下させる必要があ
る場合にも、その研削加工時とドレッシング時の外周面
34の変位は、殆ど径方向だけとなることから、回転速
度に基づく研削砥石10の形状変化を考慮して、その研
削面形状を形成する必要がない。したがって、外周面3
4を所望の形状に整えるためのドレッシング作業が容易
となる利点もある。すなわち、一般に、ドレッシングは
研削加工時と同様な砥石周速度で施されるが、一方、ド
レッシング条件は砥石周速度Vとドレッサ周速度VDと
の比VD/Vで定められることから、同様な研削面を得
るためには砥石周速度Vが高い場合にはドレッサ周速度
VDも高めてその比VD/Vを一定に保つ必要がある。
しかしながら、砥石周速度Vが極めて高い超高速ホイー
ルをドレッシングする場合には、ドレッサの回転軸の許
容回転数等の制限によってドレッサ周速度VDをそれに
応じた速度まで高めることができないこともある。この
ような場合に、ベース12の縦弾性率Eが一様であると
研削砥石10の撓み量が砥石周速度Vに応じて変化する
ため、研削加工時における砥石外周面34と被研削材4
2の相対位置が適切となるようにその外周面34をドレ
ッシングすることは困難となるのである。
【0037】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において、前述の実施例と共通する部
分は説明を省略する。
【0038】図5は、コンタリング研削用の研削砥石5
0を示す図である。研削砥石50は、全体形状が例えば
外径380 (mm)程度、内径20(mm)程度、厚さ10(mm)程度の
穴明き円板状を成すものであり、例えば外径366 (mm)程
度のベース52と、例えばエポキシ樹脂系接着剤等によ
ってその外周面に周方向に並んで固着された複数個のセ
グメントチップ54とから構成されている。なお、研削
砥石50の外周面56すなわちセグメントチップ54の
外周面56は、図5におけるVI−VI視断面の外周面56
近傍の要部を拡大した図6に示されるように、研削砥石
50の軸心方向の一面58側の厚さ方向の略半分はその
一面58に垂直に形成されているが、その反対側の他面
60側の厚さ方向の2 (mm)程度の範囲は外周面56に5
°程度の角度θを成して形成されている。したがって、
その他面60側においては、研削砥石50の外径は例え
ば379.6 (mm)程度になっている。
【0039】上記のベース52は、前述の実施例と同様
に例えばエポキシ樹脂中に炭素繊維が分散させられた繊
維強化型樹脂から成るものである。このベース52は、
面方向には均一であるが、上記図6において、破線で厚
さ方向に4つに区分して示される厚さがそれぞれ2.5 (m
m)程度の第1層62(一面58側の区分)、第2層6
4、第3層66、および第4層68(他面60側の区
分)の縦弾性率Eが、例えば、それぞれ9.00(MPa) 、9.
25(MPa) 、9.50(MPa) 、9.75(MPa) 程度と、一面58か
ら他面60に向かうに従って大きくされている。この縦
弾性率Eは、ベース12と同様な方法で厚さ方向に変化
させられたものである。
【0040】一方、上記のセグメントチップ54は、図
6および図7に示されるように、ベース52の外周面に
沿った内周面および外周面56(すなわち研削砥石50
の外周面56)を有して、周方向の長さLが40(mm)程
度、径方向の幅Wが一面58側で7 (mm)程度、他面60
側で6.8 (mm)程度、厚さtが10(mm)程度の寸法に形成さ
れている。上記のセグメントチップ54は、前述の実施
例のセグメントチップ16と同様に、例えばムライト等
の緻密なセラミックスから成る4 (mm)程度の一様な厚さ
の下地層54aと、その下地層54aの外周面に固着さ
れて前記研削砥石50の外周面56を構成する最大厚さ
が3 (mm)程度の砥粒層54bとから成るものである。こ
の砥粒層54bは、例えば粒度#80 /#100程度のCBN
砥粒を例えばビトリファイド結合剤で結合したものであ
り、砥粒率が50(vol%) 程度、結合剤が18(vol%) 程
度、気孔率が32(vol%) 程度となっている。本実施例に
おいては、複数のセグメントチップ54の砥粒層54b
によって砥粒層が構成されている。
【0041】以上のように構成された研削砥石50は、
例えば、図8に示されるように、軸心回りに回転させら
れる被研削材42の軸心方向と平行に設けられた回転軸
に取り付けられてその軸心回りに回転させられ、被研削
材42の軸心方向に沿って一方向(例えば図の矢印Cの
方向)に移動させられると同時に、その軸心方向位置に
対応して定められる径方向位置に移動させられることに
より、所定の輪郭線Cに沿ってその被研削材42の外周
面を研削する。このとき、研削砥石50の移動方向C
は、前記一面58から他面60に向かう方向である。す
なわち、研削砥石50は、移動方向側においてその後方
側よりも外径が小さくされており、その外周面56の移
動方向側の略半分の部分は被研削材42の軸心方向に対
して傾斜させられている。このようにして研削加工され
た被研削材42は、その外周面44が所望の輪郭形状に
形成されると共に、表面粗さが例えば 0.8μm Ra 程度
と平滑になっていた。
【0042】一般に、上記のようなコンタリング研削で
は、研削砥石50は、被研削材42を切り込んだ状態で
その軸心方向に移動させられることから、その側面すな
わち他面60にも研削抵抗が作用するため、移動方向後
方側すなわち一面58側へ撓まされることとなる。この
場合において、研削砥石50は、軸心回りに回転させら
れることによって発生する遠心力の作用で径方向に伸ば
されることとなるが、前述のように、ベース52の縦弾
性率Eが厚さ方向において一面58から他面60に向か
うに従って大きくされているため、その遠心力による伸
びは一面58側で大きく、他面60側で小さくなる。そ
のため、研削砥石50は、被研削材42に接触させられ
ていない空転時において図8に破線50iで示されるよ
うにその他面60側に撓まされることから、被研削材4
2からその撓み方向と反対方向に研削抵抗が作用すると
その空転時の撓みが小さくされて、研削面すなわち外周
面56と被研削材42の外周面44との平行度が高めら
れる。これにより、研削砥石50の切り込み量が厚さ方
向に略一様にされるため平滑な加工面が得られると共
に、被研削材42の軸心方向における研削面の位置ずれ
が小さくされるため、加工面の形状精度が高められるの
である。
【0043】ここで、下記表2は、本実施例の研削砥石
50およびベースの縦弾性率Eが厚さ方向に一様とされ
る他は研削砥石50と同様に構成された従来の研削砥石
の空転時の変形を測定した結果と、それぞれによる被研
削材42の加工結果とを、試験条件(研削条件)と併せ
て示すものである。表2において、『従来』はベースの
縦弾性率Eが9.00(MPa) 程度で厚さ方向に一様とされた
従来の研削砥石を、『実施例1』は研削砥石50を、
『実施例2』は研削砥石50において前記第1層62乃
至第4層68の縦弾性率Eがそれぞれ9.00(MPa) 、9.50
(MPa) 、10.00 (MPa) 、10.50 (MPa) 程度とされた研削
砥石をそれぞれ示す。また、変位量(単位: [μm])
は、X方向(すなわち径方向)の変位を図6に示される
D(一面58の最外周)およびE(他面60の最外周)
の2点において、Y方向(すなわち厚さ方向)の変位を
D点において、それぞれ測定したものである。X方向の
変位量は軸心から離隔する方向を正とし、Y方向の変位
量は図における上方向の変位を正とした値である。
【0044】
【表2】
【0045】上記表から明らかなように、従来の研削砥
石においては、空転時のD点およびE点のX方向の変位
量すなわち一面58および他面60の径方向の伸び量が
等しいことから、D点のY方向の変位量が0 (mm)とな
り、すなわち撓みが生じない。このため、研削抵抗に起
因する移動方向後方側への撓みによって切り込み量が厚
さ方向に不均一となるため、十分な平滑面が得られず表
面粗さが 1.8μm Ra 程度となる。これに対して、実施
例1、2の研削砥石では、E点の径方向の伸びがD点に
対して小さくされていることから、そのE点側すなわち
図6において上方に位置する他面60側にD点が4.5(μ
m)或いは8.4(μm)程度変位させられる。すなわち移動方
向側に撓まされる。このため、砥石側面から研削抵抗が
作用する加工時において後方側への撓み量が小さくされ
て、前述のように平滑で所望の輪郭形状を備えた加工面
が得られるのである。特に、一面58側と他面60側の
縦弾性率Eの差が大きくされることによって空転時の撓
みがD点で8.4 (μm)程度と大きくされた『実施例2』
においては、表面粗さが大きく改善される。すなわち上
記研削条件で加工する場合には、D点における空転時の
変位が例えば8.4(μm)程度と比較的大きくなるように縦
弾性率Eが厚さ方向に変化させられることが望ましい。
【0046】図9は、更に他の実施例のセンタレス研削
に用いられる研削砥石70を軸心を通る断面で示す図あ
る。図において、研削砥石70は、全体形状が例えば外
径405 (mm)程度、内径203.2 (mm)程度、厚さ150 (mm)程
度の厚肉円筒状を成すものであり、例えば外径386 (mm)
程度のベース72と、図5に示される研削砥石50と同
様に例えばエポキシ樹脂系接着剤等によってその外周面
に周方向に並んで固着された複数個のセグメントチップ
74とから構成されている。
【0047】上記のベース72は、前述の実施例の研削
砥石10、50と同様に例えばエポキシ樹脂中に炭素繊
維が分散させられた繊維強化型樹脂から成るものであ
る。このベース72は、面方向には均一であるが、軸心
方向(すなわち厚さ方向)においては、両端面86、8
6から中央部に向かうに従って縦弾性率Eが大きくなる
ように変化させられている。すなわち、図9において破
線で厚さ方向に5つに区分して示される厚さがそれぞれ
30(mm)程度の第1層76(一方の端面86側)、第2層
78、第3層80、第4層82、および第5層84(他
方の端面86側)の縦弾性率Eが、例えば、それぞれ8.
50(MPa) 、8.75(MPa) 、9.00(MPa) 、8.75(MPa) 、8.50
(MPa) 程度と、厚さ方向に対称となり且つ厚さ方向の中
央側程大きくなるように各層毎に異なるものとされてい
る。この縦弾性率Eは、ベース12と同様な方法で厚さ
方向に変化させられたものである。
【0048】一方、上記のセグメントチップ74は、図
10に示されるように、ベース72の外周面に沿った内
周面および外周面88(すなわち研削砥石70の外周面
88)を有して、周方向の長さLが40(mm)程度、径方向
の幅Wが7 (mm)程度、厚さtが150 (mm)程度の寸法に形
成されている。このセグメントチップ74は、例えば粒
度#120/#140程度のCBN砥粒を、例えばビトリファイ
ド結合剤で結合したものであり、砥粒率が49(vol%) 程
度、結合剤が18(vol%) 程度、気孔率が33(vol%) 程度
となっている。本実施例においては、複数のセグメント
チップ74によって砥粒層が構成されている。
【0049】以上のように構成された研削砥石50は、
例えば、図9に一点鎖線で示されるように径方向の中央
部側において一対のフランジ90、90によって挟まれ
た状態で、図11に示されるように、軸心回りに回転さ
せられる調整砥石92の外周面94と外周面88との間
に被研削材96の加工寸法によって決定される所定間隔
dが設けられるように、その調整砥石92の軸心方向に
平行な回転軸に取り付けられて用いられる。このような
センタレス研削においては、研削砥石70と調整砥石9
2との間をそれらと軸心方向が平行に保たれた状態で被
研削材96が紙面に垂直なその軸心方向に送られ、その
過程でその外周面が研削される。なお、図において98
は、軸心方向に送られる被研削材96を支持するための
受板である。このようにして加工された被研削材96
は、その外周面が例えば 1.2μm Ra 程度と高い平滑性
を備えていた。
【0050】一般に、上記のようなセンタレス研削にお
いては、研削時間を十分に長くして所望の形状精度およ
び表面粗さを確保するために、研削砥石70の軸心方向
の厚さが前述のように例えば150 (mm)程度と、トラバー
ス研削やプランジ研削に用いられる例えば研削砥石1
0、50等に比較して厚くされる。このような厚い研削
砥石70においても、研削加工をするに際してその軸心
回りに回転させられると、研削砥石10、50と同様に
遠心力の作用によって径方向の伸びが生じる。このと
き、研削砥石70は、図9に示されるようにその軸心方
向の両端面86、86からフランジ90、90で挟んで
保持されていることから、その両端面86、86近傍で
は、フランジ90、90とベース72との間に作用する
摩擦力によってそのベース72が拘束されて径方向の中
央部側において変位不能とされるため、径方向の伸びが
小さくなり、フランジ90、90による拘束力が小さく
なる厚さ方向の内部側程、径方向に伸び易い。ところ
が、ベース72は、前述のように厚さ方向の内部側程縦
弾性率Eが大きくされて変形され難くされていることか
ら、フランジ90、90による拘束力が小さくなるその
内部側位置においても径方向の伸びが小さくされる。し
たがって、研削砥石70は厚さ方向の中央側位置と両端
面86、86側位置との径方向の伸びの差が小さくされ
て、外周面88の真直度の低下が抑制されることから、
研削砥石70の切り込み量がその厚さ方向の全長に亘っ
て略一様とされて、所期の形状精度および表面粗さを得
るための研削時間が確保されるのである。
【0051】ここで、下記の表3は、本実施例の研削砥
石70およびベースの縦弾性率Eが厚さ方向に一様とさ
れる他は研削砥石70と同様に構成された従来の研削砥
石の空転時の変形を測定した結果と、それぞれによる被
研削材96の加工結果とを、試験条件(研削条件)と併
せて示すものである。表3において、『従来』はベース
の縦弾性率Eが9.00(MPa) 程度で厚さ方向に一様とされ
た従来の研削砥石を、『実施例1』は研削砥石70を、
『実施例2』は研削砥石70において前記第1層76乃
至第5層84の縦弾性率Eがそれぞれ8.25(MPa) 、8.75
(MPa) 、9.00(MPa) 、8.75(MPa) 、8.25(MPa) 程度とさ
れた研削砥石をそれぞれ示す。また、変位量(単位:
[μm])は、何れもX方向(すなわち径方向)の変位
を、図9に示されるF(端面86の最外周)およびG
(厚さ方向の中央位置の最外周)の2点においてそれぞ
れ測定したものである。なお、変位量は軸心から離隔す
る方向を正とした値である。
【0052】
【表3】
【0053】上記表から明らかなように、従来の研削砥
石においては、空転時のF点およびG点の変位量、すな
わち端面86および厚さ方向の中央位置における径方向
の伸び量の差が3.2(μm)程度と大きい。このため、外周
面が図9に二点鎖線88pで示されるように太鼓状に膨
らんで、被研削材96の切り込み量が研削砥石70の厚
さ方向の両端面86、86と中央位置、すなわち厚さ方
向に送られる被研削材96の入口側および出口側と中央
部とで大きく異なることとなって、その両端面86、8
6側が研削加工に殆ど寄与しない。したがって、実質的
に研削時間が短くなることから、上記のように被研削材
96の表面粗さが 1.5μm Ra 程度と低下させられてい
た。これに対して、本実施例の研削砥石(実施例1およ
び2)は、F点およびG点の変位量の差が1.8(μm)程
度、或いは0.2(μm)程度と小さいことから、所期の研削
時間が実質的に確保されて、所望の形状精度や表面粗さ
が得られるのである。なお、上記2つの実施例のうち、
『実施例2』の方が両端面86、86側と厚さ方向の中
央側との縦弾性率Eの差が大きくされることによって変
位量の差が小さくされていることから、表面粗さが一層
高められている。すなわち、ベース72の縦弾性率E
は、上記2点の変位量の差が可及的に小さくなるように
厚さ方向に十分に大きく変化させられることが望まし
い。
【0054】要するに、本実施例においては、一対のフ
ランジ90、90によって挟み付けられた状態で回転軸
に取り付けられる研削砥石70は、ベース72が、厚さ
方向において両端面86、86から中央部に向かう程大
きくなるように縦弾性率Eが変化させられて構成され
る。そのため、軸心回りに回転させられる使用時におい
て、フランジ90、90による拘束力が小さくなること
に起因して遠心力に基づく径方向の伸び量が増大させら
れることとなる厚さ方向の中央部側程、縦弾性率Eが大
きくされて遠心力に基づく径方向の伸び量が小さくされ
る。したがって、研削砥石70の径方向の撓みが抑制さ
れて、外周面88の軸心方向の真直度が良好に保たれる
ことから、センタレス研削において実質的に研削に寄与
する研削面88が所期の厚さすなわち軸心方向長さに保
たれ、所定の形状精度や表面粗さを得るための実質的な
研削時間が確保されることとなる。
【0055】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に他の態様でも実施され
る。
【0056】例えば、前述の実施例においては、ベース
12、52、72がエポキシ樹脂中に炭素繊維が分散さ
せられた繊維強化型樹脂によって構成されていたが、例
えば繊維強化型複合材料や粒子分散強化型複合材料等の
他の複合材料から構成されてもよい。この場合、例え
ば、複合材料を構成する基材(マトリクス)は、ポリイ
ミド樹脂等の他の樹脂や、アルミニウム合金、マグネシ
ウム合金やチタン合金等の金属から構成されてもよい。
また、基材中に分散させられる繊維や粒子は、炭素粒
子、アラミド繊維や、炭化珪素、ホウ素、アルミナ、二
酸化珪素、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム等のセ
ラミック繊維或いはセラミック粒子でもよい。また、上
記のような複合材料に代えて、厚さ方向に物性が傾斜さ
せられた金属材料等が用いられてもよい。
【0057】また、実施例においては、ベース12等が
厚さ方向に4乃至5区分されて各層毎に縦弾性率Eが変
化させられていたが、その区分数は適宜変更され、また
縦弾性率Eの最大値および最小値は厚さに応じて変更さ
れる。なお、層間の縦弾性率の相違に起因する内部応力
を可及的に小さくするためには、区分数が多くされるこ
とが望ましい。
【0058】また、研削砥石10において、ベース12
の縦弾性率Eの変化割合(すなわち一面18側と他面2
0側との縦弾性率Eの差)は、外周面34の形状に応じ
て適宜変更される。すなわち、斜面34a、34bの傾
斜角度は、被研削材42の所望の加工形状に応じて定め
られるが、その傾斜角度が大きく、最大径と最小径との
差が大きい場合には、縦弾性率Eの差を大きくすること
が好ましく、反対に小さい場合には、縦弾性率Eの差を
小さくする必要がある。
【0059】また、研削砥石10においては、使用時に
おけるA点のY方向変位すなわち撓みが -0.6(μm)程度
となるように縦弾性率Eが変化させられていたが、一層
撓みを小さくした場合には、一面18側と他面20側と
の縦弾性率Eの差が更に大きくなるように設定すればよ
い。なお、図5に示されるようにアンギュラ研削をする
場合において、斜面34a側から与えられる研削抵抗と
斜面34b側から与えられる研削抵抗との差が大きいこ
とに起因して軸心方向の撓みが生じ得る場合には、上記
の縦弾性率Eの差はその研削抵抗の差を考慮して設定す
ることが望ましい。
【0060】また、研削砥石10においては、砥粒層4
0とベース12との間に下地層36が設けられていた
が、これは必ずしも設けられなくともよい。すなわち、
砥粒層40のみからセグメントチップ16が構成されて
いても差し支えない。
【0061】また、研削砥石10においては、ベース1
2の外周面14の形状が円筒面とされていたが、その外
周面14の形状はセグメントチップ16の外周面34の
形状に倣って形成されてもよい。この場合は、セグメン
トチップ16の径方向の幅は厚さ方向に一様となる。
【0062】また、研削砥石50、70においては、使
用時の周速度に応じて軸心方向或いは径方向の撓み量が
変化させられることから、厚さ方向の各位置における縦
弾性率Eは、その周速度を考慮して設定される。また、
研削砥石50においては、切り込み量や軸心方向の送り
速度によって軸心方向に与えられる研削抵抗が変化し、
その軸心方向の撓み量が変化させられることから、縦弾
性率Eは、それらも考慮して設定する必要がある。すな
わち、研削砥石50においては、周速度が遅い程、切り
込み量が大きい程、送り速度が大きい程、移動方向後方
側に撓まされ易いことから、縦弾性率Eの差を大きく設
定する必要があり、研削砥石70においては、回転速度
が大きい程縦弾性率Eの差を大きく設定する必要があ
る。
【0063】また、実施例においては、引張弾性率Ef
が相互に異なる炭素繊維が一定の体積率Vf でエポキシ
樹脂中に分散させられることによって繊維強化樹脂の縦
弾性率Eが変化させられるように説明したが、反対に体
積率Vf を変化させてもよく、両者を変化させてもよ
い。
【0064】また、実施例においては、ベース12等の
単位体積重量γが略一定であることを前提として、縦弾
性率Eが厚さ方向に変化させられることにより、研削加
工時の研削砥石10等の撓みが抑制されていたが、前記
(2) 式に示されるように、径方向の伸び△rは、単位体
積重量γにも比例する。したがって、単位体積重量γが
厚さ方向に変化させられる場合には、単に縦弾性率Eを
前記各条件に従って変化させることに代えて、それらの
比N(=γ/E)が厚さ方向の位置に応じて、例えばベ
ース12においては外径が大きくなる程小さくなるよう
に、また、ベース52においては、研削加工時の研削砥
石50の移動方向側程小さくなるように、また、ベース
72においては、厚さ方向の中央部側程小さくなるよう
に、それぞれ変化させられてもよい。
【0065】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の研削砥石を示す図であり、
(a) は平面図を、(b) は(a) におけるb−b視断面図を
それぞれ示す。
【図2】図1の研削砥石の外周近傍断面を拡大して示す
図である。
【図3】図1の研削砥石のセグメントチップを示す図で
ある。
【図4】図1の研削砥石の使用状態を説明する図であ
る。
【図5】本発明の他の実施例のコンタリング研削用の研
削砥石を示す図である。
【図6】図5におけるVI−VI視断面の外周面近傍の要部
を拡大して示す図である。
【図7】図5の研削砥石のセグメントチップを示す図で
ある。
【図8】図5の研削砥石の使用状態を説明する図であ
る。
【図9】更に他の実施例のセンタレス研削用研削砥石を
軸心を通る断面で示す図である。
【図10】図9の研削砥石のセグメントチップを示す図
である。
【図11】図9の研削砥石の使用状態を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10:研削砥石 12:ベース 34:外周面 40:砥粒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−90422(JP,A) 特開 平3−256674(JP,A) 特開 平6−91535(JP,A) 特開 平7−9346(JP,A) 実開 昭63−186559(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状のベースと、該ベースの外周側に
    固着されて該ベースの軸心方向位置に関連して外周面の
    直径が該ベースの厚さ方向に非対称となるように変化さ
    せられた砥粒層とを含み、該ベースの軸心回りに回転さ
    せられた状態で該砥粒層の外周面が被研削材に押圧され
    ることにより該被研削材を研削する研削砥石であって、 前記ベースは、前記軸心方向において、前記砥粒層の外
    周面の直径が大きくなる程大きくなるように縦弾性率が
    変化させられていることを特徴とする研削砥石。
  2. 【請求項2】 円板状のベースと、該ベースの外周側に
    固着された砥粒層とを含み、該ベースの軸心回りに回転
    させられた状態で該砥粒層の外周面が軸心回りに回転さ
    せられている被研削材に押圧されると共に該被研削材の
    軸心方向に沿った一方向に移動させられることにより該
    被研削材を研削する研削砥石であって、 前記ベースは、前記一方向側程大きくなるように縦弾性
    率が変化させられていることを特徴とする研削砥石。
  3. 【請求項3】 円板状のベースと、該ベースの外周側に
    固着された砥粒層とを含み、該ベースの中央部において
    厚さ方向の両側から一対のフランジによって挟み付けら
    れた状態で所定の回転軸に取り付けられ、該ベースの軸
    心回りに回転させられた状態で該砥粒層の外周面が被研
    削材に押圧されることにより該被研削材を研削する研削
    砥石であって、 前記ベースは、厚さ方向の両端部から中央部に向かう程
    大きくなるように縦弾性率が変化させられていることを
    特徴とする研削砥石。
  4. 【請求項4】 前記ベースは、繊維強化型複合材料から
    成り、該繊維強化型複合材料を構成する繊維の縦弾性率
    を変化させることによって前記縦弾性率が変化させられ
    ているものである請求項1乃至3の何れかの研削砥石。
  5. 【請求項5】 前記ベースは、繊維強化型複合材料から
    成り、該繊維強化型複合材料中の繊維の体積率を変化さ
    せることによって前記縦弾性率が変化させられているも
    のである請求項1乃至3の何れかの研削砥石。
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